乳幼児突然死症候群(SIDS)診断ガイドライン(第2版)について
平成24年10月 厚生労働科学研究
「乳幼児突然死症候群(SIDS)および乳幼児突発性危急事態(ALTE)の病態解明および予防法開発に向けた複数領域専門家による統合的研究」
(研究代表者:戸苅 創名古屋市立大学長)
わが国ではSIDSは減少しているものの、未だに年間100名余が死亡している。SIDSはなんらかの病因を有する疾患であるにもかかわらず、病理学的所見が認められないものであることから、その診断には解剖による精査が必須である。不幸にして突然亡くなられた乳児に遭遇した場合には、検視は無論のこと、剖検を行い、正確なSIDS診断および死因の究明を図る必要が有る。
この診断ガイドラインは、現場で診断する医師が、法医や病理の医師と議論・検討の上、SIDSをより適切に診断するためのものである。第2版では、問診・チェックリストにSIDSの除外診断に必要な検査項目や寝返りの状況等詳細分析を行う場合に必要な項目を追加した他、選択肢を増やすなどの改訂を行い、問診・チェックリストの記入要領を作成した。今後のSIDS発症の予防対策の一助にして頂くとともに、救急現場で得られた正確な臨床情報が解剖医に伝達されるよう、ご活用頂きたい。