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こどもの居場所部会(第2回)

概要

日時:令和5年5月31日(水)16時00分から18時00分
場所:こども家庭庁21階 成育局第二会議室

【オンライン配信URL】
※ 配信URLが変更になりました
URL:https://www.youtube.com/watch?v=IlYbFD7MhrA

議事

  1. 開会
  2. 議題
    ⑴ 委員からのヒアリング
  3. 閉会

資料

議事録

山口成育環境課長:事務局でございます。

本日の出席状況でございますけれども、植木委員が欠席ということで伺っております。

それから、湯浅委員と山本委員については遅れて御参加と伺っております。また、小川委員については遅れていらっしゃるかもしれないということで伺っております。

そのほか御出席でございますので、前田委員長、よろしくお願いします。

前田委員長:皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから「こどもの居場所部会」第2回を開催したいと思います。

委員の皆様には、急遽日程を設定いたしまして、お忙しい中お集まりいただき、誠にありがとうございます。

部会長の前田です。よろしくお願いします。

本日はウェブ会議にて開催させていただきます。

それでは、まず事務局より資料の確認をよろしくお願いします。

山口成育環境課長:事務局でございます。

資料の確認をさせていただきます。

配付資料ですけれども、資料1-1から1-7まで各委員からの御提出資料となっております。そのほか、資料2として「今後の進め方(修正版)」、資料3「関係団体ヒアリングについて」、それに加えまして、参考資料が1から4までの合計4点となっております。全部で13点という資料になっております。

それから、本部会の扱いですけれども、本部会は原則として公開で開催をし、資料及び議事録も公開することとしておりますが、必要があると部会長が認めた場合には会議を非公開とし、また、部会長が認める範囲において資料や議事要旨を公開する場合もございます。

また、今回の部会は傍聴希望者向けにユーチューブでライブ配信をしております。

それでは、頭撮りはここまでとさせていただきまして、前田部会長、議事のほうをよろしくお願いいたします。

前田委員長 それでは、議題(1)委員からのヒアリングから入らせていただきたいと存じます。

8名の委員の皆様から発表の御希望がございました。大変恐縮ですけれども、お一人の発表時間は5分以内とさせていただきたければと存じます。

お手数ですけれども、発表の際には、資料を画面共有いただき御発表いただければ幸いです。

また、皆さん、各委員の方の発表を聞かれましたら、その場で質問なさりたいこと、お聞きになりたいことがあると思いますけれども、その場で質疑応答が始まりますと時間がなくなりますので、大変申し訳ないのですが、まずは8名の委員の方々に全員発表していただいた後に、まとめて質疑の時間とさせていただきたいと存じます。

ですので、お手元にメモなどを取られて、この委員の方にこれをお聞きしたいみたいなことがあれば、記録を取っておいていただければと思います。

まず発表の希望の委員の方々ですけれども、お名前の順で進めさせていただければと思います。

それでは、あいうえお順になりますので、今村委員からお願いしたいと思います。どうぞよろしくお願いします。

今村委員:ありがとうございます。

では、発表を始めさせていただきます。

私のほうからは、オンライン、メタバースを使った居場所というテーマでお話をさせていただこうと思います。

カタリバでオンライン、メタバースの居場所の事業のマネージャーをしています中島からお話をさせていただきます。

では、中島さん、お願いします。

中島氏:NPOカタリバの中島と申します。よろしくお願いします。

では、画面共有をさせていただきまして、説明をさせていただきます。

オンラインを活用した居場所づくりの取組について、私より説明をさせていただきます。

私たちNPOカタリバは、全国各地で10代の居場所づくりを行っている団体になります。創設以来、様々な地域と対面の居場所づくりを行ってきましたが、今回についてはオンラインに特化した居場所づくりについてお話をさせていただきます。

まず、こちらの動画を御覧いただきたいと思います。こちらはウェブブラウザでオンライン居場所にアクセスをする様子になります。自分のあだ名を入力しまして、居場所にアクセスをしていきます。アバターが自分の分身となることで、居場所を動き回ることができます。このようにソファーや椅子に座ってスタッフ同士も話をしたりします。

(動画再生)

中島氏:今御覧いただいた映像が、実際のオンラインでの居場所の一事例の映像になります。実際に参加しているこどもたちからは、やはりここは安心できる場所だとか、いろいろな人と出会えて数少ない自分自身の居場所になっているみたいな本当に対面の居場所と変わらないような声もあり、オンラインの居場所の可能性を私たちは強く感じています。

実際に全国の様々な困難を抱えた小学生から高校生までのこどもたちが、自治体などの紹介によってつながってくるような場所になっています。

ただ、なぜ地域の居場所ではなくてオンラインの居場所につながってくるこどもたちが多くいるのかというところですが、実際に地域の居場所だけではつながれないこどもたちがいるからなのではないかと私たちは考えています。

こちらに提示しているデータというのは一例になりますが、実際に私たちのオンラインの居場所を利用してくれているこどもたちの中には、対人関係が苦手であったり、なかなか地域の中の居場所に行くというところまでの意欲が湧かなくて参加のハードルが高かったりする子たちもいます。

また、地域特性上、行きたいと思っても交通の手段が確保できなくて居場所に通えないといった声もあります。

また、そもそも行きたいと思ったときに、地域の中には居場所が確保されていなくて、どこにも行ける場所がないというような声もありました。そういったところから、やはりオンラインだからこそ居場所につながれるこどもたちというのがいると考えています。

ここに3つほど実際につながってきたこどもたち、保護者の事例を書かせていただいておりますが、例えば1番目に書いている小学4年生の女の子は、学校ではいつもひとりぼっちで、自分からなかなか話しかける勇気が出なかったのだけれども、オンラインだったら勇気を持って自分から話しかけることができて、少しずつ自分のオフラインの場所でも勇気を持ってコミュニケーションを取れるように頑張っていきたいという声もあります。

また、過疎地域に住む保護者の方からは、こどもが自転車などで行ける範囲内に居場所の選択肢がなかったのですが、オンラインという選択肢のおかげで居場所に参加させてあげられたというような声もいただいています。

また、3つ目のところです。とある人口数千人の小さな町に住む男の子は、生まれたときからの固定的な人間関係による同調圧力というところに息苦しさを感じていました。そういった子に対しては、オンラインだからこそ地域を超えた多様な人との出会いを育める居場所としての選択肢の一つになっているのではないかなと考えています。

一方、私たちは、こどもたちの居場所というものをオンラインで完結できるとは思っていません。地域とオンラインが協働して、こどもたちにとってよりよい場所の選択肢というものを広げていくことが重要だと考えています。初めの一歩というのを踏み出しやすいオンラインの居場所をきっかけに、これを活用していくことでこどもたちにとって安心安全な居場所をつくって、また、さらにそれが地域の中にも頑張って次のチャレンジをしたいといった背中押しをできるような場所だと私たちは考えています。

そういった私たちのカタリバでのオンラインの居場所というものは、複数の自治体との連携によって居場所を必要とする全てのこどもたちにつながることを目指した全国的な取組を始めています。オンラインというリソースを活用することで、住む地域の資源だけに左右されず、全てのこどもにとって必要な居場所の選択肢をつくることができるのではないかと考えています。引き続きこういった多くの自治体との協働を通してオンラインによる居場所づくりを進めていくことで、全てのこどもたちにとっての居場所というものがある、そういった社会をつくっていきたいと思っています。

発表は以上になります。御清聴ありがとうございました。

前田委員長:ありがとうございました。

それでは、続きまして、宇地原委員、お願いできますでしょうか。

宇地原委員:ありがとうございます。Learning for ALLの宇地原です。よろしくお願いします。

僕たちLearning for ALLは、関東4エリア、関西1エリアで地域の中で対面の居場所を運営しております。主に対象にしているのは6歳から18歳のこどもたちになります。

僕たちが運営する場所は、特に大変な環境の中で困難と向き合っているお子さんが非常に多く来ておりまして、なかなか自分だけでは対処し切れない難しさを背負っているお子さんが多くいました。加えて、援助希求も難しい状況にありまして、そうしたお子さんに寄り添いながら、こどもたち自身の意思を尊重した関わりというものを継続しています。

こどもたち全体のボリュームで見たときに、黄色で塗られているような自治体の中で丁寧に支援をしていく必要のある層と関わってきました。

そんな中で、我々の居場所の特徴としては大きく3つありまして、一つが安心安全な居場所づくりということで、安心できる居場所としての機能、こどもとの信頼関係ということを崩さずに、生活の中でキャッチしたこどもの声を関係機関に返しながら、こどものニーズに合った支援の提案ということを続けています。

そうした居場所の安心できる機能を担保するためにも、重篤なケースへの対応については居場所だけで抱え込むことなく、自治体の関係機関と役割分担をしながら進めるということを行っています。

また、場所運営において様々なノウハウが必要になりますが、そうした部分をe-Learningやガイドラインということで組織内のどの居場所でも再現できるような状態を作っております。

また、日々居場所に来るこどもたちから様々なSOSをキャッチすることがありますが、そうしたSOSを逃さないために、日々の終礼であるとか、まず全てのこどもに月に1回チェックリストを使った見守りを行うといった形で、こどもたちのSOSを漏らさず拾うということを居場所などの中で意識しています。

また、実際にニーズのあるこどもたちと出会うには、待っていてもやはり来ないので、こちらから出会いに行くという意味で、地域の関係機関と連携をしながらアウトリーチを行ってきています。

そうした居場所づくりを進めていく中で分かったことというか、見えてきた課題として、ニーズを抱えているにもかかわらず、支援につながらずに重篤化していく、状況が悪化していくこどもたちというのが地域の中に非常に多くいるのだなというのが分かっています。

一例ですけれども、例えば虐待の通告と一時保護を繰り返しているにもかかわらず、こどもも保護者もそれぞれどこにもつながることなく、必要なサポートを受けられないまま苦しんでいるケースだったり、5年以上不登校でどこにもつながらないまま、受験直前になってたまたま友人に連れてこられて居場所にぽっと顔を出して、そこでようやく接点が持てたというようなケースがやはり地域の中に非常に多くいるなというのを感じています。

こうした現状があるのは、ニーズのあるこどもたちと「出会う」「繋がる」「支える」というそれぞれのフェーズで課題が起きているからだと私たちは認識しています。

「出会う」「繋がる」「支える」でそれぞれ感じている課題として、まず「出会う」のところで、やはり苦しい状況の中に置かれているこどもたちが多いので、そもそも援助希求する、自分から居場所に行ったり、誰かに助けを求めるということが難しい状況にあると感じています。なので、我々としては待つのではなくてアウトリーチをするということが必要だと思ってはいるのですが、そもそも不足しているということと、いざアウトリーチをしたくとも、そういうニーズのあるこどもがどこにいるのかというのが共有されていない状況の中でアウトリーチもできないというような状況がありました。

また、「繋がる」というところでいくと、こどもをつなげられる適切な社会資源というものが、特に場所なのですけれども、そもそも地域の中で不足しているという状況もありますし、仮にあったとしても、困難を抱えるこどもを居場所で支援していくにはやはりスキルやノウハウが求められる中で、本当にこどもをつなげていいのか、こどもをつなげても対応し切れるのかというところが課題になっていると思っています。

最後に「支える」の部分ですが、地域で困難を抱えるこどもについて支援方針の決定を担っていく中心的な機能として要対協が挙げられるかなと思うのですけれども、やはり自治体の中にニーズのあるお子さんはたくさんいらっしゃいますし、人も潤沢でない中で、実施頻度はそこまで高くないと感じています。また、実施されても、実際に方針を決定して支援を動かしていくというところまで至らない場合もあるなと感じています。背景にある要対協の調整を担っていく職員の皆様も、多忙な中、かつほかの業務と兼務している中でやっているということもありますし、異動もある中で、地域の社会資源や関係機関との把握というところまで追いつかない状況で進めなくてはいけないということがあるかと思っております。

以上を踏まえまして、我々としては本居場所部会の中で画面に表示しているようなことを皆さんと検討していきたいなと思っていまして、まずこどもたちと出会うというところで、学校、スクールソーシャルワーカー、行政など、様々なこどもに関わるアクターというのは既に地域の中に存在しているはずなので、そうした大人同士が連携、リファーをしていくことで、ニーズのあるこどもたちを漏らさずにつながっていくという状況をつくっていくのが必要なのではないかと思っています。また、個々人のそういったつながりだけではなくて、行政が保有するデータベース等も活用しながら、一人も漏らすことないアウトリーチというものを実現していく必要があると感じています。

また、「繋がる」のところについては、そもそもやはり居場所自体が足りないというところではあるので、学習・生活支援事業、児童育成支援拠点事業といったものを活用しながら、こどもたちを支えられる場所の拡充を進めていくということと、その担い手となる人たちのスキル・ノウハウの提供ということを各団体や居場所に任せるのではなくて、一体となって動かすということをしていきたいなと思っています。

また、「支える」の部分については、挙げさせていただいた要対協の運営を担う児童福祉担当部局のところの人員強化をしていくということと併せて、やはり行政・民間それぞれ持っている情報や専門性というのは違うと思いますし、それらを掛け合わせていくことでよりお子さんのニーズに合わせた支援が提供できると感じているので、そうした官民の連携ということを進めながら地域での支援をしていく。その基軸に居場所がなっていくということを我々としては提案したいなと思っています。

Learning for ALLからの共有は以上になります。ありがとうございました。

前田委員長:ありがとうございました。

それでは、次に大空委員、お願いできますでしょうか。

大空委員:まず、簡単にあなたのいばしょの説明をさせていただきます。私たち、24時間365日、年齢、性別問わず誰でも無料、匿名で利用できるチャット相談の窓口をやっております。主に自殺予防、孤独・孤立対策に取り組んでいるNPOになります。

2020年の3月ですから、まさにCOVID-19の一番最初の時期にこの相談窓口を開設しておりまして、2023年5月中旬の数字ですけれども、相談件数は64万件を超えているということで、既に65万件を超えていますが、多くの、特に若年層から相談が寄せられております。

今、世界約30か国、700名の相談を抱えておりまして、一番相談が増える日本時間夜の10時ぐらいから朝方にかけての時間帯は、時差を使って海外に住んでいる日本人、日本語話者の方が相談対応に当たっているというNPOです。

現場の活動だけではなくて、様々なデータの分析、エビデンスに基づいた支援ということをやっております。

また、孤独・孤立対策ということも我々は3年前から取り組んでまいりまして、まだ望まない孤独という言葉がなかったときから、この言葉を用いて孤独対策、孤独を個人の問題から社会問題に広げようという取組でこれまで活動をしてきております。ちょうど今日の午前中、参議院の本会議で孤独・孤立対策推進法が可決、成立をしたところでして、我々としても孤独・孤立対策という枠組みの中で様々な支援をこれからも展開していくことになろうという形になっております。

私たちの簡単な構造を御説明しますと、ほとんどスマホから相談に来られます。まずアルゴリズムで相談のリスクをアセスメントしていきます。これは例えば最初のチャットボットとの会話の内容なども当然この要因に入っていきますけれども、自動的にリスクをアセスメントする。リスクが高いものは専門職、相対的に低いものはボランティアの相談員が応じるというすみ分けをしています。

一番大事にしているのはいわゆる支援者支援、相談員同士のコミュニティーをつくっていまして、毎日のようにオンラインの様々な研修会やイベントというのが開催されています。ボランティアがボランティアを支えるという仕組みも導入しておりますし、24時間いつでもスーパービジョンを受けられるような体制も整えているところです。

私たちの考え方として、これは居場所支援においても恐らく重要であろうと思っているのは、この「『マイナス』から『ゼロ』へ」という考え方でして、今日もここだけお話しできればいいなと思っていたところです。

我々のようないわゆるセーフティーネット、自殺予防の相談窓口というのは、本当にぎりぎりの状況の方がいらっしゃいます。これは自殺に限らず、虐待、DVにおいても同じです。リスクを抱えていて、そして、命の危険があるような方が非常に多いわけです。こうした状況を我々はマイナスの状態であると定義しています。相談のニーズというのは間違いなく問題解決なのです。相談者さんというのは、ほとんどが自分たちが抱えている問題を解決してほしいと思ってこうした窓口や支援団体を利用していきます。ただ、我々は問題解決はやらないしできないというようなスタンスで支援をしています。結局、自殺というのは平均して一人4つぐらいの要因とか背景があると言われておりまして、そうしたものが複合的かつ連鎖的になっていくことによって、人は自ら命を絶つというふうに追い詰められてしまう。こういう現状を鑑みると、一人4つぐらいの問題を抱えている中で、我々だけでも1日1,000件以上相談が来ます。非常に多くの人たちが悩んで相談窓口にすら来られていない状況の中で、支援団体がその人の人生に介入していって、4つの問題を仮に全て解決できたとしても、当然それは量的には全てをカバーすることはできませんし、その人が生きている以上はまた必ず悩みを抱えるということで、まずはマイナスの状態から問題解決した、ハッピーに生きていくぞというプラスの状態になる前に、ゼロの段階があるのではないかと。ゼロの段階というのは、すなわち取りあえず明日は生きてみますよとか、相談員のあなたが話を聞いてくれたから、今日は死ぬのはやめておいてあげますねとか、そういうまず命がつながるという状況に持っていく。スタートラインに立っていただくということがまず私たちができる相談支援であろうということで、「『マイナス』から『ゼロ』へ」というのを私たちは傾聴によって目指していくのだと。

ただ、これはもちろん虐待とかの場合は傾聴するだけではゼロにいきませんから、危機管理をして初めてゼロになるということもありますが、まずは継続的に支援を受けるに当たって必要な、例えば精神的な余裕であったり、物理的な時間であるとか、そうしたものを確保していただくためのゼロの状態、フラットな状態場まで目指していく。要は伴走型の支援ということをやっていくのが私たちの役割で、ゼロからプラスは地域の役割と定義しているわけです。

ですから、マイナスからゼロへは、広域的な相談窓口や、昨年度までの議論で言えばいわゆるユニバーサル的なアプローチをしていって、ゼロからプラスについては、できれば地域の概念の下で継続的に話を聞いて支援していく。今、このマイナスからゼロ、ゼロからプラスのそれぞれ連携が取れていないということですから、そこをなだらかにグラデーションで支援をしていけるような仕組みづくり、オンラインからいきなりオフラインになるのではなくて、広域的なオンライン、地域のオンライン、地域のオフラインみたいな形で段階、階層を分けてなだらかにグラデーションで支援していく。そういう居場所の概念というものもあってもいいのではないかなと考えているところです。

以上になります。

前田委員長:大空委員、ありがとうございました。

次に菊池委員、お願いします。

菊池(真)委員:ありがとうございます。画面共有させていただきます。

改めまして、一般社団法人Masterpieceの菊池です。

前回触れていないところを中心にさせていただきますが、私たちは社会的養護等を巣立った若者たちの居場所をしています。このようにやっていまして、年齢的には、住まいとしてはおおむね29歳以下の若者が利用していまして、サードプレイスとしての居場所は特に年齢制限はないのですけれども、29歳以下の方で必要な方は交通費を補助しているというような状況があります。経済的に厳しい方も結構おられるので、このようにしています。
大切にしている視点としては、虐待などを受けた若者たちが集まることが多いので、自分のこと、生い立ちを安心して話せる場ということを一番大切にしています。あとは、けんかとかいざこざもあるけれども、それはあるものとして、それも学びの一つとするということと、ピアサポートとともに斜め上の大人と出会う場としても大切にしています。あとは、相談とまではいかないまでも、問題の早期発見の場、緊急報告を聞く中での問題発見の場と思っています。

自治体などとの連携については、実はこの5月からある自治体の委託事業がMasterpieceとして始まったところで、まだ試行段階で語れることはあまりないのですけれども、仕様書などを作る時点から丁寧にヒアリングしてくださった印象がありまして、いろいろ事前に意見を取り入れてくださったというようなことがありました。結果的にその自治体以外の人も利用できるような居場所というような立てつけにしてくださったので、すごくありがたいなと思っています。柔軟でチャレンジ精神がある自治体であると連携をしやすいということや、議員との協働も大切かなと思っています。

サードプレイスの課題としては、年齢をどうするかということや、人間関係のもつれはあるのだけれども、やはり誰かとぶつかると来にくくなってしまうというような課題があったり、あとは自由な場にしたいのですけれども、安心安全を守るためには一定のルールが必要になってくるということ。あと、誰でもウェルカムはもちろんベースなのですけれども、年齢差での話題の違いも出てくるので、いろいろな企画とかをやっていきたいのですけれども、うちとしてはまだ人員体制が足りないという課題があります。あとは交通費の課題で、あるのはもちろんうれしいと言われるのですけれども、どこまでかという区切り方がなかなか難しいなと思っています。

うちとしてのルールは、悪口には気をつけようとか、けんかしたら許そうとか、あとは個人情報のこと、写真のこととかあるのですけれども、禁止というよりは推奨しようという感じのことを貼っています。

あと、ほかの団体にも聞いてみました。似たような背景の場所をやっているところにも聞いてみたのですけれども、ほかとしてはSNSのことや写真のこと、あと、施設に入所中の方もいらっしゃることがあるので、退所した方が個人的に関わるのはなしということや禁酒・禁煙、勧誘行為等の禁止とか、九州の団体では利用者、スタッフ間での連絡先の交換はしないとか、貴重品は自己管理しましょうとか、スタッフ側の姿勢としては傾聴とか、偏りなく関われるように一人で判断しないというようなことがありました。

共通項としてうちも含めてあったことは、傷つくような言葉は気をつけましょうということや、写真、SNS、個人の連絡先のことなどがあると思いました。

この辺は前回触れさせていただきましたので、最後に、カナダのトロントに視察に行ったことがありますので、そのことに触れておきたいと思います。

カナダのトロント市では、コミュニティーハブというような概念でコミュニティセンターを行っているところが多くて、地域に根差した支援拠点、行政との連携も密でワンストップで相談に乗れるというような機能があるところが多いのと、インタージェネレーションという言葉がよく出てきたのですけれども、基本的に全ての世代へ届くように、利用できるようにということで、全ての世代を対象にしているところが多いというのと、もちろんターゲットベースで、妊娠した方の学校とかもこのトロント市なのですけれども、そういったターゲットベースもあるのですけれども、基本的にはインタージェネレーションという心がけがあるようです。

3つ目に、学校の在り方が多様ということで、コミュニティーハブの中に学校が含まれているということや、4つ目はLGBTQのコミュニティーハブで聞いたことなのですけれども、自己決定とレジリエンス。自分は自分の人生のエキスパートということをスローガンとして行っているようです。

最期に、これは最近知ったのですけれども、デンマークではこういったコミュニティセンターでの朝食会とかというのが行われているようで、とても興味深いなと思いまして情報提供をさせていただきました。

私からは以上です。

前田委員長:菊池委員、ありがとうございました。

次は関戸委員、お願い申し上げます。

関戸委員:では、お話を始めさせていただきたいと思います。よろしくお願いします。

前回話したことと重複する部分は少し省きます。私たちは日本冒険遊び場づくり協会というNPOなのですけれども、我々は直接的に現場は持っていません。あくまでも中間支援のNPOで、全国450の直接支援をする団体さんの中間支援をしているので、我々の実践というよりは、それぞれの全国の活動団体さんはどんなことをやっているのかというのをお話しできればと思います。

冒険遊び場は全てのこどもというのを対象にしていますので、本当に0歳から幼稚園児、小中学生、高校生、そして、若者までという形で、地域の大人もふらっと遊びに来るという形になっています。

そんな中で、誰もがということなので、誰でも無料で申し込みせずにということを大事にしています。なので、本当に親と一緒に遊びに来るような未就園、未就学のお子さんから、小学生、中高生などだともちろん一人できますし、親の顔が見える関係で来る子もいれば、親の顔が見えないような子もいて、そんな中で、オープンな場だからこそ、そして、こどもの遊びという生活の最前線である場でやっているからこそ、いわゆる支援が必要な子、支援が必要ない子、そういうところに分け隔てなく出会えるといった特色があるのではないかなと思います。

そして、遊ぶことを通してこどもたちはみんなエンパワーメントされていきますので、そういったところにリーチする、遊びを通してこどもたちを支援するというのを大切にしています。

そして、地域の大人の人たちに関わってもらっているというのが結構特色なのではないかと思っています。オープンスペースなので、大人の遊び心を大切にするということも大事にやっています。冒険遊び場づくり遊びなんて私は言ったりしますけれども、今の日本の社会、こどもたちの環境を含めてですけれども、寛容性というのがとても大事かなと思っていますので、こどもの居場所において、遊び場だけではなく地域全体がこどもに寛容な社会になることを目指しながら、この町でこどもが育っているのだということを、あとは遊びを通してこどもは育っていきますよということを、地域の親だけではなくいろいろな世代の人たちに伝えていくようなことを大事にしています。

そして、全国の分布としては関東がとても多くなっています。そして、常設とか非常設という形で、さっき450団体と言いましたけれども、うち40か所ぐらいが常設でやっています。常設と非常設の割合とかとありますけれども、こんな感じです。なので、多くは行政の支援を得られずにやっているところが多い感じです。理由としては、制度の外側の事業であり、児童館のように法的根拠がないというところが大きいです。なので、こどもたちがリスクへの挑戦をしながら遊び育つということに対して、自分たちの町の施策としてやろうと思った自治体はお金を出しながらやっているという感じです。

今、常設、非常設の割合という話でしかお話ししませんでしたけれども、行政が直接支援をしている、行政直轄とあとは指定管理だったり委託だったりというのは、常設タイプだと6割ぐらいです。そして、非常設タイプだと2割ぐらいがそういった形でお金の支援をしていますが、残りはやはり補助金とか民間の助成金を取りながらやっているという形で、法的根拠がないというところがかなり大きいです。

そして、業界全体の課題としては、冒険遊び場とかプレーパークをやる自治体は増えてはいるのですけれども、実際の担い手です。地域の住民が自分たちで団体をつくって立ち上げている任意団体なども多いです。そして、10年、20年やっていく中で、今の子育てをしている世代の人たちにも一緒に参加してもらって運営を継続させていくという辺の支援がもっと必要です。コミュニティーワークの部分かもしれませんけれども、団体をどう継続させていくかみたいなこともかなり難しいですし、あとは関わるプレーリーダーという人材がいるのですが、こどものリスクある遊びだったり、あとは地域の住民を巻き込んだ場づくりとか、かなり高度なことを求められる仕事ではあるのですけれども、そういったところの育成の仕組みがなかったり、賃金があまり保障されていないあたりで、人材の流出なども結構多くなっているので、ここら辺がもっと手厚くなると、こどもたちが遊び育つ町というのが、遊びを通して屋外で育てるということがより日本の社会に広がるのではないかなと思っています。

私からは以上です。ありがとうございました。

前田委員長:ありがとうございました。

それでは、次に成田委員、お願いできますでしょうか。

成田委員:よろしくお願いいたします。私は国立のぞみの園の成田と申します。

私はこのメンバーの中では実は領域が異色かなと思うのですけれども、一体何者なのかというところなのですが、23年目になる児童精神科医で、この領域の特にエキスパートというわけでもないですし、業績があるわけでもないのですが、こつこつ臨床でお子さんと会う中で、診療を通じてこの部会のテーマである居場所について感じていることをお話したいと思っています。

僕の臨床の現場ですけれども、診療所や病院の一般の外来です。ここに書いてあるようなことや、あとは少年院や児童自立支援施設の嘱託医もしておりまして、ここに書いてあるようなことについて御相談に乗ったりしております。

それぞれお子さんとお会いするのは本当に短い時間なのですけれども、現場で感じていることです。発達障害関連のところですと、発達障害について知っている人はかなり増えてきたかなと。法の整備も進んでいると思います。相談・療育・支援とかそういう場も増えて、専門家も増えているなとは思うのですけれども、これはネットに公開されている調査結果なのですが、実際にこういう調査を見ても、確かに発達障害について知られているけれども、当事者の方は十分に理解されていると感じているかというと、まだまだそうではないというようなことがあります。当事者御本人もそうですけれども、御家族であったり、あるいは支援者の方もなかなかしんどい思いを相変わらずしておられるような状況があるなと感じます。療育とか福祉は利用しているのだけれども、いろいろ要望はあるのだけれども、見てもらえなくなったりすると切られてしまうから我慢しますみたいなことだったり、いろいろな声が聞こえます。

少年院のこどもたちからですけれども、そこにいる少年たちというのは、客観的な事実としては罪を犯したお子さんたちで、そこでこういったことについて矯正教育、贖罪教育を受けていって、そこで私のほうは、こういった背景はそれはそれとして、眠れないとかイライラするといった主訴についての聞き取りをして診察しているわけです。聞き取りを通じて、その子がどんなふうに感じて、世の中をどんなふうに体験してきたのか、生きてきたのかということを知ることになるわけですが、そのお話を通じて、罪を犯した立場ではあるのだけれども、実態としては虐待やいじめ、暴力、性的被害とか壮絶なトラウマ、ACEと言われますけれども、そういったものを抱えながら、しかし、ケアを受けられていない、ある意味被害者としての側面を持っていらっしゃる。あるいは発達障害の特性もお持ちなのだけれども、なかなか支援を受けられなくて逆に誤解をされて、駄目出しや失敗体験を積み重ねてきた子たち。そんな形で、一般的な社会の枠組みで居場所がなくなる、居所がなくなる中、いわゆる反社会的な枠組みというのが唯一自分を守ってくれる、必要としてくれたみたいなことで、そういう実感を持っていらっしゃるお子さんたちが結構いらっしゃる。聞いていくと、何となく主訴や犯罪行為がこういった流れの中で必然的に起こってきたことなのだななんて感じることもあります。

社会的養護のケースを通じて感じさせられることは、虐待から保護されて施設に入るわけですけれども、そこでまた新たな逆境体験を経験したり、結果的に支援困難な子ということで施設にいられなくなって居所を転々としたり、あるいは虐待をした親側がつらさや不安といったことを相談するということがなかなかない中で家庭復帰の計画が立っているとか、果たしてお子さんの居場所はちゃんとあるのだろうかとか、そういう準備が整わない中で時間切れのように送り出していくところで、安定的に居場所は保障されるのかということが心配になっています。

こういった課題に関して、ここに挙げたような、居場所はあるのだけれども心理的に孤立している。また、人とのつながりをつくっていくということ自体に困難さがある。発達障害やトラウマの影響でそういうのを抱えたお子さんが結構いらっしゃる。そのことに影響している要因として、一つはスティグマということがあるかなと思います。ここはちょっと飛ばします。

あと、我々の領域で言えば、診断をすることで発達障害の子は療育を受けるとか、パターナリズムの流れの中で居所を探しているお子さんたちも大人たちもいるわけですけれども、こういったところは反省しなくてはいけないななんて思います。

居場所は増えるのだけれども、居場所をつなぐところが隙間がまだまだあるのかなというところと、居場所を支える人たちの不安や孤立、疲弊というところが課題かなと思います。僕はお子さんの話を聞く中で、心理的な居場所というところを確保しなくてはいけない。そう考えると、これは報告書の中にもありましたけれども、人との関係性全てが居場所になるというところで、自分の診療の場も含めて、実は自分が居場所という役割も担っているのということ、これを教育者や医療者、福祉の人たちも、療育とか医療という狭いところだけではなくて教育を知っていかなくてはいけない。あるいは支援者支援というところが非常に大事かなと思います。

ちょっとオーバーしてしまいましたが、以上になります。

前田委員長:ありがとうございました。

それでは、次に水野委員、お願いできますでしょうか。

(接続不良)

前田委員長:水野委員、お声が聞こえないのですけれども、話しておられますか。聞こえないのは私だけですか。

山口成育環境課長:いえ、聞こえていないです。

では、順番を入れ替えて、先に湯浅委員にお願いして、水野委員にはまた個別にこちらのほうで器具を調整したいと思います。

前田委員長:分かりました。水野さん、すみません。

では、湯浅委員、突然ですがお願いしてもよろしいですか。

湯浅委員:大丈夫です。

では、こども食堂から見える指針の方向性ということで話をさせてもらいます。5分なので、ややロジックが飛ぶように感じられる箇所があるかもしれませんが、御容赦ください。

まず、こども食堂ですが、今日お集まりの皆さんには説明する必要はないと思いますけれども、今、全国に7,363か所ということで、8割は多世代交流の場となっています。こどもからお年寄りまで集まる場所になっています。先ほど菊池さんがインタージェネレーションという言葉を使いましたが、インタージェネレーションのような場として広がってきています。

こういう数字もありますが、これは御確認いただければということで、7,363はどういう数字かというと、中学校が今9,164、年々減っていっていますので、今年か来年には中学校の数を超えます。数年後には恐らく小学校の数を超えるであろう。つまり、最も身近にある地域の居場所というのは、こども食堂とかそういう民間がやっているような地域の居場所になる。そういう時代が結構近くまできているのではないかということです。

今、年間の延べ利用人数は1272万人、うちこどもが876万人となっています。
今日お話ししたいのはここからなのですが、そういうこども食堂の実態から何を考えられるかということなのですけれども、まず3つの円を出しました。一番小さいAの円がこどもの貧困対策とか、いろいろ課題を抱えた子に対応する円、いわば支援局の円です。そして、Bが課題を抱えている子に限らず、全てのこども、全ての子育て世帯を対象にする円で、これがいわば成育局の円です。そして、Cが、地域というのはこどもや子育て世帯だけで成り立っているわけではない。お年寄りだけの世帯もあります。障害者だけの世帯もあります。そういう意味で、そういう人たちも含めた円というのはCの円になります。

まず、こども家庭庁はAとBをまず基本的に射程に入れていると思いますが、去年の報告書でAとBの境は濃淡があってグラデーションだと。ここに図示したようにきれいに分かれていないのだということを私たちは指摘させてもらいました。実は、同様にBとCの円の境もそんなにはっきり分かれるわけではない。例えばこどもの育ちをみんなで支えるといえば、それはこどもを中心に高齢者も応援する場ということになりますが、高齢者の人たちの集まる場にこどもも行けるようにしようということになると、今度はCの話になります。それは実は現場で見ると、どちらかというのは微妙な話になっていきます。

それを去年の報告書のこの図と重ねてみます。先ほどの円を縦にしてみました。私たちは報告書の中で、このターゲットとユニバーサル、この境界は濃淡があってグラデーションですよという話を書かせてもらいました。そして、今お話しした2つ目の境界線というのがさらに上との境目ということになります。こどもとそれ以外も含めた人たちの場ということになります。

ここから何が言えるのかということを考えたいということになるのですが、まず1つ目は、成育局は、家庭も学校も居場所になればいい。地域も公園も居場所になればいい。友達の家も駄菓子屋も図書館もコンビニも児童館も放課後子供教室もプレーパークもこども食堂もということで、とにかくAもBもCも、どこもかしこもより多くの子によりたくさんの居場所をということがいわば成育局の目指すべき夢であろうと思います。

そして、同時に、学校や家庭が駄目なら第3の居場所があるよ。リアルが駄目ならオンラインがあるよ。出られないなら訪問するよ。どこにもないのだったらつくるよというふうに、Aが駄目ならB、どんな子にも少なくとも一つの居場所を確保しようというのがいわば支援局の夢であろうと思います。

この両方を足し合わせたのがこども家庭庁の夢であり、国民の夢であり、私たちの夢であると思うので、まず一つ、この「どこも」と「どこか」というのを目指していきたいというのが一つ見えてくる方向性です。

そして、もう一つは、先ほどの2の円から言えることと思っているのですけれども、先ほども申し上げました下のほう、こどもの育ちをみんなで応援と言えばこども家庭庁的な話。だけれども、みんなの中にこどももいるよということだとこども家庭庁ではないということになる。でも、本当にそうなのかということです。別の言い方をすれば、こどもの人たちが地域の未来をつくるのだと多くの人が賛同すると思います。同時に、元気な地域だからこどもの育ちを支えられるのだ。これも多くの方に同意いただけるのではないかと感じています。そうすると、上のほうです。先ほどのさらに外側との境界線ということになりますけれども、みんなの中にこどももいるとか、元気な地域がこどもの育ちを支えるという観点も居場所の指針は持っておけないかということが、いわば2つ目の方向性ということになります。こどもが真ん中を追求しつつ、その先には、障害の場は障害者が真ん中であり、高齢の場は高齢が真ん中なわけですけれども、どこが誰が真ん中なのかということで言い争うことを超えて、みんなが真ん中という状態を将来的にはつくっていきたい。

今回、居場所づくり指針は、日本政府が歴史上初めてつくる居場所についての指針と認識しています。10年、20年先を見据えて、こどもまんなかを強く打ち出すと同時に、その先も視野に入れた指針になることを願っております。

以上です。

前田委員長:ありがとうございました。

それでは、水野委員、お待たせしました。いかがでしょうか。

水野(か)委員:大変申し訳ございませんでした。ありがとうございます。

では、始めさせていただきます。

一般財団法人児童健全育成推進財団の水野と申します。よろしくお願いいたします。

私どもの団体は、地域のこどもの居場所である児童館を支援する事業を行っております。

そして、そこに集うこどもたちを間接的に支援している団体でございます。

今日は団体のプレゼンではなく、こどもの観点から児童館について説明をさせていただきます。

児童館は、目的に記載があるように、18歳まで継続して利用ができる児童福祉法の第40条に規定されている児童福祉施設として、全国に4,347か所ございます。

また、児童館には様々な資格を持った職員が複数配置されております。

下記の※にもありますが、令和3年度調査結果のほうから、各児童館の開館時間は平均して9時から18時、6時が最も多く、日曜日の開館も約3割が行っております。

利用者につきましても、コロナ以前の平成28年は一日平均約66人、年間約2万人でしたが、コロナ禍の令和3年度につきましても、一日平均約40人、年間約1万人の利用者があるなど、居場所としての機能を十分果たしていたということがうかがえます。

下の理念にも記載されておりますが、児童館ガイドライン第1章総則に記載されている内容は、こどもの居場所に共通する内容であると考えます。こどもの居場所は、児童福祉法並びにこども基本法のいずれも第1条に明記する児童の権利に関する条約の精神にのっとり、こどもの最善の利益が優先される場であることが重要だと感じております。

児童館は、平成18年をピークにやや減少傾向にありますけれども、2021年全国児童館実態調査では子ども・子育て支援計画に明記をしていただくなど、行政の方針として位置づけ、地域のこどもの居場所として、児童館の機能、役割に期待をして、新築、それから、改築を予定している自治体があるということも報告されております。

子供・若者育成支援推進大綱、令和3年の4月に出されたものですけれども、地域における小学生、中学生、高校生世代の活動拠点の一つである児童館の積極的な活用などにより、遊技、遊びやレクリエーションを含む様々な体験、交流活動のため、十分な機会を提供するということも記載されております。

こども大綱、こどもの居場所づくりに関する指針にもこれを引き継ぎ、こどもの居場所づくりに積極的な市区町村が国をぜひ後押ししていただくことが重要ではないかなと考えております。児童館の特性ですが、児童館ガイドラインに示される児童館の特性は3点ございます。

拠点性、多機能性、地域性、いずれの項目もこどもの居場所に重要な観点になると考えます。また、児童館の活動内容の①~③ではこどもが主体となる場であること、そして、④や⑧では多様なニーズのあるこどもの居場所となることが示されており、全国の児童館の実際の実施率も高い数値となっております。

児童館の施設特性ですが、このように置かれている環境や状況に関わりなく、自由に来館して過ごすことができる児童福祉施設であること。そして、こどもが能動的な権利主体であることを表し、全てこどもを主語として表現させていただいております。このような場であることから、ひとり親家庭、それから、貧困家庭、外国につながりのあるこどもなど、多様なこどもも利用しており、こども家庭庁の資料にもあります居場所の種類、分類において、児童館はユニバーサルポピュレーションに分類されてはおりますが、ユニバーサルポピュレーションアプローチからターゲット、ハイリスクアプローチまで、多様な背景や状況、ニーズがあるこどもが日常的に利用し、日常的に対応をしています。

こちらは、児童館が大切にしている視点を9つ記載しております。こちらも御覧いただき、先日も少しお伝えさせていただきましたが、こどもの居場所は児童館だけではなく多様で、地域に増えていくということはとてもうれしいことです。こどもにとって居場所の選択肢が増え、身近であって、自由に利用できること、こどもの権利を尊重する大人がいること、こどもに開かれた持続可能な居場所が増えるよう、この居場所づくり指針に大いに期待をしております。

以上となります。ありがとうございました。

前田委員長:ありがとうございました。

それでは、今まで8名の委員の方々に発表いただき、誠にありがとうございました。

今から質疑応答の時間とさせていただきたいと思います。手挙げ機能を使って手を挙げていただいて、どの委員の御質問、御意見か冒頭で言っていただいてから、御意見、御質問をしていただければと思います。また、私が見落としする場合もありますので、そのときは遠慮なく声を出してお声がけください。よろしくお願いします。
質疑応答の時間は45分間、5時45分までございますので、どうぞ御自由に皆さんの御意見、御質問をお待ちしています。いかがでしょうか。

宇地原委員、どうぞ。

宇地原委員:ありがとうございます。

最初は感想というところからなのですけれども、まず、湯浅さんのお話は非常に共感するところがありまして、我々の現場は18歳までとお子さんを決めていますが、送り出しても1年、2年たってまた何か困難とぶつかって戻ってくるということがやはり頻繁にあるなと感じていまして、僕たちの居場所の中でケアをされていったとしても、地域に出ていったタイミングで居場所がなければ再び孤立してしまうという状況はすごくあるなと思っています。なので、個々の居場所が地域とのつながりを持って、こどもたちが地域とつながるための窓口となっていくという機能は非常に重要だなと感じました。

もう一つ、一つの社会資源や居場所でいろいろなこどものニーズを受け止めようとすると、やはりコンセプトが壊れるなというのは感じていまして、それこそ虐待を抱えているこどもに寄り添いつつ、保護者に指導や介入をするというのを一つの機関で担うというのは難しいと感じていまして、だからこそ多機関との連携ということが非常に重要だなと思っていますが、その2つをまとめて、やはり居場所自体が孤立をしないとか、地域の中で多様な機関と連携していくということは、居場所づくりを進めていく上で一つ重要なポイントになるのかなと感じています。

その文脈で質問なのですけれども、大空委員と今村委員からオンラインであったりSNSを使った支援の部分で地域とのリファーの話が出ていたかなと思うのですが、実際にどういうふうに取り組まれているのかというところをお聞きできるとうれしいなと思っていま
す。

以上です。

前田委員長:ありがとうございます。

いかがでしょうか。今村委員、大空委員、どちらか。

今村委員:ありがとうございます。

私たちのところでは、今回の議論でどこをめがけていくのかというところではなくて、現状でお答えさせていただきたいのですけれども、今、私たちの自治体との連携としては、まずターゲッティングサービスということを前提にやっています。例えばヤングケアラーのこどもの支援のソリューションとしてこの場を使いたいとか、不登校のこどものソリューションとして使いたいとか、困窮世帯のこどもの学習支援事業をやりたいのだけれども、地方だからなかなかそこに通えない子たちが多いので、そういった居場所として使いたいとか、いろいろなそういった何らか目的がある行政の方々との連携において同じ場所を使っているという形になって、結果的にいろいろなプログラムとか、そこでただいるということとか、スタッフの連携とかをしています。

なので、大体こどもたちを受け入れるときには、ある意味タグつきのこどもたちがこちらのほうにまずリファーされてくるというところがこの事業においては前提なのです。こども自身、家庭から申し込みが来るか、行政連携の上でこちらにリファーされてくるかというところから受入れが始まるので、行政との連携のところでいうと、受け入れた段階で支援計画を一緒に立てて、ただ見守ることを前提にするのか、次のステップに送り出すことを前提にするのかということを常に行政の方々と打合せをしたり、情報をお伝えしたりしています。

そこから地域に戻していくというのは、本人の状態を見て、もし選択肢があれば、リアルな対面での人間関係というところや居場所というところにつながることがその子にとっての教育という意味でいいのではないかということを判断されたときに、地域の居場所に接続していくということもある。ただ、それは全てではないという感じです。

お答えになっているか分かりませんが、現状はそんな感じです。

宇地原委員:ありがとうございます。

前田委員長:大空委員、いかがですか。

大空委員:ありがとうございます。

私も今の我々の現状ということでお伝えさせていただくと、行政に対して、これはいわゆるリファー対応に我々はなりますけれども、虐待、DV、それから、生活困窮の場合もありますが、その場合、基本的にまず私たちの中で希死念慮を軽減していくということをやった後に、行政において継続的に支援していただいたり、一時保護を念頭に置きながらリファー対応をしていく。ただ、ここで課題が生じるのは、当然、我々のような窓口は匿名であるということなのですよね。ただ、行政にリファーする段階においては、当然個人情報を伝えなくてはいけないということで、2つ方法がありまして、一つは相談員の技量によっていわゆるラポールを形成した後に、個人情報を教えてもらうということをやる。あなたの秘密は守ります。こどもを守る大人たちがいますから一緒に行きませんかというような、そういう様々なスキルを用いて聞いていく。名前、年齢、性別、電話番号、住所みたいなことをこちらで集めた後に、それを伝えていくというようなことである。もう一個は、いわゆるIPアドレスであるとか、我々が使っているツールの中でこちらが把握可能な情報と、それから、警察はハッカーの情報がありますから、警察に連携をして、警察が通信事業者に連絡をして、そして、そこから居場所を割り出して、実際に警察なり児相なりが出ていくとなるような大体2つの方法があるのです。

ただ、これはいずれもかなりハードルが高いもので、今、いろいろ我々の中でも厚労省さんであるとか総務省さん、警察庁さんとの間での連携ということを念頭に置いて議論しておりますが、非常に難しいものがあるかなと。我々のケースで言うと、恐らく、今、オンラインの相談窓口とかオンラインの居場所はどんどん増えていて、結局、オンラインは匿名性というものが非常にメリットとしてあるものですから、そこを失ってはならないという思いを個人的に強く持っておりますので、そこの匿名から個人を把握して継続支援に至るという過程の部分をどれだけクリアにしていけるのかと。今、総務省の管轄下で2005年10月当時(社)電気通信事業者協会、(社)テレコムサービス協会、(社)日本インターネットプロバイダー協会、(社)日本ケーブルテレビ連盟が共同で作成したガイドラインが実はすごく古いもので、SNSというものの存在すら明記されていないようなガイドラインが生きている状況なので、手続上の話になりますけれども、そうしたものを新しくして、まず既存の仕組みを見直していくというところから入っていけるといいのかなと思ったりします。

長くなってごめんなさい。もう終わりますけれども、あと、我々、実際にリファー対応だけではなくて、いわゆる予防教育みたいなことも自治体さんとやっていますので、例えば横須賀市さんとかと連携協定などを結んだりして、学校に出っ張っていって、そもそも孤独や孤立の状態で例えば重症化している人たちと軽症の段階の人たちがいるので、重症化させないような予防的な取組をやるということも一つの考え方としてあればいいかなと思っています。

以上です。

前田委員長:ありがとうございました。

皆さん、ほかにいかがでしょうか。

今、安部さんと菊池委員から手が挙がりました。

まず安部委員、お願いします。

安部委員:委員長、ありがとうございます。

私から1点、皆さんに質問がございます。

課題についてお伺いしたいのですけれども、自分たちの活動だけではどうにもならないところについてお伺いしたいと思っています。特にこどもの最善の利益の視点を実現するために、足りないところであるとか、あるいは制度を改善したほうがよいところ等あると思うのです。今、大空委員もおっしゃったような部分があると思うのですが、活動を通して課題に感じていらっしゃることをそれぞれ教えていただければと思います。

以上です。

前田委員長:今日発表いただいた8人の方全員に御質問ですね。

安部委員:そうですね。もし特になければ、おっしゃらなくてももちろん大丈夫です。

前田委員長:分かりました。

では、またあいうえお順でよろしいですか。また今村委員からもし何かあればお願いしたいのですけれども。

今村委員:ちょっと考える時間をいただいてもいいですか。どの部分を切り取ればこの場にとって有益なのかを考えさせていただけたら助かります。

前田委員長:では、用意ができた方からお手を挙げていただけますか。
いかがいたしましょうか。では、逆にあいうえお順の逆から当ててもいいですか。湯浅さん、いかがでしょうか。

湯浅委員:ありがとうございます。

こどもの最善の利益から見たときの制度的な壁というのは、今回こども基本法ができましたので大きく一歩前進したかとは思うのですけれども、まだまだ社会に対する実装という意味ではこれから具体化ということなので、そういう意味では、こども大綱ができて個々の政策が動き出してみたいなことで言うと、たくさんあるということにならざるを得ないのではないかなと思います。

前田委員長:ありがとうございます。

安部委員:こども食堂の視点から具体的にぜひ課題を教えていただきたいです。

湯浅委員:こども食堂の視点から言うと、制度の問題で何か突っかかっていて困っているということはなくて、むしろ多くの人たち、例えば保育園とか児童館もそうです。あとは寺社とか、お寺や神社さん。こういう方たちがいざこども食堂をやろうというときに、いろいろそれぞれのハードルが実はありまして、例えば保育園だとこども食堂をやったときに塩コショウを使ったらそれは財産処分に当たるのかみたいな話とか、非常にテクニカルで細々した話なのですけれども、実は現場ではそういうことがネックになったりもするものですから、そうした意味での障壁はあって、それは多くの人がこの活動に取り組みやすくするためには一つ一つ手直ししていっていきたいなとは思っています。

安部委員:それらの障壁はデータベース化されているのですか。

湯浅委員:されていないです。

安部委員:ありがとうございます。

前田委員長:次は水野委員、よろしいでしょうか。もし何かありましたら。

水野(か)委員:水野です。

先ほども少し申しましたけれども、児童館は児童福祉施設として公的施設ではありますけれども、なかなか自治体によって児童館の位置づけが違うということで、減少傾向にあるということもございます。児童福祉法で公的な施設ですので、全国一律同じような位置づけで運営されるということが望ましいのかなという部分と、先ほど大空委員のほうからもありましたけれども、児童福祉法もすごく昔のものをそのまま児童館をあてがっておりますので、そちらについても、新しく見直す児童館の位置づけ、児童福祉法の中の位置づけについても新たに直していくということも必要ではないかなと感じます。

以上です。

前田委員長:ありがとうございます。

成田委員、いかがでしょうか。

成田委員:私は医療とか福祉・教育というところとの関わりですので、我々、例えば医療であれば何か症状をよくするとか、学校の先生であれば学習成果を上げるとか、そういうことについての自身のスキルとか、そういう形でお子さんに役に立つみたいなことには一生懸命なのですけれども、実は自分の立場を通じてお子さんに関わっているときに、自分自身も実はそのときにその子の居場所を担っているというか、そういう意識は正直まだそんなにないかなと思っていまして、なので、医療の分野でも、教育の先生方でも、成人教育というか、いろいろな専門性を持ってお子さんに関わる立場の人たちが今後受けていく教育の中に、この「居場所」という概念というかキーワードをしっかり入れ込んでいくことがとても大事ではないかなと個人的に思っています。

以上です。

前田委員長:ありがとうございます。

関戸委員、いかがでおられますか。

関戸委員:御質問ありがとうございます。 冒険遊び場は今のところ制度の外側の事業です。こどもの遊びというのは、いわゆる大人たちの社会規範やルールから逸脱することが多いわけですよね。遊びというのはそういうものなわけで、そこに大人の論理を当てはめてしまうと面白くなくなってしまうというのがあるので、今のところ、制度の外にあったからそういうことが保たれてきたのではないかという話は一部あったりします。なので、今後、制度としての冒険遊び場が整備されてしまったときに、こどもたちの遊びの醍醐味であり、最も人の育ちに直結する「無秩序さやリスクへ挑戦する」ということが保たれなくなってしまうのであれば、それは非常に危険だと思うのです。こどもの遊びの場というのは今までなかなか法整備がされてこなかった。児童福祉法の中ではやってきましたけれども、街中でこどもが遊んでいるということに関しては、あまり大人たちもいい意味で手を出さなかった。だからこそ保たれている部分というのがありますので、そこを大人が囲ってしまうことによる弊害というのは考えないと、とうとう遊びの世界にまで大人の秩序や社会の規範が入って、まさにがんじがらめになってしまうというのは非常に危惧しなければいけないことだなと思っていますので、冒険遊び場に限らずですけれども、こどもの居場所というのをこれからこども家庭庁の中で指針をつくって整備していくときに、居場所の中にはこどもの遊びやこどもの生きるということに必ず切っても切り離せない「無秩序さやリスクへの挑戦」は忘れてはいけません。大人たちには分かっていることでも、こどもは発展途上なので分からないわけですよね。そういうこどもの在り方が保障されるところが居場所として非常に重要だと私は思っています。

以上です。

前田委員長:ありがとうございました。

菊池委員、質問はちゃんと回りますから安心してください。まず、安部委員の御質問にお願いします。

菊池(真)委員:ありがとうございます。

課題は、どこも共通かもしれないのですが、やはりヒト・モノ・カネかなと思っていて、十分な資金があることでモノもヒトも整っていくと思うのですけれども、まずは自治体がやろうって予算をつけていくことだろうなと思っていまして、やはり資金だなと思っています。

社会的養護の文脈から言いますと、メンタルケアがすごく課題だなと思っていまして、そういった中で心理士と話せるとか精神科医さんと話せるというような場があるととてもいいなと思っているのですけれども、それもやはりお金、資金のほうにもつながるかなと思っていて、そういうところを感じています。

前田委員長:ありがとうございます。

次に大空委員、いかがでしょうか。

大空委員:こどもの最善の利益ということを考えるとたくさんありますけれども、個々の事例に落ちていくと無限に時間が必要なので、やはりこどもの最善の利益というところとそれぞれの行政を含めた組織の利益というところに矛盾が生じているのだろうなというところはよく感じるのです。例えば保護者をサポートするということも本来はこどもの最善の利益に資するわけですけれども、まずそこをやらないという場合もありますし、例えばスクールカウンセラーという制度、これは安部先生も御専門だと思いますが、制度をつくってしまっている以上、当然そこを利用しなければいけない、活用しなくてはいけないということはあるのですが、スクールカウンセラーの予約を取るのになぜか担任の先生経由ではなくては取れないところが多々あったり、もしくはSCが来るまではリファーされても困りますみたいなことがあったり、制度とか組織とかというものをつくって生んでしまっている以上、それをどう生かすかということがある程度優先されてしまうことが非常にあるかなというのは実感しておりまして、そこを細かく見直していくということと、先ほど申し上げたような、チャット相談とかSNSの場合は2017年頃からできてきた新しい概念ですので、まだガイドラインは少ないですが、その中でもあるような既存のルール、ガイドラインでこども最善の利益を害しているであろう、例えば先ほど申し上げたインターネット上の自殺予告事案への対応に関するガイドライン、これは前述した通り総務省管轄のそれぞれの事業者のガイドラインですけれども、これが2005年10月のものが生きていて、Twitterのサービス開始は2006年ですから、その前のものが生きているような状況もありますので、こうしたものを見直していくということになるのかなとは感じております。

前田委員長:ありがとうございます。

宇地原委員、いかがでしょうか。

宇地原委員:ありがとうございます。

現場で見ると、やはり圧倒的に受皿というか居場所がないなというのをすごく感じています。そこが制度的にどうかという話でいくと、学習・生活支援事業であるとか児童育成支援拠点事業といった形で、事業として推進していくというところは既に決まっているかなと思っています。ただ、実際に基礎自治体の中でどれだけ実施されているかという話でいくと、今日も中島さんからのプレゼンの中で学習・生活支援事業の実施率の話もありましたし、そういったところはやはり基礎自治体が実際にやるというところのハードルはあるのかなと感じています。

何がハードルになるかという点については幾つかあるとは思うのですが、一つは予算であるとか要綱の部分で、実施のハードルが事業者にとって高いというところは一つ挙げられるかなと思っていまして、そこはやはり直していくべきところかなというのと、そもそも地域担い手がいないという場合も十分に考えられるかなと思っています。特に地方だったり、過疎地域の場合、そういった事業を実施する主体がいない。これはそういった地方の話もそうですし、そもそも児童福祉の領域全般で人材が足りないというのは言われているところかなと思いまして、児童相談所とかだと50%程度の職員が3年目未満の職員という話もありますし、そういったところを含めて、児童福祉全体で人材確保、育成をどうしていくかというところはあるかなと思っています。

あとは、担い手の話で公共調達の文脈になるのですけれども、事業者選定のタイミングでいわゆる自治体の中で入札が行われることもあったりするのですが、そういったときにどうしても価格競争になると、こういった対人支援の文脈ですと人件費が事業費のほとんどになるので、そこを削りながら入札を戦うということにもなっていて、そういった部分はこどもの権利を守るということを考えたときにすごく葛藤するシーンだなと感じていまして、そこをやはりクリアしていく必要があるかなと思っています。

以上です。

前田委員長:ありがとうございました。

今村委員、いかがでしょうか。

今村委員:皆さんに発言していただいたので、考える余裕をいただけました。ありがとうございます。

本日、オンラインのところのお話をさせていただいたのですけれども、私たちは本当は地域の中でリアルな現場をつくっている拠点のほうが多いので、その視点からになってしまうのですけれども、先ほど関戸委員のお話しになったことは本当に共感するところでして、無秩序を許して遊びの中でレジリエンスを育てていくというのは、まさにここが育っていないということが大きないろいろな問題につながっていて、こどもたちを守るということは大切なのだけれども、社会はもっと厳しいということも、やはりこどもの年齢を超えたときにきちんと本人が獲得できていなくてはいけないということは、本当にとても大きな問題だと思っています。

なので、そうしていきたいと思いつつも、私たちは民間事業でありながらも行政と連携して仕事をするということを大切にしているのです。行政が告知してくれないと安全を担保している場所だよということが親元に届かないから、場所を開いてもなかなかこどもが集まらないということが起きてしまうからです。それをすると、かなり厳しい安全基準とかスタッフに対する要望とかが、やはり行政と基準を照らし合わせなくてはいけないということも同時に起きるわけなのです。ここに、例えば保護者とLINE交換をして何かあったときにぱっと連絡できるようにする。この一点すらも許されていない自治体もありますとか、本当に津波が来たらどうするんだみたいなこともあるので、電話なんかで対応できないよとかということなど、今も戦っているのですけれども、そんなようなことも続いてたりもするのですが、ただ、やはりまだこの領域のプレーヤーといいますか、だから、これは湯浅さんのところがどのようにされているのか本当に聞きたいのですけれども、とはいえまだまだプレーヤーが足りないわけだから、民間の力は借りたい。民間のクリエイティビティーとパワー、多様性を力に変えていかなくてはいけないという段階だと思うのですけれども、やはり安全性というところはあるし、性暴力が起きないとは言えないしというところを考えると、やはり共通して信じる倫理綱領のようなものを共通してつくるとか、そういったことを各団体に委ねない部分というのはやはり必要なのではないかなとも感じます。

なので、みんなのクリエイティビティーで多様な場でレジリエンスを育てていくということはやりながらも、安全をどう取っていくのかというところに対しての工夫がこの審議会の中で見いだしていかなくてはいけないポイントなのかなということも感じています。

以上です。

前田委員長:ありがとうございました。

安部委員、よろしいですか。

それでは、菊池委員、御質問があったようですので、どうぞお願いします。

菊池(真)委員:ありがとうございます。

オンラインの居場所をされている皆さんにぜひお聞きしたいのですけれども、私たちも社会的養護の居場所で、コロナ禍のときにイベント的になのですが、オンラインのイベントというか交流会をやったことがあるのですけれども、やはりすごく大変というかオンラインならではの大変さはあると思うのですけれども、そういったところの大変さと、特に話をしてしまってというか、重い話をしてしまった後に自分がフラッシュバックを起こしてしまったり、二次受傷をしてしまったりというときに、どういったオンラインならではのフォロー体制などがあるのかどうかということがあったら教えていただきたいです。

前田委員長:オンラインで、大空委員と今村委員のお二人ですかね。

今村委員:多分大空さんのところのほうがしっかりとやられていると思いますので、うちではこんなふうにしているというところを私から簡単にお伝えするのですけれども、うちはできるだけ本人が一人で判断しない体制を結構重層的に取り組んでいます。オンラインだから本当に一対一の環境になってしまうので、こどもに許可をできる限り取りながらも、まず録画するということは、本当にこどもにとってはやりづらいと思うのですけれども、やはりそこで投げかけた言葉がどうなるかということは、すごく厳しいものもあるので、ここのところはできる限りやっていたりします。

あとは、臨床心理士やお医者さん、そして、スクールソーシャルワーカーの方とか、専門家のネットワークを組んでいるので、何かちょっとリスクが見えた瞬間にみんなで検討会議をして、ケース会議をして、そこの場づくりの中での投げかけるポイントをスタッフに委ねないというところをしたり、ストレスがかかり過ぎなトラブルとかこどもとの対応があった後には、その方自身のメンタルケアをするみたいなこともオンラインでやったりということは結構丁寧にやっております。

でも、私のところはまだまだこどもの利用が500人ぐらいなのです。なので、大空さんのところさっき桁違いの数だったので、多分もっといろいろな工夫がなされていると思うので、ぜひ教えていただけたらうれしいです。

大空委員:私も試行錯誤でやっておりますけれども、理念と仕組みの2つだと思っていて、まず理念のところで言うと、私たちは本気の他人事でやりましょうと。本気で他人事をやるのだということを本当にあらゆるところで言っていまして、これまで自殺相談窓口は例えばたんつぼになる覚悟はありますかとかということを説いていたりということもあったりするのですけれども、サンドバッグのようにどんどん死にたい死にたい、お前のせでみたいな言葉も投げかけられる中で、我々は他人事ですよと。相談者というのは家族でも友達でもありません。自分の心を最優先するということをみんなが肯定できる環境をつくるために、まずその理念をつくっているわけです。本気で他人事をやるということ。

プラス仕組みの部分でいうと、これも我々は24時間というのもありますから、今、東京と大阪の2つ拠点がございますけれども、スーパーバイザーを含めて、専門職の職員はシフトを組んで24時間帯制で常にその拠点に勤務しています。これは、まずスーパーバイザーと専門職の人たちは、さらにかなり過酷な相談を受けていきますので、顔の見える環境で信頼関係をお互いに築いてということで、当然リモートも交代でやっていますので、全員が全員というわけではありませんが、基本的には出勤して、月に数回リモートという体制でやります。そうした専門職の支援をボランティアは世界中どこにいても24時間受けられるということで、これは自分が相談のシステムに入るとほかの人がどれぐらい応じているかというのが全部見られるようになっているのです。そこで難しいものがあると、こういうまさにZoomみたいな形のものが常に開いていまして、自分でぽっと入ってこられる。

なので、今、この相談が難しいのですけれどもどうしたらいいのですかみたいな会話を24時間いつでもできるのと、我々はとにかく横のつながりをということで、最初に申し上げたように、我々は毎日のようにオンラインの研修会とかイベントとかが開催されていまして、当然傾聴の技術を磨くものもあれば、例えば関西弁しか使っちゃいけませんよというようなイベントがあったり、アメリカに住んでいる、北米に住んでいる人だけの限定の相談員の交流会があったり、ありとあらゆる交流会を相談員が自分で開催できるようにしているので、多種多様なものがどんどん部活のような形でできてくるのです。それを自由に選び取ることもできますし、とにかく我々はそれぞれのライフスタイルを配慮しようということもあるので、そうやっていろいろなイベントに参加してつながりをつくりたい方もいれば、自分で黙って一人で相談を受けたい方もいらっしゃいますので、そういう方はZoomのブレイクアウトルームに入って、そうすると、もくもくルームといって黙々やりたい人がいっぱいいるグループがあるのです、しゃべる必要もなければ画面を出す必要もないみたいな、本当に相談員の属性をまず完全にプロファイリングして、それぞれに合った相談支援の在り方をなるべく平均化して提供するみたいなことを心がけている。もちろんそれでも完璧ではありませんが、この3年間、主なインシデントというのは発生してきませんでしたので、こうした取組をなるべく多様化していくしかないかなと思います。

菊池(真):ありがとうございました。

前田委員長:ありがとうございました。

ほかの方、御質問はございませんでしょうか。

では、青山委員、御質問をどうぞ。あと、調布市の菊地さんもおられますね。青山委員の次は菊地さんにお願いしますので、青山委員、どうぞ。

青山委員:青山です。

皆さん、プレゼンありがとうございました。本当にそれぞれ様々な示唆に富むものが多かったなと思って、私自身とても勉強になったのですけれども、湯浅さんの話などを含めて考えた場合に、居場所の様々な整理の仕方についても示唆があったと思います。特に、居場所づくりが目的となっている場所と、そうではないけれども結果として居場所的な機能を果たしてい得るものというのの両方に向けて指針が機能する必要があるのだろうなという印象を持ちました。つまり、居場所をつくろうとしている人たちをちゃんと応援しつつ、居場所と呼ばれていない場所、つまり結果としての居場所に対して、そこも居場所になり得るものですよ、これからはそういう場も重要ですよというようなことが伝えていけるといいと思ったというのが感想の一つです。

それで考えたときに、居場所づくりが目的ではないけれども、結果として最もユニバーサルな居場所になりうるものの一つとして、学校教育があると思います。特に地方での地域格差などを考えていく上で、今回のこの議論が指針にどこまで盛り込めるかどうかは分かりませんけれども、やはり居場所という観点から学校教育への要望や改善点、例えばこういった専門職がいたほうがいいとか、こういった観点で学校が変わるとよりいいのではないかというようなことを盛り込んでいけるといいのかなという印象を持っていますので、今日御報告いただいた皆さんの中で、もし学校教育に関する要望や改善点についてお考えがある方がいらっしゃったら、聞かせていただけるとうれしいなと思いました。

以上です。

前田委員長:ありがとうございます。

今、青山委員から学校の可能性について何か御提案やお考えがある委員の方はおられるかという御質問がございましたけれども、いかがですか。何か学校への御意見がおありになる方は。

成田委員ですかね。

成田委員:全然学校関係ではないのですけれども、関わっています。今、学校で現場を持っている先生方にということだけではなくて、これから学校の先生になっていく学生さんたちにそういったことについて教育をしていく。教育というか、そういうこと自体を話題にして考える機会をやはりつくっていくことが長期的に大事ではないかなと思います。

以上です。

前田委員長:ほかの今日発表なさった委員の方、よろしいですか。

宇地原さん、どうぞ。

宇地原委員:ありがとうございます。

僕たちの活動の中で、実際に学校の中で居場所づくりに取り組むであるとか、学習支援をするとか、学校さんとの連携を地域の中で多くやってきているのですけれども、やはり見ていると、管理職の先生は学校を開いていくというか、外部との連携というところに前向きだったりもするのですけれども、どうしても担任の先生の目線だと、やはり自分のクラスということもあるので、しっかりやり切らなくてはいけないという思いが強くて、なかなかほかのリソースに頼っていくといいますか、連携するというところに目が向きにくい状況はあるのかなと感じています。なので、これは学校にこうしてくれという話でもないのですけれども、やはり学校のマインドセットとして、学校の中だけでやり切るということではなくて、そもそも地域の様々な資源と連携して運営をしていくのだという発想をもっと持っていくということが非常に重要かなと思っています。スクールソーシャルワーカーの配置は多分そういう文脈もあって機能しているところかなと思うのですけれども、SSWの配置もまだ目標の数値に達していない部分もあるかなと思うので、そこの拡充と学校自体のマインドセットといったところが変わっていくと、地域での支援というところは厚くなっていくのかなと思っております。

前田委員長:ありがとうございます。

今村委員、お願いします。

今村委員:ありがとうございます。

学校という存在、文部科学省管轄の学校というところとこの居場所の議論というところがどう融合していくのかというところは、このアジェンダの最重要課題だと私も思っています。やはり全てのどんな僻地のこどもたちも学校には行くということが公共サービスとして整備されているということが日本ではあるわけなので、そこで先生たちが毎日見ている姿の中から確実にリスクも把握しているケースは比較的多いし、家庭の中でつらいことがあったのだなということも、先生方はほかのソーシャルワーカーの方とつながるよりも先に把握しているということもあるわけなのですよね。

ただ、問題は、これはうちのオンライン事業ではなくて、リアル支援の拠点でとある自治体との連携で現在進行形で起きていることなのですけれども、学校の先生が行政と連携しているうちの拠点にいろいろな学校の子たちが居場所として使っているということをすごくリスクと捉えるというケースが多くて、もしそこに行ってほかの学校の子と恋愛が始まってしまったらどうするのだとか言って、駄目ですかみたいなことをうちのメンバーとかは言うのですけれども、やはりそのときに誰の責任でそこを管轄するのかみたいな議論になってしまうのです。

だから、現状、学校と居場所の連携というところでは、やはり学校の先生はたとえそこで多様な居場所があるということ把握していてリファーしたとしても、そこは先生の責任だと思わないようにしてあげられるような工夫がないと、怖くて伝えられないというか、ほかのところとつないであげられないということが起きているのかなと思います。なので、これは中央教育審議会のほうの議論かもしれないのですけれども、そういった社会資源と先生がもっとつながっていけるようなことを考えないと、学校の先生が把握していることが宝の持ち腐れになって、こどものリスクをもっとつなげられるものがあったのにということは現状あると思うので、ここは重要な議論だと思います。

前田委員長:ありがとうございました。

菊池さん、どうぞ。

菊池(真)委員:今、これをライブ配信で見ている支援団体の方からメッセージが来たのですけれども、児童が支給されているタブレットが結構あると思うので、それをもっと活用できないかという案が出ました。SOSがつながるようになったらいいなというようなことが出ました。あとは、SCさんも学校の中で孤独を感じている部分が結構多いかもしれないので、SCさんたちもチームになっていろいろな学校で企画などをできたらいいのかなと思いました。

以上です。

前田委員長:ありがとうございます。

調布市の菊地委員と小川委員も手を挙げておられますので、まず調布市の菊地委員から御質問をお願いします。

菊地(英)委員:調布市の菊地でございます。

皆様からの御説明、どうもありがとうございました。公であるとか民間の施設、事業において、オンラインを含めてなのですけれども、いろいろな居場所であるとか相談の在り方は非常に勉強になりました。

まずは感想のところからなのですけれども、やはり多種多様なものがあるというのが率直な感想でして、こどもたちあるいは親から見て、いろいろな施設でいろいろな事業が行われているというのは大変いいことかなと思うのですけれども、今日のお話を聞いていても、サービスの対象となる年齢とか、どういう状況のこどもなのかであるとか、そして、サービスの内容、相談に特化しているのかですとか、居場所、学習、就労の支援、障害者支援といった得意分野というのがそれぞれ異なっている。そのときに、こどもであるとか保護者の方というのがどこに行ったらいいのかなと迷ったりすることは非常に多くあるのかなと感じたところです。

居場所の選択肢が増えるのは非常にいいことです。相談の先も増えることも非常にいいことなのですけれども、官民問わずなのですが、やはりサービスを網羅的にとらえてコーディネートしたりですとか、あるいは一度どこかのサービスを利用した際に、それがそぐわなかったときに次に移行していくとか、あるいは相談から居場所と移ったりすると思うのですけれども、そういったところに対して適切な施設とか事業をつなぐ仕組みというのが必要というのが、今日いろいろな施設あるいはサービスの話を聞いて特に思ったところです。

うちの市においても子ども・若者支援地域ネットワークというものを設置して、こどもの居場所等を設置しているような事業者間の相互の理解を深めていったり、情報交換をしたり、利用者のケース会議をやったりするのですけれども、全国的に展開されている団体さんも含め、施設とかサービスのネットワーク化というのは、この議論を進める上では必要不可欠なのかなと感じているところです。

質問は逸れてしまうのですけれども、育成財団の水野委員に質問です。我々も児童館を抱えているところなのですけれども、やはり古くから児童館というのは学校とは違うこどもの居場所でずっとあり続けたのだろうなと思います。施設数も、今、目減りはしているところも多少あると思うのですけれども、居場所という考えを持つ中で、もちろんネットの居場所というのも大事だと思うのですが、実際にリアルで居場所があるという強みがまずあったり、そこで働いている職員の方というのも専門性が高い。全員ではないかもしれませんけれども、そういった強みが児童館というのはあるのかなと。また、地域でこども・若者に関心がある方というのが昔から集まってきて、いろいろな事業をやっていく場所でもあると考えているところです。

今後、児童館というのはどういう未来像を描いていくべきなのか。場所もあって人もいるというのはなかなかないものなのだろうなと思うのですけれども、例えば児童館というと小学生の利用が多いので、もう少し中高生に広げていこうとか、ハードとか人をどう使っていくのかというところについての未来像であるとか方向性みたいなものをぜひ教えていただけないかと思っております。

以上です。

水野(か)委員:ありがとうございます。水野です。

今、調布のほうからお話がありましたけれども、だんだん縮小傾向にあるので、先ほどのグラフのほうでもお話ししましたが、一方で児童館を建てていこうという自治体があるということも事実です。それにつきましては、やはり中高生の居場所という部分を大きく捉えているところもありますし、あとは乳幼児、児童館は基本0から18の継続した利用ができるという居場所ではありますが、乳幼児親子への支援というものも今、国としてはとても力を入れている部分ではありますので、乳幼児専用の施設を建てる。小学生のこどもたちは放課後子供教室という部分では学校内で、また、中高生については中高生の施設を建てる。児童館としては0から18なのですが、縦割りの建物を造っていくという自治体のほうも今は実は増えているのではないかなと思っています。

その中で、やはり私ども育成財団のほうは0から18、同じお子さんが継続した利用ができる児童館というものをとても大事にしておりますし、先ほどの職員のほうも児童厚生員というお名前ですが、小学校の教諭の免許でしたり、社会福祉士、または幼稚園教諭、保育士など、様々な資格を持った職員が各所に配置されておりますので、その辺りの強みもやはり今後積極的に打ち出していき、ただ、皆さんのお話の中にもありましたように、職員の人材の部分がお給料の面ですとか待遇の面も含めて継続したしっかりとした位置づけにはなっていないというところがやはり大きくネックになっている部分ではないかなと思っております。

職員はやはり0から18というものをとても大事に仕事をしているかなと思いますので、今後、0から18、居場所づくりというところでも児童館が大きく注目を浴びていることを全国の児童館の職員はとてもありがたく思っているのではないかなと思っていますので、ぜひ皆さんNPOさんですとか、ターゲットの居場所ともつながりながら、児童館は基本的には0から18、全てのお子さんが無料で利用できる施設でもありますので、その辺りが今後自治体としっかり手をつないで位置づけができてくるといいのかなとは感じております。

以上です。

前田委員長:ありがとうございます。

今、ちょうど小川委員と荒木委員から御質問の手が挙がっておりますが、この2名の方でよろしいでしょうか。
それでは、まず小川委員のほうから御質問をお願いします。

小川委員:ありがとうございます。

遅れて途中から参加なので、先ほどの学校と居場所の融合のところで感想をお話しできればなと思います。

私たちも学校の情報をどうつないでいって、どう地域でその御家庭を支えていく形をつくっていくのかというのはすごく大事だと思っていて、それは校内居場所カフェというものが学校の中にありながらも、地域に開かれたサードプレイスとしてあるというところの意味なのかなと本当に感じてもいるのですけれども、ただ一方で、中高の接続とか義務教育から高校へのつなぎの部分とか、あと、高校が離れていった児童はどうやってその先地域の資源につないでいくのかというところはとても大きな課題としてあって、今回、学校と居場所の融合に加えて、こどもの定義というか、私たちがこどもと言ったときにどこの辺りまでを支え続けていくのかという辺りも、また皆さんと意見交換をしながらお話をしていきたいなと思っております。

感想でした。

前田委員長:ありがとうございます。

それでは、荒木委員、お願いします。 ○荒木委員私は前回自己紹介させていただいたときにもお話ししたのですが、宮城県石巻市で児童館を運営しています。私たちの児童館では「こども参加」をとても大事にしているのですけれども、本日発表いただいた皆さんの中でお取組があればぜひ教えていただきたいと思います。

私たちは指定管理選定委員にこどもたちも入っておりまして、らいつの運営をする人を決定する際にいろいろな質問を投げかけて、大人がそれに答えて、選ばれていきます。指定管理者となったら、運営自体にこどもたちが関わることをしていて、声をいろいろな形で取り入れながら、決定する場面にもこどもたちが参加しています。

みんなの居場所をつくっていくときに、どれが本当に今いるみんなの居場所なのだというところは常に探り探りなのですが、その分、こどもたちが一緒にそこにいるということがすごく大事だなと感じております。なので、皆さんの居場所づくりの中で、こんなところにこどもたちの声をこういうふうに入れているのだとか、運営にこのように関わっているよということがあれば、教えていただけたらうれしいなと思います。

前田委員長:今の荒木委員の御質問にいかがでしょうか。運営のほうにこどもたちの声を反映なさったりおられますか。

菊池委員、どうぞお願いします。

菊池(真)委員:うちはボランティアにも有給の職員にも当事者のユースにも入っていただいているというような状態で、それをやり始めているというところではあるのですけれども、あと、単発でユースのアルバイトを募集していて、何かイベントをやるときとかDIYをやるよとか、この日にお手伝いが欲しいというときにユースのボランティアを募っていて、参画して一緒につくり上げたり、いろいろ修論の体験の機会の場とか、そういったところで参画してもらったり、あとは講演の活動、発信をするというところで活躍してもらっています。

前田委員長:ありがとうございます。

関戸委員、手を挙げていらっしゃいましたよね。お願いします。

関戸委員:プレーパークはプログラムを持たない遊び場なので、基本的には運営や場づくりにこどもたちのやりたいことが直に反映されるというのが特色だと思います。暑い時期であれば水遊びがやりたい。ではウォータースライダーを作ろうかとか、寒い時期であれば、たき火でみんなで豚汁を作りたいという話になれば、こどもたちの企画によってどんどん場が変わる。そもそも冒険遊び場(プレーパーク)は大人が施設をつくって完成というわけではなく、こどもが施設のあり方やかたちに手を入れて変えることができることが魅力であって、遊びを手作りすることがこどもにとってすごく重要だというところからそういう参加の仕方になっています。 なので、さっき今村委員からもリスク管理についてお話がありましたけれども、今のところ、行政の委託でやっているところも、そういった遊びに関してはリスクへの挑戦は重要だということを理解していただきながらやっているような状態です。

前田委員長:ありがとうございます。

ほかに荒木委員の御質問にお答えがある委員の方はおられませんでしょうか。

よろしいですか。大丈夫でしょうか。

ありがとうございました。

それでは、本日の意見交換はここまでとさせていただきたいと思います。委員会はまだまだこれからも続きますので、また何か気づかれたとき、ぜひ皆さんいろいろ御意見をお述べください。

最後に、第1回部会でいただきました御意見を基に、関係団体ヒアリング先候補について事務局と相談いたしまして変更いたしました。事務局より御報告させていただきたいと思います。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

次回、次々回を予定しておりますけれども、関係団体へのヒアリング、これのヒアリング先につきまして前回の部会で御意見をいただきましたので、その御意見を踏まえて座長と御相談をいたしまして、ヒアリング先を修正しております。

資料3を御覧いただきたいと思います。

資料3ですけれども、次回、次々回のヒアリング先ということで、まず1ページ目につきましては、この部会の中で委員の皆様からヒアリングをしていただく対象であります。

これにつきましては、ヒアリング先団体と委員の皆様が所属されている団体の重複がないような形で調整をいたしまして、ヒアリング団体は具体的にはこの右側の欄に記載のとおりとなっております。

なお、放課後等デイサービスについては、障害の種別にかかわらず、包括的に障害のあるこどもへの支援をされているという観点で、全国児童発達支援協議会をヒアリング先団体という形にしております。

それから、2ページ目でございますけれども、事務局のほうでヒアリングをいたしまして、その概要をこの部会で共有するという宛先のジャンルになります。前回の部会の中で保護司を加えてはどうかという御意見がありましたので、保護司を追加しております。

それから、3ページ目でございますけれども、ヒアリングの内容についてでございます。

概要のところに記載がありますとおり、各ヒアリング先のジャンルにおけます居場所づくりでの理念や大切にしている視点、工夫していることなどをお伺いする予定です。また、中間支援団体などの取りまとめ団体にヒアリングを実施する場合には、そのジャンルの居場所をどのように広げていくのか、また、質の保障に向けた取組についてお伺いをする予定にしております。

加えまして、昨年度のこどもの居場所づくりに関する調査研究におきまして、居場所づくりに共通する課題として5つ挙げられておりますので、具体的には下のほうの②報告書記載の課題に対する対応策や工夫についてというところに5点記載がございますけれども、こうした5つの課題につきましてどのような対応や工夫などがなされているのかといったことをお伺いしたいと思っております。

以上、前回の部会にていただいた意見を基に、座長と御相談の上で修正した内容について御説明させていただきました。

前田委員長:ありがとうございました。

今後のヒアリングの予定について御説明いたしましたけれども、皆様方から何か御意見がございましたら、どうぞ挙手でお願い申し上げます。

菊池委員、いかがでしょうか。

菊池(真)委員:保護司というところを前回私から提案させていただいたのですけれども、詳しい方に聞いたところ、保護司はもちろんであるけれども、少年院を出院した、利用経験のある若者支援団体というようなところに幅を広げたほうがいいかなと思いまして、もし差し支えなければ文言を足していただけると幸いです。

前田委員長:ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。皆さんよろしいですか。

安部委員、お願いします。

安部委員:安部です。ありがとうございます。

ヒアリングの共通項目についての意見なのですけれども、よろしいですか。

前田委員長:どうぞ。

安部委員:共通項目の中に、今日御発表いただいた方たちの居場所もそれぞれオープンしている日数であるとか時間がばらばらだったので、できればどの程度の日数あるいは時間オープンしているのかというのを全ての団体さんから提示していただけるといいかなと思いました。それが1点目。

もう一点が、先ほど荒木委員から質問がありましたが、こども参加の取組があるかどうかについてもぜひ知りたいなと思いました。

以上です。

前田委員長:ありがとうございます。

ほかにいかがですか。

青山委員、どうぞ。

青山委員:青山です。

間に合えばという感じなのですが、図書館、美術館というようないわゆる地域の社会教育施設が挙がっています。美術館は制度上は「博物館」となるかなと思うのですけれども、社会教育施設としてはやはり公民館が地域の拠点として位置付けられてきています。もし図書館だけでなく公民館についてもヒアリングできるのであれば公民館は中学校より数が多い施設ですし、居場所としてのポテンシャルが高い施設だと思いますので、調整はもう進んでいると思いますので難しくなければですが、入れていただけるといいかなと思いました。

以上です。

前田委員長:ありがとうございます。

ほかに何か気づかれたことはございますか。

宇地原委員:先ほどの青山委員から学校との連携のところについて指摘があったと思うのですけれども、今、学校関係のところは校内カフェしか入っていないと思うのですが、実際に学校の教員の皆さんが居場所との連携なり地域との連携をどう考えているかというところはヒアリングできたほうが示唆的かなということと、加えて、スクールソーシャルワーカーについても、実際にこどもをつなげていくというプレーヤーになると思うので、そこについても範囲を広げてもいいかなと思いますが、ヒアリング項目は恐らく同一にはならないと思うのですけれども、聞くことはすごく価値があるかなと思いました。

前田委員長:スクールソーシャルワーカーさんと学校の先生もですかね。

宇地原委員:はい。

前田委員長:分かりました。ありがとうございます。

ほかに気づかれたことはございますでしょうか。よろしいですか。

では、皆さんありがとうございます。もし何かまた気づかれましたら、事務局のほうまでメールなどをお送りいただければと思います。

皆様の御意見、また、アドバイスをいただきましたので、それを取り入れてヒアリング対象団体も付け加えていきたいと思いますので、よろしくお願いします。

本日はどうもありがとうございました。