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小倉大臣記者会見(令和5年4月25日)

小倉大臣記者会見要旨

(令和5年4月25日(火)9時31分から9時49分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

私からは冒頭2点ございます。
まず、こどもの自殺対策について御報告を申し上げます。こども家庭庁において、こどもの自殺対策に関する事務を担当する室の名称を「自殺対策室」と決定いたしました。

また現在、こどもの自殺対策において、厚労省や文科省、警察庁など複数の省庁に取り組んでいただいておりますが、今般、こども政策の司令塔であるこども家庭庁を中心に、関係府省の知見を結集し、総合的な施策を推進するため、「こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議」を設置することといたしました。

第1回は27日、今週の木曜日に開催し、その後有識者からのヒアリング等も行った上で、骨太の方針も見据え、6月までにこどもの自殺対策の強化に関する施策を取りまとめたいと考えております。学校、警察、首長部局などの関係機関の情報の収集、多角的な分析など、こどもの自殺対策として必要な施策について、幅広く議論を進めていく予定であります。

こどもが自ら命を絶つようなことはあってはなりません。このようなことがない社会をつくらねばなりません。令和4年の児童・生徒の自殺者数が514名と過去最多となってしまったことは、こどもまんなか社会の実現を目指すこども家庭庁としても、大変重く受け止めております。こどもの自殺対策の強化に向けて、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。詳細は支援局の総務課自殺対策室にお問合わせください。

続きまして、2点目でございます。お手元の配付資料を御覧ください。今度はこども政策担当並びに男女共同参画・女性活躍担当大臣として御報告させていただきます。

本日、養育費受領率の達成目標を設定いたしました。これは、昨年策定いたしました「女性活躍・男女共同参画の重点方針2022」において、養育費の「受領率」に関する達成目標の設定が明記されたことを踏まえたものであります。

達成目標としては、希望する全てのひとり親世帯が養育費を受領できるようにすることが重要であるとの認識の下で、養育費の取決めをしている場合の受領率について、2031年に70%とすること、養育費の取決めの有無に関わらない全体の受領率につきましては2031年に40%とすることを掲げております。

養育費は、こどもの健やかな成長のため、またひとり親世帯の厳しい経済状況を改善するために必要なものであります。養育費の確保に向けて、担当大臣としてしっかりと取り組んでいきたいと思います。目標の詳細につきましては、内閣府の男女局までお問い合わせください。冒頭の発言は以上となります。

2.質疑応答

(問)こども家庭庁発足から間もなく1か月となります。この1か月間の成果と見えてきた課題、また大臣として100点満点で何点くらいだったかという評価についてお聞かせください。

(答)お答えさせていただきます。まず取り組んできたことでありますが、4月1日のこども家庭庁発足から約1か月が経過いたしました。この1か月の間、こども基本法に基づき、総理を長とします「こども政策推進会議」や「こども家庭審議会」を開催し、こども大綱の策定に向けた議論を開始いたしましたほか、3月末に私の下で取りまとめさせていただきました試案の具体化に向け、「こども未来戦略会議」での議論が進められておりますこと、ファスト・トラックの推進や不登校対策など、関係省庁との連携が必要な事項について会議が開催され、これも議論が進められておりますこと、こどもや若者から意見を聴き、政策に反映するための新たな事業、「こども若者★いけんぷらす」のメンバーを募集いたしまして、既に約3,000人のこども・若者に登録をしていただいていること、そして先ほども御報告申し上げましたが、自殺対策室を設置いたしまして、こどもの自殺対策の強化に向けた議論を開始したことなど、円滑にスタートを切ることができたのではないかと考えております。こうした取組を懸命に支えてくださったこども家庭庁の職員や関係者の皆様方には、大変感謝をいたしております。
他方、課題ということでありますが、各府省、地方自治体、民間企業等からの職員がこども家庭庁の業務に習熟し、こども家庭庁の内部や関係省庁、関係団体との人的ネットワークを築きながら、こども家庭庁の政策に新たな付加価値を付けていくためには、更に組織内外のコミュニケーションを強化していく必要があると感じております。
そしてまた、点数で評価できないかとの御質問をいただきましたが、我々が実施いたしております諸施策をしっかりと対外発信した上で、国民の皆様にこれを評価していただくべきものであって、自らが評価をする、採点をする、ましてや点数でこれを表現するということは適当ではないのではないかと考えております。
最後に、こども政策担当大臣としては、常にこどもの視点でこどもの最善の利益を図るため、こども・若者や子育て当事者等の声をまんなかに据えた政策を推進し、「こどもまんなか」社会の実現を目指して全力を尽くしてまいりたいと考えております。以上です。

(問)養育費の受領率の達成目標について伺います。約10年後の目標にしてはやや数字が控え目な印象があるんですけれども、この数字の理由と、どういうふうな取組をされるのか伺わせて下さい。

(答)まず達成目標の算出根拠でありますが、この養育費の受領率は、取決めの有無で大きく異なりますため、母子世帯の養育費取決め率及び取決め有り・無しのそれぞれの世帯の受領率について、過去10年間、2011年から2021年でありますが、この上昇率を基に今後のトレンドをまず推計させていただいております。全体の受領率につきましても、これらを基に推計させていただきました。その上で、養育費の取決めをしている場合の受領率については、推計したトレンドを上回る70%とし、養育費の取決めの有無に関わらない全体の受領率につきましても、同じく推計をしたトレンドを上回る40%を目標として設定をさせていただきました。
そして、このために必要な施策はということでありますが、養育費の受領率は、取決めの有無によって水準が大きく変わることからも分かりますように、養育費の確保にあたりましては、離婚時に養育費に関する取決めを行うことが重要だと考えております。こうした認識の下で、養育費の取決めをすることの重要性やその取決め方法については、法務省でパンフレットの配布や解説動画の配信を行っていると承知しております。こども家庭庁におきましても、ホームページでの情報発信を通じて、周知広報活動を実施いたしております。また、父母の離婚後のこどもの養育の在り方については、現在法制審議会において検討しているものと承知しております。
ほかにも、こども家庭庁では、養育費の取決め、確保に係る支援施策として、養育費等相談支援センターや、地方自治体における養育費に関する相談支援の充実・強化を図っていくとともに、離婚前後親支援モデル事業の拡充実施に取り組むことといたしております。こうした取組を着実に実行していくとともに、引き続き養育費の確保に向けた取組について政府内で不断に検討を進めてまいるつもりであります。以上です。

(問)たたき台の中で、大臣は児童手当の協定に言及されて拡充を打ち出されていたと思います。先日のテレビ番組では、女性役員比率について、海外では義務化され、効果が出ているという話もあった一方で、日本では義務化されないような話だったと思います。義務化されない理由について教えてください。

(答)正に私の下での検討会で議論しているところでありますので、検討会で結論が出たときにまたご説明させていただきたいと思います。

(問)この間のお話の中では、そういうようなお話をされてきたと思うんですけれども、最初、検討会の方では数値目標を出すだけではない形でやっていきたいというふうにお話しされていたと思います。韓国ではアファーマティブアクションの政策とかが奏功している国もありますけれども、数値目標以外の取組というのを検討されているものがあれば教えてください。

(答)今正に検討会で議論している最中でありますので、検討会でしっかり議論した上で御報告させていただきたいと思います。

(問)例えばもし努力義務にとどまった場合は、日本のジェンダー不平等の一番の要因がそういった努力義務にとどまっているというのがかねてから指摘されています。山口教授とかも指摘されていると思うんですけれども、そういった場合に、実効性の担保という考え方はどういうふうにされていますでしょうか。

(答)繰り返し申し上げておりますように、検討会で今議論している最中でありますので、検討会で方向性が出た後に、しっかり説明させていただきたいと思います。

(問)義務化はするとの要請があるという考え方でいいですか。

(答)するかしないかも含めまして、検討会でしっかり議論をした上で、正に今検討会で関係者が集まって議論しているわけでありますので、そのときにしっかり議論した上で、関係者の御意見も踏まえながら、提言というか報告書なり、出口をつくっていくわけでありますので、そのときにきちんと説明させていただきたいと思います。

(問)大臣が冒頭おっしゃっていましたこども・若者政策への意見反映の取組について伺います。「こども若者★いけんぷらす」の登録が3,000人になったというお話でしたけれども、今後最初に示されるテーマはいつごろ、どんな内容になる見込みでしょうか。また、対面でも行われると聞いていますけれども、今後の主なスケジュール感を教えてください。続けてすみません、聞き取りに対してファシリテーターが重要な役割を果たすことになると思いますけれども、どういった方がファシリテーターを務めることになるのか、改めて教えてください。併せて、この取組の意義をどう捉えているか、大臣のお考えを教えてください。

(答)まず、テーマの実施時期とその内容についてお答えをいたします。現在、こども家庭庁各課や各省庁に対して、こどもに意見を聴くテーマを募集するとともに、事業の運営に協力をいただく「運営パートナー(仮称)」のこどもや若者たちも募集をしているところであります。運営パートナーは、5月中旬に募集を締め切り、6月中に決定する予定であります。テーマにつきましては、この運営パートナーと一緒に議論を進めながら決定する予定であり、初回の意見募集は夏頃を目途に開始をさせていただく予定であります。
ファシリテーターについてお尋ねがございました。様々な立場のこどもや若者たちが安心して自分の意見を表明できる環境を整えるためにも、ファシリテーターの存在は重要だと考えております。民間団体等の協力を得て、こどもや若者との活動経験のある方、こどもの権利に理解がある方などに務めていただくことを考えております。
最後に、この取組の意義でありますが、この取組を通じて、こどもや若者にとって政策を決めるプロセスに大人と同じように社会を構成する重要なパートナーとして主体的に参画する機会や場をつくるとともに、こどもや若者の意見を政策に反映し、政策をより良いものとし、更に加えて、この取組を広く発信することでこどもや若者の意見を聞き、一緒に社会をつくり上げていくことの大切さについての理解を広げてまいりたいと思っております。こうしたところに意義があるのではないかというふうに考えております。以上です。

(問)ありがとうございます。ファシリテーターで確認ですけれども、これは民間団体の協力を得てということでしたけれども、その内部の職員の方を研修・育成してということは基本的にはないということでしょうか。

(答)まだ確定しているわけではありませんが、やはりこどもまんなかフォーラムのときにも、民間団体の方にファシリテーターになっていただいて、うまくこどもたちの意見を引き出していただいたと思います。まずはそういうノウハウのある民間団体の方の御協力をいただいた上で、その先については考えていきたいと思っております。

(問)こどもの自殺対策室についてお伺いします。さきほど大臣から発言のあった連絡会議ですけれども、そちらにおいて、こども家庭庁がどういう役割を担っていくのか、また、その役割に伴って、どういう貢献といいますか、果たしていきたいのかというお考えを教えてください。

(答)会議の組み方は、まず構成員が厚労省、文科省、警察庁、内閣官房、総務省、法務省の予定であります。現在、最終調整中ではありますけれども、ファスト・トラックの関係省庁連絡会議でありましたりとか、昨年の送迎バス事故に係る連絡会議のように、こども家庭庁が事務局となり、そして私が、どういう名称かはさておきまして、中心となって議論をまとめていくということになろうかというふうに思っております。

(問)通学路におけるこどもの安全についてお願いします。全国春の交通安全運動が統一地方選挙の影響で5月に先送りされることが慣例になっています。運動の大きな目的が新入学児童の交通事故防止であることを考えると、何らかの形で注意が必要であることを訴えるべきではないでしょうか。それと、警察、学校関係者は、運動の有る無しに関わらず今新学期の交通安全に取り組んでいますけれども、選挙が先送りの理由になっていることについて、大臣はどういうふうに受け止めていらっしゃいますでしょうか。

(答)お答えさせていただきます。「春の全国交通安全運動」は、広く国民に交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの遵守と正しい交通マナーの実践を習慣付けることなどを目的とし、統一地方選挙が行われる年は、御指摘のように、例年5月の実施とさせていただいております。今年はそういった観点から5月の11日木曜日から20日の土曜日までの10日間に開催することといたしております。
5月実施の理由ということでお尋ねをいただきましたが、理由としては、統一地方選挙が行われますと、地方公共団体の職員が選挙関連事務に従事し、「春の全国交通安全運動」に関連する街頭活動、交通イベント等を4月に実施することが困難であることを想定されるためであります。
今年の「春の全国交通安全運動」の推進要綱におきましても、本運動の期間は、統一地方選挙の実施に伴い5月11日から20日までの10日間といたしますが、4月は幼児の入園や児童の入学・進級を迎える時期でありますことから、この機を捉えた幼児や児童、その保護者等に対する交通安全教育、街頭指導等についても特段の配意をするよう明記をいたしまして、新入学児童に対する交通安全対策を図るように求めております。
また加えまして、今年の入学のシーズンの前の4月5日に開催されました交通安全対策に関する関係閣僚会議におきまして、総理より、令和5年度末までに通学路合同点検対象の全国7万6,404か所全てにおいて安全対策を講じることを目指して取り組むよう指示を受けておりまして、こども家庭庁が司令塔となって、関係省庁がしっかりと連携をして取組を進めているところであります。
いずれにいたしましても、関係機関や団体において、新入学児童も含めた交通安全対策が適切に推進されているものと承知いたしております。以上です。

(以上)