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こどもの居場所部会(第8回)

概要

日時:令和5年9月6日(水)16時00分から18時00分
場所:こども家庭庁 22階 庁議室

【オンライン配信URL】
URL:https://youtube.com/live/-_sUgdTHST8

議事

  1. 開会
  2. 議題
    (1)「こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)」について
    (2)その他
  3. 閉会

資料

議事録

前田部会長: それでは、定刻となりましたので、ただいまから「こどもの居場所部会」第8回を開催いたします。

委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

本部会長の前田です。よろしくお願いいたします。

本日は、対面とオンラインのハイブリッドにて開催させていただきます。

それでは、まず事務局より資料の確認をよろしくお願いします。

山口成育環境課長: 事務局でございます。

まず、委員の出席状況でございますけれども、大空委員から少し遅れるという連絡をいただいております。また、青山委員、小川委員、関戸委員がまだお見えになっていませんけれども、間もなくお見えになると思います。

それでは、資料の確認をさせていただきます。配付資料ですけれども、資料1から資料6までの6点、参考資料が参考資料1、参考資料2の2点となっています。

過不足等がございましたら、事務局までお申しつけください。

また、今回の部会は傍聴希望者向けにユーチューブでライブ配信をしております。

それでは、頭撮りはここまでとさせていただきます。

前田部会長、よろしくお願いいたします。

前田部会長: それでは、議題1「『こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)』について」に入ります。

まずは、事務局より資料の御説明をお願い申し上げます。

山口成育環境課長: 事務局です。

それでは、まず資料1を御覧いただきたいと思います。

「論点を踏まえた議論の整理」というものでございます。この資料につきましては、前回までの御議論を踏まえまして、章立てを微修正の上、文章の形で整理したというものでございます。資料1の1ページにございます赤で囲った部分が前回の論点案に該当する項目になっておりますので、その文章編を作成いたしておりますので、それについて本日御議論いただければと思っております。

それから、資料2ですけれども、7月31日の部会で実施いたしましたこどもヒアリングの意見の概要版となっております。こども・若者の意見をまとめたものを参加したこどもに確認してもらい、公表資料として作成しているものであります。

それから、資料3ですけれども。7月25日から8月8日までの間で実施いたしました居場所に関するアンケートの結果でございます。説明は割愛させていただきますけれども、その内容について適宜御参照いただければと思います。

ただし、本アンケートは回答者の偏りを考慮したものではなく、統計的な処理を行っておりません。そのため、地域性や年齢などに偏りがございますので、そういった統計的に有意なデータというよりは、広く寄せられたこども・若者の声、意見としてお取り扱いいただければと思っております。

事務局からの説明は以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

それでは、議論に入らせていただきます。

議論は前半と後半に分けて進めさせていただければと思っております。前半は、第1章の2から第3章の3までの総論と「ふやす」のパートとし、後半は第3章の4から6の「つなぐ」「みがく」「ふりかえる」のパートといたします。前後半それぞれ45分ずつの時間を予定しております。

なお、御発言の際には、何章の何番の御意見かを明らかにしていただけると幸いでございます。

それでは、前半部分の第1章2から第3章の3、「ふやす」までのパートで御意見のある方は挙手ボタンを押していただければと思います。会場にて対面で御参加の委員の方も、お手数ですが、目の前のタブレットにて挙手ボタンを押していただけますようお願い申し上げます。

それでは、植木委員、安部委員からお手が挙がっていますが、植木委員のほうが少し早かったので、植木委員からお願い申し上げます。

植木委員: 植木でございます。よろしくお願いいたします。

第2章の4に該当することでございます。全体を通しまして表記の仕方が、例えば「必要である」「重要である」「期待される」など複数のレベルでの表記があります。今申し上げましたように、第2章の「4.本指針の性質等」の部分でございますけれども、ここでは本指針を十分に踏まえることが「期待される」という表現になっております。その対象として直接携わる者、地方自治体、学校、地域住民という四者が明記されております。これらは大変大事なところだと認識しますけれども、特に地方自治体に関しましては、各自治体の施策にしっかり反映していただくということがとても重要になるかと思います。そういった意味では、「期待される」という表現ではなくて、表記の仕方をもっと明確にしていただきたいと思います。恐らく具体的には第4章の「推進体制等」のところで明記されることになろうかと思われますけれども、その部分にしっかり明記していただきたいと思います。

以上でございます。

前田部会長: ありがとうございます。

それでは、次に安部委員、お願い申し上げます。

安部委員: 安部です。ありがとうございます。

1章の「2.こどもの居場所づくりが求められる背景」に「遊び」、「放課後」、「こどもの権利侵害」の3点を加えていただきたいと考えます。

まず、1つ目の「遊び」に関して、この2で記述されている背景については特に異論はないのですが、書かれていることはどちらかというと少し年上の人たちのことが書かれているように思います。こどもに関する課題のひとつには、やはり遊びが奪われていることが挙げられます。遊び場がないであるとか、遊ぶ時間がないとか、仲間がいないとか、そのようなことも書き込む必要があると思います。それが1点目。

2点目は、「放課後」がないがしろにされているということです。この居場所部会では放課後児童クラブについても話合いがされたと思います。放課後児童クラブは遊びと生活の場ですけれども、こどもたちの放課後に関する背景として、放課後が充実していないというところを書き込む必要があると思います。

それから、3点目が権利侵害です。先ほど申しました「遊び」であれば子どもの権利条約の31条になるわけですけれども、それだけではなくて、12条の意見を聴かれる子どもの権利であるとか、あるいは13条の表現・情報の自由、それから、こどもたちが集ったり仲間をつくるような15条の結社・集会の自由もやはり同じように奪われている部分があると思います。その意味では、現在、本来ならば保障されなければならないさまざまなこどもたちの権利が侵害されているということもここに書き込んでいただけたらなと考えました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

調布市の菊地委員、お願い申し上げます。

菊地(英)委員: 調布市の菊地でございます。

まず、2章の4の項目についてです。文面に「こども・若者」という言葉と「こども」という言葉が非常に出ておりまして、読み返してすごく気になった部分であります。これまでの議論をまとめたシートを見ますと、表題部分とか法律とか権利といった部分については「こども」という記載があって、皆様の意見、そこら辺を集約した部分を見ますと、ほとんどの部分で「こども・若者」という言葉が使われているように感じております。指針の性質の部分で細かく触れている部分はあるのですけれども、実際の指針をつくるときに「こども」という言葉と「こども・若者」という言葉を使い分けるか、どういうふうに反映するかにもよるのですが、使い分けるのであれば、こども、若者それぞれの定義というのをもう少し明確に上段に記載していく必要があるのかなと感じました。例えばこどもの何とかという表題の下にこども・若者の何々はなんて書くと、すごく分かりづらくなるようなところがないかなと危惧しております。資料5のこどもの大綱の資料のほうを見ますと、表題部分から「こども」という言葉と「こども・若者」という言葉の使い分けが明確になされているような印象を受けまして、今後、具体的な方針の素案をつくるときに、少し事務局のほうでもその点に御留意いただけるといいかなと感じております。

2点目が「ふやす」、3の(1)の実態の把握の部分とまたがってしまうのですけれども、4の(1)の「つなぐ」の部分なのですが、水野委員からも以前お話があったかと思うのでけれども、基礎自治体という立場で言うと、自治体と関与している団体についてはある程度実態の把握をしつつ、つなぐことというのもできるのだろうなと考えているのですが、ヒアリングであったり業務を通じて感じるのは、民間団体の方が中心なのですけれども、特定の地域というのを地盤にしていない団体さんであったり、複数の自治体をまたいでいたり、国内で広く活動されている団体さん、そういうのが多くあるということなのです。これは地域資源に乏しいところ、地域については、非常にこども・若者の救いの場所になるのだろうなと感じているのですけれども、基礎自治体はそういう組織の把握や繋がりをつくることが正直に申し上げて苦手なところがあります。ぜひそういった地域性というのが薄い団体の把握とか情報提供についてなのですけれども、基礎自治体任せではなくて、こども・若者がそういった団体に直接アクセスできるような仕組みでもいいですし、基礎自治体に情報提供できるような仕組みというのも、把握であるとかつなぐという意味では非常に重要なのかなと感じております。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、水野かおり委員、お願い申し上げます。

水野(か)委員: 水野です。よろしくお願いいたします。

私のほうからは、3章の「1.視点の構成」というところです。「視点の構成」の上から4つ目の「つなぐ」というところですけれども、ここについては、こどもをその場につなぐだけではなくて、居場所同士がつながるということもここに入るのではないかなと感じております。前回の会議の中でも植木委員からも御提案があったかと思いますが、ハブ機能についてはやはりこの「つなぐ」ということが重要ではないかなと思いますので、ここの部分に入れていただけたらなと思っています。

後ほど、後半の4の「つなぐ」のところでまた少し御説明をさせていただきたいと思います。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

では、成田委員、お願い申し上げます。

成田委員: ありがとうございます。よろしくお願いします。

全部で2点ありまして、1点目が第1章の居場所づくりが求められる背景のところなのですけれども、居場所づくりに関して、いろいろ社会情勢の複雑さとか変化といった近年の状況を踏まえて、居場所づくりは改めて大事みたいなことが中心に書かれているかと思うのですが、こどもの発達的な変化というか、そういった視点で居場所を考えていくということも大事かなと思っていて、特に例えば思春期あたりですかね。思春期、青年期ぐらいになると、特段目立った不適応とか、一見するとそれなりに居場所がありそうなのだけれども、自分自身のことだったりで実は結構思い悩んでいて、発達的な変化のゆえなのですけれども、精神的な不安定性みたいなことをこどもが持っているということ、それによって自殺リスクが高まることもあるという意味で、やはりこの居場所づくりに関して、例えばセーフティーネット的な視点というか、意識というか、そういったある種の危機感を持ってしっかりつくっていくのだという提言が必要ではないかなと思います。

それが1点目で、それと関連するのですけれども、第2章の「3.こどもの居場所づくりとは」というところや「4.本指針の性質等」のところに学校の居場所としての性質についての記載があると思います。基本的にこの指針の中では、学校というのは結果としての居場所、でも、こどもにとって重要な居場所ということで書いてあるのですけれども、僕自身も不登校のお子さんとか特別支援教育を受けているお子さんをいろいろ診る中で、学校に例えば行けなくなってしまった子とかが簡単に次の居場所につながることができるかというと、そうはいかないことがかなり多いのです。そういう意味で、学校は居場所のとしての機能があるのだけれども、重要度が違うというか、本来セーフティーネット的な居場所としての役割があるという意味で、学校の居場所としての役割や機能についてどこかに少し強調して記載していくほうがいいのではないかなということが2点目の意見です。

前田部会長: ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

菊池真梨香委員、お願い申し上げます。

菊池(真)委員: ありがとうございます。

2点ございます。
1点目は、最初の第1章「はじめに」の「2.こどもの居場所づくりが求められる背景」の部分ですけれども、日本が自殺率が高いというところ、家庭的背景などで心身ともに健康が守られていないこども・若者もいるというところで、そういった背景があるかなと思いまして、そういったところも表記するか、触れるかというところが一つ提案です。

2点目としては、未来に関わるかもしれないのですけれども、次の「3.こどもの居場所づくりを通じて目指したい未来」の部分の1つ目のところの最後に、「誰一人取り残さず、抜け落ちることのない支援であることが必要である」と書いていて、そうだなとは思う一方で、居場所というものが万能ではないということも、表記するかは分からないですけれども、そういったことも覚えておく必要があるのかなというのは一つ思いました。居場所を利用したいというこども・若者もいれば、そういうところは必要がなくて、自分に必要なものはほかにあるというこども・若者もいるということは踏まえておく必要があるかなと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、友川委員、お願い申し上げます。

友川委員: よろしくお願いいたします。

第2章の「2.こどもの居場所の特徴とは」というところに関してでございます。2点ございます。

今、特徴として挙げられている3点以外に、様々なこれまでの議論の中、もしくは本日御提示いただきましたアンケート調査の結果を見ますと、先ほど成田委員からもあったのですけれども、成長発達段階ごとに居場所に求めているもの、目的、そこで果たされている機能というものの特徴的なものと発達段階にかかわらず共通して大事なものというのが出てきているかなと思います。

提案としては、特徴の一つの中にライフステージごとに居場所がどのように議論されるかと。これはほかの大綱のところでもライフステージというキーワードがかなり出てきておりますので、ある偏ったライフステージの時期だけの居場所が議論されることがないよう、乳幼児はこの部会では取り扱わないかもしれないのですが、接続性とか連続性とか継ぎ目のない支援という意味では、あえて乳幼児から青年期までのライフステージごとの居場所の特徴、あるいは共通点と相違点というものがあることを検討するというような文言を足してはどうかということで提案でございます。

以上でございます。

前田部会長: ありがとうございました。

次に、会場におられます光真坊委員、お願い申し上げます。

光真坊委員: 光真坊でございます。ありがとうございます。

私からは2点あります。

1つは、第1章の「3.こどもの居場所づくりを通して目指したい未来」というところでございます。その中で、2つ目の印のところに「社会で生き抜く力」と書かれています。本当に力強いお言葉でいいかなと思いますが、通常、社会とか教育などだと「生きる力」というような形で書かれることが多いかなと思いますが、ここは思いが籠もっているのだろうなと思っていますが、これでいいかどうかです。本人に求めるものとして捉えられてしまわないか、本来は社会との相互作用によって、例えば、一人で難しくても、他者に依頼して援助を受けながらやっていくということもすごく大事な視点だろうと考えます。どう書いたらいいという提案は私には今はないのですけれども、ここの表現が本人だけに求めるものと誤解されないようにしていただけるとありがたいなと思います。そうしますと、しっかりと広く社会が受け止めていくということを目指す未来として、社会に対するメッセージも入れておくべきではないかなと感じております。

2点目です。これは第2章「3.こどもの居場所づくりとは」というところになります。上から4つ目の印のところの一番最後の部分ですが、「特別なニーズの有無に関係なく、誰もが来られる居場所づくりも必要である」と書いていただいております。これはまさしくそうだなと思います。そこで、誰もが来られる居場所づくりというところの視点の中に、できれば年齢や発達段階、成熟度という言い方もよくしますけれども、そういうものに配慮された中で誰もが来られる居場所づくりというような文言にしていただけるといいのではないかなと思います。

以上であります。

前田部会長: ありがとうございました。

ほかの委員の先生方、いかがでしょうか。皆様、いかがでしょうか。

湯浅委員、お願い申し上げます。

湯浅委員: ありがとうございます。

幾つかありまして、1つ目が、まず8ページの(2)既存の地域資源を生かした居場所づくりですけれども、ここに青少年教育施設等の列記がされていると思います。なのですけれども、さらに加えて、4ページでは「こども・若者に限らず、保護者や高齢者などの地域住民が交流する場として、広く活用されている居場所もある」と表現していただいていますので、青少年教育施設の後に、介護保険法上のサービスを提供する施設とか、障害者総合支援法上のサービスを提供する施設とか、学校教育法上の学校なども加えていただけるとより広がりが出るのかなというのが一点です。

あと、同じく8ページですけれども、民間企業に関して、「その活動の見える化等を通じた取り組みの支援が重要である」と書いていただいていますが、この「等」をもう一個開いて、詳しく見える化及び先進的な取組を後押しする等の支援としていただけたらなと思いましたので、それが2点目です。

それから、3点目なのですが、5ページの「こどもの居場所づくりとは」というところになるかなと思いますが、「ニーズを把握し、こども・若者の特性を配慮した多様な居場所づくりに取り組む必要がある」と書かれています。その後に、そういう多様なニーズがあるからこそ、より多くのこどもによりたくさんの居場所がある、どこもが居場所になるような世の中を目指しながら、同時に多くの場所が自分の居場所にならないこどももいるので、そのこどもにもどこか居場所がある。そういう状態、つまり、「どこも」と「どこか」の両立を目指したいというような言葉を入れられたらと思いました。これが3点目です。

あと、最後4点目なのですけれども、これもどこがいいのか確定しづらい。やはり「こどもの居場所づくりとは」の辺りになるのか、もしかしたら「こどもの居場所づくりが求められる背景」のところがいいのかもしれないのですけれども、こども大綱のほうでは居場所づくりの項目はどうしても学齢期のこどもの項目に置かれていて、特に書きぶりを見ると、放課後のこどもの居場所づくりというところにどうしても重心がある書きぶりになっていますが、私たちがここで意見交換をしてきたのは、必ずしも学齢期の放課後のこどもに限らない。こどもの放課後に限らず、学齢期前も、あるいはいわゆる学齢期後も、そして、放課後だけではない。いわば学校も居場所に、家庭も居場所に、そういうふうにいろいろなところが居場所になるようなという話をしてきたと思うので、置かれている場所が、大綱と今ここで議論しているところがややずれてしまっているところがあるかなと思うので、ここの指針のほうでは、学齢期の放課後はもちろん、その前のこどもを含め、そして、そういういろいろな人たちを含めて居場所が大事なのだというような表現は入れられないかなと思っています。全てのこどもの居場所という表現は既に使われているのですけれども、大綱のほうでも全てのこどもの居場所という表現を使いながらも、項目としては学齢期の放課後のところに置かれてしまっているので、そうすると、全てのこどもとなっているが、全ての学齢期のこどもの放課後と読み込まれてしまう可能性があるので、あえて、学齢期の放課後はもちろん、全てのこども・若者というふうに、それもさらに広いいいところを指針としては考えたいんだよというメッセージはどこか、なるべく最初のほうに入れられたらと思いました。これが4点目です。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、今村委員、お願い申し上げます。

今村委員: 今村です。

直前に資料を提出させていただきましたので、そちらのほうも御参照いただけたらありがたいなと思いながら、3点お伝えさせていただきます。

まず1つ目なのですけれども、資料5のこども大綱の中間整理案の22ページに記載のあるとおり、やはり学校が大切だということがここにも強調されていますし、また、この論点整理のほうの5ページにも、先ほど湯浅さんがおっしゃっていたとおり、居場所にはこどもの居場所となることそのものを目的としていなくても、やはり場所になり得るのだということが書いてあるわけなのですが、いま一度、改めて私としては、この第2章の「1.こどもの居場所とは」というところに、やはり学校がこどもの居場所にとってとても重要であり、学校がそうなっていない部分を見直していくべきなのだということも踏まえて、「こどもの居場所とは」というところに学校を見直すということについても触れていただきたいなと思っています。

私としては、ずっと中央教育審議会に参加してきて、これが学校教育の中でそんなに、教育の場としての役割についてはずっと議論してきたのですけれども、コロナ真っ最中のときにこどもたちが家庭だけが自分の居場所になったということが物すごくこどもたちの苦しさを生んだ局面をたくさんみんなで同時体験したと思っています。そのときに、初めて中教審の中でやはり学校はセーフティーネットなのだ、こどもは学校が安心・安全な居場所になるべきなのだということをこの添付資料の中にも、スクリーンショットを共有させていただきましたけれども、令和の日本型教育の答申の中でもきちんと右上のところに、2行目ですね。学校が安心・安全な居場所、セーフティーネットとして身体的・精神的な健康を保障する役割を担うのだ、それは本質的な役割なのだということが書かれています。

ここと呼応する形で、この居場所指針においても、やはり学校はとても重要だということを強調していただきたいなと思います。というのは、ずっとここでも多くの方が触れていらっしゃいますけれども、多くの自治体には学校以外にこどもの居場所資源がほとんどないという自治体がすごく多いなと思っていて、いろいろなNPOの人たちによる出番があるということはいいことなのですが、未就学、低学年以下のこどもたちの居場所は大変多いのですけれども、それがないという地域があるので、やはり学校を捉え直すということが全てのこどもたちに居場所がある状態に近づくのではないかなと思っています。なので、この第2章の第1項のところに明記していただきたいです。

2つ目なのですけれども、第2章の「2.こどもの居場所の特徴とは」というところにも同様に触れていただきたいのですが、心理的安全性の確保がとても重要で、やはり学校がとても重要だということに触れていただきたいなと思っています。学校というのは学びが第一の目的ではもちろんあるのですけれども、それだけではなくて、やはり心理的安全性が担保される居場所だから学びが成立するのであるということが今危ぶまれている状態があって、心理的安全性の確保というのがいかに重要か、学びという役割を果たす上でも重要であるということで、「こどもの居場所の特徴とは」というところにも記載を御検討いただきたいです。

3つ目なのですけれども、特にターゲッティングすべきは、まさに学校が居場所になり得ないこどもたち、不登校のこどもたちが増えているということを前提にして、第3章「ふやす」のところに、学校が全てのこどもたちの居場所になるため、つまり、不登校を生み出してしまっているということは学校が居場所になっていない、居場所と思えないこどもが物すごく増えているのであるということを前提に、その改善の努力をしていくべきだということについても、増やすだけではなくて見直しをするという点を明記していただきたいです。文部科学省も努力をしていないわけではなくて、最近では学校風土の把握ツールみたいなものを出して、不登校対策の学校の風土の見える化というものも推進しているところなのですけれども、いま一度、こども家庭庁はこども基本法にのっとった上位にあるという立場ですので、そこにも学校を捉え直す、見直す努力を求めるような記載をお願いしたいなと思います。

私からは以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

ほかの委員の先生方、御意見はございませんでしょうか。

友川委員、お願いします。

友川委員: すみません。追加でお願いいたします。

第3章の「2.各視点に共通する事項」のところについてが1点目でございます。こちらの中の、大きなくくりでいうと3つ目に官民の連携・協働という表現がございます。先ほどの議論にもありましたが、学校、もちろんこちらはフリースクール等の様々な学校形態、大学も含めての学校というものの連携や協働、そういう意味では、官民だけではなく学との協働というものと併せまして、官民の「民」というのが表現を読んでいるとどうしても地域コミュニティーのみを指しているように読み取れてしまうので、こちらには企業等、あるいは幅広い産業界からの居場所づくりへの協力というのも必要かなと思いますので、官民にくくるのではなくて、産官民学などのように表記しておいたらどうかということでございます。

2点目です。第3章の「3.『ふやす』」というところでございます。先ほど湯浅委員のほうから、(2)の既存の地域資源を生かした居場所づくりの中に介護保険上の施設等、具体的に御提案があったことに重ねまして、この文言の中には児童福祉施設というのが書いてあるのですが、まさに今、湯浅委員が言っていただいたような施設は社会福祉施設と言われる成人期支援の、これは地域格差で考えると、こども関連の社会福祉施設だけではなくて、広く社会福祉施設というのは地域にかなり広がりがありますので、そういった表現を足すというのはどうかということと、ヒアリングの中で社会福祉協議会からの実践の報告もございました。全国でもこどもの居場所づくり事業に社会福祉協議会が関与されて、子ども食堂を展開されたり、居場所をつくられたりというのもありますので、多様な事例を挙げていくときりがないと思うのですけれども、そういう意味では、社会福祉施設の一例で社会福祉法に基づく社会福祉協議会等という文言も入れていただければと思います。
以上でございます。

前田部会長: ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

大竹委員、お願いします。

大竹委員: 意思表示だけなのですけれども、先ほどの今村委員の資料も含めて、学校の在り方というところをしっかりとこの指針の中に書き込んでいただきたいというところで、今村委員のこの発言について同意したい、賛同したいということで意思表示でございます。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

次に関戸委員、お願いします。

関戸委員: 皆さん、会議に遅れて参加ですみませんでした。

私も今村委員の御発言に対して同意の意見なのですけれども、子どもの権利条約に関して日本は批准していますけれども、国連子どもの権利委員会から、日本は競争主義的な教育制度に対しての是正の勧告を何度か受けていますが、恐らく今回居場所づくりが必要になった背景というので、学校がこどもの居場所になり得ていないみたいな話がありましたけれども、この国連子どもの権利委員会からの勧告と、日本に今、居場所づくりが必要になっているというところは通ずるものがあると思っていますので、私もこのことについてコメントをしようと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

学校について御意見が出ましたので、教育長の水野委員、いかがでしょうか。

水野(達)委員: ありがとうございます。

今村委員の資料も見せていただきまして、私もたしか第1回目で意見させていただいたかなと思うのですが、コロナ禍を経験した我々は、学校の居場所機能の重要さというのを強烈に再認識したというのが共通の思いとしてございます。ですので、私は従来この議論に参加する中で、学校と家庭はこどもにとって居場所で当然あってほしいという大前提の下で、少しサードプレイス的な要素として様々な議論が進んでいるのだなという認識で個人的には見ておりました。そのサードプレイスの中に目的としての居場所や結果としての居場所があるのだなと読み解いていったのですけれども、今回改めてまとめられた内容を見ますと、もう少し学校、家庭という本来居場所であってほしいというところに関しての強調は必要かなと同感であります。

ただ、1点気をつけないといけないのは、学校がこどもたちにとっての居場所であるべきというちょっと強めの表現を使ってしまうと、現段階で不登校、学校が居場所ではないと感じている親子にとっては、しんどい思いをしてしまうのではないかなという懸念や、居場所であるかどうかというのは本人がそう感じるかというのが一つ大きなポイントで議論をしてきましたので、学校側が居場所であるべきと書くのは少し違和感がございますので、今村さんの提出の資料の文言で言いますと、2ページの一番下の「学校にはすべてのこどもの居場所となるための努力を求めたい」という表現が私の中では一番すとんと来ました。表記のここは入れないほうがいい、入れたほうがいいというのは、全面的に入れたほうがいいなという立場で意見をさせていただきました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。前半部分は皆さんよろしいでしょうか。

安部委員、どうぞ。

安部委員: ありがとうございます。安部です。

全部で4点あります。

まず1点目なのですけれども、第1章「3.こどもの居場所づくりを通じて目指したい未来」のところなのですが、先ほどの光真坊委員の意見に賛成です。今、この文章を読むと、こどもが何か努力して変わらなければいけないような印象も受けます。そうではなくて、成田委員もこれまでずっと指摘されていると思うのですけれども、私たちが、大人の社会がこどもにとっての居場所の重要性を認識すること、社会が変わっていくことが必要だというところをここに書き込んでいただけたらなというのが1点目です。

2点目は、8ページの第3章3の(1)居場所に関する実態調査のところです。ここの実態調査のところに、既存の居場所が果たしてこどもにとって本当に居場所になっているかどうかという調査を入れていただけたらと思います。その中に先ほど今村委員が御指摘された学校も入るかもしれませんし、あるいは多くの子どもたちが日常的にいる学童保育であるとか児童館がこどもにとって本当に過ごしやすい場所になっているかどうかというのを調査することが重要かなと思います。そこから改善をしていけたらということです。

それから、3点目、4点目は次の9ページになります。第3章3の(3)と(4)に関することです。(3)では居場所づくりの担い手の発掘、育成、それから、その担い手の支援が(4)に書かれています。担い手への支援のところで人材育成やキャリアパスの提示、メンタルケアというのが今指摘されているのですが、これだけでは生活していけません。居場所の担い手が生活していけるためにはやはりお金も必要だと思うのですけれども、例えば今、学童保育の現場だと学童保育を担う人材が全く足りていないといった声も聴きます。保育も同じような状況だったと思うのですけれども、保育の場合は、例えばですけれども、宿舎の借上げ支援事業等があると思います。これと同じような事業を、例えば放課後児童支援員であるとか、あるいは児童厚生員であるとか、こども支援に関わる人たちが広く利用できるようにしたらどうかなというのが3点目です。

それから、4点目が同じくこの担い手の支援のところなのですけれども、行政の位置づけを明確にしていただきたいと思います。特にこの居場所づくりを行政の中でどこが所管するのか。居場所行政を担っている人たちの強化を視野に入れることができたらなと考えます。というのは、例えば保育に比べて学童保育を担当している自治体職員さんというのは非常に少ない数で頑張っていらっしゃるのではないかなと思います。しかし、一昔前よりも学童保育に関しては非常に注目されていますし、社会的にも充実が求められているところかなと思いますので、ぜひこの居場所に関わる行政職員の強化を書き込んでいただけたらと思います。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

次に荒木委員、お願い申し上げます。

荒木委員: 荒木です。

今の安部委員の御発言にも少し重なるのですけれども、やはり社会で生き抜く力を得るとか、こどもたちが何かを得ていくというだけではなくて、こどもたちは本来そういう力があるということが大前提にされていかないといけないのではないかなと思っています。そもそも持っている力を私たち社会とかが阻害しているという考え方がすごく大事だと思っていて、それを取り払うことでこどもたちの力が発揮されるので、エンパワーメントという文言が入ってくるといいかなと感じております。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

成田委員、お願い申し上げます。

成田委員: たびたびすみません。

先ほどの学校に関しての議論のところで、学校を居場所という表現で説明すると、少し重みが伝わらない部分もあるのかなと思って、僕自身は学校はやはり居場所でありつつ、居場所としてのセーフティーネットというところを強調していくといいのかなと。こどもにとってはほかのサードプレイスとはレベルや質が違う意味合いを持っているというか、あるいはこどもだけではなくて、不登校になると、こどももそうですけれども、親も非常に惨めな気持ちになって、家庭丸ごと孤立してしまって、より地域につながりにくくなるという現状がありますので、セーフティーネット的な居場所の機能を担っているのだということを伝えていくこと。

それと、もう一方で、僕もいろいろなお子さんを通じて学校の先生方、現場の先生方とやり取りしていく中で、とはいえ、学校現場の先生方は特に人手が足りないとか、最近では働き方改革とかの話も出ていたり、学校の先生方のメンタルヘルスの問題もいろいろ問題が取り沙汰されていて、こちらから学校に場所として大事なのだよというところだけが現場に降りてしまうと、もっと先生たちが大変になってしまって、結局セーフティーネットとしての機能が果たせなくなるのではないかなという気がするので、第3章の3の「ふやす」の持続可能な居場所づくりというところで、セーフティーネットとしての居場所の機能を果たすには、セーフティーネットだからこそ、そこは人を手厚く配置していかなくてはいけないし、そこでそういう機能を果たせるように、学校だけが頑張るのではなくて、学校をまたサポートする行政とかいろいろな仕組みを分厚くしていく必要があるのだ、社会全体でそこを分厚くしていく必要があるのだということも含めて訴えていくことが必要かなと思います。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

関戸委員、お願い申し上げます。

関戸委員: もしかしたらこの後の5の「みがく」とかのところとも通ずるのですけれども、この段階で今言っておきたいなと思って、7ページの3章の「2.各視点に共通する事項」というところの中にこどもたちの「居たい」「行きたい」「やってみたい」というのが書いてありますけれども、「やってみたい」というところに対して、ここではこどもたちの何かにチャレンジできることとたしか書いてありますよね。というふうに言葉が書いてあって、やはりチャレンジできるというのは私もとても大事だなと思っているのですけれども、多分それぞれの居場所によってでき得るチャレンジも異なるとは思うのですが、私自身、やはりこどもたちの居場所というのは、育ちにつながるリスクへの挑戦というのが必要だということを何度もこの部会の中で申し上げていますが、この何かにチャレンジできるという言葉だけでももしかしたら伝わるような居場所もあるかもしれませんけれども、育ちにつながるリスクへの挑戦というような、もうちょっと具体的に踏み込んだこども自身が遊ぶことや居場所で何かやってみるときに生じる状態について、細かな表現と言うのでしょうか。より具体的な表現として、私としてはリスクへの挑戦、育ちにつながるリスクへの挑戦、その辺りの表現ぐらいまで踏み込んだほうが分かるのではないかなと思って、今、ここでもお伝えました。ありがとうございます。

前田部会長: ありがとうございます。

ほかにはございませんでしょうか。

それでは、次に後半部分に移りたいと思います。しかし、前半でまだ言い足りないこと、お気づきの点がありましたら、遠慮なさらずにお手をお挙げください。

それでは、後半部分の「つなぐ」「みがく」「ふりかえる」のパートに参りたいと思います。

同じく御発言の際には、何章の何番の項目かを明らかにしていただければ幸いです。

いかがでしょうか。皆さん、御遠慮なさらず。

関戸委員、もう一度お手を挙げておられますね。どうぞ。

関戸委員: 立て続けになりますけれども、入れるところがどこなのかという話なのですが、3章の5の「みがく」のところにも安心・安全の表記がありますので、この安心・安全な居場所づくりの中においても、さっきの私の言った「やってみたい」の表現の仕方として、リスクへの挑戦みたいなことも含めて、リスクへ挑戦することと安心・安全ということが同じなのだということがどこかで書かれるといいなと思ったので、さっきの発言とほぼ一緒なのですけれども、お伝えしました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、次に光真坊委員、お願い申し上げます。

光真坊委員: 光真坊でございます。

まず確認を1つだけさせてください。10ページの「つなぐ」の後の表題ですけれども、「~こどもが“その場”につながる~」となっています。前回までは多分“居場所”という文言だったのではないかなと思うのですけれども、“その場”に変わった経緯について御説明をいただければ幸いです。その後に文章には“その場”という表現はあまりないので、その部分について御説明をいただけるとありがたいと思います。

あと、もう一つ入れていただきたいなと思うのは、「つなぐ」の中ですけれども、学校においてはソーシャルワーカーと書かれておりますが、障害福祉の分野であれば障害者相談支援などの既存の相談支援がありますので、そういうところがしっかりとつないでいくというようなことが書かれていくといいなと思っております。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

光真坊委員から御質問がございましたけれども、事務局のほうから御回答はありますでしょうか。

山口成育環境課長: ありがとうございます。

こどもが居場所につながるというのが、確かにそう書いています。必ずしも意図して直したわけではないので、こどもが居場所につながると戻して全く差し支えないと思います。失礼しました。

前田部会長: ありがとうございます。

水野かおり委員、お願い申し上げます。

水野(か)委員: 水野です。

私のほうから2点ございます。

5の「みがく」の全体についてになります。5の「みがく」の一番最初の冒頭です。1つ目、やはりよい場所になるためには大人の存在、役割、それから、関わり方がとても大事であるということです。前回の会議でも皆さんもおっしゃっていたかと思いますけれども。こどものヒアリングの内容にも居場所への期待や要望や求めることについても、大人の存在についての記載がございます。また、アンケートの内容にもそのような、子どもの権利条約、それから、こども基本法はもちろん大前提として、こども一人一人に合った関わり方ですとかこどもの気持ちに寄り添った関わり方があるということで、安心できる居場所になるということかなと感じます。そして、そのための人材育成、それから、研修や資格等についても多少記載があってもよいのではないかなと感じました。そして、もう一つ、こどもに関わる大人としての倫理について触れる部分があってもいいのではないかなと感じております。

そして、もう一つ、こちらも5の「みがく」ですが、(4)です。先ほども少しお話ししましたが、居場所同士をつなぐとするならば、この(4)の部分は「つなぐ」でもよいのではないかなと感じました。前回の会議であったハブの部分になるのかなと思います。居場所同士がつながって情報交換などをしながら、よい場所になるよう学び合うということはとても大事かなと思っております。

その下、(5)ですが、3つ目に災害時の居場所についての記載がございます。こちらは別立てのほうがよいのかなと感じました。災害時など居場所を失った場合にこそ継続した居場所や遊びが重要であって、そのためにもBCPの作成などについても配慮事項として記載されるとよいのではないかなと感じました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、宇地原委員、お願い申し上げます。

宇地原委員: ありがとうございます。

4つありまして、3章の4の(2)で「行政主導の」という書き方がある文章があるかなと思いますが、そこがまだ気になっていまして、この文章だけ読んでしまうと、行政主導で場所をやってしまうこと自体が後続の文章にあるような形で、利用しにくさにつながると若干読めてしまうなというところが気になりました。これは行政がやるのが悪いというよりも、大人で決めた目的であるとか、大人側が想定した手段や関わりというものによって具体的に管理的に文化をつくる、ルールをつくるといったところで、こどもたちが利用しづらくなったり、居場所を居場所と思えないといったこと、結果として目的が達成されないという話なのかなと思いましたので、「行政主導の」というよりは、そこの中身の部分を書いたほうが実があるのかなと感じたというのが一つです。

その下、同じ4の(2)なのですけれども、信頼できる者からの勧めが利用しやすさにつながるという話がここにありまして、それは実際にそうだなと思っています。ただ、そういう人が特に困難な状況にあるこどもたちの周りには少ないというのが実際に起きている現実かなと思っていまして、周りの大人がこどもの信頼をつくる、そういった関係を積み上げていくということが重要だと考えまして、それは恐らく実際にこどもたちの周りにいる大人の全員がというか、ほとんどの人がこれは重要だということは既に自覚しているはずで、ただ、そこをやり切れないということが構造的にあることが課題かなと思っています。ここまでの議論の中でも人材確保の話とか雇用の話というのは出ていますけれども、そこまで周りの大人がこどもとの関係づくりまでやり切れるような雇用関係や人の確保というところにはやはりアプローチをする必要があると思っていまして、そこが明記されるといいのではないかなと思いました。

次に3つ目です。これは4の(3)か、あるいは5の(4)のどちらに入れるか悩んでいるのですけれども、リスクの高いお子さんと関わる中で、やはり居場所の中で受けてきた傷を回復していく。回復していく中で自身の欲望形成みたいなものがされていって、結果としていろいろなニーズが出てきて、つながった居場所だけではない様々な活躍の場を求めていくというような変化がよく見られるなと感じています。なので、居場所につながったら終わりという話だけではなくて、どこかの居場所を得た後に、社会の様々なところでその子自身が活躍していけるようなイメージといいますか、居場所につなげる。その後、またいろいろなところにつなぎ直すといった動きが想定された書き方がされるといいのかなと思いました。

最後、4つ目はすごくアバウトな話で恐縮なのですけれども、どこかに書いてある可能性もあるのですが、こども自身が自分のことを自分で決めるということは、特出しで居場所づくりにおいて重要な視点として書いてもいいのかなと思っています。それはもちろんこどもの権利というものの中で内包されるとは思うのですけれども、居場所を運営している中で、やはりこどもたちのライフステージにもよりますけれども、いろいろな決断とか選択をこどもたちは常に迫られているなと感じます。進学だったり就職だったりという大きいものもあれば、それ以外でもいろいろな自分の人生を決めるフェーズにいるのだなと思うのですけれども、どうしても傷ついていたりすると、すごく立ち止まったり、悩んだり、視野が狭くなったりということもある中で、大人のほうで介入したくなるような瞬間もあると思うのですけれども、そこでやはりこども自身、若者自身、本人の意思決定、自分で決めるということを尊重するという関わりは、その後の人生においてすごく重要だなと思っていますので、こどもが自分で決めるということをやはり重要な視点として一個追記していただけるとうれしいなと思っています。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

ほかの先生方、いかがでしょうか。

成田先生、どうぞ。

成田委員: 2点あります。

第3章の4の(3)どんなこどももつながりやすい居場所づくりというところで、今、このつながりにくい背景要因としては、障害のあるお子さんや社会的養護の下で育ったこどもとか書いてあると思うのですけれども、先ほど来話題に出た不登校の状態にあるお子さんや御家庭というのも、かなり居場所へのアクセスがしづらい上に埋もれてしまって、学校に通わなくなり始めたときはみんな声をかけてくれるのだけれども、長引いてきたり年度をまたぐとなかなか把握されないとか、行政も学校も何となく及び腰になってしまってというようなことが少なからずあります。それは数としても結構多いのではないかなと思いますし、その流れが改善されないと、いわゆるひきこもりの状態につながっていくケースもかなりあると思いますので、そういった不登校のことについても意識したことを書いていただくといいかと思います。

もう一点、第3章の5の(1)安心・安全な居場所づくりという部分です。この安心・安全という言葉はかなりよく使われるようになっていて、何となくみんな納得するのだけれども、具体的にこどもにとっての安心や安全がどういうことを意味するのか、逆に言うとどんなことが安心・安全が保障されていないことになるのかというのが、実はあまりこうよく分かってもらえていないのではないかなと感じることがあります。なので、ここはもう少し具体的に書けるといいのかなと思います。

決して居場所、学校も含めてですけれども、居場所を提供したり管理している大人がこどもの安心を脅かそうと思ってしているわけではない振る舞い、例えば大きな声でとか、誰かを注意するとか、そうしたときに、例えば注意されたこどもではない周りのこどもが不安や恐怖を抱いて、その場に行くことが安全ではなくなってしまうといったこともあると思うのです。そういう意味で、事例的なことは書けないと思うのですけれども、こどもが不安や恐怖を感じていないかということについて大人が敏感に感じ取って、振る舞いを常に見直していくというか、そういったニュアンスがあるといいかなと。

あとは、安心・安全なところで、障害のあるお子さんに関して言うと、特に客観的には一般的な環境であっても、刺激が多かったり、あるいは話し言葉だけの刺激だったり、構造的に分かりにくいような状況だと、例えば自閉症のあるお子さんなどは、そういった一般的な環境なのだけれども安心・安全ではなくなってしまうという状況があります。つまり、こども側にとって安心・安全なのかという視点で常に環境側をアセスメントして見直していく必要があると思うので、そういったことも含めて、この安心・安全という内容についてもう少し踏み込んで書いていったほうがいいのではないかと思います。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、菊池真梨香委員、お願い申し上げます。

菊池(真)委員: ありがとうございます。

2点ございます。

一つは「みがく」というところになるかなと思うのですが、具体的にどこに当てはまるかというところではあるのですけれども、安心・安全な居場所づくりというところに当てはまるかもしれないのですが、こどもが居場所を利用していく、こどもの居場所が大事ということで、こどもがもちろんそういうことを知るというのはもちろん大事なことだと思うのですけれども、私はふだんはハイリスクの若者たちと関わることが多いのですが、その中で、そういう場所を利用して怒られるとか、殴られるとか、親が認めていないのにそういうところを利用したりしてハイリスクなことが起こるというようなこともあり得るということも鑑みると、社会への発信というのもすごく大事だなと思っておりまして、こどもの居場所が大事であることと、こどもの権利、先ほどもありましたように、遊ぶ権利があって、それがとても重要なのだということも含め、大人への発信、社会への発信というのもすごく大事だなと思っておりますので、そういったところもあるといいなと思いました。

また、遊ぶほかに習い事に行ったり、塾に行ったり、こどもたちも結構忙しい中ではあると思うのですけれども、その中でも遊ぶ権利を選んでいいんだよということや、もちろん習い事や塾も居場所の一つとなればいいなと思っているのですが、全ての大人がこどもの遊ぶ権利、居場所も大事ということを意識していくことが大事だと思いました。

もう一つが、第3章の「6.『ふりかえる』」の3個目の◆で、国において必要な調査研究等を行うというような評価の部分があるのですけれども、今回、文言にどうのという話ではないのですけれども、国としてこどもの居場所づくりをやっていくというときに、国が調査研究をまた行ってということだと、あまり意味がないとまでは言わないのですが、本来は第三者的な独立したコミッショナー、こどもコミッショナーのような機関がやって、子どもの権利条約にのっとって居場所において権利が守られているかなどを調査していくことが理想かなと思いまして、文言というわけではないのですけれども、引き続き検討していただけたらなと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、大空委員、お願い申し上げます。

大空委員: カメラオフで失礼します。遅参して申し訳ございませんでした。

第3章の4の「つなぐ」というところなのですけれども、全体を通して、例えばスティグマという単語がどこにも見当たらないことは少し問題かなという気がしていまして、いわゆるためらいですよね。ここでは様々な方や事情を抱えたこども、それから、障害児、社会的養護の下で育ったこども・若者などということで挙げられていますけれども、いわゆる頼ることが恥ずかしいとか、相談することが負けだというような極めて自業自得に近い、懲罰的に捉えられた自己責任論みたいなものがかなり根強く背景にあり、結果、SSWは数を増やしてきたけれども、残念ながらこどもの自殺も過去最多を記録しているみたいな状況というのが続いている現状があるわけですから、できればもう少し幅広く、文化としてやはり頼りづらいというものがあって、それを政府として乗り越えようということを孤独・孤立対策の中では今一生懸命やろうとしているところですけれども、ここでも居場所にアクセスできない背景としてやはりスティグマのようなものがこどもたちの中にあるのではないかと。その存在については、どこかで書かれていたら大変申し訳ないのですけれども、スティグマという単語を使うかどうかは置いておいて、より明記をしたらいいのではないかと思います。

もう一個、第3章4の(3)について、オンラインの居場所について、初めの一歩としてつながりやすいものと考えられると。これは事実でそのとおりだと思いますけれども、同時に、この書きぶりだとオンラインの居場所というのが初めの一歩であって、地域性のある対面のいい場所のほうがより上位概念であるような誤解を生まないかというのが非常に心配をしておりまして、オンラインで完結する支援というのも当然あるわけですし、オンラインだけが居場所になって、そのことによって、当然、それはこどもにとって居場所として機能するという現実もありますから、初めの一歩としてつながりやすいという現状とプラスアルファ、オンラインだけでも完結する場所もあるということについても書きぶりとしてあってもいいのではないかと。

その2点でした。以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、次に荒木委員、お願い申し上げます。

荒木委員: 「4.『つなぐ』」ですけれども、小学校から中学校、中学校から高校というところで、前回も未就学からのつながりを大事に入れていきたいという話をしまして、小学校の前に就学時と記載するなど小学校へのつなぎ先が見える文言を足していただけたらいいなと思っております。

あともう一つ、「5.『みがく』」なのですけれども、こちらの(3)です。遊びは重要な要素だということが1ポツに書かれているのですけれども、遊びには発達を増進する重要な要素が含まれている。その次の「何もしないことを含めて」というところで、それだけではなくて失敗も含めて、「失敗や何もしないことを含め」といった書き方はどうかなと考えています。

それから、第3章の「6.『ふりかえる』」なのですけれども、内容が評価検証ということもあるのですけれども、大人目線というか、ここに来てこどもの存在がないなと感じております。ここにこどもの気持ちや意見を聴く機会をつくるとか、例えば、第三者評価にこどもが入るとか、そのような具体的なこどもの関わりを入れていくのはどうかと考えております。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、山本委員、お願い申し上げます。

山本委員: カメラオフで失礼します。

第3章の「みがく」の安心・安全な居場所づくりに入るかなと思うのですけれども、とても基本的なところで申し訳ないのですが、本当に現場にいてとてもいいのが、ハイリスクの子たちと関わっている機会が多いのですけれども、幼少期から信頼できる方を見つけて、やはり何かお話しした際に親に大人の勝手な判断で連絡されてしまったり、または職員の方々が情報を共有するときに、他者のほかの子が聞いていて思わぬところで広まってしまって、そこから居場所が奪われたり、そういう基本的なところでかなりのつまずきだったり、そこからも誰にも頼れない状況になる子というのはとても本当に信じられないぐらい多い件数、経験している子が多いという部分では、こどもを守るという意味で、どんな文言がいいか私自身は分からないのですけれども、そこを強く強調するようなものは一つあったほうが、それこそがハイリスクな子にとっての安心・安全な居場所づくりかなと感じています。

以上です。よろしくお願いします。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、光真坊委員、お願い申し上げます。

光真坊委員: 光真坊でございます。たびたびすみません。

2点あります。

12ページの第3章の「5.『みがく』」というところの(2)です。これは文言のところだけです。(1)、(3)、(4)、(5)は何とかの「居場所づくり」という表現でタイトルが付いていますが、この12ページの(2)は「こどもとともに居場所をつくること」となっています。これを同じように「〜居場所づくり」と文言でそろえるとよいのではないか。もしそろえるのであれば、「こどもも参加した居場所づくり」とか「こどもと協働した居場所づくり」というような表現がよいのではないかと感じております。

2点目は、10ページ以降になると思いますが、「つなぐ」のところです。ここも居場所づくりということで、居場所が果たす役割としての「つなぐ」というのを書いていただいております。これまでも議論の中でも、つなぐ人とかつなぐ機関とかそういうところの重要性みたいなのが出されていましたが、そこの部分は抜き出して表記していただいたほうがいいのではないかなと思います。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

安部委員、お願いします。

安部委員: ありがとうございます。安部です。

3点ございます。

まず1点目なのですけれども、13ページ、第3章「5.『みがく』」のところなのですけれども、(4)です。連携・協働した居場所づくりがあるのですが、昨年度、今年の3月に出ました社会保障審議会児童部会の放課後児童対策に関する専門委員会の取りまとめの中で、児童館の拠点性について触れられているかなと思います。ですので、居場所の連携・協働の拠点の例として、市区町村の児童館、それから、都道府県の大型児童館を明記してはどうかなというのが1点目です。

2点目、先ほど水野委員がおっしゃっていた、(5)の一番下に書いてある災害時の居場所について独立させたらどうかという御提案に賛成です。やはり1行書くだけではなくて、独立した項目としてあったほうがよいのではないかなと考えました。

それから、3点目は、どこに置いたらいいかが分からないので、こちらは御相談なのですけれども、こどもがつくる居場所、こどもだけでつくる居場所を私たちが応援するというか、邪魔しないというか、その意義をおとなが理解するというのが重要かなと思います。というのは、例えば児童遊園、公園ですよね。公園でこどもたちが遊んでいると、遊んでいる声がうるさいと言われたり、ボール遊び禁止などといった禁止事項をたくさん書いた看板があったりするというのは、こどもだけの居場所を奪っていることにほかならないと思うのです。あるいはオンラインゲームで集まって、そこでおとなに邪魔されず楽しく遊んでいたり、居場所として機能していることもあると思うのですけれども、大人は「またそんなことをして」みたいな目で見たりするので、そうではなくて、やはりこどもだけの居場所も大事なのだというところをどこかに書き込めたらよいなと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、成田委員、お願い申し上げます。

成田委員: たびたびすみません。

2点あって、1点目が第3章5の(5)の1つ目のところで、オンラインゲームやSNS、デジタル空間を居場所と感じるというところなのですけれども、ここについては、いろいろヒアリングを通して、僕自身もまたその重要性というか有用性も改めて学ばせていただいたところではあるのですけれども、ここの部分、「居場所のあり方を不断に見直していくことが必要」とか、その次のポツのところで「担い手が環境変化に対応できるよう学び続ける」と書いてあるのですけれども、それが大人が一体何を学べばいいのかということとか、どんな役割を果たせばいいのかということがもう少し具体的になっているといいのかなと感じます。

具体的には2つあって、一つは、やはりもともとオンラインとかSNSはやはりリスクの部分がクローズアップされてきたというところがあって、そこはもちろん大事な点ではあるので、そのリスクからこどもたちを守るという部分の役割や、あとは新たにそれは悪いものとか危険なものみたいな偏見を大人が持っているというところについて、改めてそこの居場所の有用性を知っていくとか、大人が持っている価値を変容させていくとか、そこぐらいまで踏み込んで書いていくほうが、こどもたちも今オンラインの居場所をどんどん活用していっていることがあるので、大人がついていけないのではないかなと思っていて、そこまで踏み込んで書くのはどうかなと思います。

2点目が「6.『ふりかえる』」のところなのですが、見落としているのかもしれないのですけれども、何回か前の議論のところで検証するというのはなかなか難しいみたいなことが話題になっていたと思うのですが、やはりそんな中でも、「みがく」のところにもあるのですけれども、こどもの安心・安全や権利擁護という点に関しては、どのような性質の居場所であっても共通して土台として絶対に守られていかなくてはいけないという部分はあると思うので、この安心・安全、こどもの権利擁護がちゃんと保障されているかということは振り返っていく、検証していくというようなことは入っていますか。見落としているのかもしれないのですけれども、入れていったほうがいいのではないかなと思います。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。まだ御発言なさっていない方はおられませんでしょうか。大丈夫でしょうか。皆さん、いかがいたしましょうか。

水野かおり委員、お願いします。

水野(か)委員: 先ほど安部委員がお話しした内容にもかぶるのですが、もしかしたら第1章の2の背景のところに入るのかなとも感じている内容なのですけれども、やはり背景には大人社会やこども・若者への見方、考え方というのが大きいのかなと思っております。1章の2の上から4つ目に書かれています、「かつてはこどもの居場所となりえた空き地や路地裏など、こどもが自由に過ごせる場は減少し、」という部分ですが、大人側、社会側の先ほどの安部委員からありましたうるさいとか、そのような声などから居場所を取ってきた、失ってきたということもあるのかなと思っております。こどもが自由にこどもらしく生きにくい社会環境を大人側がつくってきてしまったのかなというのも感じますので、そして、居場所を狭めていると言うのかな。そういうことも感じますので、こどもがこどもらしく生きられる社会、こどもが自由にやりたい、やってみたいを応援できる社会と言うのかな。そういうことが求められるのかなと感じましたので、そういう大人側、社会側のことも書かれてあるといいのかなと感じました。
以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

ほかはいかがでしょうか。

今村委員、お願いします。

今村委員: すみません。この時間は第4章についても触れていいのでしょうか。

前田部会長: 後半部分ですよね。

今村委員: いえ、第3章の後半部分ではなくて、第4章についてはまた別の機会があるから、今日は触れないほうがいいという前提でしょうか。

事務局、どうですか。

山口成育環境課長: 第4章についても、まだ今日はお時間があるようですので、御発言いただいても構わないかと思いますが、具体的には次回また文案が示せるとは思いますけれども、御意見があればお願いしたいと思います。

今村委員: ありがとうございます。

では、第4章について頭出し的に発言させていただきます。

提出させていただいた資料の4番にも明記させていただいたのですけれども、文部科学省のほうでつくっている教育振興基本計画というものがあります。この6月に令和5年からの5年計画が閣議決定された第4次教育振興基本計画というものが決まって動き出しているのですけれども、そこの中の表記として、先ほどの学校をもちろん唯一無二の居場所だとこどもたちに断定して伝えようということを私もお伝えしたいのではなく、まさに水野先生がおっしゃったとおり、こどもたちにとっての権利の一つとして、いい場所、ちゃんと学校も居場所である場所に変えていこうよということを大人たちが変えていかねばならないということについてが、この第4次教育振興基本計画の中には盛り込まれなかったと私は認識しています。

先ほど同じ資料の令和答申と呼ばれている中教審の資料のスクショを添付させていただきましたけれども、そこの段階では、学校の本質的な役割として、③として安心安全な居場所・セーフティーネットとしての身体的、精神的な健康を保障する学校教育の本質的な役割という明記はあったのですが、教育振興基本計画においては、どちらかというと地域社会との連携で地域社会としてこどもたちの居場所をつくっていきましょう、社会教育施設等も活用していきましょう、公民館とか図書館とかを使いましょうみたいなことをにおわせてはあるものの、学校自体がこども基本法の精神にのっとってきちんと変わっていきましょうということは、文言としては、何回も検索したのですけれども、私も参加しておきながら役割不足だったというところなのですが、盛り込まれていないということが言えます。

なので、随分後になりますが、また5年後なのであれですけれども、やはり文部科学省の政策に、こども家庭庁が設置された今、きちんと影響を持てるということはとても重要なことだと思うので、学校がきちんと居場所になり得るということを、この居場所指針を踏まえた政策やこの振興基本計画の議論の中にきちんと俎上として上るような書きぶりにしていくのが必要かなと思っていますので、この第4章はまた次ということなのですけれども、こどもたちにとって教育はとても大きな問題ですので、そことの連携についても明記いただきたいなと思いました。

前田部会長: ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

4章以降はまた次の会議のときに時間がありますので、今お気づきでなくても、次の会議のときに御発言の機会がございますので、御安心ください。

大竹委員、いかがでしょうか。

大竹委員: 2点ほどで、今、今村委員がおっしゃったように、こども家庭庁というのは司令塔だというような役割を担っているということですので、しっかりそこの部分、今村委員が言われたようなことはしっかりと記載していただければなということが一点。

もう一点は、先ほど水野委員や安部委員からもお話がありましたように、これから日本の社会において震災というのは避けられない。そういう中にあって、東日本大震災の折には荒木委員等が現場でそういったこどもたちの支援、そこに安部先生も参画されているというところでは、やはりそこの震災に関するところでもしっかりと、これは避けられないということであるので、今回タイトルもつけて1つの項にしていただくといいのではないかなと思っています。

そういう中にあって、国の機関であったこどもの城というものが閉鎖されておりますので、全国の自治体の中で18しかございませんけれども、大型児童館というようなものがありますので、こういう大型児童館の在り方というところも支援というようなところでは今後重要になっていくのではないかなと思っています。ということで、頭出しというか、項目を出していただければいいなと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

皆さん、御発言は大丈夫でおられますか。

では、菊池真梨香委員、お願いします。

菊池(真)委員: 学校のことについて、私も学校の重要性について一言だけお伝えさせていただきたいと思いますが、私が関わるハイリスクの若者で、スマホも持つことができなかった、そして、親に全部スケジュールも把握されていて遊んだことがないというような若者も中にいまして、そういう若者が支援につながったというのが学校であったということがすごく多いのです。なので、学校でしか救われることができないという若者・こどももいるということを一言付け加えさせていただきたいと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。

成田委員、お願いします。

成田委員: 今日は学校の居場所としての機能という話が割と出ていると思うのですけれども、なぜこどもにとって学校が居場所としての重要性があるのかということについて、どこか、「場所の特徴とは」なのですかね。分からないですけれども、学校は例えば小学生中学生とかは行く、要はこどもが行きたいから行くということではなくて、行くことになっているというのが日本の仕組みだと思うのです。そういう社会の仕組みの中にこどもがあって、学校という場所にアクセスしていて、その中で例えば不登校になるこどもというのは、学校は例えば教育の場だと大人側は考えるのだけれども、やはり行けなくなるときは完全に居場所として危機に陥ったということで行けなくなることが多いわけで、行けないと勉強が遅れてしまうよとか、周りの大人は教育的なことを心配したりするのだけれども、そこがかみ合っていなくて解決しないということは結構あるなと思います。

そういう意味で、学校がこどもにとってどういう文脈で居場所になっているのかみたいなことをどこかに書けるといいのかなと。それがないと、何となく学校も居場所なのだという話が、学校側からするとまたやることが増えたみたいな、またと言ったらあれですけれども、本来はそう思っていてくれないといけないのですが、新たなやらなくてはいけないこと、責任が増えたと勘違いされてしまうのではないかなということがあるので、前半の定義のところに少しそういったことが盛り込まれるといいのではないかと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。まだあと10分ぐらい時間がございますが、皆さん、よろしいですか。もし後から気づかれたことがあれば、事務局にメール等でお伝えください。

また、9月はもう一回、今度は3時間の委員会がございますので、そのときにも御意見を出していただければと思います。

それでは、一旦皆さんから意見が止まったようですので、次第2の「その他」に移らせていただきます。

まずは事務局より資料の御説明をお願い申し上げます。

山口成育環境課長: 事務局です。

資料4「今後のスケジュール」という資料を御覧いただきたいと思います。

資料4ですけれども、今回が第8回の部会ということでございます。次回、9月下旬の部会では、今日の御議論を踏まえて指針の素案というものを提示する予定にしております。3時間となりますけれども、素案の御議論をいただければと思っております。

その後、こども家庭審議会の総会が予定されております。その総会のほうで当部会での指針の議論の状況について報告を行う予定にしております。

また、資料の右側になりますけれども、9月の下旬から10月の中旬にかけまして、こどもパブリックコメント等を行うという予定になっております。

その後、11月中旬に答申案の取りまとめ、11月下旬にこども家庭審議会で答申、年内に閣議決定の予定となっております。

それから、続きまして資料5「今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針と重要事項等(中間整理)(案)」という資料を御覧いただきたいと思います。

こども大綱の策定に向けました中間整理につきましては、当部会とはまた別の基本政策部会というところで議論がなされております。

先日、秋田こども家庭審議会会長から各部会長宛てに依頼がございました。こども大綱は基本政策部会だけでなく様々な部会にも関係することから、基本政策部会での議論と同時並行で関係部会でもそれぞれの部会の所掌の観点から中間整理の案について必要な議論等を行っていただき、その上で9月下旬のこども家庭審議会総会において関係部会長、部会長代理から部会での議論等を報告いただき、それらを踏まえて審議会総会として中間整理を取りまとめたい、このような依頼がございました。

この依頼を受けまして、当部会でも所掌の範囲について部会としての意見を取りまとめ、9月下旬のこども家庭審議会総会にて前田部会長より報告をお願いしたいと思っております。

本日の部会では中間整理案について議論する時間がございませんでしたので、中間整理案について御意見がある場合には、9月13日までに事務局までメールでお寄せいただければと思います。いただいた御意見を踏まえまして、9月下旬のこども家庭審議会総会における報告内容を部会長と相談させていただきたいと思います。

具体的には、中間整理案の当部会の所掌について、主に記載がされている部分は資料の23ページになりますけれども、23ページの居場所づくりというパラグラフがございますので、赤で囲っておりますが、その点について御確認をいただければと思っております。

私からは以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

事務局から御説明がありましたとおり、中間整理案について御意見がございます場合には、9月13日までに事務局にメールで御意見をお寄せください。皆様の御意見を踏まえまして、こども家庭審議会総会での報告をいたしたいと考えております。

今後の日程について事務局のほうからお願いできますでしょうか。

山口成育環境課長: 今後の日程につきまして、第9回は9月22日、15時から18時の3時間にて対面、オンラインのハイブリッド形式での実施を予定しております。よろしくお願いいたします。

前田部会長: 皆様、今日は予定よりちょっと早くなっておりますが、これで会議終了とさせていただいてよろしいでしょうか。言い忘れたこととか何かございませんか。大丈夫でおられますか。

それでは、皆様、今日は本当にどうもありがとうございました。