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障害児支援部会(第2回)

概要

日時:令和5年9月13日(水)16時00分から18時00分
場所:ベルサール飯田橋駅前
(東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル1F)
【オンライン配信URL】
URL: https://youtube.com/live/j-_mb3FlJxU?feature=share

議事

  • 今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針と重要事項等(中間整理)(案)について
  • 最近の障害児支援行政の動向について

資料

議事録

有村部会長:それでは、定刻になりましたので、ただいまから第2回「こども家庭審議会障害児支援部会」を開催いたします。

本日は、御多忙のところ御参集いただきまして大変ありがとうございます。本日は、対面とオンライン併用の会議で開催をさせていただきます。

なお、この部会はyoutubeにてライブ配信を行っておりますので、御承知おきいただきますようどうぞよろしくお願いいたします。

それでは、事務局から委員の出席状況、資料の確認をお願いいたします。

栗原障害児支援課長: 障害児支援課長、栗原でございます。それでは、委員の状況について御報告させていただきます。

本日の出席状況ですが、小澤委員、山本則子委員が御欠席であるほか、大胡田委員におかれては社会福祉法人日本視覚障害者団体連合常務理事、三宅様に代理出席いただいております。

また、一見委員は御都合により途中退席される予定と伺っております。

事務局はこども家庭庁と厚労省から参加しておりますが、人事異動がありましたので御報告させていただきます。

総務課長の林でございます。

林総務課長 : 林でございます。よろしくお願いします。

栗原障害児支援課長:厚生労働省から江口厚生労働省障害保健福祉部企画課長でございます。

江口障害保健福祉部企画課長:よろしくお願いいたします。

栗原障害児支援課長:それでは、議事に入る前に資料の確認をさせていただきます。

配付資料は右上に番号を付していますが、資料1から3まで3点ございます。ほか、参考資料として1から3を配付しております。皆様、お手元にございますでしょうか。

それでは、冒頭撮影はここまでとさせていただきますので、プレスの皆様方は御退室をお願いいたします。

(報道関係者退室)

栗原障害児支援課長:以上でございます。

有村部会長:それでは、お手元の議事次第に沿いまして議事に入りたいと思います。

まずは議題(1)「今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針と重要事項等(中間整理)(案)」につきまして、事務局より御説明をお願いしたいと思います。

このこども大綱の策定に向けたこども家庭審議会答申の中間整理については、当部会とは別の基本政策部会において議論がなされております。先日、秋田こども家庭審議会会長より各部会長、部会長代理宛てに、こども大綱は基本政策部会だけでなく様々な部会にも 関係することから、基本政策部会での議論と同時並行で、関係部会でもそれぞれの部会の所掌の観点から、中間整理の案について必要な議論等を行っていただき、その上で9月下旬のこども家庭審議会総会において関係部会長、部会長代理から部会での議論等を報告の上、それらを踏まえて審議会総会として中間整理を取りまとめたいとの御指示がありました。

この指示を受け、当部会でも中間整理案について議論し、部会としての意見をまとめ、9月下旬のこども家庭審議会総会にて、私から当部会の部会長として報告をしてまいりたいと考えております。つきましては、本日の部会では中間整理案について当部会の所掌の観点から御議論をお願いいたします。

なお、こども大綱の策定に向けたこども家庭審議会答申は、今後5年程度を見据えた基本的な方針及び重要事項等を示すものでございます。こども大綱の下で進めていきます施策の具体的内容、例えば○○事業を推進する、○○交付金を活用して支援するというレベルのものは、こども大綱とは別に「こどもまんなか実行計画」、これは仮称でございますけれども、こちらのほうを政府として細かいところを策定していくということです。ですので、答申の中間整理案の対象ではこれがないということを御留意の上、議論をお願いいたします。

それでは、議題(1)「今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針と重要事項等(中間整理)」の案につきまして、事務局より御説明をお願いいたします。

栗原障害児支援課長:障害児支援課長でございます。

資料のほうは、右肩に資料1とある資料と、参考資料1をお手元に御用意いただければと思います。

まず資料1をめくっていただきまして、こども大綱がどういったものなのかという位置づけとか、その策定のスケジュール等をお話しした上で、障害児支援の関係の内容部分について御紹介させていただきたいと思います。

資料1の1ページを御覧ください。「こども大綱の検討状況について」と書いてございますが、1つ目の○のポツのところに書いていますとおり、こども大綱は3つの大綱を1つに束ねたこども施策に関する基本的な方針や重要事項等を一元的に定めるものとされております。

また、骨太の方針2023におきましては、今後5年程度を見据えた長期の基本的な方針、重要事項を一元的に定める大綱を、年内をめどに策定するとなっております。

それで、4月の第1回のこども政策推進会議におきまして、こども家庭審議会に諮問することということで、こども家庭審議会においてこども未来戦略会議のつくった方針とかも踏まえながら調査、審議をしていくという立てつけになっております。

2ページ目を御覧ください。

4月にこども家庭審議会に諮問をされた以降、具体的な審議の場は先ほど部会長からありましたとおり、基本政策部会という障害児支援部会の横並びにある別の部会のほうでこども大綱について検討、審議を行っております。第1回から第7回まで審議を続けておりまして、次の3ページを御覧いただきたいのですが、9月以降ということで、9月4日だと思いますが、基本政策部会で中間整理案が示されております。本日は、そのときの中間整理案をベースに御議論いただければと考えております。

それで、基本政策部会は9月15日だったと承知していますけれども、開かれまして、その上で9月の下旬に親会ですね。こども家庭審議会総会というところで中間整理について議論をする、まとめるという形になっていると承知しております。そこに向けて、現在各部会でこの関係部分についてそれぞれの部会で議論をして、それをこの総会に部会長が報告をするという形になっております。

その後のスケジュールですけれども、調整中ではございますが、こども・若者、子育て当事者等の意見を聴く取組などを行って、また基本政策部会でも議論をした上で、こども家庭審議会総会で答申を取りまとめる。それで、年内には政府のほうのこども政策推進会議で大綱の案を固めまして閣議決定までという予定になっております。

4ページを御覧ください。先ほど部会長からありましたとおり、このこども大綱自体は政府のほうで策定することになります。それで、こども家庭審議会のほうに諮問をして答申をいただくということになっておりますが、ここの右下に「こどもまんなか実行計画」というものがございます。こども大綱は大きな方針を定めるものでございますが、具体的な取組についてはこの「こどもまんなか実行計画」、仮称でございますが、こちらのほうに定めていくという形を想定しております。

ページをめくっていただきまして、5ページをよろしくお願いいたします。

参考資料1が、先ほど申し上げた基本政策部会で出された中間整理案の全体になりますが、その中で障害児支援に関する記載をここに抜粋させていただいております。本日はこれを中心に議論いただければと考えておりますが、こども大綱自体の全体の立てつけは基本的な事項とか、推進するための必要な事項と合わせて「こども施策に関する重要事項」という項目がございます。

この中で第3の次に1と書いていますけれども、「ライフステージに縦断的な重要事項」ということで、この後に、ライフステージごとにという記載もありますけれども、縦断的、横断的な重要事項を記載する中の1つとして「障害児支援・医療的ケア児への支援」というふうに記載がなされております。

ここの並びには、体験、活躍の機会づくりや、こどもの貧困対策、児童虐待防止等が並んでおりますが、その中の一つの柱として「障害児支援・医療的ケア児への支援」というものがございます。

以下、文章になりますけれども、ここの2行目にあるとおり、インクルージョンの推進で、一般の子育て支援との連続の中で、その発達や自立、社会参加を支援するとされております。

次の行に、経済的支援の話や、個々の特性や状況に応じた質の高い支援、これは介助とか発達支援ということになると思いますが、その提供を進めるとしております。

安心して暮らすことができる地域づくりを進めるために、地域における障害児の支援体制の強化、それから保育所等におけるインクルージョンを推進するとしております。

さらに、医療的ケア児、聴覚障害児など、専門的支援が必要なこども、それから家族への対応のために地域における連携体制を強化するという記載がなされております。

その後、視点の話になりますが、本人のみならず保護者やきょうだいの支援を進めるといったことや、早期に発見して支援していくこと、それからライフステージで切れ目なくという趣旨で関係機関が連携してというところ、また、ここはこどもから大人に移っていくという視点も含めて記載がなされております。

最後に教育の関係で、特別支援教育ということでインクルーシブ教育の話、それから大人になった後ということも含めて生涯にわたる学習機会の充実を図るという記載がなされているところでございます。

この後、参考資料として、参考資料1にあります本文の概要紙がついておりますので、こちらの方も御参照いただければと思います。

説明は以上です。

有村部会長:御説明ありがとうございました。

それでは、ただいま事務局から議題(1)「今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針と重要事項等(中間整理)(案)」についての説明がありましたが、御意見等のある方は、対面で参加していただいている方はそのまま挙手をお願いします。オンラインで御参加いただいている皆様方は「手を挙げる」機能を使っていただいて挙手をお願いいたします。基本的には先着順で御指名いたしますが、途中退室の予定の委員も伺っております。その方は優先的に御発言をお願いする予定でございます。

また、本日は情報保障のため、手話通訳及び要約筆記を行っておりますので、御発言の際はまずお名前を名乗っていただき、可能な限りゆっくり、分かりやすくお話をいただければと思います。会場の方は、できるだけマイクに近寄ってお話しください。発言後は、必ずマイクのスイッチをオフにしていただきますようお願いをいたします。円滑な会議運営に御協力をお願いいたします。

それでは、挙手をどうぞよろしくお願いいたします。

ウェブの方のほうが少し速かったかもしれないので、順番にいければと思いますけれども、それは一見委員お願いいたします。

一見委員:三重県知事の一見でございます。

今日はウェブの参加になりまして大変恐縮でございますけれども、御指名をいただきましたので意見を述べさせていただきたいと思います。

まずもって有村部会長、また事務局の皆さんに中間整理をしていただきましたことを御礼申し上げまして、基本的にはこの内容に賛成をする立場から3点申し上げたいと思います。

1点目でございますけれども、前回、6月のこの部会で三重県の取組ということで紹介をさせていただきました。三重県子ども心身発達医療センターというものがございまして、児童専門の病院ですが、そこのメンバーの方々にも意見を聴きました。その結果でございますが、ここに書いてございますインクルージョン、それからインクルーシブ教育システムなどは特に重要だということで、この点には大きく賛同をさせていただきたいと思っているところでございます。それが1点目でございます。

2点目につきましては、障害児支援に関する部分以外の全体のところでこどもの意見を聴くなどの記載があるということを承知はしておりますけれども、やはり私どもとしては、この障害児支援のところでも障害児、あるいは保護者の意見を聴いて意見形成の支援、特に障害児当事者の意見を聴くというのは大事だと思っておりますので、入念規定になるかもしれませんが、今日お示しいただいた5ページの記載のところに付け加えていただければありがたいと思っております。

加えまして、やはり私ども行政を展開しておりますと、障害児に寄り添うという気持ちが重要でございまして、その寄り添うというキーワードをこの5ページの中で生かしていただけないかという気持ちを持っております。これが2点目でございます。

最後でございますけれども、実は私は全国知事会を代表してこの部会に出させていただいておりまして、今回のこの中間整理案も全国知事会を通じまして各県の知事に意見を聴取しているところでございますが、熊本県から、医療的ケア児の通園・通学の支援ということが重要であるという御意見を頂戴しております。

実は、三重県でも令和3年度に特別支援学校に通学している途中で、たんが絡まれてその後お亡くなりになられたということで、通学中の医療事故というのでしょうか、そういった事態が出てくる可能性があります。それを何とかしたいということをほかの県からも、熊本県からも意見をもらっております。三重県も同じ気持ちでございます。

それから、文部科学省さんの所管になるのですけれども、学校に医療的ケア児のための看護師の配置というのをしていただいているところでございますが、これは国が3分の1の補助をしていただいているところでございます。三重県の基礎自治体のほうからは、国の補助の拡充をぜひお願いしていただきたい。3分の2の負担がかなり重いということもございます。

以上2点、通学時の支援、それから看護師配置の補助の拡大などのために、今回お示しをいただいております5ページの下から3行目、「特別支援教育については、障害のあるこどもと障害のないこどもが可能な限りともに過ごすための条件整備」というふうに書いていただいていますが、「条件」という言葉よりは、安全・安心な環境整備、障害のあるこどもも安全・安心に通学・通園ができ、また学校でも看護師さんの支援が受けられるという意味で、「条件」という言葉を、安全・安心な環境整備、というふうに変えていただいたほうがいいのではないかという私の意見を申し上げさせていただきたいと思います。

以上、3点でございまして、有村部会長、事務局さんのほうで御議論いただいてしんしゃくいただければありがたいと思います。

以上でございます。

有村部会長:一見委員、どうもありがとうございます。貴重な御指摘だと思います。ありがとうございます。

それでは、続きまして、たくさんの方に声を上げていただいているのですけれども、一旦、今度は会場の方に振ってもよろしいでしょうか。会場は誰が一番先に挙げたか、一斉に挙げていただいたのでちょっと分からなかったところではあるのですけれども、皆さん御意見のあるところだと思いますし、今日はたっぷり議論の時間はありますから順番にお話を伺っていければと思っております。

では、私の視野の一番入るところで手を挙げていただいて山本委員からお願いしてよろしいでしょうか。

山本委員:ありがとうございます。全国重症心身障害児(者)を守る会の山本と申します。

発言の機会をいただきまして感謝いたします。部会長、それから事務局様をはじめ、このような形でおまとめいただいたことに感謝いたします。

私どもの会は、重症心身障害児者の親の会でございます。

何点か意見がありますけれども、1つ目は質問といいますか、確認事項になります。資料1の5ページ、第3の「1 ライフステージに縦断的な重要事項」の(5)に「障害児支援・医療的ケア児への支援」として小見出しが書かれています。医療的ケア児についても障害児支援に含まれているというふうに私どもは考えていましたが、これを別にされるということは、障害のない医療的ケア児への支援というような意味で使われているという認識でよろしかったでしょうかということが1つです。

それから、2つ目になりますが、こちらは意見になります。5ページ、2段落目に「個々の特性や状況に応じた質の高い支援の提供」とありますが、重度の障害児、特に重症心身障害児には身近な地域における障害児支援のサービス量が圧倒的に不足しています。質の確保とともに、量の拡充を記載していただけるようお願いいたします。

3つ目になります。同じく5ページ目の4段落目の記載になります。「専門的支援が必要なこども」の代表例として「医療的ケア児、聴覚障害児など」という記載がございますけれども、資料3の4ページの下から3つ目のポツと同様に「医療的ケア児」の次に「重症心身障害児」についても記載していただきたいと思います。

また、「1 ライフステージに縦断的な重要事項」として書き入れるならば、専門的支援が必要な児童の障害について具体的に明記すべきではないかと思っています。

4つ目になります。資料1の9ページ、「1 ライフステージに縦断的な重要事項」の5つ目の○のところには「特別支援教育」としか記載されていません。インクルージョンの推進、児童発達支援センターの機能強化というふうに続くのであれば、「特別支援教育」だけでなく、特別支援教育の充実、というような文言が必要ではないかと思っています。

5つ目ですけれども、資料1の10ページに「こども政策を推進するために必要な事項」としてこどもの権利条約に触れ、こどもや若者の意見を聴いて施策に反映すると書かれていますが、こちらには障害児も含まれているものと思います。

こども家庭庁で障害児から意見を聴く場合、こども家庭庁の障害者差別解消法に基づく対応要領に基づいて職員の皆様が行動されていることと存じますが、対応要領にその辺りはどのように記載されているかということを今日でなくて結構ですので、また御教示いただければと思っています。

有村部会長:ありがとうございます。

それでは、最初は確認ということでしたけれども、質問がございました。事務局から回答をよろしくお願いいたします。

栗原障害児支援課長:障害児支援課長でございます。

医療的ケア児につきましては、いわゆる医ケア支援法、医ケア児支援法がございまして、そこの定義が一番多分フィットするというか、そういう定義がなされております。日常生活及び社会生活を営むために恒常的に医療的ケアを受けることが不可欠である児童ということで、政府のこういう文章を作るときに、あまり法律的な定義をかちっと、これですというのはよくも悪くもしないことが多いのかなと思いますが、基本的にはそういう考え方だと思っております。

あとは、基本的に医療的ケア児支援法の対象になる方というのは、障害児支援の中で対応をいろいろさせていただいていると思っていますので、通常我々が使っていろいろと今、政策の中で動いている部分と解釈が変わるところではないと考えております。

山本委員:ありがとうございます。

有村部会長:ありがとうございます。

ただ、御指摘いただいたということもありますので、ここについては書き方の検討をさせていただければと思います。その他、大事な御指摘どうもありがとうございます。

それでは、会場から先にいきたいのですが、最初に手を挙げていただいた委員、もう一回お願いできますか。

全員ですね。分かりました。ありがとうございます。

それでは、小﨑委員お願いいたします。

小﨑委員:全国肢体不自由児施設運営協議会の小﨑と申します。

私のほうからは、資料1の5ページの中で、こども基本法の中でのこどもの定義というのをもう一度確認しますと、こども基本法では18歳や20歳といった年齢で区切らない。心と体の発達の過程にある人をこどもであるというふうに定義していると考えますと、一応それを意識した形で(5)のその後の1行目でしょうか。「障害のあるこども・若者」というふうに含んではいただいているのですけれども、その辺の部分をきっちりと年齢で区切らないような形を入れて、特に障害のあるお子さんについては少し明記してもいいのではないかということです。

それで、これは全国医療的ケア児者支援協議会さんが参考意見として出されたDBSの中でも少し絡むことかなと思っていて、年齢で区切ってやるよりは発達支援が必要な人についてはDBSの対象にするというくくりと共通するのではないかと考えています。

私からは以上です。

有村部会長:ありがとうございます。

確かに、こども基本法との整合性も考えながら、ここを逆にどのように表現をしていくのかというところですね。御意見ありがとうございます。

それでは、続きまして加藤委員お願いいたします。

加藤委員:全国医療的ケア児者支援協議会政策担当理事の加藤と申します。よろしくお願いいたします。

まずは、このような御発言の機会をいただきましたことに感謝を申し上げます。

私どもは、全国の家族会である全国医療的ケアライン、それから医療的ケア児とコーディネーター支援協会。こちらは福祉職の専門団体になりますけれども、これらの医ケア団体の皆様とも事前に協議、議論をした上で、今回お手元に参考資料を提出させていただいております。

この審議会の性質が、個別の事業や施策について意見を申し上げる場ではないということは重々に承知した上で、今回のこのこども大綱がインクルーシブな「こどもまんなか社会」の実現に向けた本当に歴史的なスタートラインとなる大綱であることを非常に感謝しておりますとともに、この中に内包、また包摂していただきたい視点ですとか、当事者からの懸念について簡潔に意見を申し上げるために参考資料を提出させていただきました。細かいことは資料に書いてありますので、ポイントだけ口頭で説明をさせていただきたいと思います。

まず、今、小﨑会長の方からも言及いただきましたけれども、1ページ目なのですが、日本版DBSの今の議論の方向に対する懸念ということで1項目立てさせていただいております。

本日の参考資料1、大綱の分厚いボリュームのあるほうの6ページのところに、まず「こども大綱が目指す「こどもまんなか社会」」ということで、「~全てのこども・若者が身体的・精神的・社会的に幸福な生活を送ることができる社会~」という大きなタイトルの下に具体的な項目が幾つか並んでいるのですけれども、そこの下から2つ目ですね。「虐待、いじめ、暴力、経済的搾取、性犯罪、性暴力などから守られ、差別されたり孤立したり、貧困に陥ることなく、安全に安心して暮らすことができる。」ということが大変大切な項目として掲げられております。その観点から、今回のこの懸念について申し上げさせていただきたいと思います。

まずは、学校とか保育所などの許可の対象から段階的にスタートするのではないかという議論があり、また障害児団体、支援団体が外されるのではないかという一部報道の懸念もあったことから、日本版DBSに対して8万人の署名が集まりまして、今日大臣は替わられると思うのですが、小倉大臣に署名のほうも提出をされて、その議論のてんまつを経て学習塾やスポーツクラブなど、認可団体、認可事業についても実質的な対象になっていくという議論の経過にあることは理解しております。

しかし、障害福祉サービス、居宅介護とか、訪問入浴とか、それから障害児通所支援など、障害児が利用する支援事業者が対象から抜け落ちてしまっていることに対して懸念を持っております。

性犯罪の認識を持つことや、意思表示が難しいこどもたちは、もともと性犯罪の温床になりやすい環境下にありますけれども、この支援事業を対象外とすることによって、性犯罪歴のある人たちが、ほかでブロックされた方々が集まりやすい抜け道となってしまう可能性を強く懸念しており、そのことについて制度設計の段階でぜひとも御考慮いただきたいと思っております。

今はまだ検討段階にあり、障害児支援事業が外されるということまでは明示をされていないと理解はしているのですけれども、報道ベースで出ているように、段階的に許認可のものから実施、そして制度設計となる場合に、この障害児、障害を持つこどもたち、自分たちで声を挙げられないようなこどもたちを対象に入れ込んでほしいということと、それから段階施行されるような場合には、いつまでに対象に含めていくというような目標時期を明確に御議論いただきたいと思っております。これが1点目でございます。

続きまして参考資料②ですけれども、医療的ケア児には限らないのですが、社会的養護の必要性のあるこどもたちについて、本日の配付資料の資料1の5ページ目だけをちょっと読んだときに、ここの中に必ずしも包摂されないこどもたちがいるのではないかという懸念を持ちましてこちらの資料を出させていただきました。

以前、有志の国会議員の視察で日赤の乳児院に行ったことがあるのですけれども、親が引き取りを拒否してしまったお子さんたち、日赤に限らず成育とか、先日報道ベースで出ていましたが、聖路加病院などにも家庭に帰ることができない、医療的ケア児だけではないですが、様々な困難を抱えるこどもたちがいて、その二重、三重の複合的な要因・困難を抱えるケースが非常に多く散見をされております。

虐待ですとか社会的なネグレクト、DVとか経済的困窮、それから現場ベースの話を聞くと、やはり親の薬物依存であったりとか、今、増えているのが外国籍の医療的ケア児、このこどもたちが制度のはざまに落ち込んでしまっていて、なかなか支援にたどり着かないといった課題、本当に医療の進歩とか時代の変化とともに課題そのものが変化をしておりますので、制度のはざまのこどもたちを取り残さないという視点が非常に重要になるのではないかと考えております。

そして、こども大綱の中間整理案の中にも同じようなことを書かれていましたけれども、核家族化ですとか価値観の多様化によって家族の形自体も大きく変わっておりますし、今の平均世帯人数は2.2人というのが最新の数字だそうなのですが、長らく養護を担うのは家族であるべきという社会通念を前提に子育て支援、それから子育て施策であったり、障害児の子育てというのが形成されてきた経過があると思いますけれども、この家族の在り方自体が大きく変化をしている中で、療育自体は本当に家庭を前提として行われるべきだと思うのですが、家族のケアを前提としないコミュニティーベースドのケアというものを構築する必要性が、徐々にそちらにも移行していって、制度のはざまに落ち込んでしまうこどもたちをつくらないという視点が大事ではないかと思っております。

この2ページ目に紹介しているのは北海道の当別町で、いわゆる赤ちゃんポストに預けられた医療的ケア児がやはりそこで必要な医ケアを受けられなくて、結局、一旦病院に引き取られて、その先もう一度社会に戻る受け皿がないという状況にあると、簡単に言うとそんな記事を御紹介させていただきました。

その流れで参考資料③、3枚目ですけれども、【社会的養護を必要とする医療的ケア児に対する懸念】ということで、大綱の中間整理の18ページのところを参考で引っ張らせていただいたのですが、真ん中ぐらいに「こうした虐待を受けたこどものケアや要支援・要保護家庭への相談支援などこども家庭福祉分野には、こどもと家庭の双方に対する高い専門性が求められる。このため、新たな認定資格である「こども家庭ソーシャルワーカー」の取得促進に取り組むとともに」という記載があるのですけれども、こどもと家庭の双方に関する高い専門性をソーシャルワーカーを中心として形成していただくとして、社会的養護の必要な医療的ケア児とか、非常に複雑な困難を抱えるこどもたちの障害支援の部分、社会的養護の支援のレイヤーとの連携をどのようにつくっていくのかというところをもう少し見える形でブリッジしていただけたらという指摘をさせていただきたいと思います。

社会的養護の受け皿が実際にないこどもたちが多く存在をしていて、大綱の参考資料1の28ページの(2)に地域子育て支援に関してファミリーサポートやベビーシッターという支援策は掲げられているのですけれども、このような対応策では救えないこどもたちの存在を、これらの一般施策の支援からどうやって障害児施策にちゃんとブリッジしていくかという形についても見えるような形で何か文言に含んでいただきたいと考えております。

続きまして、参考資料④でございます。これは参考資料1、本体資料の16ページのところに(慢性疾病・難病を抱えるこども・若者への支援)という1項目がありまして、その最後に「こどもホスピスの全国普及に向けた取組を進める」という1行を書き込んでいただいています。これは大変ありがたいことだと感謝をしております。

ここに絡んでの意見なのでございますけれども、命に限りのあるこどもの存在もこども大綱の中に織り込んでほしいという意見でございます。障害のあるこどもたちは本当に多様なのですけれども、ここに抜粋した5ページ目ですね。これを一読しまして、障害のあるこどもの成長、発達、学びの機会などもしっかり支えていくということが基本姿勢として示されてはいるのですけれども、この中に本当に命が限られていて、大人になることが難しいこどもたちが一定数いたり、そして医療技術の進歩によって従来だったら本当に数年しか生きられなかったこどもが20年近く長期生存できるようになったという推移の中で、こどもの緩和ケアの概念とか対象というのは世界的にも変化をしてきております。

それで、命に限りのあるこどもたちが伝統的なイギリスのホスピスのように、ただ余命を過ごすという場所ではなくて、QOLであったり、成長、学びの機会を最後までどう支えていくか。こどもたちというのは本当に最後の最後まで成長し続けますので、ケアの在り方や日本型こどもホスピスについて法制化を進めていただく上で、今こども家庭庁の方で御検討いただいている法制化に向けた御議論は今年からようやく調査が始まるとお聞きをしているのですけれども、今、御議論いただいている新たなこどもホスピスの概念の確立というのは、世界的に見ても今後ロールモデルとなり得るものだと思っております。

その方向性というのは、課題の推移をしっかりと捉えていただいておりまして大変期待を寄せております。このようなこどもたち、長くは生きられないけれども、最期までこどもたちの命の輝きをどう支えていくのか、学びや遊びの機会、家族との貴重な体験の時間をどう支えていくかということも念頭に、こども家庭庁で議論が進みつつあるこどもホスピスなども含めて中間整理案の中にもう少し手厚く盛り込んでいただければというお願いでございます。

その後に、これは本当に参考資料なので説明はいたしませんけれども、今、医療ニーズの高いこどもたちの概念が世界的にもどう変化しているのか、WHOでの小児緩和ケアの定義がどう変わってきたかとか、動ける医ケアの子たちが医ケアを離脱できて、最後に発達障害が残る可能性が高いという臨床のエビデンスなども出つつあるのですけれども、こういったことを当医ケア協議会の代表理事である医療法人財団はるたか会の前田浩利がまとめた資料の中から抜粋で参考としておつけをさせていただきました。

最後に参考資料の5枚目、5ページ目になります。こども大綱に妊娠前後の支援の記載があるのですけれども、今日のこの障害児支援に関する抜粋のページ5のところとは少しずれたお話になってしまうのですが、ぜひ明記をしてほしいということで、医療的ケアライン全国の家族会の代表である宮副和歩さん、この方はメディカルソーシャルワーカーでもありまして、御自身が妊娠の時点でお子さんに重い障害が残るだろうことを分かった上で、御家族で決断をして、周りの方とも相談をされて、出産をして子育てをされているという当事者と医療のプロフェッショナルの観点から、宮副さんからぜひともこれは盛り込んでほしいという項目だったので書かせていただきました。

中間整理案の21ページに(妊娠前から妊娠期、出産、幼児期までの切れ目ない保健・医療の確保)という項目があるけれども、妊娠中に対する施策をもう少し強化してほしいということで、妊娠中の羊水検査などで予期せぬ診断があった場合に様々な主体、例えばセカンドオピニオンを求めたいときにセカンドオピニオンを聞けるような医師を紹介してくれるような、ソーシャルワーカーさんにつながっていただくとか、あとはそれが分かったときに宮副さん自身もなかなか相談することができなかったという個人の体験を踏まえてここに並ぶような項目を書かせていただいております。ぜひとも御勘案いただいた上で妊娠中の支援のご検討ですね。

そして、最後のポツでございますけれども、低出生体重児、小さく生まれたこどもたちと、その後に発達障害が残る可能性の相関性に関して臨床の治験のデータが少しずつ出始めておりまして、産後直後からの早期のケア、アタッチメントの重要性というのはこども大綱の中でも指摘をされておりますけれども。臨床をやっている先生方からは、産後7日間のアタッチメントが本当に重要で、その期間集中してアタッチメントを取ることが後々どれだけ大切かというような御意見もあるのですが、NICUにいるお子さん、管がいっぱいついた状態で親御さんも抱っこをするのが怖いような状態であっても、きちんと触れる、声をかける、触れる範囲で抱きしめてあげる。

そのようなアタッチメントと、加えて早期の専門ケアがその後の成長発達であったりとか、社会性の獲得の上で本当に大きな影響を与えるということが分かってきているので、小さく生まれたこどもたちは障害児とは限らないので、社会的支援とか福祉サービスの対象にならないこどもたちも現状多いのですけれども、ここに対するサポートもしっかりと御検討いただきたい。

長くなりましたが、以上でございます。御静聴ありがとうございます。

この中間整理の短い文章のところにどこまで入れるのかということはありますけれども、今後の議論においては必ず議論しなければならない内容かなと思って伺っておりました。ありがとうございます。

それでは、小野先生は最後に私の前にいただくとして、北川委員どうぞよろしくお願いします。

北川委員:日本知的障害者福祉協会の北川です。よろしくお願いします。

本当にこの資料の作成と、こども家庭庁の皆さんや事務局の皆さん、障害児支援課の皆さんがいつも障害児や家族の福祉に御努力いただいていることに感謝いたします。

私の方から何点か、意見になるかと思いますけれども、申し上げていきたいと思います。

最初は、5ページの第3の1の(5)の7行目です。医療的ケア児、聴覚障害児などのここの書きぶりをどのようにしたらいいのかということです。最初に山本さんからの意見もありましたけれども、大きいところでは障害児支援だと思うのですが、ここでもう少し視覚障害だとか、あとは発達障害であればやはり厚労省のほうで昨年、強度行動障害を有する者の地域体制に関する検討会があって、こどもの頃からの支援が大事ではないかということも書かれておりました。

ですので、こどもの頃からの行動障害のこどもたち、これは医学的な書きぶりと法的な書きぶりとあると思うのですけれども、そのようなケアニーズの高い子も含めた、もう少しこの辺を細かく整理していただいて記載した方がいいと思いました。

それから、次は9行目ですけれども、「こどもや若者本人のみならず、保護者やきょうだいの支援を進める。」というときに、昨日違う部会にも出ていまして、こども大綱が大人の視点ではないかという意見が随分出ておりました。そのときに、私も「障害や発達の課題を早期に発見」というのはどうかと思いました。ここで、こどもの障害や特性、それから発達を把握し、ということで、「発達の課題」となると何か課題があるような、そこに問題があるようなこどもというふうにならないような、こどもが見てもいい書きぶりがいいと思います。

それで、1行目にも「発達に課題のあるこども」という書きぶりがありますので、ここも事務局の方で何とか考えていただければと思いました。

それから、三重県知事もおっしゃっていましたけれども、インクルージョンが推進されるということがこどもの施策の基本方針の中にあるということは非常に大事なことだと思います。

その中で、13行目ですね。「特別支援教育については」というところなのですけれども、特別支援教育はどの子にとっても大事なので、14行目の「一人一人の教育ニーズに応じた学びの場の整備を両輪として」と書いていますけれども、インクルーシブと特別支援教育を両立させるというか、インクルーシブを大事にしつつ、こども一人一人の育ちを大事にするというところでは特別支援教育は非常に大事だと思うのですけれども、ここに「学びの場の整備」と書かれると、何か分断する場をつくるのかなというふうに誤解されると困りますので、例えば先ほどから言っている、いろいろなこどもたちがいる中で最後まで学びの場を充実するというような、教育的ニーズに応じた学びの場を充実させ、というところでよろしいのかなと思います。

次ですが、この5ページ目にはないんですけれども、社会的養護のところで、先ほどの参考資料1の18ページのところに社会的養護のこどものことが書かれてあると思うのですが、この受け皿に「児童養護施設等」ということと「環境改善」ということが書かれています。それで、ここに障害児入所施設がちゃんと入っているということが大事だと、障害児入所施設が社会的養護からちょっと外れてしまうところもあるので、ここに「等」と書いているので障害児入所施設と入れるのは難しいかもしれませんが、何かそこに入っているんだという意味づけが見えたらいいのではないかと思いました。

あとは、環境改善というところでは家庭的養護というところも大事なことかと思います。 また5ページに戻りますけれども、先ほど加藤委員がおっしゃったように、妊娠中からのNIPTなどの出生前診断を受けるかどうかは妊婦さんが判断するわけですけれども、受診に関する寄り添いだとか、結果、陽性となったときのサポートだとか、そういうところがまだ足りないと思いますので、ここに書くか、妊娠のところに書くかはあると思いますけれども、その辺も含めて書いていただければと思いました。

私からは以上です。

有村部会長: ありがとうございます。非常に大事な議論かと思います。

それでは、続きまして吉野委員お願いいたします。

吉野委員:一般財団法人全日本ろうあ連盟の吉野です。

皆様方の御意見、また事務局の皆様方、資料作成等々、御議論ありがとうございます。

私のほうからは意見と質問を出させていただきますが、全部で3つございます。

まずは質問ですけれども、資料1につきまして、P3に今後の取組について説明の記載がございました。スケジュールのところで、10月にこども・若者、子育て当事者等の意見を聞く取り組みが載っています。これはとても大事な取組だと思います。こういった当事者たちの意見を加えた上で、しっかりと大綱づくりに生かしていくということは大事なことだと思っております。

そこで、質問なのですが、当事者たちのチョイスというか、選出方法というのはどのようになっているのかということについて事務局から説明がなかったので、どういう人たちを選出する予定なのか。また、団体から選出するのか、個別に幅広くランダムに選出していくのか。この辺りの選出の仕方もいろいろあると思います。

当連盟のほうでは若い人たちのグループがございます。ここにお願いして、きこえない当事者としての意見を取り入れてもらいたいです。

2つ目です。三重県知事のほうからインクルーシブ教育についての御意見があったと思いますが、基本的には賛成です。ただこのインクルーシブ教育というのは非常に大切な視点だと思うのですけれども、私ども全日本ろうあ連盟といたしましては、インクルーシブ教育の在り方をいま一度しっかりと慎重に考えていかなければいけないものではないかと考えております。

私たちは手話言語を使ってコミュニケーションを取るという特性を持っています。インクルーシブ教育の中でどのようにその特性を生かしていくのか、手話言語が使えるコミュニティーを確立していくのか非常に大切になるわけなんですね。ですので、そういったことも含めてインクルーシブ教育をどう捉えるか慎重に検討していただきたいというのが2点目の意見でございます。

また、こども大綱の参考資料を読ませていただきましたけれども、全て目を通したのですが、障害当事者というのがちょっと抜け落ちているような気がいたします。

特に、参考資料1の34ページの「(3)地域における包括的な支援体制の構築・強化」と、39ページの「おわりに」のところのまとめに、「民間団体等」という言葉があります。

ただ、この「等」というところに障害者団体というのが含まれているのではないかと考えておりますけれども、ここはしっかりと、障害当事者団体、または障害者団体、支援団体、こういったものが入るようにしていただいて、こういった意見も聞き入れながら地域社会の中で共生社会をつくっていくという観点をつくっていく必要があるかと思いますので、そういった文言の修正をお願いします。

以上です。

有村部会長:ありがとうございます。

先ほど、1つ質問がございましたけれども、こちらは事務局にお願いしてもよろしいでしょうか。

栗原障害児支援課長:ありがとうございます。障害児支援課長でございます。

ペーパーにもあるとおり、今この意見を聴く取組というのをやること自体は決めた上で、やり方も含めて調整中と承知しておりますが、資料1の3ページを御覧いただいても分かるとおり、様々な場で広がりのあるこども・若者に意見を聴くように試みているというふうに承知しておりますので、本日いただいた御意見も担当部局に伝えさせていただきたいと思います。ありがとうございます。

有村部会長:ありがとうございます。

それでは、ここからオンラインの委員の皆様方に御意見を伺っていければと思っています。

それでは、私の目の前の画面で左上に映っております陶山委員からお願いできればと思います。

陶山委員、どうぞよろしくお願いします。

陶山委員:よろしくお願いいたします。日本難病・疾病団体協議会の陶山でございます。意見を述べさせていただきます。

「ライフステージに横断的な重要事項」の5ページについてですけれども、皆さんが言われているように医療的ケア児と障害児というふうに書いてありますが、この医療的ケア児というのは法律にのっとった医療的ケア児のことなのかということですね。医療を必要とするこどもたちの概念についてお尋ねとお願いをしたいと思います。

医療的ケア児法案が通りましてから、法律に該当するこどもたちへの支援体制が整いつつあることは本当にいいことだと思うのですけれども、ただ、やはり知的、身体的、精神的障害がなく、生まれたときから、あるいは成人に達する前に発症して病気になり、そして投薬や食事制限、行動制限をしながら生活をしていて、見た目には分からないこどもたち、この子たちは通常学級にたくさんいます。こういう子たちが、例えば小児慢性特定疾病といって700疾患くらいが該当するのですけれども、その対象者の中で約7割はそういう子たちだと言われています。

そういう様々な小児の患者団体から、この7割のこどもたちへの支援が行き届いていないのではないかという声を聞きます。この文章の中からは、医療的ケア児以外の医療を必要とするこどもたちも含まれているのかどうかをお聞きしたいと思います。先ほど課長さんのほうから、医療的ケア児というのは幅広くと言われましたけれども、ただ、一般社会の人たちが医療的ケア児というのはどういう子たちかと想像するかといえば、例えば胃ろうをしていたり、人工呼吸器をつけていたり、見た目で本当にこの子は重症だなと思うような子たちではないかと思うんですね。

ところが、例えば私は1型糖尿病の患者の家族ですけれども、見た目は全然分かりませんが、インシュリンを打たないと生きていけないのでポンプをつけたり、あるいは導尿をしているようなこどもたちはいますよね。そういう子たちは、見た目は全く分からないんです。そういう子たちも含まれているのかどうかということと、ここでは障害児とは障害者の権利に関する条約の理念を踏まえてということですから、身体、知的、精神だけではなくて、その他の心身の機能の障害がある者というのも含まれると思いますので、医療を必要とするこどもたちである小児慢性特定疾病のこどもたちも対象になると思います。

この7割のこどもたちは障害者手帳を取得することもなく、福祉サービスを受けることもなく、そして20歳を過ぎれば医療的補助はなくなる疾患もたくさんありますので、将来的に医療費を支払いながら体と折り合いをつけて就労して生きていくことになります。

自立支援の対象と本当になってほしいものなのですけれども、そういう意味では個々の文言の中に、医療ニーズの高いこども・若者、あるいは、小児慢性特定疾病のこども・若者、というような文言を入れていただきたいと思います。

それから、真ん中辺りに「特別児童扶養手当等の経済的支援」と書いてあるんですけれども、児童手当の所得制限が来年廃止されるということですが、ただ、特児とか、障害児福祉手当に関しては所得制限がいまだにあるんです。これは早く撤廃してほしいと思います。

児童手当の所得制限の廃止の前に、実は特児とか障害児福祉手当の所得制限をなくすほうが先なのではないかという気がいたします。

最後に質問ですけれども、「専門的支援が必要なこども」という文言がありますが、この「専門的支援が必要なこども」というのはどのようなこどものことを言うのかをお尋ねしたいと思います。

以上です。

有村部会長:様々な御意見、ありがとうございます。

それでは、2つ御質問がありましたけれども、こちらも事務局に振ってもよろしいでしょうか。お願いいたします。

栗原障害児支援課長:ありがとうございます。障害児支援課長でございます。

初の定義の話です。医療的ケア児というところで、今回御指摘をいろいろいただいているところですけれども、先ほど申し上げたとおりで、この文章自体が法律というものではなくて、定義をかちっと定めるような性格のものでもないと理解しておりますので、より広めに捉えていただいた上で、具体的な施策等は、それぞれむしろ絞った形での施策は様々、世の中にありますので、そういったものをいろいろ組み合わせてやっていくという世界かと思います。

そういった具体的な施策については先ほど申し上げたとおりで、大綱というよりはその下の実行計画のほうでさらに見ていくものかと思いますので、いずれにしてもあまり狭めることに私たちは意味がないと思っていますので、しっかり困難を抱えるこどもたちに対応していきたいと考えております。

もう一つの専門的支援は、代表的なものはまさにここに前者に書かれているとおり、医療とか、そういったものがあると思います。特に障害児支援の関係では、地域というと市町村という単位で支援を行っていただいていますけれども、やはりその単位ではなかなか支援が難しいところで医療というのは代表的なものだと思いますし、もちろんそこに限られないとは思いますが、行政的に言うと、例えばより高度な部分で広域的な支援が必要な部分というところも御説明の一つとしてあるのかなと考えております。

以上でございます。

有村部会長:ありがとうございます。

今の事務局からのお答えに対して、御意見もいろいろあるかと思いますし、やり取りもと思うところではあるかもしれませんが、すみませんが、時間の関係で先に進ませていただければと思います。

時間も決まっておりますので、もしよろしければ4分くらいをめどにお話をいただければ大変ありがたいです。

それでは、続いて、私の画面で左上に出ておりますのが小島委員です。

小島委員、どうぞよろしくお願いいたします。

小島委員:全国手をつなぐ育成会連合会の小島幸子と申します。よろしくお願いいたします。内容に関する部分で、まず大きい点なのですが3点ございます。

1点目として、参考資料1の9ページにもありますが、いわゆるヤングケアラーの課題について盛り込んでいただきたいと考えております。障害のあるこどもの兄弟、姉妹が必ずしもヤングケアラーという状態ではないとは思いますが、支援体制の構築は重要だと考えております。

2点目ですが、先ほど北川委員のほうからも発言がございましたが、行動障害のあるこども、特に強度行動障害の状態にあるこどもについても専門的な支援が必要であると考えます。医療的ケア児や聴覚障害児と並べて、ぜひ書き込んでいただけたらと思います。

3点目ですが、この2点目に関連するのですが、タイトルが「障害児支援・医療的ケア児への支援」と限定列挙になっているため、強度行動障害を含むことも踏まえて、等、という言葉をぜひ入れていただけたらと思います。

関連した細かい部分になります。

1つ目として、参考資料の9ページに児童発達支援センターの機能の強化があります。

この点でございますが、学齢児を含めた地域の療育支援で、スーパーバイズ的な中心的な役割を果たしていくという児童発達支援センターの方向性は評価したいと思っております。

ただ、多くの児発センターは未就学児の支援を主軸としており、学齢期の支援に対する適切な助言などには多少の不安がございます。特に学齢期は行動障害が現れる、または重度化するリスクが高い時期でありますので、確実な支援体制の構築をお願いしたいと思っております。

2点目ですけれども、9ページの社会的養護の受け皿の確保にもありまして、先ほど北川委員のほうからも発言がありましたが、障害児入所施設から成人サービスへの移行について協議の場を設けるなど、いわゆる過齢児としない体制を目指す方向は重要な一歩であると考えています。

ただし、単に障害児入所施設から障害者の入所施設へ移行するのでは意味がありませんので、障害のあるこども本人が望む地域生活への移行を支援する仕組みとしていただきたいと考えております。

これに関連しまして、障害児入所施設の過齢児問題を考えるきっかけとして、障害児入所施設が成人の入所施設へ転換した結果、ただでさえ少ない障害児入所施設、それに併設する障害児対応の短期入所が少ないわけです。それがさらに減ってしまったケースが全国から報告されております。特に行動障害や医療的ケアのこどもを受け入れる短期入所の整備状況について、まず現状把握からしていただけたらと考えております。

最後でございます。参考資料の9ページに、子育て当事者に関する重要事項というものがあります。児童発達支援センターや放課後デイサービスが保護者の就業支援としての役割を果たすことが明確化されております。現状では、一般子育てサービスだけで障害児の預かりサービスを満たすことが難しいという意味で理解をしておりますが、他方で、こどもの育ちと保護者の就労保障を同一事業所でどのように両立させるのかについても、関係者でさらなる議論が必要だと考えているところです。

以上になります。ありがとうございました。

有村部会長:ありがとうございます。整理して御発言していただきました。

それでは、続きまして小林委員お願いいたします。

小林委員:日本発達障害ネットワークの小林です。よろしくお願いします。

こども大綱という部分に対して、今回の資料の5枚目の部分が中心になるお話になります。これは、多分、基本政策部会のほうで十分議論されてきているものが中間整理をされているということで、有村委員長がお話をされていたところがとても印象的で残っています。

社会的障壁の話からグラデーションの問題のことで、こどもたちがいろいろな障害児だとか、社会的養護児と考えるというだけではなくて、グラデーションというふうな考え方であることと、それからもう一つはグレーゾーンの問題も、でもそこは落とせないよねと、5回目だったと思うんですけれども、そういう話をされていて、障害児のことはどんなふうに描かれていくのかなということで、とても難しい中でつくられたものなのだろうなと思いながら拝見していたところなのですが、3点、意見というか、どうなんだろうかというふうなことを提起させていただきたいと思います。

1つは、何回かインクルージョンという言葉が資料の5ページに出てくるのですけれども、「包容(インクルージョン)」、それから「インクルーション」ともう一回出てきまして、それから「インクルーシブ教育」というふうな描かれ方がされています。

先ほど、特別支援教育とインクルーシブ教育はどう違うのかとか、どういうふうにそれが連動するのかという問題があまり整理されていないような感じもしますし、それから(5)の「障害児支援・医療的ケア児への支援」のところの一番初めに使われている「インクルージョン」というものと、その後の真ん中辺に書かれている「保育所等におけるインクルージョンの推進」というところが果たして同じ定義なのかなということをちょっと考えてしまうなと思いました。そう思われてしまうことになりますし、新しく使われてくる言葉であろうと思いますので、整理しておきながら進めていく必要があるのではないかなということがまず1つ目です。

それから、文章の3行目のところなのですけれども、「その発達や自立、社会参加を支援する。」という書きぶりがございます。発達の支援ということに関してはそうかなと思いながら読んでいたのですけれども、その後、ある種ノーマライゼーションの理念として、「社会参加」であるとか「自立」というのは非常に重要なテーマだというふうにはもちろん理解しているところですけれども、こどもの発達の中において、ここで突然、「社会参加」「自立」という言葉が出てくることというのが私の中では非常に違和感があります。

こどもの中で、こどもの発達に関してとか、こどもがどう生きていったらいいのかというウェルビーイングの精神が書かれているわけなのですけれども、そこで障害児支援のところに入ってくると突然「発達や自立、社会参加を支援する。」と書かれていくことというのは、ちょっと違和感があるなと思っています。

最近、「自立」をたくさん使われてくる障害児施策の中で、ちょっと気をつけなければいけない「自立」という言葉なのではないかと思っているところなので、「自立」とは一体どういうものを指しているのかということをもう一度よく考え直して、慎重に使ってみる言葉ではないのかなと考えているところではあります。

最後は、何人もの皆さんもおっしゃっていらっしゃいました「医療的ケア児、聴覚障害児など」という感じで「専門的支援が必要なこどもや若者」というふうにきているんですけれども、もちろん「など」なので、そこにはいっぱいいろいろ入っているのだろうとは承知をするというか、理解できるところではありますけれども、何か戦略的な意味があるのであるならば、それはそれでそうかもしれないと思いながら読んではいたのですが、そこがどういうふうな意味合いの中でこの一文を添えていくのかということに関しては、やはり整理していく必要があるのではないかと思ったところです。

そんなところです。ありがとうございました。

有村部会長:ありがとうございます。

今のように足元で言葉の定義等をしっかり確認していくことはとても大事だと思います。ありがとうございます。

それでは、続きまして小川委員お願いいたします。

小川委員:日本相談支援専門員協会の小川と申します。

まずもって、このような中間まとめ等の整理をしていただいたことに厚く御礼を申し上げたいと思います。少し時間の兼ね合いもあるということですので、他の委員の皆様との重複意見等もありますが、それについては簡潔に申し上げたいと考えております。

まず、相談支援の立場から今回このこども大綱、「こどもまんなか社会」ということでまとめていただいたことが今後、大変重要になっていくだろうという認識を持っております。

少し5ページの話とはそれてしまいますが、そもそも前提条件としまして参考資料1でお示しをいただきました6ページの「こども大綱が目指す「こどもまんなか社会」」に書かれている各内容ですとか、こうしたものは障害のあるお子さんにとっても共通する内容だというふうに思いながら拝読をさせていただきました。

これは確認なのですが、この後「ライフステージに縦断的な重要事項」ということで各項目が示されていて、そのうちの1つの中に「障害のあるこども・若者、発達に課題のあるこども・若者」となっておりますけれども、権利の主体であることの周知徹底ですとか、多様な遊びや体験、活躍ができる機会づくりなども全て障害のある、あるいは発達に課題のあるこども・若者にも共通する内容だと思っていますので、特出しをする部分と共通している部分をどのように表現するかということについては、私の読み方という問題もあるかもしれませんが、少し配慮、工夫が必要かと思ったところです。

続きまして、資料1の5ページの内容について幾つか御意見を申し上げたいと思います。

まず、何人かの方もお話しされておりましたけれども、専門的支援が必要なこどもの状態像に対しての表現方法については、少しこの後、皆さんとも意見交換をさせていただきながら検討する必要があるのではないかと考えたところです。

それからもう一つ、先ほど小林委員のほうからもお話がありましたけれども、「インクルージョン」という言葉の使い方についても少し階層があるような印象を受けましたので、やや狭めに使っているところと、かなり幅広に使っていただいているところでは言葉の整理が必要かしらと思いました。

また、広義のインクルージョンのところでは、やはり社会的障壁の除去ですとか、合理的配慮の一層の推進ですとか、そのような表現も含めて検討していけたらと考えたところです。

特別教育の部分については、他の委員と重複しますので、それぞれの方の意見に賛同させていただきながら、引き続き検討ができればと考えております。

私のほうからは以上です。どうもありがとうございました。

有村部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして三宅委員お願いいたします。

三宅代理:日本視覚障害者団体連合の三宅と申します。本日は、大胡田に代わりまして代理で出席させていただいております。

時間がないところもありますので、早速意見のほうを述べさせていただきます。私からは、2点ございます。

中間整理案に関しましてですけれども、まず1点目が保育所等におけるインクルージョンと、それから特別支援教育におけるインクルーシブ教育システムの推進についてというところで言及がなされております。

しかしながら、これに加えて障害のあるこどもが地域の小学校、中学校、高等学校などでも学べる環境整備と支援制度の充実についても、この大綱の中で明記すべきではないかと考えます。

2点目です。整理案の中では、地域における障害児の支援体制を強化することが示されています。例えば、放課後等デイサービスによって障害児に特化したサービスを充実させていくということについては明記されていますので、それは十分理解はできるのですけれども、これを進めていくというふうなことで、この記載のみで進めていくということになってくると、場合によっては障害のあるお子さんと、ないお子さんと完全に分離というところにつながってこないかなという心配があります。

恐らく、そういう意味で書かれているのではないと理解はしたいのですけれども、そういうことがないように、インクルーシブの理念に逆行していないよということを表すように、やはりこういったところは、もちろん障害児に特化したサービスの充実というところと併せて、障害のあるこどもと、ないこどもが地域で、ともにいられる居場所づくりというか、そういう形でいわゆる共生社会を進めるという観点からも記載をしていただけるとよろしいかなと考えます。

以上、2点お願いいたします。

有村部会長: ありがとうございます。

それでは、続きまして石澤委員お願いいたします。

石澤委員:麦の子会の石澤柊です。

個人的な感想と意見になります。資料1の「障害児支援・医療的ケア児への支援」にある「障害のあるこども・若者、発達に課題のあるこども・若者の地域社会への参加・包容(インクルージョン)」ですが、障害のある子と、ない子が一緒にいることが大切で、理解し合うため、理解がないことによって起こる差別が減るのではないかというのが私の感想と意見です。

もう一つが、「こども施策に関する基本的な方針」の「(2)こどもや若者、子育て当事者の視点を尊重し、その意見を聴き、対話しながら、ともに考えていく」という「その意見を聴き」という点で、障害のある人の話や意見とかをよく聴いてほしくて、自分の意思を言語化できないこどももいるので、支援者がそのこどもの意見をキャッチし、いろんな方法を使って意見を酌み取ってほしいなというのが私のもう一つの感想及び意見です。

ありがとうございます。

有村部会長:ありがとうございます。

理解し合うということ、それからやはり聴き取るというか、意見を聴くにもきちんとその方法であったり、そういったところを保障していかないといけないというお話でした。ありがとうございます。

それでは、続きまして酒井委員お願いいたします。

酒井委員:御指名ありがとうございます。全国児童発達支援協議会事務局長をしております酒井康年です。私のほうからは、3点御意見を申し上げたいと思います。

1点目は5行目になりますけれども「障害の有無にかかわらず、安心して暮らすことができる地域づくりを進めるため、地域における障害児の支援体制の強化や保育所等におけるインクルージョンを推進する。」というところになります。

もちろん、内容としてはぜひ進めていただきたいということで、反論するところは一切ありません。

ただ、これだけでは十分ではないのではないかということで御意見をさしあげたいと思っております。

というのは、こどもたちが過ごしている家庭、それからこどもたちが利用できる支援機関、これは一般施策である支援機関も含めてですけれども、そういった機関が地域の中には点在しているわけです。この点と点が結ばれて線にはなっていく。この線が増えていくことはもちろん期待したいところではあるのですけれども、この線だけでは地域が豊かになっていかないと思います。

もっともっと地域には様々な生活する場所であったり、活動する場所がたくさんあります。地域づくりという観点で、地域の中で支援を必要とするこどもたちが安心して受け入れられる、それから子育て世帯が安心して受け入れられるような地域づくり、これは今、保育園が騒音施設として非難されるような社会に我々は対面しているわけですね。このような社会的な意識のままでは、もっと支援ニーズが高いこどもたちが地域で安心して受け入れられるようにはなかなか思い切れないところがあります。そういった意味で、広くもっと一般的な地域づくりという観点もこの中に含めていただけるといいなと思っております。

2点目になります。9行目の「障害や発達の課題を早期に発見・把握し、適切な支援・サービスにつなげていく」というところになります。先ほど北川委員のほうからも御指摘があったところかと認識をしております。

昨年9月に国連から出された日本に対する総括所見でも、日本で行われている乳幼児健診に対してネガティブなメッセージが発せられております。この中では、分離政策のスタートとして位置づけられるんだというような、そういった解釈がなされていました。

一方、我々臨床現場にいる者にとってみると、当然、早期に発見し、早期に対応していくことの必要性、重要性は何ら否定されるものではないと思っています。そういった意味では、ここのところは医療モデルに基づくような表現方法ではなく、いかにしてこどもの育ちを支えるために必要な取組であるということ、それから家族をやはり支えることになるんだという観点から、表現方法はぜひ見直していただきたいと思っております。

3点目になります。ちょっとこの5ページ目を超えるのですけれども、参考資料のほうに入りますが、9ページに「ライフステージに縦断的な重要事項」ということが羅列して記載されております。ここだけを読んだ印象なのですけれども、この中に不登校とかひきこもりという言葉が一個も出てこないんですね。これだけ大きなテーマになっている不登校、ひきこもり、しかもこの問題は成人にまで引き続いて課題が残っていくというふうに認識しております。ぜひ、小さい頃から継続的な支援ができるような記載があるといいなと思っておす。

以上、3点申し上げました。ありがとうございました。

有村部会長:大事な御指摘、どうもありがとうございます。

それでは、続きまして永松委員お願いいたします。

永松委員:全国市長会の大分県杵築市長の永松と申します。今日は中間整理ということで、私たち自治体が目指すべき方針が出されました。非常に参考になりますし、一生懸命読み込んでいきたいと思います。

それで、私の方からは、5ページの「障害児支援・医療的ケア児への支援」についてです。特に「医療的ケア児」、そしてもう一つ、先ほど小島委員からご意見がありました「強度行動障害のあるこどもたちへの支援」です。先日、大分県で小児医療対策協議会がありました。

私はそのメンバーです。小児科の先生方や、看護協会、それから重度障害児施設の医師などから、医療的ケア児、そして強度行動障害のこどもたちへの支援について、その基本になる医師や看護師などのスタッフが不足しており、現場が回らない、オーバーワークの状況にあるとのことでした。ご本人と保護者にとって一番最初に関わる最も頼りとする人材が足りていないのは大変な問題であろうと思います。 では、専門性の高いドクターやスタッフをいかに養成してくか。どうすればいいのか私も分からないのですけれども、少子化が進み、小児科医になりたい方が少なくなるのではないか、心配になります。一方で、医療的ケア児・強度構想障害のある方々は少なくなっているわけではありません。やはり、そのケアに関わる人材の量的・質的確保は急がなければならないと思います。

現場のほうは既に回っていないというところもあり、ご本人もご家族も大変な状況にありますので、研修体制の充実や診療報酬等での評価が行政の現場からすると大切なことではないかと思います。

いずれにしても、医療的ケア児、強度行動障害のあるお子さんが人生のスタートのところでご家族とともに、これ以上困らないように、医療人材の育成と確保、そして診療報酬等での評価をしていただけるとありがたいと思います。

以上です。

有村部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして田村委員、どうぞよろしくお願いします。

田村委員:手短に、立命館大学の田村です。

私のほうからは資料1の5ページのところから少し意見ですが、(5)の1行目から5行目、6行目までの書きぶりです。

「障害者の権利に関する条約の理念を踏まえ」と書いてありますけれども、基本的にはこどもや若者の地域社会への参加・インクルージョンの推進ということを言っているので、これそのものは本当にこの見出しにある「障害児支援・医療的ケア児への支援」の特徴な のかというとそうではなくて、先ほど小川委員も言われましたけれども、特出しをする中身ではなくて、大綱の一番基本政策としてきちんと位置づけられるべきではないかということを思っています。

その次のところについても、「その発達や自立、社会参加を支援する。」と、なかなかそこが困難なこどもたちは単に障害児だけではなくて、そういうこどもたちがたくさんいるからこそ、これも一般的な大綱の柱にしておく必要があるのではないかというようなことだったり、3つ目は特児手当のことが書いてありますけれども、貧困と関わって経済的な支援はやはり必要だということなので、これは障害児特有なのかと思ったりします。

さらにその後、「個々の特性や状況に応じた質の高い支援の提供を進める」、これもそこだけ読めば障害児だけの話なのかというと、そうではない気もします。

その次は「障害の有無にかかわらず、安心して暮らすことができる地域づくりを進める」ということなので、この5行、6行目のところについては本当にここで書くべきことなのか、大綱の柱の中にちゃんと組み込んで表現するべきものなのかというところの差異というか、区別をして表現して、ここでは本当に障害児支援、医療的ケア児の支援にとって必要なもの、あるいはこの5年間のところで整備していくことに絞って、その具体的な施策は書かなくても、もう少し強調、あるいは中身が分かるような形で書くのであれば書いていただきたいと思います。

以上です。

有村部会長:立ち位置も含めて、そして全体の大綱の中に入れ込むことも含めて御指摘いただきました。ありがとうございます。

それでは、小野委員いかがでしょうか。

小野委員:小野でございます。もう皆さんそれぞれのお立場から本当に貴重な御意見を伺ったところでありますので、私は全体的なところで少しだけ意見を述べたいと思います。

今の田村委員のお話は非常にもっともだなと思ったのですけれども、今回の5ページの「障害児支援・医療的ケア児への支援」のまず最初の柱になっているところがインクルージョンということで、それは本当に全てのこどもにとって大事なことであるとは思うのですけれども、ただ、裏返して考えれば、これが今できていないということの中で、障害児の今後の支援の中でやはりここはかなり意識して注目していかなければいけないところではないか。その意味で、ここでインクルージョンを強調しているのは非常に重要なことではないのかなと思います。

その中で、既にインクルージョンを推進するというところから、これは具体的に当たり前のものとして普及させていかなければいけない。それは単にその施策や支援ということだけではなくて、社会全体の中に障害児をきちんとインクルージョンしていくという、その理念を醸成し、普及させていく。これは障害児支援の最も基本的なこととして、インクルージョンが当たり前であるという方向性へ今後の5年間の施策の中で注力していただきたい。そういう意味で、ここの記載というのは非常に重要ではないかと思います。

それから、後半の部分でもう一点、移行の部分ですね。「乳幼児期・学童期・思春期の支援から一般就労や障害者施策への円滑な接続・移行」で、今こどもの支援というところの中では医療も含めてなのですけれども、トランジションというのは非常に重要な要素になってきているところでございますので、これもここに記載されるのは非常に重要なことだと思います。

ただ、特に障害児支援においてのトランジションというのは、例えば教育から就労、あるいは家庭から自立した生活、そういうような具体的な目に見える移行というところに注目されてしまいやすいし、そういう施策だけが取り上げられていくことが多いわけですけれども、これは本当に障害児だけではないですが、こどもから大人への移行というのは非常に大変な作業だと思います。単に18歳だから大人になります、20歳だからもう大人になりました、自立しますということではなくて、一人の大人として自立していくまでのプロセスというのは非常に複雑で長いものがあります。

ですので、単に制度が移行する、サービスを移行させるということではなくて、大人へしっかりと移行する期間というものを保障する必要があるだろう。つまり、単にある制度から次の制度へ移行するということではなくて、一定の移行する期間というものが保障されていく必要があるだろう。そこら辺の時間的な幅というものが、この移行ということの中の意味として表すことができればいいのかなと思うところです。

私からは以上でございます。

有村部会長:ありがとうございます。

これで全員お話しいただきましたが、まだ御発言いただいていない委員はおられませんね。

ありがとうございます。議事進行に御協力、本当にありがとうございます。

私自身、様々な部会に出させていただいて、特に基本政策部会においても発言してきたつもりです。障害のあるこどもたちのことをこの部会ではどう支援していくかを話し合っ
ていくことにはなりますけれども、やはり障害があるこどもたちが生きやすい社会をどうつくっていくのかということが、決して障害のあるこどもたちのためだけではありません。よりニーズを感じているからこそ、全てのこどもたちの生きやすさというものを考えることにつなげられるような仕組みがうまくつくれないかと思って発言はしてきたところでございます。

しかし、今日の皆様方の御発言を聞いて、まだまだ考えなければならない要素をたくさんいただいたと思います。それから特に幾つかのポイントについて、御意見が集中したところもありますけれども、本当にそうだなと思って今日聞かせていただきました。こちらをしっかり私も踏まえて、できるだけ工夫しながら発言を進めていこうと思います。本当にありがとうございます。

それでは、今の御意見を踏まえてというところですが、続きまして議題の(2)に入りたいと思います。

その前にお手が上がりましたので、北川委員、ご発言をお願いします。

北川委員:田村先生の御意見で、特出しではなくというのが本当に理想的なところだと思いますが、やはり現実は難しい障害のある子と家族にニーズがあって、そこを支えていくということが非常に大事かと今の時点では思います。

実は3月まで、私もこの大綱をつくる案の案に関わらせてもらっていたのですけれども、そのときはほとんど障害のあるこどものことが書かれていなくて、やはりこの大綱をつくるに当たって障害のある子も日本の大事なこどもという観点で記載をしていただくということをお願いしてきました。今まで日本ではこどもというのは、大人がいてこどもがいるというか、こどもの声を聴いてということがすごく少なかった中で、こどもの声を聴いてそのこどものニーズだとか、本当に様々な部会でいろいろなこどもたちというか、ケアリーバーの方とかも含めていろいろ発信して、そんなふうにこどもたちは思っていたんだと、いかに大人視点でこどもを見ていたかということがあったかと思います。

そういう意味で、この大綱は非常に日本のこども政策を変えていく大事な柱になるときに、やはり障害児のところは小野先生がおっしゃっているように、そうであってほしいけれども、まだできていないところをどんなふうにニーズをキャッチしてサービスをつくっていったり、地域社会をつくっていったりするかというところでは、少し特出し部分が必要なのかなと思いますので、そこら辺も含めてこの大綱の中に入れ込んでいくことは非常に大事かと思います。

田村先生のおっしゃることに本当に賛同しつつ、現状のところは今この大綱をつくるときに大事な視点かと思います。

以上です。

有村部会長:ありがとうございます。

本当にこの議論を私としてはずっと続けていきたいところです。基本政策部会でどのように発言していくか、実はいつも不安の中で考えながら発言してきましたが、今日は大変大きなお力をいただいたと思います。ありがとうございます。

それでは、時間もまいっておりますので、次に進んでよろしいでしょうか。

では、続きまして、議題の(2)「最近の障害児支援行政の動向について」、事務局より御報告をお願いいたします。

栗原障害児支援課長:障害児支援課長でございます。

2点、最近の動きを御報告させていただきたいと思います。2点は、予算と報酬改定でございます。

まず予算のほうでございますが、資料2と、あとは参考資料2、3が該当する資料になります。

資料2をお手元に御用意いただけますでしょうか。開けていただきまして、「令和6年度障害児支援関係 概算要求の概要」ということでございます。こども家庭庁全体の予算の概要につきましては、参考資料2につけさせていただいておりますので御参照ください。

1ページに庁全体のものがありますけれども、その中の第4の柱の中に「障害児支援体制の強化」というのを入れさせていただいております。

2ページを御覧ください。全体の概算要求の概要でございます。

事項要求というのが入っておりまして、これは「こども未来戦略方針」の中でも芽出しされた様々な施策について、予算編成過程において検討するという整理としておりまして、こちらのほうは金額を入れずに事項要求という形にしております。

2ページに(1)から(6)までございますが、1つ目は障害児のサービスの国の負担分ということで入所や通所に係る給付費等の予算でございます。

それに加えて(2)(3)(4)と、地域の支援体制の整備や医療的ケア児の支援の充実等に事業がありまして、これについて要求をしているところでございます。

あわせて、(5)番がバスの安全確保の事業でございます。これは昨年度の補正予算で事業を行っていたものですけれども、今年度こちらのほうで概算要求させていただいております。

(6)も同様に補正予算で進めてきたものですけれども、事業所のICTを活用したものをモデル事業的に様々に導入していただくということを事業としてやっておりまして、こちらの方も要求しているところでございます。

3ページ以降、それぞれの施策につきまして、より詳細な資料をつけておりますので、お時間のあるときに御覧いただければと思います。

それから、参考資料3に厚生労働省のほうの障害保健福祉部予算の概算要求の資料をつけさせていただいております。

1点だけ触れさせていただきますが、1ページ目の下から3つ目の■のところに、今日も様々御指摘いただきました「強度行動障害を有する者に対する地域支援機能の強化」というところで、拡充の予算を要求しているという状況がございますので御報告でございます。

続きまして、もう一つの報酬改定の御報告をさせていただきます。資料3をよろしくお願いいたします。

今年度検討して、来年の4月から新しい体系でということで今、厚生労働省とこども家庭庁が合同で障害福祉サービス等報酬改定検討チームを開催しておりまして、この夏の間、50弱の団体さんから様々に御意見をいただいたところでございます。それで、その御意見も踏まえた主な論点というのを、先般8月31日の検討チームで整理をしておりまして、その資料をつけさせていただいております。

時間の関係もございますのでちょっとはしょりますが、「はじめに」というところで全体の考え方を書いた上で、それぞれの大きな柱に沿って記載をしておりますが、障害児支援、特に4ページのところに整理させていただいております。

資料3の4ページになりますが、「障害児に対する専門的で質の高い支援体制の構築」ということで、児童福祉法の改正もございまして、それも令和6年4月施行になります。

児童発達支援センターの機能強化ということもございますし、それまで有識者の方の検討会で様々な御意見、御指摘をいただいた部分もございますので、そういったものを踏まえながら地域の支援体制強化のために報酬体系も改定をしていきたいと考えております。こちらのほうも御参照いただければと思います。

説明は以上になります。

有村部会長:御説明ありがとうございます。

それでは、ただいま事務局から御説明がありました議題(2)の「最近の障害児支援行政の動向について」ということでございますが、御質問等のある方は、対面で参加いただいている方はそのまま挙手をいただいて、オンラインで参加いただいている皆様方は「手を挙げる」機能を使用して挙手をお願いできればと思いますが、いかがでしょうか。

それでは、会場のほうでは皆さんから一斉に挙げていただきましたので、山本委員、加藤委員、吉野委員の順番でお話をいただきたいと思います。

それでは、山本委員お願いいたします。

山本委員:全国重症児者を守る会の山本と申します。御説明ありがとうございます。

資料3の4ページの検討事項のところに、「重症心身障害児の支援の充実を図るための方策」ということを特筆いただき感謝申し上げます。施設施策や在宅施策、特に在宅の重症児者にとって、短期入所の増床と、それから救急医療体制の確保については命を紡いでいくために重要な社会資源です。ぜひこれらを充実するための方策に着手いただきたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。

有村部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして加藤委員、お願いいたします。

加藤委員:ありがとうございます。全国医療的ケア児者支援協議会の加藤でございます。

1点だけ質問させていただきます。こども家庭庁ができて、大枠では4兆円台の予算ということで、子ども・子育てに関する予算がOECDの先進国並みに追いついたのではないかという評価をされていると思うのですけれども、こども家庭庁ができて障害関連予算から障害児関連、こどもの部分だけを移管しての初の概算要求になると理解しているのですが、傾向としてこどもの予算全体が増えた中で、事項要求もあるので単純な比較というのは難しいと思うのですけれども、家庭庁発足前と比較して、障害児支援関連の施策に関する予算というのは今のこの要求ベースで傾向として手厚くなっているのかどうか。

それから、インクルージョン推進という切り口でいろいろと施策を御検討いただいていると思うのですが、その関連に振り向けられている予算の規模感を出すのは難しいと思うのですけれども、これも今までに比べて増えているのかどうか。

現状ではお答えは難しいかもしれないので、その予算原案が固まってからでも分析してお答えいただければと思うのですけれども、いかがでございましょうか。

有村部会長:それでは、今お答えできる範囲で、事務局よりご説明をお願いできればと 思います。いかがでしょうか。

栗原障害児支援課長:ありがとうございます。障害児支援課長でございます。

金額自体は御説明をさせていただいて、今お話もありましたとおり事項要求も結構入っておりますので、なかなか現時点でのお答えは難しいと思います。

今後、予算編成過程で中身も含めて調整していくということになりますが、単純に申し上げると、例えば3ページにありますとおり、給付費の部分はもちろん地域の中で様々、資源も量的にも質的な確保というのは課題になっておりますけれども、充実してきているところでございまして、こういった部分について予算のほうは上がっているというところもありますし、その体制整備とかインクルージョンの話も含めて、施策の充実というのはこども未来戦略方針の中でも記載していただいておりますので、我々こども家庭庁としても頑張っていきたいと思います。

ありがとうございます。

有村部会長:よろしいでしょうか。また、追って御報告できることもあるかと思います。

続きまして、吉野委員お願いいたします。

吉野委員:一般財団法人全日本ろうあ連盟の吉野でございます。資料2の7ページにつきましてお願いにもなりますが、意見を申し上げたいと思います。

聴覚障害児の支援に関することでございますが、生まれた乳児が聴覚障害と分かったときにできるだけ早期に支援することが非常に重要な視点だと思っています。これはほかの障害児の方も同じことになりますが、その親への支援も非常に重要な側面でもございます。

今まで厚労省と文科省で聴覚障害児の支援、中核支援機能強化モデル事業というものが実施されてきたと思いますけれども、おかげさまで予算がついたということは非常にありがたいことと感謝申し上げたいところです。

この支援事業を使った例として久留米の聴覚障害特別支援学校でモデル事業を実施し3年経過いたしました。親御さん、あるいは聴覚障害児、乳幼児に対する支援は、聾者、当事者団体なども巻き込みながらいろいろ企画などをし、非常にいい効果を挙げている好事例となっています。

しかし、予算は3年で終わってしまって、その後、県に移行したあとの予算が確保できないため、この事業が維持できず縮小してしまっているので困惑しているとのことです。この事業をきちんとした形で法整備するということが非常に重要ではないかと思っております。

そして、やはり法的な位置づけとともにきちんと事業を継続できるように、47都道府県または政令指定都市・中核都市も含めてきちんと法の中に位置づけていただきたいと思います。

このモデル事業について、ろうあ連盟の加盟団体での実施状況を調べました。こちらに資料がございますが、アンケートを取ったところ全部で17か所、各自治体のほうで実施しているということが分かりました。

ただ、17か所の中で7県市が、実際にろう当事者が参画していないということが判明したわけです。厚労省のほうからは聴覚障害者当事者団体がその事業にきちんと参画するようにという通達があったのですが、実際、蓋を開けてみるとろう当事者が加わっていないということが分かったという実態があります。

ですから、この事業においてきちんとその当事者団体の意見を反映し、当事者が参画して事業展開をしていただきたい。そして、それぞれの社会資源ネットワークを強化し、確立し、ろう児と親への支援、両側面が非常に重要な視点になりますので、それらの支援をお願いしたいというところです。

アンケートの結果につきましては、また次の会議のときでも皆様方にお配りして、ぜひ読んでいただきたいと思っているところでございます。

このモデル事業を鳥取県や和歌山県でネットワーク化していただいたおかげで、聞こえない当事者の立場からも意見具申ができ、早期発見等の支援につながることができるというような声も大きな実績として上がっておりますので、そういう意味から当事者団体も必ず参画することを強く願っております。

また、手話言語条例が全国各地で広がりを見せておりますが、この条例もきちんと活用してろう当事者、またはそのこどもたちの成長も関わり一緒に共生社会をつくるためにも当事者団体を必ず加えるというような通達をぜひお願いしたいと思っております。

以上です。

有村部会長:ありがとうございます。

御意見として今、伺いました。もし事務局から何かコメント等があればお願いします。

栗原障害児支援課長:ありがとうございます。障害児支援課長でございます。

貴重な御意見ありがとうございました。この事業につきましては、本当に全国各地域で様々な形で実施されているのではないかと思います。

地域でそれぞれ資源とか体制は違うと思いますけれども、いずれにしても聴覚障害児の方をしっかりと早期発見して支援できるような体制づくりに、我々もこの事業をどうしていくかということを含めて考えていきたいと思います。

ありがとうございます。

有村部会長:ありがとうございます。

それでは、オンラインで手を挙げていらっしゃる委員の方々にお話しいただきたいと思いますが、まず酒井委員お願いいたします。

酒井委員:全国児童発達支援協議会事務局長の酒井です。

1点だけです。予算のところでICTのことが挙がっていました。我々の業界においても、ICTを進めていくということに対しては全面的に賛成したいところなのですけれども、この中でどうこうするということではなくて、今後検討いただきたいこととして、我々のこの事業はそもそも役所の方がICT化されていない。例えば、支援を申し込むときに足を使って役所まで行って窓口で申し込まなければいけなくて、何度も郵送でやり取りをしてというようなことで、そもそも基幹システムがアナログで行われているところなので、我々事業所の些末な端末のほうだけで幾ら頑張っても限界が出てくるわけですね。

そういった意味では、一事業所、一事業所でモデル化するというのはもちろんいいことがたくさんあるとは思うのですけれども、もう少し広範囲の自治体を巻き込んだ形のモデル事業のつくり方ですとか、そういったところでもっともっと広範囲にできるような取組をしていただけると、我々の事務的な業務というのがもっと減らせるのではないかなということを思っていますので、これは今後の御意見として申し上げたいと思います。よろしくお願いします。

有村部会長:ありがとうございます。大事な御指摘かと思います。

それでは、続きまして小島委員、お願いいたします。

小島委員:全国手をつなぐ育成会連合会の小島です。よろしくお願いいたします。

2つあります。児童発達支援や放課後等デイサービスの役割を整理する中で、いわゆる5領域を支援の基本とする方向としておりますが、どのレベル感で取り入れていくのか、やや不明瞭なところがあると思います。事業所、実地指導などで確認ができるように、また個別支援計画には盛り込む扱いとしていただけたらと思っております。

もう一つですが、障害児支援の支給決定については、残念ながら障害児相談が非常に低調であり、いわゆるセルフプランの割合が高い状況が続いておりまして、私どもの団体としては懸念しているところであります。

あわせて、市町村に対する支給決定のガイドラインが不十分であり、保護者からの申出のみで支給決定しているというケースも散見されております。法改正に合わせて支給決定のガイドラインも再整備していただきたいと考えているところです。

以上、2点です。ありがとうございました。

有村部会長:ありがとうございます。

こちらも御意見として承るということでよろしいでしょうか。ありがとうございます。

ほかにいかがでしょう。御意見よろしいでしょうか。

それでは、事務局から連絡事項がありましたらお願いいたします。

栗原障害児支援課長:障害児支援課長でございます。

次回日程につきましては、10月30日の月曜日16時から18時を予定しております。

議事の内容については追って御連絡させていただきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

以上でございます。

有村部会長:ありがとうございます。

それでは、本日はいろいろな御意見がありました。スムーズな進行への御協力、本当にどうもありがとうございました。本日は、これで閉会といたしたいと思います。皆様からいただいた御意見は、事務局とも整理をしながら、こども家庭審議会等で、部会として発言する内容などを調整していきたいと思います。

委員の皆様、本日もどうもありがとうございました。