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こども家庭庁ホーム

幼児期までのこどもの育ち部会(第3回)

概要

日時:令和5年6月26日(月)9時30分から12時15分
場所:こども家庭庁 22階庁議室

【オンライン配信URL】
URL:https://www.youtube.com/watch?v=BdPUOXMyvX4

議事

  1. 団体ヒアリング
  2. 委員ヒアリング
  3. その他

資料

議事録

秋田部会長:皆様、おはようございます。

ただいまより、第3回「幼児期までのこどもの育ち部会」を開催いたします。

今回は、オンラインの開催となっております。

御多用の中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

初めに事務局から、委員の皆様の本日の御出席状況と本日の議事の確認をお願いいたします。

高木課長:本日の委員の皆様の出席状況ですが、秋山委員、倉石委員、都竹委員、堀江委員、横山委員は、御都合により御欠席という御連絡をいただいております。

他の委員におかれましては、御参加いただいています。

また、本日の議事は、次第に記載のとおり2つになっております。

1つ目の議題は団体ヒアリングということで、認定こども園連盟、全国小規模保育協議会、日本保育協会に御発表いただく予定です。

2つ目の議題は新任の委員の方々からのヒアリングということで、古賀委員におかれましては御発表いただくことになっております。横山委員は御欠席なのですけれども、事前に動画を頂いているところです。倉石委員も御欠席なのですけれども、事前に提出いただいた資料を事務局から代読させていただくという形にさせていただきます。

また、前回第2回、有村委員と鈴木委員から御発表いただきましたが、申し訳ありません。事務局の不手際で質疑の時間を十分に確保できなかったので、本日は前回御発表いただいたお二人の委員への質疑も含めて質疑時間を設けたいと考えています。

本日は2時間半強ということで、長T場になりますが、よろしくお願いいたします。

以上でございます。

秋田部会長:御説明をありがとうございます。

それでは、議事に移らせていただく前に、事務局から本日のヒアリングの位置づけ等について御説明をいただきます。よろしくお願いいたします。

高木課長:御説明させていただきます。

まず、資料1-4をお願いいたします。

前回いただいた主な御意見を事務局で整理させていただきました。いろいろな方々のヒアリングをする、意見を聴くという話だったのですけれども、こどもの声を聴くことに関することが1ポツから3ポツにかけて御意見を整理させていただきました。4ポツから、幼児期までのこどもたちの声を聴くことについてどうなのかといったことを御意見いただきました。それが4ポツ、5ポツ、6ポツです。7ポツ、8ポツが学童期以降のこどもたちの声の聴き方ということでございます。9ポツはその他です。大人関係の御意見をいただくことについては特段なかったのかなと思っておりますので、本日はそういう形でまずは進めさせていただこうかなと思っています。

資料1-1をお願いいたします。

各団体におかれましては、3月にまとめていただきました論点整理と、第1回の会議で 配付させていただきましたこちらの一枚物の資料をお渡ししまして、ヒアリングに御参加いただくという形になっています。論点整理で、考え方の柱としての身体・心・社会の3つの視点といったことが書かれていまして、そういったこともお渡しした上で、一番下の四角囲み、検討事項の論点案ということで、社会全体の意識転換を主導するような考え方に向けた検討でありましたり、さらにそれを実現するための方策といったことについても御検討いただけるようにとお願いしているところでございます。

資料1-2をお願いいたします。

①、②に関するものは事務局で検討しておりますので、また改めて御説明できればなと思っています。③大人に対するアンケート、④いろいろな団体等からのヒアリングに関しましては続けていきますので、今回は④の部会ヒアリングという形になります。

資料1-3が、若干修正させていただきましたけれども、前回もお示しさせていただきました「基本的な指針」策定に向けたスケジュールでございます。できれば9月中に中間取りまとめをしたいと考えておりますので、今回も含めて新委員の方々や団体等からヒアリングを進めていくといった流れになっています。

私からの説明は以上でございます。よろしくお願いいたします。

秋田部会長:御説明をありがとうございました。

それでは、議事1へ移らせていただきます。

「1.団体ヒアリング」についてです。昨年度の有識者懇談会の論点整理への受け止めや補うべき視点、第1回目で示された論点案に関するお考えを中心に、各団体から各10分以内で御発表いただきます。なお、質疑に関しましては最後にまとめてお時間を設けております。初めに認定こども園連盟宮﨑様、お願いいたします。

宮﨑氏:認定こども園連盟の宮﨑でございます。

本日、このような機会をいただきまして、大変ありがとうございます。

私どものほうからは、非常にシンプルな一枚物の資料を提示させていただきました。これに沿って、私どもの思いをお伝えできればと思っております。

まず第1点目といたしまして、「こどもまんなか」の社会をどうつくっていくのか、このためにはまず社会意識の転換が大きな焦点になるのではないかということで、これに対しての粘り強い対応が基本的になければ、なかなか実現には難しいところもあるのかなという気がしております。と申しますのは、こどもの育ちや子育てというのは、地域や社会全体で捉えていくということがとても大事だということは読み取れるのですけれども、そのためには、今まで培ってきた家族観あるいは夫婦観もある程度変革していかなければならないのではないかなと思っております。現実、私ども認定こども園の毎日の送迎あるいは行事の参加などを見ていく中でも、お父さんの参加が非常に増えている、あるいは、行事ごとに祖父母の方の参加が大変多くなっている、そんな感じは見てとれます。ただ、それだけで家族のありようが大きく変わったよねと言うことはまだまだできないのではないかなと。特に、お父さんお母さんがその家庭の中でどういう役割を担っていくのか。ややもしますと、母親がこどもを見るべきだよねというのがまだ残っているのではないかなという気がいたします。

そういう家族のありようということもございますし、また1点、支援を受ける保護者、特にお母さんが支援を受けるということをどのように捉えるかという問題も一つあるのかなという気がいたします。と申しますのは、私の法人で、もう7年前ぐらいから乳児の一時預かりを行っておりますが、その中の保護者の方の捉え方として、1歳になるまでの8回という限定で行ってはいるのですけれども、使わなければ損だという保護者がいたり、あるいは保健師さんからこういうサービスがありますよというふうにお伝えしていただいた際に、私そんなに心配ですかというお母さんがいたりということで、支援することが最優先ではあるというふうなことで今、行政のほうにもいろいろ施策を練っていただいてはいるのですが、保護者の捉え方はまた様々なのかなと。その辺りを今後どのような形で提供していくのかというのも一つ仕組みが必要なのではないかなと思っております。特に伴走型支援のように、申請が先行するという形ではない支援を検討いただく中においては、保護者の方がどういう思いでその支援を受け取られるかということも一つ考えていかなければならないことなのかなという気がしております。

また、保護者の方々がいらっしゃっております企業が、子育てに対するどういう認識を持たれているのか。企業と申しましても大・中・小様々ございます。大きなところでは福利厚生の一環として取り組まれているところもございますが、中・小に至っては子育てのためにお父さんが休むということを全員できるかどうかというのはまた別の問題ということになるのかなと。そんな意味で、根強く子育てに社会全体で取り組むのだよということを単発ではなくて継続的につなげていく必要があるのではないか。一朝一夕に変わるものではないと書かせていただきましたが、粘り強い対応を一つ御検討いただけないだろうかなと思っております。

続きまして、2点目といたしまして、「余白」のある環境整備も必要ではないかと考えてございます。これは、まずこどもを守る第一義的な責任は保護者、養育者ということになろうかと思いますが、今、仕事と子育ての両立がなかなか難しい、あるいは精神的な負担を伴っている世帯が少なからずあるのかなと思っておりますし、また、そういうお子さん方、あるいはその保護者の方々と毎日接する保育園、こども園も、そういう保護者の感情をまともに受けるというところがございますので、そういった面があるにもかかわらず、なかなか全国的に保育士のなり手がいないという現状がまだまだ続いております。

その中で、ゆとりのない状況が継続してしまいますと、「こどもまんなか」というのが実際どこまで手が届くのだろうかという懸念も実は持っているところでございます。特に保護者の状況といたしましては、仕事と子育ての両立以上に、子育てが大変負担だとおっしゃっている方、あるいは病気療養という保護者も少なからず増えてきているというのが実態ではないのかなと。そういう様々な感情に触れる保育士、保育教諭も、仕事が非常に多忙を極めている中でそういう感情にさらされるというところで、非常に負担が大きくなってきている。これも私どもの業界が敬遠される一つの理由なのかなという気もしておりますが、この部分に関しては現在、配置基準についても検討いただいているようではございますが、保育現場の中でも、どんなお子さん方あるいはどんな保護者の方がおいでになっても手を差し伸べられるだけの余裕を何とか持たせることができないだろうかなというのは業界としても団体としても考えているところではあります。

1点、この部分に関しましては、同じような悩みを持つ医療の現場でも、看護師に加えて看護助手が配置されているという実例もございます。この辺りを勘案いただいて、余裕が欲しいということではございません。どんな方がおいでになっても受け止められるだけの「余白」を私どもにもぜひ検討いただけないだろうかなと思っております。

こども誰でも通園制度というのが今回の大きな柱の一つになるのかなと思っておりますが、こども誰でも通園制度がどういった制度設計になるのか、どういった方が対象となるのか、どのような利用が見込まれるのかに関しましても、職員の配置、人の配置が大変大きなポイントになってまいります。この点につきましても、現状だけではなかなか難しいところがあるということを御理解いただきたいと思っております。

3点目といたしまして、「こどもまんなか」をつなぐハブ的な役割は私どもにあるのではないかなという考えがございます。つまり、私どものような保育園、こども園は全国至るところで活動を続けているわけですけれども、こどもが過ごす空間であるばかりではなくて、地域との接点もそれぞれの施設、大きな施設もあれば小さな施設もありますが、それぞれが地域と密接な関係をもう既に持っております。その中で、こどもがおり、保護者がおり、そして地域の方々がそこに何らかの形で関わっている、そこには行政も関わっているということで、今、新たに何かつくり出すというよりは、そういう保育、こども園というものをうまく活用することができるのではないかなと。そこに、今もう既にある地域との関係をさらに機動的に動かすような仕組みをつくっていただくことで、人と人とをつなぎ、人と空間をつなぐことの中で、新たな役割、今、私ども保育園、認定こども園は、基本的には保育という定型的なサービスなわけですけれども、それだけではなくて今後、かかりつけの施設としての役割であったり、先ほども言及いたしましたが、こども誰でも通園制度のような今までとは違うものが、つながりを増やすことによって見えてくる、つながりが強くなることで果たすべき役割が増えてくる、そんな気もしてございます。私どもがこれからのそういう施策が展開されるということをぜひ御検討いただきたいなということで、3点目を書かせていただいております。

最後になりましたが、基礎自治体の大きな役割ということを書かせていただきました。

これは本来、この部会のテーマではないのかもしれませんが、私は北海道の旭川という北海道の真ん中で園を営んでございます。人口減少は北海道全域がそうであり、そして東北全域がそうであり、そんな中で新しい「こどもまんなか」という社会をどうつくっていくのかということをこれから考えていただきたいなと思っておりますが、そのためには、こどもの育ちや空間、拠点をどのように考えていくのかを基礎自治体抜きでは考えられないのではないかなと思っております。

そういう意味では、「こどもまんなか社会」の実現に向けて、自治体がその主体的な役割を果たす。こどものために、私たち自治体はこれを頑張っているのですよという旗振り役をぜひそれぞれの基礎自治体の皆さんに担っていただいて、そこに私ども事業者も、そして保護者も、安心してその町でこども・子育てができる、そういう地域がつくれるように期待してございます。何とかその仕組みの中に基礎自治体の役割ということを明記していただくことを願っております。

大変簡単に書いてしまいましたが、以上4点が私ども認定こども園連盟からの意見ということで、皆様方にお聞き届けいただければと思っております。

御清聴いただきまして、どうもありがとうございました。

秋田部会長:宮﨑様、どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、全国小規模保育協議会駒崎様、お願いいたします。

駒崎氏:皆さん、おはようございます。

全国小規模保育協議会代表の駒崎です。

それでは、制限時間10分ということで、お話しさせていただきたいと思います。盛り盛り持ってきてしまったので、急いでお話ししていきたいと思いますので、ちょっと聞き取りづらいなみたいなときには、後で御質問をどんどんいただけたらと思っております。

今回、4つお話しさせていただきたいと思っております。

1つ目が保育園多機能化でございます。

これまで保育園というのは、自分の園に通うこどもを保育するというような、基本的にはそうした部分だったのですけれども、これからは地域の子育て支援の拠点としての保育園ということにますますなっていくことが考えられます。先ほどお話もありましたように、こども誰でも通園制度が施行されたらなおのこと、自分たちの園の子だけでなく、地域の子はみんな我々のこどもだといった世界線が訪れるだろうと思っておりますし、それに伴って、保育するのみではなく、総合的に児童福祉を行っていくというふうに生まれ変わっていくということが考えられるだろう。あるいは、そうなっていくべきであろうと思っております。

では、保育だけではなく、どんなことをしていくのか。例えば病児保育であったり、あるいは例えばひろばであったり、あるいは相談支援であったり、障害のある子も包摂し、かつ、こども食堂を行っていったりという、先ほどの方もおっしゃっていたように、保育園が地域のハブとなり、こどもたちを支えていくというような、保育園から地域親子園へというふうに我々は呼んでおりますけれども、そうした新しい保育のビジョン、保育園のビジョンというものが、今、我々の目の前にあるのではないかなと思っております。

そうなったときに、保育園多機能化、例えばどんなことがあるのかということで、今回御紹介させていただきたいことがあります。たくさんあるのですけれども、今回は3つだけ持ってまいりました。

1つ目が「ほいくえん子ども食堂」というものでございます。皆さん御案内のとおり、今、こどもの貧困がどんどん進んでいっておりますし、また、孤独・孤立というものが忍び寄っております。こうしたところを保育園がこども食堂を行うことで、地域と子育て家庭をつなげていくということをしていっております。

我々の園の現場で、保育園を使ってこども食堂を行うという、そのままのことをやっているわけです。それによって保護者の家事負担を軽減したり、孤独な子育てを解消したりということをしました。結果、やってみてどうだったかといいますと、非常によかったです。というのも、保育園はもともと調理設備もついていますし、こどもにとって安全な環境ですので、すごくやりやすいわけです。さらに保育士などの子育てのプロフェッショナルがいるということ。また、保育園は割とどこにでもあるということがあって、使いやすい、通いやすいということがあるわけなのです。

どんなふうな声があったかといいますと、妊娠中で御飯の用意がしんどかったので大変助かりました。外食にはない栄養バランスのいい食事を食べられてうれしいであるとか、同じこどもを持つ同士関われる、地域に自分の居場所があるという安心感という感じでしょうかということで、仙台でやったのですけれども、母子生活支援施設の入居者の方も来てくださったりとか、ふだんなかなか地域とつながりが持ちづらい方も気安く来てくださったということがあります。

ただ、後々御説明しようかなと思うのですけれども、これをやったときには仙台市さんからめちゃくちゃ怒られました。それはなぜかというと、保育ではないよねと。目的外使用ですよということを言われてしまって、いやいやちょっと待ってくださいみたいな、一悶着あったということを時間が余ったら説明したいなと思います。

次に行きます。「ほいくえんブートキャンプ」というものです。私も厚労省のイクメンプロジェクトの座長をやらせていただいていますけれども、長らく男性育休取得率は低迷していましたが、最近は非常に高まっている。しかし、取るだけ育休、だらだら育休というのも課題になっております。

そこで我々がやろうとしているのが、「ほいくえんブートキャンプ」。プレパパたちが、保育園でパパになることを学ぶということをまさにやろうということをしております。そうすることによって、こどもが生まれたら即戦力で、うんちは取り替えられないのですよとかではなくて、最初からしっかりとおむつも替えられる、沐浴もできる、そういったパパを送り込めるようになるのではないかなと思っております。これが「ほいくえんブートキャンプ」でございます。

また、「こどもインターンシップ」もこの夏やろうとしておりまして、こどもたちのキャリア教育ということで、こどもは親と先生以外周りに大人がいないという状況はあります。大人の働いているところを見せたいということで、夏休みに保育園でこどもたちを迎えて、ちょっとお手伝いとかをしてもらいながら、保育の仕事を知ってもらおうと。保育士さんになりたいなんて思ってくれる子もすごくいるのではないかなと思います。そうした就業体験を保育園でしようと思っています。将来的には他の業界にもどんどん広げていけたらいいなと思っています。こどもが仕事と出会う場所ということです。

保育園がこどもを真ん中にしたまちづくりのハブになっていくというふうになっていけるといいなと思うのですが、今、それを下支えする制度がない。実は東京都には、東京都保育サービス推進事業補助金というものがあって、保育園がこうしたいろいろなまちづくりの取組、あるいは保育以外の取組をしたときに補助されるという仕組みがあるのです。

これを国でもやれば、保育園の多機能化が進んでいく。保育園の多機能化を進めるための制度化をしていっていただきたいと思っております。

以上です。

次に、こども誰でも通園制度です。我々が提言してきました。「みんなの保育園」構想ということで提言してきたものを実現してくださった。本当にありがとうございます。本後課長や大豆生田先生などに後押ししていただきながら、これを実現していけること、大変うれしく思っております。これによって、今まで保育園に頼れなかった無園児の家庭を救うことができると思って、我々も身の引き締まる思いでございます。

けれども、気をつけなければいけないことが、取りこぼしてしまう御家庭がないようにということです。取りこぼしてしまう御家庭、すなわち重度の障害がある家庭は、これまで居宅訪問型保育事業でカバーしていました。でも、こども誰でも通園制度だと、この子たちはそもそも通園できていない子たちなのです。ですので、こども誰でも保育制度とかだとこの子たちも取り残さないかなと思うのですけれども、通園だと居宅訪問型事業が省かれてしまうのではないかという不安が今、現場で広がっております。ですので、居宅訪問型保育もしっかりとこども誰でも通園制度の中に入れていただけたらと思っております。

また、このこども誰でも通園制度、ちゃんと公定価格にしっかり反映されるようにしていただきたいなと思います。今、一時預かりが全然広がっていないというのは、一時預かりはやればやるだけ事業者が困窮するという報酬単価であるからです。やらないほうがましという状況になっています。ですので、ちゃんと公定価格でしっかりとそれをやることによって、園側が経済的にしっかり成り立つというような値段にしていただきたいなと思っております。

こども誰でも通園制度ができて、3歳児以降、保育園無償化であるということで、次はどうしていくのだというと、我々保育業界全体でぜひ議論したいなと思うのが、3歳以上の保育の義務化です。今、3歳以上はほとんどが保育園、幼稚園へ行っているのですが、約2%のこどもたちが無園児になっています。こうした子の中には、障害のある子とか、多産とか、あるいは外国籍とか、経済的にかなり厳しい、養育的にかなり厳しい御家庭がかなり入っていらっしゃるということが想定されています。こうしたこどもたちが不適切養育や虐待などのリスクにさらされているという部分があります。だとするならば、フランスのように、フランスでは3歳児以降、保育学校に99.9%のこどもたちが入っているという状況があります。事実上の就学年齢の前倒し、義務教育年齢の前倒しというものが今、ヨーロッパ各国で行われています。日本もそれになぞって、3歳児以降で保育・幼児教育の義務化というところに歩を進めていくべきかなと思っております。こども誰でも通年制度から保育園義務化へというところでいったらどうかなと思っております。それによって、こどもたちのセーフティーネットというものをしっかりと張り巡らせていくということをしていっていただけたらと思います。

次は、「付き添い入院に居宅訪問型保育を」というようなお話です。これは何かというと、今、入院しているこどもたちが3万人いるのですけれども、保護者が一緒に泊まり込んでくださいという付添入院というものが問題視されています。今のところ国としてそれはないことになっているのですけれども、実際はありますということです。実際は85%の親が、ないことになっている付添入院をしているという状況で、3食ともコンビニ食を食べ、シャワーはなく、気の抜ける時間もなく、きょうだい児をほったらかしにしているということを強いられているわけなのです。それによって、親自体が睡眠不足となり、体を壊しているというような状況があります。もちろんこどもにとってもいいことでありません。親が体を壊すということは、こどもにとって非常に悪い影響になっているという状況なのですが、国の検討は棚上げとなっています。

これではいけないと思うのです。何とかして助けに行かなければと思うのですけれども、そこで今、実は認可の居宅訪問型保育制度はあるのです。これを付添いのときに行ってあげるだけでいいのですけれども、病院は家ではないからということで、使えないという話になっているのです。いやいや待ってくださいと。1か月例えば入院していたら、もうほぼ家ではないですか。なので、ここは通知かなんかで、そういう場合は短期的には家とみなすとやっていただければ、これは解消できるということがありますので、ぜひこの部分、柔軟な運用をしていただけたらいいかなと思っておりますので、保育課長、よろしくお願いいたします。

そして、4つ目が「『こどもベーシックフード』構想」です。これは何かといいますと、先ほどまでもずっと申し上げているとおり、こどもの貧困は進行しております。しかし、皆さん御存じですか。政府の備蓄米、実は100万トンあるのです。100万トンあって、毎年20万トンずつ牛の餌にするのです。20万トンは物すごいのです。20万トンあると貧困のこども世帯に年80キロ渡すことができて、こどもの貧困を解消できるということがあるのです。牛の餌にするより、こどもに渡したほうがいいでしょうということなのです。

それをめちゃくちゃ我々が言いまくったところ、いいでしょうということで、こども食堂やこども宅食への備蓄米無償交付が開始されたのですが、年間100万トンのうち0.02%しか使われていないという状況なのです。食育目的ですからということです。食育目的よりも、今、飢えているこどもがいるのだから、そこを助けようよということがあります。

というわけで、ぜひ備蓄米を厳しい環境のこどもたちに放出していきましょうということを、子育て支援業界みんなで言っていきたいなと思うのです。ベーシックインカムならぬベーシックフードということで、日本でこどもとして生まれたからには一人もおなかを空かせないといった国づくりをしていけたらいいなと思っております。諸外国ではこういったベーシックフード的な取組はしっかりしているわけでございます。

というわけで、私どもの提案をこれで終わりにさせていただきたいと思います。全部話し切ったかな。もう10分たっているのではないかと思いますので、これで終わりにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。

秋田部会長:駒崎様、どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、日本保育協会坂﨑様、よろしくお願いいたします。

坂﨑委員:おはようございます。

坂﨑でございます。

まずもって最初に話をしなければならないのは、本来であれば、私は委員でもありますので、利益相反する形になりますけれども、保育団体の理事として長くこの仕事をしておりますので、今日はそのことも含めて皆様方に少しお話をしていきたいと思っております。

よろしくお願いします。

私も委員をしておりますので、皆様方と同様、今回行われておりますこども大綱と同じくつくられております幼児期までのこどもの育ちに関わる基本的な指針につきまして、きちんと進められていることに対してに厚く御礼を申し上げたいと思っております。

こういう中にありまして、国は今、6月13日、6月18日と、こどもの未来戦略方針を中心としたものを書いているということになっています。「こどもまんなか社会」の実現について、量から質へと変更していきたいということと、もう一つは、この10年間で社会経済情勢が非常に変わっていきますので、こども・子育ての支援の内容も相当変わっていくだろうということが書かれています。それらを鑑みて私たちの部会が示されているということに関して、基本的には賛成して進んでいるわけであります。

しかしながら、この部会の案が示され、また、たくさんの加速化プランが示されて、総合的な制度体系が進められていく中で、保育現場として非常に懸念している問題があります。先ほどから宮﨑先生、駒崎先生と、今後はこういうふうになるのだろうという話がたくさんあるのですけれども、それはそれとして、私が一番懸念しているのは、進んでいく施策や考え方と現行のギャップが非常に大きいと思うわけであります。簡単に言うと、今までの保育現場のままで全ての施策を進められるとすれば、非常に厳しい問題があるのではないかと思います。

岸田首相も、包摂社会の中で、全てのこどもの多様化したニーズに応えるためにということを言っております。そうすると、その受け手である保育施設の在り方と、基本的にそれを運営する公定価格の在り方をきちんと別のところで議論をしていただきたいと思うのであります。

部会が示すこどもの育ちを育む方向性は、私が話をしているように、誠にそのとおりだと思います。しかしながら、それを進める保育現場のほうに不安があっては、非常にそこには齟齬があるのではないかと考えるわけであります。施策理念のみが先行して、実務を抱え切れないのではないかと私自身、まだ思っています。現行の保育制度や運営費のままでは、政策理念と現実にギャップが生まれると懸念しているからであります。

例えば先ほど話しました誰でも通園制度や多様な支援ニーズ、そういうことを考えると、現行の制度で本当にできるのか。ある意味では発想転換も視野に入れて、抜本的に見直す必要があると思います。つまりは、保育施策の新グランドデザインの構築が急務ではないかと思います。

皆様方が行われている部会の考え方、そして今、国が示されている未来戦略方針、こども大綱であります5年後までのたくさんの施策を行うとすれば、どういうふうに保育現場が進めていく必要があるのかというのが、私の大きな問いであります。

次からたくさんのことを書かせていただいています。基本的には私の私案が中心になっていますけれども、現行として何が問題かということについて書いています。

ここのページでは、基本的には1・2歳児は就園率が5割あるけれども、0・1・2歳児に基本的には家庭での保育が6割まだあると。一方、定員は90%を切って、89%しか入っていない、このような状況の中で、待機児童から次の新しいプランをきちんと考えていただきたい。

次には、発達障害を含めて、たくさんのこどもたちが現行にはいて、また外国籍も含めて、そのようなこどもたちを基本的には賄えるような仕組みにはなっていない。

さらに言うと、保育制度は、出生数260万人が3年続いた時代の仕組みから基本的には変わってはいない。ですから、「保育に欠ける」から「保育を必要とする」という文言に変わった、本当に保育を必要とする形の中でのこども誰でも通園制度や障害児を受け入れる、包摂社会として対応していく保育の仕組みをもう一度考える必要があるということです。

さらに、現行の多くは短大の2年生で保育士というものを行っている状況から、専門性を高めていくためには、4年制大学、大学院という形も含め、保育士、幼稚園教諭、保育教諭、私は保育教諭に一本化すべきだと思っていますが、保育教諭というものの考え方をどうしていくのかという整理がまだされていません。

何よりも大きいのは、皆様御存じのように、開園時間と就労時間の齟齬であります。私はもともと66時間就労が40時間という体制に対する公定価格というものがなかなか組みにくいというふうに初めから思っています。そういう意味では、土曜日を一時保育で対応していくようなことも含め、こどもたちの長時間保育というものを家庭や保育や保育学としてきちんと考えていくべきところに来ているのではないかと思います。長い期間の保育が必要だということは、私もこども誰でも通園制度も含めて賛成ですが、長時間本当に置くことが正しいのかということについても、本来はそろそろ考えていくべきところではあるのかもしれません。

今回の未来戦略方針の中で、小さいこどもたちを持っている人たちの働き方を是正して、延長保育を考えていこうなどというようなことがあります。こういうことは、本当はどういうことなのかということについても大きなことです。

また、人口減少については大きな課題です。今回、未来戦略方針の中でも、人口減少のことと障害のことが非常に薄いのではないかと個人的に思います。どんな地域においてもきちんとした教育や保育が受けられるという仕組みをどう考えていくのか、そういうことについても現行の仕組みでは考えられていません。66時間だけの問題ではなくて、30人の定員、20人の定員でどういうふうな人の配置をすることが望ましいのか。例えば45人以下であれば調理員が1人なわけです。調理員が1人だということになれば、そこにお休みは必ず1日あるということになれば、給食は1日休んでいいのかみたいなことも、非常に細かなことがあるわけです。まさに制度疲労を起こしていると思っておりますので、その点についてよろしくお願いしたいと思います。

ここから、私の考え方を5点述べております。

1番目は、こどもを真ん中に置いた考え方。

2番目は、保育者がきちんと働ける適正な保育の質が図られる仕組みの検討。

3番目は、人口減少に関わる仕組みをきちんとつくること。

4番目は、この後にあります各要領、指針をきちんと一本化して、ナショナルカリキュラムをした中で、児童福祉事業も含めてガイドラインを下に置くこと。

5番目には、あまりにも様々な種類の施設がありますので、この時期にある程度統廃合したらどうか。施設の種類の統廃合です。

私は、長年こども家庭庁ができることを非常に希望してきた一人です。非常に言いにくいことですが、文科省が今、幼児教育を担っている部門も、いつかは将来一本化して、こどものためのきちんとしたこども省というものができて、次の時代を担うべきだと思っています。そのためにぜひ今の保育現場の非常に厳しい状況を鑑みながら、皆様方に御検討いただければ幸いです。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございました。

ここまで3団体の皆様に御発表をいただいた内容につきまして、これから質疑の時間を設けたいと思います。それでは、御質問がございましたら「挙手ボタン」をお願いいたしたいと存じます。

水野委員、どうぞよろしくお願いをいたします。

水野委員:おはようございます。

大東市の水野です。

お三方のお話を聞かせていただいて、たくさんアンダーラインを引かせていただきました。ありがとうございます。

その中で、2人目にお話しいただいた駒崎さんにぜひ御質問させていただきたいのですけれども、個人的には、私も2009年に起業しまして、不登校支援と家庭教育支援の会社をしていたのですが、そのときに駒崎さんの著書を拝読して、同じ世代でこういう思いでされている方がいらっしゃるのだと大変勇気づけられた記憶がございます。本日はありがとうございます。

駒崎さんへの御質問としましては、保育園の多機能型のお話がございました。ここは実は学校教育でも同じような議論をしているのですけれども、もう少しここのところを詳しく、またはこれも言いたかったなというのがあれば教えていただければと思います。

よろしくお願いします。

秋田部会長:それでは、お願いいたします。

駒崎氏:ありがとうございます。

拙著をお読みくださいまして、大変光栄でございます。

保育園の多機能化に関して、3つの事例を挙げさせていただきましたが、可能性はもっともっとあるなと思っておるのです。保育園は地域のいろいろなところにあって、かつ、地方ではすごく立派な、いろいろなデザイン賞とかもたくさん取るようなすばらしい空間で、園庭もあって、専門職もいて、すばらしい場所ではないですか。それが今、ある意味、やや拒否られているというのはもったいない。

例えば園庭は土日、特に日曜日、使っていますか。使っていないですね。日本の99%の保育園の園庭は、日曜日は使っていないと思うのです。それを例えば高齢者の方々に開放してあげて、ゲートボールとかのサークルに貸し出してあげたら、多世代のためになる施設になるではないですか。そうしたら高齢者の方も、保育園をつくることにわーわー言ったりしなくなるのではないかなと思います。

秋田部会長:駒崎様、すみません。声が若干籠もっているということなので、少し大きい声か、ボリュームを上げてお話しいただいてよろしいでしょうか。今までも聞こえていたのですけれども、少々声が籠もっているということなので、すみません。

駒崎氏:籠もっているにもかかわらず熱弁してしまいました。申し訳ございません。

まさに今、水野先生におっしゃっていただいたように、保育園はそういう可能性があるのですが、例えば教育で言いますと無料塾とか学習支援、ああいったものも保育園の空いているスペースとかでやれたりするのです。我々は今、保育園寺子屋という企画を温めていまして、保育園の中で無料塾とかもできるのではないかなんていうふうに思っています。

こういう形で、いろいろな機能を保育園が担っていく。あるいは、保育園だけで担わなくていいのです。例えば無料塾だったら、無料塾のNPOに場所を貸し出すみたいなことしていけるのではないかなと思うのです。園庭の活用は遊びのNPOに貸し出す、あるいは地域のゲートボールサークルに貸し出すみたいな、いろいろな主体と連携して、保育園がハブになって様々な機能を担っていくというようなビジョンが私には見えているのです。

ただ、先ほど仙台市が我々の「ほいくえん子ども食堂」に何をやっているのと言ってきたというように、自治体にそれは全然浸透していない。つまり、目的外使用ですねと。保育以外のことを1ミリでもやったら補助金を返してくださいよというようなコミュニケーションが今、実際にはなされているのです。ここをちゃんとこども家庭庁がリーダーシップを取って、いやいや保育園というのは地域のこども全てに奉仕する存在であって、限られたこどもたちのために保育のみをするところではないのだということをしっかりと打ち出していただいて、古い考えをインストールされている自治体の考えをある種変えていくのが必要なのではないかなと思っていますので、そこはぜひこども家庭庁にリーダーシップを取ってもらえたらうれしいなと思っています。

以上です。

水野委員:ありがとうございました。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

続きまして、高祖委員、お願いをいたします。

高祖委員:御発表ありがとうございます。

こども園のほうの宮﨑先生や保育協会の坂﨑先生のお話、本当に共感ばかりでした。

特に坂﨑先生の長時間保育自体を見直すというところは、こどもに大変負担になっておりますので、ここは本当にぜひ見直していただきたいなと思いますし、あとは指針のナショナルカリキュラムというところも、今、指針はほぼ3つの種類で統一されてきているとはいえ、まだまだすごく偏った指導をしているような園も見受けられますので、そこはぜひと思いました。

駒崎さんに1つだけ。今のお話にも関連するのですけれども、「ほいくえん子ども食堂」というのはすごくいい取組かなと思いました。仙台のところのページもさらっと見せていただきましたけれども、これは保育園自体が運営するという発想よりは、団体とか地域のそういうところに貸し出すという考え方でいいのですか。

駒崎氏:御質問ありがとうございます。

どっちもありです。フローレンスがやった「ほいくえん子ども食堂@仙台」は、僕らが直営でやってみました。

ただ、こども食堂団体さんと連携というのも全然ありだなというのは、やった感覚で思いました。すなわち、保育園が場所を貸し出して、地域内のNPOさんにやってもらうというのも全然できるなと。どっちのパターンでも全然いいなと思いました。

一方で、先ほどのように行政が理解がないと、地方自治体が理解がないと、公金を1円も使うなみたいなコミュニケーションをされるので、今、我々はこども食堂で使う塩と保育園で使う塩を分けているのです。調味料を分けてやっているというブラックジョークみたいな状況になっています。こういったところをしっかりとそうではないというのを言っていかないと、できるものもできないなと思っております。

以上です。

高祖委員:ありがとうございます。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

ほかには手を挙げていただきましたらと思います。

吉田委員、お願いいたします。

吉田委員:吉田です。よろしくお願いいたします。

お三方の意見ともそれぞれ共感できることが多くて、非常に参考になりました。ありがとうございます。
それぞれ御質問をしたいなと思います。まず宮﨑先生のほうには、最後、基礎自治体の役割を明記するということをうたっていただきましたけれども、それについて、今まで足りなかった点と、これからどういったものを基礎自治体に期待したいのかというところをお伺いしたいというのが1点。

次に、駒崎さんにお伺いしたいのが、保育園の多機能化ということで、理念としてはこういう方向を目指すべきだなと、僕自身も放課後児童クラブを運営するようになって、そのためだけに使うのではなくて、それ以外の機能をいかにここの場所を使って集約できるかというのは非常に大事なところだなと思っていたところなので、それは保育園でも放課後児童クラブでも同じかもしれないですけれども、非常に参考になりました。

その中で一つ課題になってくると思うのが、人材の育成かなと思うのですけれども、そこら辺、どのような方向性を持っていけばいいのか。例えば、補助金を出すとか、人材育成をNPOが支援するとか、いろいろあると思うのですけれども、どういったやり方が一番いいのか。もし駒崎さんのアイデアがあればお伺いしたいところです。

最後、坂﨑さんにお伺いしたいのが、働き方の状況、労働の状況を含めて考えなければいけないということをおっしゃっていただいたのは非常に重要な点かと思います。今まで働き方の状況と保育の量の問題というのが、もうちょっと連関しながら、つなぎ合わせながら政策を進めていくべきだったのではないかなと思うのですけれども、そこら辺、国側にもっと求めたいこととか、こういったところをもうちょっと省庁間で連携してみたいなところで、坂﨑さんが思うことがあったら教えていただきたいなと思いました。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、お三方、それぞれにお願いをいたします。

宮﨑氏:御質問いただきましてありがとうございます。

基礎自治体に対する期待というのもあるのですけれども、実は各先生方、委員の先生方からもお話があったのですが、基礎自治体の大きな役割というのが、一番は保育の実施義務ということであるのかなと考えております。なかなかそこから一歩も出ない。結果として、先ほど駒崎先生がおっしゃったように、保育所というのは保育をするための場所だからそれ以外のことに使うなであるとか、あるいは今、地方版の子ども・子育て会議というのが既に開催されておりますが、そこで何が議論されているのかというと、国が求めているものに対する回答しかつくっていない。本来は国が大枠を決めた上で、その地方に何が必要なのかを議論するべき場所のはずなのですけれども、例えば保育所の定員は足りているのか足りていないのか、認定こども園はどうなのだ、預かり保育はどうなのだという、数が足りているか足りていないかだけの議論に終始しているような、形骸化しているような気がしております。

そういう意味では、この指針にのっとった、その町あるいは村のこども・子育てはどうあるべきなのか、うちは何が足りていて、何が足りていないのか、誰が担ってくれているのか、そこら辺をきちんと議論されることで、その地域、その町オリジナルの例えばこういう施策が必要だよね、うちの町はと。各保育園で、例えば預かり保育だけではなくて、いろいろなこと、おじいちゃんおばあちゃんがいるのであれば、この人たちをぜひ日々の保育に活用してもらえないかのような、その町に合った必要とされるようなものが提供されるのではないかな。そういう意味では、地方自治体、基礎自治体がきちんとその旗振りを担っていただきたい。そういう仕組みをぜひこの指針の中でもどこかでうたい込んでいただければありがたい。そんな思いでこの部分を書かせていただきました。

坂﨑先生のほうからも話があったのですが、どこも今、人口減少ですので、施設だけでは、何かをするといってもなかなか難しいところがございます。そういうときに自治体も一緒に私どもと同じスタンスで、あるいは国が目指す方向性で議論に参加していただくということが本当に求められるのではないかなという思いで、ここを1点、記入させていただいた次第です。

以上でございます。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

続きまして、駒崎さま、お願いします。

駒崎氏:ありがとうございます。

御質問ありがとうございます。

人材育成ということで、短期的な処方箋と中期的にやるべきことに分けてお話しします。

短期的な処方箋は、ずばり多機能化保育園留学補助金だと思います。保育園の多機能化をやっている園はちょいちょいあるのです。そういったところに実習に行けたりとか、あるいはそういった園が、多機能化は怖くないよ、やったらすごいいいよ、やるためにはこういうふうにするといいよみたいなことを研修する。ちょっとやりたいなと思っている保育園の皆さんは結構いらっしゃるので、そこの方々に研修して、やり方をお伝えして、それでどんどん多機能化していってもらうというのは、来年度から予算でつければすぐできると思うので、やれることだと思います。

中期的には、さはさりながら、保育士さんは養成校で、保育をするのだ、こどもに向かい合うのだよというようなことをずっと言われ続けてきたので、保育以外のことをやるというアイデンティティーとそのやり方はあまり教えられていないわけなのです。なので、養成校のカリキュラムに、子育て支援、ソーシャルワークの部分を入れていく。実習とかでも、保育園実習はありますけれども、保育園実習のレパートリーの中で、障害児あるいはこども食堂とか、今までの保育のど真ん中の周辺部分、外縁部分もちゃんと実習できるような、そうしたカリキュラムに変えていく必要性があろうかなとは思います。

当然、保育士さんたちは今、目の前の仕事でそれどころではない、大変過ぎるのだという気持ちもよくよく分かるので、人員配置とか処遇改善とか、あと書類の量を減らすとか、そういった負担軽減も並行しながら人材育成していって、これまでの保育の在り方から、新しい保育士の在り方へ変わっていくというのを後押しできるといいのではないかなと思います。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

坂﨑委員、お願いします。

坂﨑委員:働き方の改善について、端的に5点話をします。

1つは66時間、簡単に言うと1時間の延長保育を含めると72時間に対する1人の保育士が40時間働くという倍近くのところの改善をしていく。もう一つは、72時間というと、1週間の半分は乳幼児が園にいるということはどうなのかということは検討してもらう。

2つ目、土曜日の保育に関しては、66時間からカットしていただいて、基本を55時間にしていただく。その55時間の中の11時間を考えていく。

3つ目が、定数改善を求める中に、障害児や5歳児のかけ橋のことをきちんと考えた形での定数改善をしていく。

4番目が、今回、未来戦略方針の中に、地方の女性の働き方を考えるためにも、基本的なお金をどう考えていくのかみたいなことが書かれているのです。そういうことを考えると、地域区分を撤廃する、もしくは平準化していく、逆転していく、そういう発想をきちんとしていく。

5番目が、最後に処遇改善をしていく。

この5つの働き方の改善が基本だと思います。

ありがとうございます。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

それでは、続きまして、奥山委員、お願いいたします。

奥山委員:ありがとうございます。

御発表、3人の先生方、ありがとうございました。

私は、地域子育て支援拠点の運営をさせていただいております。今日は保育園の多機能化ということでお話がありました。水野委員のほうは、学校のほうも多機能化しなければいけないのではないかということで、それぞれの事業体が多機能化していくという方向性と、逆に、それぞれの地域にある施設・事業の機能をうまく連携させていく、両方の方向性が必要になってくるかなと思います。

その中で、今、駒崎委員のほうからも、保育士さんたちが親の話を聞くとか、少し相談を深めるとか、そういった研修も必要なのではないかというお話もあったのですけれども、保育のほうも、医療的ケア児ですとか、いろいろな多様なニーズに応えなければいけない。

そういった中で、多機能化をしていくところにおいて、親御さんのお話を聞く、特に一時預かり事業などはかなり家庭のニーズが背景にあるかなと思っておりますので、その辺りのところ、保育所、認定こども園どちらも地域子育て支援拠点を併設しているところも結構あると思いますし、その辺の役割分担、連携、こういったものがどんな感じなのかということを教えていただけますでしょうか。

よろしくお願いいたします。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、こちらは宮﨑さまのほうからでしょうか。坂﨑さんが今、手が挙がっていますか。お願いします。

坂﨑委員:多機能化については2つあると思うのです。駒崎さんが話をしているような、いわゆる都会を中心とした多機能化があるのですけれども、私は人口5,000人のところでの多機能化をしているのです。そうすると、例えば園の中に児童発達支援事業をつくるとか、たくさんの子育て支援センターを中心としたメニューをしているのですけれども、もともと今だとやればやるほど赤字になっていくという方式なので、そういうことを考えていくと、先ほどの駒崎さんの話をしていることも含めて、多機能化をしていくことが社会に必要なのだけれども、多機能化をしていくことによって、例えば今までで言うと縦割り行政みたいなことで、なかなかいろいろな加算がつかない。

例えば1つなのですけれども、児童発達支援事業は外でやるものだから、基本的には送迎加算がつくのです。園の中で行うと基本的には送迎加算がつかないということになると、基本的にはそこの園で事業所を賄うようなとこということができていくので、実は田舎でいろいろなことを行うことによって、デメリットが出てくることもたくさんあります。

一方、今、お話ししている奥山さんへの回答にはなりませんけれども、今後多くの相談をしていくような事業というのがお母様方や地域を支えていくと思うので、そこがお金になるかどうかという問題ではなくて、そういうことを手厚くしていけるような事業を考えていく必要があるのではないかと思います。今まで子育て支援センターを私もやってきましたけれども、奥山さんたちのノウハウを借りながら、保育所や認定こども園が違う意味での多機能化をきちんとしていく必要があるのではないかと思います。

秋田部会長:ありがとうございます。

いかがでしょうか。宮﨑さん、駒崎さんもありますか。

宮﨑氏:私は、多機能化というのは必要だと思うのですが、多機能化を求めるのではなくて、その地域に合ったニーズに応えていくという結果として、保育という定型サービスに加えたほかの機能を展開してくということなのかなという理解でおります。ですから、町の大小によっても違いますし、それから、そこで求められているものの違いもやはりあるのかなと。

私の法人で7年前から乳児の一時預かりを始めたというのは、うちの町では一時預かりは1歳以上となっているものですから、乳児の預け先がない。では、乳児を持っている家庭はみんな何の問題もない家庭なのかといったら、そうではない。そのお母さんが美容室に行くためだけに、電車に2時間乗って実家にこどもを預けて美容室に行っている。それは一時預かりが必要ないのかといったら、そうではないでしょうということで始めた事業です。ただ、そこは、さっき坂﨑先生もちょっとおっしゃったのですが、やればやるほど赤字というか、行政は、そんなもの誰がやってくれと言ったという話になりますから、あんたが勝手にやっているのでしょう的な話になってしまうのです。ですから、先ほどもちょっと申し上げましたが、その町で何が必要なのかということをきちんと地方版の子ども・子育て会議の中で議論していただきたい。その中で、例えばショートステイだとか、地方の村に行ったら児童養護施設なんかあるわけがないのです。そういう問題が起きた場合は、その町からその子を引き連れていって、どこか違うところにぽんと入れることがその子の福祉につながるのか。学校にも行けない状態がいいのか。そういうこともきちんと議論した上で、うちの町では、うちの村では、うちの市では、こういうものが必要だよね、この部分が足りていないよねという議論をしっかり子ども・子育て会議の中で実施していただきたい。結果として、そこにきちんとした財政的な裏づけがあればいいのではないかなという願いを込めて、私も多機能化が必要だと思っております。

以上でございます。

秋田部会長:ありがとうございます。

駒崎さま、お願いします。

駒崎氏:ありがとうございます。

まさに今、宮﨑先生がおっしゃったように、ニーズがあって、何とかしなければいけないということで、保育園がやってやるかということでやるという形で多機能化が進んでいくと思うのです。僕らが地域でやっていて、本当にニーズは死ぬほどあって、いろいろな課題は腐るほどあるという状況があるので、多機能化せざるを得ないというところなのではないかなと思っています。

ただ、お二人がおっしゃったように、お金はやればやるほど出ていって赤字になるという、このジレンマにさいなまれているということなのです。ですので、我々は寄附を集めて何とかそこに充てているという感じなのですが、限界はあるということがあります。

ここにあるように、先ほど言いましたが、東京都は東京都保育サービス推進事業補助金ということで、例えば小中高生の育児体験の受入れをした場合は、それに対して補助が出るのです。国は、こういうものは一切ないです。自治体独自でやっている。なので、東京都保育サービス推進事業補助金みたいな多機能化を下支えする補助制度をつくって、そこで多機能化に充てていく。先ほどおっしゃったように、一時保護とか、シェルターとか、あるいはショートステイとか、今からその施設をつくるというのはほぼ不可能に近いのです。お金もかかります。そうではなくて保育園がやってくれるといったら、そっちのほうが補助を払っても全体的にコストは下がるはずなのです。だから、トータルで考えて、今ある保育園という資源を使わずして何をかいわんやみたいなところがあると思うので、ぜひそこは今の保育園の多機能化を進めることが実は新しく施設をつくったりするよりも安上がりだと考えて、保育園に投資していただきたいというふうにこども家庭庁にはお願いしたいなと思います。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、明和委員、お願いします。明和委員までで、この議題につきましてはそこの質疑までで打ち切らせていただきたいと思います。

明和委員、お願いいたします。

明和委員:明和でございます。

3人の先生方、本当にいずれも具体的、かつ、明確なビジョンをお示しいただき、ありがたく拝聴しておりました。

私も、宮﨑先生がおっしゃったように、社会に開かれた「親子」支援拠点としての機能を強化した園の再設計は、極めて重要だと考えます。

私は、生物学としてヒトの脳と心の本質というものを、エビデンスベースドで考えている者です。そうした立場から、坂﨑委員からの「保育園等が定員割れになっている」「少子化が進み、こうした事態はこれからも続く」というご発言に関して、私がさらに申し上げたいことがあります。それは、こどもをどうするかという発想だけではなく、親育てという時空間として、地域の子育てハブ機能というものを強化していく覚悟を持って少子化対策に当たっていかなければならないということです。

私は、京都大学に所属しております。こどもの発達を学んでいる学生ばかりではなく、多彩な大学生がいるのですけれども、彼らに実際にこどもに触れたことがあるか聞いたところ、そうした経験を持つ者は50人くらいいたら1人いるかいないという時代を迎えています。今の若い世代は、自分自身のこどもが初めて出会うこども、というフェーズに入ってしまっているわけです。恐らく、私たちとは異なる感覚で「親育て」を社会で支援していかなければいけない。

0歳の保育、についても同じです。男女共同参画、例えば男性の育休の拡充が進められれば、0歳児をフルで預ける家庭は減少して当たり前になっていくはずです。むしろ必要となるのは、0歳も、お父さんお母さんも含めて、「園においでよ、ここで一緒に育っていこうね」という機能の強化だ思います。

今、ヒトという生物にとって本当に必要な環境がかなり厳しくなっています。ヒトという生物に必要な共同養育」を現代版として機能させる、社会に再設計するにはどうしたらいいか。私は、坂﨑委員の覚悟をもたれた御発言に感服しております。従来の縦割り的な組織の機能にも重要な面は多くあったと思いますが、それを壊す勇気を本気で持たない限り、恐らく、少子化の歯止め、あるいは、若い世代がこどもを産みたいなと思う社会にはなっていかないと感じます。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

こちらは御意見ということで承ってよろしいでしょうか。

ありがとうございます。

それでは、時間の都合もございますので、次の議事3へ移らせていただきたいと思います。「3.委員ヒアリング」についてでございます。昨年度の有識者懇談会の論点整理への受け止めや補うべき視点、第1回目で示された論点に対するお考えを中心に、3名の委員から各10分以内で御発表をいただきます。横山委員は動画を御提出いただいております。

また、倉石委員におかれましては、資料の御提出をいただいておりますので、事務局より代読をいただきたく存じます。

なお、質疑に関しましては、最後にまとめて時間を設けておりますが、冒頭で事務局から御説明がありましたとおり、前回御発表いただいた有村委員と鈴木委員の内容も含めた質疑をさせていただきたいということで、資料のほうはお配りしていると思います。

それでは、初めに古賀委員にお話をお願いいたします。よろしくお願いいたします。

古賀委員:よろしくお願いいたします。

京都教育大学の古賀です。

私は、こどもは発達的に遊ぶことを通して主体的に生きる権利を実現する存在なのだということが社会的に理解される必要があると考えております。順を追って御説明いたします。

まず、こどもの遊びは権利行使の一つです。国連の子どもの権利委員会においては、遊びは乳幼児期の最も顕著な特徴の一つであるにもかかわらず、その機会が十分に用意されず、阻害されることが多いこと、都市環境や競争的な学校教育等によって阻害される場合があることなどを指摘しています。例えば園庭のない園や3歳未満児を対象とした施設に5歳児までを受け入れることが発達的にふさわしい遊び環境の保障となるのか、議論が必要だと考えます。戦後の児童福祉施設最低基準を下回る環境がこの少子化の時代に許されるというのは、一体どういう「こどもまんなか社会」なのか、問われるべきなのではないでしょうか。

日本において、このこどもの権利に関する考え方を前進させる法律として、こども基本法が成立していますが、権利擁護の視点と意見表明権が印象的な内容となっています。こども基本法には、こどもの定義はありますが、こどもという存在に関する理念規定はありません。基本理念のところに書かれている内容は、こどもと子育てをどのように扱うかということは書かれていますが、こどもとはどのような存在であるという理念規定にはなっていないという構造になっています。

そこで、本指針の検討に当たっては、こどもの身体、心の健やかな育ちを保障し、それを支える社会環境を構築するという、育ちを見る視点としてのバイオサイコソーシャルという視点が提示され、さらには社会がどうあるべきかという理念が提示されています。

そして、次に「乳幼児期のこどもは」というページに、どのような欲求を持った存在かということが書かれています。そこにこのような5つの欲求が明示されています。ここからは、安心感が得られる受容的関与がベースとなり、主体として環境との関わりを行うという側面が読み取れ、そこから安心と挑戦の循環というサイクルが提示されます。非常に重要なポイントが明確にされていると思います。

これらをベースに今回私が提起したいのは、こどもの持つ意味生成者としての側面です。

そのために、バイオサイコソーシャルの図を併置関係ではなくこのように再配置してみました。つまり、心と体はこどもの持っている側面ですが、社会環境はその周りを取り巻いているものと置き直します。こどもがその人らしく生きるということを考えるときには、このように、こどもは心と体を動かしながら、周囲の環境と関わっていくわけです。これが乳幼児期のこどもの場合、そのほとんどが遊びとなります。ここの働きが重要で、このこども自らの関与、働きかけの中で、こどもはそこに様々な思いを抱き、願いを持ち、そのこどもやこどもたちなりの意味を生成しながら関わり続けていきます。そこにこの意味生成の層が生じ、ここにこそこどもの声が立ち現れてくるということになるわけです。つまり、こどもの声を聴くということは、こどもを環境との相互作用の中で意味生成者として見るということが理念規定として想定され得ると考えます。

このことは、これまでの研究で言われてきたことで、古くはヴィゴツキーが、こどもは遊びの中で記号化するのではなく、現実の基本的なカテゴリーを自分の経験を通すことによって願い、その願いを実現するのである。こどもは、願うことで願いを実現し、考えることで行動すると述べています。

さらには、発達の最近接領域の中での模倣は意味づくりの活動だと述べられていますし、ロゴフは、認知発達は知識技能の獲得ではなく、社会文化的活動への参加の仕方の変容過程の一側面としています。

アリソン・クラークの『こどもの声を聴く』では、まずこどもの声を聴くための枠組みを説明するに当たって、その立脚点をこの4点から説明しています。その中に、意味生成者としてのこどもという観点が示されています。

無藤は、こどもの行為の連鎖を具体的に分析し、オートポイエーシス理論を参照し論じる中で、偶然や揺らぎはシステムの本質的な一部である。それが繰り返しの過程を経て、意味としての生成をなすのであると述べています。意味が先に確定したものとしてあるのではなく、周囲と相互に関わる連鎖の中で、意味が生成されるのです。

このように、こどもがこどもらしく生きることの実現を考えるとき、乳幼児期においては特に生活の中心にある遊びが重要で、その遊びの中で、こどもは自ら周囲の環境に関わりながら、思いや願いを持つ意味生成プロセスを生きています。そこにこそ、こどもの声が立ち現れてくるのであり、それを捉えるべきだという理論的枠組みになるのではないかと考えます。

しかし、十分に遊ぶということを保障するためには、遊びを豊かにする人との出会いと場との出会い、そしてたっぷりと遊ぶ時間が必要です。そのことが社会的に理解されている状態にしなくてはなりません。といいますのは、コロナ禍を経て心配なデータが出てきています。保護者を対象としたアンケート調査において、子育てで力を入れていることという質問に対し、以前は「他者への思いやりをもつこと」は半数を超えて力を入れているという回答のあった項目ですが、35%に低下。「親子でたくさんふれあうこと」も10%程度減となっています。一方で、数や文字、外国語の学び、芸術的才能を伸ばすものは増加しています。

ここには母親の子育て観の変化が影響しているようで、文字や数はできるだけ早くから教えるのがよいと考える母親が0歳児の母親で半数を超え、また各年齢でも大幅増という結果になっています。このいわゆる読み書き能力については、内田の研究が知られています。親子の触れ合いを大切に、こどもと楽しい経験を共有する共有型しつけと、罰や力を用いる強制型しつけのこどもの育ちへの影響を調査した結果、幼児期に共有型しつけを受けたこどもは、国語学力や語彙力が1年生の終わりにおいても高いということが見いだされています。

近年、研究界では、こういった認知的スキルも重要なのですけれども、社会情動的スキルに注目が集まり、社会情動的スキルを育む介入プログラムの開発が世界的にも進んでいます。

一方、日本の保護者たちは育児不安を高め、文字や数への習得と向かおうとしているように見えます。この間をどう埋めるかということは重要な課題ではないかと思います。創造性や好奇心、折り合いをつける力など、乳幼児期の遊びを通して育まれるものがいかに重要かということについて、社会的理解を広げていく必要があるのではないでしょうか。

しかし、このことは、例えば単に遊び場があればよいというのではありません。こどもは何度も繰り返し関わったり揺らいだりしながら、だんだんとその意味を生成していくので、経験している人や場との関係の安定と継続とその質が重要になります。

こどもの育つ環境として、安定と継続を軽視した子育て支援の安易なサービス化は、こどもが遊ぶどころではない、ウェルビーイングも保障されない、不安定なものとなってしまいます。本検討会で重要視されているアタッチメントを視点にすると、以前の有識者会議で遠藤先生もおっしゃっているように、保護者とのアタッチメントだけではなく、保育者とのアタッチメントもまた重要であることが明らかにされてきています。

そのことを踏まえた上で、子育て支援、ここでは多様にある子育て支援の中でも園や施設における活動参加型の子育て支援について整理をしてみます。いわゆる地域子育て支援拠点事業や一時預かり事業、2歳児定期利用などの展開の中で、様々な具体的方策が試され、園や地域で改善されてきています。この類型はあくまで園生活に参加するタイプの子育て支援の大まかな類型をまとめた試案です。親子で活動に参加するタイプは、こどもは親を頼りにすることができますので、安定しつつ挑戦するということが促されていきます。

一方のこども預かりタイプについては、定期で関係を形成していくタイプと、そうでない一時預かりのタイプがあるわけです。

定期登録型は、最初は不安定ですが、次第に安定していきます。それは保育者とのアタッチメント形成によるものと考えられます。例えば5月の初めには、人や活動への興味関心が薄い、関係が持ちにくいと感じられていたお子さんも、毎日目を合わせて、名前を呼んでのT寧な関わりを積み重ねて、1か月後には保育者の周りで過ごすようになり、保育者との関係の安定を基盤として挑戦的な外遊びをする姿が見られるようにもなります。さらには、自分から保育者に手を伸ばして関わろうとするようになり、同じ日の午後には、初めてこども同士で笑い合うような場面も見られる、そういった様子が見られるようになります。これは継続して通う中でアタッチメントが形成されていくことや、こどもが周囲で起こっていることを繰り返し体験することを通して意味生成していくことが生じているものと考えられます。つまり、こどもが主体的に生きることを大切にしようというのは、こういった時間をかけた安定と継続の中での意味生成プロセスが大事にされなくてはならず、こういった視点で現在の施策や制度の見直しへとつなげていかなくてはならないのではないでしょうか。

特に一時預かり事業の難しさについて、加藤が幾つかの実証的研究を行っていますが、一時預かり保育には短時間・短期間という不定期さにより、他の保育形態とは異なる関係形成となることの難しさがあり、さらには一時預かり担当保育者からだっこが自然発生的に生じるという語りが見られないことについて、こどもとの愛着形成が意図できない保育であることに由来すると述べています。これは一時預かりをなくせと言っているのではありません。保護者の育児ストレスの軽減が、ひいてはこどもにとっても利益があるということももちろん重要です。しかしながら、それが本当にこどもにとって最善のものとなっているか、「こどもまんなか」となっているか、「こどもまんなか」とするにはどういう制度設計にするべきなのかということをしっかり議論すべきではないかと考えます。こどもも大人も双方主体的に豊かに生きることが大切にされる制度設計に、また、文化醸成に向かうことが今、求められているのではないでしょうか。

まとめです。

まず、こどもは社会環境との相互作用を通して日々意味生成をしています。そういったこども存在の理念規定があってこそ、こどもの声が立ち現れ、社会はこども独自の声に耳を傾ける必要があるという理論的枠組みが明確になります。

こどもは、遊びの中で主体的に環境に関わり、日常生活の中で継続的に関わるという意味生成プロセスを生きています。そういった乳幼児期の十分に遊ぶ生活が、こどもが育つ全ての場において大切にされること。また、その価値が社会全体として共有されることが重要ではないかと考えます。

以上です。ありがとうございました。

秋田部会長:古賀委員、どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、横山委員より御提出いただいております動画のほうを流したい

と思います。事務局のほうでどうぞよろしくお願いいたします。

(動画再生)

横山委員:本日はプレゼンの機会を頂戴し、どうもありがとうございます。

NPO法人Social Change Agencyの横山と申します。

本日、録画での参加となりますことを御容赦いただければと思います。

今回、お時間をいただきまして、私のほうからは、本年度からこの部会に参加させていただいているという立場ですので、昨年度の報告で示された論点整理における様々な論点を踏まえて、本年度の検討事項の論点における黄色で色を塗らせていただいた部分、「心身・社会的状況にかかわらずひとしく保障する方策、こどもと日常的に関わる機会がない人も含むすべての人へ真に届く方策」、こちらに関して言及させていただければと思います。

まず初めに、社会保障制度はどういった社会的な意味を持つかというところを幾つか触れさせていただいています。

まず1つ目ですが、虐待、保護者間のDVですとか、貧困などによる幼少期の逆境体験がその後の人生に大きな傷痕を残すということは、様々な研究から言われています。そういった観点から、就学前のこども・家庭の変化に気づき、早期に適切な助け合いや支えが得られるかどうかということは、こどものその後の人生において非常に重要な意味を持つかなと思います。

そういった適切な助けや支えの公的なものとして社会保障制度があるわけです。この社会保障制度というのは、決して社会的な弱者と呼ばれる方たちが使うものというわけではなく、一つ一つの制度の利用要件が全て決まっていますので、これらが権利であること、その要件に合致している方であれば利用することができるということも改めて触れておきたいなと思います。ですので、心身・社会的状況にかかわらず、各種社会保障制度を必要時にこどもや家庭が利用できる環境の整備を行うことというのは、幼児期までのこどもの育ちを支える上で非常に肝要であると思っております。

ですが、この社会保障制度の利用に至るまで各種ハードルがあるということは様々な方から言われているところであります。1つは、そもそも存在として知られていないですとか、名前は知っているけれども詳しい内容が分からないですとか、そういった理由で、制度を本当は利用することができる状況にある方が実際利用できていないということは、様々なデータなどからも示されていることかなと思います。

このスライドは、令和3年のこどもの生活状況調査の解析報告書を引用させていただいています。収入の水準が厳しい状況にある世帯においても、経済的制度の一つである就学援助や児童扶養手当の利用割合が5割前後であったりとか、様々な制度が様々な理由で利用率が低いということが示されているものです。

知られていない、そもそも制度の存在を知らない、そういった理由以外にも社会保障制度の利用を阻むハードルは様々ございます。例えば、忙しかったりというよりは、仕事や御家族のケアなどで時間が取れない。日々の生活に精いっぱいで、相談や申請に行く時間がなかなか取れなかったりとか、そういった方に対して、あなたの家庭、こどもはこういう制度が使えるよということを教えてくれたりとか、教えてくれるだけではなくて、申請の伴走支援をしてくれるような公的支援がまだまだ乏しいということもありますので、そういった状況も制度利用を阻むハードルの一つになっているかなと思います。

そのほかには、制度をそもそも知らなければ利用できませんし、名前は知っていても細かい利用要件などが分からない、もしくは理解できなければ、自分が制度を利用できるかどうかということも認識することは難しいですし、そういうところが認識できたとしても、様々な書類を全部そろえて役所の窓口に持っていかなくてはいけないとか、そもそも様々な障害や言語の問題でそれを記載することが難しかったりするとか、また、書類を何とかそろえられても、窓口で御自身が置かれている状況をなかなかうまく説明ができなかったりとか、様々な理由で社会保障制度の利用のプロセスにはハードルがあるということをここで共有させていただければなと思います。

そういったハードルをなくすためのポイントとして様々なことがあるわけなのですが、これは既にこども家庭庁がポイントとして取り組まれていることが様々あるかと思いますので、時間の関係もありますので細かくは資料を参照していただければと思うのですが、ポイントとして、情報の入手とか、情報を入手しやすくするということ、それは分かりやすくするということも含めた情報の入手を容易にする。あと、申請手続を簡素化するということとか、申請窓口のマンパワーや対応の質を上げていくということとか、なかなか情報を得たり窓口に来ることが難しい方との接触機会をどういうふうにつくっていくかということとか、先ほども述べましたような、申請を伴走支援する仕組みとか、あとは制度の利用に資するスティグマを軽減していくとか、様々なポイントを一つ一つ潰していくことで、制度の利用に至るまでのハードルを下げていく、もしくはなくしていくということができるのかなと思っています。

もう一点、今回、就学前の時期ごとにどのようなことができるかということを整理といいますか、簡単な提案にとどまっているところではあるのですけれども、例えば妊娠期、乳児期、1歳から3歳、3歳から幼児期の終わり、こういった時期において、こども、家庭に関わる機会の多い人や場所、組織といったものを洗い出して、そういったタッチポイントを持ちやすい人や場所や組織がこどもや家庭に対して利用可能性のある制度を伝え漏らさないといったことも非常に重要になってくるかなと思います。

ここからは、冒頭にお示しした論点に対して、2つほど提案をさせていただければと思います。

1つ目は、こどもまんなか応援サポーター、そういった取組が既に打ち出されているかと思うのですが、その範囲を広げたこどもまんなか応援サポーター“キャラバン”というようなものを行っていくということ提案させていただければなと思います。指針等で伝えていきたいこととか、今日の話に関連づけますと、こどもの育ちを支える様々な社会保障制度についての講習会などを行うというような内容は一つ考えられるかなと思います。

類似の取組に認知症サポーターキャラバンメイトという取組があります。認知症サポーターも既に1400万人、キャラバンメイトは17万人の登録者がいます。こういった類似の取組を参考にしながら実施していくということも一つなのではないかなと思っております。

想定される効果としましては、今日の話に関連づけますと、支援制度やサービス、相談窓口に関する知識を多くの方が持つことで、自分やその家族のみならず、身近なこどもや家庭にこんな制度、サービスがあるよということを、知識を持っていることで声をかけやすくなるということがあるかなと思います。言い換えますと、公助へのアクセスを支える共助をもう少し広げていくためにも、こどもまんなか応援サポーター“キャラバン”を提案させていただければと思います。そういったものが、結果として、こどもの育ちを阻害する様々な困難の軽減や解決に寄与する社会の網の目を細かくしていくことにつながるのではないかなと思っているところです。

提案の2つ目としましては、昨年度、私も関わらせていただきました未就園児等の把握、支援のためのアウトリーチの在り方に関する調査研究の活用と拡張を提案させていただければと思います。未就園という状態以外に、どのような生活困難等の可能性を示すシグナルがあるかということを整理することで、当該状態にあるこどもや家庭の発見とか、アウトリーチ、関係構築、適切な支援制度やサービスへの接続を支える、そういった施策実施の幅が広がると考えています。

こちらにつきましては、こどもに関する各種データの連携による支援実証事業がされておりますので、そういったところで実証された知見等も活用しながら、どういったシグナルがあるか。そういったシグナルに対して、誰がどのように発見することができるかとか、そういったことを整理していくことも非常に重要かなと思っております。

まとめになります。

冒頭お示ししましたこちらに書かせていただいている論点に対して、3点を主に述べさ せていただきました。前提としましては、各種の社会保障制度を必要時に利用できる環境整備の徹底は、幼児期までのこどもの育ちを支える上で肝要であるという前提に立って、提案の1番目としては、多くの人々を対象としたポピュレーションアプローチとしての現行のこどもまんなか応援サポーターの役割等を拡張したキャラバンのようなものを行っていくのはどうかということ。

提案の2つ目としましては、ハイリスクアプローチとしての未就園だけではない生活困 難のシグナルの整理、その整理を生かしたアウトリーチの方策を考えていく。こういったことを考えていただくことも、就学前までのこどもの育ちを考えていく上で非常に重要かなと思って提案をさせていただきました。
私からのプレゼンテーションは以上になります。どうもありがとうございます。

秋田部会長:横山委員に動画で発表していただきました。どうもありがとうございました。

それでは、続きまして、倉石委員より御提出いただいております資料の代読を事務局のほうからお願いをいたします。

高木課長:代読させていただきます。

幼児期までのこどもの育ち部会 第3回 意見書  倉石哲也(武庫川女子大学)

今回の部会を欠席するにあたり、意見を述べる機会をいただきましたことを深く感謝いたします。

就学前のこどもの育ちを考えるにあたり、「こどもの権利擁護」に関連して意見を4点、「基本的な指針の論点整理のポイント」の修正案とその理由を1点、計5点について意見を述べさせていただきます。

1.「こどもの権利擁護」

こどもの権利擁護の重要性は、幼稚園教育要領、保育所保育指針、児童福祉法、児童の権利条約等で言葉を変えながら明記されております。中心となる考えは、こどもは心身ともに未発達な状態であること、彼らの生命の保持、人格形成には安定した養育を提供する大人(養育者)の存在が不可欠であること等を十分に理解することにあります。こどもは未発達な状態であり、その置かれた環境に応じて養護される権利を持つ主体であり、人格・人権が尊重されることは彼らの権利です。

2.「こどもの発達保障としての権利擁護」

こどもの権利条約では、こどもの意見表明権が明記されています。こどもによっては、泣くこと、いやだと拒否すること、かんしゃくを起こすことなどネガティブ感情表出が多くを占めている時があります。ネガティブ感情表出に対峙する養育者は、それを意見表明として尊重できるよう、より丁寧なこどもへの関わりが求められます。

社会・情緒的機能の発達では、できないことが許されるといった愛着理論に基づく大人の関わりが注目されています(図1)。社会的には、できるようにする、だけでなく、できないことを許す(次の頑張りに活かす)といった理念の形成が必要だと考えます。

3.「こどもの権利侵害:不適切保育」

現在の幼児教育・保育の現場は多機能化が求められる一方、教育・保育施設における「不適切な保育(虐待等が疑われる事案)」が社会的に注目を集めるなど、就学前のこどもの育ちを保障する環境に対する社会の眼は厳しさを増していると言わざるを得ません。

不適切な保育については令和2年度に厚生労働省が実施した調査研究が報告されています。回答のあった自治体は、不適切な保育の行為類型が明確でない(66~82%)、研修が実施できていない(52~80%)となっており、教育・保育を支える仕組みが社会構造的に未整備であることが明らかとなっています。

4.「こどもの権利を擁護する環境整備」

教育・保育関係者が、こどもの発達保障と権利擁護の関係を十分に認識しておられることは疑いの余地はありません。しかし一方で不適切な保育が生じる現実を直視する必要があります。既にふれたように、不適切な保育の行為類型等を把握している自治体は令和2年度で30%にも満たず、不適切な保育の防止を目的とした研修が実施されている自治体も少ないと言わざるを得ません。

こども家庭庁は、昨年12月に全国の保育所等を対象として不適切な保育(又はその疑い)・虐待の調査を行いましたが、保育所における結果は、市町村の不適切な保育の事実を確認したのが914件、身体的虐待などの虐待が90件となっています。結果を受けてこども家庭庁は5月に「保育所等における虐待等の防止及び発生時の対応等に関するガイドライン」を発表しました。これまで規定されていなかった「不適切な保育」の考え方が明記され、その予防策や発生時の対応が提示されるなど、この問題の対策について前進が見られる内容となっています。

ガイドラインを中心に、自治体と教育・保育が一体となり、こどもの権利を擁護するための環境を整備することは急務であり、今後はガイドラインが保育・教育現場の実情に合うよう改良が重ねられることが期待されます。こういった環境整備により、教育・保育者が自らの保育を内省する機会となり、過信や責任転嫁が生じることを防ぎ、結果として教育・保育の専門性を高めることにつながります。

5.「論点整理案の修正」(案)

(変更の提案)

部会第2回(6/14)参考資料1「幼児期までのこどもの育ちに関わる基本的な指針(仮称)の策定及びその実施に向けた論点整理案」の「目的(就学前のこどもの育ちに係る基本的な指針に関する有識者懇談会等で示された論点整理(2022.3.30)のポイント)」の1行目について、修正を提案いたします。

原文「こども基本法の目的・理念に則り、こどもの心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、」を修正案「こども基本法の目的・理念に則り、こどもの心身の状況、置かれている環境に十分に配慮しつつ、」に変更されることを提案いたします。

(理由)

全てのこどもを対象に心身の健やかな育ちを保障するためには、こどもが置かれた養育環境への視点は欠かせません。全てのこどもの権利が守られるとは、養育環境が理解され、その環境に十分に配慮されたうえでのwell-beingが保障される必要があります。

例えば、教育・保育プログラムで伝統的な家族文化(形態)に合わせた記念日的なプログラム(母の日、父の日等)が行われる場合には、社会的養護(社会的養育)下にいる家族と生活ができないこどもを含め、多様な家族形態や養育環境にいるこどもに十分な配慮が求められます。ひとり親、ステップ・ファミリー、里親、外国籍、親の疾患や障害等、様々な家庭環境にいるこどもたちの育ちと権利をどのように守るのか、社会的な議論がされなければなりません。

この部会において、教育・保育者が多様な養育環境に育つこどもの権利擁護をしっかりと意識するための指針(方針)の提示と、そのための課題を明らかにされることを期待しております。

以上、些末ですが意見を述べさせていただきます。よろしくお願いいたします。

代読させていただきました。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

ここで3名の委員及び前回の有村委員、鈴木委員に御発表いただいた内容につきまして質疑の時間を設けたいと思います。それでは、御質問がございましたら「挙手ボタン」にてお願いをしたいと思います。御発言時は、どの委員への御質問かを改めて言っていただけましたらと思います。

加藤委員:すみません。職員室でZoomしていたので、園の職員に声を出さぬように注意喚起した声がミュートを外しており、委員の皆様に流れてしまいました。お恥ずかしいです。

秋田部会長:加藤委員、お願いします。

加藤委員:今、様々な先生方からのプレゼンをいただきまして、様々な論点がありました。一つはこどもの育ちにとってのネガティブな環境リスクをどう是正していくかということ。社会保障制度をどうするかとか、保護者のニーズにどう対応するかとか、あるいは保育所や幼稚園という機能をこれからどう考えていくのかというような側面です。それから、今、倉石委員からいただきました保育の質といった場合に、定量的な質はよく語られるのだけれども、ちょうど関わりという、関わりの質やそれを担保する研修の在り方という側面。そして、古賀委員からお話をいただきました、こどもにとっての、あるいはこどもという立場に立っての、こどもという人生の主体者をどう育むのかという側面です。そのときに、こどもと保育者を含めた環境の関わりの重要性というものをお示しいただいたのだろうと思います。いわゆるこどもの育ちという教育的な側面について、指針において最も大事な視点だろうと私は思いました。

そこで古賀委員に質問ですが、この指針において先生のお考えを反映していくとすると、どういうところにさらなる付け加えやポイントがあるのかということをもう少し踏み込んで教えていただければありがたく存じます。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

古賀委員、この点についてお願いをいたします。

古賀委員:御質問ありがとうございました。

指針においてということで御質問いただきましたけれども、今日私が1点付け加えさせていただきましたバイオサイコソーシャルの図を再配置するということで置き直した理由は、こどもは意味生成者であるというようなことで提唱させていただきました。

今回のこども指針につきましては、共有をもう一度させていただきますけれども、安心と挑戦の循環というところで示されている内容に関わってくると思うのですけれども、挑戦の内容であるとか、こどもが環境との相互作用の中で非常に重要だというところが、安心のところが強調されて、そこが少し弱いような印象が私の中ではありましたので、こどもというのは安心・安定を基盤として、そこから挑戦に向かっていく。その相互作用の中で、安定した関係形成、意味生成というところに向かっていく存在なのだということが記載されていてほしいなと思った次第です。

お答えになっているでしょうか。

加藤委員:ありがとうございます。

私自身は、保育者というありようが、安心を提供して、また挑戦とか、こどもたちが意味生成をするための様々な環境を構成していく大事な役割であると思っております。さらにそこを基盤にしながら、その実践を保護者に伝える。幼稚園や保育所におけるそういう関わり方がみんなに伝わっていくことによって、よりよい保育環境をつくり、人としてちゃんと人権が尊重でき、こどもを大事にできるような社会になるのだと思います。そのスキルが幼児教育の環境構成に結びつくので、指針の中でもしっかり持っていたいなと、これは自分の意見として思います。

以上です。ありがとうございました。

秋田部会長:どうもありがとうございました。

古賀委員、何か補足がありますか。

古賀委員:非常に大きなところで今日はお話をさせていただいておりますので、これが様々な細かいところに利いてくるようにと願ってのお話をさせていただきました。

ありがとうございました。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、高祖委員、お願いいたします。

高祖委員:児童虐待防止全国ネットワーク、高祖です。

意見と質問をさせていただきます。

倉石委員のほうの中で、こどもの権利を擁護する環境整備というのはすごく大事かなと思っております。不適切保育と挙げられているところでも、ほぼ虐待であろうというような案件も見受けられますので、保育に限らず学校教育の現場においても、まだまだ体罰も行われているというところもありますし、保育・教育、こどもを支援するというか、こどもに関わる人たちに対してのこどもの権利というところでの学びはぜひ組み込んでいくべきかなと思っています。

あと、横山委員からの発表の中ですけれども、これも意見ですが、こどもまんなか応援サポーター“キャラバン”は大変重要かなと思いますけれども、講習会を行うだけでは本当に支援がなかなか届きづらいというか、自分から積極的に行けない保護者の方々には届かないと思っております。国のほうでも今、提示されておりますけれども、伴走型支援やプッシュ型の支援、さらに介護のケアマネというか、フィンランドのネウボラおばさんみたいな感じで、担当でこれこれが使えますよというようなところが大事かなと思っています。

もう一つ、未就園児のというところもありましたけれども、今、報道されている神戸の6歳児死というのもありますが、保育所の長期欠席児への対応というところで、もうちょっと制度というか指針というか、整えるべきかなと。何日以上の欠席に対しては所在確認というようなところを含めてすべきかなと思っています。

古賀委員に質問です。こどもの育つ環境とアタッチメントというようなことも観点としていろいろ教えていただいてありがとうございました。その中で、一時預かり事業というところで、こどもとの愛着形成は意図できない保育であることに由来ということもありましたが、一時預かり保育に対しての何かもっとこうしたらというか、こういう視点が必要というところがありましたら、ぜひ教えていただければと思いました。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

古賀委員、回答をお願いします。

古賀委員:ありがとうございます。

一時預かり事業につきましては、加藤さんの研究を引用させていただいているのですけれども、ふだん私が関わっている園で、これまでの経緯、いろいろな例えば2歳児の保育をやってきたのだけれども、週に2日通うとか3日通うとかいうようなことをやってきたときに、1年間ずっとこどもが落ち着かないというような状況があって、それよりもしっかりと通うということであるとか、しっかりと親子を両方サポートしていくという形で整理をしていくと、親子も安定するし、こどもも安定するというようなことが見られていきます。

ですので、こどもだけを週何日かちょっと預かるというのは、保育者の負担も、そして家に帰ってから、こどもが例えばトイレにまでついて回るとか、そういった不安定感が増すというようなことも出てきますし、一時預かりの在り方というのを、もう少し安定したものに。坂﨑委員からもそういった御提案が一部入っていたと思うのですけれども、一時預かりの事業をもう少し安定化するような在り方をこれから検討すべきではないかと個人的には考えております。

以上です。

高祖委員:ありがとうございます。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、柿沼委員、お願いいたします。

柿沼委員:3人の先生方、ありがとうございます。3人の先生方の意見、本当に共感することばかりと思っています。

私のほうからは、意見と少し質問という形でと思っています。

まず、横山委員からお話があったところなのですけれども、私自身、利用者支援事業をやっている立場から話させていただくと、利用者支援事業が今なかなか全国的に機能していないのかなと感じています。利用者支援事業自体が、保護者の相談だったり、子育ての案内機能だったり、関係機関連携というものがあって、地域の関係機関と連携をして様々な社会資源とつなげていくという役割がありますので、この利用者支援事業が、多機能化していく施設に附帯される等、地域の窓口となっていくのであれば、先ほどお話ししていたところの情報が届かなかったりとか、情報があっても使えないみたいなものが改善されていくのかなと思っています。

ただ、財源自体を市町村が出すかどうかみたいなところもありますので、利用者支援事業を身近な場所でというところ、例えば、私共が所在する久喜市が約15万人なのですけれども、利用者支援事業を一般型でやっているうちのみなのです。そうすると、1つの利用者支援事業で15万を網羅するというのはなかなか厳しいので、やはり身近な場所でという子どもの生活圏で利用者支援を使えるようにしていただくといいのかなと思っています。

また、苦しい状況にある家庭の方は、文章が読むことが苦手な状況の保護者の方が多いように感じています。文書でとか、ネットでとか、いろいろあるのですけれども、文字に対する拒否感が出てきて、使えるものも使えなくなってしまうので、伴走型みたいなもので、生まれてから寄り添ってくれて、文字等に拒否反応を感じる方でも丁寧に教えてくれる方の存在が必要になるのではないかなと思います。

次に、古賀先生と倉石先生の意見は本当にそのとおりだと思っています。先ほどの保育団体さんやこども園の団体さんの意見のところでもちょっとあったので、そこで言おうかと思ったのですけれども、私自身も、認定こども園を中心として多機能型の支援を10年ぐらい行っています。ただ、これが進んでいくと、あくまで保育や幼稚園、こども園というものが社会資源として活用できることを前提になのですけれども、今の状況で多機能化していくと、非常に怖さを感じています。するべき内容が多岐にわたることで、職員が疲弊していったり、地域のことをやっていくと要保護家庭だとかにぶつかっていくので、それなりのスキルが必要になったり、そうすると今の保育の給付の中でやっていくと、今、在園しているこどもたちの処遇を下げたり、または職員を財源なく働いてもらうような状況になったりみたいなことになっていくので、これは自分の反省も踏まえて、現行制度や財源のままで多機能を進めると、かなり厳しい状況になっていくと思っています。

色々とこどもの社会課題が出てくると、保育事業者の皆様は、こどものためにと思ってやるのですけれども、まず根幹となるのは在園しているこどもたちの保育、そしてその保育の質を高めていくということがまず前提となるので、それなりの財源をきちんと入れて、また寄附とかという駒崎さんの話もありましたけれども、それは全部の事業者が対応できるものではないと思いますので、きちんとした安定財源を入れて、保育は保育、地域は地域といった専門的なものを分けて関わっていかないとならないなと考えています。

また、先ほど古賀委員がおっしゃったように、保育内容でも、親のニーズが英語や早期の教育といったものにどんどん移り変わっていくというのがあります。これからこどもの指針というものを考えていって、就学前のこどもの指針をつくって、保育指針や要領につなげていくといったときに、地域の方、在宅の方のものは、こどもの発達やこどもの育ち、遊び、集団性だとかを理解していくことになります。今現在、保育園やこども園、幼稚園の中でも、今の指針や要領と少し逸脱しているような保育がある中で、それをつなげていくということを考えていったときに、保護者からするとどちらを信じていいのかみたいなことで迷いも出てくるのではないかなと思います。それなので、私たち保育事業者も身を切る覚悟で、こどもの発達や指針に準じて保育をしていかなければいけないと思っていますが、その辺りで何か指針ができた際のつながる方策みたいなものを御教示いただけたらありがたいなと思います。

まとまらないですみません。

秋田部会長:ありがとうございます。

これは古賀委員への御質問ということでよろしいですか。

柿沼委員:そうです。

古賀委員:保護者とつながるということでしょうか。こども指針と要領指針がつながるということですか。

柿沼委員:今現在、いい指針や要領があるのですけれども、保育事業者の中でも親のニーズに沿ったような保育をしているところがあって、この就学前の指針が、こどもの育ちやこどものこういうものが大事だよねという話が出たときに、保護者としては、保育園や幼稚園に行ったときに、今まで指針として聞いていたものと保育内容が違ってくるような感じを受けることもあるのかなと思うので、ナショナルカリキュラムを目指していくのであれば、保育事業者さんに対して何かいい方策みたいなものがあったらいいかなと思うのですけれども、その辺り、もし御意見があれば。

古賀委員:ありがとうございます。

非常に難しいところで、いつもそこは頭を悩ませていると言ってもいいかもしれませんけれども、要領、指針は平成元年に大きな改定があってから、もう30年以上たつわけです。

そこで遊びを中心としたというふうになっていないところもあるというような状況があるとすると、そういったことを、親のニーズを受けてそうなっているというようなことも聞かれますし、園の伝統・歴史としてそうなっているというようなことも聞かれますが、ここで考えなくてはならないのは、こどもの権利として、遊ぶということが権利主体としての権利行使の一つなのだということをしっかりと社会も、それから幼児教育施設側も学ぶということが求められると思いますし、基本的にはそれを十分に保障していくという世の中の風土といいますか、文化醸成と申し上げたのは、そこがまず基本線としてあって、ではどうしようかということを社会と一体となって対話していくようなことをつくっていかないと、今までこうだったからというところが変わる、エンパワーメントするには、本当に本気で私たちも社会を変えていくということをやっていかないといけないのではないかなと思っています。

ありがとうございます。

柿沼委員:ありがとうございました。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

それでは、続きまして、安達委員、お願いいたします。

安達委員:ありがとうございます。

前回に引き続き、多くの先生方から貴重なお話をいただきまして、現場の課題や問題、それからどうしていったらいいのかということを大変勉強させていただいております。

私からは、古賀先生に御質問というか御教示いただきたいなと思うのですけれども、今回、全体の話を聞いていて、大人というか、こどもに関わる全ての人、また関わらない人が、しっかりとこどもを理解していくことが非常に重要だなということを改めて認識しております。

今回、先生がお示ししてくださいました幼児の生活アンケート、私は助産師をしておりますので、この結果が発表されたときに、そうだよなという納得とともに、私たち自身がどう対応していけばいいのかというところが非常に話題になった結果でもありました。その中で一番は、子育ても大事だが、自分の生き方を大切にしたいと思っている方の割合が年々増えていっている状況があるかなということがあります。保護者といいますか、養育者の方々のニーズも変わってきている。私たちは今、伴走型支援というのが始まりまして、比較的多くの方々に妊娠期から会うチャンスが増えてきています。そういう中でぜひ古賀先生から、1回では無理だと思うのですけれども、どのようにこどもへの理解を促すというか、そういうようなことをこれからどう考えていけばいいのかということを御教示いただけるとありがたいかなと思います。

よろしくお願いいたします。

秋田部会長:古賀委員、お願いします。

古賀委員:ありがとうございます。

私、今日は時間の関係で資料が出せなかったのですけれども、親子で通うほうの子育て支援というものも継続的に調査をさせていただいております。その中で、子育てというよりも、親同士が本当に関わることもできないというようなところから、こどもって面白いね、こどもってこんなふうな面白いところがあるんだね、楽しいねという、子育てが楽しいと感じられるようになるまで、長いことをかけて継続的に支援するというような場を幼稚園などが開いていることにすごく意味があるなと思っています。それがセンター化の一つと言えばそうかもしれないのですけれども、継続的に関わりながら、だんだんと親子をほぐしていくようなことをどこかが担っていくということはすごく重要なことかなと思います。全ての園が全てを担うという多機能化をするのは、柿沼さんがおっしゃったみたいに本当にとても大変なことなので、地域の中で連携し合いながら、コミュニティーとしてそれをどこが担うのかというようなことを明確にしながら、どこかに行けば必ずそれがあるというようなことを各自治体で保障していく、そのような流れが必要なのではないかなと考えております。

ありがとうございます。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、ほかに御意見等はございますでしょうか。

例えば前回、鈴木委員や有村委員は質問される側という形になっておりますが、御意見等を今日のことについていただくというようなこともありだと思っております。いかがでしょうか。

鈴木委員、お願いいたします。

鈴木委員:もうてっきり私は役目を果たしたと思って、今日はとても安心して参加をさせていただいたのに、いきなり秋田先生からそのようなお話があり、ちょっと身の縮む思いでした。

今日は本当に団体はじめ6人の先生方、ありがとうございました。

意見としてというよりは、感想として申し述べさせていただきます。

宮﨑先生の保護者の多様な受け止め方というのは、まさに本当にそうだなというのをすごく感じていて、今、古賀委員がおっしゃったように、親子で楽しむ時間・空間の大切さみたいなものをすごく感じている保護者もちゃんといるというところを前提にしていただきたいというところはあります。

それから、「余白」のある環境整備、実は前回の発表で、場、環境、眠い子と寝たくない子がいる場が必要なのだという話をさせていただきましたけれども、まさに「余白」ということがすごく今、求められている。それは人的な問題でもあると思っています。

坂﨑先生の長時間保育に対する懸念は、まさに生活リズムを研究テーマとしてきた私にとってはそのとおりで、昼行性の動物であるヒトであるので、ここの辺は明和先生がおっしゃるとおりなのだと思うのですけれども、朝の光とともに起き、夜の闇とともに眠るというこどもの成長にどういう生活が大事なのか。それは親である大人もそうだし、一般の社会、今回私たちが理解を求めていくというか、考えを発信していく必要があると思います。対象である社会全体の大人に対してもそうだなと思っております。

保育の施設の多機能化に関しましては、1つ懸念としては、先ほど柿沼先生もおっしゃっていましたけれども、私は今、実はそういう施設に関わっていて、何が大変かといったら、保育のローテーションが非常に目まぐるしくて、保育者自身が疲弊していく。そして、研修を積む場がないのです。場と時間がない。だから、どうしても目の前のこどもが見えなくなっていくというところに対して、とても私は懸念を持っています。
もちろん必要だということは重々分かっております。けれども、それをどういうふうに切り分けるか、あるいはつないでいくのかということに関しては、さらなる検討が必要だと今日改めて感じました。

以上でございます。失礼いたしました。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

御意見をいただきました。

有村委員、お願いいたします。

有村委員:ありがとうございます。

私も鈴木先生同様、もう前回お話ししたので、これでいいかなと思っていたのですけれども、今日のお話、先にお話しいただいた3団体の先生方、それから今日御参加いただけなかった先生方も含め、古賀委員はじめ先生方のお話も本当にそうだなと思って聞いておりました。

質問というか、感想というか、自分が考えながら聞いていたところで言うと、子育てに関しての責任の所在というところが結構大きいのかなと思います。私の場合で言うと、昨年度、障害の児通所支援の検討会等に入らせていただいておりました。自分自身のこどもも障害児の通所支援を使っていたわけです。都市部で見ていると、お母さん方の横の情報のほうが多いわけです。その中でどうしていこうか、焦りだったり、例えば就学前にしても、どこに行けばいいのかということなども、園とか様々なサービスから受け取るところもありますが、むしろお母さん同士がお互いに情報を共有しあうところが大きいです。自分たちが親としての責任を果たしていく、役割を果たす、つまり決定するというところも含めて、すごく責任が大きいのだなと思ったということがあります。

特に私は親でもありながら、半分、そういう意味では子ども家庭福祉等の講義もやっています。虐待なんかの話も、私自身が講義も行っていた立場で、自分自身が親になって見たものが、研究やサービスを考えることとは全く違う次元で大変さというのがすごくあるのだなというのは思ったところです。

就学前の障害児通所支援事業の利用者の数が急増しているところもそうですし、そういった意味では、責任の所在というところを改めて今日のお話でも考えさせていただきました。その前に、特に今回御欠席の横山委員のお話のところ、そこの部分の情報をどうしていくのかということもありますし、駒崎さんのお話からも、保育園もそうですけれども何か実施していくときの権限とか範囲、自治体さんも恐らくその事業に対してお金をきちんと使われているということを説明しないといけないからこそだとは思うのですが、そういったところで改めて責任とか権限の在り方みたいなものも考え直さないといけないと思いました。

あとは感想になりますけれども、多機能化というところで、社会的養護等の例えば児童家庭支援センターなどの地域の資源と連携する仕組みなど、地域の中の協議体も気になりました。例えば要保護児童対策地域協議会があるわけですけれども、地域の中でこどもに関して、もちろん全体的な地域共生社会の立てつけもありますけれども、こどものところもより強化して議論したり、情報共有したり、ノウハウを提供し合ったり、それが日常的にできるような協議体みたいなものも必要なのかなと思いました。

ちょっと長くなったかもしれませんけれども、感想も含めましてお話しさせていただきました。ありがとうございます。

秋田部会長:どうも御感想と御意見をありがとうございます。

それでは、続きまして、吉田委員、お願いいたします。

吉田委員:吉田です。

これは意見ということでお願いできればと思うのですけれども、特に古賀先生のお話を聞いていて、一親として非常に考えさせられる課題であり、そういった方向性を明示していただいたというのは非常に大事かなと思っています。

僕自身、3児の独り親なので、そういった意味で、特に未就学児を2人抱える中でシングルファーザーをやっていて、正直こどもに対して、ある意味、文字の習得だとか、もちろん数の問題を含めて、そこまで思い至ることすらできなかったというところが大きくて、本当はもうちょっとそういうことも含めて何かやってあげたりみたいな思いもあったのですけれども、まずは生活をどうにかしなければ、まずは今日の生活を、どのようにこどもたちの今の成長をまずしっかり支えていくかというところが自分にとってはそこがありきだったので、正直そういった部分はもう小学校に上がってからでいいやみたいな思いでいました。形としては、結果としてよかったなと思うのは、未就学児の間にある意味そういうことも含めて、こどもにとっての選択がなされないまま、そういったものを習得させようとする力が働いてしまうことによって、まさにこどもの選択力を逆に弱めてしまっていくことになってしまうのではないかなというのを、今回、古賀先生の話を聞いて改めて感じたところです。

保護者の役割として、何を目指して育っていくべきかということを方向性としてしっかり明示していくことが大事だと思いますし、まさに文字とか数に対しての習得が必要と思っている特に母親たちが増えているというのは、僕としては末恐ろしい気持ちになってしまったというところも事実としてあります。

まず、保護者自身が人間らしくあること。それに対して、こどもをどう扱っていくか、こどもをどう育てていくかというところに向き合っていかないと、結局こどもに対してのある意味、教育虐待というのが進んでいってしまいますし、逆に、こども誰でも通園制度というのが始まってしまうことで、文字とか、数とか、そういう教育に対して、もっとそこも早くしていこうみたいな考え方が極端に広まっていかないようにしていくことが重要かと思います。それに対して、一番大事な要素である遊びというところが中心となってこどもたちを支えていくのだよというのをまず前提に置いた上で、こどもたちを支えていくということをしっかり明示し、それがまた親に対してこれでいいのだという安心感につながっていくということにつなげていってほしいなと思いました。

ありがとうございます。以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

それでは、大豆生田先生、今日はこちらで御参加です。お願いいたします。

大豆生田部会長代理:今日はありがとうございました。

前半の話では、本当に大事な視点満載で、特に社会全体でこども・子育てを支援するということをどう本気でつくっていくのかということのたくさんの御示唆をいただきました。

中でも、「こどもまんなか社会」をつくるということは、それぞれの自治体、町のニーズから、園や支援拠点も含めてだと思うのですけれども、それは多機能化ということでもあるのですけれども、本当に新たな仕組みということを考えつつ、このことを進めていくのだということのたくさんの御示唆をいただいたと思っています。ありがとうございます。

それを受けて、後半です。特に古賀委員のところを基盤にお話をさせていただきたいと思うのですが、まさにこどもの視点のところからお話しくださいました。遊びを通してこどもが主体的に生きる権利のことをお話しくださいました。中でも1つ目、とても大事だと思っていたのが、私もずっとここのところをどういうふうに記述されるかということが、安心と挑戦の循環のところです。アタッチメントが基盤となりながら、挑戦に向かうというのが、環境との相互作用の中で生じるというところを明確にお話しくださいました。それは言い換えれば、遊びが育ちの中でも学びの側面であり、見知らぬ世界、社会、文化とつながっているという視点をどういうふうにしっかり記述するかということでもあります。

それは先ほど親たちのデータとしても示してくださっていた、親たちが今、遊びは大事だとは思っているだろうけれども、でも遊びは単に遊びに過ぎないよねと過小評価されている可能性もあります。遊びが育ち、学びとつながっているということを、どういうふうに説得力を持って示せるかということがどれほど重要かということを思ったというのが1点です。

そして2点目が、安心と挑戦の循環の中で、どれほど社会情動的スキルのことが知られているだろうかという問いかけも改めて重要なことで、これほどエビデンスも含めて重要だと言われていることをどういうふうに明記するのかということもとても重要な点だと思いました。

それから、3点目です。誰でも通園制度のことが、ともすると前半の中でも問題提起されていたように、サービス化してしまう危険性も場合によってはあり得ると思います。こどもの視点に立ったときに、一方で、そのことは大事なことです。多様な支援があることが大事。けれども、もう一方で、親のコミットメントだとか、明和委員が、親の育ちを支えるということを述べておられましたが、そのことも含めて、どういうふうに明記するかということの大事さ、つまり、こどもが育つことと、親が育つことと、こどもに関わる人たちが共に育つ、協働的な学びということをどういうふうに位置づけていくかということが大事だということも改めて思いました。

それから最後、4点目。前半の団体の方々のプレゼンの中でお話しいただきましたが、保育時間の問題です。これは親の働き方とも関わってくるわけですけれども、長時間保育の問題をどういうふうに考えていくかということも重要なテーマになるなと思っています。

私からは以上です。

私の感想、意見でした。ありがとうございます。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

稲葉委員、お願いいたします。

稲葉委員:障害児を育てている母として参加させていただいています稲葉です。

今日は先生方の貴重なお話を聞かせていただきまして、大変勉強になりました。一感想なのですけれども、保育園の多機能化、ハブ化、非常にすばらしいなと思います。効率的なことが私は個人的にとても好きなので、皆さんのこどもを思う気持ちがうまく形になったらすばらしいなと思うのと同時に、この意見を聞かせていただいて、やはりそれには安定的な財源がまずは必要なのだろうなということ。そして、国がちゃんとやってください、そして各自治体で困り事をなくしてくださいという御意見があったと思うのですけれども、各御家庭の困り事をどういうふうに拾っていくことがまず大事なのだろうと。つまり、困り事を拾うことのどこファーストが一番いいのだろうなということを考えながら聞いていました。

全てのニーズに対応できないということは分かった上で、各御家庭から出る困り事をどう自治体、そして国で情報共有していくことができるのかなと。例えば地域で必要な困り事を拾うために、家庭が発言できる場、そして家庭の困り事をどう拾うことができるか、それをまずつくっていくことが必要なのかなと思ったことと、もう一つ、社会保障制度の利用が認識されていないというところで、障害児を育てている親として、以前もお話ししたかもしれませんが、障害児が生まれました。実はこういったサービスが利用できますということは口コミなのです。口コミというところが非常に多くて、これは本当にもう少し何とか、この令和の時代でこれだけネットワークが広がっている中で、情報の入手がなぜ全国一律でされていないのだろうかというのが非常に不思議でならない。

先ほど資料の中で、千葉市に「あなたが使える制度お知らせサービス」というものがある。どうして全国的にそのサービスのつくり方が共有されないのだろうという歯がゆさはありました。なので、社会保障制度の利用も含めてですけれども、障害児を持つ親御さんが利用できるサービスの情報の全国的な一律というものも、これから地域の子はみんなうちの子といった気持ちがみんなで実現できるように、そういったところもぜひ織り込んでいただけたらなと思います。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

ほかにはよろしゅうございますでしょうか。大丈夫でしょうか。

若干時間があるようなので、私のほうも個人的な感想を述べさせていただければと思います。

今日、まず前半で宮﨑さん、駒崎さん、坂﨑さんのほうから出されていたことの中の、多機能化ということが、先ほど皆様も言われた各地域のニーズがかなり地域によって違ってきていますので、そこをどうやって地域ニーズをくみ取るような仕組みをつくるのかというようなことが大事かと考えます。地域の子ども・子育て会議が子ども・子育て支援新制度ができたときつくられてはいますが、それがうまく機能しなくなってきている地域もあります。もう一度改めて、それがどういう場であるのかということを明確にデザインをし、伝え、地域の方々の声がうまく反映できるような形を考えていくことが必要です。先ほど明和委員や大豆生田委員も言われました、地域で親も子も共に育つ共育ちの場であり、共に学び育っていく、保育の関係者も皆育っていく場であるというような形の位置づけをするとか、先ほど駒崎さまが言われた、1つの施設をバリューアップではありませんけれども、いろいろな形で使えるためには何が必要なのかということがとわれています。今かかっている規制の中で、何は緩和し、何はこどもの視点や親の視点から守らねばならないのかということを明確にしていくことが今後さらに必要になるのだろうなと思います。こども食堂だとか食育の話などを伺いながら、こどもたちにとって本当に必要なことは何かということをそれぞれの地域ニーズに応じた形で考えていくことが必要だろうと伺っていて思いました。

ただし、2点目として、多機能化ということが、園であったり、それから保育者の疲弊を招いていっているという現実に対して、どういうふうに業務を切り分けたり考えていくのかが大事です。そして、その辺りについて今後、それがサービスとしてのニーズではなくて、通うこどもたちがどの子もよかったと思えるような、通常の保育だけではないところにおいても育ちの質ということを考えたときにどうあったらいいのかということを考えていく必要があるだろうと思います。

こども誰でも通園制度は、いわゆる補助金の事業ではなく給付であるというところが、今後、全国的に実施されるにあたって、これまでの多機能サービスと違う大きな特徴になっているわけです。そこを私どもはどういうふうに考えていったらいいのかというところが本来的に検討が必要なところではないかと思います。

古賀委員が、園活動参加型子育て支援においても、親子通園で親が一緒に学んだり育っていってこどもも安定していくというものと、こども預かりタイプの特に一時的に緊急のときの預かりとしての機能というのは重要でありますけれども、それではこどもにおいてどうなのかというような問題も提起くださっています。そういう中で、施設設計はここの部会の担当ではないと思いますけれども、私たちは、こどもの視点からそういうものをどういうふうに考えていくのかということが議論されていかなければならないのではないかと思いました。

そして、どこにおいても園という場所や地域のこどもがいる場所で関わるときに、古賀委員から御提案があった安心と挑戦の挑戦の部分をどういうふうに考えていくのかというところであり、それが遊びであろうと思います。遊びが意味生成であろうということは、本当に間違いのないところであります。

一方で、意味生成の意味というものをこどもがどう表現するのかということをきちんと考えていく必要があるだろうと思っています。それが時に誤解があって、こどもの発言とか言葉で言われるものではなく、遊びというのは身体で積み重なって、その後、また身体的により高次の遊びになっていったりしていくわけです。こどもが何か語ったことが意味生成というふうな理解は、小学校以上のときには議論されるかもしれないのですけれども、この辺りが幼児期までの育ちのところで押さえなければならないところだと思います。

たまたま先日、大豆生田委員や私は国連子どもの権利委員会の元委員長の大谷先生の話を聞く機会があったのですけれども、「意見表明権」とこども基本法でも翻訳されたりしていますが、あれは意見表明の「意見」の原語はオピニオンではなく、英語ではビューであり、乳幼児がどう見たり感じたりしているのかというビューなのだけれども、それが日本語で省庁に翻訳されたときに「意見」と訳されるようになった。意見表明と出されている。しかしながら、私たちはこどもがどう感じ、どんなふうなまなざしでこどもが言っているのかということを聞き取る、そういう権利を乳幼児期は持っているのだとご説明くださいました。特に遊びの部分に関して言うならば、こどもの言ったことで活動が何か意味が与えられていると取るのではなく、まさに身体で遊び込んでいる。そして、経験が積み重なっていくことがどう変容しているのかということの声を大人側がどう聞き取るのかという、その権利ということを考えていくということが必要なところなのではないかと思ったりしているところであります。

そして最後に、こうしたことと、それをどういうふうに、国が例えば今後こういう方向がいいと指針を出したとしても、先ほど有村委員、古賀委員、吉田委員からも出ていましたが、ベネッセの調査結果データなどで今の親が何を求めているかということと、それからここでつくるもののタイムラグジレンマとOECDなどで呼んだりしますけれども、こういうことをすぐ言っても、それが一般に共有されるのにはタイムラグ、時間差が大幅に生じていきます。それでいいのか。むしろそういう親の方にも、どういうふうに参画をしていただきながら、実際に私どもが一緒にみんなで自分事でこの指針をつくっていけるのかというような方法的なところも議論をする必要があるのかなと私自身は伺っていて考えておりました。少し長くなってしまいましたけれども、今日は少し時間にゆとりを持って設定をしていましたので、お話をさせていただきました。

よろしゅうございますでしょうか。

ここまでで3名の委員及び有村委員、鈴木委員に御発表いただいた内容につきましての質疑の時間は終わりにさせていただきまして、会議は終了とさせていただきます。

皆様、スムーズな議事進行に御協力をいただきまして、誠にありがとうございます。

次回以降の日程につきまして、事務局より御連絡をお願いいたします。

高木課長:次回、第4回につきましては、7月10日月曜日、今のところ朝10時からという形にしております。また調整があったら御連絡します。原則オンラインによる開催を予定しております。よろしくお願いします。

以上でございます。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

駒崎氏:駒崎です。

最後に本当に短く1点だけ。

秋田部会長:お願いします。

駒崎氏:皆さんの御意見、大変勉強になりました。

1点だけちょっと気になったのが、親の責任という部分なのですが、私ども現場において、例えば親の知的障害であるとか発達障害、また境界知能の問題などに直面しております。本当に多様な親御さんがいる中で、どこまで親の責任や親のコミットメントというものを期待でき得るのか。フルスペックの親というのをどこまで期待するのかということは、我々保育者、支援者の間でよくよく議論したほうがいいかなと思います。どうしてもなかなかそうしたコミットメントができないような家庭に対しては、社会が親の機能を補完するような視点は欠かせないのかなと思いまして、そこの相克があるかと思うのですけれども、その視点も重要ではないかなと思いました。

すみません、1点だけ。

秋田部会長:ありがとうございます。

極めて重要な御指摘をありがとうございます。今後、また検討してまいりたいと思います。本当にありがとうございました。

今日、駒崎さまや宮﨑さまをはじめ団体の皆様も、御参加どうもありがとうございました。オンラインでの御参加、感謝、御礼申し上げます。

以上で閉会といたします。