本文へ移動

幼児期までのこどもの育ち部会(第9回)

概要

日時:令和5年11月13日(月)10時00分から12時00分
場所:こども家庭庁 22階 庁議室
 
【オンライン配信URL】
URL:https://youtube.com/live/pe4rUCythlU

議事

  1. 「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なヴィジョン(仮称)」(答申案)について
  2. その他

資料

議事録

秋田部会長:おはようございます。ただいまより、第9回「幼児期までのこどもの育ち部会」を開催いたします。

今回は、対面とオンラインでの開催となっております。

御多用の中、お集まりをいただきまして、誠にありがとうございます。

初めに事務局から、本日の委員の皆様の御出席状況と議事の確認をお願いいたします。

齋藤課長:それでは、事務局より御説明申し上げます。

本日の委員の皆様の御出席状況ですけれども、稲葉委員、倉石委員、古賀委員、それから横山委員におかれましては欠席という御連絡をいただいております。

また、オンラインのほうで御参加いただいておりますのは、有村委員、奥山委員、都竹委員、堀江委員、水野委員、明和委員でございます。ほかの委員の皆様におかれましては、この部屋で対面で御参加いただいております。どうもありがとうございます。

続きまして、本日の議題ですけれども、議事次第にございますように、「『幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なヴィジョン(仮称)』(答申案)について」でございます。

事務局からは以上になります。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、議事へ移らせていただきます。

議題1「『幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なヴィジョン(仮称)』(答申案)について」、事務局から御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。

齋藤課長:それでは、引き続きまして、私のほうから議事1に関します資料について御説明申し上げます。

資料が1-1から2-2までございますけれども、前回までの御議論の中で基本的なヴィジョンの答申案につきまして御意見いただきました部分を反映した案をお示ししておるものでございます。資料1-1が答申本文案の見え消し版、資料1-2が溶け込み版、資料2-1が答申案の概要の見え消し版、資料2-2が概要の溶け込み版ということでございますので、今、修正点を中心に御説明申し上げますけれども、資料1-1、資料2-1を御覧いただきながら、修正を確認いただければと思います。

それでは、まず資料1-1でございます。

事務局のほうで文言の重複、表現がこなれているかどうかという点、それから語順等につきまして全体的に見直しておりまして、その部分も赤字の見え消しでお示しをしておりますので、そこも後ほど適宜御確認いただければと思います。この場では、前回、委員の皆様方から御意見いただいて修正した部分を中心に御説明申し上げます。

まず、「多様性を尊重し、包摂的に支援する」という項目の最後の部分でございます。6ページ目の3行目でございますけれども、身体的・精神的・社会的なあらゆる要因によって困難を抱えるこどもや家庭を包括的に支援する視点が欠かせないという表現でございましたが、語尾が弱いということで、力強い表現にしていただきたいという稲葉委員からの御指摘を踏まえて、支援する必要があるというような表現に改めております。

続きまして、8ページ目でございます。こちらは「『育ちのヴィジョン』の目的の在り方」という部分でございまして、育ちのヴィジョンを羅針盤というような形で記述しているところでございますが、古賀委員より、ヴィジョンが羅針盤というところがうまく伝わっていないということで、ヴィジョンが従うべき基準ではなくて、全ての方に共有したい理念・方向性を示すというような形で工夫していただきたいということでございました。

それを踏まえまして、全体的に語順等を入れ替えているわけでございますが、羅針盤の記述があります24行目以降のところにつきまして、上記の目的を達成するためには、『育ちのヴィジョン』を、すべての人で共有したい理念と基本的な考え方を示し、社会の認識転換を図りつつ政府全体の取組を推進する羅針盤として位置づけるという形で、実は後段のほうではこういった表現で丁寧に書いておるわけでございますが、この部分も少し丁寧に政府の取組の推進の羅針盤ということが分かるように修正をさせていただいております。

続きまして、10ページ目でございます。「乳幼児の思いや願い」という表現の中で、18行目のところで「食べたい」「寝たい」「かまってほしい」「愛されたい」という表現がございましたけれども、愛されたい」というのを最初に持ってくるということと、「抱っこしてほしい」という表現を入れております。秋山委員から御指摘いただいた部分で修正をしております。

また、32行目のところで、同様に秋山委員から御指摘がございまして、周囲の人にありのままを受け止められ、尊重され、自分の存在、意思、ペースを認めてもらうというような形で追記をしております。

続きまして、11ページ目でございます。こちらも「こども基本法にのっとった理念」ということで、(3)番、20行目、こどもの声思いや願いが受け止められという表現でございましたけれども、こどもの声というのが直接聴くということではなくて、関わりながら思いを読み取ろうとしたり、関わりながら理解しようとするというようなことが分かるようにということでございましたので、こどもの思いや願いが受け止められというような形で修正をしております。

続きまして、14ページ目、「2.幼児期までのこどもの育ちの5つのヴィジョン」の部分でございます。

21行目からの○でございますが、こちらも古賀委員のほうから、ウェルビーイングの向上がこどもの権利保障とセットだということが伝わるような表現ということを御指摘いただいております。こちらにつきまして、生涯にわたるウェルビーイング向上には、前提として、すべての人の責任として、権利主体として必ず保障しなければならないこどもの権利と尊厳がすべてのこどもにひとしく保障されることが重要であるというような形で、御指摘の部分に沿うかなということで、「ひとしく」ということを入れております。

続きまして、16ページ目は、委員のコメントの点に並行いたしまして各省の協議をしておりましたところ、農水省のほうから御指摘がございまして追記したところでございます。16ページ目の1行目ですけれども、農水省のほうから、「はじめの100か月」間では、生涯の基盤づくりとして、正しい食習慣を身につけたり、栄養バランスの取れた食事を取ったりすることが必要だというような御指摘がございました。

この点を踏まえまして、「生命、生存及び発達に対する権利」の注23という形で、すべてのこどもの生命・栄養状態を含む健康・衣食住が安全・安心に守られる必要があり、そのためには、「保育所保育指針解説」にもあるように、生活習慣を習得することについて、適切な時期に適切な支援をしていくことが求められるというような表現を引用する形で、このコメントに対応しておるところでございます。

17ページ目でございますけれども、「安心と挑戦の循環」の最初の項目でございますが1行目でございます。前回、高祖委員のほうから、この部分につきまして、気持ちを受け止め、最善の利益を考えていくというような形の表現を追記してはというようなコメントでございましたので、そこを追記いたしました。

また、自己肯定感が育まれていくというところが、必ずしも自己肯定感だけではない部分もあるので、「等」というような御指摘がありましたので、「等」を入れているということでございます。

18ページ目に参ります。「遊びと体験」の部分でございます。19行目、20行目辺りのところでございますけれども、吉田委員のほうから、絵本等による視覚への刺激など、様々な感覚による刺激を通じた体験が重要だというような御指摘がございました。このことを踏まえて、様々な感覚を働かせながら、環境からの刺激を受けることが必要であるというような表現として修正をしております。

続きまして、「安心と挑戦の循環」の最後の部分でございます。20ページ目の26行目でございますが、こちらも先ほどあったものと同様でございますけれども、こどもの声を聴くという部分が必ずしも声を聴くというだけではないということもございましたので、こどもの思いや願いを尊重しながらというような表現に改めているということでございます。

続きまして、23ページ目でございます。こちらは「『こどもの誕生前』から切れ目なく育ちを支える」の部分の修正でございますけれども、22行目の最後の部分で、療育等の関係施設という表現がございました。この療育の部分がなかなかすぐに理解できないという方もいらっしゃるということで、注のほうで追記をするということで、注34を入れさせていただきました。「療育」とは、障害のあるこどもに対し、身体的・精神的機能の適正な発達を促し、日常生活及び社会生活を円滑に営めるようにするために行う、それぞれの障害の特性に応じた福祉的、心理的、教育的及び医療的な援助をいうという表現としております。

続きまして、25ページ目、「(4)保護者・養育者のウェルビーイングと成長の支援・応援をする」のチャプターでございますけれども、最初の2行目のところでございます。

秋山委員のほうから、親子形成という趣旨の言葉が入るといいというコメントでございましたので、必要な親子関係の構築に向けた支援を受けたりというような表現としております。

続きまして、26ページ目、「こどもとともに育つ保護者・養育者の成長の支援・応援」という部分でございますけれども、有村委員のほうから、「こどもと過ごす時間や触れ合う経験の確保」という部分で、働き方との連動というような御指摘がございました。この部分につきまして、保護者・養育者の労働環境の整備も含めた対応が必要であるというような形で、その部分を触れさせていただきました。

また、秋山委員のほうから、こどもの声を聴くためのというような趣旨のことを追記してはどうかということでございましたので、先ほど同様、こどもの思いや願いを受け止めて必要な対応につなげるためにというような表現を追記させていただいております。

続きまして、28ページ目、「(5)こどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増す」のチャプターでございます。14行目でございますけれども、吉田委員のほうから、心身ともに良好な状態を保っていくことというような趣旨の追記を御意見いただきましたので、保護者・養育者自身の心身ともに健康的な状態を保つことも大切であるというようなことを追記いたしております。

続きまして、29ページ目でございますけれども、高祖委員のほうから、社会の認識共有を図るという部分について、改善していく努力が必要であるというようなことも御指摘いただいております。この部分につきましては、こどもや子育てに優しい社会に向けた気運醸成を進めるために、社会の認識共有を図っていくというような表現としてはどうかということで修正をしております。

続きまして、31ページ目で「おわりに」の部分でございます。こちらは委員から御指摘はございませんが、17行目、18行目の部分でございます。これまでの表現では、こども大綱に基づいて、今後、具体的施策を強力に推進していくと書いておりましたけれども、こども大綱に基づいてこどもまんなか実行計画を策定するという形で基本政策部会のほうでも議論が進展しておりますので、こちらはこども大綱の下で策定することとしている「こどもまんなか実行計画」においてという形で、この時点で修正をかけさせていただいております。

本文は以上でございます。

続きまして、36ページ目で別紙2の部分も引き続き修正をしておりますので、36ページ目に参ります。社会全体の全ての人の役割ということで、地方公共団体の部分の記述でございますが、最初の16行目の部分で水野委員のほうから、地方公共団体が責務を有するとされているというのが、そこまで言うのであれば責務を有すると言い切ってはどうかということですので、責務を有するという形で修正をしております。

それから、27行目以降の部分が、文章としまして、国が主語なのか、地方公共団体が主語なのか、非常に分かりづらいということでございましたので、基本的には国が主語だということで、国は、地方公共団体が上記の役割を果たすことができるようにという形で、その下のヴィジョンを共有していくこととか、コーディネーター役の人材を育てることを促すこととか、こういったことも全て国の役割ということで整理をし直しているところでございます。

38ページ目でございます。「専門的な立場でこどもの育ちに関わる人」の部分でございますけれども、ここで保育士等となってございましたところは、大変失礼いたしました。全体として保育者という形で整えているところ、ここだけ揺らぎがございましたので、保育者という形で修正をかけさせていただいております。

また、ここの体制整備の部分でいろいろ御意見をいただいております。体制整備でもう少し具体的に書けないかというような御指摘でございました。中で検討いたしましたが、全体としてこのヴィジョンを受けてこども大綱、それから実行計画で具体的な施策を推進していくという中におきまして、こども大綱のほうでは現在、ここの部分に対応する形で、保育者等の人材育成・確保、処遇改善、現場の負担軽減、職員配置基準の改善と具体的に書いてございます。役割分担といたしまして、このヴィジョンでは体制整備という形で、そこの根っこという形にいたしまして、具体的な施策についてはこども大綱のほうで整理していくという形で、少し全体の整理をさせていただきたいということでございます。

39ページ目に参りまして、14行目以降のところでございますけれども、その体制整備の「その」という部分が少し分かりにくいという御指摘が安達委員からございましたので、乳幼児の保育や子育てに関わる人に対して、体制整備を含めてというような形で、語順を変える形になりますが、明確化したということでございます。

39ページ目の一番最後の30行目からの部分でございますが、前回、21ページ目の保護者・養育者のウェルビーイングを支えるという部分に事務局から追記をしておりました表現をこちらに持ってきております。具体的には、自分自身の幼児期までの経験を振り返ったりというような部分のところを、前回いろいろと御指摘いただいた部分を踏まえて修正した上で、こちらのほうが少し位置づけとしては据わりがいいだろうということで、30行目からのところに移動させております。

以上が本文の修正点でございます。

続きまして、資料2-1を御覧いただきまして、答申案概要につきましても修正をいたしておりますので、こちらも御紹介申し上げます。

まず、全体の色目を少し変更いたしまして、前回いろいろな色がございましたので、全体としてオレンジ系の暖色系のカラーで統一する形で修正をしております。

その上で、最初の共有する意義という部分でございますけれども、柿沼委員のほうから、家庭・園・関係者等のというところで、地域というのがあったほうがいいのではないかということで、「・地域」という形で入れさせていただいています。

それから、5つのヴィジョンの①でございますけれども、乳幼児は生まれながらの権利の主体というところを、生まれながらにして権利の主体というような修正をしております。

3番目の「切れ目なく育ちを支える」の矢印以降のところですけれども、少し表現がまどろっこしいといいますか、支えられた者が次代をというところを少しシンプルにいたしまして、育ちに必要な環境を切れ目なく構築し、次代を支える循環を作り出すという形で修正をしております。

それから、ヴィジョンの5つ目の柱でございますけれども、これも矢印の先の部分で、現代の社会構造に合った発想でというところを、現代の社会構造を前提としているような表現ということで高祖委員から御指摘がありましたので、社会の情勢変化を踏まえ、こどもの育ちを支える工夫が必要であるというような表現としたこと。

それから、3つ目のチェックの部分で、専門職連携やコーディネーターというところが、地域におけるということであろうということで、こちらも修正をしております。

最後に、「おわりに」の部分の部分ですけれども、先ほど本文のほうで直しましたとおり、こども大綱と書いてあったところを、こども大綱の下に策定する「こどもまんなか実行計画」という形で修正を入れているということでございます。

以上が答申本文と答申案概要の修正点でございました。

また、引き続き、本日御欠席の古賀委員のほうから、今回の資料を事前にお送りしたところコメントがございましたので、本日会場に御出席の皆様には机上でワードのファイルをお配りしておりますけれども、オンラインの方もいらっしゃいますので、私のほうから簡単に読み上げさせていただきます。

古賀委員のほうから資料1-1のコメントでございまして、13ページ目の7行目でございますけれども、最初の「すべての人と『育ちのヴィジョン』を共有する意義」の部分の表現でございますが、子育ての喜びの一端を味わったり、子育て当事者の立場への想像力を持ちやすくなったりする上でも有用であるという部分を、重要であるとしてはどうかという御指摘でございます。

14ページ目の9行目でございますけれども、現代の我が国社会の状況にはという表現が、現在の我が国社会の社会的状況にというような表現としてはどうかというような御指摘でございます。

16ページ目のところで、先ほど農水省からの修正でということで御紹介申し上げました食習慣のところの追記でございますけれども、注書きのところに「保育所保育指針解説」のみが挙げられているものの、3つの要領・指針に書いてあるだろうということで、それについて言及しておくべきではないかというような御指摘でございました。

17ページ目の2行目の部分でございますけれども、高祖委員の御指摘で追記させていただいた最善の利益を考えていくという部分についてのコメントですが、安心感を基盤として挑戦していくということを述べているところで、最善の利益という概念が入ってくるところで、どうなのでしょうかというような御意見がございましたので、もし、この後、ございましたら御意見いただければということでございます。

以上、事務局のほうから資料の御説明を申し上げました。よろしくお願いいたします。

秋田部会長:齋藤課長、ありがとうございました。

本部会では、本日を含め、これまで9回にわたり答申の取りまとめに向けた議論を行ってまいりました。ただいま事務局から御説明がありました答申案につきましても、前回までの部会にて各委員からいただいた御意見はおおむね反映していただいたと思いますが、その上でどうしても気になる箇所などがございましたら御発言をいただきたく存じます。

また、本日の部会で、育ちのヴィジョンの答申の取りまとめに向けた議論は一区切りということになりますので、答申案の文章のみならず、今後のこの内容をこども大綱やこどもまんなか実行計画を通じてどのように実現していくべきなのか、また、育ちのヴィジョンを社会全体に共有し、一人一人の行動につなげていくための方策などについても、ぜひお一人ずつ御提案をいただけますと幸いでございます。

それでは、対面の方は名札を立てていただき、オンラインの方は挙手ボタンをお願いいたします。

高祖委員、お願いします。

高祖委員:高祖です。

本当に丁寧にいろいろ拾っていただきまして、ありがとうございます。とても分かりやすいものにまとまってきたのではないかなと思います。

その上で、少し細かいところもありますが、幾つか述べさせていただきます。

13ページの上から1行目、より多くの人が、こどもの誕生前や乳幼児の人たちに関わる経験をすることはという文がありますけれども、広く一般の方々に向けての言葉だと思いますので、直接的な関わりをしない方もいるのではないかと思い、乳幼児の育ちに関わり見守る経験をすることはというような感じで、少し言葉を足してはどうかなと思いました。

続きまして、15ページの15行目ですが、「それらを不断に見直していくことを期待する」と書かれていますが、見直し、改善していくことをというふうに、改善というところまで入れてはいかがでしょうかと思いました。

あと、22ページの7行目ですが、このままでいいかなと思いつつ、また今、座長のお話からも今後のというところがありましたので、そちらに盛り込んでいけばいいのかなとも思いつつ、「わかりやすく信頼できる情報へアクセスしやすくすること」というところが、信頼できる情報へプッシュ型の情報提供を含めアクセスしやすくするというような感じで、待っているだけではなく、自分から取りにいくだけではなくてというようなニュアンスも含まれるといいかなと思いました。

同じく14行目です。乳幼児同士のみならず、学童期からこどもの育ちについて学んだり、関わる機会があることが重要ということで、こども自身のことが書かれていますけれども、ここに学童期からこどもの育ちやこどもの権利について学んだりということで、権利を学ぶということをぜひ盛り込んでいただければと思いました。

24ページ目の22行目ですけれども、保護者・養育者を追い込んでしまわないようにする必要があるというところで、これは別にどちらでもいいのですが、追い込んでしまわない8 ように留意していく必要があるなど、心がけていくというようなニュアンスを入れてはどうかと思いました。

25ページです。先ほども言いましたけれども34行目、「学童期、思春期、青年期の時から、こどもの権利やこどもの育ち、子育てについて学んだり」ということで、ここにもこどもの権利と入れてはいかがかと、入れていただきたいなと思いました。

26ページ目も同じです。「体罰によらない子育てのために」ということで書いていただいておりますけれども、ここも29行目のところ、こどもの主体性の発揮に向けて必要なことなど、こどもの権利や家庭養育支援の視点も含めということで、こどもの権利という言葉をぜひ追加いただけたらなと思いました。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

丁寧にいろいろな点を御指摘いただきました。ありがとうございます。

それでは、続きまして、秋山委員、お願いいたします。

秋山委員:秋山です。

今回、秋田先生が言われたように、全て意見を書き入れていただいてありがとうございました。

その上で、22ページのところですけれども、こども、保護者がウェルビーイングでいるかどうかというのを確認する、自分自身も関係者も確認する機会が必要かと思います。22ページの4行目に、「見通しを持つことができるようにすべての人であらゆる機会を通して支えていく必要がある」という文言を入れていただくのと、29行目に「タイミングを逃さず多職種による」というところもあります。この2つの機会というのを、今、妊婦健診、産婦健診、それから乳幼児健診、そして今後、伴走型支援も始まりますし、園の入退園、また、地域の子育てひろばで出会うときなど様々な機会があります。そういうのをイメージできるようなことをどこかに記載しておいていただけないでしょうか。

御検討をお願いします。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、柿沼委員、お願いいたします。

柿沼委員:柿沼です。

取りまとめていただき、ありがとうございました。

僕のほうは2点ほどなのですけれども、25ページのところで、「親子関係の構築に向けた」というところが今回書き入れられたと思うのですが、ずっと保護者・養育者ということで、養育者のところで育つこどものことを意識しながらつくられてきましたが、ここだけ「親子関係の構築に向けた」と言い切っていいのかなというのが単純な疑問です。ただ、親の育ちとかということがあるので必要かと思いますが、養育者をこれだけ意識してきた中でここがその言葉だけになっていたので、「など」とかそういったことのほうがいいのかなということは1つ思いました。

もう一点が、実はずっと気になっていたところなのですけれども、答申案の1枚のヴィジョンのところです。④のところでこどもに最も近い存在をきめ細やかに支援とあって一番下に男女ともに保護者・養育者が共育ちというところがあるのですけれども、ジェンダーの発想からすると、男女という言葉が出ていることで、今、無性だったりとかニュートラルだったりとかという存在がある中で、国の資料としてどっちなのかなというのがずっと気になっていたので、最後ということなので、ここは気になる点として御指摘させていただければと思っています。

その下のところも、男女差なく経験で育つ等となっているところも、性差という言い方がいいのか、今後は無性、自分では男女ではないという方がこどもを持つという時代になってくると思うので、ここが少し国のお考えがあると思いますので、一応指摘だけさせていただきます。

以上2点です。

秋田部会長:ありがとうございます。

この辺り、事務局のほうで最終的に調整をさせていただくことになろうかと思います。

それでは、続きまして、吉田委員、お願いいたします。

吉田委員:おまとめいただきありがとうございます。

自分が指摘した2点について盛り込んでいただき、ありがとうございます。そのうち28ページの表現方法について気になったので、修正ができればということで指摘させていただきます。

28ページの14行目です。「保護者・養育者間の良好な関係性や」のところで点を1回打っていただいて、「保護者・養育者自身の」がちょっと読みにくいので、「保護者・養育者自身が心身共に健康な状態を保つ」でもいいのですけれども、「保持する」とかのほうがいいかなと思いました。「保持することも」という形で続くといいかなと思いましたので、御検討いただければと思います。

あと、資料2のほうです。今回、これを保護者に伝える上で、ぱっと見てインパクトのあるもの、しっかり受け止められるものというところで、保護者だけではなくて、それはこども自身に対してもそうなのですけれども、5つのヴィジョンということで、①から言うと、守る、高める、支える、支援・応援する、そして厚みを増すということで、そういう形のメッセージがきちんと込められたというのは非常に大事かなと思いました。

ただ、③のところだけ、今回矢印部分の文章が「新しく次代を支える循環を作り出す」となっていますが、ほかの矢印部分の文章は全部名詞で止めていたので、ここも名詞で止めたほうがいいかなと思います。「創出」とかいろいろ言葉はあるかと思います。それは事務局のほうで考えていただいて、書いていただけるように検討いただければと思いました。

全体のところなのですけれども、今回大きく、よりよく生きるということでウェルビーイングという言葉がしっかり入ったのが大事なことかなと思いつつも、まだまだ一般化は10 していないのかなと。保護者同士で話をしていて「ウェルビーイングは・・・」みたいな話はほぼ出てこないので、まだ専門家の方々が使う言葉なのかなという認識を持っています。それを今回、こういうふうにヴィジョンを打ち出すことで、国民に広く下ろしていくという作業をしっかりできればいいかなと思いますし、その中でしっかり言葉自体の意味もすっと受け止められるような形の周知をしていくということが大事かなと思います。

そういった意味で、周知に関して意見という形なのですけれども、保護者視点というところが非常に大事、あとはもちろんこどもに伝えていくということであれば、こどもにも分かりやすい用語を使っていくということは非常に大事かなと。特にメッセージ性として強い、さっき言った5つのヴィジョンといったところはしっかりかいつまんで、こどもたち、保護者にメッセージとして届けるような言葉になっていってほしいなと思います。

周知広報していくという意味では、2015年に子ども・子育て支援の新制度が始まったときに、保護者にも強いメッセージを届けられるようにという思いもありましたが、結果としては、支援者には届いた一方で、保護者というところまでは行っていないのではないかなと思います。数年間、周知広報の事業もやったりとか、研修もやったりみたいなこともあって、予算は当初ついていたと思うのですけれども、さらに周知していくための予算というところで言えばまだまだ足りなかったのかなと思います。

より広く伝えていく努力を続けていってほしいということと、今回、大綱もつくられて、これを含めたヴィジョンということで言えば、それをしっかり伝えていくという作業を惜しまずに、数年間広報すればいいだろうということではなくて、この大綱がまさに次代に続いていくような形で予算も含めてしっかりと確保していく努力をしてほしいなと要望としてお伝えさせていただきます。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、加藤委員、お願いします。

加藤委員:4点申し上げます。

1つは古賀委員からいただいている意見書のほうですけれども、もっともだなと思いました。とりわけ最後のところは、言葉を重ねることで意味が見えづらくなるというケースは出てくるのだなと思います。

2点目です。今回のところで私がお伝えしたところを修正いただき、ありがとうございました。これは大綱や行動計画においても、今までの流れの中で保育士等が使われているケースはあるかと思いますので、意味を捉えて保育者への書換えを検討いただきたいとお願いを申し上げます。

3点目ですけれども、資料2-1のヴィジョンのところですが、羅針盤が必要という言葉がここに記載されています。本文から羅針盤の文言が消えていたら、この言葉が浮いてくると思うので、何らかの書換えが必要になるのかもしれないと思いました。

最後に、秋田先生からお話のあった啓発の方法についてですけれども、どうしても団体や自治体には通知という形で出ていて、通知を配っていますという話になるのですが、なかなか腑に落ちてきません。どうやったらそれぞれ具体的に落ちてくる、自分事になるのかという辺りは、新たなブレーンストームとか何らかのムーブメントが必要で、周知のための委託研究ではないですけれども、丁寧に、本当に新しい形にしないと、みんな自分のことと思えないというようなことは一定あるかなと思いまして、新たにそのことについてももう一回考えなければいけないなと思った次第です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、坂﨑委員、お願いいたします。

坂﨑委員:おはようございます。坂﨑です。

よく分からないので2つだけ教えてください。中身の問題については、私は個人的なことを言うと、今の段階でも十分書かれていると思うので、あとは補足なり説明のような段階になっているのだなと思っています。

先に教えてください。2つあるのですけれども、こどもの育ちに関わる基本的なヴィジョンの仮称は、閣議決定が行われれば仮称ではなくなるでしょうかというのが1つです。

もう一つは、こども基本法や大綱もあるのだと思いますけれども、このヴィジョンが今後改定される要領や指針との関係性をお知らせできませんでしょうか。

先にこの2つを質問してから意見を述べさせてください。

秋田部会長:それでは、事務局のほう、お願いいたします。

齋藤課長:2点御質問いただきまして、仮称の部分でございますけれども、御指摘のとおり閣議決定の文書では当然仮称が取れるということでございますので、ある程度閣議決定の表題が固まった時点で仮称を取るということでございますけれども、引き続きここの部分は、今、仮称という形で答申をいただいて、その後、閣議決定の文書で取るという形にしていきたいと思っております。

それから、要領、指針との関係でございますけれども、明示的にこれを全て反映してということで、何か公式に残っているものはございませんけれども、当然ながらこの基本的なヴィジョン、それから大綱を踏まえて、3要領、指針を改定していくということになろうかと思っております。

坂﨑委員: 私は今、加藤先生がおっしゃったように、吉田さんも話したのですけれども、周知の仕方が非常に大きいのだと思うのです。どういうふうにして行っていくのかというのが非常に難しくて、1つ目には、秋田先生はよく御存じのように、例えば幼児教育センターが開校したとき同様に、何らかの形で全ての人たちに大きなところでこの話を説明するという必要性はあるのだと思います。2番目には質問したところにあるのですけれども、これが要領、指針に直接関わらないとなると、多くの関係者の方々に浮いたものになってしまうので、逆に言うと非常に関係があるのだと言ったほうがというか、関係あるのだと私は思っているわけです。こどもの育ちのヴィジョンがあってこそ、要領や指針に踏まえて進んでいくべきだというのが私の意見なので、そういうことになれば、結局今までであれば保育所保育指針というのはその上に上位法がなくて、昔であれば通知であったわけですけれども、そうではなくて、育ちのヴィジョンというものがきちんと踏まえられた上での指針や要領があるのだと。そういうふうにすることによって、逆説的に捉えれば、このことを理解せずにそちらに進むことはできないというぐらいのことをきちんとやっていくべきではないかなと思います。

そうすると、結果的にこのヴィジョンの内容について深く検討せざるを得ないし、話合いをする場面も出てくるだろうと思います。今どうしても社会全体もそうですし、私たちの業界もどちらかというと施策とか、そういうところだけに目がとらわれていて、本来こちらのほうが中心にあって施策やそちらのほうに進むべきものが、こっちのほうにはなかなか焦点が当たっておらず、政策やそちらのほうにだけ物事が行っているというのは、少し逆なのではないかと強く思っているので、周知の仕方も含めて、どういうふうに進めていくのかというのはこれから大きな問題だと思いますし、逆に言うと、このことがどれだけ重要かということが発信できれば、今までの例えばこどもを育てる保護者でも自治体でも、各保育の様々なひと、療育とか保育とか医療も全部あると思いますけれども、そういう人たちの大きな概念としてどう捉えていくのかというのを私たちが発信をしていくという作業はとても大きいなと思っています。そのことがこれからの一番の大きなことだと思いますので、ぜひともよろしくお願いいたします。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、対面のほうで安達委員、鈴木委員、その後、オンラインの委員の方を指名させていただきますので、安達委員、お願いいたします。

安達委員:長きにわたっておまとめいただきまして、本当にたくさんのことが盛り込まれていて、読んでいっても納得できることが多いなと感じております。

私からは、皆様方がおっしゃっております周知のことなのですけれども、一般の方にどう周知するか。特に若い人たちを含めた人たちが、小さい頃からこどもの権利ということを理解していくことはとても大切だなと思いますので、この指針のほうにも書かれていますように、こどもの時期からどういうふうに理解を求めていくのかというようなところに何か周知の方法があるとよいのかなと思っています。

もう一点、実際にこの会議の中でも、委員の先生方のとてもすばらしい取組等をお聞かせいただきました。ぜひこのような取組についても、この指針と併せて、具体的な施策のほうにも関連するかと思いますので、そのような何か周知の機会を持っていただけるとよいのかなと思っております。

以上となります。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、鈴木委員、お願いいたします。

鈴木委員:本当に丁寧におまとめいただきましてありがとうございました。

こどもの思いに寄り添うというようなことが、委員の思いにも寄り添っていただいたという感じだと思います。

私からお願いなのですけれども、先ほどの周知の仕方と関連して、こどもまんなか実行計画を自治体に発信して、実は自治体が現場の思いとかけ離れていることというのは結構ありまして、でも、自治体はとにかく国からきたからやらなければ、とやるのですけれども、恐らく何をどう進めていったらいいのか、具体的なことに関しての相談を受ける場所がありません。なので、具体的な相談を受けることをぜひお願いしたいことと、同時に、公的資金を使うということは評価が伴うことなので、その自治体に対して評価のルーブリックをちゃんとつくっていただきたいと思っています。

とにかく、日々こどもの育ちを支えている幼児教育・保育の現場の思いを受け止めていただきたいなというのがお願いです。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、オンラインの有村委員、お願いいたします。

有村委員:ありがとうございます。

丁寧におまとめいただきまして、本当に頭が下がる思いでございます。

私のほうから、今回の資料に関しては3点、そして今後についてということでしたので、今後について幾つかの点をお話しできればと思います。

まず資料1-1、2のところなのですが、幾つか書き換えていただいて、反映していただいて本当にありがたいなと思います。まず資料1-1の23ページ、療育の部分を追記していただいたことは大変ありがたいのですが、下のほうの「『療育』とは」のところで、障害のあるこどもに限定しています。実際、児童福祉法の中では、ほかの結核等のところで療育についても触れてあり、少し幅広く持たせたほうがいいのかなと思います。障害のあるこどもをはじめとしてとか、障害のあるこども等とか、もう少し幅を持たせないといけないかなと思いますし、広げていたほうが限定した表現ではなくていいのかなとは思っています。線引きを防ぐという意味でもそうかなと思っております。

続いて26ページ、こちらも発言を反映していただいて大変ありがたいなと思うのですが、ここでこどもと過ごす時間、触れ合う経験の確保という部分についても、働き方との関連で書いていただきました。ここなのですが、後で少し申し上げたいと思うのですけれども、対応が必要というよりも、ここは改革が必要ぐらいの言葉で強く書いていただいたほうがいいのではないかなと思います。

続きまして、資料2のほうになります。こちらも本当に様々な意見を入れていただいて本当にありがたいです。先ほどもウェルビーイングが一般化していないという意見がございました。そういった点で、右上のところにポンチ絵というか、資料2-1の中でもバイオサイコソーシャルのところが書かれているのですけれども、ここに権利行使の主体としてのこどもとか、権利の主体ということであったりとか、あるいはこどもの声の重視であったりとか、そういったようなこともこの図の中にも入れていただくとよりインパクトが出てくるのかなと思いました。

そういった意味で、少しバイオサイコソーシャルだけではなくて、こどもが主体なのだということを表現することが必要なのかなと思いました。他のところでたくさん書いてあると思いますが、右上の図がウェルビーイングのところではかなり目立っているので、そういった点での意見でございます。

あとは今後に向けてということで幾つかお話をしたいと思います。

まず、私自身も関わっておりますけれども、社会福祉士、保育士、あるいは教員の養成というところにおいて、専門職教育の中で教育に含むべき事項が示されており、そこにきちんと示していくということは大事かなと思います。また、ぜひ学校現場、就学してからではなくて保育園、幼稚園、そして様々なところで何度も親御さんも触れる機会があるように、学校の先生方、保育者の先生方あるいは療育も含めて、保護者に説明していく、伝えていくということをしっかり示していくことが大事だと思います。

今現在、保育所や様々なところで権利侵害のことが出ておりますけれども、先生方自身が保護者に伝えていく存在になるということで、こどもを認めていける社会、こどもを中心とした社会、権利を守れる社会、こどもが権利行使できる社会になっていければと思います。

続きまして、働き方についてのところは意見を申し上げたいと思います。これは様々な方が御指摘されているところかと思いますけれども、例えば北欧のある国であれば、両親の働き方を工夫して、保育所等にこどもを預けている時間が4~5時間という国もございます。一方で、9時から5時まで働く。そして、通勤の時間を合わせてこどもが例えば10時間程度預けられている国、つまり日本があります。こどもの睡眠についての大切さなども例えば第2回に鈴木先生からもお話がありましたけれども、睡眠の時間を考えると、現状では、例えば親がこどもに親として接する時間が3時間、4時間ということになってくるかと思います。一方で、先ほど申し上げた北欧のある国で計算をしてみると、睡眠時間を確保しても8時間、9時間、親がこどもに親として接する時間があるわけです。私はリプロダクティブヘルスとか様々な点、少子化とかウェルビーイングとかいろいろな面で考えても、これが国力なのだと思っています。ですので、日本がどういうふうに変わっていくべきかというときに、親が親として過ごせる時間、そこを十分確保しないと、子育てを楽しんだりとか、子育てが中心になっていくような社会というのはなかなかつくれないのかなと思っています。産業界も含めまして喫緊の課題かなと思っています。

長くなってすみませんが、最後でございます。度々この会議でも申し上げさせていただいて、お時間もいただいたところでもありますが、周縁化あるいは社会的障壁のお話も挙げたいと思います。こどもたちの権利やウェルビーイングがどうしても守れなくなってしまっている状況、あるいはそれが侵害されている状況をはじめとして、それを単に親を責めるとかいうことだけではなくて、そういった状況から学ぶというところ、周縁化された対象だからこそ、子育てのしづらさやもっともっと考えなければならないところが見えてくるところかなと思います。個別の課題として幼児期においてもしっかり捉えていくべきかなと思います。「はじめの100か月」というところの重要性をしっかり強調してきたところもあります。だからこそのこの時期の周縁化された当事者からの学びというのは大事かなと思います。

長くなりました。以上でございます。どうもありがとうございます。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

それでは、続きまして、奥山委員、お願いいたします。

奥山委員:子育てひろば全国連絡協議会、奥山です。

この間、いろいろ私たちの意見を取り入れていただきまして、おまとめいただきましたことに深く感謝申し上げたいと思います。

その上で、今頃すみませんみたいなところもあるのですけれども、もう最後に近いということですので、まずは意見を言ってみて、御検討いただければなと思いました。

まず、資料1-1の4ページ目の今回少し変えていただいたところの12行目です。「こどもの時だけでも、おとなになってからだけでもなく」という表現に改まっていると思うのですけれども、「こどもの時だけ」という表現が、こどもの捉えが心身の発達の過程にあるものということで、今回こども基本法等でも幅広に定められたということで、「時」というふうにしてしまうと、こどもの時代とはいつみたいな感じになってしまうので、表現が難しいなと思っていて、ここの表現をどうしたらいいかというのを、ここが入っていなくても、「生涯にわたる」でいいのかとか、少しここも気になったという点でございました。

次に、7ページの10行目です。私も気づいていなかったので、すみません。10行目のところで、ここには就園していない状態の子育て家庭も非常に多いということで、もっと地域社会との接点を持つということがとても大事だということが書かれていると思うのですけれども、10行目のところに「園や地域社会とつながることなどによって」となっておりますが、0~2歳を対象とする事業は私ども地域子育て支援拠点も含めいろいろサービスや支援があることはあるので、園だけに限定せずに表現を広げていただければありがたいなと思いました。

次に、14ページの「幼児期までのこどもの育ちの5つのヴィジョン」で、これについてはさんざん皆さんと議論をして、この5つにまとまったということなのですけれども、5つ目の(5)なのですが、ずっと気になっていたのですがこれでいいかどうかということで、言ってみるだけ言ってみます。「こどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増す」というところで、(1)から(4)までは高める、支える、応援をするという表現になっていて、「こどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増す」のところは、増やすではやはりおかしいですか。厚みだから増すというほうがいいのでしょうか。

というのは、14ページには解説として、「こどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増していくことが必要である」と書かれていて、日本語の表現としてずっとここだけ増すと16 いうのがどうなのだろうと引っかかっていたものですから、最後にちょっと言ってみましたということで、こちらでよろしければもちろん、全てのところに関わってくる重要な表現だと思いましたので、一応話をさせていただきました。

それから、24ページの17行目、ここも少し表現を変えていただいたと思ったのですが、ただ、日本語的に読みづらくなったかなと思ったのです。「しかし、保護者・養育者であれば当然子育ては上手に行うことができるべきである」という表現になっているので、ちょっと読みづらいなと思いました。例えば保護者・養育者であれば子育てをうまく行えて当然であるべきとか、できるべきであるという表現が非常に分かりにくいので、少し変えたほうがいいかなと思いました。

そして最後に1枚紙の答申の概要案ですけれども、⑤番のところの表現は先ほど言ったとおりなのですが、一番最後に「地域における専門職連携やコーディネーターも重要」と書かれているのですが、コーディネーターのことは本文のほうの28ページに書かれているのですけれども、ここで唐突に専門職連携やコーディネーターも重要と、コーディネーターというのがいきなり出てきたような感じがして、ここはどういうふうに書かれているかなというと、こどもを支える人同士をつなぐいろいろな意味でのコーディネーターの役割を担う存在も必要であると28ページの本文のほうには書かれているので、コーディネーターの重要というところを、コーディネーターの配置も重要なのか、それとも役割が重要なのかということを見たとき、本文は役割となっていたので、コーディネーターの役割も重要としたほうがいいのかなと思いました。

修正のほうは以上です。

最後に、今後のことやどのように広げていくべきかの点なのですけれども、今日、委員の皆さんからたくさん御意見が出ましたけれども、坂﨑委員からも出ましたが、これが本当に社会に向けてしっかりと発信されていくということがとても大事だなと思っています。全ての国民に関係のあることなのだということで、大きな考え方の転換なのだというところが伝えられるにはどうしたらいいか。マスコミのようなものも含めて、いろいろな発信というのが非常に大事になってくるのだろうなと思いました。

それと、保護者に向けてのところも非常に重要だと思っておりまして、母子健康手帳を配付するときにも、そういったところの記載があるとか、差し込みがあるとか、妊娠初期の段階にしっかりと情報が入っていたらいいなと思いましたし、私ども地域子育て支援拠点子育てひろばは親子が来る場所、親に対して対応できるというとても貴重な場所であって、今も2か月ぐらいからグループワークの支援を本当にきめ細やかにやっていて、職員がファシリテーター役を担うわけですけれども、夜泣きはどうしているとか、離乳食は困っていないみたいなテーマで、みんなで話し合っていくようなテーマをつくりながらやっているのですけれども、そこでもここで掲げられた愛着のことですとか、いろいろな学びの部分を語り合う機会があるなと思っております。

そのように、全てのここに集まっている先生方の現場でそういうことがそれぞれの立場でできるのだろうと思いますので、いろいろな実施要綱やガイドラインといったところにも反映をさせていただいて、現場につながってくるような、時間がかかってもそういったようなことを地道にやっていくという部分は非常に大事だろうなと感じております。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、都竹委員、お願いします。

都竹委員:ありがとうございます。

全体として大変よくまとめていただきまして、まず感謝申し上げたいと思いますが、資料1-1でいくと、34ページの地方公共団体のところになるのですが、ちょっと読みにくいので、資料1-2の33ページのほうで、溶け込んだ後のもので見ていただいたほうがいいかもしれないのですけれども、ちょっと気になりました。

前回の案は、結構もやもやとした文章になっていたので逆によかったのですけれども、クリアになった分だけいろいろ問題があるかなと思います。この項目なのですが、まず大前提として、国と地方公共団体は対等であるという考え方からスタートしていただかないとよくないと思うのです。国が地方公共団体に何かの指示をしていく。それを促していくことになるのですが、そういうことが強く出ると、ここはあまりよくない。主語がはっきりしたことによって、それが強く出過ぎていると思います。○の3番目のところに、「国や地方公共団体が上記の役割を果たすことができるように」と書いてありますけれども、前回はこういう書き方でないのです。こうすると、要するに国からやれという形になるのです。ここは、私はなくてもいいと思います。

大事なことは、国と地方公共団体が考え方とか理念を共有するのだと。同じ意識でもってそれぞれが施策をやっていくのだというベースにまず立つ必要があると思いますので、その点からいくと、○の3番目の「地方公共団体が上記の役割を果たすことができるように」というのは、私は不要だと思っています。

その後なのですが、地域において育ちのヴィジョンを踏まえ云々というところがあるのですが、例えばと書いてあって、「コーディネーター役の人材を育てていくことなどを促すことなどに加えて」と書いてあります。ここは前の案では、こうした「コーディネーター役の人材をこども・若者を含め育てていくことに留意しつつ」という形であったので、具体の施策という形ではなくて、むしろそれは念頭に置いてくださいね、それで地方公共団体もやっていきましょうねという話だったのですけれども、これはもう明確に促すと書いてありますから、こういうふうになってくると、我々首長みたいな人間がどう読むかというと、財政支援はあるのですねということになるのです。なので、ここはちょっと強過ぎると思います。

それから、その次の行の「こども施策の不断の見直しを促す」とございます。前もこういう書き方なのですが、全体がもやっとしていましたからあまり気にならなかったのですけれども、クリアになると、要するに国というのは地方公共団体のこども施策の見直しを促す立場なのだということになるし、支援の充実を図ることが必要だと。だったら財政支援してくれるのでしょうねという話になります。もう少し対等、協調の関係の中で、理念を共有していくのだと。地方公共団体も独自の取組を相当やっているわけですから、そこを尊重しつつやってくのだというニュアンスがもっと出たほうがいいかなとは思います。ですので、○の3番目のところは少し修正を加えていただいて、ニュアンスを整えていただくとありがたいと思っております。

それから、前回も申し上げたですし、先ほども何人かの委員の皆さんがおっしゃったのですが、これをどうやって国民に伝えていくのかという話になります。これはあくまでも政府のヴィジョンですし、また、明記していただいたように、こどもまんなか実行計画に反映されていって初めて実現していく、伝えていくことができるということですから、ヴィジョンは施策を通じてしか伝わらないのだろうと。もちろん理念として伝えることは、言葉としてできますけれども、隅々まで浸透させていくには、施策の中でそれを表現していくしかないと思いますので、こどもまんなか実行計画、もちろん大綱も同じなのですが、これがしっかり反映しているのかどうかを見るということが、この部会に参加していた委員にとっても今後求められることかなと思います。

以上でございます。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きましてオンラインの明和委員、お願いいたします。

明和委員:明和でございます。

前回は海外におりまして、欠席となり申し訳ありませんでした。

そのときにお伝えすべきであった事項かもしれません。まだご検討の余地があればよろ
しくお願いします。

私がこちらに招聘いただいている理由の一つは、エビデンスベースドで人材支援を行っていくということだと思います。この役割を果たしたく、正確な伝達を期すために、チャットのほうにも事務局にお送りした文章をお送りしています。

資料1-1の17ページをご覧ください。①のところで、「アタッチメント(愛着)が、こどもに自分や社会への基本的な信頼感をもたらし、それは、自他の心の理解や共感、健やかな脳や身体の発達を促すのである」という文章がありますが、この書き方に生物学的観点からみると違和感を覚えます。バイオーサイコーソーシャルという3層からなる視点を軸とすると、こうした提案ではいかがでしょうか、と事務局にお伝えいたしました。

「アタッチメントは、こどもの健やかな身体、脳の発達の土台であり、自分や社会への基本的な信頼感を得るために欠くことのできないものである。そして、それにより、こどもは自他の心の理解や共感を発達させていく」というように、いわゆる身体、脳の生体システムの変化を軸とし、それにより高次な心、認知機能の発達が生じてくる、といった書き方でなければいけないと思います。

2つ目です。18ページに該当すると思います。「安定したアタッチメント(愛着)は、いわゆる非認知能力の育ちに影響を与える重要な要素でもあり、生きる力につながっていく」とあるのですが、アタッチメントがいわゆる非認知能力の育ちに影響するという概念自体は一般的に流布はしていますが、それを裏づける科学的、因果を示す証拠はありません。さらに言うと、脳科学の知見から申し上げると、非認知能力も認知能力の一部です。非・認知能力というものは存在せず、表現するとしたら、せいぜい非認知的「スキル」だと思います。非認知能力という定義が曖昧なままで使われている言葉をそのまま使い、非認知能力はアタッチメントなしには発達しない、と断定的に記載するのは正しくないと思います。アタッチメントは、いわゆる非認知能力の発達にとっても、認知能力の発達にとっても土台となる生物学的制約です。この点を御勘案いただければと思います。

それから、概要のほうですが、先ほどある委員がご指摘されましたが、「男女ともに」という表現も違和感を覚えます。性差あるいはジェンダーを問わず、といういった表現の見直しは必要であろうと感じました。

最後に、展望について述べます。非常にすばらしいなと思った点は、ここで「次世代」という言葉を使っていただいていることです。その点を重視すると、今、子育てに関わっている世代だけではなく、次の世代の子育てというものを考えるには、こうした情報を学校という場でしっかりと伝えていく努力もご勘案いただきたいです。これを、どの教科でやるかについては、いろいろな議論はあるとは思いますが、日本で育つすべての生徒たちがこうした資料を早期に目にする、意識する機会、体験は生涯のうち一度はあるべきだと思います。こうした活動への着手も、今後の可能性の一つとして考えていただければありがたいです。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、堀江委員、お願いいたします。

堀江委員:ありがとうございます。

私も前回欠席をさせていただきまして、申し訳ございませんでした。

まず、全体のところで2点と、細かい部分で御検討いただければというところで3点お話ができたらと思っております。

先ほどどなたかの委員からも出ていたかと思うのですけれども、ここまでつくったすばらしい内容の立ち位置というところを明確にして発信をしていくことが重要かなと思っております。今もう既にこども大綱があって、こちらの指針があった上で、地方自治体のほうではこども条例をそれぞれつくっているみたいなふうになったときに、結局同じような内容が違う書き方で、違う意図で地方自治体で書かれるみたいなこととかも出てくるなと思った中で、しっかりと基盤として、大前提はこれを守っていくのだという指針を今、持っていくのだというところを前提として地方自治体にも出していかないと、地方自治体でここまで何年もやってきたものではない内容が、もちろん思いを乗せてはいるとは思うのですけれども、こども条例のほうが逆に地方自治体のほうで登用されていくみたいなふうになってくると、せっかくここまで議論をしていたというところの意味がなくなってくる20 なということは危惧しております。なので、もちろんお伝えはされているとは思うのですけれども、明確にこの指針の立ち位置というところも含めて伝えていくというところが重要かなと思っております。

もう一つが、これをどうやって伝えていくのかみたいなお話があったかと思うのですけれども、先ほど明和委員もおっしゃっていただいたかと思うのですが、教育の中で必ず行っていくものにしていくべきかなと思っております。SDGsが学校の授業の中で行われるようになってから、本当にこどもたちの中だったり、それを支える親、こういう勉強をしているのだということから、親の育成にもつながっていくみたいなところで、SDGsの授業を通して広がっていっているという感覚を持てているなということを思っておりまして、それと同じように、こどもまんなか社会を考えるみたいなところで、実際に読んでみて、自分たちにとってのウェルビーイングとは何なのだろうだったりとか、自分たちはどういうふうに生きていきたいのだろうとかということを常に常に考えていく場というところがすごく大事かなと思うので、そういった部分を授業の中でやっていく。家庭科なのか、総合なのかというところはいろいろと議論はあるかもしれないですけれども、そこを入れていただけるといいなと思いました。

それにプラス、いろいろある中で強調していただきたいのが、特に今回も18ページ目の11行目に多様なこどもやおとなとの出会いということがあるかと思うのですけれども、こどもまんなか社会において日本人に欠けている感覚はここかなと思っていまして、昔はあったと思うのですけれども、多くの人の手で愛されるということが、こどもにとってどれだけいいことなのか、幸せなことなのかということの前提を今、忘れかけているというか、親がやることがいい、親がやるべきものだというふうになっているので、いろいろなことが崩れていると思うのですけれども、こどもにとっていろいろな大人に愛されるということか、どれだけ脳の発達だったりとか、いろいろなリスクヘッジも含めて大切なのかというところが第一段階としてこどもまんなか社会の中心として言っていけると、だからこそ皆で支えるよとか、だからこそ声を上げていいんだよとかということがすごくつながっていくのかなと思うので、伝え方という意味でいくと、この辺りはすごく大切にしていただきたいなというところを強く感じている部分です。

細かい部分で3点というところでいくと、この辺りは今まで見えていなかった部分もあったかとは思うので、御検討いただければという部分ではあるのですけれども、19ページ目、いろいろなところで親御さんへの支援というところが切れ目なくというところで、切れ目のない支援というところが書かれているかと思います。切れ目のない支援というところが19ページ目にあるかと思うのですけれども、切れ目のない支援という部分で、例えば22行目から始まるところかと思うのですが、切れ目なく伝えることが重要であることを強調したいということが書いてあるのですが、ここに追記するのかあれなのですけれども、プラス、受け手が罪悪感なく前向きに支援が受けられるようにみたいな形で、支援を受けようとか出そうというのは今もすごくやっているのですけれども、受け手が申し訳ないとか、親だけがやらなければいけないとか、先ほどのようなこともあると思うのですが、調査をしていても、今でもこどもを預けることに罪悪感を持っている人が7割ぐらいいたりとかするのです。なので、受け手が支援をもらうことに罪悪感なく、前向きに支援が受けられるようにみたいなところまで書いていただくと、それでいいのだということとかも、ヴィジョンでは罪悪感がなくではない状態かと思うのですけれども、こういった支援的な具体的なところに書いていただけるといいなと思いました。

先ほど教育というところの話に関わってくるのですけれども、20ページ目の18行目から、親になる前教育、私のほうもずっとお話をさせていただいていたかとは思うのですが、もしかしたらページが違ったかもしれないので、先に24行目のところをお話しさせていただいて、先ほどお話もあった「男女ともに」のところです。17行目から始まるものなのですけれども、ちょうど22行目に当たるところなのですが、私もやはり男女ともにというところにはかなり違和感を覚えておりまして、この辺りに関して性別関係なくとか、先ほどのジェンダーに関係なくというところを入れていただけるとありがたいなと思っております。

そこにつなげるところとして、24行目、ライフイベントの多様性を尊重しつつ、全ての人がこどもの頃から乳幼児と触れる機会を経験することが大切であると。別のところでも、学ぶことが必須であるみたいな文言があったと思うのですけれども、必須という部分で、教育の中で学ぶ機会が必須みたいなところを書いていただけるといいのかなと思っていまして、ここをどうやっても広報活動でできるものではなかったりとか、こどもたちが自分たちで自主的にやれることというのはまずできないものになると思いますので、恐らく教育の中でこどもまんなか社会を学びつつ、実際に体験をするみたいなところをやっていかないと実際のところ難しいのかなと思いますので、必須だったり大切というところにちょっと上乗せして、教育の中でというところも明確に伝えていく必要があるのではないかなと思っております。この辺りはぜひ御検討いただければと思っております。

すみません、長くなってしまいましたが以上になります。

秋田部会長:ありがとうございます。

オンラインの水野委員、いかがでしょうか。

水野委員:私のほうからは、もう内容のところ、文言のところは特にございません。本当に事務方の皆様、お疲れさまでした。

そして、これからのことを見てという意見で言いますと、私、主に3点の意見を中心にこれまでも言ってきたのですが、まず1つが家庭教育支援の視点です。こちらに関しましては、主体的な保護者の学びへの意識をどのように促していくかというのが教育委員会の家庭教育支援の難しいところではあります。そこに関して、支援だけではなく応援というところで学びにつなげていく意識というのは今回このヴィジョンができたことで期待していきたいなと感じております。

2点目が学校教育とののり代のところ、ここを意識しないと新たな切れ目を逆に生んでしまうのではないかという懸念をお伝えしておりました。ここは教育委員会の中で学校教22 育を語る上では、こどもの自立の基礎を培うというところが常にひもづいてくる内容ですので、逆にこの指針、ヴィジョンができたことで、こどもの将来的なウェルビーイングの基礎を培うというふうに、この指針からもしかしたら学校教育のほうが変わっていくのか、新たなのり代のほうが期待されていくのか、これは注視していきたいなと感じております。

3点目が、地方公共団体のというところで前回も意見させていただいたのですけれども、先ほど都竹委員から御指摘のあったところ、実は私の意図というのは、主語を明確にしないと財源がつかないのではないかというところが私の主訴でした。なので、前回のふわっとした形だと、場合によっては、これは具体的に何をして、財源は地方公共団体ごとに努力をするのかだと、恐らく具体的なアクションにつながりにくいのではないかなというところがありました。

しかし、今回修正していただいたところも、おっしゃるように明確になり過ぎるデメリットもございます。ですので、この辺りのところは、私としては当然はっきり書いたら財源がつくのですねということありきの意見ですので、この辺りでも都竹委員の御意見とうまく整合性を図っていただければありがたいなと思っております。

最後に全体的なところではありますけれども、昨年度から議論に参画させていただいて、そもそもこのヴィジョンが全ての国民の具体的な行動変容につながるものにしないといけないという、具体的な行動変容という言葉に結構私はわくわくするところもありました。ですので、先ほど堀江委員のところでもありましたが、学齢期で例えば中学校の家庭科の時間にこどもまんなか社会を学びながら、子育てサロンが実際に全国どの学校でも行われるような行動変容になるのか、はたまた親御さんが子育てがうまくいかなくて悩むのではなくて、うまくできなくて当たり前だから早速サロンに行こうとか、そのような社会変革にもつながっていっていただければと思います。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、高祖委員、お願いいたします。

高祖委員:高祖です。

冒頭は、これからのことは後から言おうかなと思って言わなかったので、そちらのほうだけお話しさせていただきたいと思います。

坂﨑委員からもありましたけれども、今回のこのヴィジョンが大きく前提になっていって、今までのところ、決まっていたようなことも見直されるベースになっていくととてもいいのではないかなと思っています。

細かい話になってしまうかもしれませんけれども、例えば保育時間の長時間化や保育士の配置基準みたいなところ、学齢期のほうはこちらでは話せないということですけれども、そこら辺も踏まえて、そういうところの検討も始めていくべきではないかなと思っています。

あとは専門職教育の中に入れていく、学ぶ、大学とかに入れていくということはとても重要だと思っておりますし、保護者に伝えていくというところでお話がほかの委員からもありましたけれども、保護者、こどもの育ちというところで、妊娠期から学んでいく機会というところをぜひ産前講座の内容とかを含めて少し見直していくといいのではないかなと思っています。

あと、学齢期の学びというところもありましたけれども、園児も含めて、こどもまんなか社会でもいいのですが、こどもの権利をこどもたちが年齢に合わせて学んでいくというところがすごく必要だと思っていて、先ほども追記ができないかということで提案させていただきましたが、園や学校の学びの中にも組み込んでいただけたらなと思っています。

あとはどう広めていくかというところなのですけれども、国で子ども・子育て会議だったりとか新制度が始まったときに、地方版の子ども・子育て会議だったりというような、キャンペーン的な感じですかね、いろいろなところで各地で開かれたり、割と国が主導になって行っていただいたようなことがあったと思います。私、にっぽん子ども・子育て応援団にも属しておりまして、そのようなお手伝いをさせていただいたこともありますが、全国的にそのような機会を持ちながら盛り上げていくというようなことも必要かなと思っています。

以上です。ありがとうございます。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、柿沼委員、お願いいたします。

柿沼委員:先ほどは意見ということだったので、未来に向けてというか、これを社会にどう表現していくかというところで意見を述べさせていただければと思います。

まず最初に、坂﨑委員がおっしゃったように、このヴィジョンが指針や要領につながって、また学習指導要領につながっていくような立ち位置というのはきちんとした上でということだと思います。その上で、未来的な考え方と今、社会全体に行動変容を起こすようなことが必要なのかなと思っています。

私自身、地域で子育て支援や多様な事業を行っている立場で、利用者支援事業なんかもやっていますので、その辺りから見て、会議の中でもこれをどう社会につなげていったらいいのか、周知していったらいいかみたいなことを考えていたのですけれども、まず、先ほど来からいろいろな先生がおっしゃるように、幼児期や学齢期の方々に教育の中に組み込んでいくというのは未来的な考え方で、これはもうぜひやったほうがいいかなと思っています。

ただ、今、いろいろ社会で動かれている高齢者の方や、また生産年齢人口の方たちにはどうこれを周知していくか、また、行動変容を起こしていくかというときに、今ここで言われているような地域のコーディネーターのような方がかなり有効ではないかなと思います。これが予算の関係でなかなか難しければ、今、関係機関連携を行っている利用者支援事業に地域のコーディネーター的な役割を持たせていって、そうすると、そもそも例えば高齢者の集まりであったり、自治会であったりとか、商工会であったりとか、そういった今の社会で生きている方々とつながっていますので、そこでこのヴィジョンの話をしていく。こどもを社会全体で守って、育てていくのだよというような行動変容を促していくというのができるのかなと思います。

そうすると、今ここで社会課題になっているこどもを取り巻く環境のところにも、今後、地域コーディネーターのような方々がいることによって、社会と切れ目のない支援をどんどんつなげていけるような形になっていくので、この役割の方を周知の段階から置いていくことで未来につながっていくのかなと思いますので、そういったことが一番いいのかなみたいなふうに思います。

以上になります。ありがとうございます。

秋田部会長:ありがとうございます。

秋山委員、お願いします。

秋山委員:先ほど柿沼委員が親子関係の構築のところを御指摘いただきました。それは私が意見したところで、こども・若者パブリックコメントから、5歳のお子さんが、生まれる前に怒らないように教えておいてほしいということが私は大変心に響きましたので、それを何とか入れていただけないかということでありました。それをぜひ残しておいていただきたいと思います。

それから、周知の件ですけれども、具体的なところで、臓器移植の医療が日本は大変遅れておりました。ガイドラインの修正、それから医療関係者への教育、周知を行っていましたが、大きかったのはメディアからの情報発信だったかと思います。国民に対して、折を見て情報発信を行っていくことだと思います。

それから、健やか親子21に関して、小児科医にどうやって周知していくかということで、国家試験に出るようになりました。そうすると必ず勉強しますので、小児科医は今、健やか親子21を知っています。このような形で、いろいろな面から周知の方法を考えていけばいいかと思います。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

坂﨑委員、どうぞ。

坂﨑委員:すみません、一言だけ。

周知のところで、私はいつも2つのことを考えていて、最後なのでこれだけ言わせてください。

1つは、社会全体から見ると、少子化というものがあって、そのために、こども基本法とか大綱とかこれらがつくられてきたこと、そういうある意味で少子化との反動もあってこういうものができてきているので、こどもたちを大事に育てていこうということが少子化も含めてあるのだということ、又あくまでも個人的なことなのですけれども、過疎中の過疎に住んでいるのです。そうすると、こういう育ちのヴィジョンみたいなものが本当にそういう過疎でもできるのかどうかというのは、どこかで検討を願えればと思います。よろしくお願いします。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、大豆生田部会長代理、お願いします。

大豆生田部会長代理:ここまで前回の御意見も反映してくださり、ありがとうございました。

私は1点だけ文面のほうの修正をお願いしたいのですけれども、先ほど古賀委員から上がっていた一番最後の件なのですが、17ページの「安心と挑戦の循環」に関わるところなのですけれども、「その過程をおとなが見守りこどもが挑戦した気持ちを受け止め、その最善の利益を考えていくことで自己肯定感が育まれることが重要である」と書いてあるのですが、ここで本来言いたいことは、こどもたちがそういうふうに受け止められて、そうすると最善の利益を考えることが自己肯定感を育むのではなくて、例えばここの文脈で言えば、夢中になって遊び込むことを通して自己肯定感が育まれるという文脈だと思います。なので、古賀委員がおっしゃるように、そこを入れていただいて、もし最善の利益を考えるということを入れるとすれば、前に入れるとか、そこの文章の位置を変えていただけるとこの内容が明確になるかなと思いましたので、この1点だけ修正をお願いできると幸いです。

あと、最後に今後に向けてということですけれども、まさに水野委員がさっきおっしゃったように具体的な行動変容、実効性ということがとても重要だと思っています。そのため、まず先ほど坂﨑委員がおっしゃっていたり都竹委員がおっしゃっていたりするように、このヴィジョン自体の重要性の位置づけみたいなことをどうするのか、それから、実行計画へどうこれが具体的に移せるのかというところが根幹になるというのが1つです。

そして、様々な委員がおっしゃったように、これから自治体にこのことがどう機能していくかということがとても重要なのですけれども、そうするとさっきの園だとか、学校だとか、医療関係、保健関係、子育て支援関係のところが具体的に動くかどうかが鍵だと、つまり主体者として動くかどうかが物すごく鍵だなと思っていて、そうすると各市区町村なり都道府県なりで具体的な取組をどう出していくかのような、例えば先ほどの柿沼さんの言葉で言えばコーディネーターの役割であったりだとか、あるいは自治体を挙げてユニークな取組の実践が生まれていくことをどう自治体間で事例共有したりしながら高めていくような具体的な取組が、さっきムーブメントとおっしゃられましたけれども、そこにつながる重要なことかなと思いながら、そこにつながる具体化ということに向けてつながることを私としては願っています。

以上です。ありがとうございました。

秋田部会長:どうもありがとうございました。

皆様のほうでさらにお手が挙がっていないようですので、本日が最後ということでございますので、私としても一言意見を述べさせていただきたいと思います。

この会議は、こども家庭庁になる少し前から立ち上がり、そして、こども家庭庁になってから新たに育ち部会として立ち上がり、いろいろな方の御専門の見識を入れていただけたことによって、私は最初、どうなるのだろうと思っていたものが、このような形で1つにまとまり、本当にそれぞれの方が自分事として、自分で書くように、こうやったらどうだろうかといろいろな言葉を出していただき、それを事務局の方が本当に大変な思いをされながら修正、ブラッシュアップしていただくことで、ここまで来たと思っております。それは本当に皆様のおかげだと心から感謝いたしたいと思っております。

その中で、これが特に「はじめの100か月」のヴィジョンとして、社会にこどもの権利ということとともに、なぜ100か月だけが別途につくられているかということを訴えかけていくということが必要になるのではないだろうかと思っております。周知としても、皆様に言っていただいたようなことが極めて重要でありますので、このままの概要のポンチ絵とこの本文だけではちょっと分かりにくい部分を、いかにどのようにしてイメージをブラッシュアップしていくのかというのでしょうか。分かりやすい版の紙だけでいいのか、応援団のような形で様々な方からメッセージをいただいていくのか、動画のようなものを作っていくのか、いろいろな関係者の方に充てて発信をしていくためには重要なのかなと思ったりしています。

少し本当に皆さんに分かっていただくようなものをつくり、訴えて、ここの委員もそうですけれども、お一人お一人、保育者も親御さんも学校の先生方も、それから、これから親になる世代も自分事として考えていけるような在り方はどうしたらいいのかというのをこれからよく考えていくということが一つ重要なところだろうなと。キャンペーンという一時的なものではなく、やはり深くこの理念が何かということを考えてお伝えをしていくことが重要なところであろうと思っております。これを紙で終わらせてはならないと思うところであります。

また、それは具体的にはこどもまんなか実行計画のような形で打っていくというのでしょうか。これのどこがどのような形につながっているのかということも、皆様はじめ国民の皆さんに見ていただけるようにということが重要だろうと思います。先ほどからいろいろな委員が言われていましたが、こどもまんなか社会は全世代の方に向けて知っていただくための考え方だと思っています。全世代型社会保障構築会議のほうにも出ておりますが、そこでも、こどもまんなかはこどものことだけを考えるのではなくて、長期的にこれからの我が国の社会を考えていくための基盤をつくっていくためのものだとお伝えをしています。ぜひ、地域共生社会をつくり出す起点がこどもまんなかであるというところを訴えていくことが大事かと思います。

先ほど大豆生田部会長代理が話をしてくださいましたように、好事例を実際にこれまでもこども基本法の前に、こどもの権利に関わる政令を各自治体でつくっていらっしゃるところもありました。これからも、こどもまんなか社会の取組、特に幼児期までのヴィジョンについて、自治体でこんな取組をしていますというような例を、都竹委員や水野委員もそうですけれども、ホームページを立ち上げて、各事例を共有させていただいたり、その真ん中には必ず100か月のヴィジョンに目を通していただけるようにするというようなことが大事なのだろうなと思いました。

確かに保育士試験や教員採用試験にこどもまんなか社会や「はじめの100か月」のヴィジョンが出るようになるといいのかもしれませんけれども、そういうことだけではなく、本当にこれがこれからの社会をつくっていくものだというような機運をこれをきっかけにどう高めていくのか、こども家庭庁の皆様とともに、それから委員の皆様とともに考えていきたいと考えるところでございます。本当に感謝、御礼を申し上げたいと思います。

それでは、ちょうどぴったりぐらいなので、本日御審議いただいた答申案につきましては、いただいた御意見を踏まえた修正を行った上で、今日の御意見については部会長への一任とさせていただきたいと思います。

そして、この本部会の今後確定しました答申案につきましては、事務局を通して委員の皆様に御報告をさせていただきます。

また、本部会のこれまでの議論におきましては、こども誰でも通園制度など育ちのヴィジョンにも関係する施策への御意見もいただいておりましたので、次回以降の部会において、育ちのヴィジョンの答申を受けた関連決定文書やその他の関連施策の進捗状況についても御報告をいただく機会を設けたいと考えております。

終わりに、藤原成育局長は御用がございますので、髙橋長官官房審議官より一言御挨拶をいただきたいと思います。髙橋審議官、よろしくお願いいたします。

髙橋審議官:髙橋でございます。

本当に皆様熱心に、そして活発に御議論いただきましてありがとうございました。

本日、答申案をまとめる最終ということで、割とすんなり終わるのかなと思っていたところ、想定以上の御意見を賜りました。今、部会長からお話があったとおり、その内容についてどう反映させていくかということについてはさらに検討したいと思っています。間違いなくさらにいいものになるという御意見ばかりでございましたので、適切に反映させていこうと思っております。

また、これも本日いろいろ御意見を賜りましたけれども、我々といたしましては、この答申を踏まえて、これを年末、閣議決定という形で政府の文書に仕上げていくという作業がございますので、その過程では、いろいろ与党とも調整をしないといけないということもあって、文言的に多少変わったりということもあるかとは思います。ただ、我々としては、このいただいた答申の本質が損なわれないような形で、何とか閣議決定文書をまとめていきたいと思っております。

その上で、その後大切になってくるのが実行のほうだと思っております。周知をという御意見も今日たくさんいただきましたので、これを心待ちにしている方々も非常に多いと思っております。適切に周知をして、いかに施策のほうで、この答申でいろいろ御意見いただいたものを実際に打っていくか、そこが本当にこども家庭庁ができた要と思っており28 ますので、皆様方におかれては今後も引き続き我々の応援団として、また、時には厳しい御意見もいただきながら、叱咤激励していただいて、こども家庭庁は非常に小さな役所でございますので、その小さな役所がこども政策について政府全体を引っ張っていかないといけない、我々はそういう意気込みでおりますけれども、いかんせん小さな役所ですので、皆様方からの御支援を引き続き賜りますことをお願い申し上げまして、最後、御礼の言葉と代えさせていただきます。

本当に皆様、長い間ありがとうございました。

秋田部会長:ありがとうございました。

それでは、本日の会議はこれにて終了いたします。

皆様、スムーズな会議進行に御協力いただきまして、誠にありがとうございます。

次回の日程につきまして、事務局から御連絡をお願いいたします。

齋藤課長:それでは、私からも改めまして、9回にわたりまして充実した御議論をいただきましてありがとうございました。

次回の部会につきましては、また追って日程調整をした上で御連絡させていただきます。

以上でございます。

秋田部会長:ありがとうございました。

それでは、本日の部会はこれにて終了いたします。どうもありがとうございました。