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三原大臣記者会見(令和7年6月3日)

三原大臣記者会見要旨

(令和7年6月3日(火)8時42分から8時52分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1. 発言要旨

おはようございます。冒頭、私からご報告2件ございます。本日の朝、第2回「就職氷河期世代等支援に関する関係閣僚会議」を開催いたしました。前回の会議で総理からご指示がありました「就労・処遇改善に向けた支援」「社会参加に向けた段階的支援」「高齢期を見据えた支援」という3本柱に沿って、今後の支援の在り方を整理し、「新たな就職氷河期世代等支援プログラムの基本的な枠組み」を決定いたしました。

お手元に支援を必要とする方々の属性やニーズに合わせて利用者の目線で施策を整理いたしました、「資料3」の番号が振ってあるA3・横長の資料をお配りしておりますので、ご参照いただければと思います。

第一に、「社会とのつながりに不安を抱える方」に対する支援策であります。生きづらさや孤独を感じておられる方に対しては、相談支援を行う自治体を増やすほか、社会から気付かれにくい「女性のひきこもり」を含め、同じ境遇の方とつながることができる居場所づくりの取組を強化してまいります。

また、必ずしもフルタイムで働くことをゴールにせず、短時間の勤務に就くなど、ステップを踏んで状況を改善していきたいというニーズもあると伺いました。こうしたご意見を踏まえまして、スモールステップ型の緩やかな働き方、資料の中では「中間的就労」と書いてありますが、こうした働き方を用意して、しっかりお届けしてまいりたいと思います。
第二に、「収入や蓄えに不安がある方」に対しては、スキルアップの機会を拡充するとともに、公務員や教員としてご活躍いただく道も設け、農業や建設業・物流業での就労についても支援をしてまいりたいと考えております。さらに、将来への備えとして、家計の見直しや資産形成をお手伝いするほか、希望すれば65歳を超えて働くことができるよう、企業の取組を促してまいります。

第三に、就職氷河期世代の高齢化に伴い増えてきます「親の介護に携わる方」への支援であります。介護のために不本意な形で離職をしたり、勤務時間を減らして生活に困ったりすることがないように、介護と仕事の両立に向けた支援を強化してまいります。持ち家がなく、将来の住まいが不安な方に対しては、高齢者でも安心して借りることができる住宅に加えて、見守りや福祉サービスを受けられる居住サポート住宅も新たに用意してまいります。

なお、就職氷河期世代等の置かれた状況というのは、これに限らず非常に多様であることから、今後、更なるインタビュー調査などを行いながら、個人の置かれた状況や支援ニーズ、これを改めて把握することとしております。

最後に本日の閣僚会議では、総理から関係大臣に対しご指示がございました。

一つ目として、本日取りまとめました「基本的な枠組み」に基づき、まずは令和8年度概算要求、そして年末の予算編成に向けて検討を更に深めていくこと、二つ目として、来年年初を目途に、改めて本閣僚会議を開催し、3年間の集中的な取組として新たな就職氷河期世代等支援プログラムを決定し、支援ニーズに応じた実効性のある施策を講じていくことについて、ご指示をいただいたところであります。

今後とも政府一丸となって、就職氷河期世代等の方々の思いにしっかり寄り添いながら、支援に全力で取り組んでまいりたいと思っております。

続きまして2点目です。先の金・土、5月30日・31日の2日間、赤坂迎賓館におきまして、『ともともフェスタ2025~迎賓館からはじまる「共生社会」~』を開催いたしました。障害の有無にかかわらず、共に楽しむ経験を通じて、交流や相互理解を促進することを目的とした初めて開催したイベントであります。

当日はあいにくの雨模様となりましたけれども、速報値として、両日合わせて2,000名以上の多くの方々にご来場いただきました。非常に皆様、多くの方にお越しをいただきましたこと、厚く御礼を申し上げたいというふうに思います。

私自身も、2日間にわたってずっと会場におりましたけれども、障害の有無にかかわらず、共にステージでパフォーマンスを行い、共に楽しむ経験を共有いたしました。また、いろいろとお話を聞かせていただく中で、改めて多くの気づきを得ることができました。
今回のイベントにつきましては、今後、実行委員会による振り返りですとか、アーカイブでの記録映像の情報発信など、今後の施策展開にも資するよう、取組を続けてまいりたいと思います。

政府としましては、引き続き「ともともフェスタ」のような相互理解促進の取組を通じて、障害者への偏見や差別のない共生社会の実現に向けて、一丸となって取組を進めてまいりたいと考えております。私からは以上です。

2. 質疑応答

(問)政府の少子化対策についてお伺いします。「加速化プラン」に至る前まで、「1.57ショック」以降、政府の方でこれまでも様々な対策を打ち続けてきましたけれども、少子化が加速度的に進んでおりまして、今に至る状況です。その要因は何であるとお考えですか、というのがまず一点目です。
また、岸田政権下で加速化プランが始まりまして、今年度からちょうど様々なメニューが出揃うタイミングかと思うのですけれども、これまでの政府の戦略との違いというのは何なのか、ということ。また、足下の出生数、また合計特殊出生率がまもなく発表になりますけれども、少子化傾向を反転させることにこの加速化プランが寄与できるのか、現時点の評価を教えていただければと思います。

(答)はい。3点ご質問いただいたと思います。まず少子化の要因は、大きく「婚姻数の減少」、そして「夫婦のこどもの数の減少」の二つが挙げられると思います。その背景には、若い世代の所得ですとか、雇用の問題、出会いの少なさ、子育てに係る経済的や精神的な負担、仕事と子育ての両立の難しさなど、様々な問題が複雑に絡み合っており、依然としてそれら課題が解消されていない状況にあると認識をしております。
「こども未来戦略」の違いということでありますけれども、こども未来戦略においては、「若い世代の所得を増やす」、「社会全体の構造・意識を変える」、「全てのこども・子育て世帯を切れ目なく支援する」という三つの理念の実現を掲げまして、特に、「婚姻数の減少」の背景にある若い世代の所得・雇用の問題に対して、賃上げ・働き方改革等を進めることや、「夫婦のこども数の減少」に対しては、「加速化プラン」によって約3.6兆円の前例のない規模で、こども・子育て支援を抜本的に強化し、こどもや若者、子育て当事者のライフステージに応じて切れ目なく支援することとしております。
併せて、地域の結婚支援等やプレコンセプションケアの推進を含む若者の将来設計支援等も、価値観の多様化なども捉えながら進めていきます。加えて、今を生きるこどもが健やかに育まれる環境を整備するため、様々なこども・子育て・若者施策に取り組んでまいります。
現時点での評価ということでありますけれども、これら少子化対策、こども・子育て施策について、効果検証を行っていくことは重要であります。既に令和7年度予算から、こども家庭庁の全ての事業においてEBPMの取組を開始して、公表しております。
一方、「加速化プラン」は、今年度から本格実施となりますので、その検証は経済財政諮問会議等の議論も経て、指標に基づく評価を行う体系を作成して、今後、「加速化プラン」実施後の具体的な指標の動きを見ていくということになります。
したがって現時点で、現在本格実施している「加速化プラン」の政策効果を述べるということはなかなか困難でありますけれども、プランに基づく施策は着実に実施をしてきているところでございます。少子化対策につきましては、引き続き、政府全体で粘り強く取り組んで、常にこどもや若者、そしてまた子育て当事者の皆様の視点に立って、政策を総合的に前に進めてまいりたいと考えております。
(以上)