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こどもの居場所部会(第1回)

概要

日時:令和5年5月17日(水)16時30分から18時30分
場所:こども家庭庁 22階庁議室
【オンライン配信URL】
URL:https://www.youtube.com/watch?v=Oa2sXroGxSQ

議事

  1. 部会長の選任等
  2. 内閣総理大臣からの諮問
  3. 関連委員会(令和4年度)の報告事項
  4. 意見交換
  5. 今後の進め方について(部会スケジュール・関係団体ヒアリング)

資料

議事録

山口成育環境課長:それでは、定刻になりましたので、ただいまから「こどもの居場所部会」第1回を開催いたします。

委員の皆様には、お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。

本部会の部会長選任までの進行をいたします成育環境課長の山口と申します。どうぞよろしくお願いします。

本日は、ウェブ会議にて開催をさせていただきます。 それでは、資料の確認をさせていただきます。

配付資料ですが、右上に番号を付しておりますけれども、資料1から4、参考資料1から3の計10点でございます。

資料1がこどもの居場所部会委員名簿、資料2、諮問第1号、資料3-1、部会スケジュール案、資料3-2、関係団体ヒアリング、資料4-1、こどもの居場所づくりに関する調査研究報告書、資料4-2、放課後児童対策に関する専門委員会とりまとめ、資料4-3、遊びのプログラム等に関する専門委員会提言、そして、参考資料を1から3まで3点配付しておりますので、御確認いただければと思います。

本部会は、原則として公開で開催し、資料及び議事録も公開することとしていますが、必要があると部会長が認めた場合には会議を非公開とし、また、部会長が認める範囲内において資料や議事要旨を公開することもございます。

また、今回の部会は、傍聴希望者向けにユーチューブでライブ配信をしております。

それでは、頭撮りはここまでとさせていただきますので、カメラはここまででお願いします。

それでは、委員の紹介をしたいと思います。本日は1回目ということですので、お手元の資料1で五十音順に、順次御紹介させていただきます。後ほどお一人ずつで御意見を伺う時間は別途設けておりますので、大変恐縮ですが、ここでは一言だけいただければと思います。

よろしくお願いします。 まず、文教大学人間科学部准教授の青山委員です。

青山委員:青山です。よろしくお願いいたします。

山口成育環境課長:工学院大学教育推進機構教授の安部委員です。

安部委員:安部でございます。よろしくお願いいたします。

山口成育環境課長:NPO法人ベビースマイル石巻代表理事、荒木委員です。

荒木委員:荒木裕美です。よろしくお願いします。

山口成育環境課長:認定NPO法人カタリバ代表理事の今村委員です。

今村委員:今村です。よろしくお願いします。

山口成育環境課長:新潟県立大学人間生活学部教授の植木委員です。

植木委員:植木でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

山口成育環境課長:NPO法人Lerrning for All子ども支援事業部エリアマネージャーの宇地原委員です。

宇地原委員:Lerrning for Allの宇地原です。よろしくお願いいたします。

山口成育環境課長:NPO法人あなたのいばしょ理事長の大空委員です。

大空委員:お願いします。

山口成育環境課長:立正大学社会福祉学部教授の大竹委員です。

大竹委員:大竹です。よろしくお願いいたします。

山口成育環境課長:特定非営利活動法人パノラマこども・学校連携事業統括責任者の小川委員です。

小川委員:小川です。よろしくお願いします。

山口成育環境課長:東京都調布市子ども生活部児童青少年課課長の菊地委員です。

菊地(英)委員:菊地でございます。よろしくお願いいたします。

山口成育環境課長:一般社団法人Masterpiece代表理事の菊池委員です。

菊池(真)委員:菊池真梨香です。よろしくお願いいたします。

山口成育環境課長:一般社団法人全国児童発達支援協議会理事の光真坊委員です。

光真坊委員:光真坊です。よろしくお願いいたします。

山口成育環境課長:特定非営利活動法人日本冒険遊び場づくり協会代表の関戸委員です。

関戸委員:関戸です。よろしくお願いします。

山口成育環境課長:松山東雲女子大学人文科学部准教授の友川委員です。

友川委員:友川礼です。どうぞよろしくお願いします。

山口成育環境課長:独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園診療部長の成田委員です。

成田委員:成田です。よろしくお願いいたします。

山口成育環境課長:甲南大学マネジメント創造学部教授の前田委員です。

前田委員:前田です。よろしくお願いします。

山口成育環境課長:一般財団法人児童健全育成推進財団企画調査室参事の水野委員です。

水野(か)委員:水野です。よろしくお願いいたします。

山口成育環境課長:大阪府大東市教育委員会教育長の水野委員です。

水野(達)委員:水野達朗です。よろしくお願いします。

山口成育環境課長:任意団体ACHAプロジェクト代表の山本委員です。

山本委員:山本昌子です。よろしくお願いします。

山口成育環境課長:東京大学先端科学技術研究センター特認教授の湯浅委員です。

湯浅委員:湯浅です。よろしくお願いします。

山口成育環境課長:ありがとうございました。

続きまして、事務局の政府側の参加者について御紹介をいたします。

小倉大臣は18時頃参加予定となっております。

また、こども家庭局成育局長の藤原ですが、17時20分頃から参加、また、同じくこども家庭庁長官官房審議官の黒瀬は17時50分頃から参加予定です。

その他の職員につきましては、紹介を省略させていただきます。

それでは、最初に、部会長の選任を行わせていただければと思います。本部会は構成員の互選により部会長を選任することになっています。

事務局といたしましては、昨年の社会保障審議会児童部会の部会長でもありました前田委員に部会長をお願いできればと考えておりますが、皆様、いかがでございましょうか。 (首肯する委員あり)

山口成育環境課長:ありがとうございます。 そうしましたら、御異議ございませんので、前田委員には恐れ入りますが、部会長をお願いしたいと思います。 それでは、部会長より一言御挨拶をお願いします。

前田部会長:皆様、こんにちは。ただいま部会長に選任されました前田でございます。

委員の皆様方の御協力をいただき、当部会の円滑な運営に努めてまいりたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは、まず初めに、部会長代理の指名を行いたいと思います。

こども家庭審議会令第6条第5項において、部会長に事故があるときは、当該部会に属する委員または臨時委員のうちから部会長があらかじめ指名する者がその職務を代理することとされております。

大竹委員を部会長代理に指名させていただきますので、大竹委員、どうぞよろしくお願いいたします。

大竹委員:御指名ありがとうございました。謹んでお受けいたします。よろしくお願いいたします。

前田部会長:どうぞよろしくお願い申し上げます。 それでは、議事に入りたいと存じます。 まず、議事の(2)内閣総理大臣からの諮問について、(3)関連委員会の報告事項について、事務局から御説明をお願い申し上げます。

山口成育環境課長:事務局です。

議題の(2)の総理からの諮問、それから(3)の報告事項について、一括して御説明をいたします。

まず、議事の(2)内閣総理大臣からの諮問についてです。資料2を御覧いただきたいと思います。

資料2は、総理からこども家庭審議会に対して諮問がされた諮問第1号の資料でございます。

諮問の内容としては、今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針及び重要事項等について、諮問理由については別紙のとおりということで、1枚めくっていただきまして、諮問理由が2枚目についております。

今年の4月1日に施行されたこども基本法では、こども大綱を政府は策定するというふうにされている中で、下のほうに「ついては」という段落がございます。

ついては、こども大綱の検討に向けた論点整理がまとめられたこども政策の有識者会議第2次報告書を踏まえつつ、今後5年程度を見据えたこども政策の基本的な方針や重要事項について検討をお願いします。

その下ですが、あわせて就学前のこどもの育ちに係る基本的な指針、及びこどもの居場所づくりに関する指針の案の策定に向け、具体的な事項の検討をお願いします。

その際、こども大綱の検討と十分に連携を図るようお願いしますということで、注2というのが次のページについております。

注2ですが、全てのこどもが、安全で安心して過ごせる多くの居場所を持ちながら、様々な学びや、社会で生き抜く力を得るための糧となる多様な体験活動や外遊びの機会に接することができ、自己肯定感や自己有用感を高め、幸せな状態で成長し、社会で活躍していけるようにすることが重要。

こうした観点から、「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」において、「こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)」を閣議決定し、これに基づき取組を強力に推進することとされていますということで、こうした内容につきまして、諮問がなされているところでございます。

本部会につきましては、参考資料3に部会の設置についてという資料がございますけれども、こどもの居場所部会につきましては、所掌事務として、1、こどもの居場所づくりに関する指針に関する調査審議ということになっておりまして、ただいま申し上げました諮問の内容につきまして、この部会で御審議をいただきたいと思っております。

それから、議事(3)関連委員会からの報告事項について、あわせて御説明いたします。

資料4-1を御覧いただきたいと思います。資料4-1は、こどもの居場所づくりに関する調査研究の報告書の概要であります。

この調査研究につきましては、昨年度、こども家庭庁準備室におきまして、こどもの居場所づくりに関する調査研究という形で進めたもので、今年3月に報告書が取りまとまっております。

その概要資料になります。

検討委員会のメンバーは、右下にございますけれども、本部会の委員にもなっていただいている方が多数入っておりますが、湯浅先生に座長をお願いいたしまして、この報告書をまとめていただきました。 その内容ですが、1ページめくっていただきまして、2枚目はこどもの居場所づくりの背景ということで、社会の変化を踏まえた居場所づくりの必要性、また、課題の複雑化・複合化、価値観の多様化に伴う居場所づくりの必要性、こうしたことを背景に居場所づくりについて検討した。

2つ目のポツにありますように、居場所の位置づけとしては、家庭、学校を含め、こども・若者が過ごす場所、時間、人との関係性全てが居場所となり得ると整理した上で、今回の考察の対象としては、共助または公助により成り立っている居場所を対象としたとしております。

その次のページですけれども、理念ということで、居場所づくりにおける理念については、こども基本法等の規定を踏まえ、心身の状況、置かれている環境等にかかわらず、こども・若者の権利の擁護が図られ、将来にわたって幸福な生活を送ることができることを目指すこと。

そして、こども・若者の居場所づくりにおいて大切にしたい視点として、居場所づくりにおいて重要なことは、こども・若者の主体性の尊重である。その場を居場所と感じるかどうか等は、本人が決めること。そうした観点から、こども・若者の声(視点)を軸に「居たい・行きたい・やってみたい」という3つの視点で整理をしたということで、この3つを大切にしたい視点としてまとめたということでございます。

その次のページですけれども、既存の居場所と言われているものについて分類をしたものでございます。ユニバーサル/ポピュレーションという分類から、下のほうに行きますとターゲット/ハイリスクという分類の軸の中で、ここに掲げておりますような多様な居場所について、それぞれ整理を一定程度試みたというものでございます。 上の点々の囲みのところにありますけれども、重要なことは、様々なニーズや特性を持つこども・若者が、おのおののニーズに応じた居場所を持てることであるということにしております。

そして、次のページですけれども、課題と対応策ということで、右側の対応策を見ていただきますと、対応策の1つ目として、こども・若者の声を聴き、こども・若者の視点に立った居場所づくり、そして2つ目として、居場所における支援の質の向上と環境整備、3つ目として、地域の居場所をコーディネートする人材確保、育成への支援、4つ目として、居場所づくりに取り組む団体を支援する「中間支援団体」への支援、5つ目として、官民の役割分担、こうした対応策を掲げていただいているところでございます。

そのほか関係資料がついておりますが、時間の関係で説明は割愛をいたします。

続いて、資料4-2を御覧いただきたいと思います。

資料4-2は厚生労働省の社会保障審議会児童部会放課後児童対策に関する専門委員会において、昨年度取りまとめられました委員会の報告書について御説明をいたします。

構成のところにございますが、これもこの部会に多数参加いただいていますけれども、柏女先生に委員長という形でお願いしたものでございます。

1枚めくっていただきまして、「放課後児童クラブ・児童館等の課題と施策の方向性」というタイトルで取りまとめがされております。

まず、放課後児童クラブにつきましては、1つとして、放課後児童クラブの待機児童対策として待機児童の様々な状況、例えばほかの事業を利用して安全管理下にいる場合等を踏まえて、待機児童の考え方の整理が必要。

学校敷地内や余裕教室、特別教室のタイムシェア等、放課後にふさわしいスペースの整備・活用の在り方についての議論が求められるといった内容。

2つ目については、放課後児童クラブと放課後子供教室の一体型の推進。

3つ目が、障害のあるこどものインクルージョンの推進。

4つ目がその他の課題として、学校との連携・協働や、事業所内虐待、福祉的課題への支援といった内容が挙げられています。

その次のページになりますけれども、児童館についてもワーキングを設置し、議論をまとめていただいております。児童館の現状と課題としては、児童館は唯一こどもが自ら選んでいくことができる児童福祉施設で、重要な施設であるということ。

そして、今後の児童館の在り方としては、1つとして、こどもの居場所としての児童館機能・役割の強化、2つとして、ソーシャルワークを含めた福祉的課題への対応、3つ目として、大型児童館を中心とした、地域における児童館全体の機能強化、そして4つ目には、児童館の制度についてということで、こうした形で取りまとめをいただきました。

一番下に矢印がありますが、こどもの居場所づくりにおいて、放課後の在り方について継続した議論が展開されることが望まれる。

こども家庭庁に、こども政策の司令塔として総合的な放課後児童施策を推進するための役割を期待する。

こうした取りまとめがされております。

最後に、資料4-3を御覧いただきたいと思います。資料4-3は、厚生労働省社会保障審議会児童部会遊びのプログラム等に関する専門委員会の提言でございます。

構成につきましては、右下にございますとおり、これも委員の方に入っていただいておりますが、大竹先生を委員長といたしまして、開催をしていただいたものでございます。

1ページめくっていただきまして、遊びのプログラム等に関する専門委員会の終了に当たってということで提言をいただいております。

1つ目の○ですが、令和5年4月1日にこども家庭庁が設置されることとなった。こども家庭審議会が置かれるということで、今年度をもってこの遊びのプログラムに関する専門委員会は終了するという中で、これまでの活動をまとめておきたいということでまとめていただいております。

1ページめくっていただきまして、2つ目の○ですが、こどもの遊びについては、児童館ガイドラインにおいて「遊びは、生活の中の大きな部分を占め、遊び自体の中に子どもの発達を増進する重要な要素がふくまれている」とされている。

さらに、児童の権利に関する条約の精神にのっとると、児童館をはじめとするこどもの居場所において、さまざまな遊びや文化的・社会的な体験活動は、こどもの心身の健康増進等、健全育成上、非常に有用であり、不可欠と言える。本委員会設置の経緯からも、遊びのプログラムに関する継続した検討が求められる。

また、本委員会では、こどもの意見の尊重や最善の利益の優先などの重要性について改めて確認し、児童館においてこどもが主体的に活動できるような取組についての議論もあった。こどもの主体的な活動について、事例収集等を行ってきたところだが、さらなるプログラム開発や普及啓発が求められている。

特に、児童館は地域に密着した施設であることから、地域社会と交流・連携し、社会資源を活用した遊びや体験活動の機会等を増やすことも重要。

以上のことから、政府においては、こども家庭庁設置後も本委員会での議論を踏まえ、引き続きこどもの視点に立った、遊びの重要性と、遊びのプログラム等に関する議論を行い、こどもの健全育成施策を進めていくことを期待するとされております。

以上が関連する報告事項の御説明でございます。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、次に、議事(4)にあります意見交換について、委員の皆様から自己紹介を含め、こどもの居場所についてのお考えや皆様方の思いについて御発言いただければと思います。

まず、大竹部会長代理に御発言いただき、その後、私から名簿の順に御指名させていただきます。

恐れ入りますが、お一人様3分以内でぜひできればお願いしたいと存じ上げます。

それでは、大竹部会長代理、お願い申し上げます。

大竹委員:大竹です。よろしくお願いいたします。

私の研究のスタートは、もともとは社会的養護の在り方ということで、乳児院とか児童養護施設とか里親の制度について研究してきました。

そして、自分のこどもが、今30歳になりますけれども、20年ほど前に小学校のPTA活動を通して、今まで要保護児童ということに関心を持っていたのですが、自分のこどもを通じて一般のこどもたちの育ちというところにもいろいろな課題があるということをそこで知りまして、関心を持ってきたと。そういったところから同時に、山村留学とか海浜留学というようなことを知り、山村留学の発祥の地の長野県八坂村、今は大町市になっていますが、そちらの育てる会の活動であるとか、あと北海道であるとか、あと沖縄の鳩間島とか離島のほうに視察調査等に行ってまいりました。

そして、近年では、先ほど御紹介がありましたように、遊びのプログラムとか児童館の在り方というようなところで委員会のほうに参加させていただいて、これらの活動を通じて、特にこのコロナ禍において、こどもの遊びの質の問題というところ。

先ほど遊びの意義ということがありましたけれども、改めてこどもにとっての遊びとは何ぞやというところ、私の感じとしては、やはりこどもたちはリアルな体験、そして五感を通じてとか、自然体験とか、さらにそれらを通じて感動するという、このことがこどもにとってはすごく大事ではないかと思っています。

そしてまた、居場所のところにつきましては、児童館について、これまで調査研究をやってきました。

児童福祉施設が12種別ある中で、保育所、認定こども園に次いで3番目の全国で4,400ある児童館を有用に活用していく。

既にある社会資源である児童館というものが、今後、こどもたちの居場所というところでは大きな意義、意味を持っていくのではないかと思っています。

さらに、今日、およそ135万人のこどもたちが学童クラブに所属しています。その中にあっては、いろいろな質の問題等もありますので、そういったところも今後、こどもということを考えたときに、これらのことについても私は関心を持ちながら、積極的な活用をするというような視点を持ちながら、この会の中で経験を踏まえて発言できればいいかなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。ありがとうございました。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、青山委員、お願い申し上げます。

青山委員:青山です。よろしくお願いいたします。

私は今、埼玉の文教大学というところの教員をしておりますけれども、もともとの専門は、いわゆる社会教育という分野なのですが、教育学の中での家庭や学校以外での教育を専門にやってきました。

その中で特に、社会教育全般やるのですけれども、こどもや若者に関する学校外での支援にずっと関心を持って研究したり、歴史的なことを調べたり、様々な実践に関わったりということをしております。

実践的なところでいうと、今でも夏は2週間のサマーキャンプのディレクターをしていたりとかしつつ、大学生と様々な地域のプロジェクトを展開したりですとか、ユースワークとか居場所というキーワードでいろいろな実践の方々と御一緒しております。

また、国の機関で国立青少年教育振興機構という、代々木のオリンピックセンターがあるところで、そこの青少年教育研究センターの副センター長を兼務しておりますので、そちらでこどもたちの様々な放課後ですとか体験活動の実態に関する調査などを政策と研究が一緒になって展開していくようなところでも関わらせていただいております。

いろいろなところでそんな政策や研究をやってきたという経緯がございます。

私自身、昨年度の居場所の検討会にも委員として入れていただきましたけれども、ずっと関心があるところは、もともと教育が専門ですし、体験とか遊びとか自分でもやるわけですけれども、もう一方で、教育的なことだけでは放課後や居場所ということはやはりうまくいかないだろうと思っていて、むしろ教育的な面を期待し過ぎないように、何か教育的なものとそうでないもの、教育と福祉だったり、ユニバーサルとターゲットだったり、いろいろなものを線を引くというよりは、つないでいくためのプラットフォームをどうつくっていくかということにずっと関心があります。 最近では、ヨーロッパのユースワークなどというところを毎年伺っていろいろ話を聞くこともしているのですけれども、何かこの分野でちゃんと枠組みをつくっていくというところに関心がありますので、これからの議論を勉強しつつ、いろいろ提案できればと思っています。

よろしくお願いします。

前田部会長:ありがとうございます。 次に、安部委員、お願い申し上げます。

安部委員:ありがとうございます。工学院大学の安部芳絵です。

専門は教育学、それから子どもの権利条約、特に子ども参加になります。

こどもの居場所づくりに関する指針の審議に当たりまして、専門的な見地から留意したい点を4つ述べさせていただければと思います。

まず1点目は子どもの権利条約です。こども基本法もその理念としている子どもの権利条約です。特に一般原則である2条、差別の禁止、3条、子どもの最善の利益、6条、生命の権利、生存・発達の確保、それから第12条の子どもの意見の尊重について、これから策定していく指針の土台として明確に位置づけることが重要だと考えています。

2点目はこどもの意見です。

こども基本法第11条では、こども施策に対するこども等の意見の反映を定めています。

第11条では、国及び地方公共団体はこども施策を策定し、実施し、及び評価するに当たっては、当該こども施策の対象となるこどもまたはこどもを養育する者、その他の関係者の意見を反映させるために必要な措置を講ずるものとするとあります。

本審議に当たっても、大人だけでなくて、当事者であるこどもが話合いの場にいて、意見を言って、その意見が正当に尊重されることが肝要だと考えています。

3点目は遊びです。

大竹委員、青山委員も御指摘されていましたけれども、遊びはこどもの育ちになくてはならないことだと考えています。

しかし、残念なことに、こども基本法には遊びという文言が入っていません。

一方、こども家庭庁設置法には、その所掌事務として第4条5に「こどものある家庭における子育ての支援体制の整備並びに地域におけるこどもの適切な遊び及び生活の場の確保に関すること」が定められています。

以上のことから、指針の審議の際にも、この遊びを忘れずに検討できたらと考えています。

最後に4点目は、緊急時のこどもの居場所です。

今回の指針では、恐らく平時におけるこどもの居場所を想定されているように見受けられます。

しかし、災害時など緊急時は、こどもの居場所というのはとかく後回しにされがちではないかなと思います。

しかし、災害時にこそ、こどもが安心できる、ほっとできる居場所が必要なのではないかと考えているところです。

先週もたくさん地震があって、怖い思いをしたこどもたちもいたのではないかなと思いますが、災害の多い国ということからも、緊急時のこどもの居場所についても議論ができたらと考えているところです。

委員の皆さんの御意見を伺いながら勉強させていただくとともに、こどもと一緒に、こどもにとってよりよい指針に向けた議論ができたらなと考えています。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、荒木委員、お願い申し上げます。

荒木委員:宮城県石巻市で活動しておりますNPO法人ベビースマイル石巻代表理事、そして、石巻市の児童館、子どもセンターらいつを運営、館長を務めております荒木裕美と申します。

よろしくお願いします。

指針に関わる上で、私は実践一筋で来ましたので、居場所感をどういうふうに深めてきたかを自己紹介できればと思っております。

石巻では、2011年3月に東日本大震災で津波によって甚大な被害を受けました。

当時、私は2歳の息子を育てておりまして、そして妊娠8か月だったのですが、同じような境遇で被災した仲間たちがたくさんおりまして、生活再建に大変な中だったのですが、そんなときだからこそと、こどもたちにも、自分たちにも日常を感じられる場、ほっと安心できる場として子育てサロンを始めたのがきっかけで、居場所づくりを活動の中心に据えて実践してきました。

まちの復興は、やはり生まれる、育つ命の力がすごく必要で、それを持つこどもたち、それから子育てする自分たちの世代が持つ力が本当に大きな力だなということを改めて感じた経験でした。 居場所づくりにおいては、当事者である自分たちが一番どんな子育て支援がいいか知っているということで、当事者目線で声、ニーズを集めたり、必要な支援を生み出しながら事業を展開してきました。

その中で、今現在館長を務めている児童館との出会いがあったのですが、同じく震災の時期にこどもたち自身がまちのために何かしたいと、こどもが守られる存在だけではなくて、まちを活性化させる一員として参加して、思いを形にした児童館、愛称らいつです。

らいつは、こどもの権利を柱にこども参加で運営されているのですが、何かを考えるときにはこどもたちと一緒に話合いをしたり、決定の場にもこどもたちがいる、こどもと共につくる居場所の実践となっています。

職員はこどもたちに関わるときに、これでいいのかなとか揺らぐこともあるのですけれども、こどもの権利が柱であることで、いつでもこどもたちの最善の利益を考えられる、そんならいつを保つことができていると感じています。

また、児童館の特性として、0歳から18歳が利用対象ですが、ボランティアなどで関わったり、また、親となって利用者になるなど、居場所が世代を包括していくというところ。

特に課題を抱える子供にとっては切れ目のない支援の土台になるよさを感じています。

自分がこの部会でできることなのですが、様々な居場所を俯瞰して、日々の実践から培った経験を言語化して指針に反映していくことが重要だと感じておりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、今村委員、お願い申し上げます。

今村委員:今村です。よろしくお願いします。

私からは、10代の特に思春期世代について、特にターゲットを絞ったこどもたちというよりは一般的な議論になるのですけれども、今感じていることをお話しさせていただこうと思います。

居場所という議論、このキーワードが、ここのところ、こども家庭庁の設置をめぐってすごく一つのバズワードになって、国民的にこの議論をしていくことはとてもいいことだなと思っているのですけれども、では、今まで居場所って誰が担ってきたのかな、どこにあったのかなということを考えてみると、私の目からは、特に地方においては、10代、特に中高生の世代の、公共が保障してきた居場所というのは、結局学校だったのだろうなと感じています。

今年、やっと文部科学省も動いて、部活100%とかってあり得ないということを降ろしたりして、こどもたちの放課後の時間は自分で選ぶんだというような方向性になってきて、放課後に学校で部活に参加するということを強制しないという方針をやっと今年出したような地域もあるのですけれども、そんなふうにして、こどもたちにどこで、どんなふうに時間を使うのかという居場所を選ぶ主権を委ねるということ、これはとてもいいことだと思っていますが、現実的に価値として何がそこで保障されてきたのかというと、結局、家庭の経済力によらずに体験ができる部活という機会があったとか、そこに参加することを通じて、誰かしらの安全な大人が一応見守ってくれていたというような家庭以外の居場所が、自転車圏内で行ける場所は結局学校だったというのがこれまでだったのだろうなと思っています。

ただ、今、給特法の問題とかもいろいろと議論されて、どんどん先生の仕事は減らしていかなければいけないよねという方向性になっていく。

これも本当にせざるを得ない状況まで先生方が十分頑張ってこられているのですけれども、もう先生の仕事、特に放課後の仕事は切っていくことになると思います。

そのときに、全てこどもたちにどんな地域、どんな沿岸部、どんな山間部に住んでいるこどもたちにも居場所があるという状態ってどうしたらいいのか。もしかしたらそれはSNSしかなくなる子もいるかもしれないというのが結構現実的なところかもしれません。

また、そこで出会う人たちが安全な人なのかどうかということを見守る大人は親しかいなくなるということかもしれないということもすごく不安に感じていたりします。

そんな中で、やはりここのわざわざ設置されている会議で何を議論していくのか、何を落としどころにするのかとかがちょっと私はまだ分かっていないのですけれども、こういう居場所が必要だという、例えば予算取りみたいなことをここで競争するとかではなくて、そんなことは誰もしないと思うのですけれども、ここでどうしたら本当に多様ないい居場所と言えるものが各世代に、民間がたくさん参入して、こどもたちにとって安全な状態を整備していくには何が必要だろうかというところを、ぜひ皆さんと一緒に見つけていけたらなと思っています。

私は、もうこれは行政の仕事ではなくて、例えば立派な居場所をつくったって、そこを選ばない子がたくさんいるという状態になるのだから、特に思春期は、やはり民間が多様な場所をつくっていくということを国が後押ししていく。

それらの安全性を担保していくということかなと思っているので、そんなことを皆さんと一緒に考えていけたらなと思っています。

よろしくお願いします。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、植木委員、お願い申し上げます。

植木委員:皆さん、こんにちは。植木信一と申します。

こどもの福祉や社会福祉が専門分野でございます。元放課後児童クラブの支援員でもあります。

こどもにとって面白いところ、楽しいところ、そもそも居場所というのはこどもにとってであるべきだと考えております。

であれば、本部会の議論の主語は、やはりこどもだろう。

こどもを主語に語られるといいなとも考えております。 それから、生活の場です。昨年度の調査研究の報告書のように、居場所の位置づけが場所だけではなくて時間、それと人との関係性、全てが居場所となり得るということであれば、やはり生活の場としての機能の議論が欠かせないのではないかなとも考えております。

すなわちこどもを主語に、居場所と生活の場の両方に係る議論ができればいいなと、そのようなことを考えております。どうぞよろしくお願いいたします。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、宇地原委員、お願い申し上げます。

宇地原委員:ありがとうございます。

NPO法人Lerrning for Allの宇地原と申します。

私たちの団体では、主に6歳から18歳のこどもたちを対象に活動させていただいておりますが、やっていることとしては、主に居場所づくりを地域の中でやっていくであるとか、学習支援をさせていただいております。

そうしたこどもたちと直接関わりを持つ拠点を基軸に、地域の中で様々な関係機関と連携をしながら、包括的に支援が行えるようなセーフティーネットをつくっていくということを活動としてはさせていただいております。

やはりこどもたち一人一人関わっていると、本当にすてきな個性や魅力があるなと常々感じている一方で、虐待であったりとか不登校、あるいは心の傷からくる自殺未遂であるとか、そういったところが日々日々見られるなと感じておりまして、そうした部分に対して公的な支援であるとか専門性の高い支援をしていくことは非常に重要である一方で、こどもたちが最初に誰かに相談をしたり、つながりをつくっていくといときにすごくハードルが高いかなと思っております。

そんな中で居場所というものが生活の場を通じてこどもたちと関係性をつくれるということは、こどもを支えるセーフティーネットの中で非常に厚みを持たせる重要な機能かなと思っていますので、そうした居場所の価値であったりというところを、こどもの声から委員の皆さんと一緒に議論していきたいと思っているのと、あとはやはり居場所をつくっていくというところを考えるに当たって、誰が担うのかという議論は外せないかなと思っております。

決して簡単なことではないと思っていますので、居場所をブームの中で立ち上げていった後に、できる人がいないというところで居場所が潰れていくというのも、やはりこどもたちにとってよくない状況かなと感じていますので、持続可能な形で居場所づくりが行われていけるような人材確保であったりとか、そういうところの議論も積極的にできるといいなと感じております。

皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、大空委員、お願い申し上げます。

大空委員:NPO法人あなたのいばしょの大空と申します。

私たちは24時間のチャット相談窓口をやっている団体でして、100秒とか120秒に1回ぐらいは24時間常に相談が来続けるというような全国規模のチャット相談になります。

もちろん自殺、いじめ、生活困窮、虐待、貧困、DV、ありとあらゆる問題を抱えた方が相談に来るわけですけれども、我々はいわゆるオンラインでの居場所みたいなところに非常に重きを置いているということです。

昨年の調査研究の中でも議論をこれまでしてきたところでありますけれども、まず今回の委員会の部会の中でも、ぜひ昨年度の調査研究、1年近くの時間をかけて積み上げた議論ですので、そこを踏まえた議論になればいいのかなと思っていることと、今、何となく居場所という極めて広い概念に対して、みんな居場所って大事だよねというところはきっと我々だけではなくて国民も広く共感をするわけですけれども、ただ、居場所があることによって、あえて効果という言葉を使うと、具体的にどのような効果があるのかということ。

要は居場所感みたいなものを感じることによって自殺は減少できるとか、今具体的なエビデンスがあるわけではないですね。

また、研究者によってもいろいろな考え方があると思いますから、何となく大切だよねということで進んでいくというのも一つの方向性だと思いますけれども、そもそも何で居場所というのが社会にとって必要なんだっけというような大きなグランドデザインを描かないといけないのではないのかなと思っています。

さっき今村さんもおっしゃいましたけれども、やはりどんどん居場所をせっかくつくったとしても、そこに来ないという若者、こどもたちもいるという、その矛盾も受け入れていった上で、我々は理想論だけではなくて現実的な解を見いださなければいけないのかなと思っているので、今、遊びとか学校とか生活の場とか、それぞれ皆さんから御意見あったと思うのですけれども、個人的には、もちろんリアルな体験とか、自然文化体験も重要だと思いますけれども、無理やりそこにこどもを引っ張り出していく、要はそういうところが理想なんだ、こどもにはそういうものが必要なんだということではなくて、恐らくこれまで想定されていなかったオンラインゲームとか、もしくはSNSみたいなものが居場所として十分に機能しているということは考えられますから、これまでのそうしたある種の価値観みたいなものも持ちながら、新たなアプローチの仕方を忌憚なく議論していくことが必要なのではないのかなと思っているので、これから相談窓口は完全にAIで対応していくみたいなことを既に一部やっているところがあるのですけれども、それが一気に進む可能性も出てきましたので、何かそうしたことも踏まえた現実的で新しい議論を皆さんと話していけると大変いいのかなと思っています。

よろしくお願いします。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、小川委員、お願い申し上げます。

小川委員:NPO法人パノラマの小川といいます。よろしくお願いします。

NPO法人パノラマでは、もともと横浜市の北部エリアなどでこども・若者の居場所を中心としたシームレスな事業を行ってきています。

今回のこども部会に関わるところとしては、ご家庭に困難のある児童の生活支援を行う寄り添い型の生活支援事業ですとか、あとは今回いろいろな施策の中にも名前が挙がっている高校内居場所カフェですとか、あとは15歳から39歳までの若者の居場所であるよこはま北部ユースプラザというものを運営しています。私は小学生から高校生までの事業を担当しています。

高校内居場所カフェについて少しお話しさせていただきたいのですけれども、これはパノラマの立ち上げ当初から運営をしているもので、もともとは大阪の西成高校の取組を皮切りに始まったものです。

特にやはり義務教育を離れるハイティーンの若者は社会の中で居場所がなくなってしまうというところですとか、あとは支援機関を含めていろいろな社会資源に一番アクセスしにくくて、見えない存在になってしまうというところの2つの問題意識から、学校内へのアウトリーチというところで始まった取組みになっています。

本当に学校という、先ほどほかの委員の方のお話にもあったように、生徒たちの日々の動線の中にあって、しかもカフェという形を取ることで、学校に属すればどんな生徒でも気軽に利用できるというポピュレーションアプローチ、その一方で、カフェの中で困難とか困難になりそうなことを発見した場合には、予防とか早期支援につなぐようなハイリスクのアプローチの側面を持っているものです。

本当に私たちが出会う生徒たちは、ここまでの成長の中でいろいろな機会が保障されてこなかったなということを感じるところで、様々な体験の機会とか、多様な地域の大人と出会うことを大切にするという部分ですとか、自分の意見がちょっとでもいいので形になっていくというところを校内居場所カフェの大切なコンセプトのとして取り組んでいます。

今回のこども家庭庁の立ち上げに関して、現場でもこどもたちの居場所に関するアンケートに、高校生とか小学生に協力をしてもらってはいるのですが、やはり回答が難しいという若者が正直なところ多くいたというのが現状で、こども家庭庁がこども・若者たちの声を大切にしている中で、この部会でもやはり調査に回答できているというのが、そもそもどういうこどもたちなのかというところですとか、あとは声になっていない部分の声があるとしたら、その辺りをどのように届けていくのかというところは本当に大切にして、全国の校内居場所カフェに取り組んでいる団体もありますので、情報交換をしながら発信をしていきたいなと思っています。

日々現場では多くのご家庭が様々な事情で孤立のほうの「孤育て」をしているというのを目の当たりにするところで、今回、こどもの居場所の指針みたいなものができるというところは、家庭だけではない、社会でこどもたちを育てていく基盤とか文化づくりになっていくのではないかなというところで、私も2歳のこどもが今いるのですけれども、子育て当事者の1人としても、すごくそこは期待しているところです。

どうぞよろしくお願いします。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、菊地英一委員、お願い申し上げます。

菊地(英)委員:調布市の菊地と申します。調布市では今、児童青少年課長という立場で仕事をさせていただいているところでございます。

調布市ですけれども、東京都にございます基礎自治体でございまして、『ゲゲゲの鬼太郎』を描かれた水木しげる先生が住まれていた町であり、観光名所としては深大寺とか深大寺そば、そんなことで知られているまちかなと考えております。

こどもの居場所としてなのですけれども、児童館であるとか学童クラブ、放課後子供教室事業のほかに、当市では中高生に特化した児童館であるとか、こども・若者総合支援事業、相談とか居場所、学習機能を備えたところなのですけれども、そういった施設を持っているというのが非常に強みでございまして、多くの自治体の方からの視察というのを今、受け入れている状況にございます。

全国的に見ますと、自治体でやっているこどもの居場所というと、どうしても児童館、学童クラブ、放課後子供教室事業ということで、小学生に向けた事業が多いのかなというのを実感として感じているのですけれども、各自治体の動きを見ますと、これから中高生であるとか若者というところに視点を置いたような動きがあるのかなと思っております。

これ自体は、自治体だけではなくて民間の各団体でもそういった動きは活発化しているという現状にあるように私自身は感じているところです。

また、そういった中で、居場所というのを自分たちで見つけられる児童、若者もいる一方で、なかなか見つけられない方というのも多くいらっしゃるのかなと。

そういった方たちをサポートする場所とか次の居場所を案内、コーディネートする立場、そういう場所も必要なのではないかと。

それは官民に限らずなのですけれども、いろいろな居場所が提供される中で、その子にふさわしい場所、もちろん自分で見つけられれば一番いいとは思っているのですけれども、そういうのも見識がある方とか、そういったことに特化した事業者がコーディネートしていくというのは必要になってくる役割かなと考えているところでございます。 小学生向けのいろいろな事業、あるいは施設に関しましては、運営という立場でいろいろな意見を言わせていただければと考えておりますし、中学生、高校生、それ以上先の若者というところに関しましては、自分自身もいろいろ模索をしながら皆様の御意見をお聞きし、いろいろな問題提起ができればいいかなと考えております。 以上です。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、菊池真梨香委員、お願い申し上げます。

菊池(真)委員:一般社団法人Masterpieceの菊池真梨香と申します。

画面共有させていただいてもよろしいでしょうか。

児童養護施設や里親家庭、社会的養護などで育った若者たちのサポート事業をしております。

施設だけでなく、施設に入れなかった若者、虐待などで親を頼りづらい若者たちに必要な活動をするということで活動しています。

私自身、児童養護施設で勤務してきて、巣立っていく若者がどんどん困難な状況に置かれていくということを、ちょっと大変だなと思いまして、Masterpieceを立ち上げました。

私の個人的な背景としては、幼少期にいじめを受けていて、高校時代に変化した、変わることができたというような経験があります。

Masterpieceの活動としては、主に上の黄色いところ、住居、食料、ユースサロンというところに重きを置いているのですけれども、今回、住居としての居場所、ユースサロンとしての居場所というところで触れていきたいと思います。

拠点としては、東京、埼玉、千葉県でこのように分布して拠点があるのですけれども、シェアハウスの様子としてはこのような感じでやっております。

シェアハウスだけではなく、一人暮らし練習用物件というのもあったりします。ユースサロンはこのような感じでやっておりまして、月に1~2回開催しています。

自分の生い立ちのことを安心して話せる場ということで、みんなおしゃべりが止まらないというような感じです。

こちらは定期開催ではないのですけれども、年末年始、実家感覚で大晦日から夜通し開けていてというようなことをしていて、結構やはりお盆であるとか、実家どこというのを聞かれる時期にみんなつらい思いをしたり、親がいない、実家がないということでつらい思いをする若者も多いということで、こういった場を開いています。

居場所についてですけれども、うちとしては、住まいとしての居場所、サードプレイスとしての居場所というような感じで、このようにしています。

住まいは、やむを得ずホームレスや夜職になることを防げるということでしたり、メリットはたくさんあるのですが、課題としては、共同生活ならではの課題とか、家賃滞納リスクは団体がリスクを負っていくことなどがあります。

居場所に関してもメリットがたくさんあると思うのですけれども、同じ経験を持つ若者同士でのピアサポートの場、あとはボランティアさんなどの大人との出会う場となっています。

あとは問題が大きくなる前に芽を摘むことができるということがすごく大きいことだと思うのですけれども、困ってからの相談ではなくて、居場所に来てちょっと話す中で問題解決していこうというような感じで自然にサポートしていけることが大きいかなと思っています。

あとは期待することとしてはいろいろ資金とか精神面、住居、支援の強化とか、あとユースセンターが増えてほしいというところがありますが、個人的に思うことは、自治体間をまたぐサポートがあったらいいなと思っています。

国としてやっていこうというふうになったときに、自治体では何々区にお住まいの方のみというふうになってしまうと利用しにくい人たちもいるので、どこの場所に行きたいかをその人自身が決められるというふうになっていくことが理想だなと思っています。

最後に、いろいろとユースセンターを視察させていただいたのですけれども、特に印象的だったところを1つだけ紹介します。こちらはカナダのトロント市にありますジャシーズというところなのですが、妊娠した10代女性の居場所で、妊娠したまま学校とか、この中のフリースクールにいられたり、シェルターとかそういった場所があるというような場所がありましたので、1つ紹介させていただきました。

以上です。よろしくお願いいたします。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、光真坊委員、お願い申し上げます。

光真坊委員:一般社団法人全国児童発達支援協議会、通称CDS Japanの光真坊と申します。

CDS Japanは、児童福祉法に基づく児童発達支援、放課後等デイサービスなどの通所支援を行う事業所の全国組織となっております。

理事は医師をはじめ各種療法士、心理士、保育士など多彩な職種で構成されているのが特徴であります。発達支援の質の向上に関する研修や調査研究、政策提言などをさせていただいております。

今回、全ての子供を対象にした本部会に障害児支援関係者として参加させていただけることに、心から感謝申し上げたいと思います。障害児は小さい障害者ではなく、一人のこどもであるという認識の下で議論を進めていけたらと考えております。

さて、学齢障害児を対象とした通所事業に放課後デイサービスというのがあります。

放課後等デイサービスは、平成20年の障害児支援の見直しに関する検討会において学齢障害児の放課後等の居場所の充実に関する提言があり、平成24年の改正児童福祉法で創設された比較的新しい事業であります。

令和5年1月の時点で全国に約2万か所、約31万人の学齢障害児が利用しており、その場で生き生きと伸び伸びと暮らされています。これは平成24年創設時の約6倍で、障害のあるこどもたちの発達支援や居場所に関するニーズの高さがうかがえると思います。

発達障害、知的障害が大部分を占めますが、医療的ケア児や重症心身障害のある児童の大切な居場所としても機能しています。

コロナ禍で緊急事態宣言を受け、学校が休校になった際には、国からの通知もあり、感染リスクを抱えながらも最前線で居場所として障害のあるこどもの発達や保護者の就労を支えておりました。

また、障害のあるこどもは障害のないこどもに比べて被虐待率が高く、児童期から思春期にかけてひきこもり等の課題も発生しやすいことが研究で明らかになっており、障害児通所支援は、そのようなこどもたちのセーフティーネットとしての機能も果たしております。

最後に、課題として考えていることを3点述べさせていただきます。1つ目は、放課後デイサービスは創設後急激に増えたことから、財政の観点から抑制の議論もされがちですが、障害のあるこどもを真ん中に据えた居場所のさらなる充実を図ることが重要だというふうに考えております。

この部会で全てのこどもに必要だと思われる居場所機能については、障害のあるこどもも享受できるようにしていくということが大事だと思っております。

2つ目には、障害児支援における課題は、インクルージョンの推進であります。これは重要な課題としてなっていますが、障害のあるこども同士がピアとしてサポートし合うことも重要であるため、インクルージョンだけが全てという議論ではなく、多彩な居場所の議論をすることが必要だと考えています。

3つ目は、障害のあるこどもたちは、放課後児童クラブをはじめ様々な居場所で過ごしているのも事実です。

それぞれの居場所で障害や特性に応じた合理的な配慮がなされて、障害のあるこどもも安心・安全な環境の中で主体的に生き生きと活動できたり、時には休息したり、いろいろな課題に対応できるようにしていくことが重要だと考えます。

私たちのような障害児支援の分野の機関、人間が連携を深め、専門的に支援できる仕組みづくりも大切だと考えております。

以上です。ありがとうございました。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、関戸委員、お願い申し上げます。

関戸委員:関戸です。

日本冒険遊び場づくり協会という中間支援のNPOの代表をしています。

この居場所部会の話の中でプレーパークという名称で恐らく何度か取り上げられることがあるのではないかと思いますが、プレーパークと冒険遊び場、日本では同じ場所を指す言葉として使われています。

私自身は、全国の冒険遊び場を中間支援するNPOの代表をしつつ、仕事でも長く冒険遊び場の現場を支えるプレーリーダーという仕事をしてきました。

冒険遊び場は、そもそも日本で始まった取組ではなく、もともとは1940年代にデンマークで始まったのですけれども、日本は1970年代から少しずつ増えていて、今現在450団体ぐらいが全国で活動していると言われていますが、冒険遊び場は児童館とは違って、例えば児童福祉法という法律の後ろ盾があるわけではないので、制度の外側の取組になっています。

なので、どの自治体も冒険遊び場をやるときには、本当に自分たちの行政課題にうまく自分たちのまちの施策を合わせて予算を捻出するなどしながらやっていますので、450という団体の中で常設といってほぼ毎日、日常的に遊べるような冒険遊び場を運営しているのは国内で40か所ぐらいになっています。

それ以外は全国のプレーパークがイベント型で非日常の開催ぐらいしか予算がなくて、民間の助成金や行政の補助金などを取りながらやっているという事例がほとんどです。

そして、冒険遊び場は、遊びという居場所の中で大事なキーワードというふうに皆さんもおっしゃっていましたけれども、それを取り扱う場所になっています。

こども自身が遊ぶことを通して自分の人生を手作りできるようになる、そんなことができるといいなと思いながら、なるべく規制をなくして、既存の公園などでやっていることが多いのですけれども、公園のルールを、事業をやっているときに一部取り外しながら、こどもたちが屋外で自由に伸び伸びと遊べるような実践をしています。

そんなときに、やはりリスクへの挑戦というのが結構課題かなと思っていまして、多くのこどもたちの遊びの体験のときに、こどもたちのけがのおそれとか、あとは責任追及の風潮というのが今はありますので、冒険遊び場に関してはそういったものを乗り越えながら、こどもがリスクに挑戦しながら、ときに危ないことをやることはあるのですけれども、それはこどもたちの発達に大切なことだということで、発達に見合った危険への挑戦は見守っていこうという、そんなスタイルでやったりしています。

そういったことから、地域の大人たちや世論に対して、こどもたちの居場所では、遊ぶときにリスクへの挑戦があるのだとか、あとは課されたものですね。放課後ということがありますけれども、今のこどもたちは放課後も課されっ放し。

本来ならば課されたものから放たれた後のはずなのに、ずっと課されているみたいなこともあるので、きちんと自分の主体的な遊びができるような場所ができるといいなと思っています。

それには先ほども世論や親への啓蒙、啓発みたいなことも必要だと思ったのですけれども、今の日本に必要なのは大人自身の遊び心かなと思っていまして、こどもは環境があれば遊びます。

こどもたちの遊びを止める、その背景にあるのは、大人たちが遊べなくて硬直している、そういうところを突破できるような居場所には、こどもたちを元気にするだけではなく、地域の大人も元気にできる、そのような機能もあるのではないかと思っています。引き続きよろしくお願いします。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、友川委員、お願い申し上げます。

友川委員:よろしくお願いいたします。

愛媛県松山市にございます松山東雲女子大学の友川と申します。

ふだんは大学の教員として、自身としてはソーシャルワーカーとして、様々なこどもの居場所に関するところに、ほぼ大学にいないじゃないかと叱られるぐらい出歩いておりまして、そういったところで研究プラス実践の場で、特に私の使命といたしましては、報告書にも出ておりました地方部では非常に社会資源が限られている中でというマイナスの側面が取り沙汰されることも多いのですけれども、実際、本当に人口規模の小さい私が所属しているような地域で、地域に入り込んでいろいろ調査をさせていただくと、逆に失っていない部分というのもかなりありまして、全国調査をすると画一的に地方とか地域といって議論していいのかというのが、地域によっても、人口規模が小さくても、高齢化社会が促進されていても居場所を維持されているところもございますので、そういった要素の中で、そういった視点も発信していきたいかなと思っております。

あと、個人的には居場所へのアクセシビリティーというところが私の関心ポイントでございまして、小さい調査ではございますが、愛媛県で居場所へのアクセシビリティーの調査をさせていただいたときに、もう一つ出てきたのが、今は集えるところというところは割と居場所が出てくるのですが、丁寧な聞き取りをしていきますと、一人になれるところ、大人がいないところ、好きなことをさせてもらえるところというこどもたちからの意見も預かっておりますので、先ほど別の委員からもございましたが、メジャーな意見でつくっていく居場所も大事なのですけれども、少人数かもしれませんが、我々が持っている居場所のレパートリー感で、実際に公共施設ではなく、ファミレスの片隅で一人で本を読む時間が主流でございますという意見もあったりするので、あまり枠にはまらない、先ほどもありましたように、こどもや当事者の意見の特にマイナーな、一見すると少ないと思われるけれども、実は本当はメジャーなほうなのではないかというような意見もしっかり取り入れたような発信をさせていただければと思います。 短いですが、どうぞよろしくお願いします。

前田部会長:ありがとうございました。 次に、成田委員、お願い申し上げます。

成田委員:お世話になります。

群馬県にあります国立のぞみの園の成田と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。 のぞみの園は、名前にあるとおり、知的障害とか発達障害のある方の総合支援施設でございます福祉施設です。

その中に診療所もございまして、私は児童精神科医として、知的障害とか発達障害のあるお子さん、また、不登校あるいは虐待などをはじめとした小児期の逆境体験をベースとしたトラウマを抱えたお子さん、ほかには児童相談所とか児童自立支援施設や少年院の嘱託医もしておりまして、触法少年の診療もしております。

そういった様々なテーマに関して医者として関わらせていただいているのですが、医療ではあるのですが、この領域は薬を使って治すみたいな一般的な医療のイメージとは異なりまして、実際には教育、福祉、行政、様々な地域の皆さんといろいろ強力をして、まさにこの部会のテーマにもなっております、こどもや、またその親御さんの居場所をどうやって確保していくかみたいなことに取り組んでいる、そんな日常でございます。

私はそういう部分でいろいろな課題を抱えたお子さんたちに関わることが多いのですが、課題のテーマは違えど、共通して言えるところは、心理的な居場所が危機に陥っているというようなこと。

そもそも構築されていないというお子さんに出会うことが非常に多いのですね。何とかそういう地域の資源につなげていく、いわゆる物理的な居場所につなげようとするのですが、そういう背景が複雑なお子さんは、人とつながっていくことに関してなかなか積極的になれなかったり、あるいは途切れてしまったり、あるいは逆説的に反抗してしまったりというようなことの課題があります。

この部会で私の立場で関わらせていただくに当たっては、そういった様々な、多様な物理的な居場所にアクセスするのだけれども、なかなかつながれない、そういった個々の事情を抱えたお子さんに関して、どういった取組ができるかなというところの意見をお伝えしていきたいなと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、水野かおり委員、お願い申し上げます。

水野(か)委員:一般財団法人児童健全育成推進財団の水野と申します。

どうぞよろしくお願いいたします。

私どもの育成財団は、全国の児童館、そして放課後児童クラブを支援している全国団体でもあります。

私ですが、当財団に勤務する以前は約25年、放課後児童クラブ、そして児童館のほうの現場で働いてまいりました。

先ほど御説明がありましたけれども、厚生労働省社会保障審議会児童部会放課後児童対策に関する専門委員会の委員としても参加させていただき、また、児童館のあり方に関する検討ワーキンググループのほうにも参加をさせていただきました。

児童館のほうをメインでお話をさせていただきますと、児童館は遊びを通した健全育成をする場でもあります。

また、ゼロ歳から18歳まで、誰でも無料で利用できる居場所として全国に現在約4,400ありますけれども、毎年若干の減少傾向にございます。

令和3年度、5年に1度ですが、全国の児童館実態調査というものを行ってまいりました。

児童館の設置をこれから進めていくという自治体がある一方で、自治体の設置率は約6割となっております。

そして、児童館は児童館ガイドラインというものがございまして、遊びによるこどもの育成ですとか、こどもの居場所の提供、そしてこどもが意見を述べる場の提供、配慮を必要とするこどもへの対応、子育て支援の実施などなどを幾つか大きな柱として、各児童館を運営させていただいております。

この調査の中でも、こどもが意見を述べる場の提供や、それからこどもが参画する取組ということが各児童館では活発に行われているということがうかがえました。

たくさんのこどもに関する居場所が、今、皆さんのお話を聞くとある中で、ゼロ歳から18歳まで無料で、それも継続して利用できる。地域に立っている館として、また児童福祉施設として、全国全ての子供たちの身近にあるといいなと感じております。

居場所イコール居心地のよい居場所であるのかなと思いますので、何かをしなくてはならない場所ではなくて、こども一人一人が先ほどの居場所の報告にもございましたが、「居たい・行きたい・やってみたい」という3つの支援を大事にしながら、児童館だけではなくて、全国のこどもたちがそれぞれの過ごしやすい居場所を見つけられる議論を皆さんとできたらなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、水野達朗委員、お願い申し上げます。

水野(達)委員:大東市教育委員会教育長の水野達朗です。

大東市は大阪府の東部、大阪市の東隣に位置する人口約12万人のまちです。

子育てするなら大都市よりも大東市というブランドメッセージを掲げまして、子育て政策を展開しております。

たまにこの今のだじゃれで笑ってくださる方もいるのですが、皆さん、いかがでしたか。 もう一つ言っておきます。教育委員会でもスローガンを掲げまして、大東市の教育に大投資。

これまただじゃれを掲げまして、こどもたちに対して教育予算や時間的なコストは未来への投資であるという、このようなスローガンの下で教育行政を預かっている立場であります。

私からは2点だけお話しさせてください。まず1点目、今回のこどもたちの居場所の重要性を考えたときに、私がまず頭に浮かんだのは、令和2年の全校一斉休業で見えた景色なのです。

あのときは家庭という居場所のみで過ごしたこどもたちが、学校が再開されたときにすごく様々な課題が見えたのですね。

その際に議論になったのが、学校には福祉的機能が随分強かったんだなということや、家庭教育支援が何より大事だったよねという、ここの再確認だったように感じております。

これは、もしも約3か月間、こどもたちの居場所が家庭しかなかったらというシミュレーションの要素にもなり得たのではないかなと感じております。

この経験から、学校もそうですけれども、家庭、学校以外のサードプレイスが果たす役割の大切さを教育行政の立場でも感じたところです。

2点目です。実は私自身は3年前まで不登校と家庭教育の支援機関である一般社団法人家庭教育支援センターペアレンツキャンプというところの代表理事をしておりました。

民間の経営者でした。その際に、心理職として保護者やこどもたちのカウンセリングを通じて感じていたのは、所属しているコミュニティーが本当に学校だけとか、場合によっては家庭しか居場所を感じられないとか、1つだけの人、少ない人ほど、ちょっとした人間関係で全てが崩れていきやすいんだなという、これは現場感です。

その際によく話していたのが、船なんかで、船の底に穴が空いて、水が入ってきたときに、本当に部屋がだだっ広い部屋1個だけだったらすぐに沈んでしまうけれども、たくさん小さい部屋に分かれていたら、1個沈んでもその穴を塞いでいる最中には全然沈むこともないし、場合によっては1部屋水浸しになるだけで、全てが沈むことはないなどという話もよくさせていただいたのですけれども、そういう意味合いでも、先ほど他の委員の方からもありましたが、孤独の中でする子育てもそういうところ、いわゆる親自身の居場所というところも大いに大切だったのではないかなと感じます。

そのような居場所というのが、場合によっては失われやすくて変わりやすいという特徴があるなと感じておりますので、複数の居場所が気軽に選択できるような社会にする必要性を強く感じております。

私自身、民間から教育長を拝命して今4年目となるのですけれども、民でも公でもこどもたちへの投資というのは必要であると感じております。

本部会においても、教育行政の立場からではありますが、公だ民だと分断せずに、大人みんなでこどもたちを真ん中にして前向きに考えていこうよと、このような姿勢で参加できればと思っております。

また、これはもしかしたら事務局の方からもしれませんが、指針の策定に向けてなのですけれども、抽象的に捉える必要性はこの手の議論は感じておるのですが、解像度が低くなり過ぎてしまうと、何をすればいいのか見えにくくなるということもございます。

逆に具体性や解像度を高め過ぎると、社会資源や地域差によって最初の一歩がなかなか踏み出せないということもあろうかと思いますので、グラデーションのある内容を期待しているところです。どうぞよろしくお願いします。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、次に、山本委員、お願い申し上げます。

山本委員:ACHAプロジェクト代表の山本昌子です。

よろしくお願いします。生後4か月から19歳まで乳児院、児童養護施設、自立援助ホームという形で社会的養護で育てていただきました。

まず、当事者として皆様にお伝えしたいのは、やはり私たちは、私は生後4か月だったのでそんなことはなかったのですが、関わっている多くの子は、居場所だったりとか児童館、いろいろな場所がセーフティーネットになっていて、SOSを出して救われているという部分で、本当にありがとうございますということを思っています。

なので、今後も、もちろん普通の子たちが通える居場所である必要もありつつも、SOSを出している子が今多いと思うので、そういう子たちを救える居場所であってほしいと思っています。

そして、私自身は現在、自宅を開放して社会的養護だったりとか虐待を経験した子たちが気軽に来られる「まこHOUSE」という居場所事業をさせていただいています。

個人運営な分、自由度が高いのと、365日、私の予定さえ空いていれば誰でも来られるというような家になっているのですが、そんな中でも、やはり特に泊まれるという点で地方の子だったりもよく来てくださるのですが、県によっては居場所すらないという、そういう地域格差でその場所すらなかったり、研究員のほうで改めて再認識した部分では、やはりアクセスしたくても交通手段、行くことができない。

知っているのに手に入らないという現状は大きな課題かなと感じる部分でありました。

あとは、特性上でもあるのですけれども、やはり問題を抱えている子が多い上では、一つの居場所にこだわるのではなく、様々な居場所が連携を取って、試し行動だったりとか、時には人間と人間なので衝突したりとか、その子の居場所が一時的に失われる可能性もあるのですが、そんなときでもほかの居場所で元気にしているんだというふうに見守り続けられる体制というのは、各居場所が意識して連携して、様々なとても難しいの際とかにも相談し合えるような、そういう支え合える環境というのはとても大切かなと思っています。

あとは多様性という面では、様々な子がいられる居場所というのもこれからすごく大切になっていくと思うのですけれども、その中でも社会的養護だったりとか、児童養護施設という、虐待というあまり人に知られたくない、LGBTだったりもそうだと思うのですけれども、特定の守られた居場所というのも同時に、なくならず、大切にされていってもらえたらうれしいなと思っています。

居場所研究ですごく私自身が社会的養護としてマイノリティーなんだなと感じたことが、逆に私はうれしくて、本当に皆さんのような親子分離をする前に対策、様々な取組のおかげでそこが保たれて、居場所となって、親も子も支えられているケースもたくさんあるんだなと知れたので、親と時には引き離す、命を守るということも大切なのですが、できれば引き離す前にもっと日本はできることがあるのではないかなと思っているので、そんな日本の家族がもっとちゃんと家族というか、みんなでお互いを大切に思えるような、そういう環境が手助けできる居場所というのにつながる話合いができたらうれしいと思っています。

よろしくお願いします。

前田部会長:ありがとうございました。 それでは、湯浅委員、お願い申し上げます。

湯浅委員:よろしくお願いします。

皆さん、お疲れさまでした。

私で最後なので、これで終わりだなということで安心して聞いていただければと思います。

最近よく居場所の時代ということを話したり書いたりしています。半世紀ぐらい前の私の親ぐらいの世代のときは、地域のしがらみから抜け出して個人的に暮らしていくことが現代的というふうに言われていた時代もありましたけれども、今は一人一人が孤立しているような状況の中で、つながりをつくっていくことがむしろ現代的というふうになってきたなと感じていまして、特に東日本大震災とか、無縁社会とか言われるようになった2010年代以降、そういう見方が強くなってきたな、感じ方が広まってきたなという中に、居場所に対する見方も位置づけられてきているかなというふうに感じています。

結構昔、私が30年ぐらい前に居場所をつくっていた頃は、居場所を見る世の中の目線は結構冷たかったのですが、今はとても温かく見ていただいているという辺りに時代を感じるところです。 そういう中で、去年の調査研究もやらせていただきましたけれども、やりながら感じていたのは、居場所づくりということの不可能性みたいなものでした。

やはり居場所かどうかは本人しか決められないんだと一方で書きながら、居場所づくりと言うというのは、もうこれは言っている端から矛盾しているよねということですので、この部会も居場所づくり指針をつくることが一つの大きな目的だと思いますけれども、その居場所を第三者はつくれないんだという不可能生性と向き合いながらやっていくことがとても重要かなと思っています。

ただ、私自身はそのことをネガティブに捉えてはいませんで、つくれないものつくろうとする、それを大人の責任、社会の責任としてやっていくというのが今の時代における私たちの責任の取り方。

私たちはこどもではない、そういう意味で当事者ではないわけですけれども、でも、社会の当事者ではある。この社会の当事者として、自分たちのできる責任を果たしていこうと。

私が今関わっているこども食堂の分野は、まさにそういう中で、この場所をつくったからといって、誰一人居場所と感じてくれないかもしれない。

だけれども、誰かが居場所と感じてくれたらいいなと、そういう居場所になったらいいなと願って、どこからもお金は出ないですけれども、今や7,300か所を超えるこども食堂、毎年1,000か所以上増え続けて、今年か来年にはもう中学校の数を超えるかというふうになっている。

これが社会の底力なのではないかと私自身は思っています。

そういう社会の底力を私たち自身が示すことが何よりもこのこどもの居場所づくり部会の資産になるような、そういう意見交換を皆さんとできればと思いますし、座長にはその取りまとめをぜひよろしくお願いしたいと思います。

居場所の時代における一つの重要な指針があのときにできたねと後に言われるようなものを一緒につくり上げていけたらと思いますので、どうぞよろしくお願いします。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、皆様、御発言なさいましたか。

自分が忘れられているという方はおられないでしょうか。

大丈夫でしょうか。 それでは、ちょっと簡単に私のほうからも皆さんにお話ししたいなと思うことがあるのですけれども、私は15年ほど前までは行政で医療や福祉や教育を担当しておりました。

そのときに児童養護施設が足りないとか、一時保護所がいっぱいだとか、学習支援も始まったばかりで、こどもの貧困問題もやっと認知された状態で、いろいろやりましたけれども、やっと点になる支援が始まったばかりというところで行政を離れました。

今日改めて皆様方のいろいろなお話をお聞きして、官民協働で点がつながって面になるような、制度と制度の狭間を埋めるような活動が各地で展開されていること、非常に感慨深く思いました。 一方で、私は行政の側に居ましたので、ひきこもりが長い子たちとか、中退して居場所がない子たちなんかでかなり問題が深刻化した子たちを青少年相談センターとかそういうところでお受けしていたのです。

しかし大学に移りましたら、大学生もやはり居場所のない子がいるんですよね。自分が好きで選んだ大学に来て、自分でサークルも選ぶということができない学生がいることに大学が気づきまして、サークル活動説明会みたいなものをしています。

1人で来ても恥ずかしくもなく、いろいろな、それこそ就職説明会をやっているみたいにサークルの説明会のブースをつくって、そこで仲間を見つけるような場所をつくったりしています。

それから、少人数の初年度教育のクラスをつくってグループワークをさせたり、友人がみつけられるように色々なことをさせているのですけれども、それが残念ながらコロナで2年間断ち切られてしまって、大学3年、4年で大学に居場所がないままに来ている子たちもおります。

それから、一方で、どんなにいろいろなことをしても1人でいたいという子がおります。大学でも保健室登校や、個室でZoomで授業を受けるという状態の子たちがいます。

それと、大学生のもう一つの問題点は、各地から来ていますので、私の本校は神戸市にあるのですけれども、大阪から来ている子もおります。出身自治体によって受けられる支援が全然違うのですね。

ですから、大学でいろいろな支援の窓口や相談窓口をつくって、大学と地域と連携しようと思っても、その子たちの住民票がどこにあるか。自治体のレベルで支援が違うという問題が起こってきて、大学だけでは解決できないということとがあります。

本当に普通に今まで支援が必要なかったと思われている子たちがほんのちょっとしたきっかけで大学を辞めてしまったり、就職活動でつまずいたり、初職でつまずいて、人に相談できないまま、そして最終的に何年かたってから、行政の窓口に来たんだなということを今感じている最中です。

本当に若者は、18まででなく、後期青年期まで含めて、20代の若者、そして、その子たちの特性、求めるものに応じて自分たちが選んで居心地がいいという場所じゃないといけないのですけれども、そういう面的に活動を広げていくことができたらいいなと思っております。

皆さんの御指導、御助言、どうぞよろしくお願い申し上げます。 それでは、今ほど藤原局長、黒瀬審議官が来られましたので、できましたら皆様方に御挨拶を一言ずつお願いしたいと思います。

藤原成育局長:皆さん、こんにちは。1時間ほど遅れて参加をさせていただきました成育局長の藤原でございます。

3月までは厚生労働省の子ども家庭局長でおりました。

4月1日からこども家庭庁に異動してまいりました。どうぞよろしくお願いいたします。 一言ご挨拶申し上げます。

前半部分はお聞きできなかったのですが、委員の皆様方から御自身の活動を踏まえた指針への思いをお聞かせいただきました。

多様な居場所があるんだなということを、今、前田先生からもお話がありましたけれども、一昔前とは随分違う状況なんだなということがよく分かりましたので、これを指針に練り上げていくのは非常に大変な作業だと思いますけれども、ぜひ先生方のお知恵をいただきながら検討を進めていければと思います。

どうぞよろしくお願い申し上げます。

黒瀬審議官:審議官の黒瀬でございます。

私も国会に行っておりまして、ちょっと遅れてすみませんでした。私も非常にこの分野は関心がございます。

昨年までこどもの貧困対策等をやっておりましたが、この居場所というのは、ターゲットからユニバーサルにわたる非常に多様で重要な概念であると思いますし、それだけに、先ほどもお話がありましたけれども、それを定義したりするのも難しいし、へたに定義するとかえって窮屈になってしまうという難しさもある。

そんななか、この部会の議論の中でどのような姿を描き出していけるのかということを非常に楽しみにしておりますし、皆様方と一緒に学んでいければと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

前田部会長:ありがとうございました。 続きまして、議事(5)今後の進め方につきまして、事務局より御説明をお願いします。

山口成育環境課長:ありがとうございました。

議事(5)今後の進め方についてでございます。

資料3-1を見ていただきたいと思います。こどもの居場所部会のスケジュール案でございます。

本日、第1回目でありまして、第2回目を6月、第3回を7月上旬、第4回を7月下旬という形で、まずは関係団体のヒアリングを2回に分けて行いたいと思っております。

それから、第4回目では、こどものヒアリングということで、こどもから直接意見を聞くという会を設けたいと思っております。

その後、夏に入りまして指針の具体的な論点を提示して議論を深めていただきまして、年内に閣議決定をさせていただけるよう、議論を取りまとめていただければと思っております。

続きまして、資料3-2を御覧いただきたいと思います。

資料3-2は部会内でのヒアリング、居場所づくり団体へのヒアリング先の候補についてでございます。

今ほど申し上げましたように、今後、2回に分けてヒアリングを行うことを考えております。ここにございますように、まず種別としては、左側の欄にありますようにユースセンター、児童館、プレイパーク、放課後児童クラブ、こども食堂、そして、第2回目に放課後等デイサービス、オンライン支援、学習・生活支援、社会的養護・ケアリーバー、自治体、このようなラインナップで、具体的なヒアリングの団体候補としては、右側に掲げておりますけれども、これは事務局のほうで準備をさせていただいたのですが、事前に資料の説明を委員の皆様方に行う中で、割と今、団体候補で上がっている団体が、委員が出てきていただいている、所属している団体が結構多く含まれていまして、むしろ多様な意見を聞くという観点からは、そうではなくて、委員が入っていないような団体から聞いたほうが多様な意見が聞けるのではないかというような御指摘をいただきました。

言われてみれば、我々としてもそうかなと思っておりますので、その点も踏まえて御意見をいただけたらと思っております。

次のページは、事務局ヒアリングとして、今申し上げたものはこの部会の場で皆さんからヒアリングをしていただくという候補ですけれども、その他、たくさん居場所の関係がございますので、ここの部会では全部聞ききれないので、我々のほうでヒアリングを事務局的に行いまして、その概要をこの部会で共有させていただくという取扱いにしたいというものの候補のジャンルをここに示しております。

一つ一つは申し上げませんが、ここにあるような多様な居場所について事務局のほうでヒアリングをして、その結果を共有させていただきたいと思っております。

説明は以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

ただいまの事務局の御説明に関しまして、委員の皆様から御質問、御意見がございましたら頂戴できればと思います。

御意見のある方は手を挙げる機能を御利用いただければと思います。いかがでしょうか。 菊池真梨香委員、お願いします。

菊池(真)委員:多分、最初に大空さんが挙げられたかなと思いますが。

前田部会長:ごめんなさい。老眼が進んでるんです。大空さん、お願いします。

大空委員:すみません。ありがとうございます。

先ほどの事務局からのヒアリング候補先の件について、私も事前に意見を出させていただいたのですが、今、10の候補のうち5つ、半分が委員の皆さんが関係している団体ということで、ヒアリングは中立的に行うものであるということと、もう一つは、委員の皆さんはこうして発言の機会が恐らくいろいろあると思いますので、せっかくなので、例えば地方であったり、年齢的にもそうですけれども、偏りのないヒアリング方法というのを、本来は事前に選定しなければいけなかったと思います。

言われてみればそうかなとか、そういう話ではないと思いますけれども、事前にもう資料が出ちゃっていますから、せっかくこうした会をやっているのに、外から見たときに、なあなあでやっているというふうに思われると非常にもったいないかなという気がしますので、できれば偏りのないような候補というのをもう一回洗っていただくと。

1つ、全国児童発達支援協議会さんだけは、事前に事務方からの御説明によると、やはりどうしても全国児童発達支援協議会さんでないと難しい部分があるというようなことでしたので、何かヒアリングの取りまとめの際にちょっと配慮をするとか、そうした何かしらのルールメーキングは必要ではないのかなという気がしております。

もちろん中間支援団体が多くなるということは、性質的にあると思いますけれども、ちょっとその選定の段階でぜひ、ほかにもいろいろ団体はあるということだと思いますので、挙げていただければいいのかなと思いました。

前田部会長:ありがとうございます。

では、手を挙げておられるのは菊池真梨香委員と青山委員でよろしいですかね。 まず、菊池真梨香委員、お願い申し上げます。

菊池(真)委員:ありがとうございます。

ヒアリング候補先の中で民生児童委員というところがありますけれども、あと保護司さんとかにもヒアリングするのはどうかなというのは1つ思いました。

犯罪を犯した少年ですとか、少年院を出た少年とか、そういった少年たちも居場所がなかなかないというのも聞いたことがありますので、どうかなと思いました。 以上です。

前田部会長:ありがとうございます。 青山委員、いかがでおられますか。

青山委員:候補先に関わってということなのですけれども、今、ヒアリングというふうに第1回、第2回がありますが、何を聞くかということがすごく重要なのかなと思っていて、この部会の目的とも関わるのではないかと思っております。

居場所指針に向けて盛り込んでほしいもののオーダーを聞くような話にするのか、そもそも居場所にとって何が大事でとかいうようなことを聞くのか、そもそも居場所とはという話になるのか、かなりこの部会自体のゴールとも関わりますが、各団体、多分いろいろな切り口でお話ししていただけるところだと思いますので、何を聞くか、少なくとも共通の質問をどうするかとか、その辺りが少し共有できた上で臨めるといいかなと思いました。 以上です。

前田部会長:ありがとうございます。 ほかに御意見ございませんでしょうか。 今村委員、お願いします。

今村委員:ありがとうございます。

私はちょっと大空さんと視点が違って、むしろ今、自己紹介の中で少し自団体の取り組んでいらっしゃることをお話しになった方々がいらっしゃって、すごく勉強になったのですね。

多分ここの委員になられているということは、一定の代表性を持っているという点もあるのかなと思いますので、遠慮なく議論する雰囲気みたいな、遠慮なく自団体で気づいていらっしゃることを、逆にヒアリング先として選ばれていなくても、資料提出をしたり、プレゼンの時間をがしがし入れていただくとかしたりして、選ばれた団体の話を聞いてコメントするみたいなスタンスで関わるにはあまりにもったいないぐらい経験値を持った方々がいらっしゃるんだなというふうに思いましたので、結構他省庁の審議会でも、先にヒアリングから始まるというのは私はあまり経験したことがなくて、委員が持っている観点をまず存分に出す時間があって、その上で答え合わせ的に他団体から足りない論点を埋めるみたいな経験はしたことはあるのです。

なので、平等性と網羅性は非常に難しいことだなと思うのですけれども、私としては、ぜひここに参加していらっしゃる方々の持っていらっしゃる観点をたくさんお聞きしたいなということも、遠慮の雰囲気にならないように一応言っておきたいなと思いまして、お伝えさせていただきます。

前田部会長:ありがとうございます。 ほかにいかがでしょうか。皆さん、手を挙げておられませんか。大丈夫ですか。 では、今いろいろ御意見いただきましたけれども、よろしいですか。 安部先生、お願いします。

安部委員:ありがとうございます。安部です。

今のヒアリング候補先の件に関して中間支援団体が非常に多くなっています。こどもへのヒアリングが第4回にありますが、保護者であるとか、あるいは現場の支援者の方へのヒアリングは予定されているのかどうかというのを教えていただきたいなと思いました。 以上です。

山口成育環境課長:事務局です。まず、今回、団体の候補として中間支援団体が挙がっていますけれども、その趣旨としては、例えば同じ取組をしている同じジャンルの中でもターゲット寄りのところからポピュレーション寄りのところまで様々な、同じジャンルの中でもある中で、特定の一つの居場所からしか聞かないと、ちょっと議論が偏ってしまう可能性があるなということで、むしろ中間支援団体を通じて、その双方の取組を現場の声として御紹介いただければなという趣旨でありまして、中間支援として何をやっているかということもあるのですけれども、中間支援団体から見えている現場の実際の状況を幅広く御紹介いただけるのかなということで選定したという経緯がございます。

したがって、そういう意味では、中間支援団体を通じて現場の実際の支援者の声だったりというのを聞くような形を想定しておったということでございます。

それから、保護者については、今のところこどもから直接ヒアリングをするという回を設けておりますけれども、保護者から直接聞くというスケジュールにはなっておりません。

前田部会長:ほかに皆さん、気がつかれた点はございませんでしょうか。よろしいですか。 大空委員、お願いします。

大空委員:1点だけすみません。

さっき今村さんがおっしゃっていたとおり、我々委員の団体、今は先ほど3分しかなかったですね。

なので、そこをもう少し幅を厚くするというのは一つ方法としてあると思うのですが、単純にヒアリング先として委員をとなると、これは今度、委員もそれぞれNPOをやっているところもあるけれども、そこは選ばれていないとか、発言時間の問題とかがいろいろあると思いますので、もしスケジュール的に、非公式な形でもいいのかなという気はしなくもないですけれども、ぜひ委員のそれぞれの活動を忌憚なく議論する場をつくっていただいた上で、それ以外のヒアリングの場しかない、要は外部の団体さんであるとか中間支援団体の皆さんの声を聞けるような場所もぜひ設けていただけると大変いいのかなと思いました。

前田部会長:ありがとうございます。 ほかにはいかがでしょうか。

よろしいですか。

私も、皆様方の大変多様な活動をしておられまして、今の皆さんの3分間の発表でも大変学びがございましたので、皆様方から今日いただきました意見を十分配慮した上で、部会長の私と事務局で相談いたしまして、ヒアリング候補先や今後の進行について決めさせていただきたいと思いますので、それでよろしいでしょうか。

御意見は頂戴いたしましたので、どうぞ今後、よろしくお願いします。 今村委員、どうぞ。

今村委員:私は今回から参加したのですけれども、前回まで御参加になった方々が重ねてきた意見を、居場所指針案みたいなものが既に例えば実はまとまっていらっしゃって、それをたたき台にするような、そういうここまでの議論の継続性みたいなところは、資料4がそれということでよろしいでしょうか。ゼロから始めるわけではないと思うのです。今までなさってきた積み重ねの上で今回始まると思うので、それでいうと、たたき台というか、その辺りを教えていただいてもいいでしょうか。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

事務局です。

今、言及のありました調査研究ですね。冒頭説明を申し上げました調査研究の報告書がいわば指針のたたき台というよりは、これまでの議論の一つの成果としておまとめいただいたものですので、それを参考に皆さんにも御議論いただきたいと思っております。 ただ、今の段階で指針の具体的な案をこちらで持っているわけではございませんので、これまでの研究成果、そして、2つほど紹介しましたけれども、その関連する議論、こういったものも参考にしていただきながら、また、これから夏以降、ヒアリングの後にそれぞれ実際に指針というのを具体的に議論していく中で、皆様のこれまでの経験を踏まえた御議論を十分にしていただけるのかなと思っておりますので、そういった場で、経験に基づいた活発な御議論をいただければというふうに我々としては思っているところです。

今村委員:分かりました。ありがとうございます。

でも、雲をつかむような感じになっていってしまうのもちょっともったいないので、どこのタイミングまでに取りまとめの案をつくるかとか、そういったこともまた教えていただくと、

この議論は物すごく広いので、どう集約するかのイメージを途中途中で持てたらなと思ったので、お伝えさせていただきました。

前田部会長:ありがとうございます。

私も事前説明いただいたときに、こどもたちの居場所というのはすごく多様ですよね。

いろいろなライフステージもありますし、どこをカバーするかみたいな全体像を見ながら指針をまとめていかないといけないと考えております。

湯浅委員が最後に言われましたけれども、大変重要なものですので、ぜひ皆さんの意見を反映して、意義あるもの、後世に残しても、ちゃんとあのときスタートしていいものができたねと言えるものをつくっていけるようにしたいと思います。

今後の進行についても、今日皆様から大変積極的にいいアイデア、提案いただきましたので、ぜひそれを取り入れながら事務局と相談して進めさせていただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 それでは、事務局から、今後の日程などの御説明をお願いします。

山口成育環境課長:ありがとうございました。

今後の日程についてですけれども、次回、第2回、既に御連絡をしておりますけれども、6月13日火曜日の9時から、それから、第3回を7月14日金曜日の13時から開催予定としております。

両日ともに3時間程度、少し長丁場になりますが、お願いをいたします。

次回の部会では、先ほど申し上げましたような関係団体のヒアリングを予定しております。

前田部会長:それでは、最後に、小倉大臣から御挨拶いただきたいと存じます。

プレスが入りまして、撮影可能となりますので、少しお時間をお待ちください。 (報道関係者入室)

前田部会長:小倉大臣、どうぞよろしくお願いいたします。

小倉大臣:ありがとうございます。

こども政策担当大臣の小倉將信です。

まずは、こどもの居場所部会、初回でありますが、本日御多用の中、御参加をいただきまして、誠にありがとうございます。

つい先ほどまで官邸でこども未来戦略会議、少子化対策、こども・子育て政策の強化に関する会議が開かれておりましたので、遅参しましたこと、御容赦願いたいと思います。

ちょうど委員の皆様方のプレゼンをお伺いすることができませんでしたので、しっかりと議事録を私も後で拝見して、キャッチアップをしてまいりたいと思います。

御案内のとおり、4月にこども家庭庁が発足し、こども基本法が施行されました。また、こども家庭審議会も開催し、こどもの居場所づくりに関する指針の策定に向けた検討について総理からこども家庭審議会に対してお願いをさせていただきました。

先ほど今後のスケジュールについてお話がありましたが、この指針については、今後、こどもの居場所部会において様々な御意見をいただき、しっかりと御議論いただきたいと思っております。

全てのこどもが安全で安心して過ごせる多くの居場所を持ち、居場所において様々な学びを得て、社会で生き抜く力を得るための糧となる多様な体験活動や外遊びの機会に接することは非常に重要であります。

こどもはこうした経験を通じ、自己肯定感や自己有用感を高めて成長していきますことから、居場所はこどものウェルビーイングや社会全体の未来に深く関わるものと考えております。

こうした観点の下、こども家庭庁といたしましては、この部会で御議論いただくこどもの居場所づくりの指針に基づいて、こどもの居場所づくりの取組を強力に推進してまいりたいと考えています。 部会での審議に当たり、長くなって恐縮でありますが、私から2点お願いを申し上げます。

1点目は、こども・若者の視点に立った議論をお願いしたいという点であります。

こども家庭庁は、こどもや若者の視点に立った政策づくりを基本としておりますが、居場所づくりにおいてもこども・若者の主体性を尊重することが重要であります。

今後、部会においてこども・若者へのヒアリングも予定しておりますが、それらも含めて、こどもの視点に立った御議論をどうぞよろしくお願いします。

2点目は、全てのこどもの健やかな成長やウェルビーイングの向上を目指すという視点でございます。

一言で居場所と言っても、対象者や取組内容は多種多様であり、今日のここでの議論がありましたように、各地域で創意工夫にあふれた取組が実施されております。

こうした取組を尊重しつつ、様々なニーズや特性を持つこども・若者がおのおののニーズに応じた居場所を持つためにはどうすればよいのか、御議論をいただきたく存じます。 最後になりますが、このような大事な部会の委員をお引き受けいただき、前田座長をはじめ、改めて皆様に御礼を申し上げたいと思います。

また、こども家庭庁の発足前に、こどもの居場所づくりに関する調査研究の報告書をまとめてくださった湯浅座長をはじめといたします検討委員会の委員の皆様方にも、この場をお借りいたしまして、感謝申し上げたいと思います。

私自身、こども家庭庁が司令塔としての役割を全うし、こどもまんなか社会を実現するため、皆様からの御助言、御提案を参考にさせていただきながら、取組をしっかりと進めてまいります。

本日は貴重なお時間を頂戴して御議論いただき、本当にありがとうございました。今後の部会におきましても、今日のように自由闊達に御議論いただくことを改めてお願い申し上げまして、挨拶に代えさせていただきます。ありがとうございました。

前田部会長:小倉大臣、ありがとうございました。

それでは、本日の会議はこれにて終了といたします。委員の皆様におかれましては、気づかれたことや、また、言いたりなかったことがございましたら、御遠慮なく事務局のほうまでメールをお寄せください。皆様、どうもありがとうございました。