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社会保障審議会障害者部会(第139回)・こども家庭審議会障害児支援部会(第4回)合同会議

概要

日時:令和5年12月11日(月)9時30分から12時00分
場所:ベルサール飯田橋駅前
(東京都千代田区飯田橋3-8-5 住友不動産飯田橋駅前ビル1F)

議事

  • 補足給付、医療型個別減免の経過措置について
  • 障害保健福祉施策の動向について

資料

議事録

江口企画課長:それでは、定刻になりましたので、ただいまから「社会保障審議会障害者部会・こども家庭審議会障害児支援部会合同会議」を開催いたします。

委員の皆様におかれましては、御多忙のところ御出席いただき、ありがとうございます。

まず、本日の合同会議の開催の趣旨について御説明いたします。

本年6月の障害者部会、障害児支援部会において、本年4月のこども家庭庁発足後も、障害児・者の支援について必要な連携を図っていくことが必要であるため、障害者支援・障害児支援の双方に関連する重要事項を審議する際は、両部会を合同で開催することとしておりました。

今回は、障害者と障害児双方に関係する「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性」が主な議題となりますので、両部会の合同会議を開催することとなりました。

事務局において、事前に両部会長と御相談し、合同会議を開催する際は、司会進行を交互にお願いすることとし、初回となる本日は、障害者部会の菊池部会長にお願いすることとなりました。

合同会議の開催に当たり、まずは菊池障害者部会長及び有村障害児支援部会長から一言ずつ御挨拶をいただきたいと思います。

よろしくお願いいたします。

菊池部会長:御指名でございますので、まず、私から。

早稲田大学の菊池でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

障害者部会で部会長を務めさせていただいてございます。

役所の所管が分かれても、サービスあるいは給付を利用する国民は一体というか、同じでございますので、そこに施策の分断とか不一致が生じてはいけませんので、このような形で、合同で議論させていただく場を設けさせていただくのは、大変重要だと思ってございます。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

有村部会長:日本社会事業大学の有村と申します。

こども家庭審議会障害児支援部会の部会長を仰せつかっております。

私も、今の菊池障害者部会長のお話と重なるところが多いのですが、障害のあるこどもへの支援の領域では、こどもという特性と、障害のあるこどもという特性の両方を考える必要があります。合同の場でしっかりと議論させていただけるのは、大変ありがたいと思っております。

どうぞよろしくお願いいたします。

江口企画課長:ありがとうございました。

それでは、本日の司会を菊池部会長にお願いしたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

菊池部会長:改めまして、菊池でございます。

皆様、本日は朝早くから御参集賜りまして、誠にありがとうございます。

どうぞよろしくお願いいたします。

交互にということですので、1回目は障害者部会長がという御指名でございます。

まず、本日の会議につきましては、こちらの会場で原則対面としつつ、オンラインも併用して開催させていただきます。

事務局におかれましては、資料説明はできるだけ分かりやすく、要点を押さえた説明となるようにしてください。

委員の皆様の御発言について、お願いがございます。

最初に、私が発言を希望される方を募りますので、会場の方は挙手をお願いします。

その後、オンラインの方に御意見を募りますので、Zoomの「手を挙げる」機能を使用して合図をなさってください。

私の指名により、発言を開始してください。

より多くの委員の皆様の御発言の機会を確保するため、できるだけ簡潔に御発言いただければと思います。

事前に御相談があったかと思いますが、非常に短い時間しか確保できない見通しで、大変申し訳ないのですが、今日のところはどうぞよろしくお願いいたします。

御発言の際は、まずお名前を名乗っていただき、可能な限りゆっくり、分かりやすくお話しください。その際、資料の記載内容について御発言される場合、資料番号と記載内容の位置について御教示ください。

また、会場の方は、できるだけマイクに近寄ってお話しください。

発言後は、必ずマイクのスイッチをオフにしてくださいますよう、お願いいたします。

御協力のほどよろしくお願いいたします。

それでは、事務局から本日の委員の出席状況、資料の確認をお願いいたします。

江口企画課長:それでは、事務局より、委員の御出席状況について御報告申し上げます。

最初に、障害者部会についてですが、本日は中里委員、藤井委員、吉川委員から御都合により御欠席との御連絡をいただいております。

また、障害児支援部会についてですが、本日は御欠席の御連絡はいただいておりません。

続いて、委員の代理出席について申し上げます。

障害者部会においては、小﨑委員の代理として、朝貝参考人に、

叶委員の代理として、鈴木参考人に、

竹下委員の代理として、吉泉参考人に、

永松委員の代理として、渡辺参考人に、

中村委員の代理として、星加参考人に出席させたいとの申出があり、また、障害児支援部会においては、一見委員の代理として、池田参考人に出席させたいとの申出がありましたが、皆様、よろしいでしょうか。
(首肯する委員あり)

江口企画課長:ありがとうございます。

では、次に、本日の資料ですが、議事次第、

資料1~3、

参考資料1~13、

その他、障害者部会の櫻木委員提出資料、

障害児支援部会の加藤委員提出資料、

加藤委員の資料については、会場においては、紙で配付させていただいております。

資料については、以上となります。

会場にお越しの方で、これらの資料の不足などがございましたら、事務局にお申しつけいただければと思いますが、大丈夫でしょうか。

事務局からは以上になります。

では、カメラ撮りはここまでということで、御協力をお願いいたします。

菊池部会長:それでは、議事に入らせていただきます。

まずは、資料1の説明を事務局からお願いします。

伊藤障害福祉課長:障害福祉課長です。

今日はどうぞよろしくお願いいたします。

資料1を御覧ください。

前回の障害者部会では、自立支援医療という制度に関して、利用者の自己負担を軽減するような経過措置を3年延長することを御議論いただいたところでありますが、本日は、タイトルに「補足給付、医療型個別減免」と2つ書いてありますが、その2つの制度に関して、利用者の自己負担を同様に軽減している制度について、これも3年の延長を御審議いただきたいのが資料1でございます。

おめくりいただいて「現状・課題」です。

補足給付は、施設入所者の食費・光熱水費の低所得者の方の負担軽減のための制度でございます。

資料3を御覧いただきますと、少しビジーな資料で恐縮ですが「一般1」世帯という方々が、本則では「一般2」世帯と一緒なので、つまり経過措置なしの状態なのですが、経過措置では、住民税非課税世帯と同様、つまり、下の箱から上の箱へという経過措置によって、ここで言うとブルーのところですが、負担限度額を軽減している経過措置でございます。

もう一つの医療型個別減免ですが、療養介護、医療型障害児施設入所に関しては、福祉サービスのほかに、医療サービスも提供されているわけですが、その医療費の実費負担に関する軽減を医療型個別減免と呼んでおりまして、4ページに医療型個別減免の概要を書いているのですが、この経過措置として、5ページをお願いします。

これも制度が複雑なのですが、上の表は「医療型障害児入所施設利用者」、下の表は「20歳未満の療養介護利用者」ですが、赤字の部分は「経過措置なし」の状態をそれぞれ左側の「経過措置適用」の状態にする。それぞれ負担を軽減しているという意味なのですが、こういった経過措置を講じております。

最後に、6ページですが、こちらは、20歳以上の療養介護利用者についても同様に「経過措置なし」の状態を「経過措置適用」の状態にしていると。そういう経過措置がこれまで制度発足当初から3年ずつ延長されて、現在の経過措置は令和6年3月末までとなっているということです。

2ページにお戻りいただいて、下の「検討の方向性」ですが、政府全体で子育て支援の充実を図る中、当該世帯の負担軽減を図るため等の理由により、それぞれの経過措置についてさらに3年、すなわち令和9年3月末まで延長することとしてはどうかと提案させていただいております。

御審議のほどよろしくお願いいたします。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

それでは、ただいまの事務局の説明につきまして、御意見、御質問がおありの方がいらっしゃいましたら、御発言をお願いいたします。

お一人3分以内ということでお願いいたします。

まず、会場からいかがでしょうか。

それでは、陶山委員、山本委員の順番で。

まず、陶山委員からお願いします。

陶山委員:ありがとうございます。

日本難病・疾病団体協議会の陶山です。よろしくお願いいたします。

今回の補足給付、医療型個別減免の経過措置につきまして、経過を令和9年3月まで延長することに関しましては賛同いたしますが、そもそもですが、これは2006年から17年間も延長を繰り返している現状を考えますと、少子化対策とか、こども家庭庁ができたこともありますし、こどもを取り巻く施策が充実している中で、いまだに経過措置を取っていること自体が問題ではないかと思います。経過措置の恒久化を希望したいと思います。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

山本圭美委員、お願いします。

山本(圭)委員:ありがとうございます。

全国重症心身障害児(者)を守る会の山本です。

発言の機会をいただき、感謝します。

重症児・者の親の会の立場から発言させていただきます。

今回、補足給付、医療型個別減免の経過措置について延長を御検討いただきまして、本当に感謝いたします。

特に重症児・者の場合は、医療が必須となるため、医療費の負担について親たちも心配していました。今後も経過措置が継続されることを願っています。

菊池部会長:ありがとうございます。

それでは、朝貝参考人、お願いします。

朝貝参考人:全国肢体不自由児施設運営協議会の朝貝です。

利用児の家庭の多くが比較的低所得であることから、施設利用を容易にする意味でも、経過措置延長には賛成です。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

佐々木委員、お願いします。

佐々木委員:全国育成会連合会の佐々木でございます。

経過措置については賛同いたします。

関連して、報酬改定検討チームでは、成人の入所施設における補足給付についても検討されていると聞いております。

来年度以降、入所施設の在り方について、いろいろと協議されると聞いておりますので、その際に、ぜひ成人の入所施設における補足給付についても御議論いただきたいと思っております。

その際に、グループホームにおける家賃補助制度が補足給付に位置づけられていることを考え、混同されないようにと願っております。

以上でございます。

菊池部会長:ありがとうございます。

ほかに会場でいらっしゃいませんでしょうか。よろしいですか。

それでは、オンラインの皆様からいかがでしょうか。

江澤委員、お願いします。

江澤委員:ありがとうございます。

今回の「検討の方向性」について、この両者の経過措置の延長には賛成でございます。

一方で、例えば介護分野では、補足給付は、当初から恒久的な対応として捉えておりますので、経過措置を毎回延長するよりは、先ほど御意見がありましたように、今後に向けては、恒久的な措置として対応することも必要ではないかと思っているところでございます。

また、補足給付の金額については、時の情勢に応じていろいろと見直すべきだと思っておりますが、そういったものも報酬改定検討チーム、あるいは障害者部会等、議論の場がございますので、しっかりと議論して検討していく必要があろうかと思います。

以上でございます。

菊池部会長:ありがとうございます。

野澤委員、お願いします。

野澤委員:野澤です。

補足給付について、私は報酬改定の検討会でも発言させていただいたのですが、施設から地域へというのが大きな命題です。今回の報酬改定でも、地域へ移行するために、いろいろな動機づけの加算がついている。

補足給付は、入所施設にいる方にしかつかないのですね。そうすると、グループホームとか在宅の方との公平性というか、そういうものに関わってくると思うのです。

結果的に、補足給付が地域移行の流れにブレーキをかけることにつながってきますので、私は、これをなくせということではなくて、それであれば、グループホームや在宅の方にも同様に、生活の安定といいますか、安心というか、経済的な措置を設けるべきだと思います。そうでなければ、公平性に著しく欠けると思います。

今、報酬改定で、この時点でどうこうしろというのはなかなか無理なので、入所施設をめぐる検討会の中で、じっくりとこの点について議論していただければと思っております。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

ほかにオンラインからいらっしゃいませんか。よろしいですか。

ありがとうございます。

いろいろと御意見をいただきましたが、今回の継続という点に関しましては、特に御異論はなかったものと認識してございます。

どうもありがとうございました。

その方向で進めていただくことになるかと思います。

よろしくお願いいたします。

それでは、続きまして、資料2及び資料3につきまして、事務局から説明をお願いいたします。

伊藤障害福祉課長:続きまして、障害福祉課長です。

資料2、資料3、報酬改定の検討チームの議論の状況及び基本的方向性について御説明します。

まず、資料2を先に御覧ください。

おめくりいただいて、1ページ、2ページが、41~44回の開催経過で、前回障害者部会が開催されてからは43回と44回と2回。

障害児支援部会が開催されてから計4回分が開催されましたので、この資料には、そのうち「現状・課題」と論点の「検討の方向性」の部分を抜粋したものをまとめてございます。

それから、この間、11月15日の会議は、経営実態調査の結果もまとめておりますので、本日、参考資料でそちらも配付させていただいています。

それから、両部会で報酬について御議論いただきました意見の概要を事務局の方でまとめたものを、それぞれ11月29日だったと思いますが、両部会の報酬改定に関する意見ということで、検討チームにも御報告させていただいております。

その上で、これらの第41~44回の個別論点は、この後の基本的な方向性の中で取りまとめまで進んでおりますので、時間の都合もありますので、資料3でまとめて御説明させていただきます。

資料3を御覧ください。

こちらも、今日は時間の限りがございますので、なるべく要点をかいつまんでと思っております。

こちらは、12月6日の検討チームで取りまとめたものでございます。

1ページ目に一応概要が載っておりますが、その後の本文を使って、ポイントを絞って御紹介したいと思います。

iPadのページと印刷されたページがずれているので、私は、右下に印字されたページのほうで御紹介いたします。

1ページの「はじめに」からです。

こちらで、今年の春からの検討チームの開催実績についてまとめております。

さらに「はじめに」の2つ目のマルですが、その中でも、今回の改定の一番重要項目として、賃上げや人材確保対策、物価高騰、民間の賃金上昇への対応、必要な処遇改善の水準の検討を含め、対応を行うことを特に最初に書かせていただいております。

それから「はじめに」の最後のマルですが、今後、まず、本日の合同部会での皆様の御意見を踏まえさせていただきます。

さらに、診療報酬や介護報酬の議論によるところもございますが、最終的には、今後の予算編成過程でいわゆる改定率が決まりまして、それをもって基本的な方向性、本日の御議論、改定率を踏まえて、年明けに具体的な単位数の議論をし、2月頃に改定の案を取りまとめ、3月に関係告示等を公布していくスケジュールを考えております。

なお、最後の右下のところで、施行が「マル月」となっておりますが、前回、この部会において、4月か、6月かと御意見をいただいたところですが、こちらは政府の予算編成過程で決定したいと考えておりますので、現在は「マル月」となっております。

以下、主な論点立てに沿ってまとめております。

まず、2ページを飛ばして、3ページを御覧ください。

最初に、地域生活を実現するための支援の充実というところから立てております。

検討チームでも、この部会でも、地域移行、地域生活は多くの御意見をいただいたところで、最初にこの内容からまとめております。

主なところだけ御紹介しますと、最初に、施設の全ての入所者に対して、地域移行や外部の日中サービスの利用の意向を確認し、希望に応じたサービス利用にしなければならないことを指定基準に規定し、さらに、その下ですが、そういった意向確認を行う担当者の選任を義務づけた上で、令和8年度からは、義務化とともに、減算の対象とすると書かせていただいています。

それから、マル1の最後のマルですが、施設の在り方はいろいろな御議論がありましたので、令和6年度は、今後の施設が担う役割、機能等を御議論いただきたい、そういった検討の場を設けたいと考えております。

マル2は、地域生活支援拠点の機能の充実を報酬改定においても掲げさせていただいております。

おめくりください。

4ページは、グループホームの関係をまとめておりまして、グループホームから希望する一人暮らしの支援も書いておりますが、特に例えばマル3では、質の確保ということで、介護保険の取組なども参考にしつつ、外部の目を定期的に入れる取組は、令和6年度までは経過措置ということですが、その後、義務化していきたいと考えております。

それから、2つ下のマルですが、グループホームについても、サービスの質を評価するための基準の在り方を今後、令和6年度以降、検討すると書いております。

5ページをお願いします。

上段が訪問系サービスについての見直し、下段が機能訓練を軸に書いております。

6ページをお願いします。

相談支援でございます。

相談支援は、部会においても、より充実させるべきという御意見を多くいただいておりまして、マル1でも、相談支援の充実・強化について幾つか掲げておりますし、マル2で、医療をはじめとする多機関連携のための加算は、現在でもあるわけですが、そういったものをさらに充実させていくと書いております。

また、マル2の2つ目のマルも、この部会でも昨年の報告書以来、議論がありますが、医師の意見書を本人の同意を得た上で、相談支援事業所が計画をつくる際に活用することを周知すると書いております。

7ページは、強度行動障害の受入れ体制の強化を掲げております。

それから、7ページの下のところでは、意思決定支援。

こちらも、これまで意思決定支援ガイドラインに書いていた内容を指定基準に反映させていくことを書いております。

8ページを飛ばして、9ページをお願いします。

こちらも、医療との連携を書いております。

医療的ケアが必要な者ということで、それぞれ生活介護、障害者支援施設、短期入所と、それぞれの充実の項目について書いておりますし、(2)では、入院中の重度訪問介護利用によるコミュニケーション支援の充実も書いております。

10ページをお願いします。

(3)は、感染症対策ということで、介護報酬のほうでも同様の検討をされておりますが、平時からの対応、新興感染症等の発生時の対応を評価すると書いております。

11ページをお願いします。

精神障害者の地域生活関係を書いております。

基本的には、報酬の検討項目としては再掲が多くございますが、一番下の(8)では、診療報酬側の対応ということで、中医協において議論と書いておりますが、回復期の医療を議論いただいていることを書いております。

12ページを飛ばして、13ページ。

ここから障害児の関係でございます。

障害児の関係は、児童発達支援センターの機能強化。

(2)では総合的な支援と書いておりますが、総合的に書いております。

14ページは、引き続き障害児ですが、支援ニーズの高い児への支援ということで、医ケア児・重症心身障害児、強度障害を有する児等の支援の充実の項目を書いております。

15ページをお願いします。

家族支援、預かりニーズへの対応、(5)ではインクルージョンの推進について書いております。

16ページをお願いします。

16ページは、障害児入所施設でも地域生活に向けた支援の充実が必要ということで、移行支援計画の作成等について書いております。

17ページを飛ばして、18ページ。

こちらは就労関係になります。

特に(2)で、いわゆるA型については、スコア方式の評価項目の見直しということで、特に労働時間の評価、生産活動収支に関する評価あたりを書いております。

その下のB型に関しては、工賃の水準に応じた報酬体系の見直しということで、よりメリハリをつけた報酬設定と書いております。

19ページをお願いします。

就労定着支援と就労系の横断ですが、前回の障害者部会で御議論いただいたことの関係では、(5)のマル2、一般就労中の障害者が休職期間中に就労系の障害福祉サービスを利用する際の手続の話ですが、前回、調査と少し申し上げましたが、我々のほうで幾つかの自治体に確認したところ、少し手続とかが徹底されていないというか、そもそも我々が出している事務連絡に詳細が書いていないのが実務に影響していることが確認できましたので、こういった形で、現行の利用条件についての改めての周知、それから、支給申請の際に、企業や主治医の意見書等の提出を求めることを書いております。

20ページをお願いします。

20ページと21ページが、新たに創設される就労選択支援について、対象者とか実施主体、人員配置等をまとめております。

22ページも飛ばしていただいて、23ページ。

まず、処遇改善加算の一本化ということで、これまで幾つかつくってきた処遇改善加算が複雑化しているという御指摘もありましたので、介護保険の検討と併せて一本化及び書類の簡素化を行いたいと。

それから、冒頭でも申し上げましたが、補正予算で2%、6,000円の引上げが措置されたところでありますが、本改定において、必要な処遇改善の水準の検討と併せて、処遇改善を検討していきたいと思っております。

それから、マル2では、対象サービスの追加ということで、就労定着支援、自立生活援助、就労選択支援についても、処遇改善加算の対象に加えると書いております。

24ページをお願いします。

ロボットとかICT、各種様式の簡素化ということで、業務効率化についてまとめております。

25ページです。

まず、経営実態調査を踏まえた経営状況、サービスの質に応じた評価は、毎回やっていることでございますが、収支差率の高低に応じて見直しをしていくということです。

それから、マル4の生活介護ですが、現在、基本報酬が営業時間で設定されているところ、利用者ごとのサービス提供の実態に応じた報酬体系とするということで、サービス提供時間別に細やかに設定すると書いております。

ただし「なお」のところですが、個別支援計画に定めた時間で算定するなど、いろいろと御意見もいただいておりますので、一定の配慮は設けたいところでございます。

最後に、26ページです。

マル1は、食事提供体制加算です。

これも経過措置で3年、3年と来ているところですが、今回、調査研究を踏まえて、栄養面での配慮を評価するということで、幾つか要件を設けた上で、さらに3年延長する。

ただし、補足給付の話もそうですが、在宅で生活する方との公平性等の観点での検討は引き続き深めていくと書いてあります。

それから、マル3は、補足給付です。

補足給付は、先ほど説明を割愛しましたが、食費・光熱費の基準費用額そのものについては、経営実態調査等の結果を踏まえて、また、診療報酬、介護報酬でも同様の制度がございますので、そういったバランスの観点で、予算編成過程で検討したいと思っております。

以上です。

なので、冒頭にも御説明したとおり、本日の皆様からの御意見を踏まえて、年末、年明けの具体的単位数や施行通知等の検討に反映させていきたいと思っておりますので、どうぞ御意見をよろしくお願いします。

ありがとうございました。

菊池部会長:ありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明につきまして、皆様から御意見、御質問をいただきたいと存じます。

先ほどと同じで、恐縮ですが、お一人3分以内を目安にお願いできれば幸いでございます。

また、事前に事務局からもアナウンスさせていただいておりますが、本日は合同開催ということで、質疑時間が限られるため、各委員の発言時間を公平に確保する観点から、発言開始から2分の時点でベルを1回、3分の時点でまたベルを鳴らさせていただきますので、御協力いただきますよう、お願いいたします。

それでは、まず、対面参加の皆様からお願いいたします。

それでは、また障害児支援部会の皆様から、小澤委員からお願いいたします。

小澤委員:筑波大学の小澤です。

報酬改定のときの検討で十分に意見を言うことができなかったので、この場で申し上げたかったのが、13ページでしょうか、障害児の支援体制です。

ここで非常に要になるのが児童発達支援センターということで、これに関する機能強化に関しては、非常に賛成するところです。

ただ、既存の市町村におかれましては、既存の社会資源がかなり影響を及ぼしますので、非常に心配な点としては、市町村格差が結構出やすくなるであろうと。その辺りの是正をぜひいろいろな角度でお願いしたいということが一つです。

2つ目は、児・者の連続性という観点ももう一つあって、児童発達支援センターの中核機能という点で言えば、基幹相談支援センターのような成人期の相談支援の中核となる部分とのきっちりとした連携体制を構築していくような指導とか方向性を出していただく必要があるのかなと。これは報酬改定のときに申し上げることができなかったので、この場で申し上げたいと思います。

私からは以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

それでは、小川委員からお願いいたします。

小川委員:日本相談支援専門員協会の小川です。よろしくお願いいたします。

本日は、このように取りまとめ等をいただきまして、誠にありがとうございます。

また、貴重な発言の機会をいただけていることについても感謝申し上げます。

私も、児童発達支援センター関連で何点か感想とお願いがございます。

まず、今回、児童発達支援センターの中核拠点型が整備されることについて、児童期の支援体制が一層、充実・強化されるだろうと考えております。

一方、未設置のエリアについては、4つの機能を複数の関係機関等も含めて、地域の中で保障していくような方向性が出されていますが、これを取りまとめる機能も必要かと思っております。

そうした意味では、先ほど小澤委員からも意見があったように、基幹相談支援センターとの連携等については、十分に配慮していただく必要があると思っておりますので、よろしくお願いいたします。

それから、セルフプランで複数事業所を併用する児童について、事業所間で連携していくことについては、大変重要なことと考えます。

しかしながら、これを実際に運用していくに当たっては、いろいろと細かな現場においての工夫が必要かと思いますので、そちらについても工夫していただけるようにお願いいたします。

また、居宅訪問型児童発達支援の充実については、障害児支援部会でも意見を申し上げましたが、大変重要な事柄だと考えておりますので、この検討の方向性をぜひ進めていただけるようお願いいたします。

最後に、障害児入所施設の部分ですが、地域生活に向けた支援の充実の観点ですが、15歳以上に達した入所児童について、移行支援に係る個別の計画を作成するとなっております。

これは大変重要なことだと思いますが、加えて15歳に達する以前から移行計画を作成するための準備や機会が入所施設の中で保障されていくことも併せて重要かと思いますので、そちらについてもぜひ御検討いただければと思います。

私からは以上でございます。

菊池部会長:ありがとうございます。

それでは、加藤委員からお願いいたします。

加藤委員 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。

全国医療的児者支援協議会理事の加藤と申します。

医療的ケアは、比較的新たな社会課題であり、団体としての歴史もまだ浅いため、障害者部会の委員の先生方とは、今回初めてお目にかかる方も多いと存じますが、どうぞ御指導賜りますようにお願い申し上げます。

医療的ケアの各団体と連携して、お手元に委員参考資料も提出させていただきました。

時間の関係で、ポイントだけ簡潔に申し上げます。

まず、今回の障害福祉報酬改定の基本的な方向性に関しましては、おおむね賛同であることに加えまして、医療的ケア児の成人期への移行にも対応した医療的ケアの体制の充実や受入れ体制の拡充に対する細やかな御配慮をいただきましたことに、検討チームそして各省関係者の皆様に御礼申し上げます。

児から者へのシームレスな移行支援のための地域の受皿が喫緊の課題となっております。

具体的には、医療的ケア児の短期入所サービスからの移行先がない。

また、重心・医療的ケア者に対応できるグループホームの制度的支援がないことなどが挙げられます。

地域間格差も大きいため、国と自治体、関係省庁間のより一層の連携や情報の周知徹底をお願いしたいと存じます。

1ページ目の中段以降ですが、東京での医療的ケア児の成人移行のスピード感とか、課題の推移についての参考資料をまとめさせていただきました。

日本で一番医療的ケア児が多いのは東京都ですが、推計値で約2,000名となっております。

当会の代表理事を務める前田の医療法人財団はるたか会では、その半数に当たる約1,000名のシビアな医療的ケア児・者の訪問診療に当たっており、10年を超える知見の蓄積、症例分析から見えてきた幾つかの傾向がございます。

特記事項としまして、都市部では、小児科から成人医療へのトランジションで医療難民問題が起こっております。

15歳以上になると、管理料が下がるという診療報酬の構造的な課題もありまして、また、首都圏の病床事情も相まって、一例ではございますが、はるたか会のうえの診療所では、18歳以上の医療的ケア者の実に3割以上にかかりつけの医療機関や緊急時の搬送先がないという綱渡りの状態になっております。今後、制度と報酬の両面から検討いただきたい課題でございます。

最後に、制度が想定してこなかった新しいタイプの医療的ケア児・者の成長に伴いまして、就労の壁も変化しております。

事例を記載しておりますが、従来の就労Aとか就労Bという選択肢にとどまらない多様な就労支援の在り方についても、今後、御議論を賜りたく申し添えさせていただきます。

ありがとうございました。

菊池部会長:ありがとうございました。

北川委員、お願いします。

北川委員:日本知的障害者福祉協会の北川です。

今回の特に児童のところですが、インクルーシブ、インクルージョンを進めていくというところで、児童発達支援センターが地域の幼稚園、保育園をしっかりと支えていく、こどもたちを支えていくという方向性はすばらしいと思います。

その中で、質の高い支援をしていくときに、人材育成という観点が必要だと思います。

こども家庭庁になって、社会的養護や保育等、いろいろと一緒になっていますので、障害児支援について、しっかりと人材育成について検討会を開いて、研修などの方向性を有識者も交えて合意形成して、全国で取り組める体制を今後進めていってほしいと思います。

それから、大人のほうなのですが、3ページの最後のマルですが、障害者入所の検討会をするとなっていますが、ぜひこれはやっていただきたいと思います。

母子保健の関係で、出生前診断に関わらせてもらっていますが、障害のあるこどもであるという可能性が分かると、妊娠を中断する妊婦さんがまだかなり多くなっております。

それは妊婦さんが悪いとか、そういうことではなくて、日本は将来にわたって障害児・者の福祉の体制が整っていると伝えたいのですが、大人になってもプライバシーが保証されない多床部屋がまだあることは非常に課題だと思っていますので、ぜひ検討会を開いてほしいと思いますし、障害者入所施設の在宅支援の役割なども、まだまだたくさんあると思いますので、検討会はぜひ行ってほしいと思います。

私からは以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

それでは、酒井康年委員、お願いします。

酒井(康)委員:一般社団法人全国児童発達支援協議会の事務局長をしております、酒井です。よろしくお願いします。

障害児支援に関しましては、一昨年の在り方検討会、昨年の関する検討会を踏まえて、実質的な議論を行っていただいて、その内容を踏まえた報酬改定の検討を進めてくださっていると理解しております。現場としては、大変感謝しております。

その上で、2点発言させていただきたいと思います。

今、日本では、皆さん御存じのとおり、少子化という時代の流れの中にありまして、支援を必要とするこどもたちの数は増えています。

障害福祉だけではなく、特別支援教育も物すごい数で増えています。

そういった現状は、いろいろな背景があるとは思うのですが、少なくとも我々が今提供している障害児福祉支援、特別支援教育に対して、国民から一定の評価を受けているという形で認識していいのではないかと思っています。

そう考えますと、利用者が増えていることに対して、財政的観点から抑制的であるべきという観点ではなくて、放課後等デイサービスがいい例なのですが、放課後等デイサービスは、10年前にはこの世に存在しなかった制度です。それがこの世に出てくれば、当然、利用者が増えて当たり前であるという考え方です。

そう思いますと、潜在的なニーズがまだまだある。そういった潜在的なニーズも含めて、こどもの最善の利益を保障するための改定が積極的に行われることを期待しているのが1点目になります。

また、今年は、こどもを真ん中に置いて議論する、施策を検討することを掲げて、こども家庭庁が発足しました。

これまでは、障害児・者というカテゴリーの中で、大人と一体となって進めてきていただきました。大分進んだことがたくさんあると思っています。

しかし、今後、こどもとして必要なことは何かという観点に立つということで、これは大きなパラダイムシフトが行われた記念すべき年だと認識しています。

その中で、障害児支援におけるこどもの最善の利益を保障していくのだということ、こどもたちに対して専門的で質の高い支援体制を構築することが高々と掲げられたことは、大変重要なことだと思っています。

ただ、この実現のためには、まだまだいろいろなハードルがあると思っています。

実際に今回の制度が現場で実装されるのかどうかといったことのモニタリング、

それから、今回の改定では限界があったこと。こういったことを次の改定に向けて一歩でも、二歩でも進めていくために、次の展開をどうするのか。

こういったことをぜひ現場としても一緒に考えていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思っております。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

陶山委員、お願いします。

陶山委員:日本難病・疾病団体協議会の陶山です。よろしくお願いいたします。

基本的な方向性については、おおむね賛同いたします。

特に評価をお願いしたい部分を2つお願いいたします。

1つ目は、9ページとか14ページにあります、医療的ケアを必要とする人への支援を充実させる中で、生活介護や短期入所の中の入浴支援。

あと、14ページにもありますように、入浴支援や送迎に関して、親の負担はとても大きいものですから、評価をお願いしたいと思います。

また、15ページの家族支援の充実の中で、きょうだいへの相談援助という言葉が載っていますが、これは大いに賛同いたします。

医療や福祉関係のみならず、社会全体が障害児・者のきょうだい支援の重要性を理解していただくためにも明確化していただきたいし、国の計画の中に入れていただくと、各自治体もそれにのっとって、きょうだいも含めた家族支援という方向性に変わっていくことを私たちは期待したいと思います。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

山本圭美委員、お願いします。

山本(圭)委員:全国重症心身障害児(者)を守る会の山本です。

発言の機会をいただき、感謝します。

2点、私から意見を述べさせていただきます。

今回の報酬改定検討チームの皆様に御検討いただいたことを感謝申し上げます。

1点目は、主要項目1について述べさせていただきます。

御承知のとおり、昨年、障害者権利条約に基づき、国連の権利委員会による対日審査が行われ、総括所見・改善勧告が出されましたが、その中で、第19条について、障害児を含む障害者が施設を出て、地域で暮らす権利が保障されていないとし、脱施設化が求められたと伺っております。

今回の報酬改定においても、地域移行、地域政策に重点を置いていることは承知しております。本人のウエルビーイングを実現する観点からも、地域での生活を望み、それが可能な方々の希望をかなえることは重要と考えています。

一方、重症心身障害のように、医療と一体となっている入所施設を必要としている方々がいます。もし今回の報酬改定において、地域移行を政策誘導するために、重症児・者施設の報酬削減を検討されているのであれば、お考え直しいただきたいと思っています。

近年、重症児・者も受け入れるグループホームが幾つかできましたが、看護師が配置されていても、人工呼吸器が必要になるなど、入居時よりも医療が重くなると、退去しなければならない条件のところもございます。

本人も、親も高齢化する中で、在宅には限界があります。医療体制や福祉サービスが整わず、身近な地域で生活し続けることが困難な人たちにとって、医療で命を守り、福祉で生活を豊かにする重症児・者施設は最後の砦(とりで)です。

また、外来や医療入院、短期入所、通園・通所、相談支援などに携わる人材の育成や定着などを担う在宅支援の拠点としての役割も担っています。地域で暮らす重症児・者の安心・安全な生活を支えるために、また、それが困難になった方々の受皿としても、施設を維持するための報酬と、脱施設化の声が強まる中、職員がモチベーションを保てるよう、人材確保・育成・定着に向けた政策判断をお願いいたします。

2点目は、9ページの(1)の短期入所について、拡充を図っていただきましたことに感謝いたします。

重症児・者は環境の変化に敏感なため、特に短期入所では、体調の急変が多く見られます。

また、帰宅後に体調を崩すケースもございます。

福祉強化型の場合は、安心・安全に預けられるよう、緊急時の医療連携体制を確保していただくとともに、研修の機会をよろしくお願いいたします。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

それでは、大胡田委員、お願いします。

大胡田委員:日本視覚障害者団体連合の大胡田でございます。

福祉サービス全般にわたる点を1つ、主に視覚障害児の支援に関する点を5つほど申し上げたいと思います。

まず、福祉サービス全般に関する問題でございますが、現状もなお、国庫負担基準がサービスの上限を画する基準として、地方で多く取り扱われておりますので、この点を個別のニーズに沿った形で、国庫負担基準を超過しても、ちゃんとサービスを得られるように制度設計をお願いいたします。

次に、視覚障害児に関する支援についてでございますが、児童発達支援と放課後等デイサービスの両方なのですが、専門的支援加算の拡充が予定されております。

ここに盲学校の幼稚部の勤務経験者や、盲学校の教職経験者を専門家としての加算対象に加えていただきたいと思っております。

また、同じく、児童発達支援及び放課後等デイサービスの個別サポート加算Iについてでございます。

現状、視覚障害者はこの対象になっておりませんが、重度の視覚障害者は、この加算の対象にしていただきたいと考えております。

同じく、児童発達支援及び放課後等デイサービスの事業所内相談支援加算でございますが、現状、これは月に1回の利用制限がございます。これでは十分な支援ができませんので、利用制限回数を撤廃する、あるいは大幅に増やしていただく必要があると思っております。

次に、視覚・聴覚言語障害者支援体制加算という新しい加算がつくられると書いてありますが、この加算の中身として、主に視覚障害児を多く集めて指導しております放課後等デイサービスにおいて、点字のタイプライターを購入したり、あるいは点訳の資料を十分に用意できる、それに十分な費用が確保できるような体制としていただきたいと思っております。

最後に、同行援護についてでございますが、現在、同行援護は、通年かつ長期にわたる利用が制限されておりまして、例えば通学とか放課後等デイサービスに通う際に使えないケースがございます。同行援護を使って通学したり、放課後等デイサービスに通うことができるように制度を設計していただきたいと思っております。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

それでは、障害者部会の皆様からお手を挙げていただいて。ほとんどの皆さんですね。

では、吉野委員からお願いします。

吉野委員:全日本ろうあ連盟の吉野と申します。

これまで多くの議論を重ねてくださいまして、感謝申し上げます。

ろう者の場合には、手話でのコミュニケーション等をベースに意思疎通を図るという考え方が基になっておりますので、障害福祉サービスのどれにも加算がなされると考えております。

今回の資料を拝見しまして、それが満たされているのかどうか、疑問に感じた点が幾つかございますので、お伝えしたいと思います。

まず、資料3の6ページのマル1についてです。

こちらは、相談支援に関する内容ですが、相談において重要となるコミュニケーションについて、利用者が意思疎通支援者、手話通訳者やろうあ者相談員を通して相談支援を行った場合の評価について、全く表記がございませんので、きちんと盛り込んでいただきたいと思います。

2点目は、14ページのマル3、ケアのニーズについての部分で、難聴児等の支援に関するコメントが掲載されており、人工内耳装用児に対する評価が記載されておりますが、意思疎通支援者や手話通訳等の支援については、記載がございませんので、きちんと盛り込んでいただきたいと思っております。

3点目は、25ページの視覚障害、聴覚障害、言語障害の体制加算についてです。

視覚障害の大胡田さんが先ほどおっしゃっておりましたが、さらなる評価を行うという点について、この評価の内容について、どのようなものがございますでしょうか。それぞれを分けて評価されるのか、あるいはまとめて専門性として一つの評価をされるのか、これについてコメントをいただければと思います。

当然、人材という点では、手話通訳士やろうあ者相談員の配置が考えられるわけですが、ろう者の場合には、手話でのコミュニケーションによる集団性の評価も重要になってきますので、そちらも盛り込んでいただきたいと思います。

4点目は、24ページのマル2、相談支援におけるICT活用の面ですが、様々なところでオンライン相談ができるのは、非常に重要なことだと思っております。

ただ、「オンライン」と言っても、様々なツールがございます。

例えばZoomやSkype等の様々なツールがございますが、行政側が、自治体として1つのツールだけ選択する場合に、それが果たして使いやすいツールであるのかどうか、使いやすい、スムーズに相談ができるようなツールを選択していただけるような環境整備をお願いしたいと思います。

以上です。

よろしくお願いいたします。

菊池部会長:ありがとうございます。

1点御質問があったかと思います。

事務局からいかがでしょうか。

伊藤障害福祉課長:視覚・聴覚言語障害者支援体制加算の見直しの内容だったかと思いますが、検討いたしているものでは、まず、視覚・聴覚・言語機能に重度の障害がある利用者を多く受け入れている。利用者にそういった者が多いこと。

それに対して、より手厚い支援体制を取っていることあたりを要件にして、加算による評価を検討しているということでございます。

菊池部会長:吉野委員、いかがですか。

吉野委員:吉野です。

ただいま御回答いただきましたが、少し曖昧で分からない部分がございます。具体的には、例えば手話通訳者を何人か配置した場合に何らか評価をされるとか、あるいはろう者の職員を配置した場合に何か評価をされるとか、あるいはモニター設置などの合理的配慮、情報保障などの様々な支援、配慮が行われる相対的な結果に対しても評価をされるのか、それぞれ評価をされるのかという点について伺いたいと思っています。

菊池部会長:いかがでしょうか。

伊藤障害福祉課長:詳細は、これからの部分もありますが、基本的には手話通訳を含め、意思疎通に関する専門職を配置した場合、それから、対象者の方は、視覚障害者とか聴覚障害者の手帳の等級とかで考えておりますが、重度の方がいて、かつ、繰り返しになりますが、意思疎通に関する専門性を有する専門職の方を配置した場合の加算と現時点では考えております。

菊池部会長:よろしいですか。

吉野委員:分かりました。

菊池部会長:ありがとうございます。

それでは、朝貝参考人、お願いします。

朝貝参考人:全国肢体不自由児施設運営協議会の朝貝です。

資料2ですが、19ページの論点3「同性介助について」です。

排せつ介助や入浴介助において、可能な限り同性介助が実施できるように努めているところですが、利用児・者の男女比と介助に当たる職員の男女比に乖離が見られ、実現困難な施設があります。人材確保とセットでの議論をお願いします。

それから、33ページの「地域移行を推進するための取組について」です。

送迎加算を施設入所者にも対象を拡大することは、入所者の日中活動を豊かにするための取組を後押しするものとして賛成します。

58ページの「管理者の兼務範囲の明確化について」ですが、管理能力を有する人材の不足を踏まえて、検討の方向性には賛成です。

ただし「管理能力のある中堅・若手人材の育成に努めること」などの文言の追加も必要と思います。

59ページのテレワークの推進について、検討の方向性には賛成です。

個人情報保護と業務効率化のバランスをどのように確保するかも検討課題と思われます。

最後に、資料3の16ページの家族支援ですが、在宅障害児だけでなく、入所児についても幅広く取り上げていただき、ありがとうございます。

被虐待等、家庭の事情により、長期入所となっているお子さんにおける家族の問題だけでなく、有期有目的支援における比較的短期の入所児においても、在宅復帰に当たって、調整が必要な事項は多くありますので、入所期間や入所理由に制限をかけないように御配慮をお願いいたします。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

それでは、丹羽委員、お願いします。

丹羽委員:全国地域生活支援ネットワークの丹羽でございます。

まず、資料3の報酬改定の基本的な方向性については、賛同いたします。

その上で、3ページのマル1の最後のマルの障害者支援施設の在り方についての調査研究の場についてですが、これまでも地域移行や相談支援など、障害福祉に関する調査研究が数多く実施されてきました。

しかし、障害福祉計画で示す地域移行や、入所定員の削減数にはつながっていません。

最初の議事にあった補足給付など、利用者の収入や生活経費における在宅障害者との格差についても検討し、今度こそ実効性のある調査研究とすることを強く要望いたします。

次に、13ページの児童発達支援センターについては、インクルーシブな観点から、市町村における総合的なこども・子育て政策の一環として取り組まれ、こども家庭センターとの連動についても、しっかりと位置づけていただきたいと考えます。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

清水委員、お願いします。

清水委員:国立障害者リハビリテーションセンター病院の清水と申します。

本職は眼科医をしております。

私は、主には資料3の5ページについてコメントをさせていただきたいと思います。

今、病院で働いていると、重複障害の方、高齢の方、時には認知症を伴うような方等、非常に多彩で幅広い方々を対象にすることが本当に増えてきていると思います。

(4)のマル5「リハビリテーション職の配置基準」とございますが、そもそもリハビリテーション職には、実際には非常に多くの職があると思うのです。

ここには「理学療法士と作業療法士の他に言語聴覚士を加える」とありますが、それ以外にもいろいろと考えてみると、自分の専門で言えば視能訓練士、歩行訓練士という職があり、児童精神科や発達障害とかを考えると心理職、肢体不自由だと義肢装具士とか、いろいろとあると思いますので、今後はその辺についても考えていく必要があるのではないかと思います。

また、現場におりますと、マル2のピアサポートも、視覚に限らずですが、非常に有効なこともよく実感していますので、この辺りについても検討していただければと思います。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

佐々木委員、お願いします。

佐々木委員:全国手をつなぐ育成会連合会の佐々木でございます。

報酬改定について取りまとめをいただき、感謝申し上げております。

特に知的・発達障害分野から7点ほど意見を申し上げます。

まず、全体として、障害者権利条約の総括所見を踏まえ検討いただき、感謝申し上げます。

特に3ページのマル1の最後のマルですが、入所している人への意向調査、そして、隣接ではない生活介護利用の促進など、踏み込んだ対応に期待しています。

また、入所施設の機能や役割を整理する会議体を立ち上げる方向が示された点も評価しております。

その際には、入所施設の機能を地域で展開するための方策も併せて御検討いただきたいと思っています。

2点目は、4ページの(2)のマル2、グループホームにおける報酬の見直しについては、適切な支援の下で重度障害者の受入れが進むよう、受入れ実態に応じた報酬の支払いとなるよう、お願いしたいと思います。

あわせて、人材確保は何よりですので、強度行動障害の支援ができる中核的人材の養成に力を入れ、地域での受入れが進むよう、お願いいたします。

3点目として、6ページの(5)のマル1、相談支援事業はできるだけ基本報酬を上げられるよう、そして、複数の事業所の連携がしやすくなるよう、お願いしたいです。

知的障害者が地域生活を送る上で困ったことが起きたとき、頼りになるのは相談支援であります。ぜひ質も、量も拡充されるようにしていただきたいです。

4点目が、25ページの(3)の4、生活介護の報酬について、時間単位としたことに関しては、職員による支援の振り返りや情報共有などができる時間を確保できるようにして、支援の質が下がらないような配慮をお願いしたいと思っております。

5点目として、9ページの(2)の1、重度訪問介護における入院中支援の対象を区分4、区分5にも拡大していただいた点に感謝しております。

行動障害のある人の医療アクセスは大きな課題であり、とりわけ入院時には、家族には大きな負担があります。

私自身も、息子が3週間病院に入院しましたとき、ずっと付き添っておりまして、大変な負担を感じました。これを機に、入院中の支援を拡充していただきたいと思います。

7点目として、処遇改善加算を一元化することで、事務負担の軽減につながることに大変期待しております。

特に小規模な事業所では、事務手続との兼ね合いで処遇改善加算を見送っており、こうした事業所への配慮をお願いしたいと思います。

最後に、意思決定支援の拡充や障害者虐待防止の強化など、本人の権利擁護施策を進めていただいた点に感謝申し上げ、発言を終わらせていただきます。

ありがとうございました。

菊池部会長:ありがとうございます。

櫻木委員、お願いします。

櫻木委員:ありがとうございます。

日本精神科病院協会の櫻木です。

私は、医療と福祉の連携に関してお話ししたいと思います。

今日、私から資料を提出させていただいております。

前回お話しした実態調査の結果が一部まとまりましたので、それの御報告をさせていただきます。

今回、障害福祉サービス就労支援事業に関して調査を行いました。

対象は、我々の会員病院1,182病院です。

期間が2週間と非常に短い時間ではありましたが、回収率が約3割ということで、かなり関心の高い事項であったと考えております。

めくっていただくと、いわゆる就労支援施設を利用されている患者さんはいますかということですが、7割の方が利用されております。

そのうち、サービス利用の開始時に、相談支援事業所と連携があったかどうか。

「連携した」「両方のケースがある」「連携していない」という設問になっておりますが「両方のケースがある」とは、つまり、連携したケースもあれば、連携しなかったケースもあるということですので、きちんと連携できたのは4割にしかすぎないということになります。

次に、サービス利用開始時に就労支援施設と連携しましたかと、同じことを就労支援施設に関して質問しておりますが、連携したのは、4割を割ることになります。

そのことに基づいて、サービス利用により、患者さんに不利益が生じた事例はありますかという質問は「ある」「ない」「わからない」ということですが、明確に「ある」と答えたのは2割。

「わからない」が4割あります。

実際に、その内容ですが、受診への影響が生じた事例がありましたらお聞かせくださいということですが、外来受診やデイケアの通院日の変更を迫られたというケースがありました。

それから、患者さんに不利益が生じた事例の具体的なことですが、事業所側が通院よりも通所を優先させた。

あるいは、見学の際に強く利用を勧められ、主治医に相談できないままサービス利用が開始された等、かなり問題があることが分かりました。

その上で、資料3の6ページ、相談支援に関してですが、今回、加算の拡充が図られておりますが、現在でも、医療、保育・教育等の連携加算、あるいは集中支援加算は、既に加算が行われております。

ただ、その加算がある状況でも、全く連携が行われていないということですので、これは加算といった部分だけでは、行動の変容は期待できないということですので、その辺も考えていただいて、主治医の意見書を義務化する等、考えていただきたいと思います。

最後に、今回、リワークのことが問題になったわけですが、これは就労継続支援を使ってということでしたが、今回調べましたら、自立支援でやるとか、あるいは自立訓練も使われているということです。

本来、こういったものは、いわゆる重症度の重い方に関してやられるものですので、それを援用することになれば、本来、必要とした方にサービスが届かないこともありますので、その辺も含めてきちんと調査をしていただいた結果、是正をしていただきたい。

これは診療報酬、ないしは介護報酬でしたら、要件を満たさないで支給がされた部分に関しては、自主返還をする制度になっていますので、その辺も含めて強力に進めていただきたいと思います。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

小阪委員、お願いします。

小阪委員:ありがとうございます。

日本メンタルヘルスピアサポート専門員研修機構の小阪と申します。

精神の当事者の立場から言葉を紡ぎたいと思います。

資料3の6ページに記載のある「質の高い相談支援を提供するための充実・強化」は、私たち当事者にとってとても重要な観点だと思います。

しかしながら、何をもって「質の高い」と評価するかについては、その検証や議論が不十分な側面があるように思いますので、そうした事柄等を行える機会も創出してほしいものと思います。

加えて、2点感じることがあります。

一つは、もっと障害当事者がエンパワーメントされるように。これは相談支援という枠組みにとらわれずですが、障害当事者にとって、エンパワーメントに有効な手だてや取組等をもっと地域で充実していくという観点が必要だと思います。

もう一つは、ピアサポートを受けられる機会等のさらなる充実が必要だと思います。

続いて、同じく6ページ目に記載のある「医療等の多様なニーズへの対応」における支給決定に際して、市町村に提出された医師意見書について、本人の同意を得た上で、相談支援事業所がサービス等利用計画案の作成に活用できる旨、周知するということですが、本件については、私はいささか慎重な意見を持っています。その対応や周知の在り方について、丁寧に障害当事者や当事者団体とすり合わせを行ってほしいと思います。

最後に、23ページに記載のある「相談支援人材の確保」についてですが、相談支援員と位置づけられる者が、サービス等利用計画・障害児支援利用計画の原案の作成及びモニタリングの業務を行うことができるように、指定基準を見直すことについては、相談支援専門員となる一定の期間のあくまで経過措置ということであれば理解できますが、そうでない場合については、拙速に事を進めることのなきようにと思います。

以上になります。

菊池部会長:ありがとうございます。

沖倉委員、お願いします。

沖倉委員:すみません。

時間がない中ですので、1点だけお願いします。

具体的な内容というよりも、全体に関してですが、前回の障害者部会でも、サービスの質は、大変多くの委員から発言がございまして、とても大事なことだと思っています。

この間、総合支援法の見直しにおいても、サービスの質の向上、あるいは評価ということで挙げられています。

今回お示しいただいた方向性の中にも、いろいろな項目に「サービスの質」というワードがちりばめられているわけですが、本腰を入れて、今後も引き続き検討する必要があると思います。

というのは、誰が評価するか、あるいはどのように評価するか。

ぜひ誰がというところにおきましては、利用者の方、サービスユーザーの方々の評価、声を取り上げていただきたいと思います。

それと、今回、アウトカム評価のことについて、かなり議論が進んでいると思いますが、まだまだ議論の余地があると思いますので、引き続き検討が必要かと思います。

そして、人材育成も伴わないと、残念ながらいろいろなことが動いていきませんので、そのことも含めて検討する必要があると思います。

最後に一つ。

私は、個別支援計画にとても関心を持って、研究や実践をさせていただいているのですが、個別支援計画は、あまりこういう場所に入ってこないので見ないのですが、25ページに入っておりまして、提供時間のみならず、計画の中に何が書かれていて、それが実際に行われているかということが質につながると思いますので、さらなる検討をお願いしたいと思います。

以上です。

ありがとうございました。

菊池部会長:ありがとうございます。

井上委員、お願いします。

井上委員:ありがとうございます。

日本知的障害者福祉協会の井上です。

私からは、3点お願いいたします。1点目は、先ほど山本委員からも発言がありましたが、国連の対日審査後の初めての報酬改定の見直しということは、一言で言うと、報酬構造を大きく変えなさいと言われているのだと私は受け止めています。

現在の報酬構造としては、特に重要な相談支援やグループホームの重度型、居宅介護等の基本報酬を上げていただかないと、この総括所見で示された方向性を実現していくのはなかなか難しいのではないかという感想を持っていますので、ぜひお願いしたいのが一つです。

2点目は、今、障害福祉分野の最大の問題は、人材が集まらないことです。

事業継続も困難となり閉鎖する事業所もあるぐらい、厳しい実態があるので、ぜひ人が集まるような報酬体系にしていただきたいということを改めて、ぜひお願いしたいということです。

3点目は、先ほど沖倉委員からもありましたが、私も質の確保が最大の論点だと思うわけです。

今回についても、日割りであったり、時間単価の導入をもって質を確保していきたいという方向性は見えると思うのですが、私は、本質的には人の配置の問題だと思うのです。

専門職を配置したり、全ての事業に外部の第三者評価の目を入れるという仕組みがなければ、なかなか質は上がっていかないのではないかと思いますので、今後の議論の中でもぜひ御検討いただければありがたいと思います。

以上でございます。

ありがとうございました。

菊池部会長:ありがとうございました。

これで会場参加の皆様には一当たり御発言いただけたかと思います。

今日は、大変大人数になってございますので、2時間半の予定でございますので、ここで一旦休憩を挟ませていただいて、休憩後にオンライン参加の皆様から御議論いただければと存じます。

中途半端ですが、10分間で、57分再開ということにさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

(休  憩)

菊池部会長:それでは、再開させていただきます。

それでは、オンライン参加の皆様から引き続き御発言を頂戴したいと存じますので、御予定の方は、挙手機能ボタンでお知らせください。

まず、石澤委員からお願いいたします。

石澤委員:ありがとうございます。

麦の子会の石澤柊です。

資料2の17ページの論点2「意思決定支援の推進について」について、自分の意見を述べさせていただきます。

障害者本人の意思を尊重し、希望する暮らしを実現していくためには、障害者本人と関わる支援者が一体となって、丁寧に寄り添い、意思決定支援を実施していくことが重要であり、私の経験上、中学3年生のとき、進路を決める際、学校の先生から希望校を否定され、高等支援学校への進学を推奨されましたが、私は、いろいろと支援を受け、希望校へ進学し、現在も支援を受けながら仕事をして、一人暮らしをし、生活しています。

そのため、私たちの代わりに意思を伝えてくれる信頼できる人、支援してくれる人が必要だと私は思っています。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

それでは、小島委員、お願いします。

小島委員:全国手をつなぐ育成会連合会の小島でございます。

報酬改定に向けまして、取りまとめをしていただき、大変ありがとうございます。

会長の佐々木も発言しましたが、私は、障害児のことで5点ほど意見を申し上げます。

1点目です。

児童発達支援センターの役割が非常に大きくなることについて、報酬での評価は適当であると考えておりますが、先ほど来、小澤委員や小川委員も発言されておりましたが、地域によって差が出ることがないように、ぜひとも都道府県のバックアップにより、市町村が療育や発達支援の体制を構築するように、強く働きかけていただけたらと思います。

2点目として、児童発達支援や放課後等デイサービスの役割に、保護者の就労支援を含めることについては、社会情勢の変化を踏まえると必要であると考えておりますが、一方、卒業後、生活介護や就労B型などの事業所を利用した人が、放デイより早く帰ってきてしまうので、困っているという声も多数聞かれております。

18歳以降は、本人の希望を軸に支援を組み立てることになるため、児童期から放課後デイだけで支えるのではなくて、親子とも、多様な地域資源を活用できるようにしていただけたらと思います。

3点目として、私ども育成会が提案してきました家庭に対する支援方法の伝達や、兄弟・姉妹に対する支援が報酬へ位置づけされたことを高く評価いたします。いずれもこれまで手薄かった部分であり、取組が進むことを期待しております。

4点目に、先ほど会長の佐々木も申し上げましたが、児童期から強度行動障害に対する支援や予防の取組を推進する方向を明確にしていただき、本当にありがとうございます。

行動障害への対応は、育成会としても重要課題であると考えております。ぜひとも強力に推進していただけたらと思います。

最後に、5点目です。

令和7年10月に新設されます就労選択支援につきましては、特に特別支援学校などの卒業進路が混乱しないよう、十分に文科省とも調整していただきたいと思っております。

特に就労継続B型利用希望者は、原則として利用が求められるため、在学中のサービス利用方法なども整理していただけたらと考えております。

以上です。

ありがとうございました。

菊池部会長:ありがとうございました。

白江委員、お願いします。

白江委員:ありがとうございます。

全国身体障害者施設協議会の白江と申します。

2点、手短に申し上げます。

一点は、資料の最初のほう、施設入所についての検討会は、私も方向性については賛成でございます。

ただ、非常に多岐にわたりますし、地域によって事情もかなり違います。

その辺りを考えますと、じっくりと時間をかけて、しっかりとした議論をしていただきたいし、我々もそれに対応していきたいと思っております。

もう一点は、先ほど沖倉委員からお話がありましたように、質の問題。

それから、井上委員からありました人材の問題は、全ての基本的な課題だろうと思います。

この辺りの議論がまだまだ十分ではありませんし、議論して、解決するだけの問題でもありませんが、より慎重で、しっかりとした議論は今後必要であろうと思っております。

御配慮ありがとうございます。

以上、2点だけまず申し上げたいと思います。

ありがとうございました。

菊池部会長:ありがとうございます。

酒井大介委員、お願いいたします。

酒井(大)委員:どうもありがとうございます。

全国就労移行支援事業所連絡協議会の酒井でございます。

私からは、報酬改定に関する方向性につきましては、おおむね賛成でございまして、事務局の皆様をはじめ、報酬改定検討チームの皆様には、ここまで取りまとめてくださり、感謝申し上げたいと思います。

その上で、就労支援に関しては、1点懸念事項と、もう一点の改めてのお願い、合わせて2点発言させていただきます。

資料3の19ページの(5)のマル2「休職期間中に就労系障害福祉サービス等を利用する際の対応」についてなのですが、そもそも、もともと休職期間中のサービスの利用に関する要件については見直しが必要であるという立場で、何度かサジェスチョンもさせていただいていた立場なのですが、今回、これまでのルールにあります意見書についても、改めて提出を求めることについてですが、福祉サービスを利用することができるかの医学的判断として医師の意見書を求めることは、ある程度理解できるのですが、当該求職者を雇用する企業に意見等の提出を求めることについては、様々な課題があると感じております。

その理由ですが、一つは、今回の内容は、あくまでも鬱の方とか精神疾患の方を中心に、リワークについて想定したものだと思うのですが、休職する障害のある方は、そういう鬱の方以外にも、高次脳機能障害、肢体不自由者、視覚障害など、身体障害者も一定数おり、一律に意見書を求めること自体、必要がないのではないかと思います。

加えて、当該求職者を雇用する企業に意見書を求めることについては、企業が意見書の提出を拒んだり、その中には退職してほしいというような思いもあってというところで、なかなか企業から意見書をもらえない事例もたくさんありますので、考慮いただきたいと思います。

そもそも今回、このような話が出てきた背景には、サービスの質についての問題があると思っております。これを徹底することが果たして質の向上につながるのか。

私は、質の問題は別で解決すべきなのではないかと思いますし、そもそも福祉サービスの利用は、御本人さんの意思が最大限尊重されるべきですし、加えて、ほかの労働系のリワークや復職支援の事業においても、一律に企業から同意を求めているものではないという現状があることも併せて申し伝えておきます。

もう一点、就労選択支援については、大枠を示していただいて、これでようやく骨組みができたと思っております。

就労系サービス全体でこの制度の目的を理解して進めていくことが大事だと思いますし、現在、就労B型アセスメントを行っている事業者だろうが、無理なく参入できるよう、これから報酬が決まっていくわけですが、方針の全体像もぜひ無理なく参入できるような形にしていただきたいということを改めて申し上げて、私の発言を終わりにしたいと思います。

菊池部会長:ありがとうございました。

冨岡委員、お願いします。

冨岡委員:日本相談支援専門員協会代表の冨岡と申します。よろしくお願いいたします。

私からは、2点ほどお話しさせていただきます。

まず、資料の23ページの「持続可能で質の高い障害福祉サービス等の実現のための報酬等の見直し」についてなのですが、この中で「相談支援人材の確保」として、相談支援員を位置づけていただき、ありがとうございます。人材確保につながるものと考えております。

実践を通して経験を積み、相談支援専門員として職種がしっかりと担えるよう、これからしっかりと育成していきたいと考えております。

その中で、処遇改善加算についてなのですが、今回、新たに対象者が直接支援以外も加わるなど、増えているところが見受けられます。

直接支援、または相談支援は、様々な職種の給料水準を比較しても、給料規程もほぼ同じで、または相談支援専門員の加算をつけている事業所がほとんどないことから、給料水準については、あまり格差もないと見てとれています。ぜひともここで相談支援専門員についても、処遇改善加算に加えていただけるよう、御検討していただけないかというお願いが1点でございます。

2点目なのですが、先ほど発言の中で、支給決定の際の医師の意見書等の義務化についての御意見がありました。

相談支援専門員の立場からお話しさせていただきますと、障害のある方のニーズに対して、公的サービスと社会資源をつないでいくことを中心となって担っていく専門職と理解しております。医療との連携については、とても大事であり、重要だということは十分に承知しております。

福祉の支援が必要な対象者が100人いらっしゃれば、100通りの意思があり、支援の方法があるかと思いますので、医療との連携についてはとても大事ですが、支給決定の際の根拠については、慎重になるべきだと考えているところでございます。

私からは以上でございます。

菊池部会長:ありがとうございます。

鈴木参考人、お願いします。

鈴木参考人:私は、全国社会就労センター協議会副会長の鈴木でございます。

本日は、会長の叶に代わり、発言させていただきます。

私からは、4点ほどございます。

まず、資料3の20ページ、就労選択支援事業についてでございます。

就労選択支援事業については、様々な論点が示されておりますが、提示されている論点以外にも様々な課題がございます。

施行日は、令和7年10月1日とされておりますが、関係団体等との十分な議論、課題の検討をお願いしたいと思っております。

また、その際には、就労選択支援事業の利用の強制とか、アセスメントによる本人の選択の誘導がないようにという点を改めてお願いしたいと思います。

続きまして、23ページでございます。

処遇改善加算の一本化、対象サービスの追加についてでございます。

処遇改善加算の一本化については、福祉・介護職員への配分を基本とし、特に経験・技能のある職員に重点的に配分することとするが、事務所内で柔軟な配分を認めるとなっております。細かなルールを設けるのではなく、事業者の裁量を拡大する方向で検討いただきたいと思っております。

また、先ほど冨岡委員からございましたが、対象サービスに就労定着支援や就労選択支援が位置づけられることはありがたいのですが、計画相談支援事業についても同様に追加できるよう、検討いただきたいと思っております。

続いて、26ページでございます。

食事体制加算の経過措置の取扱いについてでございますが、ぜひとも食事提供体制加算の恒久化を求めたいと思っております。

食事提供体制加算があることで、低所得者が多い利用者の健康面における問題を低減できていると思っております。食事体制加算の意義や、利用者の生活に及ぼす影響等を踏まえ、経過措置の延長ではなく、当加算の恒久化をお願いしたいと思います。

最後でございますが、先ほど櫻木委員から医療と就労系事業所との連携という話がございましたが、本会としましても、医療と就労系事業所との連携は重要であると考えております。

資料からは、就労系事業所との連携によって生じたマイナス面が掲示されておりますが、一方で、今回、会員事業者からは、精神病院に連携を打診した結果、数回にわたって断られたケースがあったという報告もあります。特に精神障害のある方について、よりよい連携の在り方を検討する必要があると感じております。

私からは以上でございます。

菊池部会長:ありがとうございます。

山本則子委員、お願いします。

山本(則)委員:日本看護協会の山本でございます。

お取りまとめをありがとうございます。

6点ほどコメントさせていただきます。

まず、9ページの短期入所の内容についてですが、医療型短期入所サービスにおける個別性に応じた支援を行うための利用開始時の支援としては、自宅訪問以外にも、御家族の同伴による家庭での様子やケア方法の確認、個別の支援マニュアルの作成なども行われております。これらの支援への評価として、短期利用加算の見直しをぜひ御検討いただきたいと思います。

続きまして、10ページの(3)でございます。

感染症対応に係る医療機関との連携の方向性には賛同でございます。

その際、医療機関に所属する感染管理認定看護師、感染症看護専門看護師をぜひ活用いただきたいと思います。

これらの看護師が障害者支援施設等に直接出向き、感染管理の研修や施設の課題抽出、具体的な改善策の提示に至るまで、一元的な支援を行うことにより、感染管理体制の強化に寄与できると考えます。

続きまして、11ページです。

精神障害者の地域生活を支える上で「基本的な考え方」にも記載されているとおり、医療と福祉の連携は不可欠でありまして、特に訪問看護と障害福祉サービス事業所との連携が強化されることで、精神障害者の地域生活の継続、個別ニーズに応じたタイムリーなサービス提供につながることが期待されます。

つきましては、障害福祉サービス事業所と精神科訪問看護基本療養費を算定している訪問看護事業所の連携に対する評価を御検討いただきたいと思います。

14ページの(3)です。

マル1「医療的ケア児・重症心身障害児への支援の充実」については、共生型サービスにおける医療的ケア児への支援の評価は、看多機などの事業所での医療的ケア児への支援を継続する上で非常に重要であるため、ぜひ実現いただきたいと思います。

あわせて、医療的ケア児や重症心身障害児の送迎については、看多機等の共生型サービスや医療型短期入所サービスにおいても行っております。このため、一般事業所と同様に、医療濃度を踏まえた評価としていただきたいと思います。

25ページの(3)のマル3「栄養状態のスクリーニング及び栄養改善の取組の充実」について、栄養改善に向けては、食べられるようにするという口腔機能の維持・向上も非常に重要でございます。

障害者支援施設等では、施設内での専門職確保が困難なため、十分な支援がなされていない実態がございます。

つきましては、医療機関等で活動している摂食嚥下障害看護認定看護師の活用を御検討いただきたいと思います。

最後に、同じく25ページ(4)の身体拘束の適正化の推進に当たっては、人員体制の充実も必要であるため、そうした手厚い対応を行う施設や事業所を評価する仕組みの創設についても御検討いただきたいと思います。

以上でございます。

菊池部会長:ありがとうございます。

岡田委員、お願いします。

岡田委員:ありがとうございます。

全国精神保健福祉会連合会の岡田です。

私からは1点です。

報酬改定の取りまとめをありがとうございます。

今回の報酬改定に関しまして、特に異論はございませんが、今回の報酬改定に含まれていない精神障害者の家族支援について意見を述べたいと思います。

これまでも障害児のみならず、全ての障害者に家族支援の必要性があると繰り返し伝えてまいりましたが、今日は特に精神障害について述べたいと思います。

精神障害は、思春期、青年期に直面する課題であること。

また、現在も大変根深い偏見があり、家族自身にも強い偏見があります。

さらに、精神障害者家族は、かつて法律で定められた保護者として、本人の保護責任を課されてきたという長期間にわたる歴史があり、現在も、法律上の保護者制度はなくなっておりますが、変わらずに成人した本人を家族が抱え込む、あるいはやむにやまれず、精神科病院に長期委託するという現状が続いております。精神障害がある人の地域生活、自立生活の実現は、思うように進んでおりません。

福祉制度が充実しても、偏見にとらわれて、福祉サービスを利用しない家族がおります。

また、家族がいることを理由に、本人にとって必要な福祉サービスを利用できない状況も生じております。

この状況は、現在進められております、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築に直結する課題と考えます。この状況の根本的な視点として、本人を支援する役割としての家族から、支援されるべき存在の家族という認識の転換が必要と考えます。

このような状況を改善するために、特に精神障害者家族に対する支援の必要性を御理解いただきまして、今後の課題として、家族支援の報酬化をぜひ御検討いただきたいと考えております。

以上です。

ありがとうございました。

菊池部会長:ありがとうございます。

小林委員、お願いします。

小林委員:日本発達障害ネットワーク(JDDnet)の小林です。

皆さんの御発言を伺いながら2点思いついてしまいましたので、御発言させていただきます。

先ほども沖倉委員、井上委員、酒井委員から質の確保の御発言がありましたが、一貫してJDDnetでは、外部評価の仕組みを利用することについて、サービスの質の確保とその向上について発言してまいりました。

今回の取りまとめ、また、皆さんの発言を伺いながら、今回の報酬改定へのJDDnetの考えている反映は難しいと思いましたが、次回に向けて、質の確保に向けてと、評価の仕組みづくりについて、それらをさらに検討して、必要な機関に、誰がどのように行っていくのが本当のサービスの質の向上になるのか、JDDnet内でも、可能ならさらに実装研究をしていって、次回の報酬改定に向けて御提案できるようにしていきたいと考えておりました。

もう一つ、北川委員からも御発言がありましたが、人材確保はとても重要であり、私は、心理職を養成する大学・大学院の教員でもありますが、障害児・者の対応技術はもとより、必要なアセスメント、今後多く取り入れられていくであろう家族支援などの個別・グループ支援の手法は、とても技術を要することであると私は理解しております。この点についても、今後、検討会などによって丁寧に議論していく必要があることだと考えておりました。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

河野委員、お願いします。

河野委員:発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。

私は、障害者総合支援法の中で、難病の対象疾病が、来年度4月から366疾病から369疾病に増えるということで、ありがとうございます。

実際に、私どもは、障害福祉サービスを難病患者さんがどの程度利用しているか、なかなか把握できなかったのですが、6月の障害者部会の資料で、2022年1月の利用者は、厚労省の調査で、1か月に4,236人利用していることが分かりました。

この調査は、身体や知的、精神障害などを除いたもので、純粋に難病患者さんでサービスを利用している方が4,236人ということです、

利用しているサービスの内容については、居宅やら生活などの介護サービスと、就労支援のA・B型就労移行支援など、それぞれ介護と就労に関することが半々ということが分かりました。これに関しても、ありがとうございます。

これは、決して多くの難病患者さんがサービスを利用していないことを示していると思います。

今回は、就労支援についてお願いしたいと思います。

資料3の20ページで、2024年から実施される就労選択支援に、私たち難病患者は大いに期待しています。

難病患者の希望とスキルに合う就労支援になるよう、当事者の意見を反映し、ニーズにかなった、利用しやすい、しっかりとしたシステムを構築してくださいということなのですが、文章中に、B型の方の支援を中心にして、それで余裕ができたらと表記しているので、そこに相談に来た難病患者さんに関しては、対応していただければと思います。

あと、就労支援をする方に関しては、難病を理解している方が大変少ない状況だということで、研修や好事例の周知のほか、他の難病患者就職サポーターや、外部の仕事と治療の両立支援コーディネーターさんとかがいらっしゃるので、連携して、資格重複の場合の評価を行っていただければと思います。

よろしくお願いいたします。

菊池部会長:ありがとうございます。

阿部委員、お願いします。

阿部委員:ありがとうございます。

日本身体障害者団体連合会の阿部です。

今回の取組、検討の方向は、障害者権利条約19条ということで、委員もお話しされた方は多かったのですが、障害があっても、御本人の希望に基づいた地域生活を実現する取組があることはとても大事なことだと思いますし、それを踏まえて、相談支援はとても重要であるように思います。

さて、そうは言いながらも、6ページにありますように、セルフプランについて、都道府県の資料で拝見すると、とても大きい地域格差がある。これを市町村ということでしっかりと調査して、市町村で相談支援の仕組みをつくっていくことは大事なことだと思います。

ただ、セルフプランは計画相談。計画相談でこのように格差があることは、大きいことではないかと思います。地域で生活するためには、サービス等利用計画等だけではなくて、一般的な相談も必要ではあろうかと思いながらの発言です。

加えて、質問となるかもしれませんが、障害児入所施設からの移行ということでお話をいただきましたが、社会的養護の支援を受けている方々、具体的に児童養護施設とか里親制度、母子生活支援センター、乳児院等でも障害があるこどもの方々が生活していると伺っています。

お手元に資料があれば、どのぐらいの割合なのか、教えていただきたいと思いますし、また、このようなこどもたちのライフステージに応じた地域生活を実現するためにも、相談支援が重要であるということを確認させていただきたいと思います。

以上です。

ありがとうございました。

菊池部会長:今、お問合せがございましたが、お答えをお願いできますでしょうか。

栗原障害児支援課長:障害児支援課長でございます。

すみません。今、手元に数字は持っておりませんので、また確認して、御紹介できればと思いますが、社会的養護の中でも、一定障害をお持ちの方もおられますし、もう一つ申しますと、障害児支援施設の中でも社会的養護、虐待等を受けられて、措置で入られている方が多いということですので、しっかりと連携して対応していきたいと考えております。

以上でございます。

菊池部会長:阿部委員、今日のところは、そういうことでよろしいでしょうか。

阿部委員:はい。大事なことだと思います。

よろしくお願いいたします。

菊池部会長:後で事務局から確認の上、御回答いただければと思います。

それでは、田村委員、お願いします。

田村委員:失礼しました。

立命館大学の田村です。

取りまとめをありがとうございました。

4点ほどあります。

1点目は、多くの委員から出ている、サービスの質の問題ですが、私自身は、サービスの質に関しては、最初の基準人員そのものが低過ぎる事業もあるのではないかと思っていたり、あるいは正規比率が低いので、非正規のパートの専門的な力量が上がらないことと関わって、サービスの質がなかなか上がらないこともあるのではないかと思っています。

例えば放課後等デイサービスなどは、死亡事故なども起こっていることから、命に関わる体制、どう安全をつくっていくのかが早急に求められているのではないかと思っていますので、よろしくお願いしたいと思います。

2点目は、児童発達支援センターの強化のことについてです。

主に乳幼児期を担当していたところから、学齢期ということになりますので、学齢期の専門的な力量をどう担保していくのかというところでは、都道府県も含めて議論が要るところではないかと思っております。

特に思春期などは、いろいろな複合的な社会的な問題も含めて、本人がとてもしんどい時期になりますので、そこを上手に支援することが重要になってくるのではないかと思いますので、学齢期の支援体制をどのように中核的機能を果たせるようにするのかが課題だと思っております。

3点目は、グループホームについてです。

障害の重い重症児や医療的ケアの必要な人たちがグループホームで生活する事例が多くなってきていますが、実態として、そういう人員の基準配置になっていないので、とても運営が厳しいです。

なおかつ、個人単位でのヘルパーを利用しないとグループホームが成立しないことになっていますので、ここは特例を継続するのではなく、少し整理が要るのではないかと思っています。

最後ですが、このような形で医療的ケアのこどもたちが大人になって、(ライフステージを)移行して、地域生活を始めていくときに、今の医療的ケア児等の支援法の法律の位置づけを3年目の見直しの中で少しずつ変えていく必要があるのではないかと思っていますので、必要なところで議論いただきたいと思っています。

以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

渡辺参考人、お願いします。

渡辺参考人:全国市長会の永松委員の代理として出席させていただいております、杵築市福祉事務所の渡辺と申します。

発言の機会をいただき、ありがとうございます。

全国市長会として、2点ほど意見を申し上げます。

1点目なのですが、資料2の地域区分についてです。

資料2の30ページにあります地域区分についてですが、各市より、隣接する自治体間での格差の是正に係る要望も出ており、ぜひ柔軟な対応ができるよう、制度設計をお願いいたします。

特に、複数の自治体にまたがる広域的な事業を行う場合で、職員が働く場所によって、収入格差が生まれるなどの事例も聞いております。そのため、地域差による人材確保を妨げる要因が生まれないよう、御配慮のほどお願い申し上げます。

2点目ですが、資料3「令和6年度障害福祉サービス等報酬改定の基本的な方向性について」の1ページの今後のスケジュールについてです。

その中で、前回の議論でもありましたし、先ほど事務局より御説明もあった、報酬改定の適用日についてですが、現在議論中の内容のため、具体的な月の記載がないところかと思います。

こちらについては、自治体としては、どちらに決まったにしても、適切に対応していかなければなりませんが、決定が後ろ倒しになるほど負担が増加します。

4月1日の施行を望む自治体が多いと見込まれますが、国においては、障害福祉サービス全体の利益を御考慮いただき、早期の結論に向けた調整等をお願いいたしたいと思います。

以上となります。

ありがとうございました。

菊池部会長:ありがとうございます。

池田参考人、お願いします。

池田参考人:一見三重県知事の代理の池田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

私からは、5点申し上げます。

1点目は、物価高騰や人件費上昇に見合う基本報酬の見直しについてでございます。

障害福祉分野は、特に厳しい状況でございます。事業所の方からも、たくさん声が上がっております。ぜひ報酬の拡充をお願いしたいと思います。

2点目は、資料2の52ページになります。

処遇改善加算につきましては、3つの加算が一本化されるということで、最後にありますように「一定の経過措置期間を設けることを検討」とあります。

従来のものと、一本化後のものが混在しますと、混乱が生じるおそれがございますので、また十分に御検討いただければと思います。

また、先ほどからお話もありましたが、処遇改善加算の対象サービスにつきましては一部追加されておりますが、相談支援事業所につきましても、ぜひ処遇改善加算の対象に加えていただければと思います。

3点目が、資料3の16ページになります。

障害児入所施設に入所する障害児の円滑な移行のための体験利用でございます。

施設に入所する障害児が、成人のサービスに円滑に移行するため、施設側の体験利用の活用を評価することが検討されてございますが、これに加えまして、受入れ側の支援についても御検討をお願いしたいとございます。

それから、資料3の18ページになります。

就労継続支援B型の報酬単価でございます。

B型につきましては、平均工賃月額に応じた報酬体系について、よりメリハリをつけるとか、利用者の就労や生産活動等の参加等をもって一律に評価する報酬について、見直しを行うとございます。重度障害者の利用もあります小規模作業所の経営が厳しくならないように、御配慮をお願いしたいと思います。

最後に、生活介護の基本報酬でございます。

サービス提供時間別に細やかに設定することが示されました。

生活介護は、現在は午後3~4時頃に終了する事業所が多くございます。

保護者の方からの声も、就労にも影響があるということで、ぜひサービス提供時間の長い事業所の基本報酬をできる限り手厚くしていただければと思います。

以上でございます。

菊池部会長:ありがとうございます。

安藤委員、お願いします。

安藤委員:ありがとうございます。

全国脊髄損傷者連合会の事務局長をしています、安藤です。

まずは、報酬改定の取組を本当にありがとうございます。

こうした様々な皆さんからの意見をまとめていくだけでも大変だと思いますが、ぜひ私たち障害当事者のためになるような形でまとめていただければと思います。

私からは、2点ないし3点ほど発言させていただきます。

まず、資料3の5ページ、重度訪問介護の同行支援のところです。

同行支援の改善についても、本当にぜひお願いしたいと思っています。

質を上げていくことが大切だと思うので、離職が起きないように、こうした取組をぜひお願いしたいと思います。

また、23ページです。

人材不足も、重度訪問介護においては本当に深刻です。

つい最近、風邪が流行して、私たちのような重度訪問介護利用者の仲間たちもシフトに穴が開いてしまって、大変な思いをしています。そうしたことも含めて、ぜひ人材不足の改善に努めていただければと思います。

次に、資料3の7ページ、行動援護による短時間の支援の評価についてです。私はここがちょっと気になったのです。

短時間の支援の評価を行いながら、長時間の支援について見直すというところなのですが、これは報酬改定のところを見ていると、どうもガイヘルと行動援護の単価がほとんど一緒だから、それだったら、事業所がガイヘルでやっていったほうがいいということで、質の向上につながらないというロジックだったと思うのですが、行動援護の短時間の単価を上げていくのは賛成なのですが、それによって、長時間等の支援が低下するのはどうかと。

そうすると、私は何となく、親御さんのレスパイトとか、グループホームのレスパイトに行動援護が使われるだけで、本当の意味での自立支援になっているのかなと思っていて、お医者さんの意見や事業者、親御さんの意見も大切だし、障害児の最善の利益も大切だとは思うのですが、まず、それよりも一番大切なのは、当事者の意思決定だと思うのです。

ですので、総合支援法の基本理念の第1条にもありますが、当事者の主体性をまず尊重していただきたい。そうしたビジョンの中で、報酬改定とかも考えていただきたいと思います。それがエンパワーメントにつながりますし、本当の意味での最善の利益だと思います。

当事者が間違えることも大切だと思っていて、本人の意思決定で間違ったとしても、それが人生の糧になる場合もあるので、あなたのためだから、あなたにはそれが最善だからということで、施設に入れたり、そういったことがないようにだけはお願いしたいと思います。

以上です。

ありがとうございます。

菊池部会長:ありがとうございます。

野澤委員、お願いします。

野澤委員:野澤です。

ありがとうございます。今回の報酬改定の目玉の一つとして、強度行動障害の方の改善に向けた手厚い対策と加算は、大変賛成したいと思いますし、大事なことだと思います。

受け入れる場所の確保と、中核的人材への集中的支援は本当にそのとおりでいいと思うのですが、受け入れる場の確保というと、どうしてもグループホームや入所施設とか、暮らしの場がイメージされて、刺激の少ない静かなところで落ち着くのは、あちこちの現場を見て回ると、そういう場面をよく見るのですが、私は、落ち着いているのか、それとも諦めているのか、分からない感じがするときもあるのです。

これはこれで大事なのですが、もう一つは、豊かな地域生活や日中活動の支援とセットでないと、御本人の人生を支えることにならないのではないかという気もしていて、つまり、日中における生産活動や創作活動、あるいは移動支援や余暇活動とかの社会的な活動、いわゆる町での支援も重視していただきたいと思っているのです。行動障害の改善ということばかりでなく、豊かな地域生活を送ることも大事にしてほしいと思います。「施設内での行動障害の改善」と「地域(街)での行動障害の人の豊かな活動の支援」は求められる専門性がかなり異なります。後者についても手厚い対策と人材確保・加算など報酬への反映が必要です。そこでもう一つ問題になるのが、障害支援区分です。地域によってかなり格差があります。特に行動面の評価が軽視されるのが気になります。街での支援ということを考えた時、身体機能よりも行動面の評価の方が重要な面もあります。いくら加算を付けても、支援区分が低いと相殺されてしまい、施設・事業所の収入が低いままなので、専門性の高い人を採用できないことになります。

支援区分をめぐる議論はどこでやっていいのか、分からなくて、この前もしていただいたのですが、この辺りも、現場にとってはとても切実、重要です。

菊池部会長:ありがとうございます。

吉泉参考人、お願いします。

吉泉参考人:日本視覚障害者団体連合の吉泉といいます。

私からは、視覚障害者の立場から4点お願いしたいと思います。

まず、サービスの内容、質の評価のところなのですが、ここのマル2で、視覚・聴覚言語障害者支援体制加算と挙がっています。

これは、点字とか録音の資料を作るのは、専門性が必要なことは言うまでもないのですが、代筆・代読であっても、間違いのない代筆をする、あるいは分かりやすく伝える。

例えば画像、写真という資料も最近多いですから、伝えるためのノウハウはとても専門性が必要になってきますので、そこの加算の充実をぜひお願いしたいと思います。

2つ目は、自立した生活のための機能訓練・生活訓練の充実のところで、マル2に「ピアサポートの専門性の評価」とあります。

これは、点字の指導とか録音図書の聞き方、あるいは進展が急速なICTの利用について、実際にそういうことを経験している視覚障害当事者が訓練に当たることの意味は大きいと思いますし、訓練を受ける人の気持ちに寄り添った支援が可能だという点でも大事だと思いますので、ぜひ適正な評価をお願いしたいと思います。

3点目なのですが、相談支援の質の向上のところで、マル2に「医療等の多様なニーズへの対応」と挙がっております。

これは、例えば治療しても、目の回復がなかなか難しいとなった場合に、その患者さんが福祉、教育、就労支援に円滑につながって、社会参加ができるようになることはとても大事なわけですが、お医者さんとか看護師さんは、非常に多忙な中でお仕事をされていますので、そういった相談支援に当たるのは、実際には無理だと思うのです。ですので、医療と連携した相談支援がとても大事になってきます。

その際、先ほどピアサポートでも触れましたが、視覚障害当事者が相談支援に当たる意味は、患者さんの気持ちに寄り添った形で行うという意味で大事だと思いますので、その辺もよろしくお願いしたいと思います。

最後に、4点目なのですが、同行援護事業につきまして、盲聾者のための通訳・介助員の加算はとても喜ばしいことだと思っておりますので、ぜひお願いしたいのですが、加算になる前の段階、ベースになる報酬自体が低いのではないかという指摘もあります。

ある計算によると、居宅介護、ホームヘルパーに関わる報酬に比べると、同行援護は75%ぐらいにしかならないのではないかという試算があります。

同行援護はとても大事な支援ですので、そこのベースになる報酬もぜひ底上げをお願いしたいと思います。

私からは以上です。

菊池部会長:ありがとうございます。

それでは、江澤委員、お願いします。

江澤委員:ありがとうございます。

全体的には、次回は同時報酬改定でもあることから、医療と福祉の連携をしっかりと進めていくべきと考えております。

それでは、資料に沿って、幾つか意見を申し上げたいと思います。

まず、6ページの(5)マル2の2つ目のマルについて、医師意見書を活用することはよいと考えますが、必要時に、その時点での診療情報がより重要であるため、診療情報を求める仕組みが必要であり、特に初回のプラン作成においては必須ではないかと考えているところでございます。

現在、相談支援事業所と医療機関の連携の書式の見直しも行われておりますが、これは入退院時の連携の書式でございます。

入退院時以外にも、連携の必要な場面は多々ありますので、検討を行っていただきたいと思います。

続きまして、10ページの(3)マル1について、協力医療機関との連携をしっかりと進めていくべきと考えます。

その際、診療報酬上の感染対策向上加算1の算定施設は、300床以上の病院であり、地域の拠点病院でもあり、数にも限りがあることから、感染対策向上加算2・3の医療機関との連携がなじむと考えております。

続きまして、14ページの(3)マル1の6つ目のマルの共生型サービスにおける医療的ケア児への支援を進めていくべきでありますが、初めての仕組みでもあることから、好事例の共有をお願いしたいと思います。

19ページの(5)マル2でございます。

主治医の意見書の提出について御懸念される意見もございましたが、障害者本人の体調等の診療情報は、就労支援に当たっては極めて重要な情報であり、主治医もしっかりと協力することによって、主治医との連携を構築していくことは欠かせないものであると申し上げたいと思います。

20ページです。

新たな就労アセスメントについて、主治医からのタイムリーな診療情報が重要であるため、活用する仕組みの導入をお願いしたいと思います。

25ページの(3)マル3でございます。

栄養ケア・マネジメントを進めるべきでありますが、次期診療報酬改定では、低栄養の世界的診断基準である「GLIM」と書きますGLIM基準の導入が検討されており、血中アルブミン値が低栄養の指標ではないとされ、低栄養リスクの評価の見直しも図られると思いますので、障害分野も対応を検討していただきたいと思います。

最後に、(4)マル1の虐待防止、身体拘束適正化については、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。

特に虐待防止は、次元の異なる深刻な事柄でもありますので、厳格に取り組んでいただきたいと思います。

以上でございます。

菊池部会長:ありがとうございます。

これでオンライン参加の皆様からも、お手をお挙げになった皆様から御発言いただけたかと思います。

それでは、また会場に戻りますが、有村部会長からお願いいたします。

有村部会長:お時間をいただき、ありがとうございます。

皆様、活発な御意見をどうもありがとうございます。

また、初回の合同会議で大変人数が多い中、丁寧に進めていただきました菊池障害者部会長へ御礼申し上げます。

事務局の皆さんにも、これまでの議論、そしてこれだけの資料をまとめていただきまして、敬意を表しております。

今回のお話では、おおむねの方針については御了解が得られたところでございます。

ただ、大きく変わっていくためには、問題が起きないように、さらに充実していくように、細かい注意も必要かと思っています。

そして、これからの実装に向けて、これは次の改定も含めてかと思いますが、新しい御意見も幾つかいただいたと思っています。

障害者部会、障害児支援部会それぞれの御意見がありましたが、まず、私としては、こどもとしての障害のあるこどもに対して、議論が活発化していくことは感謝しております。

そして、同時に、当事者の皆様方から御意見をいただきましたが、個別性の高い御意見も含めて、大変リアリティーがあって、重要かと思いました。その人らしい生活ができる、その子らしい生活ができるツールとしての法制度、社会としてもフレキシブルな対応ができるようにしていく必要があると思いました。

大事だと感じた話題はたくさんあるのですが、職員確保も大変大きな問題ですし、養成段階も含めて、いかにこの領域に人材を確保していくのか、そのことも含めて検討いただく必要があると思います。また、御意見にもありました専門職のバリエーションもそうですし、連携、ピアの活用、地域づくり、様々な課題があると思っています。

これだけの御意見をいただきましたので、これから先、さらに整理や検討が必要かと思いますが、皆様と一緒に考えていければと思いました。

どうもありがとうございました。

菊池部会長:ありがとうございます。

今、有村部会長から、今日の全体のまとめのお言葉も含めていただけたかと思ってございます。

本来であれば、2巡目の議論で深めたいところなのですが、今日は12時までということになってございますので、大変申し訳ございませんが、今日はここまでとさせていただきたいと存じます。

それでは、最後に、今後のスケジュールにつきまして、事務局からお願いいたします。

江口企画課長:事務局です。

本日は様々な御意見をありがとうございました。

次回の障害者部会、障害児支援部会につきましては、それぞれ日程が決まり次第、改めて御連絡させていただきます。

よろしくお願いいたします。

以上です。

菊池部会長:今日は様々な御意見を頂戴いたしまして、どうもありがとうございました。

最初に申し上げましたように、施策の連携という面もございますし、それぞれに施策を立てていって、いわゆる縦割りの弊害のようなことになってもいけませんので、今後とも、必要に応じて、ぜひこういった形で、合同で議論する場があればいいのではないかと思った次第でございます。

先ほども、対面参加の皆様は、休憩時間もここで談笑の場があったりして、そういう意味でも交流が図れるのはいいことではないかと思った次第でございます。

それでは、本日は、ここで閉会とさせていただきます。

皆様、御多忙のところ御参加いただきまして、どうもありがとうございました。