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こどもの居場所部会(第9回)

概要

日時:令和5年9月22日(金)15時00分から18時00分
場所:こども家庭庁 22 階 庁議室

【オンライン配信URL】
URL:https://www.youtube.com/watch?v=Sh7d-qhwOrA

議事

  1. 開会
  2. 議題
    (1)「こどもの居場所づくりに関する指針(答申素案)」について
  3. 閉会

資料

議事録

前田部会長:皆様、こんにちは。定刻となりましたので、ただいまから「こどもの居場所部会」第9回を開催いたします。

委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

本部会長の前田です。よろしくお願いいたします。

本日も、対面とオンラインのハイブリッドにて開催させていただきます。

山本委員におかれましては欠席、今村委員、水野達朗委員におかれましては途中で退席なさるということ、菊地英一委員につきましては、遅れて御参加という御連絡を承っております。

よろしいでしょうか。

それでは、まず事務局より資料の確認をよろしくお願い申し上げます。

山口成育環境課長:事務局です。

本日の出欠状況でございますけれども、先ほど部会長から御発言がありましたけれども、現時点で宇地原委員と小川委員、それから、湯浅委員が遅れてお見えになるということかと思っております。

それでは、資料のほうを説明させていただきます。まず配付資料ですけれども、資料1から資料7まで、次第を加えまして全部で8点となっております。

資料1ですけれども、答申素案としてこれまでの御意見を踏まえて文章化した資料となっております。

資料2は、この答申素案の概要版として作成しているものでございます。

資料3ですけれども、9月下旬に予定しておりますこどもパブリックコメントに向けて、やさしい版の資料として作成しております。この概要版とやさしい版につきましては、今後、パブリックコメント等に使用するために、事務局において便宜的に作成をさせていただきました。まず、この部会の議論におきましては、中身のほうを皆さんにしっかり御議論いただいた上で、概要等の資料につきましては、またその内容が固まってから改めて皆さんに御相談をしたいと思っておりますが、パブリックコメントを実施するということから事務的に作成させていただきましたので、御容赦いただきたいと思います。

それから、資料4から6につきましては前回の部会と同様でございます。

資料7、今村委員の提出資料となっております。

資料の欠落等がございましたらお申しつけください。

また、今回の部会は傍聴希望者向けにユーチューブでライブ配信をしております。

それでは、頭撮りはここまでとさせていただきます。

部会長、よろしくお願いします。

前田部会長:それでは、次第1番「『こどもの居場所づくりに関する指針(答申素案)』について」に入ります。

本日は答申素案について御意見をいただきたく思っておりますが、素案を3つのパートに分けて御議論を進めさせていただきたいと考えております。まず最初の議論では、第1章「はじめに」及び第2章「こどもの居場所づくりに関する基本的事項」についての議論をしたいと存じ上げております。続きまして、2番目の議論では第3章「こどもの居場所づくりを進めるに当たっての基本的な視点」を御議論いただき、最後に第4章「こどもの居場所に関するものの責務、役割」及び第5章「推進体制等」について御議論いただきたいと思います。このように、3つの部分に分けて議論していきたいと考えております。

それぞれのパートにおきまして、事務局から説明後、約40分程度で委員の皆様からの御意見をいただく形式で進めたいと考えております。

なお、本日の部会は3時間を予定しておりますので、途中で休憩時間を取ることを予定しています。

それでは、まず最初に第1章及び第2章について御議論いただきます。

事務局より資料の該当部分の説明をお願い申し上げます。

山口成育環境課長:事務局です。

資料1「こどもの居場所づくりに関する指針(答申素案)」を御覧いただきたいと思います。

4ページをお開きください。

まず第1章ですけれども、「1.策定までの経緯」につきましては、これまでの審議会の資料には含まれておりませんでしたが、これにつきましては、策定までの経緯としていわば事務的に作成しております。令和3年の12月の閣議決定に基づき、この居場所づくりに関する指針を閣議決定するということが定められ、これを受けて諮問があり、今議論をしているというところを記載しております。

「2.こどもの居場所づくりが求められる背景」以下につきましては、前回パワーポイントでお示しをした論点整理をワードの文章に書き下ろして、前回御議論いただいたことを踏まえ、修正をさせていただいたものになります。

2ポツの背景につきましては、こどもにとって居場所というのが不可欠であるという中で、地域のつながりの希薄化等により、こどもが地域の中で育つことが困難になっている。

そうした中で、こどもの居場所づくりの必要性が増しているということを記載しております。

5ページにいきまして、「3.こどもの居場所づくりを通じて目指したい未来」ということで、こども基本法、それから、こども政策の基本方針にのっとって記載を行っているというところでございます。

そして、第2章ですけれども、第2章「こどもの居場所づくりに関する基本的な事項」ということで、「1.こどもの居場所とは」ということで、6ページになりますけれども、こども・若者が過ごす場所・時間、人との関係性全てが居場所になり得るということ。そして、そういった場がこどもの居場所になるかどうかは、一義的にはこども・若者本人がそこを居場所と感じるかどうかによっているということが書いてあります。

「2.こどもの居場所の特徴」ということで、個人的であり、変化しやすいものであるということ。そして、立地や地域性などの影響を受けるものであること。また、目的によって性質が変化し得るというものであること。

そして、7ページですけれども、前回の部会におきまして学校に関する御意見が多数ございました。それを踏まえて、多くのこどもにとって学校が居場所になっていることというところを新たに書き起こしております。こどもにとって学校は単に学ぶだけの場でなく、安全に安心して過ごしながら、他者と関わりながら育つ大切な居場所の一つであり、実際に学校は多くのこどもにとっての場所となっている。とりわけ、地方部においては学校がこどもにとってのセーフティーネットとなっていることもある。不登校のこどもは学習の機会だけでなく、居場所としての学校という場が損なわれている状態にある。こどもが学びたいと思ったときに学べる環境を整えるとともに、学校をみんなが安心して過ごせる場所にする必要があると記載しております。

次に、人との関係性の影響を受けるものである。それから、地域づくりにつながるものである。こうした規定を置いております。

その下、「3.こどもの居場所づくりとは」ということで、居場所とはこどもが決めるものである一方で、居場所づくりは第三者が中心となって行われるものであるので、その隔たりが生じ得るということで、この隔たりを乗り越えるためにこども・若者の視点に立ち、こども・若者の声を聴きながら居場所を進めることが重要としております。

それから、下の「4.本指針の性質等」(1)本指針の性質ということで、本指針は基本方針に基づき策定されるものであるということ。

そして、次のページになりますけれども、9ページ(2)対象となる居場所の範囲、居場所となることを目的としてつくられた場所はもちろん、結果としての居場所になることがある。結果としての居場所についても、本指針が記されている内容が当てはまる部分については、その内容を十分に踏まえることが期待されるとしております。

(3)対象となるこども・若者の範囲ということで、こども・若者の定義といったことを書いております。一番下、26行目あたりからですけれども、こどもであっても若者であっても、居場所の必要については同様であるが、必要性の強弱、機能等を踏まえ、本指針においては、若者を主たる対象とする居場所づくりについても当然対象に含めるものの、心身の発達の過程にあるこどもを対象とする居場所づくりを中心として記載する。また、居場所はこども本人が決めるということを踏まえて、小学校就学以降のこどもを中心とした記載としているとしております。
第1章、第2章につきましては以上でございます。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、この1章と2章について御意見をいただければと思います。

発言の際には、ページ数と行番号、もしくは何章の何番の項目への御意見かなど、御意見の箇所を明らかにしていただきますようお願いいたします。

また、本段階では、具体的な修正内容とともに御意見をいただけると幸いです。

御意見のある方は、挙手または挙手ボタンを押していただければ幸いです。

皆様、いかがでしょうか。

では、今村委員、お願いします。

今村委員:発言させていただきます。今村です。

本日、途中で退席しなければいけないので、2章までということだったのですけれども、3章と5章についても簡単に触れさせていただければと思います。

前田部会長:今村さんも最初の40分ぐらいでいなくなってしまうのですね。分かりました。

今村委員:申し訳ないです。冒頭だけの参加とさせていただきます。

今、資料を意見書という形で提出させていただいておりますので、詳細はそちらのほうを御覧いただきたいのですけれども、私としては、本当に今回の取りまとめがどんどんブラッシュアップされて、前回この場でも大変大きな話題になった学校をどう捉え直していくのかということについて、非常に踏み込んでお書きいただいたことについてとても感謝をしております。

しつこいようなのですけれども、改めて大前提にしていきたいことなのですが、資料のほうにも出させていただきましたけれども、こちらは文部科学省の学校基本調査を取ってきたのですけれども、公立学校の数は物すごい勢いで減っています。減っているという自治体があるということを前提にする必要があります。

例えばこれは今回こどもの居場所の「こども」の範囲が若者まで含むということだったのですけれども、こどもの最終学齢期になる高校についても、今、64.8%の自治体では公立高校が0か1という状態が実態になっています。また、小学校、中学校についても物すごい勢いで減ってきていて、この10年で小中学校の学校数は3,011校減っているという現実があります。

そんな中で、今回この部会はこども家庭庁のこどもの居場所部会ということで、公立といいますか行政による施策だけではなくて、もちろん民間による努力等も含めた居場所をどう整備して応援していくのかという議論ではあるのですけれども、これだけ少子化で学校すらも減ってきているという前提に立ったときに、自治体がどこまで、学校数が減っているのにそれ以外の場所、こどもたちの各年齢の学齢期に合わせた居場所をどのように整備していくのかというと、かなり厳しいという前提に立つ必要があるのではないかと思います。

これはビジネスセクターが参入していけばいいのではないかと。これもまたビジネスベースに乗せることが難しいですし、現時点でもいろいろな地方の方々と話していると、小学校3年生までの居場所はあっても、それ以降はほぼ居場所がないというような、民間による、地域も含めてないというのが現実に起きていることです。

なので、大変しつこいのですけれども、学校をこどもたちにとって唯一無二の居場所として強制しようという議論は全くするつもりはありませんが、大人がそうなるための努力をちゃんとやっていくということをこども家庭庁だからこそ踏み込んで御提案いただきたいと思っています。

その意味で、第2章の7ページ目なのですけれども、ここにこどもにとって学校が学ぶだけの場ではなくて大切な居場所の一つであること、現状不登校が増え続けていることをきちんと明記して、いろいろなこどもたち、多くのこどもたちにとって居場所が損なわれている実態にあるということを明確に書かれたことはとっても重要な表記だと思います。

その上で、第3章、第5章についてなのですが、ごめんなさい。第3章まで行ってしまうのですけれども、第3章の「ふやす」というところについて、既存の地域資源を生かした居場所づくりというところに、学校の風土を改善、創造していくということはとても重要であるということをいま一度明確に書いていただきたいです。

学校がとにかく努力していくべきということ。「学校が」というのは、今の先生の仕事を逼迫させていこうではなくて、行政としても学校という場所に新たな人材を配備するとか、居場所という機能を放課後きちんと充実させるとか、そういった学校という箱をみんなできちんと使っていきましょう、そこに学校に行けないという選択を今してしまっている、してしまっているというか、行かないのではなく行けない状態の子がいるのだとしたら、きちんと学校風土づくりを、不本意な形の不登校を生まないような形での予防をちゃんとしていこうということが文部科学省が出しているCOCOLOプランにも明記されていますので、それらを踏まえると、第3章の「ふやす」の(2)のところに、居場所の特徴で記載のとおり、学校は重要なこどもの居場所である側面から、安心して学べる学校風土づくりを通じて、学校が全てのこどもの居場所になることの努力が必要であるということを明記していただきたいなと思っています。

そのまま第5章の推進体制のところなのですけれども、福祉部門と教育部門の連携の重要性についての言及はとても大切なことです。自治体はかなり国のやり方を注視していますので、そこにすごく影響がありますので、国における推進体制においても、教育行政と文部科学省との連携について、次のように記載していただきたいなと思っています。政府一体となってこどもの居場所づくりを強力に推進する。とりわけ文部科学省の教育等の連携・協働はこどもの居場所づくりにとってとても必要不可欠であるということを明記いただきたいなと考えます。

ごめんなさい。3章、5章についても触れましたけれども、私からは以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、1章と2章の議論に戻りたいと思います。

青山委員、お願いします。

青山委員:青山です。

私からは「はじめに」の2ポツの背景のところ、なぜ居場所が必要かというところについて、少し項目を足せるとよいのではないかと思っています。具体的には2つの要素を追加できないかと思っています。4段落目ぐらいに主に関連するかなと思っておりますけれども、一つは地域の変容、例えば空き地や路地裏やというところがあって、地域の変容が居場所の必要性が出てきた一つの背景だということが書かれているわけですけれども、ここに家庭、それから、学校の役割がすごく大きくなってしまったということ、特に中高生の部活などを考えると、家庭と学校でしか人間関係がないような状況になっていることを追加できると良いと思います。もう一方で、今の今村委員のお話のように地方で学校が拠点になっていく必要はもちろんあるのですけれども、家庭、学校の役割が大きくなってきた結果として地域の変容が記述できるといいのではないかと思っています。このことは一見問題のないように見えるこどもでも、すごく狭い人間関係の中で生活しているため、ちょっとしたトラブルが大きなリスクにつながりやすくなってしまったり、潜在的なトラブルが表面化していないだけで実は危うい状態にいるようなこどもたちのリスクの問題にもつながるのですが、そこまで書けないと思うので、家庭、学校の役割がこの間ずっと大きくなってきたのではないか、そのことがやはりリスクでもあるということの要素が少し書き込めるといいのではないかと思っています。

2点目は、同じく放課後の議論の中で、こどもたちが放課後ですら、という言い方がいいのか分かりませんが、成果を求められたり、自由な時間が減ってきているという議論がずっとあります。やはり放課後に過剰に成果を求められたり、こどもたちが自由に過ごせる時間が減っているということが、改めて居場所ということが注目されてきた背景にあると思いますので、そういった要素を、この2点について、ニュアンスはこのとおりではないかもしれませんけれども、書き込めればいいのではないかと思いました。

あと、すごく細かいのですが、7ページの3ポツ目の人との関係性の影響を受けるものであることの最後のところが「本人のニーズによって使い分けるものがある」というのですけれども、これは多分文章的に「こともある」ぐらいのほうが文章がつながるかなと気づいたので、それも申し添えます。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、よろしいでしょうか。小川委員、お願いします。

小川委員:ありがとうございます。

すみません。遅れて参加なのですけれども、1章と2章の議論ということで理解してお話しさせていただきます。

1つ目が第1章の2つ目のところで、先ほどほかの委員の方からもお話があったように、多分家庭とか学校の役割の大きさが大きくなっているというところとつながると思うのですけれども、その後児童虐待の話とかが入っているかと思うのですが、これらのこういう困難を抱えた若者というのが特に居場所を失いやすいという点ももし可能であれば加筆いただけるといいかなと感じております。

「3.こどもの居場所を通じて目指したい未来」のところでも、やはり居場所をやっていてすごく思うのは、こどもまんなかの居場所づくりというのもすごく大事なのですけれども、やはりそういうこどもの居場所づくりというものを通して、社会でこどもたちを育てていくというか、一緒に育てていくような機運づくりみたいなところが目指す未来としてはすごく重要ではないかなと感じていますので、もしその辺りも加筆ができるのであれば、ぜひそうしていただきたいなと思っています。

2章の「2.こどもの居場所の特徴」のところに地域づくりにつながるものであることというところがあるかと思うのですけれども、最初の冒頭の文で地域づくりの一手法として居場所がという記載の仕方があるのですけれども、これはもし可能であれば順番を少し検討したほうがいいかなと思いまして、地域づくりの一環としてこどもの居場所を活用するみたいに捉え方が逆になってしまうと、それは本末転倒というか、こども・若者が地域の中で活用されてしまうみたいになると、こどもの居場所としてはそぐわない部分もあるのかなと思いますので、その辺りも再度御検討いただけるといいかなと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

ほかの委員の方々からいかがでしょうか。

関戸委員、お願いします。

関戸委員:1章「はじめに」のこどもの居場所づくりが求められる背景、4ページです。

ここについてのコメントです。先ほども、ここの背景のところに家庭や学校の持つ役割が大きくなっているのではないかという話などが青山委員からもありましたけれども、ここには居場所が持ちづらくなっているという社会の変化によって、こどもたちが居場所を持つことが難しくなっているという切り口で書いてありますけれども、今村委員が学校について言及されていましたけれども、そもそも居場所を必要とせざるを得ないようなこどもたちの在り方というのですかね。私は、こどもたちにとって、放課後とありますけれども、課されたものから放たれた後と書きますけれども、放課後も課されっ放しとさっき青山委員もお話しされていました。この背景の中にきちんと学校だったり、学校以外の場所でも課されるものの多さ、そして、放たれる時間の少なさみたいな、こども自身が生きることだったり学ぶことが苦しいという状況になっているからこそ、居場所づくりが求められているということだと思うのですよね。なので、こどもが今の暮らしの中で課されている時間の長さだったり、自分というのを開放してありのままでいられる時間が少ないという前提がもうちょっとここの書きぶりの中に表れるといいなと思ってコメントをします。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかの方々はいかがでしょうか。

では、成田委員、お願いします。

成田委員:ありがとうございます。

いろいろあるので1つずつ行こうかと思います。

まず、先ほど小川委員のおっしゃっていたことと重なるかなと思うのですけれども、5ページの3行目、「他方で」という段落のところで虐待のこととか不登校、自殺の話があると思うのですが、ここは居場所づくりが求められる背景としてあるので、この児童虐待とか不登校、自殺といった課題についても、こどもにとっての居場所が危機に瀕したというか危機に陥った。結果として、どちらが先か分からないですけれども、居場所の危機なのだという見方というか、そういう視点、児童虐待や不登校、自殺とか、それは大変な問題みたいな大ざっぱな見方ではなくて、居場所が危機に瀕しているのだという見方をしていくことがこの居場所のことについて指針を作っていく上で大事かなと思うので、少し書きぶりを居場所の危機みたいな雰囲気で書けるといいのかなと思いました。

それにもつながるのですけれども、8行目、9行目は価値観の多様化とか多様なニーズというような文脈でいろいろな場所が必要ということになっているのですけれども、何となくこれだとさっきの危機に瀕しているこどもたちの居場所の確保みたいなところがこの中に包含されにくいなと思うので、さっきの3行目からのところで居場所の危機に瀕しているこどもたちがいるのだ、そういうこどもたちが居場所につながりにくい状況にあるとか、そんなこどもたちもつなげられる、居場所をつないでいく必要があるのだというような形で3行目から9行目の辺りをまとめられるといいのかなと。具体的にこういう文がいいのではないかという案は提示できないのですけれども、まずはそれでお願いします。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

では、光真坊委員、お願いします。

光真坊委員:光真坊でございます。ありがとうございます。

第2章の「1.こどもの居場所とは」というところになると思いますけれども、ここに書かれている居場所のことについては、物理的なものだけではなくて様々な形態が存在すると書いてあります。その後ろに居場所をどう感じるのかという主観的なところについて書かれています。これは居場所をどう捉えるかというこどもの捉え方のところが書かれていると思いますが、実際に居場所にいるこどもの状態はどうなのかというと、やはり心地がいいとか、何かやってみたいという心理的な部分で居場所となり得ると思うので、そういうようなことも明記されたらいいのではないかなと。要するに、心理的な側面も強調されるといいのではないかと思います。

あと、今までの議論でも出ておりましたけれども、キーワードとして「学校」がしっかりと入ったというのは私もとてもいいなと思っております。あわせて、実は「家庭」とか「家族」というところのキーワードであると思いますし、あとは関戸委員もおっしゃっていましたが、「放課後」というキーワードもしっかりとこの中に入れておく。これはこの部分ではないかもしれませんけれども、そういうキーワードをしっかりと書き込むということが重要ではないかと思います。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、次に水野かおり委員、お願いします。

水野(か)委員:ありがとうございます。水野です。

私のほうからは1点、4ページの2ポツのところです。先ほど青山委員、関戸委員からもお話がありましたけれども、そこにつながるかなと思いますが、遊びの大切さの部分をやはりここに入れていただけたらなと思っております。これは次の章になってしまいますけれども、13ページの災害時におけるこどもの居場所づくりに遊びの機会を確保されるようといきなりここに遊びというものが出ております。また、17ページ、こちらも第3章なので先なのですけれども、ここにも居場所づくりにおいて遊びは重要な要素であるとは記載されていますが、もっと先の背景の中にこどもにとって遊びはとても大事であるということも改めてここの場所に、先ほどの放課後という部分も含めてですけれども、記載いただけるといいのかなと思っております。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、次に菊池真梨香委員、お願いします。

菊池(真)委員:ありがとうございます。

私は6ページの「2.こどもの居場所の特徴」というところなのですけれども、このポツの中に追加してはどうかというものの提案なのですけれども、1つ、セーフティーネットであることというのを追加するのはどうかと提案させていただきます。これは、居場所というのは、遊ぶ権利の保障とか、そういったところが一番先行するべきだと思うのですけれども、結果としてセーフティーネットであったり、虐待の通告につながったり、行政の支援につながったりということも結果的にあると思いますので、そういった問題に気づき、行政支援につなぐという場所となり得るというのを追加してはどうかなというような提案です。

ここは私も迷いながら発言させていただいているので、それはこどもの居場所として先行して書くべきでないというような意見もありましたら、皆さんの意見も仰ぎたいなと思っておりますが、児童相談所などに関わってきて、ハイリスクな若者たちに関わる身としては、やはり学校や地域で声を上げていたにもかかわらず保護されなくて、大人になってから虐待、暴力などで家を脱出してくるというような若者にも出会いますので、人材育成とか今後の具体的な居場所をするに当たってのマニュアルというところにもぜひ記載してほしいなとは思うのですけれども、そういった視点を持った居場所での関わりというのも重要かなと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

大空委員、お願いします。

大空委員:ありがとうございます。

第1章の冒頭の「1.策定までの経緯」のところで、どこかで検討会の議論については触れていただいたほうがいいのではないかなと思いました。第3章の冒頭で「居たい」「行きたい」「やってみたい」については触れられていると思いますけれども、これは時系列的に考えていくと、この発足前に議論をしていこうということで行われたと思いますので、令和3年の12月21日の閣議決定の後から議論を始めたので、この真ん中に居場所の検討会の議論がどういうふうな形で行われたのかということもこの策定までの経緯に当然入ってくるものと思いまして、これは意図的に排除したわけではないということなので、特に理由がないのであれば御記載いただいて、議論の整理をしたということも考えていただけるといいのかなと思います。

もう一個、これは前回の議論にも通じるところがあるかもしれませんし、皆様いろいろ御意見があるところだと思いますけれども、あえて申し上げると、もちろん今村委員をはじめ、皆さんがおっしゃった学校の議論についてはおおむね賛成なのですが、ただ、学校が居場所として機能しなくなったとかということよりかは、家庭とか地域の共同体みたいなものが希薄化した結果として、学校的価値観が変わらなくて、学校が居場所として利用されなくなって第4空間みたいなものが広がったというのが事実だと思うので、現実的にスクールカウンセラーの数はこの27年ぐらいで200倍に数が増えているわけです。平成7年は154か所しかスクールカウンセラーは設置されていなかったわけですけれども、去年は3万か所以上に配置されていますから、学校そのものの中でこどもたちが頼れる存在、大人たちというのは莫大な国家予算をかけて増やしてきたという事実はあるわけですから、そこを無視するというのは非常に違和感を感じているところがあって、ですから、家族か、もしくは地域の共同体、地域と家族がこどもたちにとっては、あと、学校ですね。3つの空間だった。今はネットという第4空間があって、家族が駄目、地域が駄目になって、学校だけが残ったので、学校だけを広げようとするということも当然必要かもしれないけれども、やはり家族とか地域とかということも、もしくはネットの第4空間も同時に全部広げていかないと、学校に重きを置いて居場所としての存在価値を生み出していこうとするのはバランスに欠けるのではないのかなという気がするのです。

なので、こども家庭庁の名称についてはいろいろありましたけれども、やはり家庭という存在も同時に必要だと思いますし、そこについてはこの学校ぐらいの分量で記載する必要はないかもしれませんけれども、関係性、第2章の特徴のところですかね。ここの人との関係性の影響を受けるものであるということに、例えば保護者とか家庭とかという言葉を足してみるとか、何らかのバランスを取って、前回、水野教育長もいろいろ御発言されたと思いますけれども、そこはもう少し家庭と学校とのバランスを取ってみてもいいのではないのかなと。もちろん、学校が居場所として機能するべきという議論には賛成の上でということでの意見でした。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、次に安部委員、お願いします。

安部委員:ありがとうございます。安部です。

4ページに関して3点と9ページに関して1点ございます。

まず4ページ、2ポツのところなのですけれども、この見出しです。「こどもの居場所づくりが求められる背景」の前に「こどもの権利を基盤とした」という文言を入れてはどうかと思います。この審議会でもそうですし、先ほど大空委員が言及された昨年度の調査研究でも、こどもの権利、それから、こどもの最善の利益はたびたび取り上げられていました。ですので、「2.こどもの権利を基盤としたこどもの居場所づくりが求められる背景」としてはどうかというのが1点目です。

2点目、その下の19行目、「人間は」と入っているのですけれども、ここに一文、こどもに関する記述を入れていただけたらと思います。「こどもは乳幼児期から権利の主体である。しかし、一人で生きていくことはできず、周りに支えられながら育つ存在である。

そのために、安心・安全な居場所と、そこでの人との関わりが不可欠である」といった文章を入れてはどうかなと考えました。これが2点目。

それから、3点目が、4ページもしくは5ページのどこかに入れていただきたいのですけれども、現在、こども食堂をはじめとして、たくさんこどもたちの居場所ができているなと思います。そのたくさんできているこどもたちの居場所が必ずしもこどもの権利を保障したものではないということも、この部会で指摘されてきたことではないかなと思います。つまり、乱立する居場所の中でこどもの権利侵害が起こっていること、それに対してこどもの権利を保障する居場所が必要なのだというところを書き込んではどうかなというのが3点目です。

続いて、9ページなのですけれども、これは皆さんの御意見を伺いたいなと思っているのですが、(3)の対象となるこども・若者の年齢の範囲のところで、33行目、34行目に「小学校就学以後のこどもを中心とした記載としている」とあるのですけれども、例えば児童館などだと0から18まで全てカバーしていますよね。乳幼児さんであっても、この居場所は好きとか、ここはちょっと嫌みたいなのは意思表示するのではないかなと思うのですが、この辺りについては荒木委員・水野委員に御意見をいただけたらなと思いました。

それから、先ほどの菊池真梨香委員の意見には賛成です。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

ほかに御意見はございませんでしょうか。いかがですか。

成田委員、お願いします。

成田委員:たびたびすみません。

ここというふうに言いにくいのですけれども、まず6ページの1行目の「居場所とは」というところで、こども・若者が過ごす場所・時間ということの後に人との関係性ということが書いてあると思います。僕自身はこの関係性という視点がすごく大事なのではないかと考えていまして、そういう視点でこの後の文を見ていくと、居場所としての性質というか、どちらかというと物理的な性質のことについてのコメントが多いのですが、関係性としての居場所とは具体的にどういうことみたいなのがいまいちはっきり分かりにくいかなと感じています。

例えば、人との関係性という言葉の定義がどういうふうになっているのかがはっきりしないのですけれども、7ページのポツの2つ目に「人との関係性の影響」と書いてあって、人との関係性、要するに、誰とも交流しないで、人との関係性から距離を置いた場所だからこそ居場所と感じると書いてあって、これは僕はちょっと違和感があって、要は物理的に一人でそっとしてあげる、一人の時間とか場所を尊重してあげるとしても、それは関係性から距離を置くということではないのではないかなと。交流の機会というか、そういう量的なことからは距離を置くとしても、そういうふうに見守って、一人の時間を保障してくれる大人との関係性という意味では、この関係性から距離を置くというのは個人的には違和感があるなと感じます。

そう考えると、8ページや9ページのところ、まず8ページで言うと、9行目の「結果としてのこどもの居場所」となっているというところで、「教育、福祉、医療などこども・若者と」というところがあると思うのですけれども、まさにこういうところが関係性としての居場所ということになるのではないかと。要は、僕自身もそうですけれども、診察の場をあまり居場所とは捉えていなかったのだけれども、この部会に参加したり、居場所という視点を持つことで、そういう機能、役割をこどもによっては果たしていることもあるのだなと気づかせてもらったところがあるので、関係性、物理的な場所をつくるということじゃなしに、今、こどもと現に関わっている機会が実は居場所を保障しているという関係性としての居場所の保障につながっているのということを、もう少し何か項目を作るのか、具体的に示すのかということがいいかなと思います。

もう一つ、学校のことについてずっと言及があって、僕も基本的に学校を居場所としての性質を大事にするということは賛成というか、僕もそう思うのですけれども、一方では、学校現場の先生たちが結構あっぷあっぷの状態というか、心配なのが、今回の指針によって学校が何か新たな使命を、また、役割を持たされて、負担感を学校の先生たちが持たれてしまうと不本意というような気がして、先ほど今村委員の説明の中でその点には言及があったので、我々の中では誤解がないかなと思うのですけれども、文として出すときにそういう誤解が生まれないようにしなくてはいけないと思っていて、どうしたらいいかというと、現に今、学校を居場所だと感じているこどもはいっぱいいると思うのですよね。つまり、現状でも先生たちがこどもたちと関わることで居場所感を生み出していますよというか、そういうポジティブな文脈で、その部分をもっともっと意識してこれからやっていくといいですよというような感じで、書きぶりなのだろうと思うのですけれども、書けるほうがいいのではないかなと。あまり新たなものに流されて、大人があっぷあっぷしてしんどくなっていらいらした状態でこどもと接すると、関係性としての居場所がかえって壊れていくのではないかという危惧もあって、そんなことを思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

湯浅委員が初めて手を挙げられましたので、まず湯浅委員からお願い申し上げます。

湯浅委員:2点ありますが、1点目は今、成田さんがおっしゃったことのうちの一つで、関係性の話なのですけれども、該当箇所が7ページの23行目のところですね。「人との関係性から距離を置いた場所だからこそ」というのが違和感があるという御指摘でした。

これに関しては、例えばトイレの中で一人でいることで落ち着くという場合があります。これはトイレの中だから誰かに見守られているということでもなくて、どちらかというと、否定的だったり、抑圧的だったりする関係性から逃れる場所でほっとできるというか、そういうことというのは家庭でも学校でもあり得るということを指している表現ではないかと思います。なのですが、この表現だと「人との関係性から距離を置いた場だからこそ」というふうに限定がかかっていないので、さっきの成田さんのような解釈を生み出してしまうのではないかと思うので、やはりここは否定的だったり、抑圧的だったり、そういう関係から距離を置くことでほっとすることがある、そこを居場所と感じるということがあるのだというような限定をかけるといいのではないかなと思いましたので、それが1点目です。

それから、2点目は、先ほど菊池さんが自分も迷いながらだとおっしゃっていたところに関してですけれども、居場所がセーフティーネットにもなり得る、そういう機能があり得るのだというのは基本賛成ですが、相談機関につながる場所だということになると、特に交流系の居場所に関しては、あそこに行って課題があると、ちょっときつい言葉で言うとチクられてしまうのだみたいになると、人は行きたくなくなるというような予期せぬ反対効果を生んでしまう可能性がありますので、やはりそこはセーフティーネットになり得るというときに支援機関につながるというようなニュアンスを込めないか、あるいは、込めるとすると、支援的な関わりが強い場所というところでそういうふうな機能が期待されるのだというふうに、ある種局面を限定して記述することが記述するとしたらいいのではないかなと思いましたので、そこに触れておきたいと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、次に小川委員、お願い申し上げます。

小川委員:ありがとうございます。

私は2点あって、先ほど大空委員の話を聞いていて少し思ったのですけれども、第2章の「2.こどもの居場所の特徴」のところで立地や地域性などの影響を受けるという指摘があったかと思うのですけれども、多分これに加えて、こどもたちの居場所は社会技術というか技術の発展、例えばオンラインのネットが普及して、さらにネット上での居場所ができていくとか、そういったこどもたちの中の文化みたいなものの影響もすごく受けるという点は少し留意する必要があるのかなと感じました。やはり現場をやっていても、こどもたちと話を聞く中で、私たちが想像し得なかったような居場所みたいなものもすごくどんどんできてきているなというところもありますので、その辺りも少し考慮できるといいのかなと思いました。

あともう一点が学校に関してで、これは学校が居場所になり得るというところも期待を込めてという感じでの意見なのですけれども、7ページに多くのこどもにとって学校が居場所になっていることという特徴の点での指摘があるのですけれども、ここはタイトルを「なり得ること」みたいな形にすることによって、今後、そういう場でもあるのだと。現在なっているものももちろんあると思うのですけれども、そういう一つの場であるのですよというところがもう少し伝わりやすくなるのかなと感じましたので、意見として述べさせていただきます。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかにこの1章と2章について御意見はございませんでしょうか。

では、荒木委員、お願いします。

荒木委員:先ほど安部委員が、9ページの最後の2行のところ「居場所はこども・若者本人が決めるものであるということを踏まえ、小学校就学以降のこどもを中心とした」と書かれているということで、未就学のこどもたちでも意思表示ができるのではないかというお話について補足したいと思います。

実際に私たち、児童館を運営していると、0~18なので未就学の子は親に連れられてきますけれども、「らいつに行きたい行きたいと言うので連れてきました」ということはよくある話で、保護者はこどもの意見を聴いて汲み取った状態で来所するということはたくさんあります。なので、ここの書きぶりは変えたほうがいいのかなと思っていて、初め、この居場所の指針に関してのどういうところが居場所として該当するかというところでも、児童館は0~18ということで切れ目のないというところでは非常にポテンシャルの高いところなのですけれども、「小学校以降の」とかとなってくると、児童館は0~18だから逆にはまりにくかったりもして、居場所というものがそれによって切り取られてしまうような部分があるなと思ったのです。ですが、今回指針を作る上で児童館もしっかりこの中に位置づけられているので、0~18という特性のところも意識したような書きぶりになるとうれしいなと思います。お願いします。

前田部会長:ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。

関戸委員、お願いします。

関戸委員:私も安部委員のコメントを聞いていて、この年齢の範囲のところで感じたことがありまして、私も冒険遊び場、プレーパークという場にいて、屋外のこどもたちの遊び場、居場所なのですけれども、やはり小学校に入ってから来る子も中にはいるのですが、今のこどもたちの生活スタイルだと、小学生になった時点で既に忙しい子が多くて、小学生になってから冒険遊び場を知ってもあまり遊びに来られない、放課後は既に習い事で埋め尽くされているとか、そういうことは多いです。なので、それより前の未就園、未就学の時期の親子に対して遊びの場に来てもらうような呼びかけや工夫は近年非常に重要だと認識していまして、そのときに、小さなうちから自分が権利の主体なのだということを遊ぶ中で感じた子たちというのは、学齢期になってもその育ちをキープしたまま小学生になり、遊ぶことを続けていきます。そうではないと、やはり幼稚園の年長とか小学校の低学年であっても既に課されっ放しの幼少期を過ごす中で、大人から何かを求められるというのですかね。遊ぼうという声かけがあっても、自分はうまくできないからやらないとか、本来であればこどもはやりたいかやりたくないか、好きか嫌いかで物事を判断すると思うのですけれども、自分は上手ではないとか下手だ、足が速くないから鬼ごっこをやりたくないとかという大人の価値観で遊ぶか遊ばないかということを決めていくような育ちになってしまっているということにも多く出会っています。そういった子たちも、遊びの場において自由にできる、大人の価値観を気にせず自分の好きなことをやればいいということに触れることを通して、自分を取り戻していくということが多々あります。目の輝きを取り戻していくというのですかね。自分で生きるということをきちんと再構築できるのはやはり遊びに出会ってからだと思っているので、小学生になってからだと、自分でアクセスはできると思うのですけれども、それより前に、意識のある親だとか社会資源としてそういう場所がある地域によって差は出てきてしまうと思うのですけれども、未就園、未就学のこどもも居場所とか遊びの場に出会って、こども自身が権利の主体としてやりたいことをしながら育つというのは一つ大事。

それともう一つは、親ですね。親自身がこどもには居場所が必要ということだったり、こどもは権利の主体として遊び育つんだということを学ぶ機会ですね。そういう意味では、未就園、未就学の子を持つ親もそこに付随してくるこどもも居場所にアクセスしながら、居場所が地域にあるということを知る機会を持つということが非常に重要だと思います。

なので、自分で自ら選んでくるという意味では、対象となるのは学齢期からというので間違いないのではないかなと思うのですけれども、それ以前のこどもたちや親が居場所と出会うことの重要性というのはどこかに記しておかないと、対象外だから自分たちは取り組まなくていいのだと社会が思ってしまうと、それはすごく問題なのではないかなと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

1章、2章の議論の時間が迫っておりますので、水野委員と友川委員がお手を挙げておられますので、お二人の御発言を聞いた後、次の3章に移りたいと思います。

水野委員、お願い申し上げます。

水野(達)委員:私もこの後退室いたしますので、少し4章の部分にも絡むお話にもなりますが、よろしくお願いします。

意見としては1点だけです。居場所として家庭をどのように入れ込むかというところです。まず、前回の議論の中で、今村委員のほうから学校の記載をどのようにするかというところの御議論がありまして、本日今村委員から提出された資料を見ても、今、私の立場で見てもそのとおりだなというような状況です。ですので、今村委員もおっしゃっていましたけれども、学校という機能を、先生の負担感を増すものではなくて、あくまで場としての学校をどのように地域で活用していくかというところで、私も賛成いたします。

その上で、前回も少し触れました家庭の表記のところなのですが、先ほど大空委員から御意見をいただいた内容に、私も全く同感です。やはり学校、家庭ですね。こどもまんなかチャートの中でも、やはりこどもを真ん中にして一番近いところにあるのは養育者、つまり、家庭があって、その外枠に学校とか地域というものが入っておりますので、学校を表記して家庭を表記しないというのは少し違和感があるかなと感じております。

先ほどずっと発言をせずに見ていたのは、実はどこに入れ込むかなという場所の問題で、私の意見としては、第4章の役割のところです。19ページに第4章の「居場所づくりに関係する者の責務、役割」というところがありますので、ここで家庭について明確に入れてみてはどうかなというのが意見です。先ほども申し上げましたように、こどもまんなかチャートというところもありますし、何より親御さん、養育者へのエンパワーメントをしっかりしていこうよという文脈で入れていき、虐待はもちろん、過保護、過干渉、愛着形成の問題というところもこどもが家庭で居場所を感じられなくなる要因でございますので、親御さん、養育者への学びの場の提供というところも含めた上で、家庭の居場所という機能がいかにこどもたちにとって大切かということをしっかりと表記してはどうかなと思います。もう少し突っ込んで言うと、「家庭がこどもにとって安心・安全な居場所であることは言うまでもないが」というものがもし入れられたら一番明確かなとも思います。

先の4章のところの意見にもなりましたが、以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

次に友川委員、お願い申し上げます。

友川委員:2点ございます。

第1章の4ページの部分についてでございます。「2.こどもの居場所づくりが求められる背景」の27行目以降でございます。先ほど多くの委員から出ておりました、今のこどもの居場所づくりが求められる背景の中に、空間の問題に加えて、時間、そして、関係性ということで議論が進んでおりましたが、いわゆる三間といわれる時間、空間、仲間という観点がいずれも居場所が充足してきていた重要な要素だと思っております。なので、書くポイントとしては、この3つの間に関して現状がどうなっているのかという整理の仕方を提案したいと思います。その際に、資料3で付け加えております最新のこどもの声というところでも、遊ぶ時間がない、人と交流したいけれども仲間に出会えないというような貴重な意見が出ておりますので、このデータも最新のデータとして背景の中に入れていただくということを含めて提案いたします。

2点目でございます。私も水野委員同様にどこに入れるのがいいのかなというので迷っておりましたが、第2章、6ページについてでございます。「2.こどもの居場所の特徴」のところで、16行目以降に特徴が出てくるのですが、これまでの議論をお聞きしておりますと、先ほど安部委員も御指摘になったのですが、こどもの権利を居場所の中では非常に重要視する議論が続いております。そこで提案なのですけれども、こどもの居場所の特徴の一番最初にこどもが権利の主体であることを体験できる、実感できるところであるというような大事なことをかなり早い章で述べておくということを提案したいと思います。

内容としましては、評価や大人の価値観を押しつけられないとか、家庭や地域住民や関係機関がこどもの権利主体について知る、学ぶことができるということも含めて、一番最初に特徴として挙げておくということを提案したいと思います。

以上でございます。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、一旦第1章、第2章の議論は終わらせていただきまして、続きまして、第3章のパートについて移らせていただきたいと存じます。

まず、第3章についての説明を事務局よりお願い申し上げます。

山口成育環境課長:事務局です。

第3章、10ページを御覧いただきたいと思います。

こどもの居場所づくりを進めるに当たっての基本的な視点ということで、視点の構成として「ふやす」「つなぐ」「みがく」「ふりかえる」と構成しております。

2ポツでは共通する事項として、こどもの声を聴き、こどもの視点に立ち、こどもとともにつくる居場所、2つ目がこどもの権利の擁護。そして、11ページになりますけれども、(3)で官民の連携・協働としております。

その上で、その次から3ポツは「ふやす」でありまして、(1)居場所に関する実態把握、12ページに行きまして、(2)既存の地域資源を生かした居場所づくり、そして、新たな居場所づくりの担い手の発掘、育成、13ページ、(4)持続可能な居場所づくり、(5)災害時におけるこどもの居場所づくりとしております。

4ポツの「つなぐ」に行きまして、14ページになりますけれども、こどもが見つけやすい居場所づくり、(2)利用しやすい居場所づくり、15ページ、(3)どんなこどももつながりやすい居場所づくりとしております。

その次が5の「みがく」でありまして、16ページですけれども、安心・安全な居場所づくり、こどもとともにつくる居場所づくり、(3)どのように過ごし、だれと過ごすかを意識した居場所づくり、(4)居場所同士や関係機関と連携・協働した居場所づくり、(5)環境の変化に対応した居場所づくりとしております。

最後、6ポツが「ふりかえる」ということで、18ページに記載がございます。

説明は以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、こちらのパートについて御意見がある方はお願い申し上げます。同じく発言の際にはページ数や行番号、何章の何番の項目への御意見など、御意見の箇所を明らかにしていただけると幸いです。

また、一定の時間が来ましたら一旦休憩を取りますので、よろしくお願い申し上げます。

それでは、植木委員、お願い申し上げます。

植木委員:植木でございます。

私からは2点です。

まず1点目は、第3章全体の記述と、それから、資料6にもありますこども大綱案の記述との比較についてでございます。こども大綱案の24ページには居場所づくりのことが書かれております。この内容と指針の素案はリンクしなければいけないと考えられます。

こども大綱案の24ページを見ますと、居場所づくりの前半の部分は指針素案、特に第3章を中心とした記述の内容が踏襲されているように見受けられます。後半のほうを見ますと、放課後児童クラブのことが書かれております。放課後児童クラブの受皿整備のこと、それから、安定的な運営の確保のことは大変重要だと考えられます。ところが、第3章を中心とした指針の素案のほうには同様のことが見受けられません。そういった意味では、放課後児童クラブの受皿整備、それから、安定的な運営の確保、こういったことに関しても指針の中に記述すべきではないかと思います。

それから、2点目です。放課後児童クラブの記述を指針素案の中に含めるのであれば、例えば第3章の13ページの19行目、20行目に担い手の支援、人材育成やキャリアパスのことが書かれております。こういったことを踏まえますと、放課後児童クラブの量的な確保も大事なのですが、それだけではなくて質的な確保、特にマンパワーの質の向上ということも大事になってくるのではないか。そう考えますと、認定資格研修の確実な履行、そういった意味合いも含めたマンパワーの確実な量的、質的な両方の確保ということも大事になってくるのではないかと考えます。

以上でございます。

前田部会長:ありがとうございます。

ただいま、植木委員からこども大綱についての御意見がございましたので、事務局のほうから御説明をお願い申し上げます。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

大綱との関係ですけれども、資料6の24ページで大綱の居場所づくりに関する記載を赤枠で囲っておりますけれども、文章の構成としては、この第1パラグラフについてがずっと書いてありまして、そして、第1パラグラフの最後のほうですけれども、こどもの居場所づくりに関する指針に基づき、こども・若者の居場所づくりを推進するということで、ある意味ここは居場所づくりの総論的な記載があり、それを居場所づくり指針で受けているということで、こどもの居場所づくり指針と大綱との関係で言いますと、居場所づくり指針の内容は大綱の1パラグラフに相当するという関係になっています。

その後のパラグラフで書いてあります放課後児童クラブの記載につきましては、これは放課後児童クラブのある意味固有の課題としてパラグラフを変えて別途記載されているということですので、そういった関係になっているという整理をまずさせていただいているところです。

戻りまして、このこどもの居場所づくり指針につきましては、これは後で最後のほうに出てきますが、5年に一度見直しをする、いわば基本的に5年間の方針を定める、ある意味理念的なものでありまして、居場所づくりについてはそれぞれの居場所がございます。

放課後児童クラブ、児童館、こども食堂、プレーパーク、様々あるわけでございますけれども、既にガイドラインがあるもの、ないものがありますが、各論についての記載をここで個別に一つ一つしていくというよりは、いわばそれを横に貫くような総論であったり、理念であったり、大事にしたいこと、そういったものを共通して書いていますので、個別の施策についてここで言及するというような性質のものではないと理解しております。

前田部会長:よろしいでしょうか。

植木委員:植木でございます。

趣旨はよく分かりましたけれども、そのような説明を受けないと分からないような記述というのはやはり問題かなと思います。指針素案の中には、児童館であるとか、あるいは社会教育施設という固有名詞も出てまいります。

そういった中で放課後児童クラブという固有名詞が全くないというのはやはり違和感がありますので、もし可能ならば、工夫をしていただけるとありがたいかなと考えます。

以上でございます。ありがとうございました。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、次に宇地原委員、お願い申し上げます。

宇地原委員:ありがとうございます。

僕からは2点ありまして、まず1点目が5の「みがく」の(4)のところになるのですけれども、「居場所同士や関係機関と連携・協働した」と記載がありまして、下の中身を見ていくと、居場所同士の連携の部分は確かに言及があります。例えばというところも入っていて、コーディネーターの重要性というところにも触れられているのですけれども、関係機関というところについてはあまり具体の記述がないなと思っていますので、そこは恐らく追記をしたほうがいいだろうと思っています。

何を書くかというところについて、それぞれあるとは思うのですけれども、ふだん困難な状況にあるお子さんと関わっている立場というところからいくと、居場所を運営していく中で虐待の疑いが発見されるであるとか、お子さんからの希死念慮が出てくるということは恐らく多分に想定されるかなと思っております。それは、居場所それぞれに性質があると思うのですけれども、そうした状況に対して適切に対処することを予期していようといなくとも、恐らくそういうことは起こってくると思っているのです。なので、役割として想定しているかいないかにかかわらず、その瞬間に居場所というものがこどもの命のアンカーであり、最終のセーフティーネットになるという状況は恐らくたくさん生じてくるなと思っております。それをもちろん居場所だけで答えていくというのは非常に難しい部分があるとは思うのですけれども、だからこそ関係機関との連携の中でお子さんのニーズに向き合っていくということが非常に重要だと思っていまして、そういう文脈での記述が、ここなのか、入っていくといいかなと思っています。

一方で、ただただ連携をしても難しい状況はたくさんあると思っていまして、虐待ですとやはり大人がどうしても虐待の有無を判断しようとしてしまって、このぐらいだったら通告しなくていいのではないかみたいな判断が生じてしまったり、それは背景に通告ということのハードルの高さがあったりするかもしれませんし、先ほど少し議論に出たように、居場所が支援的な色合いを強く出し過ぎるとこどもが行きたくなくなるみたいな話があって、行政だったり関係機関とのつながりがこどもから濃く見えてしまうことの悪影響というのもあると思うのです。それを危惧して大人のほうが連携に乗り出さないみたいなこととかも恐らく想像し得るかなと思っております。

一方で、そうした状況は工夫によって乗り越えられる部分かなとも思っておりまして、関係機関同士の信頼関係の上で役割分担をしていくということができれば問題ないかなと思っていますし、それをやる上で、やはり日常的に関係機関同士が顔を合わせてお互いのことを理解するということが非常に重要かなと思っていますので、その点について記載していただけるとよいかなと思っています。

なので、こどもたちの小さなSOSを逃さないという意味での連携ですね。その連携の具体として、やはり関係機関同士がどういう機能を持っているのか、何を大切にしているのか、できること、できないことということを相互に理解し合うということが重要かなと思っていますし、やはり何と言ってもこどもからその機関がどう見られているのかということを大人が理解するということが非常に重要だと思っていますので、その点について指摘をさせていただければと思います。

もう一つが、これは全体に関わる話で、最初に聞けばよかったなと思っているのですけれども、中身を見ていて、どの項目も居場所づくりをしていく上で非常に重要な要素だと思っている一方で、先ほどの連携の話もそうですけれども、実装という意味合いでいくと、やはりかなり距離があるというか、難易度が高いのかなと思っております。この指針が出てこういうふうにしてくださいという話になったとしても、それがどこまで現場に落ちていくのかというのはすごく疑問で、それを踏まえて、これからこの部会の中で指針というものを一つ作った上でどういう議論をしていくのかということについて改めてお聞きしたいなということと、やはりこの指針を読んだときに、現場の皆さんが実践の中でここが難しいのだとか、ここが課題、障壁なのだということをしっかり把握していく、実態を明らかにしていくということがステップとして求められるのかなと思っていまして、もし今後の検討の中でそういうことができるのであれば、ぜひ考慮していただきたいなと思いました。

以上です。

前田部会長:それでは、今、宇地原委員のほうから御質問がありましたので、事務局からお願いします。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

実装との間に距離があるのではないか、これからどうしていくのかというお尋ねであります。これは閣議決定として国の方針としてある意味決めるということで、様々な文言上の制約などもあり、やや硬い文章にならざるを得ないというところもあります。そうした中で、通常よくあるのは、閣議決定をした後に、それを解説する手引きのようなものであったり、ガイドラインのようなものであったり、あるいはパンフレットだったり、そういったものも考えられるかと思います。それは、まさにこの指針を作ったらこれを現場にきちんと下ろしていかなければ何の意味もありませんので、それがしっかり現場に伝わるように工夫をしていきたいと思っていますし、具体的にどういう方法がいいのかは今の段階でつぶさに申し上げる状況にはありませんけれども、まずはこの指針をしっかりまとめた上で、それをしっかり周知していく方法についてもまた皆様と御相談しながら作っていきたいと思っています。

前田部会長:よろしいでしょうか。

それでは、次に青山委員、お願い申し上げます。

青山委員:ありがとうございます。

内容について2点と、細かい表記について2点あります。

まず、12ページに(2)の既存の地域資源を生かした居場所づくりというところがあって、ここに様々な既存の地域資源が書かれています。ここで、これまでもこういった居場所づくりの登場人物を増やしていくことが必要ではないかということをこの場でも申し上げてきたと思うのですけれども、ちょっと古株なのですが、例えば地域のこども会とかスポーツ少年団のようないわゆる地域の青少年団体と言われる組織というのは、実質的に現在でもこどもたちが参加する団体活動としては主流となっている地域もあり、それが結果として居場所機能を持っていることもある一方で、そこが居場所でにもなっているという感覚が運営側にないようなケースはたくさんあると思うのです。施設や福祉的な事業に加えて、ここにいわゆる青少年団体のことが何らかの形で記載できると、皆さんも登場人物の一人になり得る人たちですよということが確認できると思うので、そういったことを書き込めると良いとと思います。

その上の(1)の最後に句点がないというのもメモがあったので、一応言っておきます。

それから、内容で追加したほうがいいと思っていることのもう一つが、17ページ目の(3)です。(3)のどのように過ごし、だれと過ごすかを意識した居場所づくりというところの中で、第1パラグラフで遊びの重要性が書いてあります。これはすごく重要だと思っていて、ここは生かせるといいなと思いつつ、居場所の定義のところで、居場所というのが単なる場ではなくてというところで、居場所を構成する要素として遊びと体験が併記されてきました。ここでは特に、昨年度の検討委員会で提示された3つの視点のうち、「やってみたい」の部分がもう少し書かれてもいいかなと思っていて、例えば興味を持ったコンテンツがあるとか、やってみたいと思えることがあるとか、いろいろな体験につながるといったような、あまり書き過ぎると教育的になってしまうので、書き方は少し難しいのですけれども、自由な遊びと同時にやってみたい次の一歩につながる可能性も持った居場所であるべきなのだと。その場合に、例えば少し非日常的な体験なども含めて、日常の中で多様な体験の機会あったり、いろいろなコンテンツが充実することが重要なのだという書き方ができるといいかなと思います。文言で言えないのですけれども、興味とかやってみたいとか体験活動などの要素が居場所をよりよくしていくための手だてとしてあってよいのではないかと思いましたので、その2点が内容に関することです。

表記に関することで2点ありまして、一つは、先ほど13ページと17ページに遊びの表記があったのですけれども、この遊びにかぎ括弧がついていまして、特定の意味があるのかどうかということが気になりました。なくても通じる気がしていまして、特に意図がないのであればなくてもいいところかなと思ったので、これが一点です。

もう一点は、これも少し難しいのですが、居場所の継続性の重要性を言っているのが13ページの持続可能な居場所づくりの1行目のところなのですけれども、「こども・若者にとっては、自分の居場所だと感じる場が、そこにあり続けることが重要である」と書いてあって、もちろん継続的な居場所の運営というのはすごく運営側にとって重要だと思いますが、そこにあり続けなくてはいけないという書き方が少し強くて冗長だなと思いました。例えば草の根の市民運動の中で提供される居場所などは、維持そのものが目的になることよりも、様々な人たちが出てきては変わっていく面もあると思うのですよね。すぐ終わってしまっていいという言い方をしたいわけでは全くないのですけれども、そこにあり続けねばならないと書くことの重さも感じたというか、少しマイルドな書き方でもいいかなと思ったのがここです。

以上です。ありがとうございます。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、次に大空委員、お願い申し上げます。

大空委員:第3章におけるいわゆるオンラインの居場所についての内容の検討なのですけれども、12ページの(2)、(3)の辺りにできれば、これまでの議論にもありましたけれども、オンラインの居場所というのは、基本的に例えば新興SNSみたいな民間企業によって運営されている。ただ、彼らは別に居場所をつくろうと思って事業を行ったわけではないし、ユーザーもまた居場所を求めてそこに、潜在的にはニーズとしてあるかもしれませんけれども、結果として居場所になっているという現象が起きているわけですよね。

これは恐らく今もずっと議論している地域の伝統的な福祉であるとか、こどもに関する様々なリソースと匹敵するぐらいの規模感になっているのだろうというのは肌感覚として持っているのです。であれば、やはり居場所づくりとしてやっているわけではないのだけれども、結果として居場所をつくっているということをまず現象として認めるということが必要ではないかなと思うのです。例えばGAFAみたいな大きなSNSの企業とかTwitterのMeta社とかは別ですけれども、ただ、いわゆる新興SNSの中では、かなり企業側もコントロールできないような、非常に希死念慮を抱えた人たち同士がそこでコミュニティーを形成して、言葉は選びましたけれども、いわゆる集団で命を絶つようなことがかなり頻繁に起きていたり、リスカしている写真を投稿し合ってとかということが起きていて、企業側もコントロールできないので、私たちのような相談窓口と連携させてほしいというような話はやはりあるのです。なので、そうした企業にまずそもそも居場所をつくっている側だという認識を持ってもらって、12ページの(3)に記載されている、例えばこどもの居場所のノウハウ、それから、関係者同士のネットワーク、必要な情報のまとめ、運営者同士の交流の機会の創出、相談窓口の開設手法、これは新たな居場所づくりの担い手の中に当然既存の先ほど申し上げたような企業が入ってきてしかるべきなのではないかなと思うので、ここを入れてみるということで、これはもちろん今そうした企業のサービスが居場所になっているのは、こういうルールとか規制とかというものから外れて自由な空間があるから居場所になっている側面があると思うので、もしかしてこういう国が定めた指針に各企業さんが居場所づくりをやっていく上で気をつけてもらったことによって、居場所が喪失してしまうというリスクもあるような気はするのです。こうしたものの外にあったからこそ機能しているという側面はあると思うので、ただ、そのリスクを考えても、やはり今、かなり深刻な状況、居場所なのだけれども、ある種の負の居場所という言い方はしませんけれども、不適切な大人との関わり以外にも、先ほど申し上げたような当事者同士のつながりの中で適切な支援の情報とかサポートが受けられないことによって、結果として残念な事態になってしまうというケースが多いわけですから、12ページの新たなというところに、これはいわゆる場所づくりを目的としていないのだけれども、結果として居場所をつくっているという民間企業みたいなところも文言として入れていただければいいのかなと思います。

なので、これは必ずしも必要というわけではないと思いますけれども、18ページの8行目とかですかね。リスクとして「不適切な大人の関わりなど」となっていますけれども、不適切な大人、いわゆる神待ち行為みたいなことを指しているのだと思うのですけれども、不適切な大人との関わりよりも、今はどちらかというと当事者同士のつながりの中で様々な問題が起きているというほうが、現象を示す言葉としてどちらかを出すのだったら新しいのかなという気もするので、2つ書いてもいいし、この「など」というところに包括されますというのだったらそれでもいいのですが、そうしたリスクもあるということの共有ができればなと思って発言しました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、菊地英一委員、お願い申し上げます。

菊地(英)委員:遅れての参加となりまして申し訳ございませんでした。

途中参加となりましたので、ほかの委員の方と重複があれば申し訳なく思っております。

まず、指針の書き方についてなのですけれども、事務局のほうに質問と意見なのですが、我々がこれまで議論している内容というのが指針であるということは十分に理解しているのですけれども、資料6にあるような大綱の中間整理案のほうを見ますと、語尾に「必要がある」とか「重要である」という表現はあるのですが、一方で、やるべきことについては「進める」とか少し強い書き方をしているのかなと感じております。一方で、本部会で今作成を進めているものについては、「求められる」「期待される」「考えられる」「重要である」なんていうことで、軽い表現にとどまっているのかなと私自身は感じております。これは指針であるということは十分に理解しているのですけれども、一般的に国で作成する指針というのはこういう語尾については柔らかい表現にするものなのかどうかというのをお聞きしたいのが一点です。

何でこんなことを聞くのかというと、この指針というのはいろいろこれから利用されていくのであろうということで、自治体においては、自治体のこども計画に反映されるときに、弱い表現だとこれまで議論してきたところのどうしても伝えたい部分というのが本当に伝わるのだろうかと。教科書的に使われる分には非常にいい内容になっているので、すごくいいものだと思うのですけれども、使うというところで少し心配を感じたところです。

これに関しては、意見として、先ほど事務局の中で落としていく中で手引きであるとかガイドラインというのに落としていくのですよというお話がありました。それを聞いて少し安心している部分はあるのですけれども、もし指針そのものの語尾というのはなかなか変えられないということであれば、手引きとかガイドラインというところで少し強弱が分かりやすくなるような表現にしていただけないかなと感じているところです。

2点目は書き方の部分なのですけれども、19ページの第4章のところです。それぞれの責務、役割なんて書かれているところなのですけれども、市町村は管内の状況把握等を通じた面的な整備や云々とあるのですけれども、これまでの議論の中で必要とされているのは、自治体というと整備というのに目が行きがちなのですけれども、そうではなくて、ちゃんとこどものニーズというのを捉えていくとか、地域の実情を捉えていくということのほうがむしろ大事であったり、整備というよりかはこの居場所づくりというところのサイクルをちゃんと確立していくことというほうが重要なのではないかなと今までの議論を通じて感じております。

なので、この一文については、市町村はこどものニーズの把握に努めて、地域の実情に合ったこどもの居場所づくりを計画的に推進していくとかというのが、今までの議論を自治体に落とすということであれば、いい表現なのかなと。ひょっとすると、都道府県の役割についても同様のことが言えるのかなと感じております。あまり整備という言葉を使ってしまうと、施設をつくることだけが目的化してしまうようにも感じられるので、もし修正いただけるようであれば、そういう考え方をぜひ取り入れていただけないかなと思っております。

私が途中参加したところで少し聞こえてきた部分なので、これはかぶりがあるかもしれないのですけれども、大綱のところに放課後児童クラブに関する記述がありまして、この部分については、本部会ではヒアリングの対象としていろいろ聞かせていただいたのですけれども、特段の議論はしていないのだろうなと。一方で、ほかの部会とかでもいろいろ議論した内容というのをここに転記されているということなので、大きな変更はできないのかなとも思っております。

この中で、「全てのこどもが」なんて書かれているのですけれども、放課後児童クラブというものを利用しているのは小学生だけだし、全てのこどもの受皿として放課後児童クラブというのは少し表現として違っているのかなというのと、小学生が放課後を安全・安心に過ごす場所といったものというのは放課後児童クラブだけではないのだろうなと。社会的に今、放課後児童クラブの待機児童というのが問題視されていて、こども家庭庁でもすごく重視しているというのは承知しているのですけれども、今まで話をしてきた中では、小学生の放課後の居場所というのがあたかも放課後児童クラブだけみたいな書き方というのはあまりよろしくないのかなと。せめて公的な大皿ということであれば、児童館であるとか、文科省が管轄している放課後子供教室といったものも含めて、いろいろな居場所というのをこれから選択肢として選べるようにしていくというのも、大綱のほうの文言はなかなか修正が難しいのかもしれませんけれども、それに付随する形で指針に何か書けるようであれば、そんな工夫があってもいいのかなと感じております。

以上です。

前田部会長:事務局への御質問もありましたので、事務局のほうから御回答をお願いします。

山口成育環境課長:事務局です。ありがとうございます。

言葉の文末の「求める」とか「期待される」とかという使い分けのところですけれども、一般的に指針においてそういった明確な使い分けというのがあるわけではないと思いますけれども、本指針においては、基本的に前半部分の規範的な文章については「求められる」とか「重要である」とか「必要である」「期待される」といった書き方が主になっていると思います。それは「進める」に比べて弱いのかと言われると、「求められる」とか「重要である」というのは比較的強いと思いますけれども、規範的な文章を書いているという意味で「重要である」とかという言い方になっています。

他方で、例えばまだ説明はしていませんというか、まだ今回の議論の範囲ではないのですが、第4章など、第5章もそうですけれども、そういったところで、例えば市町村はこれこれを推進する、国はこれを行うといった表現に書き分けをしているというところでありまして、いわば規範的なところについてはそういった「重要である」といった表現をしている。国などの行政のところについては「行う」とか「推進する」といった表現を指しているという整理になっています。

それから、大綱のところについて御指摘がありまして、放課後クラブは全てのこどもが使えないのではないかというようなこともございました。それで、分かりにくくて恐縮なのですけれども、大綱の文章で言いますと、資料6の24ページのところになりますが、全てのこどもが放課後を安全・安心に過ごし、多様な体験・活動をできるよう、放課後クラブの受皿整備を着実に進め、これこれこれこれこれとともに学校何とかかんとかも含め首長部局・教育委員会との連携を促進する等の放課後児童対策に取り組むと最後はなっていますので、これは今御指摘のあった放課後子供教室だったり、そういったものも含めて、放課後児童対策に取り組むというような表現で最後受けているという作りになっていると理解をしております。

前田部会長:よろしいでしょうか。

それでは、現在4名の委員の方が手を挙げておられまして、菊池委員、小川委員、安部委員、友川委員の順番に御発言をお願いします。この4名の方の御発言が終わった後、休憩に入りたいと思います。よろしくお願いします。

まず菊池委員、お願いします。

菊池(真)委員:ありがとうございます。

私からは16ページの安心・安全な居場所づくりというところですけれども、この最後の部分かなとは思うのですが、こどもアドボケイトの導入も検討するというような一文があったらいいのではないかという提案です。意見表明等支援が児童福祉法でも取り入れられて、現在はハイリスクの施設、児童養護施設などでの実践から始まっているのですけれども、このアドボカシーの文脈としては、全てのこどもにアドボカシーをというようなところで進められてきていますので、こういったこどもの居場所の部分にもこどもアドボケイトが存在するということが理想ではあるなと思う反面、実際に入れましょうというときに担い手が足りなさ過ぎるので、ここに書いてしまうことによって、書いてあってもいないではないかということになってしまうので、必要ではあるのですが、実際に今の段階で入るかどうかというのは再検討になるとは思うのですけれども、一応議論があったということで残しておくために発言させていただきました。

2点目が、次のページのこどもとともにつくる居場所づくりの部分の最初の部分で、イベントの企画や居場所の運営ルールなどにこども・若者とともにつくるというような参画の部分がありますけれども、こちらの文脈では、大人がつくった場所に関して企画とかそういったものに関してこども・若者に参画してもらうという文脈で書いてあって、もちろんこれはパートナーシップとして大事なことだと思うのですが、一方で、居場所自体をこども・若者がつくる、活動をつくるということに動きが出てくる場合もあると思うのですけれども、そういったこども・若者が主体となって行う活動に対してバックアップしていくなど、そういった文言がプラスされればいいのかなと思いました。

あと、1点質問なのですけれども、この指針自体は何年に1回改正されるなど、そういったことが決まっていたら教えてください。

以上です。

前田部会長:事務局、お願いします。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

まだ説明がそこまで行ってなくて申し訳ないのですけれども、20ページの一番最後に指針の見直しというのがありまして、おおむね5年を目途に見直しを行うとしております。

菊池(真)委員:すみません。ありがとうございました。

前田部会長:それでは、次に小川委員、お願い申し上げます。

小川委員:ありがとうございます。

私からは2点ありまして、1点目が先ほど菊池委員から指摘があった安心・安全な居場所づくりのところと重なるのですけれども、ここでは心身の面での安全・安心面みたいなところがすごく記載されていて、多分29行目のところから運営する側のスタンスみたいなところが少し書かれているところかなと思うのですけれども、やはり居場所にいて困った子みたいなことはどうしてもいたりはするなと思う中で、ただ、現場で比較的この子は困っている子なのではないかというところで、こどもを評価するのではなくて、その背景に思いを馳せるというか考えるみたいなところをすごく大事にすることがこどもたちにとって少しでも安心な居場所になるのではないかと思っているところがあって、そういった運営する側のこどもに向き合う際のスタンスみたいなところも少しここに入れていただけると、こどもにとって安心・安全な場という意味ではいいのではないかなと感じています。

もう一点が17ページの(3)のどのように過ごし、だれと過ごすかを意識した居場所づくりというところなのですけれども、資料4でこどもへのアンケートが共有されているかと思うのですが、誰かと一緒にいるというのもすごく大事だという回答をしているこどもたちがいる一方で、一人で過ごしたいとかのんびりもしたいみたいな意見もあったかと思うのですけれども、その辺りもここで一度こどもたちからこういう意見もあるという形で少し前提があった上でこの話があるといいのかなと思ったというのと、それと併せてなのですが、先ほど最初のところで言えばよかったなと思うのですけれども、同じこどもへのアンケートの中で、居場所があると回答したこどもがどのような居場所と感じているかというアンケート結果が多分9枚目のスライドにいろいろ表記されていて、いろいろなこどもたちから出ている居場所の要件みたいなものがあったかと思うのですけれども、これを第1章の6ページの辺り、例えば7行目辺りとかに少し記載することで、居場所はどういう場所なのかというこどもたちの意見も少し入れられるのかなと感じましたので、そこも併せて発言させていただきました。

以上です。

前田部会長:それでは、次に安部委員、お願い申し上げます。

安部委員:ありがとうございます。安部です。

全部で4点あります。

まず13ページなのですけれども、先ほど菊池委員もおっしゃっていましたが、3行目です。大人ではなくてこどもがつくる場所について書き込んでくれてありがとうございました。ここはとても大事なので、小見出し、独立させてもいいのではないかなと考えました。それが1点目です。

2点目なのですけれども、こどもがつくる居場所との関係で、資料4のこどもたちのアンケートの中でも、居場所と感じるところで公園とか自然の中で遊べる場所の割合が高くなっていました。一方で、今、公園はこどもたちが楽しく遊んでいたら「うるさい」と怒られたり、ボール遊びをしていたら怒鳴られたり、そもそもボール遊びができないとか、結果としてこどもの居場所になる前にもいろいろなことが禁止されている状況ではないかと思います。そこで、「こどもたちの遊びを邪魔しない」、「大人が干渉し過ぎない」のようなこともここに書き込んでもらえたらいいのではないかなというのを前回指摘したのですけれども、それが書かれていないようなのでもう一回発言しました。それが2点目です。

3点目が、17ページの(3)どのように過ごし、だれと過ごすかを意識した居場所づくりのところなのですが、12行目に「こども・若者の主体性が重視されるこどもの居場所づくりにおいて」とあるのですが、これはちょっと言葉が強い気がして、主体性というよりもこども・若者の「気持ち」かなと思って見ていました。それから、15行目にも「主体的な遊びを行えることは」とあるのですが、これも主体的な遊びというよりも「自由な」遊びではないかなと思いました。そんなに積極的で主体的でなくても、もう少し気を抜いていても、あるいは何もしなくてもここにいていいよという居場所も想定しながら話をしていたのではないかなと思って発言をしました。

それから、4点目が、10ページと16ページの中に児童の権利に関する条約という文言が出てきます。基本政策部会の中でもこどもの権利条約と言っていいのではないかという委員の意見が出てきたと思うのですが、今回、児童の権利に関する条約という言葉とともにこどもの権利という言葉もこの案の中に出てきますので、こどもの権利に関する条約で統一してもいいのかなと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、友川委員、お願い申し上げます。

友川委員はおられませんね。

では、事務局から何かございますか。

山口成育環境課長:事務局です。

こどもアンケートの結果については、可能なものについて盛り込みたいと思います。前回御説明をしましたけれども、アンケートは無作為抽出をしていませんので、あまり割合とかというよりは、こういう声があったとかエピソードベースで書くことは可能だと思いますので、割合の議論みたいなものはしにくいところがございますけれども、こういう御意見があったという形では記載ができるかなと思いますので、工夫をさせていただきたいと思います。

あと、こどもの権利条約のところは、実は外務当局から正式名称にというようなあれがあったのですけれども、注をつけるとかいろいろ工夫ができると思いますので、ちょっと工夫をしてみたいと思います。

取りあえず以上です。

前田部会長:それでは、ありがとうございました。

半ば委員会の時間を過ぎましたので、ここで一旦休憩に入りたいと思います。再開は55分でよろしくお願い申し上げます。

(休 憩)

前田部会長:皆様、よろしいでしょうか。再開いたします。

それでは、友川先生がお戻りですので、友川先生の御意見から始めたいと思います。もしほかの先生方から3章に関して御意見がなければ、次に4章及び5章のパートに移りたいと思います。

分かりました。何人も御意見があるそうです。

友川先生、お願いします。

友川委員:皆様、大変失礼いたしました。Wi-Fiが固まって、途中でいなくなったようなことになってしまいまして、大変申し訳ございませんでした。

私のほうからは4点ございます。

まず1点目でございます。ページで申し上げますと、11ページでございます。こちらの6行目、「民間団体」という表現が出ております。広い議論になるかもしれませんが、この民間団体という表記は、一方で19ページでは「民間機関」という表記で表現されております。単純に表記の揺れということで思ったのですが、改めて「団体」と「機関」とでは恐らく民の立場でも持つべき役割、これは4章で議論することになりますが、例えば地域の中で小さな活動をされる居場所であれば民間団体の表記のままのほうがふさわしいかと思いますし、一方で、これまで議論してきました例えば児童館等の大きな組織力を持ったようなところですと民間機関というような、あえて団体と機関というのを使い分けながら、民の居場所に対する役割というのを議論しなければいけないかと思いましたので、単純に表記の揺れの指摘ではなく、恐らく民の中でも同じ目的に向かって活動していくということでは一緒なのですが、団体なのか、機関なのかによってというところでございます。

同じ表記の揺れで「民間企業」と「企業」という表記の揺れもございましたので、恐らくこれは企業という表記の統一でいいのではないかということで、併せて1点目は表記の表現についてでございました。

続いて、2点目でございます。12ページの3行目から6行目に関しまして、居場所に関する実態把握について記載されております。これにつきまして、まず供給側が居場所の実態を把握する上でかなり具体的な例が表示してあるのですけれども、供給側が実態把握とすべき働きかけの中に課題となっていることの把握と併せて改善や完了されたことの把握ということも、実態把握の中にこれだけ具体的に例示するのであれば、課題と改善、改良についても意識して実態把握しているという視点を入れてはどうかということでございます。

あわせて、需要側についてなのですけれども、こちらは入れるとしたら9行目、「どんなニーズを有しているのか」の続きに入るのかなという提案ですけれども、供給側にとって、ニーズを有するところで終わるのではなくて、なぜニーズを充足できないのかという阻害要因、一方で、ニーズが充足できた変化が起きているのであれば、あるいは充足できている団体が既にあるのであれば、なぜ自団体がニーズを充足できているのか、促進要因の辺りも実態把握の中で大事なポイントかと思いましたので、追記の提案でございます。

同じく12ページでございます。先ほど指摘しました民間企業と企業の揺れの21行目のところでございますが、企業が果たすべき観点として例示がございます。ここでは、食材の提供や活動プログラムの提供などという2例が挙がっておりますが、実質、民間企業が既にこどもの居場所のためにしてくださっている役割や観点や実際の実務から考えますと、これに加えまして、居場所づくりに関与できる人的支援や財政的支援、そして、食材や場所、設備等の物的支援、そして、運営ノウハウや技術支援とかなり多岐に居場所づくりには企業ができることというのはあるかと思いますので、食材提供という各論ではなくて、様々な例示をしておくということを提案したいと思います。

最後、4点目でございます。4点目は16ページに飛びます。16ページの(1)安心・安全な居場所づくりについてでございます。具体的には20行目、こどもの権利について学ぶというような記載のところで、20行目に「こどもの権利について理解し、守っていくとともに、こども自身がこどもの権利について学ぶ機会を設ける」とあるのですが、権利について学ぶだけではなく、侵害されたときの対応方法を学ぶということを追記していただくことで、自分には権利がある。そして、それが侵されたときには、お子さんの立場、若者の立場でできる自分の身の守り方や訴え方というのも既存にはたくさんありますので、ここまで踏み込んでこどもの権利教育をしていくということを提案したいと思います。

以上でございました。ありがとうございます。

前田部会長:ありがとうございます。

会場のほうから先にお手が挙がっておりますので、関戸委員、成田委員の順番でお願いします。湯浅委員、その次にお願い申し上げます。

関戸委員:関戸です。

私は、この3章の中全体を通して幾つか関連して行き来しながら発言させていただきたいのですけれども、公園には屋外を利用した居場所づくりだったり、居場所が屋外空間を利用することの促進みたいなことについて、もう少し幾つかの場所に記載方法が変えられるのではないかなと思って発言いたします。

私は冒険遊び場、プレーパークをやっているので、都市公園を使った居場所づくりというのをやっています。そこには、地域の児童館、放課後クラブ、そして、放課後等デイサービスなどのこどもたちも団体利用として来ることが多くあって、そういったやってみたいことができる場としてこどもたちが多く利用できる地域資源になっていると思っています。こどものアンケートの中にも、どんなふうに過ごしたいかとかやってみたいことの中に屋外で体を動かすとか外遊びというような言葉も入っていましたので、これはニーズのあるところなのではないかなと思っています。

そういったところから、資料としてはまず12ページのところです。(2)既存の地域資源を生かした居場所づくりとあるのですけれども、ここには児童福祉施設としての児童館、児童遊園という記載があるのですけれども、都市公園は恐らくここには該当しなくて、都市公園法に規定されている施設なので、児童遊園ももちろん児童館の職員さんがどこでも児童館みたいな形で地域の乳幼児の親子などが遊べる環境をつくったりというアウトリーチの活動しているところも幾つか聞きますけれども、ここの既存の地域資源の中に都市公園というのもあるのではないかなとまず思いましたというのが一点です。

そこに関連して、今度は17ページに飛びまして、17ページの(3)どのように過ごし、だれと過ごすかを意識した居場所づくりの中に遊びについての重要性が記載されていて、とてもこれはこういう記載があっていいなと思っているのですけれども、ここにはどのように誰とということが書いてあるのですけれども、どこでというのが書いていないので、ここにも、こどもが遊び育つということに関して、もちろん屋内でも遊び育つことはできるのですけれども、特に幼少期だったり、小学校の低学年の時期、発達の段階で心身の発達みたいなのでゴールデンエイジみたいにも言いますけれども、そういった意味で、やはり屋外空間でこどもが遊び育つということはとても大事なことだと思うのです。なので、どのように、誰との中に、どこでというので屋外の活用についても記載があるといいなと思いました。

そのことについても、14ページの「つなぐ」のところには、(2)利用しやすい場所では、14ページというか15ページのところです。(3)の上のところです。「近隣の公園に出向いて居場所を開催するなどアウトリーチによる居場所づくりなど」と先ほど私が意見したようなことの記載がここにもあるのですけれども、ここにきちんとこういうのが書いてあるからこそ、既存の地域資源のところには都市公園という言葉も入っていいのではないかなと思ったのと、「みがく」のところのどのように、誰とのところにはどこでということで屋外空間についての記載があるといいのではないかなと思いました。

いずれにしても、冒険遊び場は人が常駐しているところもあるので、居場所として人のいる空間として機能していると思うのですが、それ以外にも、屋内の居場所づくりをしている人たちが自分たちのところにいるこどもたちの「やってみたい」の実現のために屋外空間を利用するという利用促進の面も含めて、屋外の活用というのが非常に重要だと思ったので発言しました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

次に成田委員、お願いします。

成田委員:先ほどの第1章のところでも触れたのですけれども、僕としては一つ、結果としての居場所という部分について、この章のところでも意見をしたいと思います。

第4章のこどもの居場所づくりに関係するものの責務というところで、1行目に「こどもの居場所づくりに関係する全ての者が」と書いてあると思うのですけれども、結果としての居場所ということを含めると、こどもの居場所に関わらない大人はいるのかなというぐらい、全ての大人が直接的、間接的に関わる課題なのではないかなと思うのです。

そう考えたときに、11ページというか「ふやす」全体のところですけれども、「ふやす」の項目を見ていると、何となく居場所をつくるということを意識して居場所をつくる人にとっては指針になっているけれども、結果として居場所になっている大人がこの指針に触れる流れはどうやってつくるのかなというようなところがあって、僕自身はこの「ふやす」の中に、結果としての居場所になっている人たちに居場所ということについての啓発というか啓蒙というか、そういうことをこども家庭庁をはじめ、国なり、あるいは文部科学省なり、あるいは厚生労働省、要するに教育、医療とか、さっき学校の話がありましたけれども、そういう方たちに実は居場所としての役割も果たしているのですよということを啓蒙していくということも、居場所ということについて認識している大人が「ふやす」という意味で大事なのではないかなと思います。なので、そういう項目を入れてほしいなということが一つです。

あとは、15ページの(3)どんなこどももつながりやすい居場所づくりというところで、17行目からのパラグラフで複合的な困難を抱えるこどもとか若者の話が書いてあって、そういったこどもたちの居場所を確保するのに粘り強く取り組むこととか、そういうようなことが書いてあると思います。居場所がなかなか確保されないこどもは孤立していくのですけれども、そのこどもに粘り強く関わっている支援者や家族も孤立していくというケースが非常に多くて、だから、粘り強く取り組むということももちろん大事なのですけれども、そこに関わっている大人たちがほかの居場所とかほかの支援者とか大人とかそういう人たちともつながろうとしていくことがすごく大事だと思うので、そういったことを盛り込んでいただくといいかなと思います。

続けて23行目、24行目の困難を抱えるこども・若者というところで「居場所につながることはゴールではなく」とあると思うのですけれども、社会で活躍するためのステップとしての役割を担っているという文言があって、ここは若干スキルアップ的なニュアンスを感じています。つながることに困難を抱えるこどもたちが、社会的養護のお子さんたちもそうですけれども、一番大事なことは人や社会を信頼できるというか、人や社会に対して安心感を持つとか、そういったことを通じて自己肯定感を育んでいくことではないかなと思うので、この社会で活躍するためのステップというところよりも、そちらの育む的な表現のほうがいいのではないかなと思います。

もう一つ、16ページの安心・安全な居場所づくりのところで、12行目に「第三者から見て望ましくないと評価する場所を」というところがあると思うのですけれども、そういうところにつながってしまっている本人に対して別の場所をつくったりつないだりしていくということが書いてあると思うのですが、もちろんそれはものすごく大事だと思うのですけれども、やはりまずは最初にこどもの声をフラットに聴くというか、第三者から見ると望ましくないなというところを居場所にしている本人の気持ちとか、不満だったり、そこに求めているものだったり、そういう声を聴くということが大事かなと思うので、その上で、この流れ、文脈で新たな居場所を提案していくという順番かなと思うので、その声を聴くということを強調していただければと思います。

もう一つだけ、これは前回のときにも指摘して入れていただいたなと感じているのですが、21行目からのパラグラフのところで、安心・安全を保障するというような内容ですけれども、22行目に「こども・若者が不安や恐怖に感じることがないようにすることが必要」と書いてあって、これについてはもう少し具体的に、例えば大声で叱責するとか、高圧的、威圧的な態度で大人が接するとか、こどもヒアリングの中にもこういうのは嫌だというような意見の中にそういった内容も含まれていたと思うのですけれども、ついつい大人が運営、管理する場だと、悪気はないのだけれども、大人のそういう態度がこどもにとってしんどくなってしまったり、不安を煽ったり、こどもからすると理不尽に感じられる対応でそこの居場所に対して不安や恐怖を感じたりということがあるので、そういうことに意外に大人側は無自覚であることが多い気がするので、そういう注意喚起という意味で、そこは少し具体的に書いていただくほうがいいかなと思いました。

たくさんすみません。以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、湯浅委員、お願い申し上げます。

湯浅委員:2点あります。

結構細かいことですが、期せずして今の成田さんのおっしゃったことと重なる部分ですけれども、1点目は、15ページの25行目の「社会で活躍するためのステップとしての役割を担っていることにも留意する」、ここのポイントです。7ページの1行目から目的によって性質が変化するとあるように、何かをすることを通じた居場所と、そこにいることそのものが居場所となる、そういうことが存在する。そのとおりだと思います。かけっこの得意な子が走るところを、部活とかを居場所と感じる。何かをすることを通じて認められるという側面が人間にはありますので、ここの記述も安心できる環境の中で過ごしながらという前提がついた上で、ステップとしての役割をと書いていますから、両面配慮していることは確かだと思うのですが、ややさっきの成田さんのような懸念も私も読んで感じたので、ここは「役割を」というよりは「役割も担っている」ぐらいの表現でどうかというのが一点です。

それから、同じく細々したところで恐縮ですけれども、16ページの24行目、「その際、刺激に敏感な障害児にも配慮した環境設定が求められる」というところですけれども、刺激に敏感というのは障害児に限らないので、「障害児等」と「等」をつけるということを提案したいと思います。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、次に荒木委員、お願い申し上げます。

荒木委員:私からは、13ページ(5)災害時におけるこどもの居場所づくりに関してですけれども、ここを改めて抜き出していただいたということも踏まえて、もう少し踏み込んで書いてはどうかなと考えております。災害時は、東日本大震災を私は経験しまして、あと、新型コロナウイルスの拡大などもやはり目に見えない災害だねとかいろいろありました。似ているような状況も結構あったのですけれども、石巻では災害があって居場所が必要で立ち上がって、ニーズに押されて活動を続けてくるみたいなことがあって、プレーパーク、私たちの児童館もそうですし、フリースクールやこども食堂、いろいろ資源が増えてきたという過程があります。災害時こそなのですけれども、地域とか社会が慌ただしくなってしまうので、こういう危機のときこそこどもの権利というのを意識してこどもの声を聴く、居場所の機能を発揮するということが必要だと思っています。

大人も大きなストレスを抱えるので、こどもの環境はハードだけでなくてソフト面でも非常に悪化することがありました。こどもたちは喪失感とか恐怖感とかそういう感情をうまく表現できなかったり、大人が忙しそうで心配をかけると思って言わないとか、そういうことも多々あったのです。文章内に遊びの機会の確保ということがありますけれども、なぜ必要かというのを補足してもいいのかなと思っていて、遊びを通して日常や自分を取り戻す感覚であったり、あと、津波ごっこなどもすごくたくさん見られたのですが、自分の中の抱え切れない体験を遊びによって放出して、自分で心の自己回復をするみたいな作用があった。それはいろいろな研究者の方などからも聞いて、この遊びがそういうふうにつながっているのだというのを私たち居場所づくりをしている者としては感じたものです。

そのようなことを少し補足してもいいのではないかというのと、遊び場やスペースの設置ということで書かれているのですけれども、ここにやはりこども・若者の声、気持ちを大切にする人の存在というものを追記したほうがいいのではないかなと思っております。そのような安心できる基地ができると、本当に暴言とか乱暴なそぶりとか、そういうのが震災後はあったのですけれども、吐き出しながら、でも、その中で自分たちが地域の危機の中でできること、自分たちが何かできないかといって力を発揮していく、社会参加の機会につながる。こういうことが見られたので、居場所というのは大変重要な場所だと思います。災害時、緊急時に居場所をつくるということもあると思いますし、いつもの居場所があるということが災害時にこどもたちの生きる力とか心を支えるものになるということも追記してもいいのではないかなと思いました。

関連してなのですけれども、その上のところに(4)で持続可能な居場所づくりとありますけれども、私も震災から立ち上がって12年なのですが、場を起こして持続させるというのは本当に甘いものではなくて、大変なのですよね。でも、やはり災害があったから余計ですけれども、こどもたちの関わりというのは持続的、伴走的、長期的なものが本当に必要だなと感じていて、自分たちの組織も何とか支えてきたのですが、その中にはたくさんの寄附とか災害の助成金などを活用してきたのです。なので、内容を見ると、やはり国や地方自治体のバックアップみたいなところも、いろいろな皆さんの民間の取組を後押ししますよということが書かれているのですけれども、それではちょっと弱いかなと感じています。財政面で力強く後押しするとか、そういうことがないと、居場所を立ち上げて持続させていくということは不可能ではないかなと思ったので、ここで言及させていただきます。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、まず菊池委員、お願いします。次は会場のほうから光真坊委員の手が挙がっていますので、まず菊池委員、お願い申し上げます。

菊池(真)委員:ありがとうございます。

2点追加です。

16ページの安心・安全な居場所づくりの先ほど配慮のところがありましたけれども、

23行目、25行目に「配慮」という言葉がありますが、ここは「合理的配慮」という言葉を使うといいのかなと一点思いました。

2点目は18ページ、「ふりかえる」の部分の最後の行です。33行、34行は「検証を行うに当たっては、第三者の視点を取り入れることが重要である。こども・若者の参画を得ることも必要である」となっていて、こども・若者参画が2番手みたいな印象を受けかねないので、提案としましては「第三者の視点やこども・若者の参画を得ることが重要である」という文にしてはいかがかなと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

では、光真坊委員、お願い申し上げます。

光真坊委員:ありがとうございます。光真坊でございます。

3点あります。

一つは10ページのところになります。8行目に「これらの視点に優先順位はなく」と書いてあります。優先順位というのはどれが重要かというところで並べるという意味だと思うのですけれども、前回の議論の中では順序性のことも言っていたと思うのです。どこから始まっていくものでもないというようなこともあったので、「順序や優先順位はなく」という言い方でもいいのかなと思いました。

それと、同じところなのですが、これも前からこだわっているところなのですが、10行目から13行目のところです。括弧書きは行政であるとか居場所の主体者、そこの視点で書かれているのがこの括弧の中だと思います。右のほうがこどもが主語であるとか、もしくはこどもにとってというような書き方になっています。これはこどもが読むことも想定してだと思っていますが、そうやって考えると、10行目の「ふやす」というところについては、「多様なこどもの居場所を整備する」というのをこどもを中心に考えた場合には、「こどもにとって多様な居場所が増える」とかという言い方でもいいのではないかと思います。13の「ふりかえる」については、こどもを取り入れるとすれば、「こどもとともに居場所づくりを検証する」でもいいのかなと思います。ここがこどもまんなかの考え方を反映するところになるのではないかと思います。

2点目です。12ページになります。「(2)の地域資源を活用した居場所づくり」というところで、施設であるとか、あとは事業について書かれていて、これが既存の地域資源と書かれていると思いますが、実際には「人」というのも地域資源としてはあるのではないかなと思います。これはある放課後等デイサービスでは、地域にいる人たちに活動プログラムに御協力いただいて、例えば陶芸であるとか、スポーツであるとか、太鼓であるとか、そういうプログラムをつくるときに地域の人材を取り入れていきながら考えているというところがあって、すごく有効に働いているというのを私は知っております。そういう意味では、既存のパッケージであるようなものだけではなくて、「人」というのも地域人材として、地域資源として活用できるのではないかと思いますので、その点、入れられたら入れていただけるといいなと思います。

3点目です。16ページになります。「(1)の安心・安全な居場所づくり」というところであります。アタッチメント理論で言うと、安心・安全というのは分けて説明されることが最近は増えていて、例えば安全であれば安全な避難場所、安心であれば安心の基地という言い方をしていて、安全な避難場所という考え方は、危機的な状況になったときにそこに避難をするというか、そこに逃げる、セーフティーネット的な役割を示すものがこの安全というところになりますし、安心というのは次の探索であるとかいろいろなことにチャレンジしようとしたときの安心基地的な役割ということになります。そういう意味では、逃げてこられるという表現がいいのかどうか分かりませんけれども、少し避難的に安全・安心な居場所に身を置けるというところの視点も入れていただけるといいのではないかなと思いました。

あとは、23行目の障害のあるお子さんのところの記述であります。先にご提案のあった「障害児等」というのもすごくいいなと思いました。実は私が考えていたのは、22行目から23行目にかけてですけれども、「その際、障害児や刺激に過敏なこども等に対しても配慮した」という言い方であれば、刺激の過敏さだけではなくて、例えば肢体不自由の方が来られた場合の対応であるとか、ネットで参加するときにも視覚障害の方がネットを使ってやれるようにしていくとか、そういうことも含めて包括的に表現することができるのではないかなと思いますので、提案を申し上げます。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、時間も迫っておりますので、第4章及び第5章のパートに入らせていただきたいと思います。

委員の皆様にお願い申し上げたいのですけれども、今日会議終了は18時でございまして、事務局から最後にいろいろ説明もございますので、皆さんの御意見をいただけるのは今日は50分まででございます。それを前提で申し訳ないのですけれども、御意見がある方は端的に御発言いただければと思います。

4章、5章について、まず事務局から御説明します。

山口成育環境課長: 第4章でございますけれども、19ページ、こどもの居場所づくりに関する者の責務、役割について記載を行っております。

それから、第5章、推進体制ということで、国における推進体制、地方公共団体における推進体制、施策の実施状況の検証・評価、指針の見直しといったことについて記載しております。

以上です。

前田部会長:それでは、御意見をよろしくお願い申し上げます。

植木委員、お願い申し上げます。

植木委員:植木でございます。

20ページの「3.施策の実施状況等の検証・評価」のところで、23行目から24行目にかけまして、こども・若者あるいは関係者の意見を聴きながら丁寧に進めるのだと書かれております。これは大変重要な事柄だと考えられます。先ほど議論が深まりました第3章の18ページの「ふりかえる」のところでも、同様に意見を聴きながら丁寧に進めるという表現が出てまいります。さらに、18ページの34行目には「こども・若者の参画を得ることも必要である」と重ねて表現がされています。この辺りの御指摘は先ほどの3章の議論の中でも委員から出ていたところでございます。そういった意味においては、この5章の3.施策の検証のところにおいても、意見を聴くという表現に加えて、参画を得るというような表現を加えてもいいのではないか。それによってこども主体の意味合いに近づくのではないかと考えられますけれども、この辺り、何か意図があるのでしょうか。

前田部会長:御発言は終わりですか。事務局に御質問ですね。

植木委員:そうです。以上です。

前田部会長:お願いします。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

ほかの部分も含めて、表記の揺れについては御指摘が多数ございましたので、精査させていただきたいと思います。

前田部会長:よろしいですか。

それでは、今、大空委員、青山委員、宇地原委員からお手が挙がっておりますので、まず大空委員、お願い申し上げます。

大空委員:簡潔に申し上げます。

2点あるのですけれども、第4章の中で15行目ですかね。「企業は」というところがあって、「学校は」とか「市町村は」で区切られているのが「企業は」はまとめてあるので、ここは改行して独立させてもいいのではないかなと思うのが一つ。

それから、先ほど友川先生から御指摘もありましたけれども、企業が行っていることは今ここに記載されていること以外にもたくさんあるわけですよね。ですから、その辺りの記載をする、もしくは、繰り返しになって大変恐縮ですけれども、居場所づくりを目的としていない、いわゆる第2章の中での対象となる場所の範囲の中に記載されていること、これはやはり「企業は」ということで、居場所づくりを目的として事業を展開していない場合も居場所として機能している側面があるわけですから、この方針を踏まえた事業運営が実施されることを期待されるというような表現を盛り込んで、企業そのものが居場所をつくっているのだという認識を広げて、先ほど啓蒙の話がありましたけれども、ここでそれを載せていくということも可能性としてあるのではないのかなと思いました。

最後、20ページの「3.施策の実施状況等の検証・評価」の部分の22行目の「地域」という言葉なのですけれども、これは国が検証方法を検討するという前提があるので地域という言葉が出てきたのかなという気はしましたが、必ずしも全ての地域で居場所が地域根差しているわけではないですし、全ての居場所が地域に根差す必要もないという気もしますので、広域的な居場所とか、先ほどから出ている民間企業の事例などを考えていくと、対象を地域と限定せず、各所とか違う言い方をしてもいいのではないのかなと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

青山委員、お願い申し上げます。

青山委員:ありがとうございます。

4章の担い手のところに関する話だと思うのですが、書き方によっては別のところなのかもしれないのですけれども、1個気になっていることは、この居場所の担い手の中にはボランティアの人たち、つまり、支援者なのだけれども、お仕事としてやっているわけではないような人たちがたくさん含まれる現場がたくさんあるということです。さらにその中には、ユース世代の人たち、高校生や大学生の人たちがボランティアとかインターンとかいろいろな形でそこに関わっているというようなことがやはりもうちょっと意識されてもいいのかなと思うのです。居場所においては、そういった支援する側、される側があまり分け切れないのが一つの特徴でもあると思いますし、いわゆる支援する側にもこども・若者という人たちが多く含まれていて、古くはジュニアリーダーと言われていた人たちもそうだと思うのですけれども、彼らにとっても居場所になったり、あるいは体験や成長のきっかけにもなり、そこがみんなにとっての居場所になっていくための配慮もなされるべきだということを記載できないかなと思っています。こどもにとっての居場所なのに、ボランティアやインターンで関わるユースが疲弊してしまっているような現場も結構あるような気がして、もっとボランティア支援みたいなことも留意されてしかるべきだと思っているところがあって、こんな発言をしました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

次に宇地原委員、お願い申し上げます。

宇地原委員:ありがとうございます。

19ページの13行目で担い手として民間の重要性というところに触れていただいているかなと思います。ここについては賛同するところなのですけれども、一方で5章の推進体制を見たときに民間についての言及がなかったので、5章の中でも民間の重要性というところは登場させてもらえたほうがいいかなと思っています。実務の中で実施主体として想定される民間と地方公共団体であるとか国との連携というところでずれが生じるということは多々あると思っていますので、公民の連携の重要性のところを改めて言及するというところと、先ほど実施主体と言いましたけれども、単純に何かをやる、現場をやるということだけではなくて、計画、実行、振り返りのそれぞれのフェーズにおいて民間、特にこどもたち、若者たちと常に接している人からの声というのは非常に重要なものだと考えているので、それぞれのフェーズでの協働というところを明記していただけるといいのかなと思っています。

20ページの12、13行目とかですと、協議会を置いてみたいな話とかもあると思うのですけれども、恐らくこどもの居場所づくりというところは、これまで設置されていたような自治体の協議会の構成メンバーとはまた違った形で、この居場所づくりに対して示唆を出せるような人たちをアサインしていくことになると思っていまして、今回の部会もメンバーの多様性もすごくあると思うのですけれども、そうしたことを意識しながら協議会の運営をしていくというところもぜひ添えていただけるといいかなと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかに御発言はございませんでしょうか。

大変失礼ですが、大竹委員、本日御発言がないのですが、ご意見はよろしいでしょうか。

大竹委員:ありがとうございました。

本当に各委員の方々からの御指摘、そういうふうにも読めてしまうのだなということを改めて感じていました。この中でも、学校というところと、最後に家庭というところが入ってきておりましたけれども、友川先生からもこどもが権利の主体である、体験できるというような、そこをしっかり踏まえた上での家庭とか学校というところがしっかりと確認できれば、家庭のことにも触れても今回はよろしかったかなと改めて思っています。

事務局の方々には、各委員の意見を取り入れながら良くまとめていただき感謝申し上げます。今日も各委員から多くの意見がありましたので、よろしくお願いいたします。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

まだ少し時間がございますが、大丈夫ですか。ごめんなさい。座長が皆さんに50分までだと脅してしまったからでしょうか。皆さん、ご意見ございませんでしょうか。

では、成田委員から御発言がございます。

成田委員: 多分また次回とかにもあれかなと思いますが、学校のことについての表現というか、難しいなと思っていて、第4章の13行目で「こどもの居場所としての福祉的な役割を担っており」と内容的には本当に確かにそうだなと思うのですけれども、これを現場の学校の先生が聞いたときにどういうふうに感じるかなということが心配だったり、認識を深めていくということが少し認識が浅いと思われてしまっているように、ちょっとひねくれているかもしれないのですが、そういうような文脈で伝わってしまうと本意ではないなというようなことがあって、前のところでも言ったのですけれども、既に学校が居場所としてこどもたちにとってすごく恩恵になっていることというのはあるので、そういうポジティブな視点で見ると、今ある学校はこういう価値があるよねとか、そういう価値をもう一回見直して、そういうところをどんどん押していこうみたいな、ここの第4章は責務とか役割という章でもあるので、余計にそういう負担感のイメージが強くならないかなということが心配でコメントをいただきました。

以上です。

前田部会長:関戸委員、お願いします。

関戸委員:続けて同じところでの発言ですけれども、日本はやはり公教育の負担がすごく大きいなと思っていて、プレーパークがほかで盛んな地域としてドイツへの視察などをしたときに、ドイツは公教育が半日で終わって、残りの半日は社会教育の場でこどもたちが地域でそれぞれで過ごすみたいなことをやっているのです。今、中学の部活動などは地域移行と言って、これまで学校の教員が、多分法的な根拠がなかったのかな。特に残業代も出ず担っていたものを地域移行することで、それを仕事としてとか地域の居場所づくりの一環としてこどもたちの部活動を見るという分担が多分今後生まれてくるなと思っていて、そういった社会教育に予算がもっとついて、民間で市民団体だったり企業だったりがこどもたちの放課後の体験の場、放課後の居場所みたいなところをもっと担っていけるような流れがこの部活の地域移行というのは一つのきっかけになるかななんて私は見ていました。

なので、ここの記載に関してどうするかというのは私も今アイデアがなく、成田委員の御発言を聞いてコメントしたいなと思って今お話ししているのですけれども、やはり学校だけにいろいろなことをではない、そういう流れで皆さんもお話をしていると思うのですが、どうしてもそういうふうに読めてしまったり、議論を知らない人からは思われてしまうこともあると思うので、どちらかというと、ほかにもあるのだよというような、社会教育というか地域にもっと担い手を増やしていく、そのために予算をつけるみたいな言及が、ここの責務、役割という辺りからは、みんなで分担してこどもたちのことをやっていこうよ、地域の人たちも担っていこうよということが感じられる書きぶりになるといいかなと思いました。

以上です。

前田部会長:湯浅委員、お手が挙がっていますので、どうぞお願いします。

湯浅委員:今のお二人の発言を聞いて確かになと思ったので、今の箇所はこどもの居場所としてのセーフティーネットになる場合がある、そういう事実を踏まえてぐらいの表現でどうかなと思いました。全ての学校がセーフティーネットになっている、セーフティーネットだというよりは、今村委員の意見も地域によってはそういう場合があるということだったと思いますし、セーフティーネットになるべきだというよりは、現実問題としてそうなってしまっている場合があるので、その事実を踏まえてという表現がよろしいかなと今、お二人の意見を聞いて思いましたので、発言しました。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかによろしいでしょうか。

それでは、本日の意見交換はここまでとさせていただきます。長時間にわたり、ありがとうございました。

それでは、事務局から御連絡がありますので、御説明をお願い申し上げます。

山口成育環境課長:前回の部会におきまして、秋田こども家庭審議会会長から各部会長宛てにこども大綱に関する依頼があったことを受けまして、本日も若干御議論がありましたけれども、前回部会終了後にこども大綱の策定に向けました中間整理案について委員の皆様に意見照会を行いまして、一部の委員から御意見を頂戴いたしております。

いただいた御意見につきまして、事務局で前田部会長と御相談をいたしまして、こども・若者の居場所づくりは、こども・若者の声を聞きながら実施すべきであること。そして、学齢期のみならず、年齢を問わず、全てのこども・若者が多くの居場所を持つことができることが重要であること。そして、放課後児童クラブは遊び及び生活の場であることをこども大綱に盛り込んでいただくとともに、今後もこどもの居場所づくりに関する指針とこども大綱の検討と十分に連携を図っていきたいということを当部会の意見として前田部会長にこども家庭審議会で御発言していただくこととしたいと思っております。

連絡は以上です。

前田部会長:それでは、皆様、意見照会に御協力いただき、ありがとうございました。

当部会を代表いたしまして、事務局から説明があった内容についてこども家庭審議会で発言したいと思います。

今後の日程について、事務局のほうからまた御説明をお願いします。

山口成育環境課長:今後ですけれども、9月下旬からこどもパブリックコメント、それから、一般の方々向けのパブリックコメントを行う予定になっております。本部会における指針の議論はまだ続いておりますが、一旦、今日の素案の資料によりましてこどもパブリックコメントを行いたいと思っておりますので、御了知いただければと思います。

また、本部会ではさきにこどもヒアリングを行っておりますけれども、この指針の現時点の内容についてこども・若者へのフィードバックを行うこととしたいと思いますので、こちらも実施させていただきたいと思っておりますので、御報告です。

今後の部会の日程につきましては、追って御連絡をいたします。よろしくお願いいたします。

前田部会長:それでは、本日の会議はこれにて終了したいと思います。

座長が時間がないと申し上げた関係で、御意見があったのに御遠慮なさった方もおられるかと思いますので、ぜひお気づきの点はまたメールなどで事務局にお寄せください。

それでは、皆さん、本日は長時間にわたりありがとうございました。