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児童厚生施設及び放課後児童クラブに関する専門委員会(第1回)

概要

日時:令和6年3月8日(金)15時00分から17時00分
場所:こども家庭庁 21階 第一会議室
※オンラインと併用
【オンライン配信URL】
URL:https://youtube.com/live/xu58o9pQFkA

議事

(1)児童館ガイドラインについて
(2)放課後児童クラブ運営指針について
(3)その他

資料

議事録

阿南課長補佐:それでは、定刻となりましたので、ただいまから第1回「児童厚生施設及び放課後児童クラブに関する専門委員会」を開催いたします。

委員の皆様におかれましては、御多用の中、御出席いただきましてありがとうございます。

本日は、オンラインと対面のハイブリッドで開催いたします。

委員長の御紹介まで司会を務めます、成育環境課課長補佐の阿南と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

本専門委員会は、原則として公開で開催し、資料及び議事録も公開することとしており、傍聴希望者向けにYouTubeでライブ配信をしております。録音、録画は禁止となっておりますので、傍聴されている方は御注意ください。

それでは、頭撮りはここまでとさせていただきます。

(報道関係者退室)

阿南課長補佐:開会に当たりまして、こども家庭庁長官官房審議官、黒瀬より御挨拶申し上げます。

黒瀬審議官:こども家庭庁の審議官の黒瀬と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

本日はどうもありがとうございます。

皆様、大変お忙しい中、今回この児童厚生施設及び放課後児童クラブに関する専門委員会の委員を快くお引き受けいただきました。改めましてお礼を申し上げます。

昨年4月にこども家庭庁が発足した後に、内閣総理大臣からこども家庭審議会に対しまして、「こどもの居場所づくりに関する指針(案)」に関する検討を諮問されまして、それを受けて、審議会においてこどもの居場所部会を設置し、合計13回にわたる議論を経まして、指針案を答申いただきました。これを踏まえて、昨年12月22日に「こどもの居場所づくりに関する指針」が閣議決定されたところでございます。

今後、この指針を踏まえて、様々な施策を通じて、こどもまんなかの居場所づくりを進めてまいりたいと考えてございます。

児童厚生施設、特に児童館と放課後児童クラブにつきましては、既存の貴重な地域資源として、これまでこどもたちの居場所として大変重要な役割を発揮してまいりました。今後もその活動に期待が寄せられていることは言うまでもないことでございますので、「こどもの居場所づくりに関する指針」ですとか、また、昨年決定した「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」など、近年の動向も踏まえまして、児童館ガイドラインと放課後児童クラブ運営指針を改正することを検討してございます。

委員の皆様方におかれましては、改正に向けて、それぞれの専門的なお立場から闊達な御議論をいただければありがたいなと考えてございます。

本日からの御議論、どうぞよろしくお願い申し上げます。

阿南課長補佐:ありがとうございました。

続きまして、委員の皆様の御紹介をさせていただきます。

本日は全員出席の御連絡をいただいております。

資料1に委員名簿がございますので、上から順番に御紹介申し上げます。

大変恐縮ですが、音声確認を含めまして、ここでは一言だけお願いいたします。

工学院大学教育推進機構教授、安部委員です。

安部委員:安部です。よろしくお願いします。

阿南課長補佐:新潟県立大学人間生活学部教授、植木委員です。

植木委員:新潟県立大学、植木でございます。よろしくお願いいたします。

阿南課長補佐:立正大学社会福祉学部教授、大竹委員です。

大竹委員:大竹です。よろしくお願いいたします。

阿南課長補佐:全国児童館連絡協議会副会長、宮城県児童館・放課後児童クラブ連絡協議会会長、齋藤委員です。

齋藤委員:齋藤です。どうぞよろしくお願いいたします。

阿南課長補佐:特定非営利活動法人学童保育おおみや東小学童保育の会放課後児童支援員、佐藤委員です。

佐藤委員:佐藤です。よろしくお願いします。

阿南課長補佐:松山市こども家庭部子育て支援課課長、矢葺委員です。

矢葺委員:矢葺と申します。よろしくお願いします。

阿南課長補佐:社会福祉法人興望館学童クラブ父母の会前会長、藤本委員です。

藤本委員:藤本です。よろしくお願いいたします。

阿南課長補佐:続きまして、事務局側の出席者を御紹介申し上げます。

先ほど御挨拶しました、長官官房審議官の黒瀬です。

黒瀬審議官:改めまして、黒瀬でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

阿南課長補佐:成育環境課長の山口です。

山口課長:山口です。よろしくお願いします。

阿南課長補佐:児童健全育成専門官の佐々木です。

佐々木専門官:よろしくお願いします。

阿南課長補佐:成育局長の藤原は遅れての参加を予定としております。

また、オブザーバーとしまして、支援局障害児支援課に出席いただきます。本日は途中からの参加となります。よろしくお願いいたします。

議事に移る前に、本専門委員会の設置並びに委員長の選任について御説明いたします。

本専門委員会は、こども家庭審議会運営規則第6条及びこども家庭審議会こどもの居場所部会運営細則に基づき、本年3月6日に開催いたしました第14回こどもの居場所部会に3 おいて設置の御承認をいただいたところでございます。

また、前田正子部会長におきまして、同運営細則第2条に基づき、本専門委員会の委員の御指名を行っていただくとともに、同第3条に基づき、委員長として大竹委員を御指名いただいております。

したがいまして、この後につきましては、大竹委員長に議事進行をお願いできればと存じます。どうぞよろしくお願いいたします。

大竹委員長:皆さん、こんにちは。ただいま御指名をいただきました大竹です。与えられました職責を果たせるよう、努めていきたいと思います。

そして、先ほどありましたように、この委員会では指針を踏まえて、こどもたちにとって第三の居場所、サードプレイスと言われている居場所について、その核となる児童館、そして、放課後児童クラブについて議論をしていきたいと思っております。

よりよいものになるよう、皆様方の御協力をいただければと思います。

そして、各委員の皆様におかれましてはこれまでの研究や実践、保護者の皆様にとりましては経験や体験を踏まえて、建設的な御意見を賜れれば幸いです。

なお、この委員会におきましては、こども参画ということでこどもの直接的な参加は得られておりませんけれども、この委員会におきましては委員の皆様がまずはその代弁者という役割を担っていただければと思います。今後、事務局とも相談しながら、こども参画の在り方については検討していきたいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、配付資料の確認について事務局からお願いいたします。

阿南課長補佐:本日の資料につきまして確認させていただきます。

資料は6点で、右上に資料番号を記載しておりますので御確認ください。資料1、それから、資料2-1、2-2、3-1、3-2、資料4と並んでおりますので、御確認ください。そのほか、参考資料を9点お手元に送付しております。

不足がございましたらお申しつけください。

以上でございます。

大竹委員長:ありがとうございました。

それでは、議事に入りますが、資料1にもありましたとおり、この専門委員会では児童館ガイドラインと放課後児童クラブ運営指針の改正に集中していきたいと思います。時間も限られているため、各回で両方のことを扱っていくことといたします。おおむね半分ずつの時間を取って進めていきたいと思います。

よろしいでしょうか。

ありがとうございます。委員の皆様の御協力をお願いしたいと思います。

それでは、まず(1)「児童館ガイドラインについて」です。

事務局から説明をお願いいたします。

阿南課長補佐:事務局でございます。

資料2-1を御覧ください。

ポイントのみ御説明してまいりたいと思います。

1ページ目には児童館の概要をまとめております。児童福祉法40条に規定されている児童厚生施設の一類型として設置されており、令和4年10月1日現在、全国に4,301か所設置されています。

2ページは施設数の推移です。平成18年の4,718館をピークにして減少傾向にあります。理由としては、少子化や施設の老朽化を挙げるところが多くなっております。

3ページは児童館の種別をまとめております。これらは全てページの下のほうにございます通知、通称「設置運営要綱」でお示しをしているものでございます。

4ページは、今回改正を検討しています児童館ガイドラインの概要をまとめております。平成23年に初めて発出し、その後、関係する法令等の改正・施行や今日的なこどもの福祉的な課題へ対応する児童館活動の現状を踏まえまして、平成30年に第一次の改正を行っています。改正のポイントは6点、記載のとおりでございます。

その後、5、6、7ページでガイドラインの概要をまとめておりますので、章立てや内容などを御確認ください。

続いて、8ページでございます。改正に向けての論点を6点で整理をしております。

1点目、「こどもの居場所づくりに関する指針」を踏まえた改正。

2点目、「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」を踏まえた改正。

3点目、「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準」の改正を踏まえた改正。

4点目、厚生労働省社会保障審議会児童部会放課後児童対策に関する専門委員会の報告書を踏まえた改正。

5点目は、近年の児童館を取り巻く動向を踏まえた改正。

6点目は、「こども」の表記についてとしております。

6につきましては、事務的に改正案をまとめる際に修正をさせていただきたいと考えておりますので、御承知おきくださいませ。

以下のページで詳細を御確認いただければと思います。今回の専門委員会では事務局から改正素案を御提示させていただきます。論点ごとにたたき台としてお示しするものですので、議論の素材にしていただけたらという趣旨でございます。もちろんここに記載されていない範囲につきましても、議論の俎上に上がったものにつきましては適宜改正案に反映してまいりたいと思いますので、御理解のほど、よろしくお願いいたします。

それでは、9ページを御覧ください。論点に沿って改正を検討いただきたい点について整理をしております。黒枠部分が改正のポイントとしまして、論点の詳細と改正に向けての御提案を記載しています。点線の囲みが現行の指針、こちらを黒字、改正素案を青字として記載をしております。全て該当箇所の抜粋となっておりますので、御確認ください。

この9ページでは、「こどもの居場所づくりに関する指針」において示されているこどもの権利の擁護について、こども自身が権利侵害された際の対応、並びに権利について学ぶ機会について追記してはどうかという御提案です。青字で改正素案を記載しております。

続きまして、11ページでございます。11ページは、こどもの居場所づくりに関する指針を居場所づくり指針と略させていただきますが、こちらに示されている災害時におけるこどもの居場所づくりです。現行のガイドラインに加え、こどもの居場所や遊び場の確保への協力や支援について追記してはどうかという改正素案を提示しております。

続きまして、12ページでは居場所づくり指針にあるこどもを必要な居場所につなぐというものです。児童館が居場所となると同時に、こどものニーズに応じた別の居場所につなぐことを追記してはどうかという御提案です。

そのほか、居場所づくり指針から改正すべき点がございましたら御指摘ください。

続いて、13ページです。「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」において、学校における取組事例を踏まえ、児童館や放課後児童クラブの運営ガイドラインに児童・生徒間の性暴力への対応を踏まえた対応について盛り込むことを検討するとしておりました。これを受けて、性被害防止の項目を新たに起こし、記載してはどうかという御提案でございます。取組事例の例示としましては、文部科学省と内閣府が推進している「生命(いのち)の安全教育」を挙げております。

このほか、このパッケージから改正すべき点がございましたら御指摘ください。

続きまして、14ページです。令和4年に児童福祉施設の設備及び運営に関する基準を改正し、大きく3点の改正がありましたので、これを反映してはどうかという御提案です。

1つ目は、安全計画の策定が令和6年度から義務化されましたので、これを踏まえた改正素案を提示しています。義務化のため、小項目ではなく本文に書いておりますが、御意見がございましたらお願いいたします。

2つ目は15ページです。自動車の運行についてです。日常的に児童館で自動車を運行する事例はほぼないと認識しておりますが、館外活動での活用が想定されるため、改正素案を提示しています。

3つ目は16ページでございます。業務継続計画(BCP)についてです。努力義務ではございますが、新型コロナの際に多くの児童館がBCPがないため運営方針が定まらなかったという調査結果もありましたので、素案で盛り込んでおります。

続いて17ページです。昨年度の放課後児童対策に関する専門委員会報告書を踏まえた改正についてです。報告書には、今後の児童館の在り方で大きく3つの提言をいただいております。その中から、まずはこどもの居場所としての機能・役割の強化としまして、オンライン等の活用や民間の居場所づくりへの支援について追記をしてはどうかというものでございます。

続いて18ページでは、ソーシャルワーク展開の基盤となるのは遊びであると指摘いただいておりますので、それを理解できるような追記を御提案しています。

そのほか、専門委員会の報告書を踏まえた改正点がございましたら御指摘ください。

続いて19ページです。近年、児童館における不適切な支援等が発生しております。その対応としまして、第三者評価についての記載ぶりの変更や事業所内で児童虐待が行われた際の対応について検討いただくような記載をしております。

20ページでは、こども家庭庁交通安全業務計画に児童館での交通安全教育を記載しておりますので、所要の改正を御提案するものです。

そのほか、改正すべき点がございましたら、御意見をいただけたら幸いです。

資料2-2は、御説明いたしました内容を現行のガイドライン全文に追記等を行ったものになりますので、御確認のために御覧ください。

資料の御説明は以上です。

大竹委員長: ありがとうございました。

これまでの説明を受けまして、委員の皆様方から御意見を伺いたいと思います。論点ごとではなくて結構ですし、また、お気づきの点について自由に御発言ください。

私のほうから指名いたしますので、順にミュートを外して御発言いただければと思っています。

先ほど事務局からありましたように、改正に向けて大きくは5つの改正を踏まえたということでのものでございました。そして、提案としては赤字で書かれており、その素案として青字で書かれているという説明がございました。これらの内容を踏まえた上で、各委員の方から御発言をお願いします。

まず、安部委員にお願いいたします。

安部委員:ありがとうございます。安部です。

私からは全部で6点ございます。

まず1点目なのですけれども、先ほどの論点1と4に関するものなのですが、児童館を地域の居場所の権利擁護の拠点とする形で明記してはどうかということです。居場所づくりに関する指針の9ページに権利擁護に関して書いてあります。けれども、具体的にどうやってこども自身が例えば権利を学んで行使していくのか、そういったことは不明瞭です。また、社会保障審議会の取りまとめ16ページでも「地域のこどもの居場所づくりの拠点」として期待されるとありますので、児童館ガイドラインの中に地域の居場所の権利擁護の拠点としての児童館を位置づけて、例えば児童館だけではなくて、地域のいろいろな居場所、こども食堂、学習支援、フリースクールなどの民間の居場所にいるこどもたちも、その子が希望すれば児童館と連携することでこどもの権利を学べたらどうかと考えました。これが1点目です。

2点目は、こどもの参加に関してです。児童館ガイドラインの児童館の活動内容の中に「こどもが意見を述べる場の提供」があると思いますが、これは意見を述べて、それだけでは不十分かなと思います。こども基本法の11条とも関連して、児童館におけるこどもの意見反映を明記してはどうかと考えます。それは児童館の中の活動内容とか運営だけではなくて、例えばですけれども、事業者が変わるとき、指定管理者の候補者を選定するときのような選定の場にこどもが入って、こどもの意見を反映するようなことがあってよいのではないかと考えました。これが2点目。

3点目は災害に関してです。論点の中でも出てきましたけれども、やはり災害に関する記述は入れたほうがよいと考えます。BCPも入れることは賛成です。

これ以外に、例えば職員の参集の問題などもあります。災害時のこどもの居場所として、児童館は非常に大事ですが、児童館職員が参集の対象となっていると、結局、自分の児童館を見るのではなくて、避難所開設に向かわなければいけないということもあり得ます。そうすると、災害時の優先業務として想定するとか、何らか緊急事態でも遊びの支援が継続できるような仕組みが必要ではないかなと思います。これが3点目。

次は4点目なのですけれども、大型児童館の役割に関してです。先日のこどもの居場所部会でも、植木委員から災害派遣こども支援チームのようなものを想定できないかという御意見があったと思います。私もそれに賛成なのです。とはいえ、地域の児童館がそれを担うのはなかなか大変です。ですので、やはり地域と地域をつないだり、県内とか広域の児童館をネットワークできる大型児童館の役割として、災害時のこどもの遊び支援を入れ込んではどうかと思います。これが4点目です。

5点目が、遊びそのものについてもう少ししっかり書き込んではどうかと考えます。こども基本法には遊びが入っていませんが、こども家庭庁設置法には第4条所掌事務に「遊び」という文言が入っていると思います。児童館ガイドラインには遊びそのものについてあまり詳しく記載がないので、遊びについて書き込む必要があると考えています。

最後6点目なのですけれども、これは児童館ガイドラインそのものではなくて、児童館ガイドラインの解説を作ったほうがいいのではないかなと思っています。

以上です。

大竹委員長:どうもありがとうございました。

続いて、植木委員にお願いしたいと思います。

植木委員:植木でございます。

私からは2点でございます。

まずは1点目です。資料で申しますと9ページに該当しますけれども、先ほどの安部委員のこどもの権利擁護のところと重複するところでございますが、改正素案の追記として、こども自身がこどもの権利について学ぶ機会を設ける。これは大変重要な視点でございます。一方で、その前提として、児童館の職員自身がよりこどもの権利等に関して理解を深めるということも大変重要なところです。この中には、児童館はこどもの人権に十分に配慮して権利擁護に努めるという表現はあるのですけれども、これに加えて、児童館の職員もこどもの権利について学ぶ機会を設けるというようなことを具体的に追記したらどうかというのが1点目の提案でございます。

それから、2点目でございます。資料で申しますと17ページに該当いたします。児童館の活動内容のこどもの居場所の提供のところでございますけれども、これも改正素案の(5)に地域住民等が行うこどもの居場所づくりに対し、施設の貸し出しやプログラムの提供等での支援を検討することと書かれております。これも大変重要な点であると思いますけれども、ここで施設の貸し出しという文言が出ますと、どうも児童館が何らかの貸館業のような印象を与えてしまうのではないかということを懸念いたします。したがいまして、そうした地域の方たちが何か行動を起こそうとする場合に、何かを貸し出すとかということではなくて、児童館が地域住民と協働してこどもの居場所づくりを進める、あるいは地域住民が行動しようとすることを支援する。その際に協働をするという意味合いを加えたらいかがかと思います。

以上2点でございます。

大竹委員長:ありがとうございました。

続きまして、齋藤委員、お願いいたします。

齋藤委員:それでは、私のほうからも2点お話しさせていただきます。

まずはこどもの権利の擁護の部分になるのですが、こども自身がこどもの権利について学ぶ機会を設けるというところはすごく意味のあることだと思っております。こちらについては、学ぶ機会の重要性というところで、こどもまんなか社会を掲げられる以前から児童館がこどもの権利に寄り添って、そして、こどもの権利を意識した権利擁護の拠点としての活動をずっと長く続けてきていたというところも含めまして、やはりこどもの権利擁護の拠点となる施設というところの文言は、私もより一歩進んだ形であってもよろしいのではないかなと感じているところです。

また、これまで児童館職員のほうも、こどもの意見表明であったり、こどもの権利というところは当たり前に寄り添って関わってきてはいるのですが、それを言語化して伝えていくというところの作業が今までの現場の感覚としては弱かったなというところがあります。児童館職員の権利についての理解、こどもたちと同じように学ぶ機会というところをしっかりと明記することによって、今まで何気なくこどもたちに当たり前のようにやってきたことをしっかりと根拠を持って伝えていけるような、そういったものを目指していけるように、ぜひ児童館職員のこどもの権利についての理解という部分を深めていく文言もこちらのほうに反映していただけたらと思うのが一点です。

もう一点目は、災害の対応の部分についてです。被災した地域におけるこどもの居場所・遊び場の確保のため、必要に応じて協力・支援することと今回追記いただいているのですが、こちらのほうは、今の能登半島沖地震でもそうですし、私のいる宮城県の東日本大震災のときでも、こどもの居場所というところがすごく被災地の中で重要な課題となっていました。

災害の避難所のところでは、仮設住宅も含めて緊迫した環境の中で、大人が緊張感を持っている中で、こどもたちが居場所として感じられるような環境は難しく、また、小さなお子さんを抱えた乳幼児の親子なども避難所のほうに居場所がなく一日を過ごすような姿も見受けられたというところでは、やはりこどもの居場所というところをしっかりとこのような災害の状況のときでも確保していくというところは重要かと思います。

ただ、それには、保育所のような形でのまた災害復興に向けて保育というような観点で必要な場所ではなく、自由に参加できるようなそういった機能を持った場所というのがより適しているのではないかと思います。地域の中にある小型児童館も含めた児童館というところが地域の中でのこどもの居場所の核となると感じておりますので、より一歩、こちらのほうも必要に応じてではなく、踏み込んだ形での協力・支援というところを明記してはどうかと提案させていただきます。

以上です。

大竹委員長:ありがとうございました。

続いて、佐藤委員にお願いしたいと思います。

佐藤委員:よろしくお願いします。

私は放課後児童クラブの現場の支援員でありますので、児童館のことについて深く理解というものができていないところでの発言になってしまいますけれども、よろしくお願いします。

まず一点は、安部先生、植木先生もおっしゃっていたように、やはりこどもの権利擁護に努める施設として児童館の役割というのは大きいなと思っています。放課後児童クラブ、うちのクラブのこどもたちも児童館に遊びに行くこともたくさんあります。そこで先生たちに本当に優しくしていただいて、こどもが結構わがままを言ったときに、これはできるよ、あれはできるよと先生たちが対応してくれています。そういったところで、改めて今回のこども居場所づくりに関する指針を踏まえてというところでは、先ほど先生もおっしゃっていたように、意見をこどもが述べるということもそうだけれども、やはりそこでの現場の職員の方たちがその意見を尊重して、これだったらできるかなとか、こういうふうにしていこうというふうに反映されることがとても重要なのではないかなと思っています。文章に入るかどうか分からないけれども、先ほど出ていたガイドライン、児童館の運営の指針のところなどに入れたり、そういったことができるのかなとこれを見たときに感じました。

それと、先ほど出ていた災害時の児童館の役割というところで、これもこの文章を読みながら、実際にあったことというので少しお話ししたいのが、東日本の大震災のときに、放課後児童クラブに帰ってくるこどもたちはこちらに帰ってきて受入れができたのですけれども、結局、近隣でよく遊んでいたこどもたちがいて、その子がやはり家に帰って鍵を開けてみたら、電子レンジとかいろいろなものが落ちていて怖かったと言って、放課後児童クラブに来ました。あと、児童館がちょうどうちの地域ではちょっと遠かったというのもあるのだけれども、児童館にふだん遊びに行っている子も同じようにふらふらっと学童のところの前に来てのぞいていたりしたので、おうちの人は知っているのと聞いたら、まだおうちの人は帰ってきていないと言うので、クラブで一緒に過ごしてもいいのではないかとして対応したことがありました。

改めて、児童館がそういう受入れもできるということとか、あと、やはりそういったことがこどもたちにしっかり周知されるということが大事だと思いますので、今回のガイドラインとかそういうところにそういったことも文言として入るといいなと思って読ませてもらいました。

以上です。

大竹委員長:どうもありがとうございました。これまでの実践を踏まえた御発言をありがとうございます。

それでは、矢葺委員にお願いしたいと思います。

矢葺委員:矢葺です。

論点ごとに整理をしていったのですけれども、全部で5点ほどございます。

まず、一番最初のところなのですが、総則の中で社会的責任というところなのですが、こども自身がこどもの権利について学ぶ機会を設けるとともにというところで、最後、「必要がある」としてかなり強く括っているのですけれども、学ぶことは当然やりますし必要なのですけれども、現場としてはやはり学ぶというところが社会的責務として児童館のほうに入ってくるとなると少し重いかなという気がしました。「必要がある」というよりはもう少し軽い言い方で、努力しなければならないとか、そういうふうな言い方にしていただけるとありがたいかなと思いました。

そして、2番目、社会的責任のところの(2)なのですけれども、(1)から(5)まで全部「児童館は、」とあるのですが、この(2)だけ「児童館は、」がないのが、これは当然児童館を想定しての事案の発生ということでよろしいのでしょうか。

阿南課長補佐: 御指摘のとおりです。「児童館は、」ということになります。(音声中断)

矢葺委員:後で大丈夫です。また後で教えてください。

大竹委員長:では、全部言ってからお願いします。

矢葺委員:そして、次に3点目なのですけれども、有事の際の災害対応、対策を進める中で、今まで自治体がやっているのは職員を派遣したり、いろいろな公助という意味が強かったのですけれども、その中で共助、ともに助けるという意味での児童館でなにができるかを考えることということが大切なのかなとここで思いました。共助であるということが少し出てもいいのではないかなと思いました。

そして、3番目が児童館の活動内容のところです。相談機関とか居場所につなぐという支援が児童館で求められていて、地域の支援の拠点として相談とかもどんどんこれから増えていくと思うのですけれども、相談を受けた内容を確実につなぐという意味で、皆さんどの児童館も要対協とかに入っているとは思うのですけれども、要対協という言葉をもうちょっと出してもいいのではないかなと思いました。強化してもいいのではないかなという思いです。

そして、4番目と5番目が、福祉的課題への最後のところです。ソーシャルワークを含めた福祉的課題への対応というところなので、後の議題になると思うのですが、児童クラブのほうでは割と国際等の社会的・文化的なこどもへの対応についてというのが明記されているので、児童館については、外国につながりのあるこどもも含め、全てのこどもを児童館で受け入れていますので、そこまで明記していないのかなと思ったのですが、児童館に例えば外国の方でも言葉が分からないからとか、障害があって来られない方も困難をかかえるこどもたちと思って、そこのところも少し入ったらいいなと思いました。

以上です。

大竹委員長:どうもありがとうございました。

では、1点質問がありましたけれども、2番目のところですかね。主語は「児童館は、」とか。
阿南課長補佐:事務局でございます。

御指摘の社会的責任のところです。そのほかが「児童館は、」という主語が入っておりますけれども、こちらは素案では落ちておりますので、入れていきたいと思います。

大竹委員長:ありがとうございました。

それでは、最後に藤本委員にお願いしたいと思います。

藤本委員:藤本です。

私は学童クラブの父母の会の会長をやらせていただいておりまして、こどもが6年間学童クラブにおりましたので、児童館は逆にあまり利用する機会がなかったので、もしかしたらあまり理解していない点もあるかと思いますが、先ほどから話がありましたこどもの権利のこども自身に伝えるという部分で、学童、児童館が日々こどもと接していますので、そのような機会を設けるのはとてもよいことだと思うのですけれども、そこで学校との教育というか、教える兼ね合いというところで、児童館というのは継続的に来館されるお子様もいると思うのですけれども、そこら辺で職員の方がそれはどこら辺まで実践できるのかなというところが、日々こどもと対応することのほうに重点が置かれているのであれば、先ほどお話にもあったように、義務として強めに記載されるようなことは実効性があるのかなというところが少し疑問に思ったところです。

あともう一つ、中高生に関しての記載で、SNS等の活用というところが記載があったのですけれども、具体的な活用というのがイメージしにくいという印象がございました。実際に児童館は中高生の利用もある児童館も私の地域でもありますが、かなり限定的な形で、やはり児童館の主要な利用者というのは小学生が中心になっていて、そこでSNS等の活用というところは具体的にどのような利用を想定されて記載されているのかなというのが個人的なものとしてありました。

あとは、こどもの権利についての話で言うと、小学生とかに自身の権利を教えるということになったときに、やはり保護者もいろいろな価値観を持たれているので、親子でも学ぶということも、児童館の職員の方がいろいろ日々こどもの件について学ばれていることがありますし、直接対面しているということがあると思いますけれども、逆に保護者の方というのもある程度の世代やバックボーンがあって、価値観が違う方もいらっしゃいますので、そこら辺、学童と家庭が連携するという意味でも一緒にこどもの権利を学べるような活動ができることであれば、児童館でやる意味合いというのもできてくるのかなというのが私の感想になります。

以上です。

大竹委員長:ありがとうございました。

SNSの活用について、中高生のところでどうなのでしょうかというような問いもありましたけれども、実態としてはどうでしょうか。

阿南課長補佐:事務局でございます。

「こどもの居場所づくりに関する指針」において、オンラインの空間等もこどもの居場所になり得るということで指摘をしているところでございます。児童館でICTを導入して、そういうような離れた地域の児童館同士の交流であるとか、大人のいる目の範囲の中での活動が多いかなと思いますけれども、そういうような実践も広がってきておりますので、ここで書いたところでございますが、もう少し分かりやすいというのでしょうか、表記については検討してまいりたいと思います。

大竹委員長:ありがとうございました。

各委員からそれぞれのお立場、そして、現場を踏まえた、そして、子育てを踏まえたところで、この児童館ガイドラインをチェックしていただいて、詳細にチェックもしていただきました。ありがとうございました。

私のほうからは2点ほどというか、各委員の方々からお話はされておりますけれども、その中でも特に私のほうでは2点ほどあります。

一つは、この今回の改正のところも、こどもたちの現状、児童館の現状を踏まえてというところでいくと、まさにこどもの貧困であるとか、ヤングケアラーの問題であるとか、不登校の問題であるとか、こども・若者の自殺の問題であるとか、こういったことが地域の中、こどもたちの世界にあるというところでは、児童館におけるソーシャルワークを含めた福祉的課題への対応強化というのがこれまでも伝えられてきております。

そういう中にあって、第3章の児童館の機能・役割というようなところでソーシャルワークというような言葉も、そういった発見ということだけではなくて解決に向けて、さらに言えば、全国に4,300という児童館があるというところでいけば、地域の中で4,300の数があるということは、しっかりと発見ができれば、そのこどもたちが救えていけると思っていけますので、ここには、今後のところですけれども、人的なというところもありますけれども、まずはこの児童館というところが福祉的課題に対応できるというところをしっかりと明記してもいいのではないかなと。ソーシャルワークというようなキーワードもあるのではないかと。

そして、先ほどこども食堂とか云々、地域の中にいろいろな団体もできてきています。そういう中にあって、やはり中心的にソーシャルワークの役割を担う専門職というところでは、この児童館というところがそのコーディネートやつなげる役割を担っていくというところで、改めて今回強調してもよろしいのではないかなと思っていました。

あともう一点は、安部先生、植木先生からもいろいろ出ておりましたけれども、災害、今回のこども居場所づくり指針の中にも「災害時において」ということが書かれております。そういう中にあって、全国の中で大型児童館というようなところが18か所しかないというところで、また偏在というようなところはあるのですが、しかし、その大型児童館の在り方というのもガイドラインの中に示されております。特に今回のこういった災害時におけるというところでは、この大型児童館の役割というのもまた改めて強調してもよろしいのではないかなと思っています。

というのが、私からこの2点、ガイドラインの改正に向けてそんな視点も加味していただければいいのではないかなと思いました。

予定した時間よりもまだ少し時間がありますので、追加の御意見がありましたら、画面上で挙手していただくか、システム上の挙手ボタンをお願いして、追加の御意見をいただければと思います。その際、ミュートを外していただいて、こちらからお声がけをさせていただきたいと思います。気づかなかった場合にはお声を出していただければと思います。その場合、発言される方は、委員のお名前を名乗っていただいた上で発言していただければと思います。

一通り終わりましたけれども、これらを受けてお願いしたい。

まず、安部委員から手が挙がっていますので、お願いします。

安部委員:安部です。ありがとうございます。

先ほど矢葺委員からありました要対協の文言を出すこと、あるいは海外ルーツのこどもたちのこと、藤本委員がおっしゃっていたこどもの権利学習を親子でとかというのは非常によいアイデアだなと思いながら伺っていました。

一方で、矢葺委員がおっしゃった社会的責任のところです。こどもの権利を学ぶ機会が「必要がある」ということでかなり強い表現になっているのを弱くとしてはどうかということでしたが、それには明確に反対をしたいと思います。やはりここは児童館の責務としてやっていただきたいと思います。

一方で、自由来館の児童館でどこまでできるのかという御懸念はごもっともだなと思いました。これに関しては、恐らくいろいろな児童館が試行錯誤されていると思うのですけれども、その例をもしよければ齋藤委員から教えていただくわけにはいかないでしょうか。

大竹委員長:齋藤委員、手が挙がっていましたので、よろしくお願いします。

齋藤委員:安部先生、御指名いただきありがとうございます。

私も実はまさにこの「必要がある」という部分は現場の目線からも必要ではないかという立場で感じているところです。実際に学校教育のようにこういった権利擁護を学ぶ機会を講習のような形でしていくというのを義務づけるというのは確かにハードルが高いかもしれないのですが、実際に全国の児童館を見ていくと、ここの権利擁護の部分をこどもたちに分かりやすいような形でイラスト化したものを、日常的に児童館のコーナーの一部として発信する場を設けて、一期一会の出会いのこどもたちも含めて、こういったこどもたちの権利というところが目に見える形で触れられる機会を発信することができるというのも、こちらの取組の一つだと思っております。

そういう意味では、児童館がそういった社会的な責任を持って取り組んでいるというところを強くしっかりと意識を持っていく上でも、「必要がある」という文言でやってはどうかなというところがあります。

イラストにしたり、あとは、こども会議なんていうようなものも用いながら、こどもたちの権利、意見表明というところがこういう形なのだなというところを実感で取り組んでいるような児童館もございます。こちらは児童クラブのように毎日来るこどもたちとの関わりでやれるものと一期一会の出会いでやれるもののやり方の工夫はあるのですが、何か児童館のルール的なところの課題があったときに、意見を出したり、投票するような仕組みを設けて、会議には参加できないけれども、意見を表明する機会を設けるですとか、賛成、反対のシールを貼って意見表明をするというような形で、参加のできる形を変えていったり、あとは、この議題に対して何月何日に会議をしますよという事前告知をした上でこども会議をすることによって、そこに意見を出したい子がその日に足を運んで、そして、会議を行うなんていうような取組も各館の中で行ったりしています。

そういった意味では、こども会議も含め、そして、掲示物等でのこどもの権利の啓発も含め、児童館のほうでも様々な形でこどもの権利というところについての発信をこどもたちに行っている取組が広がっているところでしたので、こちらのほうはぜひそのような形でより意識を持って取り組んでいければと思っているところです。

大竹委員長:ありがとうございました。

では、矢葺さん、お願いいたします。

矢葺委員:学びが大事、ここの権利を学ぶというのがとても大事で、意見もちゃんともらいながら、今、松山市のほうでもこどもの権利なども提示したり、こどもたちに教えながら意見も聞いてというのをやっていて、実際に教えるというか学ぶという機会もあるのですけれども、私の中で児童館というのは、今までが遊ぶがメインだったので、いきなり学ぶと記載されましたので、学ぶ機会となると、ぱっと見たときに教育的なことの意味の表現が私の中でぽっと浮かんだのです。なので、この学ぶ機会という前に、例えば少し遊びの中で学ぶ機会とか、お勉強ではなくて、たくさん遊んでいるその中で学んでいくのだよというようなのが表現できたらいいなと思ったのですけれども、言葉がなかなか足らなくてすみません。ぜひ権利のお勉強はしていきたいと思います。

大竹委員長:どうもありがとうございました。

文言についてはまた事務局、こちらで引き取らせていただいて、次回に提示できればと思います。

それ以外に、藤本委員から手が挙がっていますね。お願いします。

藤本委員:今のお話は聞いていてすごく興味深かったのですけれども、私、学童の父母の会をやらせていただいたのですけれども、自分の職種としてはデザイナー業務をしていまして、遊びはこどもが言うのと、遊びと意見というところが、意見という言葉はすごく教育的な部分が感じられてしまうのですけれども、私の個人的な気持ちでは、遊びというところでも興味を持つと。意見というのと結びつけるためには、気持ちを表現できるというのは、遊びの中でもこどもは気持ちを表現していると思いますので、意見というと、多分こどもも何か意見を言ってよと言うと黙ってしまうと思うのですけれども、自分のことを外に出すというつながりで遊びと意見というのをつないでいくと、自分の表現をしてみようというところでいうとうまくいくのではないかなと。遊びと意見表明というもののギャップを埋めるようなことというのは、私の中ではそこは自分を表現するということがとても重要なのではないかなと思うのですけれども、そういう何か中間に来るような言葉があるとすごく結びつくのではないかなと今お話を聞いていて思いました。

以上です。

大竹委員長:どうもありがとうございました。

そのお話もしっかりと受け止めながら、また検討させていただきたいと思います。とてもいいアイデアだと思います。ありがとうございました。

そのほか。

植木先生から手が挙がっていますか。植木委員、お願いします。

植木委員:特に挙手をしておりませんけれども、今の議論の流れで進めていただければと思います。

以上でございます。

大竹委員長:どうもありがとうございました。

この児童館ガイドラインについてということで、いかがでしょうか。

では、安部委員、お願いいたします。

安部委員:安部です。ありがとうございます。

今の矢葺委員のおっしゃることは、本当にそのとおりだなと思いながら伺っていました。教育的な学習が先に立ってしまうと児童館らしくないなと思っていたので、遊びを通してというのは非常に大事な言葉だなと思いましたので、ぜひ加えていただけたらと思いました。

それから、藤本委員がおっしゃったこともとても大事だなと思いまして、というのが、ここで話をしている意見というのはもともと子どもの権利条約の「意見」から来ていると思うのですけれども、その「意見」というのはopinionではなくてviewを指します。そのように考えていくと、今、藤本委員がおっしゃった「気持ち」、こどもが気持ちを伝えられるとか、気持ちを言葉にしてもいいんだよというところが重要です。明確に意見を述べてそれを反映することももちろん大事だし、一方で、なかなか言葉にならない気持ちをどんなふうに児童厚生員が聴くかというのも非常に大事なポイントと思いました。もう少し「意見を聴くこと」や「反映する」というところを広げて児童館ガイドラインで書く、もしくは解説で詳しく書くというのは一つあってもよいかなと感じました。

以上です。

大竹委員長:ありがとうございました。

いかがでしょうか。その他、何か御意見等があればお願いしたいと思いますが、現時点ではよろしいですか。

皆さんうなずかれていますので、ありがとうございます。

それでは、またこの辺りで止めさせていただいて、御意見については次回までに事務局で整理していただくようお願いいたします。

阿南課長補佐:承知しました。

大竹委員長:それでは、続いて議事の(2)「放課後児童クラブ運営指針について」です。

事務局から説明をお願いいたします。

阿南課長補佐:事務局でございます。

資料3-1を御覧ください。

児童館同様に、放課後児童クラブについてもポイントで御説明させていただきます。

1ページ目は放課後児童クラブの概要です。児童福祉法に規定されている放課後児童健全育成事業として、留守家庭等の小学生を対象としています。令和5年5月1日現在、145.7万人が利用しており、過去最高を更新し続けておりますが、その一方で利用できなかった児童、いわゆる待機児童が1.6万人となっております。

2ページ目、3ページ目は、クラブの現状について調査結果から掲載しておりますので、御参考までに御覧ください。

4ページは放課後児童クラブ運営指針の概要をまとめています。平成19年にガイドラインとして運営の基本的な事項をまとめておりました。その後、平成27年度からの子ども・子育て支援新制度において放課後児童クラブを位置づけ、国としての基準を設け、これを参酌した市町村の基準条例がつくられました。これと並行し、全国的な標準仕様としての性格を持った放課後児童クラブ運営指針を平成27年に発出しています。国といたしましては、基準及び運営指針に沿った一定水準の質を確保した放課後児童クラブの全国展開を図ることを進めているところでございます。

具体的な指針の内容につきましては5、6、7ページにお示ししていますので、御確認ください。

8ページです。改正に向けての論点は、児童館同様に6点にまとめております。柱立ては基本的に同じになっておりますので、御確認ください。

それでは、具体的な改正素案を御説明いたします。

9ページになります。児童館同様の資料構成となっております。こちらについても議論の素材としていただければと考えておりますので、この資料にとらわれず、自由に御意見をいただけたらと思っております。

まずは居場所づくり指針で示されている、こどもが権利侵害を受けた際の対応、権利について学ぶ機会について追記してはどうかという御提案です。先ほどの児童館のガイドラインのほうも踏まえまして、改正できるところを検討してまいりたいと思います。

続いて10ページです。居場所づくり指針にあります、こどもとともにつくる居場所づくりから、こども参加、意見聴取、意見反映について追記する素案となっています。現在は行事等について記載がありますが、生活に関係する部分についても触れることができないかと考えまして、追記をしているところでございます。

続いて11ページです。居場所づくり指針の「ふりかえる」から、評価について反映してはどうかという御提案です。児童館とは異なり第三者評価については触れられておりませんでしたので、追記したものを記載しています。

そのほか、「こどもの居場所づくりに関する指針」を踏まえて改正すべき点がございましたら御指摘ください。

12ページです。「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」からになります。先ほど同様、「生命(いのち)の安全教育」を例示とした啓発や対応について追記してはどうかと考えております。

続きまして、13ページです。こちらも児童館同様に「放課後児童健全育成事業の設備及び運営に関する基準」を改正しておりますので、所要の改正を行ってはどうかという御提案です。まずは安全計画について義務化されていますので、記載内容を御検討ください。

2つ目、続きまして14ページでございます。自動車運行につきましては、放課後児童クラブでは送迎支援を行っている事業所がありますので、遠足などの事業所外の活動と送迎支援については分けて記載するという改正素案となっております。

続いて15ページになります。こちらは業務継続計画となります。感染症の蔓延期や災害時においても、放課後児童クラブは早期の再開を期待されるところです。そのため、円滑な業務継続のための計画として盛り込んではどうかという御提案です。

続きまして16ページです。昨年度の専門委員会の報告書におきまして、複数御提言をいただいております。ここでは、まず特別教室のタイムシェアを活用した待機児童対策が広がっていますので、留意点について記載しています。また、戸外活動、外遊びの取組がこどもの居場所部会でも指摘されていますので、報告書を踏まえて追記案を御提示しています。

17ページです。こちらは昨年12月に文部科学省と取りまとめた「放課後児童対策パッケージ」に合わせた改正素案となっています。新放課後子ども総合プランは今年度をもって終了いたしますが、その趣旨等は継続していくところにありますので、プラン終了に伴う改正は小幅と考えております。

続けて18ページになります。障害のあるこどものインクルージョンについてです。まず、令和3年に医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律が施行されており、放課後児童クラブでの対応が求められていますが、現行の運営指針には医ケア児についての記載がありませんので、追記する案としています。

また、19ページでは、関係機関としまして児童発達支援センターや保育所等との連携について、併せて、こどもの状況に応じて、放課後児童クラブから放課後等デイサービスへの移行支援、また、逆の支援も考えられるため、その内容について記載をしています。

また、職員のケアあるいはスーパービジョンについて御指摘がありましたので、記載してはどうかという御提案です。

20ページに移ります。20ページでは、その他といたしまして、報告書で御指摘されておりました、まず文部科学省が推進しているコミュニティ・スクールの枠組みに入ることで、学校との連携を強化してはどうかということを記載しております。

また、障害以外のソーシャルインクルージョンについての記載を検討してはどうかという御提案です。

そのほか、報告書を踏まえて改正すべき点がございましたら御指摘ください。

続いて21ページでございます。昨年、放課後児童クラブの活動中に起きました痛ましい事故を踏まえまして、プールに入水することなど、普段の活動と異なる際の留意事項を追記するという素案にしております。

また、事業所内における職員による虐待等への対応についても追記をしてはどうかということで、下の段に書いております。

次の22ページでは、近年増えております放課後児童クラブにおいて昼食等を提供する事業所に合わせた注意喚起を記載しているものです。

そのほか、改正すべき点がございましたら、御意見をいただけたら幸いです。

資料3-2は、ここまで御説明した内容を現行の放課後児童クラブ運営指針全文に追記したものになっておりますので、御確認のために御覧ください。

資料の御説明は以上です。

大竹委員長:どうもありがとうございました。

それでは、先ほどの議事同様に、順に御発言いただけたらと思います。

まず、安部委員にお願いいたします。

安部委員:ありがとうございます。安部です。

4点あります。それから、質問が追加で1点あります。

まず1点目なのですけれども、児童館と同様、放課後児童クラブでの権利学習の必要性は非常に重要なので、ここで書き込んでいただくといいなと思いました。ほかの皆さんからの意見にもあったように、職員の方であるとか、あるいは保護者と一緒に学ぶということ、あるいは遊びながら学ぶことも含めて、いろいろな展開ができそうだなと思っています。

それから、2点目、運営指針全般的になのですけれども、こどもの権利として放課後や長期休みを保障するという書き込みがもっとあったほうがいいのではないかなと考えます。私自身もこどもが3人とも放課後児童クラブに大変お世話になった身として言いづらい点もあるのですけれども、もちろん保護者が安心して仕事ができるというのは大事なのですが、一方で、こどもは権利として放課後や長期休みをどう過ごすことができるかというと ころがあまり書き込まれていないと思いますので、そこをぜひ追記していただけたらと思います。

3点目、こどもの意見反映との関係なのですけれども、論点として第三者評価も出てきましたが、第三者評価の中に保護者だけではなくてやはり利用者の声というのも入れていただきたいかなと思います。

それから、現在の指針の中で、14ページに「放課後児童クラブの運営主体に変更が生じる場合には、育成支援の継続性が保障され、子どもへの影響が最小限に抑えられるように努めるとともに、保護者の理解が得られるように努める必要がある」とあります。保護者の理解はもちろん大事ですけれども、ここにこどもが全く出てこないのです。やはり運営主体、事業者が変わるときというのはこどもにとっても非常に大きな出来事だと思いますので、まずこどもへの説明が欲しいなと思います。それから、こどもたちの意見を何らかの形で反映していくという形で、具体的に修正をお願いできればと考えました。

最後、4点目が災害時のことです。災害時の放課後児童クラブの位置づけは非常に重要だということでやはり書き込んでいただきたいなと思います。親が生活再建に向かうとき、あるいは学校が始まったとしてもまだまだ午前中だけで帰ってきてしまって、放課後の時間が非常に長いという状況があったりします。その放課後の時間をどこでこどもたちが過ごすのかというのは大事で、特に被災をしたこどもたちにとっては、遊びを通して回復するという意味合いもあると思いますので、その辺りも含めて、災害時に放課後児童クラブをどう保障していくかはとても大事なのだというところを書き込んでもらえたらと思っています。ただ、先ほど児童館でも申し上げたとおり、被災した地域の職員さんだけで放課後児童クラブを開くのはなかなか大変なので、ここでも広域連携が必要になってくるのではないかなと思います。

以上が私からのコメントなのですが、1点質問があります。事故に関するところなのですけれども、事故に関して、運営主体及び市町村に報告するであるとか、あるいは運営主体は事例の情報を収集して分析して事故防止に努めるという項目が現行の運営指針にはあると思うのですけれども、国は放課後児童クラブで起こった事故を全て集約して統計を取っているのか、あるいはその事故の内容をデータベースにして分析しているのかというのを質問としてお伺いしたいなと思いました。

以上です。

大竹委員長:ありがとうございました。

では、質問のところ、回答をお願いします。

阿南課長補佐:事務局でございます。

放課後児童クラブにおける重大事項の発生におきましては、国への報告を求めております。教育・保育施設と並びで、放課後児童クラブについても30日以上の加療を必要とするお子さんであるとか、意識不明の状態あるいは死亡事故等については、国に報告をその当日あるいは翌日までに第一報を上げていただいているという状況でございます。内容につきましては、こども家庭庁のホームページのほうでも統計を出しておりますし、データベース化しているところでございます。

以上です。

大竹委員長:よろしいでしょうか。

安部委員:つまり、その内容は放課後児童支援員さんたちの研修などに反映しているということですよね。

阿南課長補佐:認定資格研修の講師養成等では、そのデータベースについてお示しするようにしておりまして、各県でそれを展開していただくようお願いをしております。

安部委員:そうすると、データベースの活用みたいなものはここには書き込む必要はないですか。

阿南課長補佐:御意見として承りたいと思います。どういう表現とかどこに入れるかというのはまた検討してまいりたいと思います。

安部委員:ありがとうございます。

大竹委員長:では、続いて植木委員、お願いいたします。

植木委員:植木でございます。

私からは2点でございます。

まず1点目でございます。先ほどの児童館ガイドラインと同様に、こどもの権利の擁護に関する部分でございます。9ページに該当するところでございますけれども、児童館同様に、こども自身がこどもの権利について学ぶ機会を設けると同時に、支援員もこどもの権利について十分に学ぶということが重要かなと思います。児童クラブの箇所数の増加に伴って、いわゆる新人、新任の支援員等が増えているということが想定されます。そうしますと、十分にこどもの権利について認識を持たないまま支援に当たるということも十分に想定されるわけでございますので、その部分に関しては十分な記載が必要かなと思いました。

それから、同じ部分でございますけれども、先ほどの児童館ガイドラインの議論のところで「必要がある」という表現に係るところでございますけれども、確かにこども自身がこどもの人権について学ぶという機会は大変重要なのですけれども、確かにこどもまんなかの考え方からすれば、それが大人の強制になってはいけない。あくまでもこどもの主体的な行為を促す。すなわち、こどもが主体的に学ぶというような行為を促すことがやはり重要かなと思いましたので、そういった意味合いも少し加味したような表現が付け加えられればよろしいかなということも思いました。

次に2点目でございます。災害時対応についてです。資料で申しますと15ページに該当する、業務継続計画に係るところでございます。昨今の能登半島地震の現地の様子等を鑑みますと、こどもの受入れということの困難性と支援の必要性ということはある意味周知がされてきたところでございますけれども、また同時に、こどもたちを受け入れる支援員、すなわち支援者支援の必要性ということもやはり浮き彫りになってきたのではないかなと考えられます。今後、仮にこども版の災害派遣チームという議論がもし進むということであれば、ここに外部支援の受入れへの対応といったことも加筆してもよろしいのではないかなと思いました。

以上でございます。

大竹委員長:どうもありがとうございました。

続きまして、齋藤委員、お願いいたします。

齋藤委員:それでは、私のほうからも2点お話しさせていただきます。

まず1点目は、先ほどからお話しされておりますとおり、こども自身がこどもの権利について学ぶ機会を設けるというところと、同じく職員の学びの機会をというところは児童館のほうと同様にぜひお願いしたいと思っております。新たな職員が入ってきて、こどもの権利というところを知らないままに大人の肌感覚でこどもたちに関わる。そういったことがないように、やはり職員もこどもの権利をしっかりと学び、そして、それに基づいてこどもたちに寄り添う。そういったものをしっかりとここに明記することで、環境を整えていくということが大事であると思いますし、それがあるからこそ、第3章のこどもが放課後児童クラブでのルール等について意見を交わす機会というところが、大人主導の環境設定から、こどももきちんと主体的に運営に関わるというところにつながってくるのではないかと思っております。

また、この第3章のこどもが放課後児童クラブでのルール等について意見を交わす機会というところは、できればもう一歩踏み込んでいただいて、交わす機会を設けるだけではなくて、支援員とともに考える機会を持つ、もしくは決定をしながら進んでいくというところで、意見を出すだけではなくて、そこにしっかりと参画していけるような、支援員のほうにもしっかりと意思表示がはっきりとできるような形で、もう一段階踏み込む言葉があってもいいのかなと感じたところです。

あと、もう一点目です。こちらのほうは幼保小からの切れ目のない支援のところの文言になっております。切れ目のない支援のところで、幼保小連絡会という形で保育所から小学校等に上がっていくときには意外としっかりと連携が取られているケースがあるのですが、この連絡会に児童クラブが入っていないケースが全国的にも声を聞かれるところではあります。そういった中で、児童クラブのほうが後々情報が入っていなくて実際に保育所に問い合わせるなどの状況が鑑みられているようなところがございましたので、ここの中により明確に「保育所から学校に入るのと同様に」など、少し明確な文がもし入れられたらいいのではないかなと感じたところです。

以上になります。

大竹委員長:ありがとうございました。

続いて、佐藤委員、お願いいたします。

佐藤委員:よろしくお願いします。

私のほうからは、全体的なところで少し現状とお願い、意見ということでさせていただきます。

まず、放課後児童クラブ、学童保育というのは、長い間、基準とか運営指針というものもなくて、それぞれ地域の中に任されながらまちまちな状況でした。平成27年に運営指針が出されてから、本当に少しずつではありますけれども、やはりよりよい方向に保護児童クラブをつくっていこうという市町村の力も借りながら、改善されてきたことが実感としてあります。

その上で、今回のような改正のこともそうですけれども、今、齋藤先生も言ってくださったように、やはり少し強めに書いていただくということがすごく大事なのかなと。あるべき姿というのをできれば表現として出していただけると、現場の支援員としてはとてもうれしいです。

一つ一つの事務局の改正案についても意見としてはいろいろ考えたのですけれども、取りあえず3つだけ話しておきます。

まず、第1章の総則のところにこどもの権利というところ、人権も含めてですね。そういったことについては書き込む必要性があるのと、あと、齋藤先生もおっしゃっていたように、こどもが学ぶ機会というのもそうだけれども、支援員が学んでいく機会というのはとても重要だということを実感として持っています。

実際に認定資格研修を皆さん受講して支援員になってはいるのけれども、こどもの最善の利益を考慮して育成支援がされているかというところについては、やはり頭では分かっていても、現場の様々な背景、例えば大規模だったり、支援員不足といった状況から、こどもに様々な規制をかけていたり、あと、先ほどもちょっと話しましたけれども、こどもがやりたいとかこうしたいといったニーズ、願いというものに沿えないでいるという実態がやはりあります。そこで改めてこういうことが大事ということがここで明確化されるということが必要だと思っています。

それと、もう一つが、そのこと自体にも着目できていない運営主体とか支援員というのをもまだまだ少なくないということも、現状としてお伝えしておきたいと思います。

2つ目です。18ページの障害のあるこどものインクルージョンの推進についての報告内容を踏まえてというところなのですけれども、ここでも、実際に放課後児童クラブには全国の小学校にある支援級ですとか、あと、支援学校からたくさんの障害児のお子さんを預かっています。それにもかかわらずということはないですけれども、受け入れるお子さんに関しては、やはりこどもと毎日生活することによって、こどもの願いを探っていくとかそういうことは支援員としてはできてきているし、また、保護者の方との連携というところで、保護者の方から様々なことを教えてもらうということは比較的どこのクラブでもやってきていることだと思います。

ただ、実際に関係機関との連携、例えば医療機関ですとか支援センター、あと、放課後デイを併用してクラブに通っている子もいるのですけれども、そういうところとの関係というものがそれぞれのクラブに任されているのが現状です。実際に私の市のところでもやはり課題となっていて、なかなかそのハードルも高くて、直接そういうセンターとかに問い合わせても教えてもらえないので、保護者を通してそこで出されている療育計画とか支援計画のコピーをもらうとか、そういったところにとどまっています。

ですので、今回の提案のように、やはり関係機関としっかりつながっていくということが切れ目ない支援につながるし、こどもを理解するという上でも早く理解することができるのかなと思っていますので、ぜひ丁寧に書き込んでもらえればと思っています。

あともう一つ、3つ目なのですけれども、16ページに戻って、タイムシェアのところです。今回、待機児対策として養育教室の活用とか特別教室のタイムシェアということが出されているのだと思っています。すみません。理解が違ったらまた御指摘ください。その中で、実際に現場としても待機児の問題から基準を超えてこどもを受け入れざるを得ないときには、空き教室ですとかタイムシェアでもいいから理科室とか美術室とかそういうところも借りたいという思いもありますけれども、実際に使っているクラブの職員の話によると、やはり理科室とか音楽室だといろいろな機材とか楽器といったものを壊してしまうのではないかという不安とか、あと、もともとの放課後児童クラブの部屋とそこの部屋が違えば、毎日そこに本とか教材とかそういったものを運んで、そういった支援員の仕事も増えるし、もちろんこどもにもお手伝いしてもらうにしても、こどもたちにも負担があると聞いています。また、部屋が変わることで不安定になってしまうこどもというのも状況としては聞いています。

そこで何をお伝えしたいかというと、やはりこのタイムシェアを使うということは一時的なものであるということが分かるように、運営指針の中に学校施設の活用と並列して「特に」とかと文言として書かれていくと、それもありなのかなというふうに理解されないかなという不安があります。ですので、○を2つ目にして別項目として書くとか、そういったことがあると分かりやすいかなと思ったので、そこは意見として出させていただきました。

以上です。

大竹委員長:ありがとうございました。

続いて、矢葺委員、お願いいたします。

矢葺委員:私からは3点ございます。2点はお聞きしたい内容なのですけれども、まず、パッケージという表現が出てくるところなのですけれども、第5章の4のところです。「『放課後子ども総合プラン』に基づき、」というところを消して、「『放課後児童対策パッケージ』で示されている」とあるのですが、放課後児童対策パッケージ自体が5年、6年度で実施すると示されているのですけれども、6年度の途中で示されるガイドライン中でこれを入れるということは、これはずっと続くと考えていいのでしょうか。

あとは、最後のお弁当のところなのですけれども、昼食の提供のところです。昼食提供について、これまで妨げるものではなくて、地域の実情に応じた対応とされていたと思うのですけれども、今後、支援内容として昼食を適切に提供することが示されたとなっているのですけれども、これは長期の休みのときに児童クラブで昼食を提供しなくてはいけないのだと理解してもいいのでしょうか。児童クラブは大変になるけれども、保護者側としてはとてもありがたいなと思いながら、そこは質問です。

そして、やはりどうしても私が引っかかるのが、児童クラブも生活と遊びというものの提供なので、学ぶ機会を設けると記載されるということです。学びは、とても大事で、教えたほうが絶対いいと思うし、しなくてはいけないのだけれども、入れること自体には全然問題ないのですけれども、もう少し表現をまた考えていただければと思いました。

以上です。

大竹委員長:ありがとうございました。

3点ほどでしょうか。御質問がありましたけれども、答えられるところでお願いしたいと思います。

阿南課長補佐:事務局でございます。

御指摘の放課後児童対策パッケージは、御認識のとおり、令和5年度、6年度に実施するものということでまとめております。ここで用いたのは、その後に出てきます校内交流型を定義するために持ってきたというところで、他意はございません。少し分かりやすい形で書き込めるかどうか、検討はしてまいりたいと思います。現状の運営指針では新がつかない放課後子ども総合プランのままになっておりまして、その点はないということは確実ですので、そこは削除するなりで対応していきたいとは思っております。

それが一点と、昼食の提供についてですが、少し読んで誤解を生じるようですので、文については再検討させていただきたいと思います。矢葺委員の御指摘のとおり、妨げるものではなくて、地域の実情に応じて実施していただくものになりますので、その辺りが伝わるような表現に改めさせていただきたいと思っております。

改正素案のほうでは、こどもが持参する食事についても記載をさせていただきました。これまでその部分について一切触れておりませんでしたので、大多数の放課後児童クラブでは持参する昼食を取っていらっしゃるケースが多いかなと思いますので、その点についてはしっかりと書ければと思っておりますので、いただいた御意見を踏まえまして、また案をお出ししたいと思います。

以上です。

矢葺委員:ありがとうございます。

大竹委員長:ありがとうございました。

では、最後になりますが、藤本委員、お願いいたします。

藤本委員:3点ほどお聞きしたいことがあります。
1つ目は15ページのBCPについてなのですけれども、災害時等のことに関してなのですが、コロナ禍のときに学童がいつ再開するのかみたいな話がやはりあったと思うのですけれども、そういう意味で、業務の継続計画を立てて、保護者と共有しておくということは大変重要なこととは思うのですが、保護者側としては、情報が共有されても、保護者の立場でやはりソーシャルワーカーの方とかでどうしても学童を早く利用したいという方と、テレワークなどの普及で登園を控えることを協力するという協力ベースの話とかで、かなり混乱がありましたので、そこら辺が、実際に職員の方も例えば被災されたとか、同じようなお仕事に就けない立場の方もいらっしゃる中で、具体的に利用者とうまく共有できるのかなというところが、今の文言だと本当にできるのかなというところで、もうちょっと常日頃から情報共有がうまくできるような仕組みや、どの程度で仕事に行けるのかというような利用者との情報共有が密にできるような言葉が入っていないと、具体的に運用のイメージが湧かないなというところが気になるところでございました。

もう一つは、先ほどお話に出ていたお昼御飯についてなのですけれども、こちらも私の経験で言うと、父母の会で仕出し弁当のようなものを手配したというような経験もございますが、お弁当等を持たせる方が一般的には多いと思うのですけれども、やはり保護者の立場で見ると、どちらかというと長期休みというところの過ごしのほうが大きいというようなこともございまして、どうしても放課後クラブというようなところで、朝食のこともそうですし、最近話題にもなっていると思うのですけれども、朝の開所時間についてや、お昼御飯も、朝からお仕事をされる方で、今、夏があまりにも暑い、猛暑の中でお弁当を持たせることにも不安を感じていらっしゃる方でやはり昼食ニーズというのが大きいので、そこを適切に、もちろんどのような仕組みにするかというのは、放課後クラブだけの負担になるようなことは、いろいろな地域の実情に応じた取組があると思うのですけれども、そこら辺で安心に昼食を提供するというような仕組みが記載されていると安心感があるなと思いました。

3つ目は、今、話をしてしまったのですけれども、朝のことについてです。例えば長期休みの朝とか、あと、学校よりも早く保護者が仕事に出かける場合、特に1年生とか保育からの継続で、なかなかそこの学童の親切心だけ、現場の対応だけで今は乗り切っているというケースがあるかと思うので、また、学校には行かないけれども、放課後学童クラブの居場所を心地よく感じているこどもがいた場合、通常の学校がある時間でも、学校には行けないのだけれども、早めに学童クラブは利用するというようなので行く時間が早まるといったケースもありますので、文章全体を読んで、そこら辺の放課後という言葉が朝とか長期休みを邪魔してしまっているなという印象がございました、なので、そこら辺もこどもの居場所づくりという面においては、先ほどの災害のときについてもそうですけれども、放課後という括りだけではない部分がかなり重要だと思いますので、そこら辺のこどもの居場所というところと放課後以外の時期、時間というところが何か文章として入っていると、非常に安心感があるなという感想を持ちました。

以上です。

大竹委員長:ありがとうございました。

それでは、私のほうからもコメントさせていただいて、感想ベースになっていきますけれども、2点ほど。一つ、こどもたちは地域の中で育つということが原則としてあれば、インクルージョンというところでの改正等もありまして、今回、医療的ケアを必要とするこどもを含むということになっています。そういう中にあって、やはりしっかりと体制を組んでいかないと、ややもすると放課後デイと学童というところが二分されていくと、インクルージョンではなくて、まさに分かれた中でこどもたちが育っていくというようなことになっていくので、しっかりとここは学童のところで体制強化をしていただいて、こういった障害のあるこどもたちもしっかり受け入れられる体制を強化していくというようなことも今は必要になっているのだなと思っています。

あと、現場の声としては、タイムシェアのところがありましたけれども、これは苦肉の策ということになっているのではないかなと。やはり現場のところでは、借りるのだけれども、それは原状回復して返してくださいというようなことでいくと、先ほど委員の中からも具体的な声がありましたけれども、そういった中では、あと、朝の場面でもしっかりと副校長、教頭先生と今日はどこが使えますかと毎日朝打合せをして、日によって場所が変わっていく、プラス原状回復というようなこと。これが現場サイドでは相当負担になっているというようなことがあるので、やはり学校側の理解というところもしっかりと私たちのほうからも促すような取組というのも必要なことになっているのではないかなと思っています。

また、昨年のところで、施策の方向性という取りまとめのところでも、やはり遊びというようなところがこどもたちの育ちには大変重要であると。そういう中にあって、遊びのプログラムというものも必要だということがありましたので、これは先ほどの児童館、そして、大型児童館というような役割のところにも関わってくるのかなと思いますけれども、もう一度遊びのプログラム等についても、こどもの遊びということについてしっかりとこの中でも検討できればなと思いました。

以上です。

ということで、一通り各委員からコメントをいただきましたので、まだ少し時間がありますから、もし言い足りなかったこと等があれば、先ほどと同じように挙手等でサインを出していただければと思いますが、いかがでしょうか。

では、植木先生、お願いします。

植木委員:植木でございます。

おやつのところに関してですが、これは少し議論が必要な部分かなと思いまして、先ほどは発言を控えましたけれども、資料で言いますと22ページに該当するところでございます。ここでは育成支援の9つの内容のうちの一つとしておやつの提供が示されていて、ただ、内容を見ますと、栄養面や活力面から必要とされるということですよね。今回、安全性や衛生に考慮するということも付け加えられる。これは昼食等を含めてということになりますけれども、これはこれでとても重要なところだとは認識しております。

ただ、実際の現場のこどもたちのおやつの様子を見ますと、こども同士が楽しくコミュニケーションを取っている。すなわち、それまで動きのある活動から少しクールダウンして、こども同士のいわゆる集団遊び等では見られなかったような様子とか発言とか行動とかということが見られるのですよね。そういった意味では、先ほど言いましたように、こども同士のコミュニケーション、楽しくコミュニケーションを取る場、特にコロナ禍が明けましたので、少し会話もあってもいいのかなとも思います。同時に、そうしたこどもの様子をやはり支援員がキャッチするというような、こどもと支援員とのコミュニケーションの場としても活用されているのではないかなと見えるのです。これは、ひょっとしたら9つ挙げるべき育成支援の主な内容に含めていってもいいのかなという印象を受けております。ただ、それがおやつのこの部分に該当するのか、あるいはほかの部分にそうしたことを付け加えるのかということは少し議論が必要かと思いますけれども、そういうふうなことを感じております。

以上でございます。

大竹委員長:ありがとうございました。

そのほか、委員の方でありますでしょうか。

佐藤委員、その次に齋藤委員でお願いします。

佐藤委員:齋藤先生、先にごめんなさい。

今、植木先生がおっしゃってくださったことがあったので、少し現場としての、あと、支援員としての思いを伝えられればと思いました。

まず、このおやつの時間帯、昼食でもそうですけれども、やはりそういった時間として大事にしてきました。自分自身も形式様々な研修、新人さんの研修などでお話しするときにも、やはりおやつの時間は、もちろん放課後に長い時間活動するこどもにとっては、活力面としても栄養面でも低学年の場合は必要なんだよという話もしますけれども、でも、そこで校庭などで遊んだ体を少しクールダウンしたり、あと、校庭でいろいろなトラブルがあったときに、それを持って帰ってくるけれども、おやつを食べながら一緒に話を聞くとか、また、うちも高学年の子が多くいるのですけれども、そういったこどもたちというのはちょうどおやつを食べている頃に帰ってくるのですけれども、必ず高学年の席を取っておいて、高学年のこどもがそこに座ってゆっくり支援員と話をするというような時間も大事にしてきました。なので、研修で補足としては話しているけれども、育成支援の内容のところにそんなこともあるとうれしいなと。しかも、植木先生はそういうふうに見ていてくださったのだなというので、すごくうれしく感じました。

以上です。

大竹委員長:ありがとうございます。

では、齋藤委員、お願いします。

齋藤委員:私もこのおやつの部分について、難しさを私の場合は感じていたので、そこのお話をと思ったのですが、こちらのこどもにとっての放課後の時間帯に栄養面や活力面から必要とされるという部分に関しまして、やはり午後の長い時間帯のこどもたちの活力 を考えたときにすごく必要な部分があるなと思う反面、昨今の学校の授業体制を考えてきたときに、児童クラブに来る時間帯が既に4時を過ぎているケースというのも学校によってはすごく多くなってきていて、その後に用意したおやつを食べてから活動に入るとなると、4時半くらいに食べ終わりというところでは、果たして夕食とのバランスの中でこの時間帯に食べることが本当にこどもにとっての栄養的なところも踏まえた形での必要なものなのかなといったところも、放課後のこどもたちの過ごし方、時間というところも前と環境が少し変わってきているので、そういったこどもたちの放課後を取り巻く環境を考えたときに、このおやつというところの必要性は感じながらも、難しさを感じているというところが現場の中の私の肌感覚であったもので、そういうことを感じたところです。ただ、植木先生のおっしゃられたとおり、このおやつの時間というのが、長期休暇も含めてなのですけれども、栄養面のバランスだけではなくて、職員とのコミュニケーションだったり、体を休める。そういったひとときになっているというところでも重要性を感じているところではありますので、これをどう変えていくのかというところではなく、現場で難しさも、ここの部分での考え方、捉え方の難しさもあるなというところを発言させていただきました。

大竹委員長:どうもありがとうございます。

おやつについては、先ほど現場実践でどんな取組をされているか、その意味合いは何なのかということと、今、齋藤委員からは現場の実情というようなところもありましたので、それらを踏まえながらこのおやつに関する記述は検討していきたいと思います。どうもありがとうございました。

そのほか、委員の方で御意見があればお願いしたいと思いますが、よろしいですか。大丈夫でしょうか。

それでは、この議事の(2)の放課後児童クラブ運営指針についてはこれまでとさせていただきます。

御意見については、次回までに事務局で整理していただくよう、よろしくお願いいたします。

阿南課長補佐:承知いたしました。

それでは、議事の(3)「その他」ですが、事務局より何かございますでしょうか。

阿南課長補佐:今後のスケジュールについて御説明をさせていただきます。

資料4を御覧ください。

次年度からの放課後児童支援員認定資格研修におきまして、今回改正を予定しております放課後児童クラブ運営指針を活用したいと思っております。そのため、夏頃までに議論を終えたいと考えておりまして、以後2回を予定しております。その後、時期は未定ですが、こどもの居場所部会に報告をした上で改正通知を発出したいと考えております。

以上でございます。

大竹委員長:どうもありがとうございました。

それでは、皆様、よろしいでしょうか。何か御意見等があればお願いしたいと思いますが、よろしいですか。

ありがとうございました。

では、本日発言ができなかった部分等につきましては、1週間以内に事務局までメールでお知らせいただければと思います。事務局のほうで本日頂戴した意見と併せて修正案の整理をお願いいたします。

それでは、予定していた議事は以上ですので、次回について事務局からお願いいたします。

阿南課長補佐:御議論ありがとうございました。

次回の日程につきましては、新年度に入ってからになりますが、追って日程調整をいたしますので、よろしくお願いいたします。

大竹委員長:それでは、これにて閉会いたします。本日は誠にありがとうございました。