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こどもの居場所部会(第10回)

概要

日時:令和5年10月6日(金)13時00分から16時00分
場所:こども家庭庁22 階 庁議室

【オンライン配信URL】
URL:https://www.youtube.com/watch?v=tftDc-Gde9g

議事

  1. 開会
  2. 議題
    (1)「こどもの居場所づくりに関する指針(答申素案)」について
  3. 閉会

資料

議事録

前田部会長:それでは、定刻となりましたので、ただいまから「こどもの居場所部会」第10回を開催いたしたいと思います。

委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

本部会長の前田でございます。よろしくお願い申し上げます。

本日も、対面とオンラインのハイブリッドにて開催させていただきます。

なお、水野達朗委員、山本委員は御欠席でございます。青山委員は途中退席、今村委員、関戸委員は遅れての御出席の旨を承っております。

それでは、まず、事務局より資料の確認をよろしくお願い申し上げます。

山口成育環境課長:事務局でございます。

まず、出欠の状況ですけれども、ただいま部会長からお話がありましたけれども、現時点で青山委員がお見えになっていないようですが、間もなくお見えになると思います。

それでは、資料の確認をさせていただきます。配付資料ですけれども、資料1から5、それから次第と参考資料1を含めまして計7点となっています。

資料1は答申素案として、前回の部会の御意見を反映した内容を修正箇所が見える形での資料としております。資料2はこの答申素案の概要版ですけれども、資料1の修正内容を踏まえて一部修正をしているものでございます。資料3、4は前回の部会と同様でございます。資料5は今後のスケジュールについてでございます。資料5の右側に記載がございますとおり、9月29日から素案のこどもパブリックコメントを行っております。現在画面に映し出されておりますけれども、こども家庭庁のホームページにこのような形で今こどもから意見を募集しておりますので、御紹介をさせていただきます。

本日の部会の後は、10月下旬にパブリックコメントの結果を踏まえた議論の会がございまして、その後、11月中旬に答申の取りまとめの会を予定しております。このため、本日の議論で取りまとめに向けて意見の一定の集約を図ってまいりたいと考えております。

資料の欠落等ございましたら、事務局までお申しつけください。

また、今回の部会は傍聴希望者向けにユーチューブでライブ配信をしております。

それでは、頭撮りはここまでとさせていただきます。

部会長、お願いいたします。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、次第の1「『こどもの居場所づくりに関する指針(答申素案)』について」議論したいと思います。先ほど事務局からの説明もございましたが、前回の御意見を踏まえまして、修正いたしました資料1を基に御意見をいただきながら、指針取りまとめに向けて進めていきたいと思います。先ほどスケジュールにありましたとおり、11月には取りまとめしなければならないというスケジュールが決まっておりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。

本日も前回の部会同様、3つのパートに分けて進めさせていただきます。まず、第1章「はじめに」及び第2章「こどもの居場所づくりに関する基本的事項」についてのパートといたします。続きまして、第3章「こどもの居場所づくりを進めるにあたっての基本的な視点」を御議論いただき、最後に第4章「こどもの居場所づくりに関係する者の責務、役割」及び第5章「推進体制等」について御議論いただきたいと思います。

それぞれのパートにおいて事務局からの説明の後、約40分程度で委員の皆様から御意見
をいただく形式で進めたいと思っております。

なお、本日の部会も3時間を予定しておりますので、途中で休憩時間を取ることを予定しております。

それでは、まず、第1章及び第2章について御議論いただきたいと思います。

事務局より資料の該当部分の説明をお願いします。

山口成育環境課長:事務局です。

それでは、資料1「こどもの居場所づくりに関する指針(答申素案)」を御覧いただきたいと思います。

資料をめくっていただきまして、4ページを御覧ください。4ページから本文となっております。修正した箇所について御説明をいたします。

4ページ、「はじめに」の「1.策定までの経緯」のところですが、8行目「こども家庭庁の発足を待たずして、国では『こどもの居場所づくりに関する調査研究』を実施し」というふうに加えております。

それから、その下の「2.こどもの居場所づくりが求められる背景」ですけれども、24行目「こどもは家庭を基盤とし、地域や学校など様々な場所において、様々な大人との関わりの中で成長する存在であるが」というふうにしております。

それから、その次の5ページ目、1行目ですけれども、「このような構造変化は、『地縁』や『血縁』による子育てのサポートにも影響を及ぼしており、共働き家庭やひとり親家庭の増加とあいまって、家庭における子育ての孤立化が懸念されている」というふうに記載をしております。

6行目ですけれども、「こどもヒアリングでは、放課後の時間においてこどもが自由に過ごせる時間が減っているとの声があった」。それから13行目ですが、「とりわけ厳しい環境で育つこども・若者は、居場所を持ちにくく、失いやすいと考えられることから」、その下ですが「こどもの権利を守り」というのを追記しております。

19行目ですけれども、「こうした背景によって、こどもの居場所づくりの緊急性と重要性が増している中」というふうに追記をしております。

それから、6ページから第2章「こどもの居場所づくりに関する基本的事項」でございますが、30行目に「立地や地域性、技術の進歩など」というふうに加えております。

その次のページになりますが、7ページの3行目「インターネットの普及や通信技術の進歩によって、SNSやオンラインゲームの空間が居場所となったように、今後の技術の発展が新しい居場所をつくる可能性もある」というふうに追記をしております。

また、同じページの28行目「人との関係性の影響を受けるものであること」というセクターですけれども、「学校やクラブ活動など、結果としてこども・若者の居場所になっている場があるのは、こうした人との関係性に依るところが大きい。一方で、否定的・抑圧的な関係性から距離を置き、だれとも交流せずに、自分ひとりでいられる場を居場所と感じることもある」というふうに修正をしております。

それから、8ページの1行目「こうした人との関係性が、特に支援の必要性が高いこども・若者にとってセーフティネットとして機能することもある」というふうにしております。

4行目ですけれども、新しく「支援する側と支援される側との相互作用があること」というセクターを挿入しております。「こども・若者が居場所づくりに参画し、支援に関わることは、彼ら/彼女らの成長につながり、自身の居場所にもなることがある。また、かつて支援を受けていたこども・若者が、やがて支援する側に回ることもある。とりわけ若者支援の場において、支援する者と支援される者とが一体となって居場所づくりが行われる例も多い」と追記をいたしております。

その下、「地域づくりにつながるものであること」は文章の順番を入れ替えております。

それから、その次の9ページ、「本指針の性質等」の中の「対象となる居場所の範囲」の例示として「企業が提供するSNS」という文章を追記しております。

それから、10ページ、「対象となるこども・若者の年齢の範囲」のところですが、19行目「小学校就学前のこどもも視野に入れつつ、小学校就学以後のこどもを中心とした記載としている」といった表現にしております。

第1章、第2章につきまして、修正点は以上でございます。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、こちらのパートにつきまして、前回の素案から修正した点を中心に御意見いただければと存じます。発言の際にはページ数と行番号、または何章の何番の項目への御意見かなど、御意見の箇所を明らかにしていただきますようお願いいたします。また、本段階では具体的な修文内容と共に御意見をいただけると幸いです。

御意見のある方は挙手または挙手ボタンをお押しください。皆様いかがでしょうか。

それでは、友川委員、お願い申し上げます。

友川委員:ありがとうございます。2点ございます。

まず最初に、第1章の24行目でございます。こちらのほう、「こどもは」という主語で追記をしていただきましてありがとうございます。その中で後半部分でございますが、「様々な大人との関わりの中で成長する存在であるが」という一文がございます。こどもが成長するのは、大人の関わりはもちろん非常に大事なことではあるのですが、居場所の持っている性質の中で、こども同士で成長し合えるという特色、委員の中でも遊びを通し4 てとか、生活体験を通してというときに、大人の存在も大事ですが、こども同士のというところもございますので、追記の御提案としまして、様々な大人との関わりや、同年齢、異年齢のこども同士との関わりの中でというふうに、大人だけではなくこども同士、しかも異年齢、同年齢という幅広い年齢層での交流というものを追記していただければと思います。以上が1点目でございます。

続いて2点目、9ページでございます。「(2)対象となる居場所の範囲」の箇所の29行目です。赤字になって新規に追記していただいた事項の中に「企業が提供するSNS」という表記を入れてくださっているのですけれども、SNSを提供されているのは企業だけではないというふうに今までのヒアリング等で学ばせていただきましたので、ここは限定せずに、企業や民間団体等がという、SNSの進出についてはこれからいろいろなところが期待できるところもございますので、企業のみに絞らない表現のほうが幅広いのではないかということで御提案させていただきます。

以上2点でございました。ありがとうございます。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、次に、成田委員、お願い申し上げます。

成田委員:ありがとうございます。

細かいところも含めて5つほどあるのですけれども、まず第1章の「2.こどもの居場所づくりが求められる背景」の20行目からのところになります。この部分は居場所が人にとって大事なものであるというような前文が書いてあると思うのですけれども、居場所づくりということに関して、我々大人がこどもの居場所のために何をするべきかとか、どうしてそうするべきかという、こどもの居場所づくりにおいては大人の役割が大事なのだということを最初に伝えておくといいかなと考えていまして、具体的には、21行目の「すべての人にとって生きる上で不可欠な要素」というところに、その「すべての」の前に大人も含めという文言を入れて、22行目「不可欠と言えるものであり」のところを、あるがにして、こどもヒアリングのときにこどもから大人にやってほしいことというので、やはりこどもだけで居場所をつくれないから大人に居場所をつくってもらって、でも、あまり干渉しないでもらいたいみたいな意見があって印象に残っていたので、そういう意味で、不可欠と言えるものであるが、こどもだけで居場所をつくり、安全を確保し、維持していくことは難しく、こども・若者の居場所を確保していけるように取り組んでいくことは大人の大事な使命であるというような形で、大人の役割として定義をしていただけるといいなと思いました。

その続きのところで、24行目からなのですけれども、居場所というのは単に物理的に場所があれば居場所になるわけではないし、周りから見れば一見すると問題がないように見える御家庭とかにあっても危機状態にある子もいますし、休まず学校に通っていても不安や孤立感を持っているこどももいるということで、そういうところに目を向けて、居場所ということについて定義をしてもらいたいなというのがあって、具体的には24行目で「地5 域や学校など様々な場所において」の後に、安心・安全が保証される中で、先ほどの友川委員の意見にもあったように、大人だけではなくて様々な人との関わりを通じて育まれというような文を追記していただいて、場所があって、そこの中で安心・安全が保障されていて、人との関わりを通じて育まれるというようなところを提案したいと思います。

続けて、5ページの1行目から3行目のところなのですけれども、「このような構造変化は」というところで書いてあって、ここは子育ての孤立化ということを挙げていただいているのですが、子育ての孤立化がこどもの居場所にどう影響するのかということを一言言及しておくほうがいいのではないかなと思いまして、「懸念されている」という文言の後に、大人同士のつながりの希薄化によって、こどもが人や地域とつながって居場所を確保する機会を減らしてしまうというような文言はどうかなと思いました。

あと、同じ5ページの9行目の、これはちょっと個人的な感想なのですけれども、「また、『ソーシャルディスタンス』の確保の要請は」ということが書いてあります。これはコロナ禍の最中にあるときはまさにそれが現在進行形だったと思うのですが、現状ではちょっとソーシャルディスタンスということが、言われてはいるけれども、どれほど今現在進行形で影響しているのかなということがあって、一層困難にしているというのが表現としてこれでいいのかどうかというところは疑問に思いました。

最後は、ちょっと具体的に文章を自分なりに考えてみたのですが、今、口頭でお伝えするだけだと伝わりにくいと思うので、内容的なことをお話ししますけれども、ここまでの内容は、前段では時代の移り変わりで社会とか経済の構造とかマクロ的な変化でこどもたの居場所が受けている影響について記載してあると思うのですけれども、11行目以降はどちらかというと個別的な事情について、児童虐待とか不登校とかそういったことで居場所ということはどういうふうな影響が出ているか、変化があるかというようなことが書いてあると思います。なので、前回の議論のときにも申し上げたのですけれども、この部分についても、児童虐待や不登校、自殺の問題ということについて、居場所という観点から捉えるとどういうふうに解釈できるかというか、考えられるかということを文として追記していただけるといいかなと考えています。自分なりの文はあるのですけれども、今口頭ではちょっとあれなので、また後ほどメール等でお送りしたいと思います。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、次に、小川委員、お願い申し上げます。

ありがとうございます。私は4点あります。

6ページ目の第1章の3.の最後の部分なのですけれども、3.では多分、居場所づくりを通じて目指したい未来というのがタイトルになっているところで言うと、最後に「居場所づくりを実現する」という文の締めではなく、その居場所づくりを通して社会で活躍していけるようなこどもたちが生きていけるような社会を目指すみたいな形での文章の締めにするのがいいのかなというところと、併せて、先ほど成田委員のほうからもあったように、子育ての孤立化ともしここの部分をつなげるのであれば、こども・若者の育ちを地域で支える未来を目指すといった形の、もう少し広い社会全体でどういうふうになっていくのが望ましいのかみたいなところをここで書き込めるといいのかなと感じています。

2点目は、第2章の6ページの「2.こども・若者居場所の特徴」のところですけれども、ここでは多分、こどもの居場所がどういうものなのかというところを総論として整理したいのかなと思っていて、そこでいうと、先ほどほかの委員からもあったように、やはりこどもたちの居場所の大きな特徴というのは、大人側がつくったものであったりとか、何らかの制度によって設置されているものも多く含まれているというところを指摘しておくのも大事なのではないかなと思っており、だからこそ、こどもたちのニーズに耳を傾ける必要があるといった点も少し書き加えられるといいのかなと思っております。

3点目は、7ページ目の人との関係性の影響を受けるものであることのところなのですけれども、ここではその場に行ってからの関係性のことをいろいろ追記いただいているのですけれども、それに加えて、場との出会いみたいなものもすごく人との関係性によるところが大きいというのがこどもの居場所の特徴なのかなというのを、この間のヒアリングとか現場でも感じているところなので、その辺りも追記いただけるとよいなと思っております。

4点目は、ちょっと全体に関わるというか、構成の面なのですけれども、「こどもの居場所の特徴」のところで順番が結構ミクロとマクロと行ったり来たりする感じがあるので、この辺りはミクロからマクロに行くのか、逆か、少し整理していただいたほうが初めて読む人にとっては内容が入ってきやすいのかなと感じております。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、次に、安部委員、お願い申し上げます。

安部委員:ありがとうございます。安部です。2点ございます。

まず1点目なのですけれども、5ページの15行目のところです。前回の発言を受けて、「こどもの権利を守り」という言葉を入れていただいて、ありがとうございます。ここに関連して、1つ戻っていただいて、4ページ、18行目の「2.こどもの居場所づくりが求められる背景」のところ、やはりここにも「こどもの権利」というのを見出しに入れていただきたいと思います。というのは、この後すぐ20行目からは、人ということで大人も含めた人間全般の話をしていると思うのですけれども、こどもにこそ居場所が必要なんだというところを、このこどもの居場所指針では示したいはずなので、なぜそれが求められているのかというところを書き込む必要があるかなと思います。

具体的な提案としましては、2.のところを、「こどもの権利を基盤とするこどもの居場所づくりが求められる背景」というふうに変えていただいて、その後に固有性を入れていただけたらというのが1点目です。

2点目ですけれども、7ページ、「多くのこどもにとって学校が居場所になっていること」という項目がございます。ここに関しては学校の役割をいろいろとこれまでも議論してきたかなと思うのですが、学校・文部科学行政の中で居場所がどのように位置づけられてきたのかを、書き込んだほうがいいのではないかと考えました。というのは、「居場所」に関しては、不登校への対応として平成4年3月に「登校拒否(不登校)問題について-児童生徒の『心の居場所』づくりを目指して」という文書が学校不適応対策調査研究協力者会議から出ています。ここを起点として学校での心の居場所づくりというのが始まっていると思うのですが、現在では、学習指導要領の解説であるとか、あるいは生徒指導提要でも「居場所」に言及されていますので、そのことを付け加えたらよいのではないかなと考えました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、次に、大空委員、お願い申し上げます。

大空委員:事務方の皆さん、いろいろ御修正いただきありがとうございます。

新たに気づく点もあると思いますが、前回の議論を踏まえた修正点に限った議論をしないといつまでも収束しない気もするので、そこだけに限定してお話しすると、大したところではないのですけれども、9ページの29行目の「企業が提供するSNS」というところで、7ページの新たに追加された3行目のところで「SNSやオンラインゲームの空間が居場所となった」と指摘されているので、9ページの29行目についても、SNSやオンラインゲームということでオンラインゲームを追加して表現をそろえたほうがいいんじゃないかなというところが1つ。企業が提供するという文言については、友川先生がおっしゃったことに賛同するところですので、そもそも企業が提供するとかいう言葉がなくて、SNSやオンラインゲームと限定してもいいかなとは思ったりしました。

以上です。

前田部会長:よろしいですか。

それでは、次に、荒木委員、お願い申し上げます。

荒木委員:水野委員のほうが先に手を挙げていらっしゃった感じがします。

前田部会長:ごめんなさい。水野委員、お願いします。ありがとうございます。

水野(か)委員:すみません、荒木委員、ありがとうございます。水野です。

私のほうからは1点です。第2章の8ページ、16、17行目辺りかと思います。「地域づくりにつながるものであること」の部分なのですが、内容的にはとても大事な部分かと思いますが、最後のほうに、このことにより、こども・若者にとって地域全体が安心した居場所になり得るということが社会全体といいますか、地域全体に働きかける内容も必要ではないかなと思いましたので、そのことだけ1点です。ありがとうございます。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、荒木委員、お願い申し上げます。

荒木委員:荒木です。

先ほどの安部委員の4ページのこどもの権利を見出しに出してほしいという御意見に重ねさせていただきたいと思います。こどもの権利についての記載というのは散りばめられて、いろいろなところに入っているというのは私のほうでも確認はしておりますが、より強調することが今回の指針では大事じゃないかなと思うからです。ニュースとかで見ていても、やはりこどもの権利侵害はあちこちで起きていて、見えているものばかりではなくて、恐らくたくさんあって、先ほど指摘もありましたが、そもそも人にとって居場所が必要であるということは冒頭で伝えていますが、その中でこどもの居場所というのがなぜ今社会に求められているかというと、このこどもの権利の保障がしっかりされていないから、こどもたちが居場所がないと感じている社会になっているからではないかなと感じています。

今、こどもまんなかとなったときに、どうやってこどもの声を聞いたらいいんだろう、どうやって一緒に話すんだろうということで戸惑っている方がたくさんいらっしゃって、それだけこどもたちの声とか気持ちを考えてこなかった社会があるんじゃないかなと。これをしっかりこの指針で反省して、その上でこどもの居場所を考えていくというのは大人たちの責任じゃないかなと感じるからです。なので、より強調したいのですけれども、それをすることで第2章の「こどもの居場所づくりに関する基本的事項」というところにも、こども・若者が過ごす場所、時間、人との全ての関係がこども・若者にとっての居場所になり得る。これはこどもの権利保障を社会でしていなければ起き得ないことなので、初めにそれを持ってくるのはいいと感じています。

私の周辺でも、児童館を含めてやはりこどもに関わる大人の権利侵害、気をつけていても続いていまして、行動規範とかコンプライアンスの強化の取組が必要だと感じていますし、検討委員会のほうにも参加させていただいたのですけれども、そのときもよりよい居場所づくりを進めるためにということで対応の方向性の一番初めにこども・若者の権利を大人が理解して、こども・若者と共に居場所をつくることということで掲げておりますので、ここにしっかりと頭出しするということが望ましいのではないかと思います。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

会場の先生方はよろしいですか。では、成田委員は2回目ですので、先に会場の先生たちに御発言を、光真坊委員、お願いいたします。

光真坊委員:光真坊でございます。ありがとうございます。私のほうからは2点ござい
ます。

5ページの11行目からのところであります。「他方で、こども・若者を取り巻く環境に目を転じると」と、取り巻く環境というふうに表現をしていただいております。そこで述べられてるのは、児童虐待の相談対応件数の増加、不登校、自殺のこども・若者の増加について書かれていまして、厳しさを増すというふうに書かれております。厳しいというのは環境ということでしょうが、ちょっとここで見ると、この取り巻く環境と厳しさというところが結びつきにくいような印象を受けるのではないかということがあります。また、厳しさということについて、少し取り方が人によって違うのではないかと。例えば育つ環境としての厳しさのことを言っているのか、ちょっとそこの厳しさという表現をもう少し分かりやすく表現したほうがいいのではないかと思っております。

あわせて、その部分ですけれども、児童虐待の話、不登校、自殺の問題がありますが、できればいじめの問題についても入れていただくといいのではないかと思っております。

2点目です。同じ5ページの34行目になります。これは以前にも申し上げたのですが、「社会で生き抜く力を得るための糧」というふうに書かれております。この表現ですけれども、一見すると強いこどもをイメージさせる。そういう生き抜く力を持ったこどもをというときに、こどもたちが強くなければならないかのような印象を受ける可能性があるのではないかと思います。障害のあるこどもさんも含めて、支援が必要なお子さんについては、生き抜く力の中の一つの重要な要素として、誰かに相談することとか援助を求めることというのも生き抜く力としてはすごく重要だと思います。もちろんその部分は入っているのだろうと思いますけれども、できればその部分を書いていただいて、例えば、誰かにとか、安心・安全な大人、こどもに相談することや援助を求めることも含めて社会で生き抜く力などというふうな表現をしていただくと誤解がないのではないかなと思います。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

では、菊地委員、お願い申し上げます。

菊地(英)委員:菊地でございます。

私からは第1章、5ページの20行目の辺りになります。ここでこどもの居場所づくりの緊急性や重要性が増していく中で「現場のニーズを踏まえた」という言葉が使われています。

この現場という言葉について、人それぞれで捉え方は異なってくるかと思いますけれども、すごく狭く捉えてしまいますと、それぞれの居場所そのもののニーズだけというふうに捉えがちなところもあるのかなと考えております。私自身、ヒアリングであるとか、あるいは居場所づくりを進めている担い手の皆様とお話をしていると、全くそんなことはなくて、地域性であるとか特性とかそういったものを踏まえて皆様いろいろ居場所づくりを進められている、そんな印象を強く持っております。もし可能であれば、こちらの現場のという言葉についてなのですけれども、それぞれの地域性や特性などという形で直していただけないかなというふうに思っております。そのほうが現状にふさわしいと思っているのと、後のほうで地域性などという言葉がいっぱい出てきたりしますので、そういう部分を含めますと、つながりという点でも背景のところにそういった部分を加えておいたほうがいいかなというふうに考えております。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、成田委員、お願い申し上げます。

成田委員:たびたびすみません。3点ほどあるのですけれども、まず、6ページの第2章、「1.こどもの居場所とは」のところです。ここに関して、居場所については8行目からのところで「多様な形態をとりうるもの」ということと、11行目から引き続いて主観的な側面、こども・若者本人が居場所と感じるかどうかということによっているということが書いてあります。特に11行目から13行目の部分はすごく大事な点ではないかなと。要は、どういう形態であったとしてもこどもや若者が主観的に居場所であると感じられるために心理的な要素が大事なのですよということをもう少し突っ込んで明記しておきたいなと思いました。具体的には、12行目の「居場所と感じるかどうかに依っている」の後に、多様な場を通じて人と関わり、時間、空間、体験を共有できた満足感、守られている、自分らしくいられる安心感、やり遂げた達成感など心理的充足を伴うものであるというようなことを追記するのはどうかなと考えました。

続いて、7ページ、先ほど安部委員からも話題に上がりました17行目からの「多くのこどもにとって学校が居場所になっていること」というところなのですけれども、安部委員もおっしゃっていたように、文科省のほうの学校の居場所としての機能とか役割についての記載が少し盛り込まれるといいというのは僕も同じように思うのですが、最後の一文で「学校をみんなが安心して過ごせる場所にする必要がある」というのが少し気になりました。もちろん理想的ではあるのですけれども、果たしてみんなが、あらゆるこどもが安心して過ごせる場って現実的にあり得るのだろうかということがちょっとありまして、みんなが安心してとか全員がということになってしまうと、結局のところ、より多くの人たちがということになってしまって、多数派基準の環境がつくられることになってしまうことを危惧しています。

ですので、ここについては、具体的な文言がまだ整理できていないのですけれども、学校という場所について、それぞれのこどもたちにとって居場所としてはいろいろな意味があると思いますので、そういう多様なこどもたち、いろいろなニーズを持ったこどもたちが安心して過ごせる場所にとか、みんなという表現ではなくて、そういう表現のほうがいいのかなと思います。

障害者差別解消法のほうで合理的配慮ということが言われていますけれども、あれは障害のある方に限ったことではなくて、人が多様であるということに関して、社会の側が柔軟に選択肢をたくさん持っていくことの重要性を言ってもらっているのかなと思うので、そういったことから文言として追加できるといいかなと思います。不登校になっても学校に行くか行かないかという、そこの選択肢しかないということが苦しいところだなと感じますので、その点を指摘したいと思います。

もう一つ、9ページの10行目からのところになります。「どこにも居場所がないこども・若者が生じないよう支援するとともに」というのが書いてあります。この「どこにも居場所がないこども・若者」を支援するというのはすごく大事だと思うのですけれども、居場所がないんだということに気づかれている子はそこからサポートが始まると思うのですが、11 自殺だとかそういった問題の背景をいろいろ見てみると、そもそも居場所がない、孤立しているということに気づかれていないこどもが結構いるんじゃないかなと感じています。ですので、ここも、どこにも居場所がないこどもが生じないように支援する前に、見逃しがないようにする注意喚起という意味で、どこにも居場所がないこども・若者の前のところに、居場所が危機に瀕していないか、つながりにくさを抱えていないか、一見すると居場所があるように見えて、実は孤立感を感じていないかなどの視点でこども・若者の状況を把握しという文章を追加するのはどうかなと考えました。

以上です。
前田部会長:ありがとうございました。

それでは、菊池真梨香委員、お願い申し上げます。

菊池(真)委員:ありがとうございます。

私からは1点、5ページの1、2、3行の部分で付け足していただいた部分についてですが、「共働き家庭やひとり親家庭の増加とあいまって」ということが新しく追加されたと思います。外に居場所をつくるというのを目的として、それが大事だというような指針づくりかと思いますけれども、やはり家庭が基盤としてと前ページでも追加していただいたように、まず家庭が居場所として機能するということも大事だと思いましたので、経済状況が困難であるということによって共働き家庭が増えたり、ひとり親家庭が増えて孤立してしまうお子さんとか親が増えてしまっているというような部分を鑑みて、この文の後に、家庭の経済状況の基盤を保障し、福祉の向上を図っていくことが引き続き、そちらも併せて検討していくことが重要であるという文言を書き足していただいてはいかがかなと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

では、今村委員、お願いします。

今村委員:成田先生がおっしゃっていた部分に重ねてというか、7ページ目の「多くのこどもにとって学校が居場所になっていること」という点について、確かに成田先生がおっしゃるとおり、全てのこどもたちがここを居場所にせよということは難しいですけれども、実際に過ごす場所であることは確かなので、19行目の、他者と関わりながら育つ、こどもにとって大切な居場所の一つであり、実際に、一日の大半を過ごす居場所としてと書いてあるのですが、この過ごす場所であるという事実なので、居場所であるという言い方ではなくて、一日の大半を過ごす場所として。居場所の居をここから削ったほうがいいのかなと。

その上で、22行目から始まる部分で「居場所としての学校という場が損なわれている状態にある」と書いてあるのですけれども、居場所としての学校の役割が損なわれているという表記のほうが正しいかなと思いました。

そして、その下のところに「学校をみんなが安心して過ごせる場所にする必要がある」と、ここにみんながということを書くのかどうかなのですけれども、先ほどの意見を踏まえると、学校を様々な環境下で生きるこどもたちがいることを前提に、できるだけみんなが安心して居場所と思える場所にするための努力をする必要があるというところかなと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、皆様、いかがでしょうか。よろしいですか。後で気づかれる点もあるかと思いますので、今お手が挙がっておりませんので、それでは、次の第3章に議論を進めたいと思います。

湯浅委員からお手が挙がりましたね。ちょっとお待ちください。

湯浅委員:どこになるのかな。未来のまだ生まれていないこどもというのをどこかに入れられないかなと思って、5ページ目の28行目に「全てのこどもが」とあります。全て及び未来、ここか、ちょっとこの未来のところは重いので、その手前の背景のところでどこかないかな。ちょっとごめんなさい。時間切れになりそうだったので先に、後でもうちょっと整理しますが。

前田部会長:もし後で気づかれたら、阻みませんので、ぜひお手をお挙げください。

それでは、一旦3章に移りたいと思いますが、今のように後から気づいたことがあったなということがございましたら、御遠慮なさらず、お手を挙げて言っていただければと思います。

それでは、3章について、事務局から御説明をお願い申し上げます。

山口成育環境課長:事務局です。

それでは、3章について変わったところを御説明します。資料1の10ページを御覧いただきたいと思います。21行目からが第3章になります。

まず、10ページの28行目ですが、「視点に順序や」ということで順序という表現を入れております。

30行目「ふやす」のところですが、「整備する」を「つくられる」というふうに直しております。

それから、11ページ、共通する事項の「(2)こどもの権利の擁護」のところですが、20行目「権利を侵害されたときの対応方法を含め」というふうに追記しております。

それから、12ページですけれども、「居場所に関する実態把握」のところで、供給側の実態把握として「支援における課題や改善策、実施状況」というのを追記、また、26行目ですが、需要側の実態把握として「なぜニーズを充足できないのか、どんな要因によってニーズを満たせたのか」といった内容が含まれるとしております。

それから、13ページ、「既存の地域資源を活かした居場所づくり」でありますが、2行目「放課後児童クラブ、公園」、それから3行目「子ども会、スポーツ少年団」、そして13 5行目「ボランティアによる参加など、地域の人材も重要な地域資源である」と追記をしております。

それから、8行目「とりわけ学校は、第2章2.のこどもの居場所の特徴で述べたとおり、こどもにとって大切な居場所の一つであることから、学校を『みんなが安心して学べる場所』にすることや、家庭や地域との連携・協働を通じて、放課後を含め、学校がより多くのこどもにとっての居場所となることが期待される」としております。

その下、12行目ですけれども、企業の役割として物品、人的支援、運営資金への支援、運営ノウハウ、技術支援といった幅広い支援というふうに追記をしております。

同じページ、30行目ですが、「適度な関わりで」というのを追記しております。

それから、14ページ、1行目ですけれども、「あり続ける」という表現は少し強いということでしたので、「失われないことが」というふうに改めております。

14行目が「災害時におけるこどもの居場所づくり」ですが、その下の15行目「災害時などの非常時こそ、こどもの声を聴き、こどもの権利を守ることが必要である」。それから、遊びがこどもの心の回復の観点からも重要というふうに追記をしております。

また、26行目「安心・安全に」というのを追記しております。

それから、16ページ、「つなぐ」のところですけれども、11行目「こども・若者が意見を表明しやすい環境を整備しつつ」という文言、それから13行目「関係機関等と連携・協働しながら」というのを追記しております。

また、17行目ですが、「困難を抱えるこども・若者にとっては、まずは居場所につながり、安心感や大人への信頼感を育みながら自己肯定感を高めていくことが大切であるが」という表現を追記しております。

また、17ページになりますが、「安心・安全な居場所づくり」の中で10行目「そのこども・若者が置かれている状況や想いに耳を傾け」、また19行目ですけれども、「威圧的な態度で関わるなど」、20行目「障害児や刺激に敏感なこども等」といった表現に修正をしております。

それから、18ページになりますけれども、「(3)どのように過ごし、だれと過ごすかを意識した居場所づくり」として、9行目「屋内外問わず」という形で表現を修正しております。

また、11行目「遊びを保障し」、それから「主体的」を「自由」に改める。また、14行目ですけれども、「また、その場だからこそ体験できることや、興味を持ったことに取り組めることは、新たにやってみたいと感じる機会につながるため、多種多様な体験の機会が充実していることも重要」というふうに改めております。

また、同じページの29行目ですが、「多様な居場所づくりの担い手」という表現にするとともに、32行目ですが、「特に支援の必要性が高いこども・若者については、それぞれの居場所と、こども家庭センターや児童相談所などの行政機関との連携も重要であり、関係機関との日常的な信頼関係を構築することが求められる」としております。

それから、19ページ、「環境の変化に対応した居場所づくり」のところで13行目「不適切な大人や当事者同士」という表現にしております。

それから、20ページ、「ふりかえる」のところですが、「こどもや若者の参画を得ることも必要」ということで表現を改めております。

第3章は以上でございます。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、第3章について御意見がある方は挙手をお願いいたします。同じく発言の際には、前回の素案から修正した点を中心として、ページ数や行番号、何章の何番の項目への御意見かなど、御意見の箇所を明らかにしていただけると幸いです。

もう既に手が挙がっておられますね。植木委員、お願いします。

植木委員:植木でございます。

17ページの14行目から17行目にかけての文章です。これはこどもの権利擁護のことが書かれていて、17行目に括弧で再掲とあります。これは恐らく11ページの17行目「(2)こどもの権利の擁護」以下の文章なのかなと想定いたします。この文章を見ますと、11ページの19行目にまず「児童の権利に関する条約」と書いてありますが、再掲のところでは児童の権利条約となっております。もともと児童の権利に関する条約という文言だったのではないかというふうにも思われます。

それから、11ページの20行目のところで「権利を侵害されたときの対応方法を含め」という追記があります。これは前回の議論を含めた大変重要な文言だと考えられますけれども、この文言が再掲のところでは追記されておりません。この辺りは何か意図があるのでしょうか。

以上です。

前田部会長:どうぞ。

山口成育環境課長:事務局です。

御指摘ありがとうございます。意図はございませんので、合わせて修正いたします。

前田部会長:ありがとうございます。

植木先生、これで御質問はよろしいですか。

植木委員:分かりました。ありがとうございました。

前田部会長:では、宇地原委員、お願い申し上げます。

宇地原委員:ありがとうございます。

14ページの4行目、5行目「居場所づくりを担う者が事業を継続できるよう」というところで「持続可能な居場所づくり」のところになります。4行目に「居場所づくりを担う者が事業を継続できるよう必要な支援」とあって、後続の「運営資金のやりくりや」というところでノウハウ提供のお話がされているかと思うのですけれども、前半の部分はやや必要な支援のところの具体性がないのと、後半の部分はノウハウの提供に終始しているので、これだけ読んでしまうと、担い手のほうがノウハウを生かして自分たちで努力をして持続可能な状態に持っていくというような捉えられ方もするのかなと思っていまして、あくまで担い手は居場所づくりに集中するという意味も含めて、必要な支援というところに具体的に資金や情報であるとか、人、物、金のような要素を明記した上でノウハウも生かしながら、担い手自身も継続的な居場所づくりを行っていくというような方向性が示せる書き方のほうがいいのかなというふうに感じたのが一つになります。

もう一つ、同じく担い手の話で、これは今回の修正文の中にはない点なのですけれども、実際に居場所づくりをしていく中で、事業は継続しているけれども、担当する事業者が替わるとか中の人が替わる。それは同じ事業者であっても人の入れ替わりというのはあると思っています。これはある種、仕方のない部分かなと思っていまして、10年同じ子を見続けるというのをみんながやれというのも難しい話かなと思っているので、起こることは仕方ない部分があるかなと思う一方で、どうしても大人側のそうした動きは、こどものというよりも、大人の論理で決まってしまうことがあるので、きちんとそういう人が移り変わっていくという部分について、大人のほうで引き継ぎをするなり、これまでの関わりの過程を共有するなりというところで、きちんと関係性を引き継いでいくということを意識として持つほうがいいのかなと思っています。

3月31日まではA団体がやっていたけれども、4月1日からB団体がやって、それっきり来なくなるみたいなケースはいろいろなところで見られているかなと思っていますので、そうしたところに意識を向けるというところは明記してもいいのかなと思いました。

また、人との出会いと別れみたいなところは、単純な喪失体験というよりも、こどもにとっても重要なきっかけといいますか、大事な経験かなと考えていまして、大人が引き継いでいくという話もそうですけれども、こどもにとって別れというもの自体をポジティブに捉えるというか、そういう関わりを居場所の中で意識していくのはすごく大事なのかなと思っていて、ちょっと抽象的なのですけれども、その点、指摘させていただけたらなと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかに委員の方々から御意見ございませんでしょうか。

成田委員、お願い申し上げます。

成田委員:たびたび失礼いたします。

12ページというか、「ふやす」の項目のところに追加していただきたい内容についての御提案、これは前回のときもお話ししたので重ねてになってしまうのですけれども、第2章の3.のところで居場所づくりを目的としていないが、結果としてこどもの居場所となっている実態を踏まえると、教育、福祉、医療など、こども・若者と関わる幅広い大人が目の前のこどもの居場所を担い得るという自覚を持つことが重要というような記載があったり、あと、同じく第2章の4.の(2)の対象となる居場所の範囲のところに、学校や塾、習い事、企業が提供するSNSなどが居場所づくりを目的として行われたものではないが、16 結果としてこどもたちの居場所となっており、こうした場や活動についても本指針で記されている内容が当てはまる部分については、内容を十分に踏まえることが期待されるというふうに書いてあります。

僕もそうですけれども、特に居場所を提供しているんだということではなくて、こどもと関わる場面にいる役割を持っている大人というのが、こどもの居場所ということにも関係しているんだというようなことを知っていくことはすごく大事ではないかなと考えています。

先ほどからこどもの権利擁護というお話がずっとあるのですけれども、大分そういう話を耳にすることは増えてきたのですけれども、そのこどもの権利を守るということについて、今、自分が日常やっていることのどの部分で、どんなふうにそれに具体的に取り組めばいいかということがなかなか身近なこととして大人は認識されにくいということもあるのかなと思っています。

そういうことを踏まえて、第2章の先ほど御指摘した点を受ける形で、「ふやす」の項目の中に様々な場面でこどもや若者と関わる大人たちが持っている場が、実は居場所として機能しているのだということや、自分も居場所の担い手なのだということを啓発していくことですかね。これはこども家庭庁さんだったり、自治体だったりとか、例えば学校の先生だったり、医者だったり、そういうところの人たちにこどもの居場所ということについてレクチャーしていただくとか、そういうシンポジウムみたいなものに招いていただくとか、何か社会の中でそういう動きがあると、多様なこどもの居場所が増えていくことにつながるんじゃないかなと思うので、この「ふやす」の項目の中に、そういった内容のことを改めてつくっていただきたいなということが一つです。

あとは13ページの9行目、先ほど1章、2章のところの議論で、学校についてみんなが安心して学べるというところがあって、ここにも「みんなが安心して学べる場所」ということがかぎ括弧でついているので、僕も先ほど今村委員がおっしゃったことはそうだなとすごく思ったのですけれども、このみんなという表現について、先ほどの部分とある程度整合性がある形で修正していただくほうがいいかなと考えました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

会場から、まず、今村委員のお手が挙がっておられますので。

今村委員:ありがとうございます。

今、成田先生がおっしゃっていた13ページの8行目ですね。まさに先ほどの部分との関連性の中でなのですけれども、前回、私からお願いさせていただいたこともかなり反映していただいてありがたいなと思いつつ、「学校を『みんなが安心して学べる場所』にすることや」ではなくて、安心して学べる学校風土にしていくことやという、場所が物理的な場所の問題だけではなくて、風土を変えていくんだということをプロアクティブにやっていかないと、一昨日発表された不登校の5万人また増えている、6%のこどもが中学校に17 も行っていないということを踏まえたときに、安心できていないんだということだと思うので、安心して学べる学校風土にするんだということをまず、風土という言葉をぜひ入れていただきたいと思っています。

その下のところも、先ほどの学校を全てのこどもが安心できる場所とするための努力が要であるということも、大人たちが努力をしていくことが必要なのであるということをここにもぜひ入れていただきたいと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

次は、順番が前後して申し訳ないのですけれども、青山委員が途中退席なさるということで、青山委員、いかがでしょうか。お手が挙がっていますが。

青山委員:ありがとうございます。青山です。

1点ございます。13ページの上のところに「既存の地域資源を活かした居場所づくり」ということで、前回私も発言させていただきまして、1行目から5行目にかけてたくさんの資源というか、機関・団体が併記される形を取っていただいております。この2行目、3行目のところが、例えば2行目は「児童館や児童遊園などの児童福祉施設」という書き方なのですけれども、2行目の後半以降、何かざっと羅列されていて、ちょっとここが整理できるといいなと思うのが一つと、例えば「子ども会やスポーツ少年団などの」というときに、ここを特出ししていただくように発言したのは私なのですが、例えば、子ども会やスポーツ少年団などの青少年団体とかと言うと、うちもだと思うところが多分ぐっとふえるような気がして、何とかなどの何々施設や、何とかなどの青少年団体などというふうに、少しここのカテゴリーを明示してあげるような追記ができるといいなと思いました。社会教育施設とか青少年団体とかいう言い方を少し入れてあげることで、うちもだと思えるところが増えてくるのではないかというふうに思いまして、いろいろな分野が入っていますので、すんなりいかなければこのままかもしれませんけれども、そこが1点気になりました。

以上です。ありがとうございます。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、今、3名の方のお手が挙がっておりまして、安部委員、水野委員、菊池真梨香委員の順で間違いがないと思いますので、まず安部委員からお願い申し上げます。

安部委員:ありがとうございます。2点ございます。

まず1点目が、11ページの「(2)こどもの権利の擁護」のところです。この部分はとても大事だなと思いながら見ていました。前回の委員会の中で友川委員がこどもの居場所の特徴の一番最初に、「こどもが権利の主体であることを体験できる、実感できるところである」というふうな指摘をされていたかなと思います。私はこれがすごく大事だなと感じていて、つまり、こどもの居場所では、こどもが権利を行使できるということだと思うのですけれども、この文章はとてもいいので、ぜひこどもの権利擁護の見出しのすぐ下に1行入れていただけるといいかなと思いました。もう少し言えば、「(2)こどもの権利の擁護」ではなくて、「こどもの権利の実現」とか「こどもの権利の保障」に文言を変えていただけると、よりよいかなというのが1点目です。

2点目が、13ページ、成田委員、今村委員も御指摘されていた学校についてのところです。8行目以降の「とりわけ学校は」のところなのですけれども、第2章の「2.こどもの居場所の特徴」で述べたとおり、「こどもにとって大切な居場所の一つである。」で一回区切って、その後、文章を入れていただけたらなと思っています。入れる文章は、先ほどの友川委員の発言なのですけれども、「居場所は、こどもが権利の主体であることを体験でき、実感できる場であることから、この視点で学校の居場所としての役割を捉え直す必要がある。」この文章を入れていただければと思います。というのは、先ほど私は、学習指導要領の解説であるとか生徒指導提要でも「居場所」が出てきているという話をしましたが、この2つを眺めてみると、部会で議論している「居場所」と同じ方向性で書かれている箇所と必ずしも同じとは言えない部分が正直あります。つまり、こどもの権利を基盤としている居場所として書かれているところと、そうではない箇所があるので、ここはやはりこどもの権利の視点から捉え直すことが学校側にも求められるかなと思います。

とはいえ、できていないのは学校だけではなくて、もちろんできている学校もあると思うのですけれども、児童館とか放課後児童クラブも改めてここは改めて子どもの権利の視点から捉え直す必要があるかなと思っています。先ほど申し上げたような文章を入れていただけたらと思います。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、次に、水野かおり委員、お願い申し上げます。

水野(か)委員:水野です。ありがとうございます。

第3章、12ページになります。先ほど成田委員からも少しお話があったことと重複しますけれども、25行目辺りのところです。結果と指定場所となっているものがあるというところですけれども、戻りまして9ページにも居場所の範囲で、居場所ではないけれども、結果として居場所になるというところがあります。例えばというところで幾つか例示をしていただけると分かりやすいのかなとこちらのほうも思いました。例えば駄菓子屋であるとか、近所の路地ですとか、お話で聞いたところでは、夏休みに近隣のコンビニのイートインスペースで、あえてそこで食事を取られるお子さんがいるというお話も聞きました。なので、そういうところも居場所になり得るということで、少し例示があると分かりやすいかなと感じました。

また、同じ12ページの30、31行目辺りです。調査や実態把握の方法に関してですけれども、形としての方法だけではなくて、日常の中でその人との関係性や信頼関係の上で成り立つ本音というところがとても大事かなと思います。ですので、現在、居場所になっている場の大人もニーズ把握にはとても重要ではないかなと思うので、そこをうまく書き込めたらいいのかなと感じました。

以上です。ありがとうございます。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、菊池真梨香委員、お願い申し上げます。

菊池(真)委員:2点あります。

1つ目は、19ページの13行目の「当事者同士」ということが新しく加わっているのですけれども、ここを差し支えなければ、利用者同士にしていただくのはいかがかなと思いました。理由としましては、当事者と言われるのが嫌だという意見のこども・若者と出会うことがしばしばあるからです。差し支えなければ、利用者同士にしていただけたらと思います。

2点目は、全体に散りばめられている言葉としての確認なのですけれども、民間団体という文言が3つ全体として出てきていて、中間支援組織というのも3つ出てきているのですけれども、前回もその確認、指摘があったかもしれないですが、どのようにすみ分けられているのか確認させていただいてもよろしいですか。

山口成育環境課長:事務局です。

基本的に中間支援組織は中間支援組織という言い方をしていて、民間は民間団体という言い方になっていると思いますけれども。

菊池(真)委員:役割の違いとしては、中間支援組織というのは、何か仕組みをつくるというような人たちでしょうか。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

中間支援組織はそうですね。まさに中間的な支援を行うという役割を持っているものを中間支援組織と呼んでおります。民間団体は、むしろ現場を担っていただいているNPOであるとか、そういった現場を直接担当しているような皆さんのことを指して民間団体という表現を使っていると思います。

菊池(真)委員:ありがとうございます。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかに。

では、また2人からお手が挙がって、タッチの差で菊地委員のほうが早かったので、お願いします。

菊地(英)委員:ありがとうございます。菊地です。

第3章の3.の(2)、資料の13ページ目の1行目の辺りとその後の部分についてです。まず「こどもの居場所を整備するにあたり」とあるのですけれども、その後に記載のあります様々な施設を活用することについては適合すると思うのですが、新たに地域の人材活用などのことについても追記されておりますので、1行目の「居場所を整備するにあたり」について、居場所づくりを進めるにあたりみたいな形で変更していただけないかなと思っております。

それと、同じセンテンス、終わった辺りなのですけれども、提案なのですが、こういった地域資源の活用により、少子化や核家族化によって希薄となった多世代との交流や地域とのつながりのある居場所づくりへとつながることが期待されるなどの一文を加えていただけないかなと考えております。これは1章に記載されている「こどもの居場所づくりが求められる背景」に書かれている内容であったり、第2章の「こどもの居場所の特徴」として地域づくりにつながるものであることが示されておりますで、そこのアンサーにつながるかなと思っております。

また、私自身、居場所づくりでつくられた居場所、そこも大事なのですけれども、やはりそこでつくられた絆というのが基になって、地域全体がその人にとっての居場所になっていくというのが一番美しい形なのかなと思っておりまして、ぜひそのような一文を加えていただきたいと考えております。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

光真坊委員、お願い申し上げます。

光真坊委員:光真坊でございます。

13ページの(2)のところになります。先ほどからお話が出ておりますが、具体的な地域資源の例がありますが、その中の2行目になります。学校、放課後児童クラブ、その後に「放課後等デイサービス」を入れていただけないかと思います。これは第2回目の本部会のこどもの居場所に関連する資料の中に放課後デイサービスの現状について載せていただいております。1か月平均30万人、箇所数でいきますと1万9000箇所という割と大きな資源でありますので、ぜひ入れていただけるといいと思います。よろしくお願いいたします。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかに皆様方、いかがでしょうか。よろしいですか。

では、皆さん、休憩しましょうか。今、10分ですね。では、2時20分まで休憩いたします。ありがとうございます。

(休 憩)

前田部会長:休憩終わりましたので、よろしくお願いします。

それでは、まだ3章のほうでお気づきの点がある委員の先生方がおられましたら、御遠慮なさらず挙手をお願いします。

それでは、気づかれたときで結構ですので、また先のほうの1章、2章、3章でも気づかれたことがございましたら、御遠慮なさらずお手をお挙げください。

それでは、第4章及び第5章のパートに入らせていただければと思います。事務局より該当部分の御説明をお願い申し上げます。

山口成育環境課長:事務局です。

第4章、第5章について御説明いたします。

資料1の20ページを御覧いただきたいと思います。20ページから第4章「こどもの居場所づくりに関係する者の責務、役割」というところになっております。

20ページ、23行目ですけれども、「市町村は、管内の状況把握等を通じ、質と量の両面からのこどもの居場所づくりを計画的に推進する」という表現に改めております。

それから、21ページ目になりますけれども、第5章「推進体制等」の「3.施策の実施状況等の検証・評価」のところですが、「こども・若者の参画を得るとともに」という表現に改めております。

修正点は以上でございます。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、こちらのパートについて御意見がある方はぜひ挙手をお願い申し上げます。同じく御発言の際は前回の素案から修正した点を中心として、ページ数や行番号、何章の何番の項目への御意見かなど、御意見の箇所を明らかにしていただければ幸いでございます。

それでは、友川委員、よろしくお願いします。

友川委員:ありがとうございます。

20ページ、第4章について、御提案と確認を含めて1点させていただきます。14行目から17行目の中に、中心的な担い手となる人の具体的な役割と、求められている人はこういう人ですというのが丁寧に書いてあるのですが、前回の会議の終わりの部分で大竹部会長代理より、役割の担い手の中に保護者という表記がいいのか、家庭という表記がいいのかは議論が必要かと思いますが、居場所づくりの中にあえて家庭、保護者がないというのは、本当は必要なのではないかということでございます。具体的には、こどもの居場所づくりのアンケートをしたときに、誰を経由して、どこを経由して居場所を知ることができたかという情報経路の中に、年齢が小さければ小さいほど家庭、家族からの情報提供があって利活用につながったというデータも出ております。

そこで、具体的な御提案として、17行目の地域住民の役割が期待されるの後に、保護者は、あるいは家庭はという主語で、こどもに対して居場所の紹介や情報提供、相談に応じるなどの役割を担うことができる、もしくは役割を担うというような具体的な担い手の一人として期待できるということも追記したらどうかというのが御提案でございます。

以上でございます。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、次に、関戸委員、お願い申し上げます。

関戸委員:すみません。私、休憩のときにチャットで、休憩後に3章について1点発言したいことがありますというふうに送ったのですけれども、多分それが皆さんの目には届かなかったのかと思いまして、4章、5章ではなく3章についての発言なのですが、よろしいでしょうか。

前田部会長:もちろん、お願いします。

関戸委員:ありがとうございます。

5.の「みがく」のところの18ページです。「どのように過ごし、だれと過ごすかを意識した居場所づくり」ということで、前回私が、どこで誰とだけではなく、どんな場所でというのも大事なのではないかというので、屋内外という言葉が反映されていて、屋外というこどもが遊び育つときに適切な場所がきちんと追記されたことに対して、よかったなというふうに思っています。

今回の発言は、この「どのように過ごし、だれと過ごすかを意識した居場所づくり」の中ほどに自由な遊びという記述があります。「その場において自由な遊びを行えることは、本人がその場を居場所と感じるために必要なことである」という表現がありました。自由な遊びという表記について、非常に大切な用語が入ったなというふうに思っています。

一方で、この自由な遊びというのはどんなものを指して、どこまでの範囲なのかに関しては、あまりこの中では、ここから読み解くのは一般の方は分からないことも多いのではないかなと思いまして、ちょっと文章が増えてしまうのですけれども、1点ここの自由な遊びに関する記述を追加する提案です。今からちょっと私が読み上げますが、「必要なことである」の後に続く文章として、自由な遊びの範疇には、居場所の環境であるハードそのものや運営の仕方などのソフトの部分を変化させることも含まれている。自身が過ごす居場所を変化させることができるという実感は、自分自身を形づくるという遊びの意義と並び、社会そのものも変化させることができるという自己効力感を得て生きていくための大きなきっかけになるからである。このような文章を入れられたらというふうに思い、御提案です。

以上になります。ありがとうございました。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、小川委員、お願い申し上げます。

小川委員:ありがとうございます。私は、第4章の18行目の学校のところで2つ発言をさせていただければと思っております。

冒頭のところで「こどもの居場所としての福祉的機能を担っており」という文章が出てくるのですけれども、この福祉的役割というのはちょっと幅が広いというか、一体どういうものを指すのかというのを、これまでの議論の中で出てきたこどもの居場所という観点でセーフティネットの一つとなり得るみたいな文言を少し足すことによって、どういったところを指しているのかがもう少し明確になるのではないかなと思いました。結構現場だと、福祉的といったときにいろいろな捉え方があって、もう少し支援に介入するのかとかそういう捉え方もあるので、その辺りは少し明記したほうがいいかなと感じています。

もう一点が19から20行目のところで、学校とか地域とか家庭が連携をして、居場所づくりを推進するという一文があるのですけれども、この辺りで学校が単純に居場所の一つで あるというところだけではなくて、様々な地域のコミュニティーの拠点になっているという辺りも少し指摘していただいたほうがいいのかなと感じております。すみません、具体的にこういうふうな文言でというのは思いつかずなのですけれども、よろしくお願いします。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかの先生方、いかがでしょうか。

湯浅委員、お願いします。

湯浅委員:今、小川委員の御指摘があって気づいたので、今回の修正箇所じゃなくて申し訳ないのですけれども、今、小川さんがおっしゃったこととちょっとベクトルが別かもれませんが、20ページ、18行目です。「学校は、こどもの居場所としての福祉的役割」、福祉的は要らないんじゃないかなと。こどもの居場所としての役割を担っておりで、ちょっと福祉的というと、さっきの御発言と違うかもしれませんけれども、むしろ逆に限定されてしまう。福祉の話だなというふうに限定されてしまうのはよくないかなと思いました。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、成田委員、お願い申し上げます。

成田委員:ありがとうございます。

僕も20ページの第4章の部分で、先ほど3章までの議論のところで、結果としての居場所になっているところで関わる大人もこの居場所づくりということについて理解を深める必要があるということをお話ししたと思うのですけれども、居場所づくりに関係する者の責務、役割というところも、何らかこの結果としての居場所を担うことになっている人たちも組み込むような形で文を書いていただくといいのかなというふうに思いました。

それは民間団体とか学校だとか、こういう形の段落で追加していただいてもいいですし、あるいは先ほどの「ふやす」のところで、結果としての居場所を担う人たちへの啓発ということを言いましたけれども、居場所ということについて社会に啓発して浸透させていく役割を例えば市町村が担うということであれば、その役割の啓発の重要性みたいなところを書き入れていただくことで、関節的に結果としての居場所を担う人たちの役割をカバーするという書きぶりでもいいので、何かしら第4章のところにそういった内容を盛りこんでいただけるとありがたいなと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、今村委員、お願い申し上げます。

今村委員:ありがとうございます。今の小川さんと湯浅さんの学校の福祉的役割の部分です。20ページの18行目のところなのですけれども、福祉的役割と限定することの違和感は確かに私もはっとしました。というのは、私は学校を教育の役割しか担っていない場所だという認識をしている人が多い世界で生きているので、あえて福祉的役割を担っているんだとここに書くことが重要なのではないかと思っているのですけれども、確かにそこに24 限定するのもやはりおかしいというのも事実だと思うので、なので、ここに書いていただけたらいいなと思うのは、福祉的役割というのを削るというよりも、学校は教育機関としての役割のみならず、居場所としての役割、福祉としての役割も担っておりみたいな感じで、削るのではなくて教育の場所だけじゃないんだということを追記するのがいいのではないかなと思いました。思った以上に学校は教育の役割しか持っていないんだという前提で学校教育法とかも書いてあるように思うので、そこをそう書いていただけるとありがたいなと思いました。

前田部会長:ほかにいかがでしょうか。

荒木委員、お願い申し上げます。

荒木委員:今の第4章の19行目で「そうした認識の下、学校・家庭・地域が連携・協働する」というところなのですが、改めてここに学校・家庭・地域がこどもをまんなかに連携・協働するみたいな感じで一言入れるといいかなと思って、御提案です。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、次に、安部委員、お願い申し上げます。

安部委員:ありがとうございます。安部です。4章、5章に関して全部で3点ございます。

まず1点目なのですけれども、20ページ、4章の第2段落「こどもの居場所づくりの中心的な担い手となる民間団体・機関は」とあるのですが、これまで割と公的なことも話し合っていたし、この素案には公的なものも出てくると思うのですけれども、ここで「中心な担い手となる民間団体」というのがいきなり出てくるのはちょっと違和感があるので、例えば、「こどもの居場所づくりの重要な担い手の一つである民間団体・機関は」というふうに変えてみたらどうかなと思いました。これが1点目です。民間団体が重要な役割を担うことは別に異論はないです。

それから、2点目が、20ページの下のほうに市町村とか都道府県とか国の役割が書かれていると思います。ここに関してなのですけれども、都道府県が市町村を支えるという記述はあるのですが、都道府県同士が連携するようなことも書いたほうがよいのかなと思いました。というのが、災害時を想定した場合に、やはり都道府県レベルでの広域連携が必要になるのではないかなと思いました。ですので、都道府県同士の連携を入れていただけたらと思います。それが2点目。

3点目が、第5章の「推進体制等」のところなのですけれども、地方公共団体における推進体制のところ、先ほど成田委員もおっしゃっていたのですが、ここに普及啓発に関することを入れてはどうかなと思いました。具体的には、自治体職員がこどもの居場所指針を研修として学ぶ機会を設定することと、もう一つが官民協働での普及啓発を入れたらどうかなと思います。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

ほかに御意見ございませんでしょうか。

大竹委員、お願いします。

大竹委員:ありがとうございました。

1点だけなのですけれども、先ほど友川先生からもお話があった20ページの15行目で地域住民はというところに、家庭とか保護者というようなお話がありました。こどもの居場所づくりというところに学校とか家庭というのはなかなか踏み込みづらいところがあって、いろいろ表現を工夫しながら、学校の役割というようなところも入ってきている。ここで地域住民、先ほど友川委員からあったように、保護者というところは、この保護者は我が子だけではなくて、ほかのこどもたちをも含めたというようなところの保護者の位置づけがあるといいのかなと。そうすると、ここに保護者ということを入れても、自分のこどもだけではなくて、自分のこどもの友達も含めたそういったところでの大人としての位置づけが地域の中に保護者としてあるというようなところでの保護者の位置づけ。我が子という、家庭ということだけに縛るとなかなか難しいので、保護者は、自分のこども以外のこどもたちへのというような視点を持った保護者という表現があるといいのかなと思いました。

あと、それぞれの委員の先生方の御指摘は私も賛同いたしております。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、成田委員、お願い申し上げます。

成田委員:すみません。どなたも手を挙げていなかったので1つと思って手を挙げてしまったのですけれども、先ほど、例えば学校で、やはり学校って本当に大事だなということを、またここ最近の議論を聞いていて改めて思ったのですけれども、一方で、結構自分のほうで患者さんを通じて学校の状況と関わると、学校の先生たちというか、学校が人手不足なのかなと感じることがかなりありまして、今回この居場所づくりという面でも、学校の機能や役割はすごく大事になって、ますますその点でいろいろなことを見直したり、さらに発展していってほしいなと思う一方で、現状で人手不足というようなところで、どうやってそれを発展させていくのかなということも心配としてあります。

第4章の責務、役割のところに入れるのか、入れないほうがいいのか分からないのですけれども、やはり学校の先生たちの人手とか、人やお金をそこに投入するのは現場の人たちだけではできないことで、国のほうでそういうところにしっかり予算をつけていくということがまずあって、いろいろそういう中身のことも充実していけるのではないかなというふうに思っていまして、指針のところに国に向けてみたいなことを書くのが適切なのか分からないのですけれども、でも、どこかでそういうことが必要なのではないかという発信はしていったほうがいいのではないかなと。国家予算の中でのこどもだったり教育にかけているお金の比率とか、日本はちょっと低いと聞いたりするので、この居場所づくりのことを一つの契機に内容を充実させていくためにも、そういったところについて前向きに考えてもらいたいみたいなことを入れ込めるなら入れ込んでほしいなと個人的に思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、小川委員、お願い申し上げます。

小川委員:ありがとうございます。今の成田委員の発言に本当に賛同するところで、私も学校の中で活動している中で、やはり先生たちの負担がすごく大きなというところは気になるところで、さっき学校の地域コミュニティーのハブとしての機能も期待するところだという発言をしたのですけれども、それもすごく学校側の負担にならなければいいなと思いながら発言していたところがあって、そういう点で、学校の後だけに家庭・学校・地域が連携・協働みたいな話がありますけれども、もうちょっと全体に係る形で、ここに出てきている各主体というか、民間団体、地域住民、学校とか市町村とか様々な団体がもう少し協力をする形で推進していくことが望まれるみたいなことを足していくと、もう少し学校だけでこれをやらなければいけないみたいな色合いが薄まるのかなというふうに感じました。

以上です。
前田部会長:ありがとうございます。

安部委員、お願い申し上げます。

安部委員:ありがとうございます。

先ほどの成田委員の意見に賛成です。どうしてもこの部会ではこどもの居場所を議論しているので、こどもの居場所さえあればこどもが直面する課題が全て解決するんじゃないかというふうに誤解されがちかなと思うのですけれども、決してそうではなくて、やはりもともとの例えば学校であるとか、保育所とか、放課後児童クラブなどを充実させるということがまず第一に必要なのかなと思っています。なので、こども基本法に基づいて、こどもの権利を包括的に保障していく必要があるのだということはどこかに書き込んでもいいのではないかなと思います。つまり、居場所だけがあればよいわけではなくて、社会全体が子どもが安心して過ごせるようになっていく必要があるというところかなと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかに皆様方、御意見ございませんでしょうか。よろしいですか。

荒木委員、どうぞ。

荒木委員:すみません。今、ちょっと発言できたらいいなと思ったのですけれども、負担というのはどういうことを負担と思うのかなというところもあったので、居場所にしていくといったときに、その居場所を「つくる」といった何かをするという負担感があるかもしれないのと、考え方を変えるとか、こどもの捉え方を変える。そういう心構えみたいなところを変えていくというのが負担になることもあるかもしれないですけれども、子育ての視点で、こどもを育てるときに、じゃ、こどもの権利を知っていこう。それは一瞬、こどもの権利って難しいから負担感をもらったような気がするのだけれども、こどもの権利を知ったときに、こどもの理解をしていくと、こどもとの意思疎通がしやすくなったり、汲み取りやすくなったり、こどもがしたいことを応援できたり、親にとってすごくいいこと。今まで自分だけで子どもを育てなくてはいけないと思っていたけれども、こどもと一緒にここはやればいいんだとか、そういった心理的な負担減みたいなものがあるなと私は感じたので、負担はどこが負担なのかというところをもう少し明確にしていくのもすごく大事かなと思いました。この文言の中に入れることではないけれども、自分の感覚をお伝えできたらいいなと思っての発言でした。すみません。ありがとうございます。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。よろしいですか。

成田委員、お願いします。

成田委員:今の荒木さんのお話を聞いていて、学校とかとやり取りをしていると、先生方は結構周りからの受けに回る立場にいることが多いなと感じていて、こちらが学校の先生たちとか学校ともっと協力して、協働して一緒にいいものをつくりたいなんて思っても、それは歴史的な文化なのか分からないですけれども、どうもそういう関係になかなかなりにくいなというのがあって、個人レベルでは先生方とそういうことをやっていけるのですけれども、やはり組織学校とか、教育と福祉、医療とかそういう話になってくると、途端に一緒にやる関係性ではなくなってしまうところが非常にもったいないなと。

そこの不利益をこどもがかぶっている気がしてならなくて、そういう意味で、子育ての面とか、今、親御さんが自分の家の中だけでこどもと向き合うということではなしに、いろいろな方たちとつながりながらやっていくことで、負担感ももちろん減るし、こどもにとってもプラスになるというのと似た仕組みで、学校の先生たちも、教育現場もいろいろなところともっともっとつながって一緒にやっていくということのメリットはすごく大きいのではないかなと思っています。その流れでコミュニティースクール構想とか、ちょっと学校も地域とつながって何かやっていこうみたいな動きがあるということもお聞きしているので、そういう動きがさらによい方向に進んでいくような流れになるといいなと思っていて、多少、学校側も多分そういうふうなことで動こうとはしていると思うので、そういう動きとぜひここの居場所部会の話も合流してやっていきましょうみたいなことがどこかに盛り込めるといい機運になるかなと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

皆様、よろしいでしょうか。ほかにお手は挙がっていませんか。

それでは、本日の意見交換、予定より少し早くなりましたけれども、ここまでといたしたいと思います。

皆さんの御意見をいただいて修正していますので、事務局の文章のケアレスミスとかを見つけられて、ありがとうございました。

安部先生、お手を挙げていらっしゃいますか。安部先生、どうぞ。

安部委員:すみません。1点、質問というか確認をしてもよろしいでしょうか。事務局に質問なのですけれども、前回、児童の権利に関する条約を子どもの権利条約というふうにしたらどうかというのを提案したかなと思います。こども大綱の素案を見ても、子どもの権利条約のほうを使っているかなと思うのですけれども、今回、児童の権利条約のままなのは何か理由がありますか。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

外務当局から、政府の閣議決定文書になりますので、公式文書で使う際には正式名称を用いるべきだという強い意見がございまして、こども大綱については確かに略称が書いてあるのですけれども、あれは実は注でかなりいろいろ相当書き込みがしてあって、これこれこれこれ、こういう議論があって、本来正式名称を用いるべきであるが、今回については、この文書では子どもの権利条約という表現を用いることにするという表現を、本文を見ていただくと分かるのですが、五、六行にわたって注がございまして、そういった注をつける形で何とか記載をしているということであります。

今、我々が議論していただいているこどもの居場所づくり指針については、見ていただくと分かるように、注が全く入っていない形になっていまして、別に注をつけたらいけないということではないのですけれども、やはりできる限り、注を見なければ中身が分からないというよりは、注がないほうが分かりやすいと思いますので、そういった意味で今回は、政府の公式文書としては、児童の権利条約という政府として取り上げている正式名称を用いる形にしているところです。

例えば周知資料をつくるとか、皆さんにお知らせしていくときにいわゆる通称を用いるというのは、これは今までもやっていることですので、ある意味これは政府の公式文書としての、そういう意味では制限がどうしてもあるところがございますので、そこは外務省の言い分ももっともかなというところもありますので、今のところそういった表現を使っているという経緯でございます。

安部委員:なるほど。ありがとうございます。できれば注をつけてでも子どもの権利条約を書いていただいたらうれしいなとは思うのですけれども、どうしてもそれができないいうことであれば、今おっしゃったように周知の段階で子どもの権利条約というのを中に入れ込んでいただけたらと思います。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

光真坊委員、どうぞ。

光真坊委員:光真坊でございます。

11ページの19行目に児童の権利に関する条約、以下、子どもの権利条約というというふうに注釈をしてありますが、これでいくということで。

山口成育環境課長:それは古いほうです。

光真坊委員:古いんですね。では、ちょっと私のミスです。すみません。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、皆さん、御質問、御確認点はよろしいでしょうか。

事務局のほうから御説明があると思うのですけれども、先生方も御案内のとおり、もう取りまとめに入っていかなければなりません。見ていただくとここも気になるとか、あそこも気になるという点はおありになると思うのですけれども、100点満点というのはなかなか難しいです。言葉遣いの制限とかいろいろございます。パブコメが戻る今月末ぐらいですかね。いつぐらいまでに私たちがもうこれでいこうと覚悟を決めなければいけないのでしょうか。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

逆算しますと、11月の中旬に答申をまとめていただく必要があると思っております。年内に閣議決定をするということですので、11月の中旬に答申をいただきまして、それから政府の中で閣議決定になりますので、自民党や公明党などの与党にお諮りして閣議決定をするということになります。そういったプロセスがある関係上、少し早めに答申をいただかないと年内に間に合わないということになっておりますので、これはほかのこども大綱やほかの閣議決定も同じスケジュールでありますが、11月中旬に答申をいただく必要があるという中で、こどもパブリックコメント、先ほど冒頭申し上げたように今行っておりますので、その結果を踏まえて、また必要な修正があるか否かについて一回皆さんにお諮りをしないといけないと思っています。

なので、できればこどもパブリックコメント以外の部分についてはある程度もうこの部会としての意見をおまとめいただいたほうが、残るはパブコメの反映という形で議論を進めていくというのがスケジュール的には安全かなと思っておりますので、そういったことも踏まえて、また次回の日程については御連絡をさせていただきたいと思っております。

前田部会長:よろしいですか。

それでは、本日の会議はこれにて終了といたします。皆様、どうもありがとうございました。