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こどもの居場所部会(第7回)

概要

日時:令和5年8月23日(水)15時30分から18時00分
場所:こども家庭庁21 階 成育局第一会議室

【オンライン配信URL】
URL:https://youtube.com/live/3iD7M_b9Leg

議事

  1. 開会
  2. 議題
    (1)「こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)」の各論点について
  3. 閉会

資料

議事録

前田部会長:定刻となりましたので、ただいまから「こどもの居場所部会」第7回を開催いたします。

委員の皆様、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

本部会長の前田でございます。よろしくお願い申し上げます。

本日は、対面とオンラインのハイブリッドにて開催させていただきます。

なお、本日、今村委員、大空委員の御欠席の連絡を承っております。

それでは、まず事務局より資料の確認をよろしくお願い申し上げます。

山口成育環境課長: 事務局でございます。

本日の出欠状況でございますが、お越しになるという連絡をいただいておりますが、光真坊委員と菊地英一委員が少し遅れてお見えになるということかと思っております。

資料の確認をさせていただきます。まず、資料1「論点(案)について」、資料2が「今村委員提出資料」、資料3が「湯浅委員提出資料」、その他、参考資料が3点ございます。

資料の欠落等がございましたら、事務局までお申しつけください。

また、今回の部会は傍聴希望者向けにユーチューブでライブ配信をしております。

それでは、部会長、よろしくお願いいたします。

前田部会長: それでは、議題1「こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)」の各論点について、議論に入りたいと存じます。

前回において事務局から説明してございますので、このまま前回同様の進め方で、これより意見交換の時間とさせていただきたいと存じます。

本日は、論点(案)の中の「つなぐ」「みがく」「ふりかえる」の3つの項目について、それぞれ45分程度で御意見いただければと存じます。お時間が限られております関係で、提出資料を御準備いただいた委員の皆様におかれましては、御発言の際に適宜資料を引用いただきながらお話しいただければと存じます。

初めに、「つなぐ」のパートについてです。前回と同じく「つなぐ」に記載の問いをまとめながら進めたいと思っておりますので、細かく分かれております問いの番号を明示いただきながら御発言いただければと存じます。

なお、本日2時間半の会議になっておりますので、途中休憩を取る予定にしておりますので、御安心いただければと思います。

それでは、「つなぐ」についての議論を始めたいと思います。御意見のある方は挙手で、オンラインの方は挙手ボタンを押していただき、お願い申し上げます。いかがでしょうか。

植木委員、お願いします。

植木委員: 植木でございます。

2の提案をさせていただきたいと思います。1点目は居場所のハブ機能の拠点整備、2点目はそうしたハブ機能の拠点を担うマンパワーの確保の2点でございます。

1点目に関しましては、これまでの議論でも明らかなように、多様な居場所がどうやらありそうだと。そういった意味では、こどもたちが必要な居場所にアクセスするすべ、あるいは情報を知ることがとても重要になってくることが分かってまいりました。そういったことを前提にしますと、情報を一元化してそれを発信やつなぎのできるハブ機能、こういった拠点があってもいいのではないかと考えております。一方で、ハブ機能の拠点には、そうした役割を担うマンパワー、例えば仮にこどもの居場所ソーシャルワーカーのようなソーシャルワークを行う、そうした専門的なマンパワーもひょっとしたら必要なのではないかと考えられます。

「つなぐ」というところになってきますけれども、3の「つなぐ」の3-1あるいは3-2、この辺りに該当する内容かと思いますが、では、そうしたソーシャルワーク的な機能を果たすマンパワー、これは誰が担うかという話になってくるわけでございますが、7月28日のこどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会の中で、学校にスクールソーシャルワーカーを必置すべきだ、そうした機能を拡充するべきだと、こういう発言がありました。まさにそのとおりだと思います。学校というのはこどもたちにとって最も身近な場所でございます。ところが、教員がソーシャルワーク的なつなぎの役割を果たすかというと、現時点でさえ多忙な中で、なかなかそれが難しい。そうなりますと、このスクールソーシャルワーカーを活用するというのは一案かとも考えられます。

しかし、一方で、スクールソーシャルワーカーも全ての地域や学校に配置されているわけではないことも明らかになっております。そうしますと、当面の既存のリソースを活用しながらどのようにそのような拠点づくりを行っていくか、ハブ機能の拠点づくりを行っていくか、その一つの方策としては、全国に4,000か所を超える児童館ですね。この機能を活用することも一案かと思われます。社会保障審議会の放課後児童対策に関する専門委員会、これは閉じましたけれども、その中で児童館のあり方ワーキングの報告書が出ております。その中身を見ますと、ソーシャルワーク、ソーシャルワーカーとしての機能や役割、これが求められているということがそこに記されております。そもそも児童館は18歳未満の全てのこどもを対象にし、こども会議等が活発に行われておりますので、こどもの意見や意向が把握しやすいということも考えられます。しかし、この児童館も全国4,000か所を超えるといっても、全ての地域にこれが満遍なくあるわけではありませんので、スクールソーシャルワーカー、それから、児童館あるいはその両者が連携をする中で、ハブ機能の拠点づくりを進めていく、そうした機能が果たせない地域においては、そうしたソーシャルワークの機能を持つ新たなリソースとしてのハブ拠点づくりを考えていくとなろうかと思います。

そうしますと、そうしたスタッフやマンパワーの養成、これが次に課題になってくるかとも考えられます。これは次の4番の「みがく」の4-4、4-5あたりに該当するかと考えられますけれども、スタッフのスキルアップの仕組みも同時に考えていく、整備していくことも大事かと思っております。

最後に、5の「ふりかえる」のところに該当すると思われますけれども、例えば5-2あたりですね。そうしたハブ拠点のスタッフが中心となって、こどもの居場所の情報共有、情報交換、常時の社会資源の把握ですね。そういったものを行い、そして、こどもたちに提供していく仕組みづくりも考えられるかと思います。

以上でございます。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、オンラインで小川委員のお手が挙がっておりますので、小川委員、お願い申し上げます。

小川委員: ありがとうございます。

私は3-1と3-2、3-3を横断的にお話しすることになってしまうかと思うのですけれども、「つなぐ」といった際に、第1に、選択可能な居場所の資源に、世代であるとか、置かれた環境とか、地域によってかなり偏りがあるのではないかということ、第2に、情報アクセスに関する格差、そして、第3に、居場所につながりやすい、出会いやすい児童と、そうではない児童という経験の機会の格差のようなものを課題として考えていかなければいけないのではないかと考えています。

こどものヒアリングの中でも複数の居場所を同時に選択し得ることの大切さみたいなことはいろいろな若者などからも発言が出ていたところかと思うのですけれども、一方で、小中高とハイティーンがだんだん行ける場所が少なくなっていくとか、そもそも世代間や置かれた環境によって、地域によって、アクセス可能な場の数やアクセシビリティーみたいなものにすごく格差があるというところは、指針の中でも課題として触れておく必要があるのではないかと感じています。

校内居場所カフェは、学校の外部の人たち、外部の情報を持った大人がアウトリーチという形で学校に入ることで、様々な情報の格差みたいなところを埋めることになることもあるのですけれども、今村委員の事前に提出されている意見書にもあったように、学校という場をハブとするというところは、ある意味、情報アクセスの格差を埋めるという点では有効な仕組みではあるのかと思います。ただ、一方で、先ほどお話のあったソーシャルワーカーを起点にみたいなところも一つ考えられるところなのかとは思うのですけれども、現時点で特に高校のソーシャルワーカーさんとお話をしている中でも、かなり異動がある中で、その地域の情報をどれだけ蓄積して、ためて、その人がハブとして機能していけるかみたいなところは、すごく大きな課題なのではないかと感じています。

また、つながりやすいとか、居場所に出会いやすい児童と、そうでない児童という経験の格差みたいなものに関しては、校内居場所カフェでは、まず、そこにいる大人も含めて居場所を信頼するというところを一つ一つ様々な経験を積み重ねることですごく大事にしているところがあって、それはどうしてかというと、今までの経験の中から大人を信頼するとか、知らない場所に行くというところにかなりハードルがある若者がいて、その中で、居場所スタッフとしては様々な考慮をしながら、できるだけ多くの若者にとって居心地のいい場所になるような工夫をしているところがあります。この間、すごく出会っている若者のことを考えたときに、状況によってはどの既存の居場所も利用し得ない存在になる可能性がすごくあると感じていて、その辺りの課題や懸念みたいなところは、委員の皆さんとも共有しておきたいと思っているところです。

最後に、ハイティーンの若者と関わっている中で、場所があってもほかの居場所につながっていくときには、既に知っている人の存在、特に自分が信頼できる大人を介してつながることがすごく多いと感じていて、場所があるというだけではなくて、そこにつながっていくための人との出会いもすごくこどもたちにとっては重要な要素で、単にコーディネーターを設置するだけではない地域の多様な居場所やネットワークの構築、人とのネットワークの構築など、ソフトな面での工夫がすごく重要なのではないかと思っています。

最後にもう一点、そして、成長とともに渡り歩けるみたいなところもすごく重要だと思っていて、仕組みや様々な年齢の隙間みたいなところをどうやって埋めていけるのかも、この「つなぐ」というところを考える上ではすごく大事な点なのではないかと考えています。
長くなりましたが、以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、会場はよろしいですか。

では、荒木委員、お待ちいただけますか。ごめんなさい。

関戸委員と水野委員、お願いします。関戸委員からお願いできますか。

関戸委員:3-2、3-3あたりに関係する意見です。3-2に関しては、つながりやすくするということでアウトリーチについての言及がありますけれども、例えば私が関わるプレーパーク、冒険あそび場に関しても、一つの形態としてプレーカーという形で、地域の公園に車に遊びの道具を積んで展開するみたいな、そういった形での居場所づくりをやったりしています。拠点に比べると開催の日数が減るので、その分頻度としては低くなってしまうのですけれども、拠点にアクセスできない子、地方都市ならば特にあると思うのですけれども、アクセスの悪い地域、こどもの行きづらい地域でもこどもが住んでいる、そういう地域にアウトリーチで車で移動しながら、そして、支援や相談ではなく遊びというコンテンツを使って地域で展開していくことによって、今まで拠点では出会えなかったこどもたちに出会えて、そういった中でつながっていくことがこれまでも事例としてあったので、お伝えしたほうがいいかと思って意見しました。

学校の人間関係を引きずりたくないという子たちも、居場所とつながるときに課題となってくる子たちはいると思うのですね。そういったときに、アウトリーチという形は一つ可能性があるのではないかと思っていて、どうしても拠点で学校の人間関係が常にあるような居場所であると、学校に居場所性を感じていたり、学校での人間関係を円滑に進めている子たちにとっては居場所となり得るかもしれないのですけれども、そうではない場所であると、特に公園というオープンアクセスな場所でやったりすると、公園に限らずいろいろな場所でできると思うのですけれども、地域の大人とか、小中高生、そして、地域の親子連れみたいな多世代での関わりをつくることによって、単なる横で同年代だけで集まるだけではない、そういう幅が見つけられるのではないかと思って、つながるための居場所というので、一つそんなこともあるかと思って発言しました。

以上です。

前田部会長: 次に、水野かおり委員、お願いします。

水野(か)委員: 水野です。

先ほど植木委員からお話があったことと多少かぶりますけれども、3-1、3-2、3-3あたりの意見をさせていただきます。身近な居場所について、知り、見つけやすくするために、居場所がたくさんあるにこしたことはないということと、先ほどのように児童館が全国に今は4,300、ただ、自治体としては60%ということになっております。公的な児童福祉施設であるのであれば、なるべく100%に近くどのようなところでも同じように公共の施設が利用できるというところが、まずもって見つけやすく、知るために、とても必要ではないかと思います。

また、それに伴って3-2ですね。つながりにくいこどもがつながりやすくなっていくのではないかと思っておりますので、児童館の機能の拡充や設置、それから、各自治体への投げかけも必要になってくるのかと感じております。

また、3-3の利用しやすくするにはということで、先ほどからいろいろな方々から意見がありますが、人の問題というのはとても大事かと思っております。信頼できる大人がいることがとても大事かと思いますので、先ほどのスクールソーシャルワーカーの異動があるということも、せっかくできた信頼関係も人が替わると行けなくなるということもございますので、継続的な拠点となる場所があって、継続的に同じ方がいるというところが、とても大事なのではないかとも思っております。

また、児童館の話にどうしてもなってしまうのですけれども、児童館の中には拠点性というところも設けておりますので、その中では拠点があるということ、それから、地域性ということで地域とつながることもとても大事にしておりますので、その辺りも踏まえて、そういう今ある施設を大幅に活用していくことも、活用しつつ広げていくことも必要なのではないかと思っております。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、オンラインのほうで荒木委員、菊池委員のお手が挙がっておりますので、まず荒木委員からお願い申し上げます。

荒木委員: 私からは乳幼児期からの接続が大事ではないかということをお話ししたいと思います。私はもともと乳幼児親子の子育て支援から活動を開始していますが、どうしても就学時になると支援者が替わるということがありまして、そこで課題がまた一から振り戻されてしまうことがよくあるのですね。困り事も小学生になって急に生まれるというよりは、その前からはらんでいて、早く気づいた場合には妊娠期の頃から子育てに関する課題が見えてくる方もいますので、子育て期にアプローチしているところとの接続、保健師さんや子育て支援は、親を支援するというところの視点が多いと思うのです。学齢期にバトンタッチする際には、こども自身も支援につないでいく視点を持っていただいて、バトンを渡していくというところが必要かと思っているので、それをここの指針のところでつないでいけたらいいのではないかと感じています。

親の場合も、子育て支援の中で十分に関わりが持てていると、そこへの信頼感とか、その方への愛着などもありますので、その方が紹介してくださるところにはつながりやすく、さらに親の理解があるとこどもは支援にすごくつながりやすいし、そこからいい支援者に出会ってつながっていくケースもたくさん見ているので、そこのつながり方を示唆できればいいなと思っております。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、菊池委員、お願い申し上げます。

菊池(真)委員: 私からは3-1、3-3に関わることかと思うのですけれども、3-1の知り、見つけやすくするにはという観点では、広報のことに触れておきたいと思いました。「居場所」と検索していくようなこどもや若者はあまりいないと思うのですけれども、たまたまSNSで目に留まったとか、誰かがシェアをして目に留まったとか、何回もこれが流れてくるとか、そういうようなことで出会うこどもたちが多いのかと思いましたので、広報はすごく大事かと思いました。既に出ているところもありますけれども、SNSを強化していくこととか、ホームページを整えることとか、チラシやパンフレットをすてきなこども・若者が好きというか、それこそこども・若者に関わってもらいながら一緒に作ったりとか、本当に大人が作ったようなものではなくて、こども・若者が気に入るようなものにしていくというように、ちゃんと広報に費用をかけられるようにしていくことはすごく大事かと思いました。

3-3の居場所を利用しやすくするにはという観点では、何となく行けるという居場所であることと、無料で利用できる、また、貧困家庭には交通費など補助が出るなど、そういう工夫もあること、また、つまらない場所でなく楽しい場所であることが大事かと思いました。これから居場所を建てるとか、増やすというところにもつながるかもしれないのですけれども、そういうところに関しては、いろいろな機能が備わっている場所であるといいと思っています。既にあるコミュニティーセンターやユースセンターなどでは、スタジオがあって音楽ができたりとか、歌を歌えたりとか、うちのサロンではたまたまカラオケを使えるのですけれども、すごく若者たちは楽しんで気に入っているので、そういったいろいろな機能があって、いろいろなことが選択できる場所である必要があるかと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

会場はよろしいですか。

宇地原委員、お願いします。

宇地原委員: ありがとうございます。

僕からは主に3-2につながるところでコメントさせてください。これまでも多くの委員から出ていますが、つながりにくいお子さんはいるかと思っていまして、特にターゲット型の居場所が対象としているような困難な状況にあるお子さんはつながりにくいだろうと想定しています。アウトリーチの視点は非常に重要かと思っていまして、やり方は幾つかあるかと思うのですけれども、既に地域の中でこどもと関わっている大人はたくさんいるはずなので、学校や行政、民生委員さんなど、そういった方々が連携をしていくことで、お子さんをきちんとリファーしながら適切な場所につなげていく機能を、まず地域のセーフティーネットとしてつくる必要はあるかと思っています。

もう一つ、国で実証研究もやられているかと思うのですけれども、データベースを活用してお子さんにアクセスしていくという形で、プッシュ型で支援を提供していくことも必要かと思いました。去年の調査研究の中で、行きたいというのが居場所の重要な要素の一つだという話があって、そこの一番上の行に自分を受け入れてくれる人がいるというところに言及がありまして、居場所という場所そのものの中でも、特に顔の見える関係、信頼できる関係があることでつながりやすくなるところはあるかと思っていまして、先ほどもスクールソーシャルワーカーの話が出ましたが、そういった方々に代表されるようなこどもと関係性をつくっていく人たちの存在はすごく重要かと思っています。

ただ、重要なのですけれども、雇用形態や配置の仕方が機能を考える上で重要な条件になるかと思っていまして、これはもし統計などがあれば調べたいと思っているのですが、スクールソーシャルワーカーさんを見ていると、必ずしも全ての自治体で正職員として週5の勤務で契約しているというよりは、会計年度だったり週1~2での契約みたいな形もすごく多いのかと思っています。一方で、そういう雇用形態だけを前提にしてしまうと、地域の社会資源のことを理解しながらこどもと関係性をつくってつなぐところまで、かつ学校との連携も業務の中に入るはずなので、そうした限られた工数の中でそれをやり切るのは非常に難しいと思いますし、不安定な雇用形態の中で人がたくさん流入してきて、キャリアを続けながら成長していけるかと言われると、難しい側面はあるかと思っています。ですから、そうした雇用環境を安定化させていくというところは記載をしておかないと、前回も増やすことが目的化しないという話をしたのですけれども、配置することだけが先走ってしまうと、結果として機能しないということは起こり得るかと思っていたので、そこについては言及させていただきました。

あと、つながりにくいこどもの中で、居場所に行きたくないこどもはいるだろうと思っています。それが必要ないという話であれば、それはそれでいいかと思いつつ、行きたくないけれども自分の話を聞いてくれる人が欲しいとか、落ち着いて過ごせる場所が欲しいみたいな、言っているニーズと本人たちが心の底で抱えているニーズが違うこともあると思っていて、今すぐに居場所につながらずとも、そういうニーズがなくとも、社会の中で見守りを続けていく中で、こどものきっかけやタイミングを逃さずに、回復してニーズが芽生えたタイミングできちんと大人の側が動ける状態をつくっておくことは非常に重要かと思っています。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

それでは、会場のほうの水野達朗委員、お願い申し上げます。

水野(達)委員: 大東市の水野です。

初めて会場に来ましたが、これはどちらを見てお話ししたらいいのですかね。それがカメラですね。すみません。

私からは3-2のところで意見を言わせていただきたいのですけれども、将来的な理想としましては、こどもまんなかチャートのところで、あらゆるこどもをまんなかにしてというところの議論も他の部会でもされているのですが、その関わりのある全てがこどもの居場所をよく知っているというのが理想かと思います。そこではきっと居場所コーディネーターさんみたいな役割がきちんと定められる世の中が見えてくるのかとは感じます。

しかし、現在のリソースで考えていったときに、学校の先生方がこどもの居場所をたくさん知っているというところの意見に行くとは思うのですが、先ほどから意見も出ております、私としてはスクールソーシャルワーカーさんの活用をむしろ重点的に考えたほうがいいのではないかと考えます。学校の先生は多職種連携を頑張っていただくのですが、スクールソーシャルワーカーのほうがその点は経験豊富かという見立てをしております。先ほどもスクールソーシャルワーカーが異動してしまうと、その辺りも難しいのではないかという御懸念もありましたが、ここは結構工夫次第で、各学校付にするのではなくて市教委付にしてしまって、そこで情報連携をする形も可能かと感じます。大東市においては12名スクールソーシャルワーカーの予算をとっていますが、学校付ではなくて市教委付にしております。ですから、ほかのスクールソーシャルワーカーとの情報共有の中で、こういう居場所があるよなどという情報共有も可能かと見立てております。ただ、雇用形態の話も先ほど出ましたけれども、本市でいうと会計年度の職員ですので、このハブ機能を担う人材としてスクールソーシャルワーカーをと期待するのは、私も大変期待するのですが、なかなか在り方といいますか、雇用形態も含めて議論が必要かと思っております。

2点目は、3-1から3-3全てに絡むことなのですが、マッチング機能で、例えばよく選挙前に幾つかの質問にネット上で答えれば、あなたは何々党の考えに近いですみたいなものがありますけれども、これからのテクノロジーの進化を予想していけば、そういうようなマッチング機能も指針に入れておいていただいたほうが、今後そういう議論が進むのではないかと感じました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

それでは、オンラインで5名の先生方からお手が挙がっておりますが、私が見ました順番では、まず、成田委員、光真坊委員、山本委員、青山委員、友川委員という順番になりますので、成田委員からお願いできますでしょうか。

成田委員: 成田です。お世話になります。

僕からは3-1から3-3と4-4の「みがく」のところにも関係してくるかと思うのですけれども、先ほど植木委員や小川委員からあった話とも内容的にかぶるかと思ったのですが、こどもたちが居場所につながっていくのに、自らつながりやすいというかつながれる力がある子と、なかなかつながるのが苦手というか難しい子と、いろいろばらつきがあったりだとか、居場所につなぐという考えでいくと、つなぎのところは居場所ではないという感じになるけれども、いろいろヒアリングなどをしていく中で、関わる人、人との交わりの場面というか、それもある意味、仮の居場所みたいなことになるのかと。特に、つながるのが難しいこどもにとっては、居場所がないとか、居場所にいられなくなってしまったなどということがあったときに、すぐ次の居場所に物理的に行くということの前に、信頼できる人につながって、その人への信頼を通じて次の居場所にということがいいのかと思ったりするので、居場所をつなぐ役割の先ほどいろいろなアイデアがありましたけれども、スクールソーシャルワーカーなり、ハブ機能にいるいろいろな人なり、その人たち自身も仮の居場所になっているということは、指針の中で示していけるといいのかと思いました。

あとは、これもこどものヒアリングのときに聞いて印象に残っていたことなのですけれども、いろいろな居場所があることについて、こども自身が情報を得ていくときに、安心して安全にこどもがその情報を受け取れることが大事かと思います。こども家庭庁やいろいろな公的な機関から紹介される情報や提供される情報だったら信頼できるという話をたしかこどもさんが言っていたような記憶があるのですけれども、例えば居場所が増えていく中で、その居場所自体の安全性を担保するためにも、公的な機能、具体的には僕は各自治体がいいかと思うのですけれども、その自治体、要するに、役所の関係の部署でも何でもいいのですが、そういうところにそういう居場所についての情報を統括できるようなところがあって、そこにこどもや家族がアクセスすれば安心・安全な情報が得られる形になっているといいかと思います。

なおかつ、その場所を誰が担うかということなのですけれども、それが4-4と4-5にも関わるのですが、僕自身もこの会に参加して初めてこんな居場所があるのだということを知った、そのようなことがたくさんありました。つまり、居場所をつくっている大人同士もお互いのことをあまり知らないということがあって、そこの壁を取っ払っていくことが、こどものマッチングの確率を上げたりだとか、より安全に安心してつながっていくことができるのかと思うので、僕の仕事の範囲であれなのですけれども、福祉関係のことで、相談支援事業所というものが福祉サービスを利用するときの仕組みとしてあると思うのですけれども、各役所に基幹相談みたいなところがたしかあって、各事業所から持ち回りでそこの相談を受けるという仕組みがあった気がするのです。要は、居場所についての情報提供だとか、つなぐお手伝いをする役割を持った人が、先ほどのスクールソーシャルワーカーさんや、もしくは各居場所をつくっている居場所の職員さんたちというか、そういう人たちが期間限定で持ち回りで居場所を提供する場で相談を受けたり、情報提供するというような、自治体から委託をする形でハブ機能の部署というか場ができれば、そういういろいろな居場所で働いている人たちが、こどもたちを居場所に安心・安全な中でつなぐという共通の目的で一緒に働く場ができて、そこでお互いを知り合ったりだとか、交流する機会にもなるのかと思います。そのような形を自分はイメージしていました。
以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

次に、光真坊委員、お願い申し上げます。

光真坊委員: 全国児童発達支援協議会の光真坊でございます。

私からは3点、特に障害のあるお子さんのインクルージョンの推進の観点から少しお話をしたいと思っております。障害のあるお子さんもいろいろな居場所にアクセスしやすいように、例えば、ホームページであるとか物理的な移動のところも含めまして、アクセスしやすいように配慮していただけるといいと思っております。今あるいろいろな居場所に障害のあるお子さんが来られても拒否されることはないとは思いますけれども、移動支援などの障害福祉サービスを利用して十分に配慮された中で利用ができるように、もしくは居場所自体が障害のあるお子さんへ合理的配慮の提供をしていただくということも必要ではないかと考えております。

2点目は、障害児相談支援の話。先ほど成田委員からありましたけれども、障害児福祉の分野では放課後デイサービスなどの通所支援をコーディネートする相談支援という仕組みがあります。委託相談、基幹相談も含めまして相談支援と言っておりますけれども、どうしても障害児の放課後の居場所に関しては、保護者の方が利用契約をする制度となっているため、保護者の方が安心して預けられるところを探すという観点になりがちです。これまでの議論からしましても、こどもを中心にしながら居場所を考えていくということであれば、相談支援がこどもの立場に立っていろいろな障害福祉分野以外の居場所についてもしっかりと情報を得ながら、つなげていく役割を担っていくことができるのではないかと考えております。私は今、障害のほうだけですけれども、もしかしたらその他の同様な相談支援があると思いますので、そういう方々も活躍できて、つなぎの役割を担っていただけるといいなと考えています。

3点目ですけれども、障害のあるお子さんが放課後デイサービス等を使っていらっしゃいますけれども、放課後デイサービスはどうしても自分たちの所に囲い込みのような形で利用を促す場合があります。現在、障害児通所支援は移行支援も含めてやるということになっておりますので、障害福祉サービス事業所としても念頭に置きつつ、障害のないお子さんとの交流を深めていけるような居場所へつなげていくという視点も持っていただきたいと思っています。そのためには、障害児福祉の事業所がその他の居場所と連携したり協働したりしていくメニューもいっぱいやっていかないと、そういうことが深まらないのかと思っております。

狭い分野で障害の分野だけのお話になってしまいましたけれども、お話をさせていただきました。ありがとうございます。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、山本委員、いかがでしょうか。

山本委員: ありがとうございます。

前回お休みさせていただいたのですが、そこにも通じるものがあると思うのですけれども、まず、つながる居場所がないという部分が社会的養護にはあって、全都道府県ほとんど里親や児童養護施設はあるのですけれども、その後、つながれる居場所がなくて、相談を受けてもつながれないという部分では、まず最低でも各都道府県に居場所があるというのは大切なことだと感じています。

次に、児童養護施設、里親さんなど、狭い世界のことなので、つながりだったり把握できている範囲では、そこにきちんと情報が行っているだったりとか、いろいろな各都道府県を回らせていただいても、そもそもそんな居場所があるのですねと、アフターケア、自立支援が義務づけられていて、それに対して各現場が把握できていなくて悩んでいる、各自で情報を見つけられた人のみがつながれるという現状があるので、そういう部分では、がっつり見えている範囲で本当に里親、児童養護施設さんにいる間に、職員だったり、安心した空間にいる間に、居場所事業の人が訪問したりとか、会話して直接会わないと難しいのかと感じています。

この前、沖縄の石垣島の児童養護施設さんに行ったのですが、アフターケアだったり居場所事業にかなり取り組もうとしているのですが、本島に行くにも飛行機で30分ぐらいかかるという面で、交通費の面、先生たちも沖縄の本島に出る子も多いので、こういう居場所があるからとつないだりは一生懸命するのですけれども、どうしてこども自身が勇気を出して困ったとしても行くというのにつながらないというのは悩んでいて、私は関東にいたので、関東だと居場所の方々が訪問したりとか、事前につながりを持ちますという話をした際にも、飛行機で30分で職員が行くにも結構困難があって、常に同行してあげたくてもそれができない、そこに実際に苦しんでいるという声があったので、そういう面は特に必要かと思いました。

あとは、社会的養護に保護されていない子たちとかなりつながる率が多いのですが、一時保護でさえも施設、里親に入っていないならば利用できないよという部分では、そういう子たちをつなぐ場所もないというのは大きな問題かと感じています。可能ならばそういう子たちが、大学、専門学校に進学していたり、福祉を学んでいる子もそうなのですけれども、そういう虐待を受けたり苦しんでいる子が集まっている居場所があるよというのを、そういう若者が集まる場で知れる機会もすごく意味があるのかと思っていて、児童養護施設、里親を卒園した後でも、関係性が悪い子はそこから情報も得られないので、大学などに進学していたら、そのときに、児童養護施設、里親の子が集まる居場所があるのだったり、そういうところにつながったときに、本当だったら孤立していて困っている子が助かる可能性が増えるのかと思うと、そういう部分との連携というか、アプローチしていくというのも一つ大切かと思いました。

先ほども話に出ていたのですけれども、SNSで顔を見られたり、どういう活動、どういう場所かを見られるというのは、私の居場所事業は特に宣伝というとSNSしかまさにしていないのですけれども、全国各地からたくさんの子が来てくれるという部分では、本当に若者たちは、今、自分たちで自分の手で情報をつかんで、信頼できるなと。あとはみんなインターネット検索で調べて、この人が危険ではないかどうか自分で調べて私と会ってくれたと実際に多くの若者が言ってくれているので、そういう部分でのSNSだったり、インターネット上での信頼性を築いていくというのは、とても重要なのかと思いました。

社会的養護でもほかのところでもそうだと思うのですけれども、イベントを随時月に1回でも3か月に1回でも打っていくのは大切だと感じていて、私の家も花火大会をみんなで浴衣を着ていくなどあるのですけれども、居場所にふだん来ない子でも、そういうイベントがあることで、私は100人とか300人とかに個人的に連絡を送るのですけれども、そうすると、ふだん来ない子もこの機会に行こうかだったり、このイベントだったらというので、そこからつながったときの会話で問題だったり、相談だったりとか、仲のいい子ができて居場所に通ってくれるようになるという部分では、居場所がありますよという通常の営業もそうなのですけれども、各自イベントだったり、こどもたちが来たいであったり、心が動くような、そういうものを出していくのも大切なのかと思いました。

今回の話合いで結構出ていた大人同士の連携も大切なのかと思っていて、各居場所事業、こういうものがありますよといっても、そことつながっていないので連絡が取りにくいのですとか、どうすればいいか分からないのですというように、そういう相談を受けることもあるので、大人の人たちがまずつなぐ前につなげる環境を築き上げていくというのは、とても重要だと思いました。ありがとうございます。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

次に、青山委員、お願い申し上げます。

青山委員: 青山です。

特に3-2に関わるところだと思うのですけれども、これまで何度もお話に出ているとおり、地域間格差などのことを考えたときに、デジタルのことや学校をハブにするというあたりがすごく重要になるのではないかと思っています。その意味で、学校については、教員やスクールソーシャルワーカーや校内カフェの話題が既に出ていますけれども、もうちょっと登場人物を増やせるといいなという感覚を持っています。一つは「放課後子どもプラン」とか「放課後子ども教室」と言われるような、児童クラブはもちろんたくさんありますけれども、小学校であればそういった取組、また、中高であれば部活動ですね。あるいは塾も含まれるかもしれませんけれども、地域資源の偏りの影響を受けにくい形で多くのこどもが所属している資源としては、そういったものがかなり重要なのではないかと思っていて、まずは部活や塾や放課後の学校が居心地がよくなるとか、居場所にもなり得ることも重要なのですし、そういったところの指導者や関わっている教員の人たちなどがそもそも地域の資源のことをほとんどを知らない状況があるような気がしていて、現実に多くの児童生徒に関わっている仕組みをこういった枠組みの中に巻き込んでおくことが重要になるのではないかと思っています。何かうまくいかない子がいたときに次を紹介できるとか、やめてしまった子にどうアプローチするかということの中で、そういった登場人物を少し増やすという観点で、特に教育関係のところを取り込んでおくことが重要な視点かと思います。

そのときに、放課後を7時間目、8時間目にしないというのは前提になると思いますので、居場所と言っている間に授業みたいになってしまうという状況は避けなくてはいけないということは前提ですけれども、その辺りの広がりを少し強調できるといいかと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

それでは、友川委員、お願い申し上げます。

友川委員: よろしくお願いいたします。友川です。

先ほど前半に植木委員、小川委員からも出ておりましたが、私からもハブ機能の拠点整備を特にこの指針の中では明確化しておくことの必要性があると御提案させていただきます。先ほども登場人物を増やすという御意見もありました。非常に賛成したいと思うのですけれども、そういった入り口部分のつなぐ機能を持つ機能の多様性と選択性は今まで議論に出ていたかと思うのですけれども、一方で、これまでの政策の中でも例えば学校という場所にたくさんの登場人物が出てきております。スクールソーシャルワーカー以外にもスクールライフアドバイザー、ハートなんでも相談員、教育相談員、たくさんの窓口が増えたことによっていろいろなこどもたちがつながりやすくなりという、これは例でございますけれども、一方で、この人たちの働き方が皆短時間労働で、連続的に支援をしようと思ったときに次の勤務までに随分間隔が空くということがあって、これまでの政策の課題の一つに、登場人物を新しい方針が出るたびに増やすのだけれども、どの人も十分な活躍ができないまま散在しているという社会資源をたくさん見てきております。

ですから、今回の指針としては「つなぐ」に関しては、特にハブとなる拠点機能というものに関しましては、先ほどのスクールソーシャルワーカーあるいは植木委員や水野委員からも御提案がありましたシェア率60%以上を全国に占めている児童館、ここには児童厚生員という人がおります。例えばハブ機能を持つ条件として、先ほども出ておりましたけれども、アクセスのよさ、小学校区内のこどもの生活圏域にある資源であること、公共性、全数が多い、そういった観点からも、例えば学校と地域の児童館にハブを持たせるというのは非常に現実的な御提案かと思って聞いておりました。

ただ箱だけではなくて、そこには信頼できる人がいると。この信頼できるという人は、こどもの育ちがよくできているとともに、こどもの権利を醸成することができる専門性を持った人でなければいけないというような、かなり実はここには担保されなければいけない専門性があって、広く居場所にいる安心・安全な大人とは違う立場の大人を置かなければいけない。そのときに、できるだけ既存の社会資源を基に新しい組立てを考えるとしたときに、学校と児童館というのはそういう意味では現実的な御意見なのかと。ただし、スクールソーシャルワーカーも児童厚生員も常勤採用が少ないというのと、特にスクールソーシャルワーカーは、ソーシャルワークの専門職教育を受けた例えば社会福祉士や精神保健福祉士が担っていないという二重の構造にもなっています。ですから、雇用条件プラスどういう専門性を持った人たちにそのコーディネーター業務に就いてもらうのかというあたりも踏み込んだ方向性を示しておいたほうが、これまでの政策の課題を乗り越えることができるのではないかと考えております。

その意味で、学校は全数ほぼ小学校区内にどこにでもあるので、専門性の担保というところで投資していけばいいと思うのですけれども、一方で、例えば例に挙がっております児童館、こちらは年少人口が減少している地域では、こういった公共施設を既に整備していかないというこども・子育て支援計画を立てられている自治体もあります。ですから、安心・安全な大人の居場所を入り口的なものを広げる方針だけではなくて、拠点になる、ハブになる公共性の高い、できれば児童福祉法等に基づく信頼できる専門職の配置が可能な社会資源を置くというマンパワーの投資に関しては、既存のものを探すだけではなくて集中的な投下の必要性も、未来をつくるチャンスかもしれない方針ですので、ぜひハブ機能に関しては、入り口の大人を増やすのとは別に集中的な費用投下も含めて変えていっていただけたらと思っております。

すみません。長くなりました。ありがとうございました。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、今、安部委員と荒木委員のお二人から手が挙がっておりまして、申し訳ないのですけれども、「つなぐ」の時間が過ぎておりますので、お二人の発言の後、次の「みがく」のパートに移りたいと思います。

では、安部委員、お願い申し上げます。

安部委員: 安部です。ありがとうございます。

全部で4点ございます。1点目なのですけれども、共通理念としてのこどもの最善の利益ということです。今、友川委員もおっしゃいましたけれども、私自身が相談に関わる中で、こどもたちを居場所につなげることがあります。しかし、これが非常に難しい。何が難しいかというと、私たち相談機関とつなぐ先の居場所の理念が同じかどうかが問われるからです。その理念というのは、具体的に言えば、こどもの最善の利益の視点から動けるかどうかということです。こども自身が考えていることと保護者や周りの大人が考えていることが衝突することも当然あるわけですけれども、その際に、こどもの最善の利益の視点で考えられるかどうかが非常に重要になってくるので、つなぐ場合の前提としてのこどもの最善の利益、こどもの権利保障を入れ込んでいく必要があるかと思います。

2点目が、理念を同じくする人たちの協議体が必要ではないかということです。これについては皆さん指摘されていますけれども、いろいろな居場所がある中で連携をしていくといったときに大事なのは、おとな同士のお互いの顔が見える、相手との信頼関係ができているかです先ほどから拠点の話が出ていますけれども、様々な居場所の協議体があることで、こどもにとってベストなところをこどもの意見を聴きながら大人と一緒に考えていくことができるのではないかと思います。

3点目が、市町村、都道府県の役割についてです。先ほど小川委員がハイティーン以降の若い人たちの居場所のことをお話しされていたかと思います。小学生や中学生世代のこどもたちであれば、その学校区の周りで移動することができるかと思うのですけれども、高校生以上だとさらに移動範囲が広くなります。そうすると、自分の住んでいる自治体ではなくて、隣のまちの居場所のほうがよいといったことも当然あり得ます。それを考えると、都道府県の役割もハイティーン以降のこどものことを考えると重要ではないかと思いました。

最後、4点目が、これは都道府県と国の役割なのですけれども、災害時のこどもの居場所についてです。災害時は市町村、基礎自治体が居場所をつくるあるいはつなぐというのは、なかなか厳しいものがあります。そうなったときに、例えばDWAT、災害派遣福祉チームの中にこどもの居場所に関わる人たちをメンバーとして入れてもらって、災害時でもこどもの居場所が重要なのだという視点で居場所をつくる、つなぐことができたらと思います。このときに、先ほど申し上げた場所の協議体が活きてきます。地域にある居場所の協議体と連絡を取りながら、災害時のこどもの居場所づくりができるとよいのかと考えました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、荒木委員、お願い申し上げます。

荒木委員: 先ほど、こどもに対して安全な情報がちゃんと届くにはということで皆さんからお話があったと思うのですけれども、実際にまだ学校からはプリントという形でこどもたちに情報が届けられることが多いのですが、持って帰ってきて、子どもが自分は関係があるとは思わずに親に渡して、そこから親が選別をするということが始まるのですけれども、この間、そういうときにこどもへの情報提供はどうしているとお母さんたちで話をしたときに、自分が連れていくと思ったときに大変なものに関しては見せないという話があったのです。それというのは親都合で情報を選別しているということがあって、きちんとこどもに届いていない現状があると思うので、SNSのいい活用の方法などが必要だと。

あと、フリースクールなどに通っているこどもたちで、どうしても自分の足で行けないからそのフリースクールを使えないという子たちもいたのですね。私はファミリーサポート事業などもしているので、こどもの送迎ができるのですけれども、私たちの地域ではまだ有償、お金がかかるので、お金がないと使えないという現状があります。タクシーもそうですね。ただ、来ていただかないとその場は使えないということがあって、どうしても送迎ニーズはあるかと。公的なアクセスができればいいのですけれども、地域上、こどもと居場所の距離がある場所でそういうことが起きるので、支援する側として車の確保とか、送迎する人など、いろいろなものが費用としてかかってくるので、助成金が取れていたときには送迎をしていたのだけれども、助成金がなくなったら待つだけの場所になってしまったというところも結構ありました。ですから、そういった送迎ニーズに応えていくとか、オプションとして居場所に送迎をつけるみたいなことも考えていく必要があると思って発言しました。ありがとうございます。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、皆さんに「つなぐ」についていろいろ御意見をいただきましたので、時間が押していますので、続いて「みがく」のパートに入らせていただきます。皆様、この「みがく」の部分も同様に御意見がありましたらお手を挙げてください。お願いします。いかがでしょうか。

小川委員、お願いします。

小川委員: ありがとうございます。

4-1に関してなのですけれども、大切にしたい視点みたいなところでいうと、前年度の調査研究でかなり具体的に提示されているものがある中で、すごく要点もまとまっていると感じるので、この点に関しては前年度検討いただいていることを基に記載をいただければいいのかと感じています。

4-2の安心・安全の点では、既に湯浅委員や今村委員が資料で指摘されているように、居場所への注目が高まっていく中で、こどもの居場所を利用した被害に関しては留意をする必要があるのではないかと考えているので、そこに考慮したような指針となっていけばと考えています。

4-3のこどもの声を聞くという点に関しては、こども家庭庁ができてきたことで、こどもに対するアンケートをしてみるとか、こどもの声を聞くことへの重要性がすごく社会的に関心が高まっているとは感じるのですけれども、ただ、一方で、その聞き方というものが、これまで各現場で皆さんが地道にいろいろ取り組んでいる中で、本当に大事にされている本質的な部分が抜け落ちてしまわないかという危機を少し感じているところもあって、今後指針ができて居場所への認知が高まる中で、すごく留意していかなければいけない部分なのではないかと感じています。調査研究とかプレーパークの先進的な事例のお話もヒアリングの中であったりしましたけれども、そういうところで具体的にされていることもストーリーベースで事例として紹介するなど、工夫したような紹介や表記ができればいいのではないかと感じています。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

御意見、ほかにいかがでしょうか。

関戸委員、お願いします。

関戸委員: 「みがく」ということで、私からはそこに関わる人材の育成に関して重要なのではないかというので、今、小川委員からもプレーパークの話が出ましたけれども、こどものニーズに寄り添うとか見守るときの在り方について、そういったことがきちんとそれぞれの分野の居場所の中で確保できるような人材育成の仕組みづくりに関しては、とても重要なのではないかと思いました。

これも人材育成の一環なのですけれども、自分自身の居場所にいる大人たちが自分の実践を振り返るというリフレクションと呼ばれる分野なのですけれども、そのリフレクションの手法を身につけたり、専門に関わる人からボランタリーに関わる人たちにまでリフレクションができるような機会や認知、リフレクションの必要性を認知させていくことが重要なのではないかと思っています。なぜならば、こどもに関わったとき、ここに「みがく」とあるのでブラッシュアップしていく必要があるわけですね。実践をブラッシュアップするというのは、大人である自分自身のやりたいだけではなくて、こどものやってほしいことやニーズと自分の実践がどうだったかを照らし合わせながら客観視する視点がすごく重要なので、それについてはリフレクションの手法がすごく重要なのではないかと思っているのですけれども、これは対人支援の仕事全てに必要なのではないかと思うのですけれども、まだあまり十分なリフレクションに関する研修の機会なども、今、居場所に関する分野横断的に見ても充実しているとは言い切れない状況なのではないかと思いますので、人材育成の充実、人材育成の中でも特にリフレクションに関しては重要なのではないかと思ったので、この居場所づくりの「みがく」という視点の中には、実践のブラッシュアップというあたりは入れていけるといいなと思って、意見です。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

大竹委員、お願いします。

大竹委員: 大竹です。ありがとうございます。

これまでの先生方の御発言は全て同意できるというところで、ここで「みがく」ということなのですが、これまでのところでも主体的な遊びができるような場所ということが指摘されておりますけれども、児童福祉施設の中に児童遊園が規定されているのですね。そういう規定されているところで、設置基準等もある中で、それが全国で2,000か所程度あるというところでいうと、改めてこの児童遊園も活用する視点、なかなか光が当たっていなかったわけですけれども、全国に2,000か所児童福祉施設としてあるという児童遊園を、もう一度活用という視点から考えていってもいいのではないか。地域の中にこのような遊びの空間があるので、そこを主体的な遊びができる場所に出来ていければ良いと思う。公園では禁止事項が多々あって、こどもたちは外でボール投げ禁止等々があるので、そういう意味では、児童福祉施設である児童遊園はこどもの主体的な遊びを展開できるようなものに改めて考えていくという、そういった視点も必要ではないかというところを意見として言わせていただきました。ありがとうございました。

前田部会長: ありがとうございます。

先に菊池委員のお手が挙がっておりますので、菊池委員、お願いします。

菊池(真)委員: ありがとうございます。

4-4、4-5のところに触れたいと思いますけれども、4-4の連携・協働の部分ですけれども、民間団体や行政との連携のハードルを下げていきたいとは思っておりまして、カナダのコミュニティーハブ、コミュニティーセンターを見学させていただいたときに、そこがワンストップになっているとお話を聞いたことがありまして、行政との連携もスムーズに行われているということがありましたので、そういったところからの学びを得ることができるのかと思いました。

また、4-5では、学び合いというところですが、先ほどハブというお話も出ていましたが、すごくいいなと思っていまして、関係地域の中で連絡会を行ったりとか、共に勉強会を行ったりということはすごく有益だと思いました。その主体がどこになるのかとか、こども家庭庁から、行政からお金が出ていくのかとかはまた課題とは思うのですけれども、そういったところに費用も充てられていくことと、また、支援者の支援も必要ということも言われていますけれども、居場所も対人支援なので、長く開いていたりするとかなり消耗する場ではあると思いますので、支援者もしっかりとケアを受けられるとか、カウンセリング体制を受けられるとか、ちゃんとSVを受けたりとか、先ほども出ましたが、リフレクションを受けたりとか、そういった場がきっちりと取られていくような、そういったところにも費用が充てられていく必要があると思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

それでは、水野かおり委員、お願い申し上げます。

水野(か)委員: ありがとうございます。水野です。

先ほども少し触れましたけれども、よりよい居場所になるために、大人の役割はすごく大事かと思っております。先ほど友川委員からもお話がありましたが、児童館という場所には有資格者の専門職という形で職員が存在しております。また、児童厚生員の職種ですが、小中高教員免許であったりですとか、社会福祉士であったりですとか、保育士であったり、こどもに関する1つではない様々な職種の専門性を持った職員の集団ではありますので、それに伴って様々な研修を受けている職員でもあります。

また、児童館ですけれども、ガイドラインの中には、こどもの意見を聴くですとか、乳幼児親子の支援ですとか、様々な項目が書かれておりまして、基本的にはその項目に従って児童館の職員も運営をしているということがございますが、この間もそうですけれども、DBSですね。性的問題についてですが、児童館の職員もこどもに関わる職種として、ここについては倫理もとても必要なのかと思っております。どういう形であろうと倫理の部分がよりよい居場所であるためには必要であるということを記載していただけたらとは思っております。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

次に、宇地原委員、お願いいたします。

宇地原委員: ありがとうございます。

僕は「みがく」の4-4の他機関との連携のところでお話ししたいと思います。この指針がつくられていった先に、自治体での取組強化や事業化ということは起こってくるだろうと思っていまして、一方で、担い手として民間が想定されるところはあるかと思っていますので、公民のパートナーシップ、上下なくきちんと対等に関係性をつくれることが重要だと思っています。

そこに通ずる事象として、自治体で事業を行っていく際の公共調達という部分に関しては、課題が起きてくるかと想定しています。公共事業の委託は様々な形態があると思いますが、価格を重視した入札みたいな形態でこうした対人支援の事業が調達されることもあるのですけれども、人件費が大半となる対人支援の事業の中で、価格競争によって事業の担い手を選んでいくことが起きますと、予算を減らそうと思うと、人を削るしかないのですね。そうなっていくと質が保てないということは確実に起きていくかと思っています。もちろんいい事業が安くできるのであればそれが一番かとは思っているのですけれども、難しい状況はあるはずで、事業の内実を適切に評価して、特にこどもの声からちゃんとフィードバックを受けて、いい事業なのかということを見ていく必要があると思っています。

ただ、一方で、そもそも担い手がいないというか、選んでいられない地域はあるだろうと思っていまして、そうなった場合に、どうしても市場の原理で全国的なリソースを引っ張ってくるしかないと考えられるところもあるかと思います。これは逆に言うと、もうからなければ誰もやらないみたいなことが今、起きているのではないかと思っています。改めて公共調達を考えるに当たって、自治体の中でのリソースで持続可能な形でやっていけるというところは一つの理想だと思っていまして、今の委託の形態だけではなくて自治体のリソースを育むという視点で、そういう発想で投資していくというか、事業を出していくのも非常に重要かと思っています。例えば1つの事業者に出すのではなくて、コンソーシアムで受託をしてもらって幾つかの小さい団体を育てていくとか、そういうやり方を幾つか示していきながら、自治体の事業をやりつつ地域のリソースも育まれていくということを目指していく必要があるかと思っています。

もう一つ、連携の部分については、特にハイリスクの分野においては児童福祉法の中で書かれているこども家庭センターが連携の中心的な機能を担い、要保護、要支援のこどもたちのサポートプランをつくっていくことが明記されていると思います。そこが機能していけばかなり前進する部分はあると思いつつ、今の体制の中でさらに行政に仕事が乗っかってくる形になるので、体制を強化していくということであるとか、専門性を高める意味でスーパーバイズを入れるとかということをしていかなくてはいけないだろうと思っているので、そうしたところが指針の中で明記されるといいと思っています。

また、具体的な連携のところで、要対協が具体的な会議体として想定されるかと思っていますが、実際に機能しているかどうかが非常にポイントかと思っていまして、こども家庭庁さんで要対協の検討部会か何かが恐らくあって、報告書も出ていると思いますが、個別のケース会議とかでいくと、なかなか情報共有だけしてアセスメントに至らない、具体的な打ち手に至らないというところで検討が止まることは多くあると報告されていますし、実施頻度がまばらだったりとか、どのように運営するのかもよく分かっていないみたいなところで、要対協自体も運営の仕組み化をするなり、ガイドラインを策定していくことは求められるかと思っています。ここについては幾つかの自治体で既に先進的なものも生まれているかと思いますので、そうしたところを参照しながら指針の中にも盛り込んでいけるといいのかと思っています。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

水野達朗委員、お願いします。

水野(達)委員: 私からは4-3のところで1点です。資料の1ページの「『こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)』の章立てのイメージ」のこちらのページで見ますと、第3章の1.視点の構成、その下の行に各視点に共通する事項として「こどもの声を聴いて、こどもの視点に立つこと」というように共通の事項としてここに掲げられております。その上で、4-3のところに戻っていきますと、こどもの意見表明権のところの内容かとは思うのですけれども、こちらでは「こどもの声を聞き、その声が反映されるこどもの居場所づくり」となっていて、「みがく」の項目の文言としては、ここは反映が大事なのだというのも一定理解はできるのですけれども、私としては「こどもの視点に立つ」という、ここが一番大事ではないかと感じていまして、文言のチョイスは大切かと思います。

また、これが我々のような教育委員会であるとか、基礎自治体に示されたときに、「反映される」という言葉と「こどもの視点に立った」では、実は結構差が出てくるのではないかという懸念もあります。もちろんアドボカシーとしてはこどもの声が反映されるほうが大切なのですが、私としてはこの視点に立ったという表現がいいかと感じました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

成田委員、お願い申し上げます。

成田委員: のぞみの園の成田です。

先ほどの発言ともかぶるのですけれども、居場所を担っている大人同士、また、先ほどのハブ機能を担う候補として挙がっているスクールソーシャルワーカーさん、社会福祉士さん、児童厚生員さんなどいらっしゃると思うのですけれども、少なくとも現状ではそれぞれ何かしら専門の資格を持っていても、偏りなくバランスのいい情報を網羅している方はいないと思うのです。みんながバランスよくそういう情報を持っていくには、交流しない限りは均一化していかないということがあると思います。違う領域で強度行動障害といって自閉症の方で行動障害が強い方に関してのいろいろ地域の支援の形をつくっていく取組にも携わっているのですが、そういうところでも行政で協議をする場をつくっていただいて、そこにいろいろな居場所を担っている方やつなぐ役割をメインに関わる人たちを呼んでいただいて、定期的に情報交換をしたり、勉強をしたり、あるいは先ほどのリフレクションとかそういうことも含めて、継続的に交流や地域のレベルアップを図っていく、みんなで点検をするというような、そういう機会をつくっていけるといいのではないかと思います。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

次、安部委員、お願い申し上げます。

安部委員: 安部です。

3点ございます。まず、4-3に関してなのですけれども、先ほど小川委員もおっしゃっていたのですが、こどもの意見反映が今、非常に注目されているかと思います。こどもにとにかく意見を聞かなければとなっているのかと思うのですけれども、その前提として、そこにいていいのだとか、無理に意見を言わなくても大丈夫だよというところは、大事にしていきたいと思います。つまり、「子どもの意見」にばかり注目するのではなくその前提となる「子ども参加」の裾野を広げること、ここには意見表明しない権利も含めて考えることができたらというのが1点目です。

2点目なのですが、同じく4-3で、この居場所づくりに声を反映するということで、現場レベルのことがここには書かれているかと思います。少し俯瞰して見たときに、公的なもの、例えば放課後児童クラブや児童館に関しては、第三者評価にこどもの声を入れていくような仕組みをつくることも考えられるかと思います。あるいは両者は指定管理者が今、たくさん入っていると思いますので、指定管理者選定の際にこども委員を設置して、こどもの意見を反映していくようなこと、そのような仕組みをつくっていくのはあってもよいのではないかと思います。

3点目なのですけれども、「4-5 こどもの居場所づくりの担い手が、課題の取り組みから学び合うために何が必要か?」について、省察、リフレクションについていろいろ言及があったかと思います。非常に大事だと思いながら聞いていました。特に、単に振り返るのではなくて、こどもの権利の視点から振り返ることが重要であろうと。その際に、こども・若者の参加でこの振り返りができたらいいと思いました。具体的には、講習や研修は大人が中心になるのかと思うのですが、実践者同士の交流をする際には、若者やこどもも全国から集えるような仕組みがあるといいのかと。そうすると、これは基礎自治体ではなかなか難しいので、都道府県や国にやってもらえるといいのかと考えました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、今、湯浅委員、菊地英一委員からお手が挙がっておりますので、まず、湯浅委員、お願い申し上げます。

湯浅委員: ありがとうございます。

私、先ほど御紹介いただいたように、資料を事前に提出していますので、先ほどは発言しませんでしたが、先ほどの論点も含めて詳細はそちらを御覧いただければと思います。

その上で、このパーツは少し余裕がありそうだと見て発言させてもらえればと思いますが、4-1について少し意見を述べさせていただきます。こどもがその場を居場所と感じるために必要なことは何だろうかということです。居場所とは何かということになるかと思うのですけれども、居場所というのは、人が安心できてありのままでいられる場所、またはそのような関係性を当人が感じられる場のことをいうのだと理解しています。そうなると、当人がどう感じるかが重要で、時には第三者はそのようなことは理解できないという場所でも、本人がとてもそれが大事だ、大切な自分の居場所なのだと言えば、例えばそれはその人にとって居場所だということになるのだと思うのです。ですから、居場所というのは個人的で主観的な概念なのだということをまず踏まえたいと思っています。

そしてまた、昨日は居場所と感じていたのだけれども、今日はそこは自分にとって居場所ではない、こういうことは私にとっても幾らでもあります。関係性が変わると、物理的には同じ空間であっても、先月まで学校が大好きだったけれども、今月はもう学校に行きたくなくてしようがないみたいなことは幾らでも起こるわけで、そういう意味では、居場所とは暫時的な概念であると、これも確認しておきたいと思っています。

そういう意味で、個人的で主観的で暫時的な概念なので、一般的にはそんな場所は健全でもないし道徳的でもないからよろしくないのだと言われるような場所であっても、本人にとっては大事な居場所だということがある。それを一般的には健全でもないし道徳的もないからみたいな理由でそこは居場所でないというように第三者が決めつけることはできない。学校はどんなに学校が嫌いな子もそこは学校でないとは言えないと思いますが、居場所はもうその人が居場所ではないと言ったら少なくともその人にとっては居場所ではない、そういうものなのだということを認めなくてはいけないと思っていますので、第三者、特に行政が居場所と認めた場所しか居場所として認められないという社会は、私は自由な社会とは言えないだろうと思っています。

そう考えていったときに、学校が居場所になれるか、あるいはなるべきかというのが非常に悩ましい問題だと思っていて、これは学校だけではないのですけれども、居場所というのはありのままの自分を受け入れてくれる、言い換えれば、何かをすることもいいけれども、何もしないことも許容される、何かをしないことも受容される時間や場所や人を確保していくというのが、ある種の居場所づくりということになるのだと思うのですけれども、学校というのは教育の場であり学習の場ですから、教育しないことあるいは学習しないことを受け入れることが、これは学校の否定にもなりかねない話なので、学校で何もしないことを許容するというのは、非常に困難だろうと思っています。

では、学校というのは居場所にはなり得ないのかというと、それも違うだろうと思っていて、学校は教育する場、学習する場ではあるけれども、適切にそうやって自分の存在を受け入れてくれるような時間や場所があるから学習する意欲も湧いてくる、休みがあるから頑張る気力も起こるとか、あるいは従来学習や教育と言われていなかったようなプロジェクト学習や体験学習も、近年では学習であるということを認められるようになってきている。そう考えると、学習概念の更新や拡張が現実には起こっているわけで、そう考えたときには、学校が居場所になるということは決して学習や教育の否定ではないのだと、学習や教育と居場所づくりは両立するのだということは、これは学校に限らないですけれども、何かをする場所、前回の会議では若者サポートステーションは就労支援の場所だから、そういうところでまったりしているような居場所になってはいけないみたいな言い方があるのだということもありましたけれども、それも含めて何かをすることと存在を受け入れることは両立し得るのだということを、ぜひこの居場所づくり指針では訴えられたらと思います。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、菊地英一委員、お願い申し上げます。

菊地(英)委員: 調布市の菊地でございます。

本日はほかの用務がございまして、途中からの参加になりまして、申し訳ございません。そのこともありまして、事務局の皆様のお話であったりとか、ほかの委員の皆様のお話を聞けていない中ですので、既に説明済みであったり、重複しているものがあるかと思いますけれども、意見を述べさせていただきたいと思います。

論点資料に付随するような形で推進体制の内容があるかと思うのですけれども、資料上の例示としてこどもの貧困対策大綱に位置づけられた役割分担というものが示されているのですけれども、こちらについて、参考になるとは思うのですけれども、こどもの居場所という観点では不足を非常に感じているところでございます。これまでの部会で行われたもの、あるいは事務局で行っていただいたヒアリングに鑑みましても、こどもの居場所に関係する団体、機関というのは、こどもの貧困対策に関するそれよりもはるかに幅が広いのではないかと感じております。とりわけヒアリング内容や私自身が居場所や自立支援、そういった業務を担当しておりまして感じているのは、その主役というのが自治体だけではなくて民間団体であるということで、民間団体が魅力的な居場所であったり、自立支援を行っているというものです。これまでも自治体に期待する声は聞こえておりますことを理解しておりますし、地域の課題解決といったところについて自治体が中心となって臨むこと、異議を挟むつもりはございませんが、貧困対策大綱と比較してより民間団体に強くスポットを当てて、民間団体による居場所づくりが広く行われるように指針の示し方というのですか、そういったものをやっていく必要があるのかと感じております。

また、これというのは、自治体のみならずこども家庭庁さんも抱えている課題かもしれないのですけれども、貧困対策と比べてこどもの居場所に関係する省庁や自治体における部署が多岐にわたっているように感じております。例えば学校に関しては文科省、教育委員会、障害児童の居場所や心の悩みについては障害福祉分野を中心とする障害福祉分野あるいは福祉分野、その他いろいろな分野にまたがっていたりすると思うのです。多くの省庁や自治体の部署が関連していることは間違いないと思っています。以前の事務局の御説明の中で、学校や教育委員会、文科省に対しての提言については限界があるというニュアンスの話があったかと思うのですけれども、学校以外のものに関しましても、こどもの居場所づくりのために同様に省庁の壁や自治体の中での部署の壁を越えて、またいで取り組まなくてはいけないことはあるのかと感じております。ついては、こういった指針の策定に当たってなのですけれども、省庁をまたいでとか、自治体においては分野を超えての連携や推進体制を構築する必要があることを示していくことが必要であると感じております。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

続きまして、会場におられます関戸委員、お願い申し上げます。

関戸委員: 4-3の「こどもの声を聞き、その声が反映されるこどもの居場所づくりとは?」のあたりでの意見ですが、こどもの声が必ずしも100%こども自身の本心だったり、やってみたいではないということもあり得るだろうというのは私の経験的に感じていまして、大人が聞きたいことを言ってくるということが結構多いわけですね。この大人はきっとこういう答えを求めているのではないかということで、声そのものだけであると大人の求めたものしか言わない、ただ、その子自身の行動や気持ちは、それとはまた違ったところに実はあるということもあったりすると思います。

私は遊びの場が主にフィールドなので、こどもたちの声以上にこどもたちの行為ややってもいいのだ、言ってもいいのだという気持ち、感じた体験の中からこども自身が権利を学んでいくことを多く見てきました。そういった意味では、大人が用意した居場所の器そのものがこどもの声の出方の加減と大きく関わってくる可能性もあるというところは私たち大人がきちんと認識していないと、こどもの本来持っている思いや行動のやってみたいというところを矮小化して評価してしまうことがあるのではないかと思っています。

声を聞くというのはとても大事な視点ですけれども、声以上にこどもの行動ですね。こどもたちに権利を学ぼうよと言っても、権利って何という話にきっとなってしまうと思うので、権利を学ぶということを前面に出す、もちろんここに権利を学ぶということを前面に出しましょうということが書かれているわけではないのですけれども、こどもたちは居場所にいる中で、自分の行動や自分の発言が大人たちから認められて、そのことが失敗してもいいのですけれども、トライできるという、そういう体験の中からエンパワーメントされて、自分自身の権利について学んでいくと私は思っています。ですから、そういったことを踏まえた指針の内容が、どのように表現できるかは私も難しいなと思いながら、この今ある資料を見ながらの意見でしかないのですけれども、あくまでもこどもたちの声そのものだけにフォーカスしてしまうと見落としがあるという、そのことについてお伝えしたくて発言しました。ありがとうございます。

前田部会長: ありがとうございます。

次に、成田委員、お願いします。成田委員の御発言の後に休憩に入りたいと思います。お願い申し上げます。

成田委員: 成田です。

先ほどの自分の発言の中で、行政のほうでいろいろな居場所を担っている方たちが集まって、そのような場をつくってほしいというときに、この会もそうなのですけれども、「こどもの居場所部会」という、この「こどもの居場所」というキーワードで束ねていただけると、まさに居場所づくりをしているのだということをメインのモチベーションでやっているところだけではなくて、既にある例えば障害分野でいえば放課後デイサービスとか、居場所ということだけではないところで、療育だとかいろいろなことでやっているのだけれども、実は居場所の機能も自分たちが担っているのだという文脈で、いろいろな異分野の人たちが集まることができるし、交流ができるので、ぜひこどもの居場所というキーワードでいろいろな人たちを束ねてもらえるといいと思うのが一つです。

もう一つ、4-2「安心安全が保障されたこどもの居場所づくり」というところで、こども自身が居場所の中にいるときの安心・安全もそうなのですけれども、例えば何かしら居場所の中で不安やトラブル、困難が生じた場合に、そのこどもが誰に相談すればいいかというか、どこを頼ればいいかみたいなこと、セーフティーネットというか、そのような役割、機能も大事かと思っていて、それはこの前のタームの「つなぐ」のところの機能がもしかしたら担うのかもしれないのですけれども、居場所にはつながってはいるのだけれども、そこでいろいろ不安が生じた、でも、まだつながっていたいとか、あるいはもうつなぐ先を替えたいということでもいいのですけれども、困難が生じたときに、こどもの安心・安全が危ぶまれたときに、そういったこどもがちゃんとつながれる場、機会をつくっていくというのも大事なことかと考えています。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、一旦休憩を取りたいと思います。再開は5時10分にいたします。よろしくお願い申し上げます。

(休 憩)

前田部会長: それでは、再開したいと存じ上げます。

「ふりかえる」のパートに入りたいと思うのですけれども、休憩に入りましたので、まだ「みがく」の部分で御意見を言いたかった委員の方がおられましたらそれも構いませんので、「ふりかえる」の部門に移りたいと思います。

それでは、御意見あります方、どうぞ。

植木委員、お願いします。

植木委員: 植木でございます。

5-2の進捗状況の測定ですか、この辺りに該当するかと思いますけれども、例えば先ほどの「つなぐ」のところで安部委員が協議体の必要性について発言されておりました。あるいは山本委員が大人同士の連携、すなわち、つなぐ前に大人同士がつながることという発言をしておりますし、成田委員は「みがく」のところでスタッフ同士の交流の必要性ということも発言されておりました。すなわち、こどもの居場所協議会のような、そういった仕組みも想定されるかと考えられます。湯浅委員は意見書の中でこどもの居場所づくり推進会議の設置を提案しております。これはまさにこれに該当する内容かと思われます。いずれにしましても、3のところでも少し議論がありましたハブ拠点のスタッフの議論、この辺りと併せて定期的な振り返りができること、あるいは地域の情報の適時の更新ですね。それから、更新された内容の共有、これは定期的に把握しておかなければ提案もつなぎもできませんので、そうした一定の機能を持つこどもの居場所協議会のような仕組みづくりも一つあり得るかと考えました。

以上でございます。

前田部会長: ありがとうございます。

それでは、小川委員、お願い申し上げます。

小川委員: ありがとうございます。

最初に、5-1、5-2に関してなのですけれども、先ほどの議論でも提示されましたように、居場所があるなしの増減みたいなところは、こどもたちの主観があって決めるという視点はすごく大事にするべきではないかと思っており、それを踏まえた上で増減を評価するのであれば、それができるような仕組みに、具体的にこういうものがいいのではないかということは私の中ではまだアイデアがないのですけれども、できる必要があるのではないかと思っています。

また、この点に関しては、ほかの項目でも出てきているように、別途検討すべきではないかと考えていて、特に居場所というものをどう評価するかというところは、数値的な部分だけではなくて、質的にそこにいることでどのようなことが起きるのかなどを含めて、もう少しストーリーベースでの居場所の意義や意味みたいなものを考えていく必要があるのではないかと思っておりますので、その辺りについてはもう少し丁寧に議論をしていきたいと思っています。

5-3に関しては、こどもの居場所の意義みたいなところを考える上でも、とても重要な要素ではないかと考えているので、ぜひ総論のところにもここで議論されるようなことは入れていくべきではないかと思っています。特に居場所がないという状況がどういう状況なのかというのは、私も様々な若者に出会う中で、心や体を守って生きるみたいなところとすごく直結する問題であると感じていて、湯浅委員も資料の中で指摘してくださっているように、居場所があるということ自体がこどもの権利の一つとしてすごく大事なのではないかと思っています。特に居場所があるだけではなくて、そこでの人との出会いや経験みたいなことが、そのこども・若者の未来の可能性を広げたりとか、選択肢を広げるという意味ですごく大きな要素だと思っていて、特に出会いや経験が乏しい若者にとっては本当に大きな、どのように表現するのが一番いいのかといろいろ考えたのですけれども、ある意味、社会的な投資みたいなところであって、彼らがこれまでの人生で得られてこなかったことを社会で支えて、様々な可能性や選択を広げるという意味で、すごく重要なものではないかと思っています。

5-4に関しては、本当にこれまで出会ってきた若者の中で、居場所がないであろうとか、なかったであろうと思う若者は、彼らが置かれた環境や様々なハンデが理由で、どちらかというと居場所へのアクセスを閉ざされているみたいなところ、そのように表現したほうがいいように感じていて、湯浅委員が事前の資料で指摘してくださっている各指摘に私はとても共感をするところです。特に居場所がないというものをどのように捉えるかに関しては、もしここでそういう表現をするのであれば、注釈みたいなものが必要だと思っていて、これはほかの孤立・孤独対策の中では、孤立や孤独というのは社会的に環境の変化によって起き得るものなので、社会全体で責任を負って取り組まなければいけないという指摘がされているように、こどもの居場所に関しても、そこは同じような形で取り組むべきではないかと考えております。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

それでは、山本委員、お願いできますでしょうか。

山本委員: ありがとうございます。

1個前の「みがく」のほうでも発言するか悩んだのですけれども、一言言わせていただきたいと思っていて、自分自身も当事者としていろいろな居場所を利用したり、自分も運営している中で、どのようなことが本当の居場所なのか、自分自身も課題としてすごく考えていたのですけれども、4-1にしても、4-3にしても、全部に併せて信頼関係が必要だと思っていて、その上で社会的養護の居場所だけではなく、福祉の児童館であったり、いろいろなところで働いたり、現場を見たこともあるのですけれども、人材が継続して働き続けることが児童相談所にしてもどこも困難であって、居場所ができてもそこからさらになくなるという喪失体験で、みんながもう助けを求めないとか、それこそ本当の意味で孤立して、最悪の場合、死に至ったり、犯罪に行ってしまったりと。みんな助けを求めていなかったり、居場所につながれていないわけではなく、多くの子と関わっていて思うのは、つながったり、1回は差し伸べられた手をつかんだけれども離れてしまった、喪失するしかなかった環境が、もちろんその子の状況によって離れなければならないときもあるかもしれないのですけれども、多くは環境を整備したり、もう少し居場所の在り方を見直すことで絶対に改善できる点が多く感じているので、そういう部分では、一番は居場所だったりそういうところを運営している方のメンタルケアや、その人が続けていける金銭面もそうだと思うのですけれども、その人の人生も大切にしつつ、本当にそこに来る子たちのことを思って継続できる、そこの最低限の部分を整えていくことはとても必要だと思っています。

次に、5の「ふりえかる」の部分で、5-1の「居場所がある・ない」のこどもの数の増減の把握という部分で、社会的養護に関して、えんじゅという以前もお話ししてもらった団体さんなど把握できるようにとはなっているのですけれども、私がすごく思うのは、実は社会的養護やそういうものは民間も多くて、一般社団にもNPOにもしていないとなると、そういうところにどのようにお声がけしているか分からないのですけれども、まこHOUSEも個人でやっているので、公に出ている場所には発表されていないという部分で、何でそこには入っていないのと多くの子に聞かれて、そうしたらもっと早くつながれたのにと言われるという部分では、国が一度そういうものをやっている個人の方も含めて把握するというか、自分たちでやっている方に登録してもらうだったり、そのように把握できる機会が設けられることで、もっと実は自分の身近にあったのだという潜在している居場所につながる。その居場所をやっている人たちが、今、やっている範囲でいっぱいいっぱいだからというよりは、どうやって知ってもらうかをうまくノウハウがなかったり、中には御高齢でそういうことをやってくださっている方もいるので、そういう方々の思いでやっているところも見つけてもらって、どんどんつなげてもらえる仕組みづくりが大切かと思いました。

抽象的になるのですけれども、5-3の「居場所がある・ない」に関しては、ハイリスクのケースが私の場合は多いので、居場所がないというだけで本当に死につながるという、そこは大きいという部分では、そこだけはお伝えしたいと思ったので、社会的養護に関して、特に児童養護施設、里親、見えていることはたくさんあって、できることはたくさんあると感じているので、指針に関してもそこはしっかりと今後変わっていけるようになっていったらいいなと思いました。

以上です。ありがとうございます。

前田部会長: ありがとうございます。

ほかに。

宇地原委員、お願いします。

宇地原委員: ありがとうございます。

5の検証するかというところで、まず検証のスコープみたいなところなのですけれども、今の内容だと、居場所の中で起きていることをどう測定、把握していくのかという話だと思いますが、居場所の中で起きていること以外についても振り返り・検証の射程に入れていく必要があるのかと思っています。例えば居場所を利用しようと思ったり、紹介してみたけれども、つながらなかったケースは絶対にいるはずですし、つながったけれども、つながるまでに実はすごくいろいろなハードルがありましたとか、居場所を出た後に再び孤立してしまうみたいなことは起きるはずで、居場所という空間の中でどう過ごしているかということに加えて、外で何が起きているかも併せて議論をしていく必要があるのかと思っています。

次に、居場所をどう評価・検証していくのかということで、個々の居場所への評価の視点もあると思いますし、一方で、自治体みたいな少し広い視野で捉えたときに、量的に確保がされているのか、あるいはアクセシビリティーがあるのかといったことも評価になると思いますし、担い手が総量としてどれぐらいいるのかみたいなことを広域自治体が把握していくみたいなことも必要かと思っていまして、どのレイヤー、視点で誰が何の評価をするのかがある程度整理される必要があるのかと思っています。それについては、論点(案)の中の3ページに官民の役割整理というところがありますが、そこに近しい形で整理がされていくといいのかと思っています。

具体の話で、最後に個別の居場所をどう強化するのかということに関して、そもそも考え方として、評価や可視化が非常に難しい領域だということは明言しておいたほうがいいかと思っています。かつ場合によっては評価という行為が入っていくことによって、居場所という場のよさが崩れてしまったりとか、こどもたちの安心・安全が毀損していくことも起き得ると思っています。ですから、そこについては注意をしながらやる必要があるということは、今回の指針の中で認識を合わせられたらと思っていまして、一方で、振り返っていくということを考えると、何かしらの基準や手法を示していく必要もあるのかと思っています。そこについては具体でこれまでもたくさん意見が出てきていますが、僕も小川委員と同様に、別途きちんと検討の場を設けて実証性を高めていくことが必要かと感じています。

以上になります。

前田部会長: ありがとうございます。

会場からも手が挙がっておりますが、成田委員が先ですので、成田委員、先にお願い申し上げます。

成田委員: 成田です。何度もすみません。

先ほどの山本委員のお話ともかぶるのですけれども、僕もターゲットの子に主に関わっているので、いろいろトラウマを抱えたお子さんに関しては、例えば居場所と言える場所に関しても、そこにいたいという思いをそのまま安定して分かりやすく出すことはできなくて、むしろ逆にその居場所をつくっている大人のことを攻撃してしまったりだとか、大事にされればされるほど、むしろ本当は自分に関わるのは嫌なのでしょうなどという形で、逆の態度を示してしまうということが多々あります。そうすると、居場所づくりを担っている大人は非常に精神的に疲弊をして、結果的にその居場所の継続が難しくなって、こども自身も自分の居場所はないのだということが起きやすいということがあります。トラウマということではなくても、例えば知的障害だとか、発達障害だとか、自分の気持ちや考えをなかなか言葉で自分で整理したり相手に伝えたりということが難しい場合、別にその居場所にいたくないわけでは、むしろいたいのだけれども、パニックを起こしてしまったりして物や人に当たってしまうみたいなことが多々あります。そのときに、そこの支援に当たっている大人は、けがを負ったり、精神的に疲弊したりします。そういう意味で、こどもの居場所を守るというところは、こどもの居場所をつくっている大人をサポートする、先ほどお話がありましたけれども、そのことに関しても、これは指針の中でどこに位置づけたらいいのか分からないのですけれども、そこの部分はしっかり入れ込んでいく必要があるのではないかということが一つです。

もう一つは、この「ふりかえる」、検証するということについて、本当に難しいと思うのですけれども、居場所としての僕自身はこどもの権利や安心・安全が保障されているかということについて特に検証する、するとしたらそこの部分ではないかと。それが担保されていれば、あとはそれぞれの居場所の自由さというか、そういうところが逆に保障されるような感じがいいのかと思うので、検証する対象、何を検証するのかがもう少し具体的になっているといいかと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

水野かおり委員、お願いします。

水野(か)委員: ありがとうございます。

5-2と5-3に関わることです。このこどもの居場所づくりが促進されているかどうかの進捗をということで、結局は増やすということにどうしても行きがちではないかと思います。増やすとともに質を検証できる方法はないかというのを考えたいと思っております。また、先ほどから皆さん、委員のほうからもありましたが、それには働く人のしっかりとした身分保障なりがされていることも大事なのかとは思っております。

5-3ですが、こどもの育ちにとってどのような影響がということですが、実際に私も関わっているところなのですけれども、地域の方がこどもの居場所がないというところで、児童館が新しくできた地域があります。できたところに関しては、徐々にこどもたちの利用率がとても高くなって、例えば今は夏休みなのですけれども、放課後児童クラブ、学童のこどもたちはお弁当だったりで一日中いられますけれども、児童館の子たちも今はお昼も食べられる児童館になっていますので、放課後児童クラブに通っていない子もずっと毎日来る子がいます。例えばこの居場所がなかったらこの子はどこに行っていたのかとか、お昼も児童館で食べられますけれども、その時間、みんなが食べているから一旦外に出て、終わった頃に帰ってくる、食べたのと言っても、朝は食べたけれどもお昼は持っていないとか、そういうお子さんも度々見かけます。ですから、つくるということもとても大事で、こどもの育ちにとってどんな影響がというところでは、ちょっとしたこのような場所ができるだけでも地域にいるこどもにとっては居場所になっているのだということを実感しました。

また、0から18まで継続して利用できるというところもありますので、乳幼児親子さんにとってもとてもありがたい居場所というお声をそこでも聞いております。大きくなったら放課後児童クラブに入るのかなとか、中学校になったらこういうお兄さんみたいになるのかなとか、保護者の方も先を見ながら子育てができる居場所になっているのかと思いますので、この辺りは場所があるということがとても大事かと感じております。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

青山委員、お願いします。

青山委員: 青山です。

もうちょっとマクロな観点での調査について意見を言いたいと思うのですけれども、昨年度の検討委員会でも、また、今年度のこの部会でも、ウェブ調査を行っています。いずれも時間的にも労力的にも限界があって、かなり限られたサンプリングで限定的な内容を質問した内容となりました。ただ、例えばメディアなどを見ていますと、この部会のことがニュースなどで取り上げられるときには、昨年の検討委員会の結果がかなり引用されて、何%のこどもが居場所がないと感じているとかというような、数字そのものが独り歩きしていく状況も見られると思っています。

個々の居場所の成果などをどう測っていくかというのは、いろいろな論点があることは皆さんの御議論のとおりですけれども、国レベルでもう少しこういった政策を考えていく上では、全国レベルの実態調査や意識調査を、安全性や侵襲性に留意しつつ、昨年、今年度とこの部会の中でやった調査よりも拡充したものを、統計的に意味があるレベルで何年に1回か、国レベルでやっておくことはすごく重要なのではないかと思っています。

それもまた独り歩きするリスクもありますし、変な解釈をされないようにしなければいけないという危険はもちろんあるのですが、今、我々がやれていた調査は非常に限定的なサンプリングだったと思いますので、その辺り、例えば学校単位でCBTというのでしたか、タブレットでやれる仕組みがあったりとか、学力調査に入れられるのかとか、1問入れるだけでも大変なのだと思いますけれども、それはそれですごく有意義なのではないかと考えているところです。5-1から5-4全てに関わることだと思いますが、一つの提案です。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

水野達朗委員、どうぞ。

水野(達)委員: この5の「ふりかえる」のところは本当に難しいと思いながら見ていたのですけれども、個人的で主観的なものをどう検証していくのかがすごく大テーマとしてあるなというところ。もう一つ言うと、居場所があったから○○という予防的な意味合いも、これは検証はかなり難しいであろうというところです。その大前提に立った上で、基礎自治体で例えば教育委員会でどういう検証をしていくのだと仮に議論をしたとしたら、恐らくまず現状値を測ると思うのです。例えば先日のこちらの部会でも、大東市では条例や規則に基づいた目的としての居場所は幾つあるのかというところは29か所だったのですね。すると、現状値のこの29はオーケーなのか、足りないのか、まずここがないとなかなか予算の配当であるとか、そういう動きにはつながらないという現実論はあるかと感じております。

そして、さらにそこから考えていくと、この指標なり検証材料というのは、実はもっと細かくしていかないと見えにくいのではないかとも思います。例えば居場所の数が3つ増えて32個になった、これはオーケーなのかというと、そうでもないような気がする。居場所一つ一つのニーズ充足度を測って、全体の85%以上に全ての居場所がなればオーケーかというと、それもまた違うような気がする。ただ、全部大切なのだというところが同時に言えるかと思います。

さらに、この学齢期のところでいいますと、先ほどCBTを使ってみてはという御意見もありましたけれども、こどもへのアンケートというところで、学校や家庭が居場所であってほしいというこの教育委員会の思いを込めて言えば、質問として、学校が居場所だと感じますかという質問と、家庭が居場所だと感じますかという質問、まずそこがあって、さらに3つ目で、それ以外のサードプレイスで御自身が居場所と感じる場所はありますかという質問をしていくと、その組合せによって、例えば学校も家庭も居場所だと思っている、しかし、サードプレイスはないというものに対しては、教育的な、より伸ばしていくような居場所の整備がもう少し本市では要るという見解になりますし、学校、家庭に居場所がない、そして、サードプレイスもないというこどもが一定数いるのであれば、福祉的なもの、そういうところの居場所がもう少しあるけれどもつながっていないのだという検証ができる。今のはあくまで一部の話なのですが、このように行政で動いていくときに、基礎自治体では結構細かい指標がたくさん要るのではないかと感じました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

今、オンラインで荒木委員、湯浅委員のお手が挙がっておりますので、荒木委員からお願いできますでしょうか。

荒木委員: こどもたちに居場所といったときに、こどもたちが居場所というものをきちんと捉えているか。私たちが今、これが居場所だというところを話しながら決めていっているわけなのですけれども、それがこどもたちにとっては「いる場所」だったり、なかなか大人との共通認識を図れていないところがあるかと思っていて、いる場所という場合、もう少し話をしていると、実際はそこでルールがあって居心地が悪いのだよねとか、違った本音が出てくることもあって、ですから、聞き方にはすごく工夫が必要なのかということを感じています。

あと、居場所が機能しているときは、私は相談が自然と出てくるというのを感じていて、悩みとしては小さかったり、大きかったり、その子にとってはどれも重要だったりするのですけれども、その相談を、数を見ればいいというわけではないかもしれないのですが、きちんと相談が出てきているとか、そういうことも機能しているという意味では、場としての指標になっていくのかと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

次に、湯浅委員、お願い申し上げます。

湯浅委員: ありがとうございます。

また余白がありそうなので、5-3について意見を述べさせてもらいます。「居場所があることが、こどもの育ちにとってどんな影響があるのか?」、また、逆に「居場所がないことは、こどもの育ちにとってどんな悪影響があるのか?」ですけれども、昨年の調査研究事業の第1回のときに、当時ということになりますが、野田大臣が御挨拶されて、居場所というのは施設概念ではなくて関係概念なのだと言われたことが印象に残っています。私も基本的には人との関係性が居場所かどうかを左右する、ただの場所を居場所にするのは人との関係性なのだと言ってきたのですけれども、そのときに課題というか、これをどう解釈したらいいのだろうと思っていたのは、例えば一人でおもちゃをいじっているのが安心できる、そこが自分の居場所なのだという人がいるわけですね。そういうことを人との関係性という面でどう評価したらいいのだろうかということを考えてきました。

今、思っていることは、それも実は否定的、抑圧的な関係から逃れて自分の居場所を持つという意味で、ある種、関係性に規定されている、マイナスの関係性に規定されているということですけれども、そういう意味で関係性から逃れていない話なのではないかみたいに理解しています。人間は社会的な動物で、承認欲求を持っていますので、否定的、抑圧的な関係から逃れて自分の場所を持つこととか、あるいは逆に肯定的、受容的な関係の中に自分の居場所を持つこと、この両方が全ての人にとって生きる上で不可欠な要素で、憲法で保障される幸福追求権に含まれると言っていいのではないかと思っています。否定的、抑圧的な関係から逃れて自分の居場所を持つことは、これは自己防衛であったり、セーフティーネットであって、言わばマイナスをゼロにするということかと思います。肯定的、受容的な関係の中に自分の居場所を持つことは、自己肯定感を高め、社会性、社交性を含む非認知能力の獲得などのためにも重要だと。つまり、ゼロをプラスにするものだと。

否定的、抑圧的な関係の中に長くとどまれば、人は最悪死んでしまうことがあります。ですから、死なないということが重要です。だけれども、人は死なないために生きているわけではない。幸福に生きるために生きています。ですから、どこにも居場所がない、そういうこどもが一人もいなくなること、これを一方で目指しながら、同時により多くのこどもがよりたくさんの居場所と感じられる場所を持つこと、これがこどもを元気にし、地域に活力を与え、地域と社会を未来につなぐのだ、居場所にはそれだけの力があるということを私たちは確認したいと思っていまして、それがあって初めて、そういう場所が今、どうなっているのか、増えているのか、減っているのか、質が上がっているのか、下がっているのかみたいなことが出てくる。そのいろいろな評価、モニタリングの課題はあると思いますけれども、まずそのような人が生きる上で大事な、そして、社会をつくっていく上で大事なものなのだということを、居場所づくり指針においては宣言しておきたいと思いまして、発言しました。
以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

次に、安部委員、お願い申し上げます。

安部委員: 安部です。

2点ございます。1点目なのですけれども、これは検証後が大事だろうということです。今、「ふやす」「つなぐ」「みがく」「ふりかえる」とあって、ここで検証して、この後、どうなるのかというところですね。検証した後にもちろん足りない部分は増やすということにもなるかと思います。例えば放課後児童クラブ、待機学童が出ていますので、まだまだ足りない地域では増やすこともあり得ます。それから、検証して既存の居場所を改善していく、よりこどもたちの声に即して居心地がいいように変えていくことは大事です。ただ、それだけでいいのでしょうか。そもそも居場所がないこどもたちはなぜ居場所がないのか、あるいは居場所を奪われているこどもたちは何によって奪われているのかが問われないままで居場所をたくさんつくればいいのか。第3の居場所の話を今はしていると思いますけれども、そもそもの家庭や学校、あるいは社会の側が変わらなければいけない部分もあるはずで、その辺りのことを書き込む必要があるのではないかと思います。問われている部分が居場所だけではなくて我々のおとな社会の在り方であるというところは、一つ申し上げておきたいかと思いました。

もう一点が、先ほど成田委員がおっしゃったことに賛成です。何を検証するのかという点なのですけれども、この居場所でこどもの権利が侵害されていないかどうかに関しては、かなり丁寧に検証していく必要があろうかと思います。実際に報道を見てみると、こどもたちのいろいろな居場所でこどもが命を失ったり、命が脅かされる事件・事故がも起こっていますので、こちらは譲れないところかと思います。一方で、居場所の自由であるとか、居場所の自治、哲学が尊重されなければ、それぞれの居場所のよさが失われてしまうと思うので、何を検証するのかのところは丁寧に考えていったほうがいいかと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

関戸委員、お願いします。

関戸委員: 検証のことで私が思ったことを述べさせてもらいます。今日の「つなぐ」「みがく」のあたりにもお話が出てきましたけれども、こどもの居場所に対する信頼やそこにいる人材、スタッフとの関係性みたいな話が出ていました。これらはとても大事な話で、この検証の中身にも関係してくるのではないかと思って、私は今、この5を見ていたのですけれども、再三にわたって権利侵害をしないという話が大事というお話などもありました。要は、こどもたちにとってこの場やここにいるスタッフが邪魔になっていないかとか、力になる場なのかみたいなことが検証されるというのがいいのではないかと思っていました。

もちろん数だったりとか、そういったことの検証もあると思うのですけれども、質の部分の検証ですね。私自身、スタッフが入れ替わってしまうことは、もちろんこどもの居場所づくりに関わる人たちのライフステージの変化だったりとか、その人自身の人生の自己実現のためにその場を離れていくということは、時に免れないと思っているのです。もちろんそれが傷ついて離れていくとか、社会的な保障が乏しくて離れざるを得ないみたいなものは防がなければいけないと思うのですけれども、その人自身が自分自身の人生を決めて次のステップに行くみたいなものは止められないわけなのですね。そういう意味では、信頼や関係性みたいなことが人に属するものだけになってしまうと、喪失体験になるというのが大きいのではないかと思っているので、この場のスタッフ、私が行っているここの場所のスタッフは、みんな権利侵害をしなくていいなと、そういう言葉で思うこどもはいないと思うのですけれども、みんな自分のことを大切に思ってくれるな、みんな私の邪魔をしないな、みんな私の力になろうとしてくれているなという場への信頼感、場との関係性をつないでいくことが私は大事だと思っています。

ですから、検証のポイントとして、この場がスタッフ一人一人の持っている単なる価値観だったりとか、こどもに対する自分自身が感じた主観で動くのではなく、ある種、客観した居場所に関わる大人としての行動指針みたいなものが、いろいろな居場所があるので、その居場所の在り方によって変わってくるとは思うのですけれども、それぞれのフィールドにおいて関わり方の質みたいなものは測れるのではないかと思っています。そういったことをブラッシュアップしながら、それぞれの場所がこどもの権利を侵害しないスタッフを育てていくことで、場における信頼感、場との関係性をつないでいく、そういう場所になっているかどうかを検証していく、そのようなことが必要かと見ていて、あとは3、4の「つなぐ」「みがく」みたいな話をしながら感じました。
以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

次に、成田委員、お願いします。

成田委員: 度々すみません。湯浅委員のお話や関戸委員のお話を聞いていても思ったのですけれども、自分が担当している関わっているお子さん、例えば自閉症のお子さんとかが結構いるのですけれども、関わるとなると、目を合わせるとか、言葉をかけるということを大人はするわけですけれども、客観的にはそんなに極端にたくさん声をかけているというわけではなくても、自閉症の特徴を持っているお子さんの中には、そういった言葉かけの量とか、正面から目線を合わせるとか、身体的な距離が一定以上近くなるとか、周りは決して悪意はないのだけれども、こどもにとっては不安を感じるような態度というか関わりみたいなことによって、ある意味、居場所が危機になるということは多々あったりします。それが例えば学校であったりだとか、そういった一般的に本来であれば居場所の安全が確保されているべきところで非常に不安になってしまう状況が生じると。そうすると、そのお子さんには、周りの大人は言葉を積極的にかけたりだとか何か一緒にやろうとしたりとか、そういう積極的なアプローチではないように見えるのだけれども、むしろ本人が不安や不快にならない場を確保する、保障する、提供するという、それも関わりということで含めて考えれば、さっきの関係性というところでの居場所観というものがあったと思うのですけれども、そういう居場所の在り方、つくり方もあるかと思いました。関戸委員の場への信頼感というのが、まさにそういうところにも通ずるかと思いました。

もう一つ、それに関連することで、これもこどもヒアリングのときにどなたかのお子さんがおっしゃっていたと記憶していることがあって、その居場所に関してあまり大人が管理し過ぎないでほしいというか、介入し過ぎないでほしいという意見があって、そういう意見を言った子は、でも、自分たちでは居場所をつくることはできないから、居場所をつくったり、その場を確保するというか、保障するところは大人がやってほしいと言っていた言葉が印象に残っていて、それは自閉症の子の自分が不快に思う介入はごめんだけれども、でも、安心できる場づくりはしてねというメッセージと通ずるものがあるかと感じました。そういった視点でさっきの何を検証するかということについても、居場所づくりをしている大人がこんなものがあるよ、こういうことをうちではやっているよというところではないもっと土台の場への信頼感、安心感みたいなところがちゃんと確保できているのか、それはさっきのこどもの権利や安心・安全にも通ずることだと思うのですけれども、そういった部分をしっかり検証することが大事なのかと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

会議の終了時間が迫っておりますが、今、手が挙がっておられるのは菊池委員だけでよろしいでしょうか。

では、菊池委員、お願いします。

菊池(真)委員: ありがとうございます。

振り返り、本当に難しいかと思うのですけれども、本当に大事だと思って聞いていました。何のために振り返るかというと、改善していったり、リスクがないかを把握したりということとか、新しい方がここの団体はこう評価があってというところで、そういう情報提供のためにも必要なのかとは思いました。

また、大人よがりややる側よがりにならないようにしていくためにも、聞き続けることはすごく大事かと思いましたが、意見を聞いていこうという風潮になってきているというのはすごくいいことだと思うのですけれども、一方で、聞かれ疲れしてしまわないかというのもすごく懸念していまして、またヒアリング、またヒアリングということがこどもたちを疲れさせてしまわないかというのも懸念していまして、日常的に聞かれているということが居場所でも大事かと思いまして、思ったのは、意見箱を置いておくとか、ホワイトボードでみんなに見えてもいい意見などだったら何々が楽しかったとかシールを貼れるようにしておくだとか、皆さん、家具の量販店のイケアで見たことがあるかもしれないですけれども、にこにこマークを押すという評価の仕方、お店の評価をするというものが置いてあると思うのですけれども、そういった機械ができたらいいなとか、そういうことを考えていました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

ほかに本日まだ発言が足りないという方、おられませんか。大丈夫でしょうか。

今、この時点で気づいておられなくても、また御意見がございましたらメールなどで事務局にお寄せください。

本日も幅広い御意見をどうもありがとうございました。

最後に、事務局から今後の日程などの連絡事項をお願い申し上げます。

山口成育環境課長: ありがとうございました。事務局でございます。

今後の日程ですけれども、第8回、9月6日の16時から18時の2時間を予定しております。対面とオンラインのハイブリッド形式での実施を予定しております。よろしくお願いいたします。

前田部会長: それでは、本日の会議はこれにて終了といたします。皆様、どうもありがとうございました。