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加藤大臣記者会見(令和5年11月17日)

加藤大臣記者会見要旨

(令和5年11月17日(金)10時00分から10時14分まで 於:こども家庭庁記者会見室)

1.発言要旨

冒頭、私から1件御報告がございます。
 
こどもまんなか社会の実現に向けた大臣書簡の発出についてでございます。
 
各地方公共団体において、こども基本法に基づき、こどもや若者、子育て当事者等の意見を聴き政策に反映させる取組を積極的に進めていただくため、本日、地方公共団体の首長及び地方議会の議長宛てに私から書簡を発出させていただきます。
 
併せて、こども基本法の趣旨を改めて周知するとともに、こども・若者の意見を政策に反映させるための具体的な取組のポイントや流れ、地方公共団体における先進事例等をお示しし、今後の取組の参考としていただけるよう、こども家庭庁長官名で通知を発出いたします。
 
これらに加え、地方公共団体に伴走しながら好事例の創出と横展開を図る「こども・若者意見反映サポート事業」を新たに立ち上げ、第1弾として今月27日に山梨県へファシリテーターとこども家庭庁職員を派遣いたします。
 
また、年明けを目途に地方公共団体向けの説明会を開催し、通知の内容等の周知徹底を図ってまいります。私自身、あらゆる機会を捉えて周知を図る旨お伝えをしてきたところですが、地方公共団体におけるこどもや若者、子育て当事者の意見反映の取組が一層進むよう、しっかりと後押しをしてまいります。なお、本日午後に事務方からブリーフィングを行いますので、詳細については後ほどお聞きいただければと思います。
 
冒頭、私からは以上になります。

2.質疑応答

(問)冒頭の発言に関連しまして、こども基本法の周知について伺いたいと思います。今年、こども家庭庁の発足で、こども基本法について施行されましたけれども、周知不足の声というのも聞かれています。大臣御自身は、こども基本法は社会全体に浸透していると考えていらっしゃいますか。また、そうでないなら、何が原因で広まっていないとお考えか、御見解をお聞かせください。

(答)こども基本法につきましては、今年の4月に施行されて約半年が経ったところでありますが、まだ十分に社会全体に浸透しているわけではないと考えております。こども基本法の趣旨や内容について、こどもや若者、子育て当事者、教育・保育に携わる方々をはじめとする大人に対して広く周知し、社会全体で共有を図ることが大変重要であると認識しております。
現在、こども基本法を分かりやすくまとめた動画やパンフレットを作成し、ホームページで公開をしております。また、今月5日に開催した「こども基本法から考えるこどもまんなか社会シンポジウム」において、私からもメッセージを発信するとともに、ホームページにも掲載をさせていただいたところです。さらに、先ほど申し上げたとおり、各地方公共団体において、こども基本法に基づき、こどもや若者、子育て当事者等の意見を聴き、政策に反映させる取組を積極的に進めていただくため、本日、私から都道府県知事、市区町村長、地方議会議長宛てに書簡を発出させていただきます。
今後、こどもや若者がこども基本法について楽しく学ぶことができるようなクイズ動画を作成し、広く周知するとともに、学校や児童館など、こどもや若者がいる場にこども家庭庁職員が出向き、クイズ動画などを活用してこども基本法について説明する出張講座を実施することを考えております。さらには、教職員など教育・保育に携わる方々にこども基本法をより知ってもらう取組の具体化を図ってまいります。
今後ともあらゆる機会を捉え、一人でも多くのこども・若者や大人の方々にこども基本法を知っていただけるよう力を尽くしてまいります。また、ぜひメディアの皆様方にも、こども基本法の周知に御関心を持っていただいて積極的に取り上げていただければ大変ありがたく思います。

(問)いわゆる宗教虐待に関しまして3点お尋ねします。1つ目なのですが、児童虐待のQA集については厚労省が発表しているかと思います。こども家庭庁として実態調査等あるかと思うのですが、取り組みがあればお聞かせください。2点目は、児童虐待防止法の改正について野党からも指摘されています。ほかの制度的対応も含めまして改めましてどのようにお考えでしょうか。3点目、いわゆるエホバの証人をめぐっては、教団内の性被害やハラスメントが159件あったと報道がありました。こちらについてはこども家庭庁でも説明があったかと思います。受け止めをお聞かせください。以上3点です。お願いします。

(答)まず、実態調査等についての御質問でありますが、宗教の信仰が背景にあったとしても、児童虐待は決して許されるものではありません。これまで政府としましては、昨年の12月に宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関するQ&Aを作成・公表し、このQAの内容をこどもに関わる現場の方々に周知するための動画コンテンツの作成、周知等の対応を進めてきたところであります。その上で、宗教の信仰等を背景とする児童虐待に係る実態把握のための調査等を実施する調査研究事業を開始し、その中で昨年末に公表したQAの現場における周知状況、それから、宗教を背景とする児童虐待事案の相談受理状況や対応状況の確認などを行い、今年度中に取りまとめ、今後どのような対応ができるのかの検討につなげてまいりたいと考えております。
2つ目の制度的対応についてでございます。
宗教虐待に関する制度的対応に関しては、保護者による虐待を対象とする現行の児童虐待防止法を改正し、第三者による地位を利用した性加害等についても法の対象としていくという内容を規定した議員立法が立憲民主党より国会に提出されていると承知をしておりますが、その取扱い等を含め、今後、国会等において御議論いただくものと考えております。
また、3つ目の教団内の性被害報道の受け止めについてでございます。
御指摘の教団内での性被害に係る報道については承知をしておりまして、調査を実施した団体より、調査結果について今月7日に事務方が説明を受けたとの報告を受けておりますが、調査結果についてはいまだ公表はされておらず、同団体より今月28日に公表予定だと聞いてございます。団体が行った調査であるため、同団体の公表前における調査結果に関する言及は控えさせていただきます。
いずれにしましても、こども・若者への性暴力は重大な人権侵害であり、決してあってはならないことであります。政府としましては、本年7月に緊急対策パッケージを取りまとめ、本年10月にはこのパッケージのさらなる加速化を図るための取組をまとめたところでございまして、このような取組に基づき、全てのこども・若者が安心して過ごせる社会の実現に向け、着実に施策を実施してまいります。

(問)年末に向けて、少子化対策の国会での議論ですとかこども大綱の策定に向けて議論が進んでいくと思われますが、改めてこういった政府の異次元の少子化対策というものに対して、大臣としてどう取り組んでいくのか、お考えをお聞かせください。

(答)前例のない規模で政策強化を図ったこども未来戦略方針のスピード感ある実行のため、当面の集中的な取組に必要な制度設計を速やかに具体化し、できるところから取組の実施をしてまいります。こども未来戦略方針に掲げられた加速化プランの具体化につきましては、こども未来戦略会議での御議論も踏まえ、国民の皆様の理解が得られるよう、関係省庁と連絡・連携をして、年末に向けて検討を進めてまいります。
また、加速化プランの内容はこども基本法に基づくこども大綱に取り込むこととしております。本日開催のこども家庭審議会基本政策部会におきまして、こども大綱の策定に向けた答申案が示されたと承知をしており、審議会から答申をいただきましたら、それを踏まえて年内を目途にこども大綱を策定し、少子化対策を含むこども施策を強力に推進してまいります。

(問)児童手当の拡充に伴う第3子の数え方についてお伺いしたいのですけれども、大学生年代までの拡充を行うということが検討されているということが報道で出ているのですけれども、一方で、第3子というのはいつまでたっても第3子だろうと、大学生年代までと言わずにもっと長い期間をというような声も既にX等々で出ているかと思うのですけれども、そういった意見が出ていることを踏まえ、その延長についての考え方について大臣の御見解をお聞かせください。

(答)児童手当の多子加算のカウントについてですけれども、まず、こども未来戦略方針でお示ししている加速化プランにおきましては、児童手当についてライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化の一環として、第3子以降の支給額を3万円とすることとしておりますが、多子のカウント方法を含め、現段階では具体的な制度設計が固まっているわけではありません。先般の衆議院予算委員会における質疑では、岸田総理から、多子のカウント方法についてはライフステージを通じて切れ目なく支援するという基本的な趣旨等も踏まえて制度設計を具体化するという方針が示されており、現在、年末に向けて検討を進めているところであります。

(問)大臣から冒頭に言及がありましたこども基本法に基づく意見反映なのですけれども、これは自治体だけでなく国にも措置が求められているかと思うのですけれども、家庭庁自身がこの意見反映ということについてどの程度できているというふうに御認識されているか教えてください。

(答)先ほどお答えをした中にも含まれておりますけれども、現在、こども基本法を分かりやすくまとめた動画やパンフレットを作成し、ホームページで公開をしております。また、今月5日に開催した「こども基本法から考えるこどもまんなか社会シンポジウム」において私からもメッセージを発信をさせていただいたところであります。
国としても、地方公共団体にお願いをさせていただく以上は、しっかりと旗振り役として精力的にこどもの意見を聴くということ、当事者の意見を聴いていくということを私も先頭に立ってやってまいりたいと考えております。

(以上)