本文へ移動

こどもの居場所部会(第3回)

概要

日時:令和5年6月13日(火)9時00分から12時00分
場所:こども家庭庁 21 階 成育局第二会議室

【オンライン配信URL】
URL:https://www.youtube.com/watch?v=AS8UktbGn7I

議事

  1. 開会
  2. 議題
    (1)居場所づくりに関係する団体からのヒアリング
    (2)居場所づくりに関係する団体への事務局によるヒアリング結果(中間報告)
    (3)こどもへのヒアリングについて
  3. 閉会

資料

議事録

前田委員長:皆様、おはようございます。定刻となりましたので、ただいまから「こどもの居場所部会」第3回を開催いたします。

委員の皆様には、朝早くからお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

私は部会長の前田です。よろしくお願い申し上げます。

本日はウェブ会議にて開催させていただきます。

なお、湯浅委員は遅れての参加で、かつ途中退席なさいます。青山委員、菊地委員は途中退席の御連絡を承っております。

それでは、まず事務局より資料の確認をよろしくお願いします。

山口成育環境課長:事務局でございます。

現在の出欠状況でございますが、今、座長から言及があった方に加えまして、荒木委員と水野達朗委員が今お見えになっていないようですけれども、遅れてお見えになると思います。

それでは、事務局のほうから資料の確認をさせていただきます。

配付資料でございますが、資料1-1から1-5まで、これは本日部会の中でヒアリングに御協力をいただきます団体から頂いた資料でございます。それから、資料2は現在実施しております事務局ヒアリングの途中経過をまとめた中間報告の資料となっております。

資料3と資料4はこどもへのヒアリングに関する資料となっています。参考資料を合わせて計11点となっております。

欠落等がございましたら、「手を挙げる」機能でお申しつけいただければと思います。

なお、本部会は原則として公開で開催をし、資料及び議事録も公開することとしておりますが、必要があると部会長が認めた場合には会議を非公開とし、また、部会長が認める範囲において資料や議事要旨を公開することもございます。

また、今回の部会は傍聴希望者向けにユーチューブでライブ配信をしております。

それでは、頭撮りはここまでとさせていただきます。

では、部会長、よろしくお願いします。

前田委員長:それでは、ただいまより、次第の(1)「居場所づくりに関係する団体からのヒアリング」に入りたいと思います。

本日は5団体の皆様から発表がございます。1団体当たり10分で御発表いただき、皆さんとの意見交換に時間を取りたいと思いますので、15分間を質疑応答の時間といたします。

誠に申し訳ないのですけれども、10分経過いたしますと、事務局よりその旨、10分たちましたよということをお伝えいたしますので、その場合、恐れ入りますが、速やかにまとめに入っていただくようにお願いいたします。

また、お手数ですが、発表の際には資料を画面共有いただき、御発表いただければ幸いです。

また、今日は長時間になりますので、途中に短い休憩も取りますので、御安心ください。

それでは、次第に記載がある資料順で御発表いただければと思います。まずはユースワーカー協議会様、次に全国児童館連絡協議会様、一般社団法人TOKYO PLAY様で、この3団体様からのヒアリングの後、休憩を取る予定でございます。その後、全国学童保育連絡協議会様、山口県こども食堂支援センター様の御発表にさせていただきたいと存じます。

それでは、ユースワーカー協議会様、御発表をお願いいたします。

水野氏:おはようございます。ユースワーカー協会の水野です。今日はよろしくお願いいたします。

それでは、資料を見ていただきながら報告させていただきたいと思います。

今、チャットのほうに今日発表用に作ったものをアップさせていただいています。事前配付のものに多少修正を加えた部分がありますので、その旨御了解くださいませ。

ユースワーカー協議会という組織は、各地の若者と関わるユースワーカーと自認される方、それに近い活動されている方の後押しをしたいということでつくりました。2019年7月に立ち上げています。詳しくはこの協議会のウェブサイト等を御覧くださいませ。

最初に、ユースセンターと居場所ということですので、定義に関して若干まとめてみました。日常圏にあるオープンアクセスであること、それから、常に若者の利用を想定していること、ユースワーカーがいること、そして、ユースワークの価値に基づいていること等を大事なものと考えたいと思っています。

この際の若者というのは、主な対象として中学生年代から20代ぐらいを利用対象とする施設というものを想定しますが、主にその前後の年代も含めてという考え方で押さえたいと思います。

このユースセンターですが、様々な沿革を持った施設が現在全国各地にあります。こうした沿革によって、性格も違うし守備範囲も違う、理念も違いますが、一応多様な沿革を持ちながらユースセンターと言える施設が各地に今展開されていると思います。

少し飛ばします。ユースセンターという場合に、ユースワークというものをベースにと言っていますが、なぜユースワークを語るかということですが、一つは例えば健全育成の活動の持っている課題、非行対策の持っている課題、学校教育の抱える課題、それから、現在、若者と関わる活動で不十分なネット空間、消費生活世界で生きる若者への関わりなど、こうしたものを様々な現在の活動について課題がありつつ、なおかつそれらがややばらばらに展開されていることがあるのではないか。そうした育成的な活動と支援的な活動まで含めた様々な活動がやはり理念的に包括される、架橋されるべきではないかと。そうしたベースになる理論として、ヨーロッパ圏で展開されているユースサービスとかユースワークというのは非常に有効性があるのではないかと考えているということがあります。

ユースワーカー協議会では、この6つぐらいの共通の価値観・目標観というのを議論し、2019年に提示しています。詳しくはまた御覧になっていただければと思いますけれども、こうした理念を持ちながら一緒にやっていこうということで、各地の実践団体、実践者の方に提案をしている段階です。

ユースワークそのものに関しての定義ですけれども、日本ではまだ決定版というものはないかと思っていますが、これは立命館大学と京都市ユースサービス協会の共同研究で一点まとめたものです。ユースワークは、若者をこどもから大人への移行期にいる人と捉え、権利主体として自己選択と決定が保障される、そうした活動の場を若者とともに形成するということ。それから、地域コミュニティーや社会システムに働きかける、そうしたところまで含めた実践だというような押さえ方をしています。これはまた時間があれば補足させていただきたいと思います。

ユースセンターについて、今日は居場所という機能に関して紹介しますが、それだけではなく、相談支援、それから、様々な活動の拠点提供というような複合的な役割が期待されます。その中で、取りあえず居場所に焦点づけて話をさせていただきますが、一つはオープンアクセスであるということ。特に多くのユースセンターでは、ロビーとかラウンジというような開かれた空間を生かした場づくりというのに特徴があると思っています。そうしたことも含め、例えば勉強しにきたらいいよとか、食べるものがあるよとか、カフェをやっているよとか、ゲームがあるよとか、そうした様々なハードルを下げる工夫をしているところが多いです。同時に、一人でいることもできるが、他者ということもできる。

そうした場づくりを工夫していると考えています。そして、それらをコーディネートするというのですか。ユースワーカーと言われる存在がいる。

これは、以下、写真などを織り込みながら説明をしますが、こんなふうに自主的な活動の場を提供することそのものも非常に大きな意味があると実は思っています。自由に目的なくというのですかね。明確な目的だけではなくて利用ができるような場づくり、こうしたロビー風景を見ていただくと、非常にゆったりとした場づくりというものを志向しているところが特徴だと思われます。

また、この写真にあるように、カフェ的な場をつくりながら若者を迎え、こんなふうに来ている若者は語っていますよという紹介をしています。

それから、一方で、施設内での展開と同時に、アウトリーチの拠点でもあるという機能も持ち得ると思っています。近年、出かけていくサービスですね。それから、夜の時間帯特に遅い時間帯であったり、そうしたところでの若者ニーズというものが最近非常に大事だと思う、応えることが大事だと思っていて、そうしたニーズに応える取組もあります。

ただ、ユースワーカーがそこに介在するということに関してですが、地域のアクターと協働するハブとして、ユースワーカーがコーディネートを行う存在であるということがあります。これは後でまた説明します。

それから、単に静かな居場所、おとなしくしているということよりは、様々な活動事業等の中に居場所の考え方を織り込むということが可能だと思っています。何かをすることで初めていやすい、いられる場づくりをする。

それから、ユニバーサルワークとターゲットワークと二分的に言われることがありますが、ユースセンターはそれらを交錯させるという仕掛けが可能だと思っています。アウトリーチの中では、例えばキッチンカーで若者がいる場に出かけるであるとか、夜の時間帯などにカフェであるとか、それから、一軒家などを借りてやるような実践例もあります。

ワーカーがいることを通しながら、こういう日常圏での関わりの中で、例えば窓口であるとかロビーの一角でというようなことで、あんなあ、こんなあったんやとかというところで、今日こんなことがみたいな、そんなところから始まる相談、そこから若者の課題の発見につなげるようなアプローチが可能だと思っています。

また、事業としては、例えばこれはアート系の事業ですが、こうした事業に参加する若者の中には非常に日常のしんどさを抱えた若者もいたりします。そうした若者に活動、事業等をしながらアプローチする。そうした例です。

成果に関してという課題をいただいていますが、なかなか一言で申し上げにくいのですが、こうした利用数であるとか、それから、課題発見という機能が大きいと思っています。

ユースワーカー協議会はこうした研修団体的な役割を持っていますが、各種の実践交流をするということが大きな課題、やはり取組としています。

ステークホルダーとの関連に関しては、学校、それから、地域に関して若干例示しています。高校内のカフェなどもユースセンターから派生してアウトリーチとして行ったり、ボランティアを各地の地域アクターとつなげる切り口にする。そうしたことが実践例としてあります。

時間を過ぎていますので、幾つか提示したことに関しては資料を御覧いただければと思いますが、居場所を若者が持てることというのは権利として捉えたほうがいいのではないかということ。格差、分断を埋めることにつながる居場所提供、そうしたユースセンター運営というものができたらと思いますし、していただきたい。そして、中高生年代、10代だけを対象とするのではなく、切れ目のないサービス提供というものが必要だと思っています。

最後のほうは駆け足になりました。残りは参考資料的につなげていますので、また後の時間で御覧いただければと思っています。

最後、ちょうと中途半端になりましたが、以上で一応発表を終わらせていただきます。
ありがとうございます。

前田委員長:発表ありがとうございました。

それでは、ただいまより質疑応答に入りたいと思います。水野様に御質問なさりたい方は画面の機能を使って手を挙げていただければと思いますが、私の画面では全員の方が見れない場合がありますので、私が失念した場合はお声がけください。

友川先生、手を挙げておられますでしょうか。

友川委員:おはようございます。ありがとうございます。

ユースワーカーの方にお尋ねいたします。まず、このユースワーカーセンターに主につながる経路について、どういった経路からこちらにつながっているのかという質問と、夜のニーズというキーワードが出てきたのですけれども、居住支援というキーワードがございました。これは、夜の例えば寝泊まりの保障をするという意味で受け止めていいのか、ほかにも夜のニーズに関する具体的な内容があったら教えてください。よろしくお願いします。

水野氏:つながる経路に関しては様々ですが、例えば中高生であれば、学校を通した広報などからつながる場合もあります。それから、一番大きなものは、やはり友人からという経路になります。あとは、いろいろなグループ、サークル活動で利用する、し始める。場所を探していて、センターの存在に気がついた、知った。そうした例が割合としては非常に多いと思っています。各地の状況によって、立地によってかなり異なる面はあると思っていますが、大ざっぱに言えばそんなようなルートになるかと思っています。

それから、夜のニーズということについて、この数年特に感じられたのは、家にいづらいという若者、それから、昼間全く人とコミュニケーションを取ることができないという若者。夜、家にいるのだけれども、非常に孤立感を深めてしまう。公共施設は閉まっていたりする。そんなことが起こっていた。そうでなくても、これまでの公共的なユースセンター、施設というのはせいぜい夜の9時ぐらいで閉まる。その後の若者の居場所ということで、コロナも含めてニーズを感じて、実際に夜11時ぐらいまで開館するような場所を見つけて運営してみたというような事例があります。それがカフェであるとか一軒家を借りてやったような事例です。

それから、居住支援というニーズも当然ぶつかるわけです。やってきているのですけれども、ユースセンター、ユースワークがそこまで担うべきかどうかというところが非常に考えるべき点で、現在の、例えば私が関わっていた京都の財団では、自分たちが直接それを担うのは非常に厳しいので、居住支援までやっている団体と連携をする、もしくはそういうところにつなぐことはやっています。ただ、それだけではなかなか面として若者に応えづらいというのが現実はあって、そこが今後の課題点だと思っています。

前田委員長:ありがとうございます。

ほかの委員の方々、いかがでしょうか。

安部委員、どうぞ。山本委員も手を挙げておられますが、まず安部委員のほうからお願いします。

安部委員:ありがとうございます。安部と申します。

御報告ありがとうございました。水野さんの御発表の中で、若者の居場所づくりというのが恩恵として与えるものではなくて、権利なのだというところは非常に重要だなと思いながら伺っていました。

質問が1点ございます。少し大きな質問かもしれません。ユースワークの定義の際に社会システムに働きかけるという点をご指摘くださいました。この点は非常に重要だなと思いながら伺っていました。現在の若者政策の中の居場所の議論を考えたときに、ユースワークの視点から水野さんが考える最も大きな課題は何か、教えていただけたらなと思います。

以上です。

水野氏:取りあえず安部さんに答える形でよろしいですか。

前田委員長:お願いします。

水野氏:とても大きな質問ですけれども、今の御指摘いただいた点を含めて、行政が若者の居場所を与えるもしくはつくるということは非常に難しい、もしくはできないのではないかと思います。やはりこどもや若者が自分でつくる、もしくは感じるものでしかないからです。ただ、若者政策という点で言うと、若者が利用することができる資源、場所というものが圧倒的に少ないということは感じていますから、そうしたものは積極的につくる。これは行政としてやっていただくととてもありがたいことだと思っています。なので、形としては、民間のいろいろな動き、NPOの動き、提案などに、柔軟にそうした場所の確保のたびに資金的なとか様々なサポートをいただくようなスタイル、そうしたことが形としてはいい、もしくは必要だと思っています。

取りあえずはそんな感じです。

安部委員:ありがとうございます。

前田委員長:山本委員、どうぞお願いします。

山本委員長:御報告ありがとうございます。

年齢を区切らないサポートだったり、夜のニーズの点で質問させていただきたいのですが、年齢を区切らないサポートというのが20歳ぐらいまでと言われていて、社会的養護出身者として参加しているのですけれども、やはりすごくそこのニーズだったりありがたいなと思っていて、それをされていて、年齢を区切らないサポートの重要性だったり、夜にニーズがあると感じられている部分を知りたいのと、家庭に問題を抱えている割合というのが実際どのぐらいの数の子がいて、実際につなぐというのがどのぐらいいるのか、もしも分かればお聞きしたいなと思いました。お願いします。

水野氏:私が主に経験してきたユースセンターは京都ですが、もともと30歳までが利用対象です。ただし、支援的な事業、例えばサポートステーションであるとか、子ども・若者支援地域協議会の仕事なども近年広がってきた中では、30代まで広がってきたわけです。

そうしたいろいろな課題を抱えた若者ということで言うと、年齢ではやはり区切れなくて、どう大人社会に接続できるかということで、個人差がとても大きいし、それぞれのペースに合わせながら関わるという意味で、年齢というのは非常に区切りにくい。

また、社会的養護ということで20歳の壁と言いますけれども、20歳で全ての若者が大人になるわけでも何でもないし、そうした条件が整うわけでも何でもないですから、そこで切れ目をつくることそのものはなかなか難しいと思っていますし、実際にはたから見れば恵まれて楽しく過ごしているように見える大学生も、ついこの間ぽろっと聞いたのですが、特にこのコロナの間、本当に心が病みそうだったということを言います。本当に元気で明るそうな女性、大学生だったが、そんなしんどさを抱えて誰にも言えない。そうした声を聞いたばかりです。だから、大学生だから元気で大丈夫だよね、働き出したからオーケーだよとは本当に言えないと感じたところです。

ユースセンターの場合、オープンに使えるという意味では、特に何割がしんどそうとか、そうした把握はしづらいし、また、していません。ただ、出会った中で、何だかしんどそうだなとか、課題があるなとか、背景が難しそうだねという若者も思っているよりいるなということを感じ始めているというぐらいで、割合はあまり厳密には申し上げられないと思っています。

山本委員:ありがとうございます。

前田委員長:それでは、次に成田委員、どうぞ。御質問をお願いします。

成田委員:成田と申します。

お話ありがとうございました。

非常に若者のいろいろな創造力を生かせる自由度の高い場ということで貴重だなと思ったのですが、運営する上で何かトラブルではないですけれども、リスク管理という部分で実際に運営の面でよく困ることとか、そういった点とかも少し伺っておきたいのですが、よろしくお願いします。

水野氏:幾つかというか、トラブルはしょっちゅうあるわけですけれども、一番広い意味の悩みは、多様なグループとか多様な若者が一つの場、空間に出くわしたときに、どうしても力関係であったり、そういうものが発生してしまって、居場所感というものを持ちにくくなるという非常に矛盾したところが出てきます。例えば同じ中学校の同級生同士が出会ったときとか、先輩後輩が出会ったときに、必ず牽制し合うことが起こる。場合によっては、だから来られないというのが出てくる。ここが非常に悩みどころ。それから、様々なニーズの若者を受け入れたときに、非常に個別に対応を求められ、それこそ夜帰らない、帰る場所がないから、そうした若者にどういうふうにどこまで付き合うのか、デッドラインというものは非常に悩ましいところだと。その辺が特に出会う課題、葛藤かなと思っています。

前田委員長:ありがとうございます。

今、今村委員が手を挙げていらっしゃいますが、お時間の関係で、ほかに御質問ある方がおられれば質問だけまとめたいと思っているのですけれども、ほかの委員の方々、いかがでしょうか。今村委員だけでよろしいですか。

では、今村委員、お願いします。

今村委員:今村です。

御発表ありがとうございました。

私もユースセンターを運営している立場で悩んでいることでもあるので、教えていただきたいのですけれども、やはり学校と違って何らか免許を取得した方々が担い手になるわけではなくて、むしろ多様な方々がプレーヤーになっているということをよいとして私たちもこれまで運営してきましたし、多くのユースセンターがそうだと思うのですが、だからこそ、やはり人の質という言い方をしてはあれですけれども、こどもたちへの向き合い方とか若者たちへの向き合い方には、やはりどこか勘みたいなところとか自分の経験みたいなところから仕事をなさるということが基本になっている業界だなと反省を込めて思っています。

そんな中で、やはりリスクにさらされることもあるし、本人の思いやり、思い込み、強い思いで、その方が本当はここまで背負ってはいけないのに、力以上のところを背負ってしまって苦しくなってしまうというようなことがいろいろあって、私たちももちろんいろいろな努力はしているのですけれども、ユースワーカー協議会さんの知っている実践事例の中で、例えばスタッフの採用のときの基準として何か工夫をされている実践事例とか、研修とかスタッフを守る、またはこどもたちを守るための実践的な取組で、今後このこども家庭庁がやる居場所をつくっていくというときに、多分共通してみんなが知っておいたほうがいい実践事例をもしお持ちであれば、スタッフに関することですね。教えていただきたいなと思いました。

水野氏:ありがとうございます。

なかなか簡単に答えにくいことですが、まずそのためにユースワーカー協議会みたいな大層な名前の団体を立ち上げたわけです。別にユースワーカーと名乗ろうが、名乗るまいが、それはどちらでもいいと思っていますが、ただ、ユースワーカーという言い方をメインに立てることで、先ほど申し上げたようなヨーロッパ圏で非常に蓄積もある考え方であり、そうした理念をうまく使いながら、最低基盤になる若者との関わり方を説明しやすいのではないかと考えてそういうふうにしています。

協議会で、各地で養成講習であるとか研修を行ったり、実践者の交流をやっています。

それもまさに、今、今村さんがおっしゃられたようなこと、課題認識を持ちながらやっています。ユースワーカーとは何ぞやとか、基本として考えるべき、押さえるべき価値観、目標観、方法論に関して、業界で一旦こんなものでどうですかというのをまとめたものが、先ほどお示しした資料の中にある6つの点、そうしたことは最低限押さえましょうよというような言い方で、ただ、それは絶対のものということではなく、各地の、それから、実践者、実践団体の現状に合わせながら、うちのところはこれは納得できるが、これはもっとこういうふうに考えたいねというふうに発展的に捉えていくベースづくりは、この協議会という形を使いながらやっていきたい。そのことを各地でやっていくことで、少しずつ基盤が強化されればいいなと思っています。

採用に関しては非常に難しいですが、各地の団体が連携することを通して、共同の採用とか共同の研修ができたらいいなと思っています。それが例えば処遇の保障であるとか、そんなことにもつながればと思っています。

カタリバさんともぜひ何か一緒に連携してやりたいと思っています。この場を借りて、よろしくお願いします。

今村委員:ぜひよろしくお願いします。

前田委員長:ありがとうございました。

それでは、ユースワーカー協議会様、ありがとうございました。

水野氏:ありがとうございます。

前田委員長:ぜひまたお時間があれば、このまま会議に残っていただいて、ほかの団体さんのお話も聞いていただけばと存じます。よろしくお願いします。

それでは、続きまして、全国児童館連絡協議会様、お願い申し上げます。

渡部氏:全国児童館連絡協議会事務局長の渡部です。

このたびはプレゼンの機会をいただきまして、ありがとうございます。

それでは、早速、画面を共有させていただきます。

改めまして、よろしくお願いいたします。それでは、早速参ります。

私ども全国児童館連絡協議会は、都道府県、指定都市にある43の児童館連絡協議会が加盟する全国ネットワークでございます。活動内容は資料を御覧いただければと思います。

児童館は、現行の児童福祉施設14種のうちで、唯一こどもの意思で自由に利用できることが特徴でございます。機能・役割の筆頭に示されているように、こどもに遊びを提供し、自由に遊んだり、過ごしたりできる場を提供し、こどものあらゆる課題にこどもとともに関わり、地域と連携してこどものウェルビーイングを目指しております。

児童館ガイドラインでは、平成23年の策定時から、活動内容を8項目に分類してこどもの居場所の提供を示していますけれども、遡りますと昭和22年、児童福祉法制定当時から児童館はこどもの居場所として地域に存在しております。

開館日数でございます。開館日数は、令和2年度は新型コロナの影響もあり、平均開館日数が254.9日となっています。ただ、通常時は約294日開館しています。300日以上開館する児童館も22.4%ありまして、日曜日、祝日以外はほぼ毎日開館している計算となります。

開館時刻です。開館時刻は9時台が54.3%、閉館時刻が18時台が45.3%と最も多く、19時以降も開館する児童館も11.2%ございます。

利用者数も新型コロナの影響により減少しておりますけれども、通常時は年間延べ平均約2万人のこどもたちが利用しております。全国の児童館数でざっくり計算しますと、年間延べ約8700万人のこどもを中心とした利用があるということになります。

利用者ニーズについてです。児童館は0~18歳未満の不特定多数のこどもが利用しています。障害のあるこどもも利用し、ともに遊び過ごしていますし、不適切な養育などが疑われるこども、貧困家庭、ヤングケアラーなど、様々な背景やニーズを持つこどもたちの利用も報告されています。

事前に頂いた資料では、児童館はユニバーサル、ポピュレーションに分類されておりま すが、ターゲット、ハイリスクの可能性のあるこどもの対応もしているということです。

これは、児童館がこどもたちにとって安心して遊んだり、過ごしたりできる場だからこそだと言えると思っております。また、遊びを通して見せるこどもたちの様々な姿を受け止め、寄り添って支援する児童厚生員、職員がいるからこそだとも思っております。

続いて、こどもの居場所として大切にしている視点です。

1つ目は、自己効力感や自己肯定感を育む環境づくりと、こどもの自発的な活動を尊重し、こどもにとって必要なときに援助するということです。遊びや何もしないということも含めて、こどもの自発性を大切にして、職員は必要な支援を提供しています。また、こどもたちが自分ならできるという自信や人から認められた、自分らしくいていいのだというような気持ちを抱けるような環境をつくっています。

2つ目は、こどもの自主性ややってみたいという気持ちを発達段階や個々の状況に合わせて尊重し、児童館での体験を通じて、こども同士や職員、地域の人々など、多様な人との交流の中で社会性が育まれるよう援助を行うことです。

居場所づくりにおける工夫についてです。

1つ目は、これは最も大事にしているところですが、こどもの意見表明に取り組んでいるということです。こどもが意見を述べる場を提供する割合は、御覧のとおり、令和2年度には62.9%となっています。後ほど事例を紹介させていただきたいと思います。

2つ目は、こどもの社会的活動への参画を進めるということです。令和2年度は新型コロナの影響でやはり活動が減少しておりますが、通常時には多くの児童館でこどもたちが実行委員会形式で行事を企画し、実施する経験をしています。また、こどもたちが地域の活動に参画し、自ら活動できるようにエンパワーメントしています。さらに、一部の児童館ではございますが、地域の方々で構成される児童館運営協議会などにこどもたちが参画する取組も行われています。

居場所の量的拡充についてです。児童館の設置は、市区単位、町村単位で大きな差がございます。こどもの居場所づくりに関する調査研究報告書では、居場所とこども・若者をつなぐことが課題として挙げられています。自治体の規模による格差を減らすためにも、自治体の行政方針や事業計画にこどもの居場所づくりを位置づけ、具体的な数値目標とともに示されることが重要ではないかと考えております。

児童館にとってステークホルダーとの協働・連携が重要と考えております。こどもの最善の利益のためには、児童館だけではなくて、こどもが多くの時間を過ごす学校や地域とも連携して見守り支援を行う必要があると考えております。また、児童館は多様なこどもの利用があるからこそ、様々なステークホルダーとの協働・連携が必要だと考えます。児童館は公的施設として位置づけられ、組織的に運営されているため、こうしたステークホルダーと連携を図る際には、継続性や安心感といった接続のしやすさが大きなメリットになるものと思っております。

ここから事例の紹介でございます。

こちらは、目黒区平町児童館の小学生、中高生を対象としたスタッフ活動です。どちらもこどもたちのやってみたいということを実現することを大切にしています。特に中高生対象のTMTスタッフは、中高生であれば誰もが参加可能、児童館がより利用しやすい場所になるよう、自分たちでルールの改善を検討することもあるそうです。

続いて、町田市です。町田市さんは日本ユニセフ協会から子どもにやさしいまちづくり事業実践自治体として承認されて、事業の一環としてまちだ若者大作戦という取組を進めておられます。市内5つの子どもセンターは、その相談窓口や申込場所として、こども、若者がやりたいことを実現するための後押しをしておられます。企画の審査もこどもたちが行っているとのことです。

続いて、八王子市です。八王子市では、八王子市子どもすこやか宣言の一環として、こどもの意見表明やまちづくりの参画の機会を提供し、こどもの声を受け止め、市政に反映させる取組を行っています。毎年開催されている子ども☆ミライ会議では、児童館が子ども企画委員や学生リーダー、学生アドバイザーを募集し、コーディネートしておられます。

児童館としては、児童館が居心地のいい場から、こどもたちが段階的に社会とつながっていけるような場、そういうふうに捉えてサポートをしています。

大きな市町に関わるものだけでなく、児童館では日常的にこどもが意見を表明することを大切にして、こどもの声を運営に生かす仕組みを設けています。意見箱やアンケートなどは多くの児童館で行っています。

墨田児童会館では意見箱を設置しており、声を上げるのが得意でない子や直接話をするのが難しい内容も、投書で気軽に意見や思いを表現できています。重要なのは、職員が全ての投書を読んで、コメントでフィードバックすること。児童館が学校や家庭とは異なる場所であるからこそ、出てくる本音もあるようです。

また、六甲道児童館はこどもの署名活動を行っています。児童館に置いてほしいものを実現するため、アイデアを出したこどもたちが来館者に自分たちの思いや利点を説明して、署名を集めて児童館に提出する。そんな活動です。児童館という小さなコミュニティーだから、こどもたちは安心してこうした活動にチャレンジできています。

続いて、広島県三原市の児童館ラフラフです。このラフラフは、つくる段階から中高校生の意見を聞こうと、児童館をプロデュースする中高生を募集してミーティングを重ねました。中高生から提案があった設備を整備した結果、中高生利用者が以前の児童館の約10倍に増加しているそうです。開館後も中高生がスタッフとして活躍しており、それがほかの世代にも波及して、現在は5つのボランティアグループが活動しているとのことです。

沖縄市の宮里児童センターでは、こども運営委員会が活動しています。職員やメンバーの「やりたい」を実現するためにサポートしておりますが、企画や準備・開催の経験から、こどもたちが主体性を持てるように、そのプロセスを重視しています。年下のこどもたちが自然に次の運営委員会を担いたいと思うような流れを意識して運営しているとのことです。

こちらは自殺予防週間に向けた取組です。生きづらさを感じているこどもや居場所がなく地域をさまようこどもなどに、児童館もあるよとメッセージを発信する全国一斉の取組に協力しています。こんなふうにポスターやカードでの周知のほか、こどもからこどもへのメッセージも発信されています。

最後に、こどもの居場所づくりに関する指針への提案をお示しさせていただいております。後ほど御覧いただきまして、策定の際には、これまでも地域のこどもの居場所として多くのこどもを支援してきた児童館をしっかり位置づけることが重要と考えております。

どうぞよろしくお願いいたします。

ありがとうございました。

前田委員長:御発表ありがとうございました。

それでは、全国児童館連絡協議会様に御質問がある委員の方は手を挙げていただければと思います。よろしくお願いします。

いかがでしょうか。

菊池委員、お願いします。

菊池(真)委員:菊池と申します。よろしくお願いいたします。

発表ありがとうございました。

私は町田市に在住していたことがあるのですけれども、結構田舎のほうに住んでいて、中心地でやられていることというのは知らなかったということもあったりしたのですが、取組をされていてもアクセスしにくい人たちへの取組、そこは課題だと思うのですけれども、そのような方々に何か取組など、されていることがあれば教えていただきたいです。

渡部氏:ありがとうございます。

やはり広報はしっかり行って、できるだけいろいろな場面でこんなことをやっているよ、児童館があるよというようなことをまずは知らせていくということですね。これはまず基本としてどこの児童館でも行っています。その媒体は学校であったり、地域の商店街に貼ってみるとか、もっと関係ができれば、病院に貼るとか、そういったことで広報されていたりしています。また、この電子化されている世の中ですので、当然インターネットでも活動が広報されています。それから、アウトリーチとして、全ての児童館ができているわけではないのですが、移動児童館という形で児童館がない地域にも出かけていって、児童館で行っている遊びであるとか、交流とかということを提供しているところもございます。

以上です。

前田委員長 ありがとうございます。

宇地原委員と山本委員の手が挙がっておられます。

まず宇地原委員からお願いします。

宇地原委員:ありがとうございます。

渡部さん、発表ありがとうございました。

多くの児童館が日本の中で運営されていると思うのですけれども、こどもたちがやはり多く集まって活気のある児童館と、一方、なかなかお子さんがいらっしゃらないという児童館、それぞれあるのかなと思っていまして、そうした児童館の差異がハード、ソフトそれぞれあるのではないかなと聞きながら考えていたのですが、そういった部分があれば教えていただきたいのと、過去に関わっていたお子さんで、不登校のお子さんだったのですけれども、日中の居場所が欲しいということで一緒にいろいろ考えていたのですが、やはり学校に行っていない中で児童館に行くということがすごくハードルが高いといいますか、学校に行っていないくせに児童館に来ているじゃんと言われてしまいそうということを本人がすごく思って、足が遠のくということがあったのですけれども、そうしたこどもたちの目線から見たときのハードルの高さというのがどういったところにあるのかと、何かそれに対して取り組まれている事例などがあれば教えていただきたいなと思いました。よろしくお願いいたします。

渡部氏:ありがとうございます。

活気のある児童館とそうでない児童館ということなのですけれども、やはりハード面については、児童館が開設されて、昭和40年代、50年代というところで非常に増えてきた児童館も多くございます。そうした中で、ハード面ではかなり老朽化が進んでおりまして、建て替えですとか修繕とかというところが出てきている児童館もあるのですけれども、そうしたハード面の古さというところで、今のこどもたちのニーズに十分応え切れないハードというのも中にはあるかなと思います。それよりもまして、やはりその中にいる職員の魅力というのは非常に大事かと思っております。たとえ古い児童館でも、そこに非常にこどもたちにとって魅力的な、何でも話を聞いてくれるとか、受け止めてくれる、そんな職員がいれば、古い児童館でもやはり活気は持っております。なので、新しければいいというものでもなく、そこにちゃんとソフトである人であるとかプログラムがしっかりあるかどうかというのは非常に大事かなと思っておりますので、やはり両面そろっていることが重要ではないかなと考えています。

それから、不登校の案件なのですけれども、児童館の場合、やはりそうたくさんあるわけではないのですが、先ほど見ていただいたように、学校との連携というのはステークホルダーとして非常に多くなってございます。そうした中で、児童館と学校との話合いによりまして、児童館に来ている間は出席にするよというようなことをされた自治体もありますし、それから、学校そのものも行かないで児童館にいることを選ばれるということも児童館の中であって、ただ、それを積極的に児童館もいいよいいよと受け入れつつ、どうやって社会につなげていくかというところをやはり考えなければいけませんので、こども一人一人によってその対応というのは随分変わってくるのかなと思っています。

仕組みとしてそれを持つというのはあまりありませんでして、こどもが遊ぶ様子であるとか、それから、保護者さんからの相談とかで、じゃあ児童館に来てみたらというようなつながり方で初めて学校とつながっていったり、教育委員会とつながってみたり、そうした対応になっていくのかなと思っております。

以上でございます。

前田委員長:ありがとうございます。

それでは、次に山本委員、お願いします。

山本委員:私、先ほども質問したので、時間があったらで大丈夫なので、お先に挙げている方を。

前田委員長:分かりました。ありがとうございます。

それでは、全国児童発達支援協議会の光真坊様、お願いします。

光真坊委員:光真坊です。ありがとうございます。

御報告の中で、障害のあるお子さんも来られているとおっしゃっていただきました。私たちの団体は障害のあるお子さんを支援する団体であります。児童館については、障害のあるお子さん、特に小さいうちから保護者とともに居場所として機能していることは、多く報告をされているところだと思います。

今回は障害のあるこどもさんを中心に、2点質問させていただければと思います。

放課後児童クラブと併設されている児童館もあって、そういうところは放課後児童クラブの対象外となった中学校以降も児童館を利用されていて、安心安全に過ごされていることを知っております。そこで、まず1点目は職員の配置の問題であります。放課後児童クラブは障害児の受入促進事業等があって、職員配置を少し手厚くしたり、環境面での配慮などについても補助ができるようになっておりますが、職員の人数的なところ、あと、障害のあるお子さんの対応ができる支援の質の問題、あとは合理的配慮を含む運営面での課題、工夫しているところがあればお聞かせいただきたいと思います。

2点目は連携先のところであります。連携先のポンチ絵もありましたけれども、どうしても我々のような障害のあるお子さんを支援する専門機関との連携については描かれることが非常に少なくて、実際に児童館でも連携されている例があるのではないかと感じておりますが、障害児支援のところ、障害児相談支援であるとか、そういうところとの連携があればまた教えていただければと思います。お願いいたします。

渡部氏:ありがとうございます。
児童館の職員数なのですけれども、通常、多いところではやはり児童厚生員2人というような状態で行っている児童館が多くなってございます。そうした中にあって、障害をお持ちのお子さんの利用などがある場合は、光真坊委員がおっしゃったように、加算などの制度を使って対応するというようなことをされている自治体もあるように聞いています。

ただ、先ほど申し上げたように、ハード面で非常に古い児童館というのも多くございまして、特に身体的な障害がある場合には非常に厳しい対応をされているところもございます。

そうしたところも何とか一緒に児童館で生活し、遊んでいただきたいということで、保護者であるとか、加算できている方とか、ボランティアさんとか、そうした方と協力しながら受入れをするというような対応が多くなっているかなと思います。ただ、新しくできているような児童館については、非常にそういった辺り、ハード面についても整っておりますので、対応ができているのかなと思います。

それから、連携先についてですけれども、障害者の福祉施設には連携もしておりまして、全国の児童館の調査では、ちょっと少ないのですが、7.3%の児童館が対応しているというようなところになります。また、こどもの状況によりまして、発達支援センターと連携してみたり、それから、民生委員や児童委員との連携を図りながら対応するというような事例もございます。

以上でよろしいでしょうか。

光真坊委員:ありがとうございました。

前田委員長:ありがとうございました。

それでは、次に成田委員、お願いします。

成田委員:僕も2回目なのですけれども、大丈夫でしょうか。

前田委員長:では、成田委員と山本委員はまた別途質問をいただきましょうか。

ほかの先生方、大丈夫ですか。

では、お二人だけみたいです。お願いします。

成田委員:では、山本さんから先にどうぞ。

山本委員:ありがとうございます。

発表ありがとうございます。

不適切な養育の話があったかと思うのですけれども、私も学童クラブで保育士をしていたこともあるのですが、親とこどもが唯一一緒にいて、居場所にもなっている場所だと思うのですけれども、そういう面で虐待のリスク回避にもつながると思っていて、それを対策だったり、マニュアル化だったり、何かその上での支援だったりフォローだったりが今重要になっているのかなという上で、児童館の取組だったりをぜひ教えていただきたいと思いました。よろしくお願いします。

前田委員長:では、成田委員にも続いて質問していただきます。

成田委員:先ほどの光真坊さんの質問にかぶるかもしれないのですけれども、ターゲットとかハイリスクのお子さんも結構利用されているということなのですが、そういうお子さんが利用しやすい促進因子になるような、自然にある要因だったり、あるいは何か実際に工夫されていることとか、その辺があれば教えていただきたいです。

渡部氏:ありがとうございます。
まず山本委員の御質問からですけれども、児童館の場合は、リスク対応もするのですけれども、基本的には予防のための施設だと考えております。ですので、例えば乳幼児であれば児童館がプログラムを提供して、その中で親子で遊びながら親子同士の交流を図って知り合いをつくっていく、孤立した子育てというのを防ぐというようなこともやっておりますし、それから、だんだん進んでいけば、保護者さんが中心になってプログラムを展開するというような活動をされている児童館もあります。そうした中で、おやっと気になるような、ふだんとちょっと違うなというようなことが気になるような保護者さんであるとかこどもの様子が見られたときに、そっと寄り添って話しかけて、日常的な会話の中で相談を受けるみたいなことがよく行われている形かなと思っております。これはよそとつながないと解決できないということになった場合に、先ほどあったようなステークホルダーとの協働というのが大切になってくるというようなところで、やはり遊びという中で見えてくるところが大変重要なのかなと。その前に、起こらないように遊びや交流というところで予防するというのが児童館の一番大きな役目かなと考えています。

それから、成田委員のほうなのですけれども、これに限って直接積極的にというのはやはり児童館のほうではないかなと考えておりまして、日常的に遊ぶ中でこどもたちの様子がいつもと違うなということで気づいたり、それから、毎日児童館でこどもとやり取りをしていますと、職員との信頼関係というのもできてきますので、そういった信頼関係の中で何かの拍子にぽろっと悩みとして出てきたりというようなこともあるのかなと思っています。

それから、遊びではやはり遊ぶ中で障害があるからとか、国籍が違うからとかということで差別というか分けるということは基本的にはなくて、できるだけみんなができるようなプログラムをしますし、もっと言うと、そういう要支援の子が活躍できるようなプログラムをあえて組んで、館内がそのこどもを中心に活性化するようなプログラムを組んだりというようなことをされる児童館もあると思います。

以上でございますが、よろしいでしょうか。

前田委員長:ありがとうございました。

それでは、お時間となりましたので、全国児童館連絡協議会様、ありがとうございました。

渡部氏:ありがとうございました。

前田委員長:それでは、続きまして、一般社団法人TOKYO PLAY様にお願いしたいと思います。

神林氏:よろしくお願いします。TOKYO PLAYの神林です。

先ほどから質疑応答も含めてすごく緩い雰囲気で、とても話しやすくなりました。

では、画面共有をこれからしたいと思います。

まず、改めまして、一般社団法人TOKYO PLAYの神林です。

今回はこういった貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

私たちは、今回はプレーパークについてということでお話をさせていただきますが、ふだんは、TOKYO PLAYの団体というのはプレーパークに限らず、それこそ今回も皆さん委員の方々でもいらっしゃいますけれども、児童館の方々や子育て支援、商店街、地域、様々な方々、こどもの遊ぶということに関わる方々の中間支援団体をしております。

まずは、TOKYO PLAYの中で、プレーパークのお話の前に、そもそも居場所とは何なのだろうということを少しだけお話ししたいと思います。

これは団地の絵地図だったりします。こどもの居場所は、やはりこどもたちが遊んでいる場所、暮らしの場所、生活圏内、たくさん居場所はあるのだと思うのです。ある方々の絵地図を出したのですけれども、例えば公園によっても居場所の感じ方が違ったりするのです。栗拾いをする公園もあれば、みんなでおしゃべりをする公園、親に内緒で野良猫を飼うような公園もある。あと、家出するときは海に行く。こういったものも一つの居場所だったりします。あと、この方のところで面白いのが、学校の用務員のおじさんちも、よくお菓子をもらう。こういった人も居場所だったりしますよね。あとは、おじいちゃんの友達の家、この人もお菓子をよくくれるのです。そういったこどもの頃はお菓子をくれたり、食べ物をくれたり、そういったところも一つ居場所になってきます。

この地図だけ見てもそうなのですけれども、まちそのものが居場所の一つだったりします。そうした中の一つとしてプレーパークもあるのだと思うのですけれども、そもそも大人がいないからこそ居場所と感じられる場所も一つあるのだろうなとも思います。

ただ、この数十年の日本の中での社会的な状況も踏まえて、騒音問題もあれば、禁止のこともあれば、大人がこどもの居場所をつくらないといけない時代に入ってきたのだなとも思ったりしています。そんな中で、地域住民の方々が主体となってつくるプレーパークというものをやっております。

私たちはプレーパークを直営でやっているというよりかは、これも第2回で関戸委員からも話があったと思うのですけれども、全国のほとんどがその地域の方々が団体をつくってプレーパークを始めているということがあるので、少し内容は違うのですけれども、大きくどこも核に据えているのが、まずはこどもたちが遊び場をつくるということです。そして、こどもたちが遊び場をつくり変えられる、可変性がある、ある種、完成しないです。

永遠に未完成の遊び場と言われていたりもします。

開催状況は本当にまちまちです。よく名前が出てくるのは、例えば世田谷区にある日本で最初にできた羽根木プレーパークや川崎市子ども夢パーク、そういったところは割と名前が出ているかとは思うのですけれども、利用者層も本当に幅が広いです。もともとはこどもの遊ぶ場所として、先ほど渡部さんからも予防というすてきなキーワードがありました。プレーパークも予防という部分をとても大切にしているところがあります。0歳から18歳までとここでは書いているのですけれども、プレーパークによっては0歳から300歳までオーケーみたいな場所もあったりします。とにかく何歳でもいいのだよというところをターゲットにしています。

また、僕自身も、中学校の頃、不登校で週に6日間プレーパークにずっと通っていると いうこどもでした。僕自身も、プレーパークに朝10時、夜9時、10時ぐらいまでずっと大人といるという生活だったのですけれども、プレーパークのよさとしては、そこで働いている職員のプレーリーダーと呼ばれる方以外にも、その地域に暮らしている方々がたくさんいるのです。なので、地域に暮らしている若者や大人、おじいちゃんおばあちゃん、そのバックボーン、背景にはいろいろな方々がいるのですけれども、ありとあらゆるこどもたちが自然と集まる場所だったりします。その理由の一つとしては、やはり年齢や性別、ジェンダー、障害の有無、学校登校の有無、そういったものをそもそも一切不問としているところが多いです。なので、集めているわけではないのだけれども、どんどん集まる。
そういった傾向に近年ではあるのだと思います。

そして、大切にしている視点や理念の中では、たくさんあるのですけれども、特に1つ御紹介させてください。まずは冒険遊び場とはというところでは、こどもが自由に遊ぶことを保障する場所です。こどもの権利条約の31条のところにも遊ぶとありますけれども、こどもの遊ぶ権利ということをとにかく保障したい。そうした思いを持って屋外空間でつくっている場所が多いです。

そして、大切にしているところなのですけれども、これも第2回のときに今村さんや関戸さんもお話ししていたと思うのですが、制約だったりリスクというものを私たちはとにかく少なくしていきたいと思っているのです。ただ、それが制度のはざまみたいなところで難しいケースもあったりするのですけれども、こどものやってみたいということは、やったことのないことに挑戦することは全てがリスクなのです。そういった意味では、ありとあらゆるハードル設定を考えるために、プレーリーダーと呼ばれる人間が危険管理、リスク管理みたいなものを考えながら、なるべくこどもたちが今やってみたいこと、目の前のことを挑戦できるように、保障できるように活動していたりもします。これは言わずもがなですけれども、こどもの本能である遊ぶという行為はやってみたいという表現の表れだったりします。

居場所づくりにおける工夫は、まず一つは、プレーリーダーを中心にこどもたちとの会話の中で、こどもたちとの声を聞いたり、出せる。こういった関係性づくりはとても大切だなと思います。こども参画という言葉が随分言われるようになってきました。あとはこどもの声を聞くということも出てきたりするのですけれども、そもそもプレーパークの特徴の一つはこどもがその場所をつくるというところなので、こどもの声を聞くということは言わなくても、そもそもそれは大前提だよねと。むしろこどもと一緒につくらせてくれというぐらいな環境もあったりするかと思うのですけれども、こどもの声を聞くよりかは、一緒にやろうよといったこともあるのかなと思います。

成果、これも非常に定量、定性というところは難しいなと思いました。現場によってかなり異なるのですけれども、1つ定性などのところのほうで大きいかなと思ったのは、異学年です。今、どんどんこどもの遊ぶ年齢が同学年化してきていたりもします。そういった意味では、こういったプレーパークはかなり異学年で関わり合うことが普通だったりするのです。こどもというよりかはこどもから大人まで、ありとあらゆる世帯の方々が一つの場所で関わり合ったりします。

あともう一つ、一番下の大人の用意したプログラムというものが全く存在しません。こどもがそこでどういうふうに過ごすかをこどもが決める。そうしたことが十分に確保できている場所というのは、プレーパークの中ではとても大きいのだろうなと思います。報告書の課題に対するところなのですけれども、たくさんあるので要約しますけれども、一つは、よくプレーパークは福祉的な視点という話も出てくるのですけれども、もっともっと広くまちづくり、暮らしの視点を持つことも必要なのかなと思っております。リスクへの挑戦というところもそうなのですけれども、やはり居場所を保障できる専門性を持ったプレーリーダー、プレーワーカーという人の養成の仕組みというものが実はまだないのです。これだけ日本全国にプレーパークというのが増えてきているのですけれども、そういった人の存在みたいなものもまだまだ必要なのかなと思っていたり、あとは、これはこの後も紹介しますけれども、イギリスでは実はこどもの環境、こどもの遊ぶ環境をアセスメントする指針みたいなものもあったりします。それをお話ししたいと思うのですけれども、ここでもう一点、拡充の部分では、近年だと移動型の遊び場、出張型遊び場、プレーカーみたいなこともサテライト的に広がりを見せていったりもしております。

これはイギリスの事例なのですけれども、実はこどもの遊ぶ環境づくりというものを義務づけていたりもするのです。2010年に規定されたのですけれども、これはもともと2000年の頃に政府がこどもの遊ぶ環境の実態調査というものを行いました。そうしたところから10年かけて、3年に1度、こどもの遊ぶ環境をアセスメントという計画ができたのです。

今回、居場所または遊ぶというところなのですけれども、誰がそもそも評価して、誰がその枠組みをつくるのか。そういった議論ももう一つ必要なのかなと思います。

最後にステークホルダーのところなのですけれども、ステークホルダーもありとあらゆる方々がいます。ここはこれまで出てきたステークホルダーの方々と割と重なるところなので、割愛させていただきます。

というところで、以上でプレーパークの話を終わりにしたいと思います。ありがとうございました。

前田委員長:ありがとうございました。

それでは、TOKYO PLAY様に御質問がある委員の方は手を挙げていただければと思います。

友川委員、どうぞよろしくお願いします。

友川委員:ありがとうございます。東雲女子大学の友川です。

先ほど最後の辺りで、こどもが遊ぶための保障をイギリスではこういう形で保障しているという実例も交えていただいたのですが、日本ではこどもが忙しくて、希望して忙しい場合もありますし、親からのいろいろなものを一生懸命乗り越えているこどももおります。実際に魅力的なこういうTOKYO PLAYのような居場所があったとしても、忙しくて時間がなくて行けないという居場所の課題のことも耳にいたします。そんな中で、実際にTOKYO PLAYに参加できているお子さんというのはどんな状況のお子さんなのかということが一点と、もう一点は、日本国内の中で、関係団体の皆様でも結構なのですが、こどもたちの遊ぶ時間の確保のために何か働きかけてこういう取組をしている自治体等の実例があったら御紹介いただけますでしょうか。

神林氏:ありがとうございます。

まず、TOKYO PLAYの団体自体は、実は施設を持っているわけではなく、全国のプレーパークやこどもの遊ぶ環境の中間支援をしている団体ではあるのですけれども、プレーパークに来て、俺、10分だけ遊べるんだよ、この後塾でさみたいなこどもというのは10年以上前からたくさんいたりします。そういった意味では、一つは、10分しか遊べないんだけどどさと言って頑張って来る。その時間はその時間で必要だなと思うのがあります。これは多分児童館も全く同じだと思うのですけれども、もう一点が、TOKYO PLAYの団体としては、そもそもそうした遊ぶ時間というものは大切だよねと。学習するということも大切だけれども、それと同じように、こどもがゆっくりと過ごす、遊ぶことも大切だということを伝えていくための普及啓発の活動を主にしていたりもします。本当に習い事というものは難しかったりもするのですけれども、まずはこどもたちにとっていつでも来ていいんだよということを伝え続けていくことが大切なのだろうなと思いました。

あと、2点目のほうは、先ほどもこどもにやさしいまちの話、町田の事例が出ていましたけれども、恐らく今、日本で一つ自治体のほうで取り組んでいるところで進んでいるのは、日本で5か所のこどもにやさしいまちは一つ参考事例なのかなとは思いましたが、きっとほかにも専門で知っている方はたくさんいると思うので、その辺にさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

前田委員長:ありがとうございます。

それでは、次に湯浅委員、お願いします。

湯浅委員:ありがとうございました。
以前に敷村さんのマップ作りのワークショップに参加したことがあって、時代とともにマップがどんどん変わっていくのがすごく印象的で、忘れられない思い出になっておりますが、今日質問したいのは、御発表の最後のほうだったかと思うのですけれども、福祉的な視点だけでなくというところの表現がありました。まちづくりの視点を持って、日常的かつインフォーマルな関係性が構築されるプレイスメイキングの要素が欠かせない。こういう表現になっていましたけれども、日常的かつインフォーマルな関係性が構築されるようなプレイスメイキング、居場所づくりということだと思いますが、それがまちづくりにつながるという辺りをもうちょっと敷衍して教えてもらっていいでしょうか。

神林氏:ありがとうございます。
この視点は、僕たちはすごく大切なところだと思っております。こどもの居場所、こどもの遊ぶ環境は、やはりイベントやプログラムではなくて、暮らしの中に存在すると思っているのです。例えば僕自身もこどもの頃は、遊ぶというと、例えば近所の花を摘んでみたり、石を蹴ってみたり、本当に生活圏内の中でこどもの遊ぶというものがたくさんあったと思うのです。今はなかなかそうしたことが社会的な中で難しくなってきています。だとしても、恐らくこども食堂とかも日常というところは同じところだと思うのですけれども、地域の人たちとともにこどものそうした日常的な遊びということを大切にしたいと思っているのです。まずはあ、考え方としてはそういったところが一点。

あとは、こどものやってみたいということが僕は遊びだと思っているのですけれども、やってみたいという気持ちを人と話すとき、例えばこういう遊具を作りたい、運営時間をこうしてほしいとか、そうしたことも全てこどもたちの意見を基に場づくりを変えたり、こどもたちと話し合ったりしているのです。そうしたまさにこどものやってみたいという話がその場所の中でし合えること自体は、僕はまちづくりという視点の一つなのだろうなと思っています。私はこうしたいという意見をそこの場所でいろいろな人たちと話し合う。

もしかしたら政治みたいな話の一つにもなるのかもしれないですけれども、こどもたちがその場所をつくる。そうしたことが、僕はまちをつくること、そんなふうに感じながらこちらの内容を書かせていただきました。

あともう一点だけ、どうしても今、プレーパークは予防というところも大切にしながらやっていたものの、対症療法的にかなり厳しいケースのこどももどんどん増えてきているのです。そういった意味では、福祉的な要素で語られることが随分増えてきました。ただ、貧困対策でもこどもの肥満対策でも、そういったことでやっているのではないよ、こどもの暮らしの中にプレーパークはあるのだよ、そうしたことを訴えたいなという意味も込めて記載させていただきました。

前田委員長:ありがとうございます。

よろしいですか。

湯浅委員:ありがとうございました。

前田委員長:それでは、次に小川委員、お願いします。

小川委員:ありがとうございます。

私からは2点で、1点目が、プレーリーダーの育成の仕組みがまだないということだったと思うのですけれども、現在はどのような背景とか経験を持った方たちが来ていて、それの中で課題とかもあれば教えていただきたいなと思うのと、もう一点が、先ほどイギリスの動きの御説明があったかと思うのですが、先ほどの話にあったように、暮らしの中で遊びというものがあるということの大切さとかまちづくりみたいな視点で言うと、逆に国が遊びを定義してアセスメントをしていくということのリスクみたいなものもあるように感じるのですけれども、今回神林さんがこういうものを出してこられた背景として、ただ一方で、あったほうがいいと感じていらっしゃる部分とかがあれば、具体的にどういうところなのかなという辺りを伺えたらと思っています。お願いします。

神林氏:ありがとうございます。
まず一つが、海外、例えばイギリスやドイツを中心にプレーパークで働いているプレーリーダー、プレーワーカーは、実は国家資格になっているのです。なので、今では主にイギリスだったりのプレーワーク、そういった枠組みを日本に持ってきてOJTやプレーリーダーの育成、研修をやっているところが少しずつ増えてきたような状況になっています。

ただ、やはり住民主体でやっているプレーパークは、世界の中でも実は日本がまれな例なのです。

そういった意味では、日本だからこそのすてきさもあるのですけれども、かなりばらばらなプレーパークの思想の中で、プレーリーダーを育成するフレームみたいなものがさすがになさすぎるというのがいろいろなところから、やはり何か枠組みが欲しいということで、TOKYO PLAYでも、東京都内だと主に港区とかでは今、伴走支援をしながらプレーリーダーを育成したりもしているのですけれども、まだまだ場所に合った育成のフレームみたいなものはつくっていかないと大変な時期に来ているなと思います。

その話に割と続くのですけれども、2つ目のアセスメントの話です。まさにアセスメントの評価を下手にしてしまうと狭めてしまうということにもなると思うのですけれども、ただ、僕は残念ながら、こどもの居場所または遊ぶ環境は、大人がインフラのように保障する枠組みを考えないと守れない、保障できない時代に既に入っていて、それがもう大変な状況に来ている段階なのだと思っているのです。なので、例えば空気も大気汚染がひどくなったり、PM何ちゃらが増えてきたりで空気清浄機を作ったり、指針の中で排気ガスの問題はどうしようとかというのと同じで、こどもの遊ぶ環境も、例えば平米数みたいなものでこれぐらいは守りましょうということはあったりするのですけれども、ソフトの部分も含めて何を守らないといけないのか、何を大切にしないといけないのかといった議論を説明そろそろしていく必要があるのだろうなと思って、先ほどアセスメントの話をさせていただきました。ありがとうございます。

小川委員:ありがとうございます。
前田委員長:ありがとうございます。

では、山本委員、いかがでしょうか。

山本委員:御報告ありがとうございました。こどもの声をとても大切にされてつくり上げているのかなという印象を受けて、すてきだなと思ったのですけれども、こどもの声を引き出す方法だったり、声をうまく出せない子ももちろんいると思うのですけれども、何かそういう子に対する配慮があったら教えていただきたいです。

神林氏:ありがとうございます。

本当にいろいろなケースのこどもが来るので、そういった意味では、プレーリーダーが聞くということもあれば、地域の方が聞くということもあれば、まさにピアサポートでこどもがこどもの声を聞くということもあるのですけれども、例えばプレーリーダーには話せないということも、完全に無口でずっとたき火をつけているおじいちゃんの横でただ座って、30分ぐらいしたらねえねえということもあったり、あとはこども同士で話を聞くよと言って一緒に連れ出してくれることもあったりするのですけれども、そこで働いている職員のプレーリーダーという立場で言うと、やはりこどもの声を待つということはとても意識しています。どうしても大人はこどもに何かあったかなと思うと聞きたくなってしまうのですよね。でも、それで聞いてしまうことによるリスクもあったりします。僕も東日本大震災で実は9年半ほど気仙沼というところで活動していて、今日参加されている方々も何名かいろいろと東北でお世話になっていたりするのですけれども、こどもの声を聞くというのは、とにかく僕は待ち続ける。ある種、積極的に攻めているように見えて、見た目としては待つという姿勢をとても大切にしています。

そういった意味では、こどもが話したくなるような環境設定ですね。例えば真正面を向いたらしゃべりづらい子もいれば、暇そうにしていてこどもがいつでも話せるようなタイミングをぶらぶらしながら待つというふうにしたりもします。イギリスではフローターと言われていたりもするのです。ぷかぷか浮かぶ人と直訳するのですけれども、ぱっと見ると暇そう、何してるんだよと声をかけられるぐらい暇な人ですね。というようなこともポジションとして大切だなと思ったりしています。よくこどもからおいおい何してるんだよ、遊べよみたいなことを言われたりしますけれども、それぐらい忙しいではなくて、いつ話しかけてもいいよねという存在のポジションは、仕事として大切だなと思っております。

以上です。

山本委員:ありがとうございます。

前田委員長:ありがとうございました。

今、安部委員が手を挙げておられますが、ほかに 青山先生もおられますね。では、お時間の関係で申し訳ないのですが、安部委員、青山委員、連続して、荒木さんもおられましたね。では、3人、神林さんから緩い会議運営だと言われていますので、緩くやりたいのですけれども、この3人、連続して質問となりますが神林さんにお願いします。

神林氏:ありがとうございます。うれしいです。

前田委員長:安部委員、お願いします。

安部委員:安部です。ありがとうございます。

神林さんが先ほどおっしゃっていた、遊びの環境整備に関する質問が2つあります。

まず1点目なのですけれども、開催の回数、頻度が年数回から常設とかなり幅広いと思うのですけれども、これに対してこどもはどう思っているのか。つまり、年数回でいいのか、また行きたいからずっと常設でやってほしいと思っているのか。もし常設してやってほしいと思っているのであれば、なぜ常設にできないのか。その理由を教えていただきたいというのが1点目です。

もう一点が、先ほど養成について質問があったかと思うのですけれども、それとの関連で雇用に関することです。開催回数等から考えて、プレーリーダーさんの雇用が安定しているようには見えないのですけれども、その辺りの課題があったら教えてください。

以上です。

前田委員長:では、次に青山委員、お願いできますか。

青山委員:ありがとうございました。

お一人目のユースワーカー協議会の水野さんのお話とも共通して思っていたことなのですけれども、プレーワークとかユースワークという考え方というか方法論がありますが、プレーワーカーだけがプレーワークをするのではないし、プレーパークだけがプレーパークの場ではない。同じように、ユースセンターだけがユースワークをしているわけではないし、ユースワーカーだけがユースワークをするわけではないと思うのです。今後、いろいろな場が居場所になり得る中で、そこでの共通の方法論や考え方をしていくとき、プレーワークとかユースワークという考え方は、共通の土台を提供できるような方法論なり考え方のキーワードになるのではないかと感じています。プレーワークという発想をプレーパークのためだけのものでなく、プレーワーカーのためだけのものではないものとして広げていくことについて、お考えや取組などがあれば教えていただきたいと思います。

前田委員長:神林さん、連続して質問は構いませんか。

神林氏:はい。あと、荒木さんもあるのですよね。

前田委員長:では、荒木さん、お願いします。

荒木委員:荒木です。

私は活動の中で、児童館としてや他のこどもの居場所づくりでプレーワーカーさんと一緒に動くことが多いのですけれども、居場所をつくろうと思ったときに地域調整に結構力が要るなと思っていまして、周囲のお住まいの方であったり、関わる大人と共通観をつくっていかなくてはいけないと思うのですが、その辺の難しさとか工夫している点があれば教えていただければと思いました。

神林氏:ありがとうございます。
それでは、覚え切れないのですけれども、安部さんのところから、本当に貴重な質問をありがとうございます。まず、常設とそうでないところも含めて、こどもがどう思っているのかみたいな話なのですけれども、これは一つの事例なのですが、週に1回を何十年もやっているところがあるのです。そうしたところは、あるとき、東京都内のほうでも月1回だと居場所にならないのではないかみたいな議論もあったりしたのです。ただ、そこは常連が育っていて、昔こどもだった子たちが今も大人になってそこに関わるという循環ができているのです。そういった意味では、週に2~3回以上ではないと居場所ではないのだろうと思っていた考えがぶち壊されて、やはりあり続けるということはまず一つ大切なのだなと思いました。

あとは、なぜ常設にならないかといったところは、やはりこれは制度の部分が大きいのだと思うのですけれども、日本ではまだ資格みたいなものもなければ、国の制度の外側にあったりするのです。そういった中で、主に世田谷も新宿も渋谷も東京都内はほとんどそうなのですけれども、補助金の運営で実はやっていたりします。指定管理を取られているところもまだまだ数が少ないのです。そうした意味では、指定管理にすることがいいのか、それとも住民運営だからこそいいのか。そうしたところがプレーパークによって色や文化があるので、やはりこれは常設がいいかどうかというよりかは、なくさないということがまずこどもにとっては一つ大切なところなのかなと思っていたりもします。まずは今ある頻度で頑張っていくことが大切なのかなと。こどもの側からするとそうなのかなと思うのと、雇用の問題、これもありがとうございます。これは大体世田谷も、東京都内はほとんどそうなのですけれども、リアルな話を言うと、大体手取りで言うと18万とか19万とかがざらだったりします。まだまだ雇用という部分では安定性がなかったりします。それもやはり制度の話と同じです。こういったプレーパーク、かなりいろいろなことは多岐にわたってやってはいるのですけれども、では、それを制度化するときにどういった枠組みが必要なのか。そのフレームみたいなものがないからこそ、予算化みたいなところまでもいかないのかなというジレンマを抱えていたりもしています。

もっと話したいのですけれども、これだけで1時間ぐらい話せそうなので、次に青山さんの話に行こうと思っていて、この視点、プレーワークはプレーパークだけではないよねという話をしていただいて本当に感謝しております。私たちTOKYO PLAYも、実はプレーパークだけに限らずこどもの遊ぶ環境、まさにこのプレーワークという視点は、児童館だろうが、学童、放課後児童クラブ、子供教室、さらに言うと、例えば土木の方々や緑地の方々や、ありとあらゆる方々がこのプレーワークというものを同じように考えていけるものなのだと思っております。プレーパークの人たちだけがプレーワークと、名前的に似ているので感じやすかったりするのですけれども、全くそうではないと思っております。

参考資料の中にも日本プレイワーク協会という団体の名前を出させていただいたのですけれども、ここは主に教育・保育、学童、子育て、予防系団体、いろいろな方々で今このプレーワークというものを日本に広げていこうという動きがあったりもしております。

TOKYO PLAYのメンバーもそういったところに関わっているのですけれども、こどもの遊ぶ場所をつくっている人だけがプレーワークをやっているのではないよね。その辺りの話はもしかしたら渡部さんのほうが詳しいのかもしれないですけれども、本当にプレーワークはもっともっと広い概念なのかなと思っております。

最後、荒木さんの話なのですけれども、本当に日々現場を持つと悩むなという意味では、僕がすごく大切にしているのは、現場によって関わり方は特に異なると思うのです。例えばプレーパークも、プレーパークはたき火もできるし、料理も作れるし、工作もできるしと思われがちなのですけれども、そうではありません。地域の人が、私たちにとってはまだたき火とかは怖いわと思うのであれば、まずはたき火はなくてもいいじゃん。そういったところから、地域にいるこどもたちや地域にいる人たち、またはスタッフの力量も感じながら、一緒につくっていくことがとても大切だと思っているのです。そういうことをしないと、私は刃物、のこぎりを使ってもいいと思うよ、いやいやのこぎりは怖いよ、そうしたことをしっかり合意形成しながら話合いを進めないと、気づいたら一人きりになっていたりもします。なので、プレーパークづくりはまさに地域の人たちが来るということが核になっています。地域の人が地域のこどもの居場所のことを考える。ではないと、専門家の方々がつくる場所になってしまうのです。やはりプレーパークは地域の人たちが地域のこどもの居場所を支える。その循環を保障するためにプレーリーダーがいる。なので、こどもと遊ぶ人ではなくて、こどもの遊ぶ環境づくりを考えていく人、これがプレーリーダーの役割なのだろうなと思います。

長くなってしまいましたけれども、以上でよろしいでしょうか。

前田委員長:ありがとうございました。

それでは、TOKYO PLAY様、御発表ありがとうございました。

ここで休憩を少し取りたいと思います。次は40分から再開いたしますので、40分になったらお戻りください。よろしくお願いします。

神林氏:ありがとうございました。

前田委員長:ありがとうございました。

(休 憩)

前田委員長:それでは、再開いたします。

後半は全国学童保育連絡協議会様から御発表をお願いしたいと思います。

全国学童保育連絡協議会様、おられますでしょうか。

佐藤氏:おります。

前田委員長:資料は共有なさらないのですよね。

佐藤氏:はい。画面共有はいたしませんので、事前配付された資料を御覧いただければ
と思います。よろしくお願いいたします。

前田委員長:よろしくお願いします。

それでは、よろしくお願いします。

佐藤氏:全国学童保育連絡協議会事務局次長の佐藤愛子と申します。

このたびは、貴重な発言の機会をいただきましたことを心より御礼申し上げます。

取組事業についてです。放課後児童クラブは、児童福祉法に規定された事業です。2014年に厚生労働省令で基準が策定され、放課後児童支援員という資格が生まれました。また、雇用均等・児童家庭局長通知で運営指針が通知されております。

私たちは、保護者の就労などによる保育を必要とする小学生の放課後及び土曜日や春、夏、冬休み等の長期休業日の安全・安心な生活を継続的に保障することと、保護者が安心して働き続けること等を保障し、その家庭を守るという目的・役割を担っていると考え、制度化と公的責任を求めてきました。

文部科学省所管の学習体験活動の場である放課後子供教室については、資料1を御覧ください。

利用対象者についてです。

保護者の就労以外にも、保護者の妊娠・出産、疾病、障害、親族の介護・看護、災害復旧、虐待やDVのおそれがあることなどを理由に学童保育に通うこどもたちもいます。あわせて、障害のあるこども、外国籍のこども、病気を抱えるこども、経済的に困難を抱える家庭のこどもも通ってきます。

対象エリアについては、資料2、都道府県別の学童保育数と入所児童数を御覧ください。

かつて、学童保育の待機児童問題は大都市部のものだと考えられていましたが、今では地方都市の問題でもあります。この間、自治体が新たに施設整備を行うことには消極的だった様子がうかがえ、定員枠の観点から2年生、3年生でも入所できない地域があります。

私たちは、こども・指導員・保護者がともに行う「子ども一人ひとりと、子どもたちの生活内容を豊かにするための継続的な営み」を「生活づくり」と呼んで大切にしてきました。そして、学童保育に通うこどもと生活の特徴を次のように整理してきました。学童期のこどもたちであるということ、放課後及び学校休業日の生活であるということ。自分で自らの過ごし方を考え、自分で決定していく時空間は、こどもの成長・発達に欠かせない大切なものです。学校生活での様々な思いを抱えて帰ってくるこどもたち一人一人の思いに気づき、受け止めながら、毎日の生活を保障していきたいと考えます。こどもたちが主体者として生活をつくるということがあります。また、異なる年齢のこどもたちが集団で継続した生活を送っています。縦の関係がそのまま力の関係にならないよう、指導員は必要な働きかけが求められます。

全国連協が発行する月刊『日本の学童ほいく』から見えるこどもたちの生活の一こまから、情景を思い浮かべながら聞いてください。

6年生のトモタカが「今日は、公園に行ってみんなでキックベースをやることにしよう。

ねぇ、たまにはみんなでやろうよ」と提案したが、低学年のこどもたちはキックベースがどんな遊びか分からないようだった。分からない子たちを集めて、紙に図を描いて何度も説明してくれるが、なかなか理解できないこどもたち。トモタカもだんだんイライラした様子だったが、新たにこんな提案をしてくれた。「わかった。キックベースはちょっと難しいってことがよくわかったよ。だからみんなで缶けりをすることにしよう!」。「それならわかる。いいよ」と低学年の子たちも賛成してくれ、その日はみんなで楽しく缶けりをしたのだった。

学童保育でのこどもたちの様子を御紹介しました。こどもは遊びを楽しみ、いろいろな発見をして、人間関係を育み、成長していきます。日々の生活の中で、こども自身が主体的に遊ぶことの楽しさ、また、指導員が遊びに関わる意味や配慮すべき点があります。

学童保育では、生活全般に関わる様々な活動を行っています。一人一人のこどもと指導員との関係から生まれる安心感を基にした継続的で安定した毎日の生活をつくるために、一人一人のこどもをどのように理解するか、こども同士の関係をつくる上で大切にしたいことがあります。

このような生活の場をこどもたちに保障するために、現場にいる大人が自分の経験や保育観だけに基づいて指示を出すのではなく、保護者の願いに思いをはせ、こどもの声に耳を傾ける、時には黙って待つ、失敗や間違いなども受け止める雰囲気をつくりながら、見守る、求められたときに応えるという関わりが必要です。大人が発する言葉にこどもが答えるという問いと答えの間を大切にしたいと考えます。日々の生活の中で興味を持つ様々なこと、遊びや友達との関わり、ぼーっと過ごすことも含め、「いやだ」「やりたい」「やってみよう」というように、こども自身が考え、選び、自ら生活をつくっていけることが必要だと考えます。

報告書記載の課題に対する対応策や工夫について、学童保育に即して考えてみました。

こども集団の規模の上限を超えて、大規模化した学童保育では、こどもたちが騒々しく落ち着けない、ささいなことでけんかになることなどが起こります。また、指導員が適切に関わることが困難になります。遊びや活動を制限せざるを得ない、事故やけがが起こることなども生じ、こどもたちに深刻な影響を与えています。こどもが学童保育に行きたがらないなど、年度途中の退所や学年が上がる際に退所を選択するという実態が少なからずあることも否めません。

次に、学童保育における安全についてです。指導員には、学童保育全体を見通して危険を察知する洞察力とともに、継続的に関わることで、こども一人一人の体力や身体能力、注意力、こども同士の関係性などを把握し、こども自身が身を守る力(感覚・判断・身体能力)を習得できるよう、支えることが求められます。それには、大人が危険だからと一方的に指示・命令を出して管理するのではなく、知識や経験に裏づけられた瞬時の判断と関わりが必要です。

全国連協は、成長過程にあるこどもの遊びや生活の中での危険をどのように考えるか、安全・安心についてこどもと一緒に考え、つくり上げることの大切さなどについても提起しています。

次に、意見表明権についてです。学童保育では、こどもの言葉にならない思いも酌み取ることを大切にしてきました。聴かれる権利は耳を傾ける側の課題、すなわち指導員の専門性そのものです。

学童保育を卒所したこどもが中高生、そして、大人になって、今の自分を語りに来ることがあります。あるいはこの仕事に憧れて指導員として働くことがあります。私たちは、高等教育機関で保育、福祉、教育について学んだ新卒者が有資格者として就労し、そこから得られる収入を生活の基盤として、経験を蓄積しながら、将来を見通して就労継続できることを要望しています。

居場所づくりにおけるステークホルダーとの連携・協力について、学童保育はこれまで地域の様々な場所や施設、例えば地域の児童館や児童遊園などの児童福祉施設、図書館や公民館などの社会教育施設などを活用することを通じて、豊かな活動を行ってきました。

こどもの生活が地域に根ざしていることが日常であるとともに、それぞれの施設や事業内容、取組の理念や役割をお互いに尊重しながら連携してきました。

ここまでお話ししてきたことを、放課後児童クラブ関係者や保護者のみならず、広く知っていただき、こどもたちが健やかに育っていくことに資することを願っています。

以上です。御清聴ありがとうございました。

前田委員長:ありがとうございました。

それでは、全国学童保育連絡協議会様に御質問がある方は手を挙げていただければと思います。

植木先生、お願いします。

植木委員:植木でございます。よろしくお願いいたします。

ただいまの報告で、学童保育の居場所づくりが生活づくりであるということがよく分かりました。先ほど、前半のTOKYO PLAYさんの報告の中で、月1回の実施が居場所になるかと。でも、それはそこにあり続けることが大切だという示唆がありました。なるほどなと思いました。一方で、学童保育の場合は、ほぼ毎日こどもたちがその場所にやってくるわけですよね。そうしますと、時々やってくるのではなくて、毎日その場所を活用するということのこどもたちのメリットというか、意義というか、その辺りはどのようにお考えか。

ひょっとしたら生活づくりというキーワードに何かヒントがあるのではないかと思ったのですけれども、その辺りはいかがでしょうか。

佐藤氏:ありがとうございます。

毎日生活の場を継続していくことは、学童保育に特有なことなのかなとも思っています。

例えば遊びの中の場面一つで言えば、昨日は楽しかったねという思いが、明日もまた一緒に遊ぼうねということにつながるのかもしれません。また、先ほど縦の関係で力が左右されるということを発言しましたが、同じ学年の中でもお友達同士との意見の相違があると思うのです。そのときに、明日もまた負担に思わずに学童保育に通ってこられるということは、指導員の働きかけあってのことだと思いますし、こども自身が学童保育をよりどころとして考えているからこそなのかなと考えます。

よろしいでしょうか。

前田委員長:植木先生、よろしいですか。

植木委員:はい。ありがとうございました。

前田委員長:それでは、調布市の菊地委員、お願いします。

菊地(英)委員:菊地でございます。

御説明どうもありがとうございます。

私自身も45の学童クラブの運営を担当しておりまして、学童保育の重要性を認識している一人だと思っているところでございます。学童保育については、小学生の児童にとって、学校を除くと最大規模のこどもの居場所の一つなのではないかと思っている。あるいは学校と家庭の間にある居場所なのかなと認識しているところです。

一方で、お話にもありましたとおり、保護者の就労支援等の目的もあることから、必ずしもこどもの希望だけではなくて、こども以外では最大のステークホルダーになると思うのですけれども、保護者の希望でこどもが利用するというケースのあるサービスである側面であるとか、健全育成を行う場であるというような特徴があるのかなと思っております。

質問させていただきたいと思うのですけれども、学童保育というのは非常に歴史のある制度だと思っているのですが、従前の学童保育に比べて、最近の学童保育について、こどもの居場所としてなのですけれども、こどもであるとか、保護者であるとか、指導員の求めるものというのに何か変化、変容というものがあったらば教えていただけないかというのが一点。

2点目が、国がいろいろ対策を進める一方で、少子化というのは一定程度進んでいくと認識しているのですけれども、こどもの居場所として将来的に学童保育というのはどのように変わっていくべきとお考えなのか、そこら辺のお話をお伺いできればと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

前田委員長:お願いします。どうぞ。

佐藤氏:ありがとうございます。

うまくお話しできるか不安なのですけれども、この居場所づくりの研究をされたときに、居場所というのは、いたい、行きたい、やってみたいという3つの軸が示されました。それで申し上げると、学童保育はこどもが行きたいから始まるものではないのです。親が行ってもらわなくては困るというところから始まるのです。そこを指導員との信頼関係、こども同士の仲間関係をつなぎながら、こどもにとって行きたい場所になるように大人たちが環境を整えたり、制度をつくったりしてきたものだと思っています。保護者と指導員がともにつくる生活づくりのところでお話ししましたけれども、この長い歴史の中で学童保育が今ある姿になったのは、指導員と保護者が制度も含めてともにつくってきたというところが大きいと思っています。

ただ、変容と言えるかどうかですけれども、今、本当に保護者の皆さんの働く状況がかなり厳しい状況にあって、これまでで言えば、保護者が集まる機会があって、そういうところでこどもたちの様子も交流しながら、子育てに関する悩みや弱音、愚痴も少しこぼすことができて、この町で暮らす保護者同士というつながりをつくってこられたのが、コロナ禍以前からそういうつながりをつくることがなかなか難しくなっているなということも感じますし、どうしても子育てを我が家だけで担わなくてはいけないのではないか、周りに迷惑をかけてはいけないのではないかという中で、こどもたちの一つ一つの振る舞いに対しても、親同士が申し訳ない、すみませんという思いが強くて、これまでのようなお互い様だよと許し合える関係をつくっていくのが難しくなっているなということは感じています。

よろしいでしょうか。

前田委員長:ありがとうございます。

それでは、次に大東市の水野委員、お願いします。

水野(達)委員:私からは2点質問させてください。

まず1点目が、7ページに書いてあります③居場所づくりにおけるステークホルダーとの協働・連携方法についてのところで、やはり保護者の思いを受け止めながら、それでいて半数以上が学校の施設内にあるという状況を考えると、当然のことですが、安心・安全というのを大事にしながらも、お話にあったように、大規模化する中で、遊びを制限したり、一斉管理型になりがちなことを想定するのですが、そのような中でもこどもたちが自分たちの居場所だなと感じられるような、学校との協働の面でもいい取組、グッドプラクティス的なものがあれば教えていただきたいなというのが1点目です。

2点目が、支援員さんの資質で特に求めたい要素、大切な要素があれば教えてください。

佐藤氏:ありがとうございます。

学校との連携は、それぞれの現場で、それから、学校の先生の側もきっと、どういうふうにするのが一番いいのか考えられているところなのではないかなと思うのです。ただ、こどもたちの生活は、家庭があって、学校があって、学童保育があるという連続性の下にありますし、これを保障するための情報交換や情報共有、それから、こどもたちあるいは家庭の状況をどのように理解するかというところで、連携は求められるなと思っています。

もう一つ、そこに書いた、学校の施設を活用できるのだけれども、学校には学校のルールや文化があって、学童保育には学童保育のルールや文化があるというところでは、お互いに歩み寄りながら、お互いが知り合う努力や心構えが必要なのかなとは感じています。

よろしいでしょうか。

前田委員長:よろしいですか。

水野(達)委員:支援員さんの資質についてはいかがでしょうか。

佐藤氏:これまで学童保育は、施策や制度がない中で、多方面、多分野の実践や研究に学びながら、学童保育とは、学童保育で保障すべき生活内容とはを考えてきました。また、職員集団として、記録を活用しながら、日常の保育を振り返る作業を行いながら、こどもを理解し続けようとすること、こどもとのかかわりやこども理解を言語化すること、実践記録を複数の目で検証し、検討することを重ねて、こどもや保護者の理解を深めることなど、あらゆる機会を通じて、力量形成と質を向上させることを大事にしてきたのですけれども、大規模の中では記録を取ることが難しい。記録の前に、今日こどもとどういうふうに関わったのか、意識的に関わることさえも難しいということがあって、今、国が示したおおむね40人以下という基準がありますので、全国どこの地域の学童保育でもこの40人という人数規模が守られながら、こどもの所属感や帰属感も育てながら、学童保育に通い続けられる状況をつくっていきたいなと思います。

前田委員長:ありがとうございます。

今、3名の方が手を挙げておられるのですけれども、3名の方の質問が連続しても構いませんか。ちょっと大変なのですけれども、よろしいでしょうか。

では、ちょうどまたあいうえお順になるのですけれども、安部委員、小川委員、光真坊委員でお願いしたいと思います。

安部委員、お願いします。

安部委員:ありがとうございます。

先ほどの菊地委員、水野委員の質問との関連で1点だけ、今日御発表があったほかの場所と違って、やはり学童保育は自ら進んでいくわけではない、こどもにとっては行かなくてはならないところだからこそ、こどもにとって行きたい場にしていくと述べられました。

非常に大事な視点だと思います。ただ、それを実際にやっていくに当たって、課題も多いのではないかなと思っています。どんな課題があるのかというところを手短に教えていただけますでしょうか。

以上です。

前田委員長:小川委員、お願いします。

小川委員:ありがとうございます。

私からも1点で、先ほどのお話の中で保護者同士のつながりみたいなものもこれまでは大事にされてきたというお話があったかと思うのですけれども、その点で、もともともう少し予防的な取組がいろいろあったのかという辺りと、現在もこどもたちの生活の場づくりという意味だけではなくて、もう少し家庭とか保護者を支えるという意味で何か取組を工夫されているところがあれば教えていただきたいなと思っています。よろしくお願いします。

前田委員長:光真坊委員、お願いします。

光真坊委員:質問です。ありがとうございます。

学童保育、放課後児童クラブを中心に、障害のあるこどもさんも分け隔てなく利用して、障害のないお子さんとのつながりの中で豊かに暮らしておられます。放課後児童クラブの国の数字を見ますと、令和3年5月時点で障害児を受け入れている施設は57.8%、利用児の3.7%が障害のあるこどもということが分かっております。相当の数のお子さんが利用されていることが分かっております。令和4年度の厚生労働省の放課後児童クラブのインクルージョンの研究では、保護者の方の満足度では85%が満足、かなり満足しているという結果が出ておりますし、あと、こども本人からも職員やほかのお子さんとすごく楽しく過ごしているという意見も多数寄せられております。医療的ケア児も相当の数入所させていただいているということも分かっております。

その上で2点ありまして、一つは障害のあるお子さん、特に重いお子さんも含めまして学童クラブで受入れをされていますが、そのときの工夫であるとか課題についてお聞かせください。また、放課後児童クラブはやはり小学校までという年齢制限的なものもありますので、児童館のところでもお話ししましたが、それ以降の居場所の連続性のところについて課題があればお伝えいただければと思います。よろしくお願いいたします。

前田委員長:お願いします。

佐藤氏:ありがとうございます。

御質問の順番どおりにはいかないかもしれませんが、まず保護者です。保護者は、日常的に指導員からこどもたちの生活の様子や成長の様子を伝えられることから得られる安心感を土台に指導員との信頼関係を築いてきましたし、その中で保護者同士のつながりもつくってきたなと思うのです。この指導員から伝えられるというところでいうと、お迎え時のやり取りということもありますけれども、意識的に連絡帳のやり取り、お便りの発行、保護者が集まる場所で指導員さんが話をしてくれるというような伝え合いということを大事にしてきました。伝え合いですから、指導員から学童保育での様子を聞くだけではなくて、保護者の側から家庭で気になる様子、それから、気になる様子だけではないですね。

こういうことがあったのだという日常のやり取りが基盤にあったなと思っていて、そのことの延長線上で、児童虐待防止、いじめ防止、不登校対策という様々な課題はありますけれども、学童保育ではかねてよりこれらも視野に入れた実践を行ってきたいそのための知識や技能を身につけて、専門性を高めるべく研修など様々な場で働き続けてきたと思っています。

ただ、年々学童保育を利用するこどもたちの数の高まりと同時に、クラブ数、施設数も増えてくる中で、そのことがあまねく全国的な標準仕様にはなっていないのではないかなとも思っていて、実際に指導員を対象にした調査結果等を見ると、まだまだ非常勤職員だけでクラブを運営している様子も見えるのです。非常勤職員だけでなく、こどもがいる時間だけでいいから、こどもが遊んでいる様子だけ見ていてくれればいいからというような条件で指導員が募集されているところで言えば、現場に出て自分たちに求められる職責の重さと身分保障も含め、待遇が折り合わずに離職する指導員も後を絶たないということも聞いています。

障害のあるこどもの受入れについて言えば、障害について理解も深めてきたけれども、私たちは目の前の一人一人のこどもをどういうふうに理解するかに軸足を置いてきました。

障害の有無にかかわらず、どの子が困っているときもその子の気持ちを分かりたいと思って関わってきたいそうやって一人一人が大切にしてもらっているという実感をどの子も持つことができることが集団での毎日の生活の場というのを保障することにつながってきたのではないかなと思います。

安部委員から大きな課題をというお話がありましたけれども、学童保育はまだまだ発展途上にあるのだと私は思っていて、国の基準あるいは自治体の基準、それから、運営指針ができましたけれども、まずはこれを全国どこでも標準仕様として質の確保をしていきたいし、事業の根幹を担う専門性を持った職員の専任、常勤複数体制をこどもたちの集団の規模と両輪で実現していくことが、こどもたち、ひいてはその町で子育てする保護者たちを支えていくことにつながるのではないかと考えています。

前田委員長:たくさんの質問にお答えいただいてありがとうございました。

それでは、これにて全校学童保育連絡協議会様の発表を終わらせていただきます。

続きまして、山口県こども食堂支援センター様、お願いできますでしょうか。

児玉氏:では、画面共有をさせていただきます。

それでは、山口県こども食堂支援センターの児玉と申します。

主にこども食堂の中間支援に関してお話をさせていただきます。

私たちは山口県の委託を受けまして、5年前から山口県こども食堂支援センターの事務局として運営をしております。認定NPO法人山口せわやきネットワークは、市民活動支援を目的に2003年設立し、今月で20年になります。その設立から参加し、現在は代表を務めております。山口市市民活動支援センターという中間支援を受託運営するとともに、2016年、7年前からこどもの貧困に取り組むこども明日花プロジェクトを立ち上げまして、無料の学習支援や居場所づくりを始め、大人がこどもたちを見守り支える地域づくりとして、こどもの地域包括支援に取り組んできました。

私は元県職員なので、特に行政と民間、NPOとの連携を大切にしてきたつもりです。

現在は学習支援、居場所、こども食堂、朝御飯などに取り組んでおります。

それでは、特にこども食堂に関しまして、2018年山口県で「広がれ、こども食堂!全国ツアー」を開催した際、湯浅さんに来ていただいて、こどもの貧困の黄信号・赤信号の話とともに、こども食堂を運営する人を支援する仕組みが必要ということをお聞きし、私たちはこども食堂は地域の大人たちがこどもたちを気づかい、見守るものとして、私たちが目指すこどもの地域包括支援を進め、こどもの貧困や孤立を防ぐ地域づくりを実現するものとして、自分たちも山口市内にこども食堂3か所運営するとともに、中間支援を始めたところです。

その翌年に、山口県のほうが3年後にこども食堂100か所にすると。当時55か所だったのですけれども、そのためのこども食堂サポート事業というのを公募いたしまして、私たちはプロポーザルを応募するに当たり、県からのこども食堂応援メッセージや市町など、こども食堂の担当課を明確にすること、あるいは保健所の手続の簡素化ということを提案し、採択されまして、今年で5年目となります。

2019年10月、山口県知事によります「こども食堂応援宣言」が出されまして、市町の各担当課は県のホームページにも掲載され、また、保健所等への手続に関しては登録制度が整えられました。特に強化していたのが相談体制としてのコーディネーターであり、統括コーディネーターが1人おりまして、その下に当初は4人であった地区推進コーディネーターは現在9人となり、県全域で相談対応や地元市町との調整などを担っております。

県が掲げた3年後100か所は、2021年度末には110か所を超え、さらにコロナ以降も年々増えており、現在は170か所となっております。

もう一つの組織として、山口県こども食堂・子どもの居場所ネットワークです。運営者間の相互の連携や研修、企業等への支援要請や寄附の受皿、さらには行政等への政策提案などを目的に設立しました。

写真は、2019年10月のネットワーク発足式において、山口県知事から代表の金子代表にこども食堂応援宣言ののぼりが手渡されております。

活動としては、食中毒や感染症対策の研修会、また、危機管理として、こども食堂実施に係る保険料や食品衛生研修会参加費の助成、あるいは県内のこども食堂が連携して実施します県下一斉パントリーでは、県内20か所でこども食堂が1,000を超える子育て家庭に食品を配布しますが、むすびえなどの民間助成金を活用するとともに、実施に当たっては各市町、各社協などの協力を得ております。

現在、山口県のこども食堂は、当初の55か所から、コロナ前が85か所、現在は170か所と増加しております。この要因としては、先ほども申し上げた県知事のメッセージでありますとか、県の委託事業としての中間支援によるコーディネーターの配置、こども食堂登録制度、あるいは市町、社協との協力で連携体制が大きな役割を果たしてきたと思っております。

次の6ページは、こども食堂の機能について、こどもたちと大人たちという視点で書き分けてみました。いろいろあるとは思うのですけれども、特に私たちが目指すところは、下のほうにありますこどもにとって、また、大人にとって大切な居場所であり、人をつなぎ、地域をつなぐ場所、そして、何か楽しい場所として人が集まる場所と思っております。

これは、私たちがNPO活動の当初からいわゆるステークホルダー、先ほどからもいろいろ出ておりますけれども、地域のステークホルダーが連携することで、困難を抱えるこどもたちやその家族が見守られ、貧困や孤立の不安のない地域づくりをするということを目指しており、その役割としてこども食堂が大変大きな位置を占めていると考えております。

そうした中で、コロナ禍を過ごしてきたこども食堂の課題と中間支援の役割について説明したいと思います。

山口県でも、また、全国的にも、コロナ以降新しいこども食堂ができ、増え続けておりますけれども、その多くは一堂に会して食べられないので、持ち帰りであり、コロナ以前のような食べる形というのは本当に多くないと思います。そうしたこども食堂が、今後コロナが落ち着く中で会食を始めるためには、会場ボランティアあるいは資金など、いろいろ課題があると思われます。コロナ前からあるこども食堂もお休みしているところ、持ち帰りのところも多いのですけれども、そういった再開支援とともに、食べるだけではなく、持ち帰りとかも含めたこども食堂の多様性を踏まえた支援を行っていきたいと思います。

また、いろいろな資金など、こども食堂が解決できない部分については、中間支援ネットワークが支援をしてまいります。

また、コロナ禍で仕事や収入の減少、または最近の物価高、公共料金の値上げで生活に苦しむ家庭が増えており、いろいろな家庭に直面する機会が多くなりました。食品提供だけではなく、いろいろな支援に関しては、こども食堂はプロではないので、いろいろな難しいケースについては行政や関係機関、福祉関係者へつなぐ。そういった仕事も必要になってくると思っております。

また、県や市町、社協の中には、依然としてこども食堂に関する知識や情報がなく、信頼もないので、無関心といいますか、そういったケースがあるとこども食堂側からはお聞きすることがあります。そのために、こうしたものに対しては、こども食堂からの働きかけが私たちは大事だと思っております。特にこども食堂が持つ機能については、地域が互いに支え合い、住みやすい地域づくりを行うといういわゆる地域福祉と同じような役割を持っていると思っております。そこで、私たちは、県や市町の地域福祉計画の見直しに合わせてこども食堂の記載について提案をし、昨年は山口市と柳井市でも明文化されました。

こうした記載をされることにより、行政や社協でも当事者といいますか、役割がはっきりする中で、さらに連携が進むものと思っております。

今お話ししたような内容を行政、あるいは中間支援、こども食堂のネットワークなどの役割について書いております。特にこども家庭庁が設置されたことにより、そういったものが法律に明記され、普及・促進が自治体としても取り組まなければいけないということ、これに関しては、中間支援団体や運営者のネットワークのほうからも実際に働きかけ、ともにこども食堂を支え、こどもたちの居場所づくりを促進させることが大切と思っております。そのためにも、県レベルあるいは市町レベルでのこども食堂のネットワークの組織化と強化が必要と考えております。

最後に、中間支援として私たちが今後取り組んでいきたいということであります。こども食堂への理解促進を図り、普及啓発に努めること。地域のこどもの居場所をつくることです。それから、福祉関係者につなげ、相談支援を充実させるなど、多様な資源を巻き込むということ。最後に、地域福祉などの機能も併せて、地域ぐるみの多様な参加者による交流と見守りをできる地域づくりを目指していきたいと思います。

時間が超過して申し訳ないのですけれども、最後に、これは山口県下関にあるkananowaという団体の活動を御紹介する新聞記事です。毎日自宅を開放して、30人のこどもたちの学習支援や食事提供、夏休みなどは学校を借りて100人を超えるこどもたちに食事提供を行っている団体です。地域のボランティアや農家、企業からの支援、あるいは行政とかのネットワークも様々な形でサポートしておりまして、今回、この機に情報提供をさせていただきました。

以上でございます。ありがとうございました。

前田委員長:御発表ありがとうございました。

それでは、ただいまの山口県こども食堂支援センター様に御質問がある委員の方々は、手を挙げていただければと思います。

植木先生、お願いします。

植木委員:植木でございます。

御報告ありがとうございました。こども食堂が居場所にとどまらず、地域福祉であるということがよく分かりました。ありがとうございました。

1点質問です。ステークホルダーの図表のところで、様々な地域の関係団体から本当にたくさんの支援があって、こども食堂が成り立っているのなということが一目瞭然でよく分かります。なるほど地域福祉だなという理解につながります。この中で学童保育とか保育所、幼稚園というのが見えるのですけれども、例えば児童館をこども食堂の場として活用するという実践もちらほら聞こえてくるのですが、児童館や児童センターとの連携や関わりみたいなことは何かございますでしょうか。

児玉氏:ありがとうございます。

ほかの県ではそういった事例もよくお聞きするのですけれども、山口県では児童館でというのはあまり多くはないと思いますが、当然機能的には同じものを目的としています。

こどもの居場所として大事なところなので、そういったところとの連携というのは当然今後も必要だし、やっていきたいと思っております。

前田委員長:よろしいでしょうか。

植木委員:はい。ありがとうございました。

前田委員長:それでは、宇地原委員、お願いします。

宇地原委員:地原です。

発表ありがとうございました。話にもあったのですけれども、やはり行政が異動を前提として職員の皆さんが働かれている中で、民間にこういった形で委託をして中間支援を行っていくのは、座組として非常にすばらしいなと感じていました。

質問が幾つかあるのですけれども、取り組まれている中間支援のメニューの中で、実際の業者さんからニーズの大きかったもの、あるいは非常にやってみて効果が高かったものというのはどういったところになるのかなというのをお聞きしたいなと思っています。

また、すごく年々数が増えていてすばらしいなと思っていたのですけれども、数が増えていくと、どうしても継続性が課題になっていくところはあるのかなと思っていまして、実際に我々も活動していく中で、コロナ禍で立ち上げたものの、1年たたずに現場が閉じていくということもやはり目にしてきた中で、どういった形で継続性に対して対応しているのかというのをお聞きしたいなと思いました。

最後になるのですけれども、3点目で、担い手としてどういった方がこのこども食堂の運営に関わられているのかというところを、多様であれば多様でいいですし、何か傾向のようなものがあるのであればお聞きしたいなと思いました。よろしくお願いします。

児玉氏:中間支援としてのニーズと効果が大きかったものということですけれども、特にこども食堂がコロナ禍でどうしたらいいのだろうかという形、特に感染症対策とか、開いていいのかどうかというところですね。初めて地域の方からどなり込まれた、こんな時期に何をやっているのだと言われたというような話も聞いております。そういった中で、運営者同士がいろいろな意識共有を図りながら、安全対策、むすびえからもいろいろな形での対策を示してもらったので、それをシェアしながらお互いに連携を取ってこうしていこうねという形があったと思います。

あわせて、資金的なものも、コロナ禍でニーズが、助成金がたくさん出てきたので、箇所数も増えたというところもあるのですけれども、今後、そういった助成金がなくなる中での資金的なものというのはどうしたらいいのかという意味で、個別のこども食堂ではなかなか対応し切れない部分はいわゆる中間支援の役割かなと思っておりまして、そこをやっていきたいと思っております。

それと、効果が大きいものということで、先ほどもお話しした県下一斉パントリーというのを県内で今まで都合4回というか2年やっているのですけれども、その際に、必ずこども食堂が地元の市と社協と連携をする。私のほうが訪問していって、場所の提供あるいは周知、あるいは当日の相談対応などの御協力をお願いすることで、こども食堂とか市役所あるいは社協の人と出会って、一緒に何かをするということができまして、それがコーディネーターの活動がしやすくなったということにもつながっているのかなと思っております。

多くなる中での継続的な支援に関しては、安全対策、危機管理の部分、どうしてもいろいろな団体が出てくると、食中毒とかいろいろな意味での不安な要素もあるのですけれども、そういったものに対する研修あるいは保険料とかの助成をすることで危機管理をするということと、あるいは資金と資材、食材とかについては、団体、企業、あるいは県民の方から御支援をいただく仕組み、運営をつくっていくということをこれからも続けてやっていきたいと思います。

担い手に関しては、本当にいろいろどこもそうだと思うのですけれども、いろいろな、中学生がやっているところもありますし、学生さんが大きなボランティアとして活動しているところ、あるいは教会、お寺、あるいは天理教とかといった宗教関係の方、主任児童委員さん、民生委員さんがされている。本当にどこでも同じだと思いますけれども、多様な担い手の方々が頑張っておられます。

以上です。

前田委員長:ありがとうございました。

それでは、次に荒木委員、お願いできますでしょうか。

荒木委員:私からは、今の担い手のお話やリスク管理に関わる部分にもなるかなと思うのですけれども、居場所をつくるに当たって、たくさんのボランティアの方の巻き込み、地域の方が関わる接点づくりというのはすごく大事だなと思うのですが、その方々が個々に自分の感じ方で関わってしまうことには危険を感じる場面もあります。私たちの館では、大人の行動規範ということで、こどもに関わるときにこんな視点で関わるとか、こういうことを大事にして関わりましょうということをオリエンテーションの中で行っています。

多分こども食堂さんは本当に思いのある方が集まられるところだと思いますので、そういったところの難しさ、人的なリスク管理としてどんなことに気をつけているか、育成の視点があるかなと思うので、教えていただけたらうれしいです。

児玉氏:正直たくさんあるので、一つ一つは難しいのですけれども、例えば開設セミナーというと、今からしようとされるところに対するセミナーを各市で行うのですけれども、その際に今のようなボランティアの方々への関わりでありますとか、こどもさんたちへの関わり、こどもさんへの関わりは貧困問題とどうも絡められてしまうのですけれども、そうではなくて、より多くの方が来て、交流の中でお互いに支え合う仕組みづくりですよと形、やはり困っている子たちだけに御飯を食べさせたいというところもあるので、それは当然それを大事にしてそのようにされていたり、たくさん来てもらうということが大事だということでされています。ネットワークだったり、あるいは支援センターとしても、そういったものの個別の案件への対応もいたしますし、いろいろな意味での研修、ほかの県の例も示しながら、そういうことを示すことで、みんなが安心してできるような形を今取り組んでいるところであります。

前田委員長:荒木委員、よろしいですか。次の質問に移ってもよろしいでしょうか。

それでは、安部委員が手を挙げておられるので、安部さんからお願いします。

安部委員:ありがとうございます。

非常に多岐にわたる御活動を御紹介いただき、ありがとうございました。

今の荒木委員の御質問との関連で1点だけ質問させてください。これまで御報告いただいた4団体さんは、いずれもこどもの権利、若者の権利を活動の基盤として据えられていたように思います。一方、今御報告がございました山口県こども食堂支援センターさんは、報告の中ではこどもの権利、若者の件に特に言及されていなかったように思います。恐らく時間の都合で割愛されたのではないかなと思いますので、こどもの権利、若者の権利をどのように活動の基盤に据えながら、具体的にどんなことやっていらっしゃるかというのを教えていただければと思います。よろしくお願いします。

児玉氏:本当に運営者の皆さんは多様な考え方を持ち、自分の気持ちに従ってやっておられるので、ただ、そこに来るこどもたち、あるいはボランティアも含めた若い人たちの気持ちに対しては、基本的にそれを大事にするということは皆さん当然していらっしゃるのですけれども、いわゆる権利とかに関して、こども基本法でありますとかこども家庭庁ができることについての情報提供なり研修会も行っておりますし、今後、そういった意味でよりはっきりとした形で、もう一度みんなでそこを大事に地域で育てていこうということを示すことはやっていかなければいけないと今のお話をして改めて思いました。ありがとうございます。

安部委員:大人の想いが熱ければ熱いほど、大人のよかれがこどもの権利を侵害するようなことがあるのではないかなと考えています。そこで、何かそのように危険を感じたような事例がもしあったならば、それを教えていただけたらなと思います。また、その対策があればぜひ教えてください。

児玉氏:正直、具体的な事例は私は把握はしていないです。思いが強いほどというのは、確かに自分たちのこども食堂についても、いろいろなボランティアの方々の物の言い方とか接し方とかという面でいろいろな、リスクということはないのですけれども、そういったものも感じております。そういうヒヤリハットみたいなものをこども食堂から情報を吸い上げるような仕組みは特には取っておらず、個別に相談があったときにはいろいろな対応したり、ボランティアさんにも、極端なボランティアさんには来てもらわないような形で、どうやってそれをするかとか、いろいろな意味でのサポートをしながら、そういったことが起きないような方向では今やっていると思っております。

安部委員:御苦労されていることと思います。ありがとうございました。

児玉氏:ありがとうございます。

前田委員長:ありがとうございました。

ほかの委員の方々はよろしいでしょうか。

それでは、お時間となりましたので、山口県こども食堂支援センター様の発表はこれまでとさせていただきます。

長時間にわたり、5団体の皆様、どうもありがとうございました。改めて拍手をお送りしたいと思います。

それでは、続きまして、議題(2)と(3)に移りたいと思います。

まず事務局から御説明いただき、その後、質疑応答の時間といたします。

それでは、事務局より御説明をお願いします。

山口成育環境課長:事務局です。

議題の(2)事務局のヒアリング中間報告について御説明をいたします。

資料2を御覧いただきたいと思います。

資料2は、事務局でヒアリングをした結果の中間報告でございます。今日時点で9つの施設、団体へのヒアリングを行いまして、先方に概要確認を終えた8つを中間報告の資料としてまとめております。時間の関係で個別に御説明する時間がございませんけれども、中間資料としてまとめておりますので、ぜひお目通しいただければと思います。それから、議題の(3)でございますが、「こどもへのヒアリングについて」であります。

これにつきましては、資料3を御覧いただきたいと思います。

このこどもへのヒアリングですけれども、部会において行うこどもヒアリング、それから、ウェブアンケートという形で行うアンケートの2本立てとなっております。

資料3は部会でのヒアリングについてまとめたものです。

目的につきましては、ここにありますように、どういった場所を居場所と感じるのか、その場に何を求めるのかなどを通じて、こどもの視点に立った居場所づくりの視点を取りまとめることを目的として行うものです。

日時は、第5回、次々会になりますが、次々回のこの部会において実施する予定としております。

対象は、10歳から30歳程度までのこども25名程度。

募集方法につきましては、こども若者★いけんぷらすというこども家庭庁が実施しているこどもの意見を集めるための仕組みがあります。現在、4,000人制度が登録していただいていまして、こうしたものの活用であったり、それから、ヒアリングに御協力をいただきました関係団体の推薦などによりましてこどもを集めたいと思っております。

ヒアリングの内容につきましては、こどもたちはどこ、何に自分の居場所を感じ、その居場所に何を求めているのか。こうした観点から、居場所づくりへの視点・要素、こどもの意見と居場所づくり、居場所へのアクセシビリティー、こうした3つの観点で質問をしていきたいと思っております。

次のページを御覧ください。

ヒアリングの実施者についてですけれども、グループは、こども25名程度と申し上げましたけれども、これを5つのグループに分けることを考えております。各グループにこどもの居場所部会の委員から選定したファシリテーターとこども若者★いけんぷらすから選定したファシリテーター2名を配置して進めていく形で考えております。

実際のヒアリング方法につきましては、こどもたちを5グループに分けまして、こども家庭庁内で対面で実施する予定にしております。45分から60分程度の想定です。

ファシリテーターと参加するこどもについては、開始時間前に集まっていただきまして、アイスブレイクなどを実施した後、こどもたちが意見をしやすい環境づくりの観点から、ファシリテーター以外の委員につきましては、各グループにセットされたマイク、カメラを通じてオンラインで参加していただく。質問等がある場合にはファシリテーターにメッセージを送っていただきまして、ファシリテーターを通じて質問をするということを想定しております。議事は非公開とすることを想定しております。
こどもへのヒアリングの実施後、部会内で委員による意見交換という形で、5グループに分けたものをまたみんなで集まっていただきまして、そこで各グループでどんな意見が出たのかについて概要を共有するということを考えております。

以上が部会でのこどものヒアリングの概要の案でございます。

それから、資料4を御覧いただきたいと思います。

資料4はこどもへのアンケート調査の案でございます。

目的については同一でございます。

対象はおおむね6歳から30歳。

対象への周知方法については、こども若者★いけんぷらすを通じた周知のほか、こども家庭庁のホームページの上でウェブアンケートとして実施することを想定しております。

アンケート項目につきましては、昨年度実施いたしました調査研究事業で用いました設問と同一の質問としております。

私からの説明は以上です。

前田委員長:ありがとうございました。

事務局の今の説明について、何か御意見があればまた挙手ボタンでお願いします。

今村委員、お願いします。

今村委員:発言させていただきます。

こどもの意見聴取の機会は本当に大切な場だと思っていまして、できればこの場をこの員の皆さんと、これは可能ならばなのですけれども、ファシリテーターの方だけではなくて、同じシーンでみんなで同じ声を聴くということを一緒にさせていただけると、もっとこの場の議論の質が上がるのではないかなと思います。というのは、それぞれの専門性を持って、それぞれの背景を持ち寄っている、本当にいろいろな御経験をされた方々のそれぞれの経験をここで持ち寄るという大切な議論が毎日いつもここで起きていると思うのですけれども、やはり同じものを見てきたわけではないというところで、多分居場所という言葉を使っていてもすれ違っていたり、こどもと言っていても学年がそれぞれだったりということがある中で、このヒアリングの場というのが、もちろんオンラインで参加する人がいて、対面で参加する人がいるという構図でもいいのですけれども、何かいい形で、全員がこどもたちの近くにぞろっと行くのは圧迫感があるということであれば、ミラーリングの部屋とかでもいいかもしれないですが、一回皆さんと対面でお会いする時間があって、そこで同じシーンを目撃することがこの場が意見を言いっ放しではない場に発展するのではないか、そのチャンスなのではないかと思いまして、そんなふうにできないのかなと。ただ、事前の打合せのときにも、事務局の方からこどもたちに圧迫感を与えないようにということが大切だという話もあって、それはそうだなとは思っているのですけれども、何かいい案がないかと思いまして発言させていただきました。

前田委員長:ありがとうございます。

この場でどうこうするということをすぐ決めるわけにはいきませんので、皆さん方の意見を全て出していただいた上でと思います。次は植木委員、お願い申し上げます。

植木委員:植木でございます。

アンケート調査票に関する意見なのですが、よろしいでしょうか。

前田委員長:はい。

植木委員:こどもの意見を直接聴くという手段は多様であるべきであって、いろいろな手段を遂行するということは大変重要だと思っております。

2点です。

1点目は、調査票の中で、例えばこどもたちが行ってみようと思えるような場所までの移動手段であるとか、あるいは移動時間ですね。これがとても気になります。あまり遠ければ、それは我々が認識する居場所であっても、こどもたちは居場所と認識しないかもしれない。ちなみに、私どもが以前、地域限定ですけれども、同様に中高生対象に居場所の調査をやった際に、移動手段に関しては、歩いていくことができる範囲、それから、自転車で行くことができる範囲というのが多かったです。それから、移動時間に関しては、片道30分以内が最も多かった。そこから外れるものは、どうやらこどもたちにとっては居場所と認識されないというようなことが分かっております。

それから、2点目です。調査票の例えば(8)あるいは(12)でどのような場所ですかということをお聞きしております。例えば2番の一人で過ごせる、のんびり過ごせるということと、8番のいろいろな人と出会える、こどもと一緒に過ごせる。相反するような設問ですけれども、これも我々が以前、地域限定ですが、同様に行った調査では、これがトップ2でした。ですから、相反するような居場所であっても、両方求めるのだなということが分かります。

それから、同時に、スポーツや外遊びなど、こどもたちが体を思いっきり動かすことができる場所という項目も、我々の調査ですけれども、上位に上がってきております。そういった意味では、思いっきり体を動かすことができるような居場所という選択肢もあってもいいのではないかなと思いました。

意見が2点でございました。以上です。

前田委員長:ありがとうございました。

次に、宇地原委員、お願い申し上げます。

宇地原委員:ありがとうございます。

今回のヒアリングは非常に貴重な場だと思っていまして、実施に当たって、何より参加していただくこどもたちの心理的な安全性に配慮した形で実施ができるといいかなと思っております。

特に、ヒアリングの中身の中で居場所がなくなったときみたいな質問があったりするかなと思うのですけれども、恐らくこういった話は、人によっては本人のトラウマであったり過去の経験に近接するような内容であるとも考えていまして、そういったところへの配慮ですね。例えば言いたくないことは言わなくていいとか、そういった形でグランドルールをきちんとこども、ファシリテーター全員で共有した上でやっていくということが望ましいかなと思っています。

重ねて、場合によっては本当に何か対応しなくてはいけないような吐露であるとか、そういった話も出てき得るかなと思っていまして、そういった際にどう動くのかというところも事務局の皆さんとはすり合わせをしておきたいなと思いました。

あと、今回、どういう経緯でお子さんが募集をしてきて、その過程でどういう情報共有があったのかというのを把握していないのですけれども、やるに当たって、今回の場の趣旨はもちろんですし、何にどう影響していくのかというところをお子さんに対してフェアに共有していくということ、情報ギャップのない形で今回の場をつくるということは非常に重要かなと思っていますので、そういった配慮もぜひしていただけるといいかなと思いました。

ちょっと多いのですけれども、今回、居場所づくりという我々のアジェンダをベースにしてヒアリングをしていくことになるかなと思うのですけれども、実際にこどもたち、若者からすると、やはり自身の生活に関連する文脈の中から意見が出てくるものだと感じていますので、ここは実際に話を聴くファシリテーターや委員の皆さんの技量みたいなところにもよるかなと思うのですけれども、こちらが聞きたいことを聞くというよりも、本人たちの生活の中から見えるニーズであり困りというところから会話をスタートさせていくということを共通認識として持ちたいなと思った次第でございます。

以上です。

前田委員長:ありがとうございます。

それでは、次に光真坊委員、お願いします。 ○光真坊委員 ありがとうございます。全国児童発達支援協議会の光真坊でございます。

障害のあるお子さんについてのことであります。今回、こども若者★いけんぷらす、ウェブを通しての募集ということであります。そもそも障害のあるお子さんのアクセシビリティーの問題もあって、なかなかそこにたどり着いていないこどもさんも多いのではないかなと思います。加えて、そこに対して意見を言うとか、そういうことについてもやはりなかなか難しいお子さんもいらっしゃると感じているところであります。

そういう意味では、障害のあるお子さんも抜け落ちないようにしていくために、選定の中に障害のあるお子さんも含まれるのかどうかということと、それは含まれたらいいなと思っていますが、アンケートについては各障害団体等を通して周知を図っていく。あとは、アンケートについては、平易版とかひらがな表記、支援として代読、解説、あとは代わりに回答することも含めての援助も含めて御配慮いただけるとありがたいなと思っております。

以上です。

前田委員長:ありがとうございます。

次に大竹委員、お願い申し上げます。

大竹委員:大竹でございます。

いろいろありがとうございました。

私のほうから2点、アンケートのところで、先ほど植木先生からもお話がありましたことに加えて、その場所はどのような場所ですかというようなところで、利用頻度であるとか滞在時間みたいなところも取っていただけると参考になるかなと思いました。

もう一点、これは大きな問題なのですが、今回こども家庭庁の居場所部会ということで、第3の居場所というようなことも言われている中で、こどもたちの現状というところを、やはり生の声を、今日学童クラブの方々もいらっしゃっていましたけれども、特に学校教育というところ、今回私たちのメンバーの中には、大東市の水野さんが教育長というような形で教育関係で参加されているのですが、こども家庭庁は司令塔だというような役割ということであれば、今度、こういうこどもたち、若者の生の声が聞けるというところでは、オブザーバーという形になるのかもしれませんが、この学校関係というところでいくと、文科省の関係の方々に誰かこういった生の声も聴く機会を持っていただけるといいのではないかなと。現状を理解していただくという意味で提案をさせていただきます。

以上です。

前田委員長:ありがとうございます。

次に育成財団の水野様、お願いします。

水野(か)委員:育成財団の水野です。よろしくお願いいたします。

私のほうから2点ございます。

1点目ですが、設問の(7)そこは、どのような場所ですかという設問の中に、02.児童クラブや習い事ということで、学童クラブと習い事や塾が並列されております。この部分に関しましては、児童クラブと民間の習い事は並列ではなく、分けていただいたほうがよろしいのかなと感じます。そして、その設問の中の05の図書館、公民館、児童館というところも、児童館という遊び場とは別に図書館、公民館は別立てであるといいのかなという意味も含めまして、この(7)の設問に関しては、もう少し選択肢が多く増えるほうがこどもたちがより分かりやすいのではないかなと感じております。

もう一点ですが、こちらの設問の対象年齢が9歳とかその辺りのお子さんも参加されるということも踏まえまして、ふりがな等は振るということは考えられているのでしょうかという点を2点質問させていただきます。

前田委員長:ありがとうございました。

次に安部委員、お願いします。

安部委員:安部から3件ございます。

まず1点目、ヒアリングに関してなのですが、先ほど宇地原委員もおっしゃっていただいたように、ファシリテーターの方は皆さん信頼できる方だとは思うのですけれども、やはりグランドルールをぜひ決めて実施していただきたいと思っています。

2点目、これも先ほど宇地原委員から御指摘がありましたが、何か嫌なことがあったり困ったことがあったときに、この人に相談すればいいというフォーカルポイントを明らかにしていただきたいなと思います。

それから、3点目、今回はこどもたちの声を聴くということでこのヒアリングとアンケートをするわけですけれども、単に聴くだけではなくて反映していく必要があるので、それに関してはこの部会で一度確認をする必要があること、そして、聴きっ放しにしないで、こどもたちへのフィードバックをどうするかも検討したいなと思います。

以上です。

前田委員長:次に菊池真梨香委員、お願いします。

菊池(真)委員:ありがとうございます。

私はアクセシビリティーの点で、まだ出ていないところで言いますと、外国籍の方とか日本語がしゃべれないお子さんに関して、アンケートに関していろいろな言語があるといいなと思うのですけれども、準備の時間もあると思うのですが、せめて英語バージョンなどもあるといいのかなと思いました。あとは、視覚障害者の方に点字だとか、そういったものもできる範囲で用意できたらいいのかなと思いました。

以上です。

前田委員長:ありがとうございます。

次に大空委員、いかがでしょうか。

大空委員:ありがとうございます。

1点、事前のアンケートについて。事務局からの説明の際に、結局、今回のアンケートは検討委員会のアンケート項目と全く一緒だと思うのですけれども、同じ設問、同じアンケートやる意味は何かというと、これを審議会でやることはある種の重みづけなのだという話が事務局からあったわけですが、それは完全にこちら側の大人の事情なわけですよね。

検討委員会のほうで設問に答えてくれたこどもたちは答えにくいことも答えてくれたわけですから、重みづけの意味だけでもう一回同じようなアンケートをするということは好ましくないのだと思うのです。ただ一方で、ここでやらないといけないという意味もよく分かりますので、ぜひ検討委員会のアンケートみたいなこともある程度は報告書を今回まとめていく段階には織り込んでいただく配慮をいただければなと思っております。

以上です。

前田委員長:ありがとうございます。

次に小川委員、お願いします。

小川委員:私もアンケートの件で、もう少しアクセスをしやすくしていただきたいなと思っています。ヒアリングは、やはり限られたこどもたちがアクセスができて申し込めた子たちが入ってくるというところだと思っていて、アンケートのほうが私たちの関係団体も含めていろいろなこどもたちの声を聴けるものになるのではないかなと感じています。

その点で言うと、ウェブだけではなくて例えば紙媒体もありにするとか、少し動画を使ってこどもたちに分かりやすいような説明の仕方を工夫するとか、もう少しアンケートはどのくらいのボリュームがあって、先がこどもたちにとっても見通せて、これくらいならやってもいいかなと思えるような工夫が何かされているといいなと思っています。

以上です。

前田委員長:ありがとうございます。

次に友川委員、お願いします。

友川委員:ありがとうございます。

アンケート及びヒアリングの項目についてです。アクセシビリティーに関連する項目なのですが、たくさんある社会資源、今日もたくさんの情報提供をいただきましたけれども、実際にこどもたちがこの社会資源につながるきっかけというのをお聞きできたらと思うので、つながったきっかけは何かという質問と、知っているけれども行かないのか、知らないから知らなかったのか、行ったけれども行かなくなったのかなどのアクセシビリティーのところをもう少し聞くことで、今後考えられる知らされる権利のところについてのヒントをいただきたいかなと思いました。

以上でございます。

前田委員長:ありがとうございます。

次に成田委員、お願いします。

成田委員:ヒアリングのときのお子さんのグルーピングのことで、障害がある方や社会的養護のお子さんも含まれると思うのですが、障害の種別によってはディスカッションというかそういう場自体が苦手な子や意見を述べるのが苦手なお子さんもいたりするので、その辺りもファシリテーターの方がいろいろうまくやってくださるのだと思うのですけれども、そういったところへの配慮ということだったり、あるいは皆さんそれぞれお子さんもふだんの生活の中でいろいろな中で過ごされていると思うのですが、そういった障害があるお子さんや社会的養護のお子さんが、日常の中でいろいろ周りの子から少しネガティブな目で見られていたりだとか、いろいろなバックグラウンドがあると、グルーピングで出てくるほかの子たちの意見によっては気後れして、自分の言うことはここの場では違うかなみたいなことで言えなくなってしまったりするようなことが心配だなと思ったので、具体的にどうしたらいいかということはすぐ提案できないのですが、その辺りも御検討いただいて、そういった子たちが言いやすい状況をつくっていただけるとありがたいです。

以上です。

前田委員長:ありがとうございました。

ほかの先生方、御意見はございませんでしょうか。よろしいでしょうか。

様々な御意見をありがとうございました。

それでは、本日いただきました御意見を踏まえまして、こどもヒアリングとアンケートの準備を進めさせていただきたいと思います。また皆様方に御相談することもあるかと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

最後に、事務局から、今後の日程など連絡事項をお願い申し上げます。

山口成育環境課長:今後の日程につきましてですが、次回第4回を7月14日金曜日、13時から16時、それから、次々回第5回を7月31日16時から18時で実施予定であります。次回は今回同様関係団体へのヒアリング、次々回はこどもへのヒアリングという形で実施を予定しております。

以上です。

前田委員長:皆様、どうも今日はありがとうございました。

また気づかれたことがありましたら、御遠慮なく事務局までメールなどで御意見をお寄せください。

本日の会議はこれで終了といたします。皆様、どうもありがとうございました。