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こどもの居場所部会(第11回)

概要

日時:令和5年10月20日(金)16時00分から18時00分
場所:こども家庭庁22 階 庁議室

【オンライン配信URL】
URL:https://www.youtube.com/watch?v=GlJg5XWeEmg

議事

  1. 開会
  2. 議題
    (1)「こどもの居場所づくりに関する指針(答申素案)」について
  3. 閉会

資料

議事録

前田部会長:定刻となりましたので、ただいまから「こどもの居場所部会」第11回を開催いたします。

委員の皆様には、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

部会長の前田でございます。よろしくお願いいたします。

本日は、対面とオンラインのハイブリッドにて開催させていただきます。

なお、大空委員は御欠席、菊地英一委員は遅れての御参加の旨を伺っております。

それでは、まず、事務局より資料の確認をよろしくお願い申し上げます。

山口成育環境課長:事務局でございます。

本日の出欠ですが、今、部会長から御案内がありました方に加えまして、湯浅委員が少し遅れてお見えになるというふうに伺っております。

まず、資料の確認をさせていただきます。配付資料として、資料1から6、それから次第を含めまして計7点でございます。

資料1は答申素案としまして、前回の部会での御意見を反映しまして、修正箇所が分かる資料にしております。資料2、資料3はこの答申素案の概要版とやさしい版ということで資料1の修正内容を踏まえて一部修正をしているものをお配りしております。資料4、指針の参考資料、資料5、資料6は前回の部会と同様の資料になっております。

資料の欠落等ございましたら、事務局までお申しつけください。

また、今回の部会は傍聴希望者向けにユーチューブでライブ配信をしております。

それでは、頭撮りはここまでとさせていただきます。

それでは、部会長、よろしくお願いします。

前田部会長: それでは、次第1「『こどもの居場所づくりに関する指針(答申素案)について」議論したいと思います。先ほど事務局から御説明もございましたが、前回の御意見を踏まえ、修正した資料1を基に御意見をいただきながら、指針の取りまとめに向けて進めていきたいと思います。なお、次回はパブリックコメントの結果を踏まえての修正となりますので、本日の部会にて委員の皆様の意見としては取りまとめたいと思っております。本日が取りまとめの日でございます。

また、本文について御議論いただいた後、概要版についても御意見をいただきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。

本日も前回の部会同様、3つのパートに分けて進めさせていただきます。まず、第1章「はじめに」及び第2章「こどもの居場所づくりに関する基本的事項」についてのパートといたします。続きまして、第3章「こどもの居場所づくりを進めるにあたっての基本的な視点」を御議論いただき、最後に第4章「こどもの居場所づくりに関係する者の責務、役割」及び第5章「推進体制等」について御議論いただきたいと存じます。

それぞれのパートにおいて事務局からの説明後、約25分程度で委員の皆様から御意見をいただく形で進めたいと思っております。

それでは、まず、第1章及び第2章について御議論いただきます。

事務局より資料の該当部分の説明をお願いします。

山口成育環境課長:事務局です。

それでは、資料1の第1章、それから第2章につきまして、修正した部分を中心に説明をいたします。資料1を御覧ください。

資料1をめくっていただきまして4ページを御覧ください。第1章「はじめに」の「2.こどもの居場所づくりが求められる背景」のところですが、24行目に「こどもは家庭を基盤とし、地域や学校など様々な場所において、安心・安全な環境のもと様々な大人や同年齢・異年齢とのこども同士との関わりの中で成長する存在であるが」といったような形で表記を追記しております。

それから、次の5ページですけれども、6行目で「ソーシャルディスタンス」の確保の要請について過去形にしております。

その次、8行目、こども・若者を取り巻く環境のところですが、いじめに関する記載を追加しております。

それから、18行目、「現場のニーズ」という表現がやや分かりにくいということで、「地域のニーズや特性を踏まえた」という形に修正をしております。

また、21行目ですけれども、「国としてもこどもの権利を基盤とした居場所づくりについて一定の考え方を示すことが求められている」というふうに修正をしております。このこどもの権利を基盤とした居場所づくりというのを、前回の部会では見出しのところに入れてはどうかというような御趣旨の御指摘がございましたけれども、全体の構成として、こどもの居場所づくりが求められる背景、こどもの居場所づくりを通じて目指したい未来、こどもの居場所とはという形で、こどもの居場所というのがたくさん出てくるものですから、1か所の見出しだけこどもの権利を基盤としたというのを入れてしまうとバランスが悪いものですから、表現としては、この21行目のところでしっかり明記するという形で記載をさせていただいております。

それから、6ページに行きまして、第2章、基本的事項の「2.こどもの居場所の特徴」のところで幾つか特徴が列記されているわけなのですけれども、この順番がどういう順番になっているのかやや分かりにくいのではないかという御指摘が前回ございましたので、少し順番を入れ替えております。まず、個人的であり変化しやすいものであること。その次に、人との関係性の影響を受けるものであること。表現については移し替えただけでございます。それから、立地や地域性、技術の進歩などの影響を受ける、目的によって性質が変化し得る、この辺りが居場所のいわば性格というか特徴ということをまず書いた上で、その後からだんだん具体的な内容ということで、多くのこどもにとって学校が居場所になっていること。8ページに行きますけれども、それから支援する側とされる側との相互作用、そして地域づくりという形で順番を入れ替えさせていただきました。

8ページのところですけれども、1行目、学校が居場所になっているという記載ですけれども、「不登校のこどもは、学習の機会だけでなく、居場所としての学校の役割が損なわれている状態にある」と。そして、みんなという表現が、通えないこどももいるのでということも御指摘がございました。「多様なニーズがあるこどもを含めみんなが安心して過ごせる場所」というような形で表現を改めております。

8ページ、下のほう、地域づくりにつながるというところの最後の一文ですが、「こうした取組は、こども・若者にとって、地域そのものが安心・安全な居場所となることにもつながる」というような表現を追記しております。

それから、10ページはこの指針の性質を記載したところですが、「(2)対象となる居場所の範囲」の7行目から、ここは結果としての居場所の例示ですけれども、その中に「SNSやオンラインゲームなどの活動、ショッピングモールなども、こどもによっては貴重な居場所となっていることもある」という形で少し例示を追記しております。

第1章、第2章につきまして、修正点については以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、こちらのパートにつきまして、前回の素案から修正した点を中心に御意見いただければと存じます。発言の際にはページ数と行番号、または何章の何番の項目への御意見かなど、御意見の箇所を明らかにしていただけますようお願いいたします。また、御案内のとおり本日の会議は11回目でございます。これまで10回に及び皆様方の御意見を取り入れて本日の素案になっておりますので、本段階では具体的な修正内容と共に御意見をいただけると幸いでございます。

御意見のある方は挙手または挙手ボタンをお押しください。いかがでしょうか。

植木先生、お願いします。

植木委員:植木でございます。

修正があった部分ではありませんけれども、第1章の5ページ、24行目の「3.こどもの居場所づくりを通じて目指したい未来」の部分でございます。30行目にウェルビーイングというキーワードが出てまいります。こどもの居場所づくりを進めていく上でウェルビーイングの向上に資すること、これは大変重要なポイントかなというふうに見ております。この内容に関して異論はないのですけれども、表記の仕方です。例えば、その2行上の28行目には「将来にわたって幸福な生活を送ること」、同じ意味合いの文言が出てまいります。さらには、6ページの2行目には「将来にわたって幸せな状態(ウェルビーイング)」という表記が出てまいります。この表記は11ページにも同様の表記が見られるのですけれども、こうした表記を統一したほうが分かりがいいのではないかなという気がするのですが、これは何か意味があるのでしょうか。

以上です。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

この部分の表記につきましては、基本的にはこども基本法や、それからこども家庭庁をつくるときの閣議決定でございます基本方針という表現から引っ張ってきているものなのですけれども、引っ張ってきたところのもともとの表現を引っ張ってきたために、やや表記の揺れがあるということかと思いますので、植木委員の今の御指摘のとおり、少し表現の仕方については統一感が出るような形で部会長とも御相談をして修正したいと思います。

前田部会長:ほかにいかがでしょうか。

友川委員、お願いします。

友川委員:ありがとうございます。友川です。

表記の揺れなのか、意図的にそうなっているのかの確認が1点ございます。例えば、5ページ、27行目でございます。表記の中で「全てのこどもが」というのが真ん中の辺りにあるのですけれども、この文書全体の中で「こども・若者」と両方が並列して表記してある箇所と「こども」のみが出てくるところがございます。法則性とかあるのかなというふうに読んでいたのですけれども、もしかしたら意図があるのかもしれませんが、例えば5ページの27行目の「全てのこども」は「・若者」が必要なんじゃないかということと、次の6ページの2行目も「こどもが」のみなのですけれども、こちらも全体に合わせるのであれば「・若者」で、同じく6ページの14行目「こども本人が」となっていますが、「こども・若者が」なのか。これは直し始めると全体が、「こどもが」の単独だけの表記と「こども・若者が」と書いてあるところを少し整理しておいたほうがいいかなということでございます。

以上でございます。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

少し前の部会でも同様の御指摘がございまして、私どものほうで一旦、こども・若者という使い分けのところが主にこどもを中心としたものなのか、それとも若者も含めたものなのかということで一定程度、書き分けてはいるのですけれども、今御指摘のあったところも含めて、完全には書き分けられていないところもあるかと思いますので、そこの部分については改めてこちらでもチェックをしたいと思います。

なお、理念のところがちょっと、特に御指摘のあった5ページの27行目辺りとかは法律の条文や閣議決定の文章から抜粋をそのまま引き写しているものですから、そういう意味でそこの書き方を変えるのがいいのかどうかというのは、引用するときにどっちがいいのかというのはあると思いますので、その辺りも踏まえながら、全体としてはきちんと意味が通るように整理をしていきたいと思います。ありがとうございます。

前田部会長:ほかにいかがでしょうか。

会場の青山先生、お願いします。

青山委員:青山です。

今のところについては、10ページ目に「こども」だけのところと「こども・若者」の書き分けの方針については記載がたしかあったかと思いますので、そこの方針のとおりになっているかどうかというところが1つ軸で見られるといいのかなということを今、まずは直近で考えておりました。

もう一点、細かいところなのですけれども、5ページの上から3行目でこどもの居場所の条件がすごく減っている中で「ボール遊びが禁止されている公園も多い」というすごく具体的なことが1行ぽんと入ってきてちょっと唐突な気もしたので、ボール遊びなどが禁止されている公園も多いとするか、ボール遊びが禁止されているなど公園の禁止事項も多くなっているとかいうような言い方にするか、ちょっとそこの書き方だけ1点気になっていました。細かいところで本旨とは特に関係ないかもしれませんが、一応共有させてください。

以上です。

前田部会長:ほかにいかがでしょうか。皆さん、気づかれた点がございましたら。

成田委員、お願いします。

成田委員:小川委員のほうが先。大丈夫ですか。

前田部会長:そうですか。ごめんなさい。

山口成育環境課長:同時ぐらいでした。

前田部会長:では、成田先生、御遠慮なさらず、お願いします。

成田委員:すみません。ありがとうございます。

僕のほうからも表記のことについて幾つかちょっとだけ気になったところで、6ページの1行目から2行目にかけての「身体的・精神的・社会的」の後のバイオサイコシーシャルという片仮名表記なのですけれども、これももう続きでバイオサイコシーシャルという表記がこういう文書では一般的なのか、それであれば全然いいのですけれども、自分がふだん使っていることだと「バイオ・サイコ・」みたいな形で書いていることが多いので、その辺が少し気になりました。

あとは、こちらも国語力がないので自信がないのですけれども、7ページの2行目の「人との関係性があることが、当人の居場所と感じることに影響している」という「当人の」というのは「が」のほうがいいのか、当人が居場所と感じられるとかそういう書き方のほうがいいのか、何となくちょっと今例で書いていただいている文だと少し引っかかったので、点検していただいて、特に問題なければそのままでいいのですけれども、その2点だけちょっと表記の件で気になりました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、次に、小川委員、お願い申し上げます。

小川委員: ありがとうございます。

私は8ページ目の3行目のちょうど修正が入っている「多様なニーズ」の表記のところで1点追加をお願いしたいなと思っています。多様なニーズというと、明らかに何か支援を求めるとか、必要なことが明確であるというふうに捉えられてしまうのですけれども、もう少し様々な背景という言葉を追記いただくことで、見えない部分でもサポートが必要なこどもたちがいるというところもここに追記いただければなというふうに思って発言させていただきました。

山口成育環境課長:ありがとうございます。まとめてちょっとあれですけれども、ボール遊びのところは、その後、などという形で修正をしたいと思います。

それから、バイオサイコシーシャルのところなのですけれども、今、こども大綱の中間整理を別途やっていますけれども、こども大綱の中間整理のほうでもポツがなくてバイオサイコシーシャルという一続きの言葉で使っていまして、これはちょっと政府の使い方に合わせたいと思います。

それから、先ほどありました当人のというのは、当人がその場を居場所と感じることに影響しているとか、多分そういうふうに改めたほうが分かりやすいかと思いました。

それから、多様なニーズの後の「や様々な背景」という形で修正をしたいと思います。

前田部会長:それでは、次に、光真坊委員、お願い申し上げます。

真坊委員:光真坊です。ありがとうございます。

私も文言のところなのですが、4ページ目の24行目になります。これはその後にも出てきますが、「安心・安全な環境」というところなのですが、こども家庭庁の設立前のこども政策の推進に係る有識者会議であるとかその他のところでは、「安全・安心」という言葉を使っていたと思います。聞こえとしては、「安心・安全」というとすごく入りがいいなという気はしますけれども、今まで使っていたのを見ると「安全・安心」で、5ページ目の32行目はポツではなくて「安全で安心して過ごせる」という言い方になっておりまして、やはり「安全」が前に来ているというところがあります。ちょっとこの表記のところだけ確認いただければと思います。

以上です。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

ちょっと順番を確認してそろえたつもりだったのですけれども、すみません、そろえきれていないところがありますので、合わせたいと思います。ありがとうございます。

前田部会長:ほかにお気づきの点はございませんでしょうか。

安部委員、お願いします。

安部委員:ありがとうございます。安部です。2点ございます。

まず1点が、公園と児童遊園の違いについてです。公園という表記が5ページ、13ページ、16ページに出てきます。13ページにはこれとは別に児童遊園が出てくるのですけれども、これは意図的に分けているのか、それともあまり検討されていなのかというところが1点気になりました。

それから、もう一点は、7ページの16行目「また、インターネットの普及や」という文章があるのですが、これは1文字下げるのかなと思って、そこだけ指摘をさせていただきました。

以上です。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

児童遊園は、これはもう御案内だと思いますが、児童福祉法に基づく児童福祉施設の一類型として児童遊園という、あの部分は既存施設の活用という文脈で列記されている中に児童遊園という形で明記をさせていただいています。公園というのは、いわゆるそれ以外の国交省の所管するような都市公園も含めて公園という形で、広く一般名詞として公園という形で今は使い分けているというか、そういう表現になっているということであります。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、ほかに皆さん、気づかれた点はありませんでしょうか。よろしいですか。

ありがとうございました。

それでは、続きまして、第3章のパートに移らせていただきます。まず、本パートの説明を事務局よりお願い申し上げます。

山口成育環境課長:第3章でございますけれども、第3章は11ページからとなっております。基本的な視点ということで、各視点に共通する事項、それから、12ページから「ふやす」のパートがありまして、13ページは「ふやす」のパートの居場所に関する実態把握という中で、需要側に対するニーズを把握という中で、こどもや若者に聞くだけでなく、居場所づくりに取り組む者への調査も加えてはどうかという御指摘がありましたので、追記をしております。

それから、13行目以降が既存の地域資源を活用した居場所づくりのところですけれども、まず、14行目は「整備する」という表現がよくないということでありまして、「づくりを進める」というふうに直しています。

それから、その次に15行目辺りから既存施設を列挙している部分があるのですけれども、グルーピングをすべきだということで、少しグルーピングをしております。児童館や児童遊園という児童福祉施設、それから公民館、図書館、青少年教育施設といった社会教育施設、それから子ども会、スポーツ少年団などの青少年団体、その後に学校、教育支援センター、放課後児童クラブ、そして放課後等デイサービスも加えるようにということでしたので追記をしております。そして公園と、その後、高齢者、障害者向けの社会福祉施設、地域の社協、学習・生活支援事業や児童育成支援拠点事業、重層的支援体制整備事業というような形で並びを整理しております。

また、22行目ですけれども、このような地域資源の活用により、少子化や核家族化によって希薄となった多世代との交流や地域とのつながりのある居場所づくりへとつながることが期待される。こうした文言の追加をしております。

24行目からの学校のところですが、「とりわけ学校は」ということで、「大切な居場所の一つとなっていることを踏まえ、これまでも生徒指導提要において、安全・安心な居場所づくりのために『こども一人一人が、個性的な存在として尊重され、安全かつ安心して教育を受けられるように配慮する』ことが不可欠であることを示しているほか、いじめ、8 不登校対策としての居場所づくりなどの取組を進めてきたところだが、学校を『みんなが安心して学べる場所』にする風土づくりや、家庭や地域との連携・協働を通じて、放課後を含め、学校がより多くのこどもにとっての居場所となることが求められる」という形で、前回の御議論を踏まえまして、これまで文部科学省あるいは学校が取り組んできた内容を追記するとともに「風土づくり」という文言を追記、また最後「期待される」を「求められる」という形で表現を修正しております。

それから、14ページの「(3)新たな居場所づくりの担い手の発掘、育成」のところですけれども、15行目辺りからですが、「担い手は、必ずしも大人に限ったものではない。

居場所と感じた経験から、こども・若者自身がつくりたいと思い、始めようと立ち上がることがある。こどもヒアリングでは、こども自身が居場所をつくることを適切にサポートしてほしいとの意見があった」という一文を追記しております。

また、その下「(4)持続可能な居場所づくり」のところですが、事業の実施主体が変わったり、担当者が変わったりする場合でも、引き継ぎをしっかりすることが大事だということが前回ございましたので、それを追記しております。

また、26行目ですけれども、必要な支援の内容として「人的・物的・経済的に必要な支援」ということで少し具体的な記載を追記しております。

それから、16ページは「つなぐ」のパートになりますけれども、「(2)利用しやすい居場所づくり」の中で、「利用のきっかけは本人の意思だけではなく、保護者や友人、学校の教職員や地域の方、相談支援専門員」、その後「自立相談支援機関の支援員」というのを追記しております。

また、19行目ですけれども、「とりわけ学校は、地域コミュニティの拠点になっていることもあり」という表現を追記しております。

それから、18ページは「みがく」のところになりますが、これは再掲の部分で、再掲するときに前のところがきちんと再掲されておりませんでしたので表現を合わせております。

下のほうにいきまして「(2)こどもとともにつくる居場所づくり」のところですけれども、前回の部会でこの居場所が、こども・若者自身が権利の主体であるということを実感できるような場所なんだという御議論がございました。それを踏まえまして、25行目辺りからですが、「イベントの企画や居場所の運営ルールや規則をこども・若者とともにつくることなど、居場所づくりにこども・若者が参画することは、多様で変化するこども・若者のニーズを捉え、より良い居場所づくりを進めるとともに、主体的な関わりを通じてこども・若者自身が権利の主体であるということを実感し、こどもの権利を守るという観点からも不可欠なものである」という形で追記をいたしております。

それから、19ページになりますけれども、「(3)どのように過ごし、だれと過ごすかを意識した居場所づくり」の中で、遊びを行うことがこどもの自己効力感を高めることにつながるんだということで御指摘がございましたので、それと追記しております。

それから、20ページになりますけれども、「当事者」という表現を「利用者」に換えたほうがよいのではないかということがございましたので、「利用者」という表現に改めております。

第3章につきましては以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、こちらのパートについて御意見ある方はお願い申し上げます。同じく発言の際には、前回の素案から修正した点を中心として、ページ数や行番号、何章の何番の項目への御意見かなど、御意見の箇所を明らかにしていただけると幸いでございます。

それでは、御意見のある方は挙手ボタン、挙手をお願い申し上げます。

今村委員、お願いします。

今村委員:ありがとうございます。発言させていただきます。

まず、ここまでの取りまとめで物すごく全体的にブラッシュアップされてきているように思っていまして、前回までの皆さんのいろいろな観点での御助言というか、御発言がかなり汲まれた状態になっていて、すごく進化しているなということにまずは感謝を申し上げたいなというのが1つ目です。

その上で、私としてはずっとお願いをしてきた13ページなのですけれども、学校がこどもたちの居場所と思える、学校を居場所として強要するのではなくて、学校がこどもたちにとってちゃんと居場所だと思える風土に大人たちが変えていく責任があるのだということをもっと強く明記してほしいということをお願いしてきたのですけれども、それについてもかなり丁寧に盛り込んでいただきまして、とてもいい形になったと思いました。

特に今回、前回までなかった生徒指導提要にも触れていただいて、そもそも原理原則として生徒指導提要にはこのように書いてあるよねということをきちんとお示しになったことは、今回のこの資料が閣議決定される資料ということで、この資料にのっとって次に文部科学省の会議でも居場所づくり指針にこう書いてあるよねということを引用しながら議論ができる一つの重要な材料になるような表記の仕方をしていただいたように感じています。私からは、意見というよりは、ありがとうございましたということでコメントさせていただきます。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、植木委員、お願い申し上げます。

植木委員:植木でございます。

11ページの15行目「2.各視点に共通する事項」に該当する内容でございます。29行目の「(2)こどもの権利の擁護」ですね。この内容に関しては大変重要な部分でございまして、趣旨としては、大人がこどもの権利を擁護するということを再確認するんだという趣旨で書かれているということは理解ができます。しかし、これまで10回にわたって議論されてきた内容で、繰り返し言われてきた事柄としては、その前にこどもは権利の主体であるのだということ、これを踏まえた上で、その権利は擁護されるんだと。こういう流れが重要なのではないかなというふうに考えてまいりました。

そういった意味で、今回の文章をもう一度読んでみますと、この11ページ目に至るまでにこどもが権利の主体であるという文言が、私が見る限りでは見当たりません。例えば5ページにこどもの権利を基盤という言葉が出てきたり、6ページにこどもの主体性という言葉が出てまいりますけれども、権利の主体であるというふうな文言がやはり必要なのではないかと考えます。

18ページにようやくそういった趣旨が出てまいりますけれども、そこで一つ提案なのですが、11ページの29行目の「(2)こどもの権利の擁護の趣旨」を保持した上で、例えば31行目の「居場所づくりに関わる大人が広く」という前に、こどもが権利の主体であることを前提にという一文を入れてみてはいかがでしょうか。それであれば権利の主体ということも分かるし、それを踏まえて大人がこどもの権利を擁護するんだという趣旨も保持されるのではないかなと思われます。これが1点。

それから、2点目、小さなことなのですが、今の31行目のところで「大人」という表記が漢字になっております。ほとんど漢字なのですけれども、一部、平仮名で表記されている部分もあります。例えば10ページの20行目が「おとな」と平仮名で表記されているのですが、こどもが平仮名ですので、おとなも平仮名であるということに違和感はないのですが、この辺りの表記の揺れに関しては何か意図がございますでしょうか。

以上の2点でございます。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

こどもは生まれながらにして権利の主体であるということが、これはこども大綱の中間整理案のほうで明記をされているところでございますので、そうした記載ぶりも参考にしながら、こどもの居場所づくり指針の中でどのような表現ができるか工夫をしてみたいと思います。

それから、大人表記ですけれども、こども表記につきましては、平仮名のこどもというのが法律上定義されておりまして、そういった関係で平仮名のこどもを使っていくということになっておるわけですけれども、大人についてはそうした法律上の定義などが今のところございませんので、まだ平仮名のおとなになってしまっている部分があったわけですけれども、基本的には漢字の大人で統一する方向で整理をしていきたいと思います。

前田部会長:ありがとうございました。

ほかにいかがでしょうか。気づかれた点はございませんでしょうか。

成田委員、お願い申し上げます。

成田委員:たびたび申し訳ありません。2点ございます。

1つは、「つなぐ」の(3)のところなのですけれども、17ページの7行目からです。「その際、つなげる先だけではなく、つなげようとする者においても、本人にとっての居場所になりえる・なっている自覚を持ちながら、こども・若者に関わることが重要である」という記載があります。これは過去の議論の中で最終的な居場所というだけではなくて、その居場所に行くまでのプロセス、その過程でもそこが居場所になっているというか、つなげるために取り組んでいるという、そこの場もある意味居場所的な要素もあるという、そんな話から書いていただいたのかなと思ったのですけれども、今の書きぶりですと、つなげようとする「者」が居場所になっているみたいに読めなくもない。意図としては分かるのですけれども、つなげようとしている「関わり」ではなくて、つなげる関わりをしている「人」が居場所になっているような読め方もするかなと感じたので、つなげようとする「関わり」も居場所になり得るんだということで一つ区切っていただいて、そこを担っている人がそういう自覚を持って関わることが重要であるというふうに2文に分けて書くほうがよいのかなと感じました。

あと、これはどこというところではないのですが、(3)のどんなこどももつながりやすい居場所づくりの同じ箇所のところで、こども自身が居場所になかなかつながりにくい背景をお持ちのお子さんもいらっしゃるわけです。僕がふだん関わっている中で、例えば年齢的に高校生年齢とか青年期に移行するところの年齢の子であったり、あるいは少年院とか児童自立支援施設とか少し司法絡みの内容からまた地域に居場所をつくっていくみたいな、やはり年齢的には中高生が多いのですけれども、そういうお子さんたちの居場所づくりということを考えたときに、一つは児童福祉のところと成人の法的なすみ分けというか、いろいろな機関が児童福祉のほうでやっている機関と大人のほうをやっている機関とで役割がちょっと分かれてしまっていたりだとか、あるいは司法と福祉、医療、教育みたいな、そういう縦割りの部分で壁が厚かったりとか、こども自身のつながりにくさの背景ということだけではない、社会の仕組みのほうのためにつながりにくくなったり、居場所が確保されにくくなっている要素もあるように感じるのです。

そういったことを踏まえて、どういうふうに書くかというのは難しいのですけれども、この指針を基にそういったところの議論にも少し発展してほしいなということで、福祉とか医療、教育、司法とかその辺を具体的に書いていただいてもいいのですけれども、そういう各領域とか、こどもと大人のほうでの法律的な壁というか、相談機関の連携とか、そういったいろいろな社会的な仕組みのはざまを超えてのネットワークづくりみたいなこと。居場所というキーワードでそういうところの溝を埋めていく動きもすごく大事かなと思うので、その辺のネットワークづくりも必要だみたいなことがどこかに書かれていると、この指針を基にそういったところの修正にもつなげていけるかなと思いますので、最後の段階で申し訳ないのですが、一つ提案でした。

以上です。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

まず1点目のつなげようとする者のところなのですが、すみません、これは多分私の理解が不十分で、もともとこの文章は成田委員から以前御指摘があったところを反映してこういう表現にしたつもりだったのですけれども、反映が成田委員の意向をうまく汲み取れていなかったのかなと思うのですが、ここで今書いてある趣旨ですけれども、まさにつなげようとする方、つまりこの前の発言で言えば、たしか成田先生が、医者としてつなげようとする、医者自身がこどもたちにとって居場所になっているんだ、そういう自覚を持つことが大事なのではないかというような御指摘があったというふうに私は思いまして、こうした表現にさせていただいていますので、まさにこの表現は、つなげようとする者、その方自身がこどもたちにとっての居場所になっていることがあるという自覚を持つことが大事なんだということを表現しているもので、先生がさっきおっしゃっていたのは、つなげようとする関わりがその居場所になっているんだということを書き分けたほうがいいということだったのか、ちょっとすみません、よく分からなかったので、もう一度教えていただけるとありがたいです。

それから、2点目の制度的なところで本人の状況というか、特に青年期においてそうした制度の中でこどもが居場所につながりづらいというようなところがあって、それを連携によって乗り越えることが大事なのだというような趣旨のことは、どこかに入れられるかどうか、また部会長とも御相談して考えたいと思います。

成田委員:ありがとうございます。確かにこの部分、僕が粘り強くいろいろお話ししたことを反映していただいたところだなと思ったのですけれども、自分のほうの説明不足だったと思います。例えば医療の機会とかも居場所になるんだなということを感じたし、そう発言したのですが、例えば私であれば、医者もこどもの居場所に関わっているんだという、その人自体が居場所ではなくて、居場所づくりに自分が関わっているということの自覚を持つことが大事だという趣旨でお話をさせていただいていたのです。

なので、居場所自体は「関わり」、これはずっとこの指針のほうの最初のところの居場所の定義というか、そういう関係性も居場所になるんだということでお話が書いてありますので、そこに矛盾しない意味で、あくまで居場所の対象自体は「関わり」であって、その場に関わっている人ですかね。医者だったりとか、居場所につなげるケースワーカーさんだったりとか、そういう人たちが今関わっている、ここも居場所なんだという自覚を持つというか、そういうことが大事だということを言ってきたつもりだったのですけれども、ちょっとすみません。ちゃんとこの辺の細かいところがうまく説明できていなかったので。

伝わりましたでしょうか。すみません。

前田部会長:すみません、ごめんなさい、成田先生、私、おっしゃっていることが分からなかったです。事務局も分からないと思うので、もう一回直接やっていただいてもいいですか。

成田委員:分かりました。また後ほどメールを送らせていただきます。すみません。

前田部会長:多分、成田先生の前回の御発言が、医者として関わっている者は居場所であるという自覚を持つべきだとおっしゃっているので、それを一生懸命やったと思うのですね。それが今、違うとおっしゃっているのですよね。

成田委員:違うというか、ニュアンスの問題だと思うのですけれども、「人」が居場所というのではなくて、あくまで居場所は「関わり」で。

前田部会長:関係性。

成田委員:そうです。その関係性に関わっているということの自覚を持つことが大事という意味だったのですけれども、ちょっとあれですよね。すみません。なかなか僕もうまく説明できなくて。

前田部会長:事務局と一緒に考えてもらえればと思います。ありがとうございます。

成田委員:ごめんなさい。後でメールします。

前田部会長:ほかにいかがでしょうか。

小川委員、お願いします。

小川委員:ありがとうございます。

先ほど成田先生がおっしゃっていた司法とか教育とか福祉の連携に関して、「みがく」の19ページの(4)連携・協働のところで、例えば、特に支援の必要が高いこども・若者に関して25行目で明記があると思うのですけれども、この辺りで少し追記いただけるといいのかなというのを感じました。私も現場でその辺りの制度のはざまというのはすごく痛感するところなので、居場所ということをキーワードにそこを乗り越えていくというのは本当に大いに賛同するところで、その辺りはぜひ明記いただきたいなと思いました。

あと、多分、以前、4章の2番目のポチのところ、22ページの11行目に福祉と教育部門の連携が必要ということを入れていただいたので、その辺りにも追記いただけると分かりやすいのかなと思ったので発言させていただきました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかに。

青山先生、手が挙がっています。お願いします。

青山委員:青山です。

私もこの語句の統一をするかしないかの確認をさせてください。それは、よく出てくるもので、自己肯定感と自己有用感と自己効力感という言葉がこの中で使われているようです。私も今、検索し直してみたのですけれども、遊びが自己効力感を高めるという表記が今回追加されたことがあったと思うのですけれども、この指針全体の冒頭に居場所は自己肯定感と自己有用感を高めという表記があり、それが全体で多分2回か3回出てきます。自己肯定感だけが出てくる箇所もあるようです。遊びのところだけは自己効力感という言い方になっていて、厳密に使い分ける方ももちろんいらっしゃいますので、趣旨に合わせて、統一されていなければならないとは思わないのですけれども、ただし、似たような言葉ではあると思いますので、全体の書きぶりがずれ過ぎない程度に見直しておくといいのかなと思いました。どうしたほうがいいとまでは言えていないのですけれども、統一をする、しないのところの確認という趣旨です。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかに。

関戸委員、お手が挙がっていらっしゃいますか。

関戸委員:皆さん、こんにちは。すみません。今日はビデオがつけられない状況なのでカメラオフで失礼します。

今の用語について、それに関して特に自己効力感という言葉は私自身が提案をした言葉なので、私も前段で自己肯定感と自己有用感というのが出ていたのは知ってはいたのですけれども、あえてここは自己効力感というふうに私は提案をしています。遊ぶことを通して自分の世界を広げていく。自分自身が影響力を持てる範囲ですね。例えば泥団子を作るとか、形を変える、自分は何かを変えていくことができるんだという力を得ていくことで、遊びに関しては自己効力感を得るという言葉が入るほうがいいと思って、前回の発言で私は話しました。

ただ、居場所となると、多分、ありのままの自分を受け入れて、ありのままの自分でいいというふうに自分自身が思えるというのが自己肯定感ですよね。そして、多分、誰かに必要とされている感覚というのが自己有用感なのではないかなと思っていて、居場所となると遊びの話だけではないので、自己肯定感と自己有用感という言葉のほうがしっくりくるかなと私は思っているのですけれども、そのことで読み手側が混乱するというか、日本語の表記の似ていることで、自己肯定感、自己有用感、そして自己効力感というのが今回の指針の中で3つ出てきていますので、私もあえて書き分けたほうがいいと思って自己効力感というのは言ったのですけれども、何らか、例えば注なのか何なのか、分かりやすい日本語で、この言葉はこれを指すというのがあってもいいのかもというのは、自分で自己効力感というのを入れてもらいながら、前段の自己肯定感、そして自己有用感との関係とか読み手側の混乱を引き起こさないかというのは私自身も気になっていましたので、今、発言しました。

以上です。

山口成育環境課長:ありがとうございます。事務局です。

この指針の解説書というか手引きみたいなものも今後つくっていくということを先日も申し上げましたけれども、そうした中で解説をしていく中で、今御発言があったことも踏まえまして、そうした解説にも適宜反映させていただきたいと思います。

前田部会長:青山先生、どうぞ。

青山委員:基本的に今、関戸委員がおっしゃったように、使い分けた場合、遊びに自己有用感とかが出てくるのはやはり違和感があるというのもよく分かります。なので、読み手のところと趣旨とどう統一するかですね。単語にしないという手もありますか。でも、それだと変ですよね。自分のやれることが誰かに必要とされるとかと言い出すと文にするのもしんどそうなので、すぐに妙案は浮かびませんが、関戸委員のおっしゃることもよく分かりますので、その辺りで調整ができるといいなという感想ですが、以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

ほかに皆様、気づかれたことはございませんでしょうか。よろしいですか。大丈夫でしょうか。

安部委員、お願いします。

安部委員:ありがとうございます。安部です。

20ページの「ふりかえる」のところなのですけれども、こども大綱の素案のほうでこどもの権利、影響評価という言葉が出てくると思います。この20ページの29行目にも「こども・若者の視点に立つことやこどもの権利擁護など、本指針で記した居場所づくりの理念や性質を踏まえた指標となっているか」というのが出てくるのですが、ここをこども大綱に書いてあることと合わせる形で、例えば、こどもの視点や権利を主流化するための影響評価のような書き方ができるかどうかを検討していただけたらと思いました。

以上です。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

この文脈としては、まさに本指針で記した居場所づくりの理念や性質を踏まえた指標をここで今後、まさにこどもの意見を聞きながらしっかりつくっていこうということですので、こども大綱の表現をそのまま持ってこられるかどうかはあれですけれども、ちょっと難しいかなと思いますが、こどもの権利擁護という言葉は今、明記させていただいていますので、基本的にここは本指針で記した理念を踏まえた指標にすべきだという、居場所づくり指針の中の話をしているというふうに御理解をいただければと思います。

なお、こども大綱については、当然、こども政策全般に関わるものですので、居場所づくりを含め、全てのこども政策がこども大綱の理念にのっとって行われるということはそのとおりでございます。

前田部会長:ほかに気づかれた点はございませんでしょうか。いかがでしょうか。

それでは、次のパートに移らせていただければと思います。

次に、第4章及び第5章のパートに入らせていただければと思います。事務局より該当部分の説明をお願いします。

山口成育環境課長:第4章でございます。21ページを見ていただきたいと思います。21ページの5行目から「こどもの居場所づくりに関する者の責務、役割」というところでございます。

まず6行目ですけれども、「本指針で掲げるこどもをまんなかにしたこどもの居場所づくりに関する理念等を共有する」と、こどもまんなかという表現を入れております。

それから、9行目ですけれども、民間団体・機関の役割として中心的なというものを、官の役割もあるということもありましたので、重要な担い手であるというような形で修正をしています。

それから、13行目、学校のところですけれども、「学校には、教育機関としての役割のみならず、こどものセーフティネットになるなど居場所としての役割も担っており、その認識を深めていくことが重要である」ということで修正をしております。福祉的という言葉はやや受け止めの幅があり得るということで、むしろ福祉的という表現を書き下してしまって、こどものセーフティネットになるなど居場所としての役割も担っているというふうにしたほうが分かりやすいのではないかということで、そのように修正をしております。

それから、19行目から市町村は、管内の状況把握等を行いつつ、関係者と連携して質と量の両面から居場所づくりを進める。

そして、21行目ですけれども、都道府県は、市町村の取組を支えるとともに、管内の市町村間や都道府県間の連携を図りつつということで、県同士の連携や市町村間の連携について触れております。

それから、22行目から国の役割ですけれども、市町村や都道府県の取組を支えるとともに、自治体や民間団体・機関とも連携して本指針の周知啓発を行う。この指針の周知啓発行うということを明記しております。

それから、居場所づくりに関する、ここは文言の修正でございます。

それで、前回の部会におきまして、この関係者の役割、責務の中に、家庭ということを盛り込んではどうかという御意見がございました。その御意見の内容については、家庭において、例えばこどもを居場所につなげていくとか、そういった役割について記載ができないかというような御発言でありました。そこのところについては、ちょっと戻って恐縮なのですが、16ページの「つなぐ」というパートがあるのですけれども、こどもをつないでいくというときの16ページ、15行目で「利用のきっかけは本人の意思だけではなく、保護者や友人、学校の教職員や」ということで、ここに保護者が登場しておりまして、保護者もつなぐ人として例示をされていると。そして、そのつなぐ人の役割も重要だということで記載をしておりますので、そのような形でそちらのほうで読み込めるということで、関係者の責務という形では記載をしておらないということでございます。

この関係者の責務、役割のところは、1章から3章までがむしろ居場所づくりという内容面に即して書いてあるものを関係者の役割という形でいわば整理し直したものですので、第4章を細かく書いていくと全部繰り返しになってしまうところがございますので、そういった意味で、第4章につきましては関係者の役割を端的に整理したものということでございますので、分量的にもそういう形になっておりますが、そのような形で理解をしていただければありがたいと思っております。

それから、第5章が推進体制ということでございます。

説明は以上でございます。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、こちらのパートについて御意見のある方はお願い申し上げます。同じく発言の際には、前回の素案から修正した点を中心といたしまして、ページ数や行番号、何章の何番の項目への御意見かなど、御意見の箇所を明らかにしていただけると幸いです。また挙手でお願い申し上げます。いかがでしょうか。

菊地委員、お願い申し上げます。

菊地(英)委員:調布市の菊地でございます。遅れての参加となりまして申し訳ございませんでした。

私からは、第5章の22ページの「地方公共団体における推進体制」に関する部分についてなのですけれども、指針の文言の修正ではなくて、何度か申し上げているのですが、今後の生かし方についての要望をさせていただきたいと思います。

前の章の中でこどもの居場所づくりの重要な担い手となる民間団体・機関の役割について書かれていますけれども、推進体制の中にはその記載がございません。これらの枠組みを進める上で、都道府県や市町村というのがここに示されている推進体制を基に、民間団体と一緒に居場所づくりを進めていけばいいものというふうに理解しているのですけれども、そのためにも自治体において計画的に行政を進める上で、本指針を参考に自治体のこども計画上に明確に本指針の中身を位置づけていくことというのは本当に重要なのだろうと考えております。

早い自治体では、今年度から自治体のこども計画の予備調査なんかが始まっている段階にあるのですけれども、私自身が本部会の委員を務めさせていただいていることもありまして、近隣の自治体で同じ職務を務めている人間とかに本指針の中身であるとか、そういった議論がなされているのかどうかを聞いてみたりすると、なかなか浸透していないなというのが実感として感じられたところでございます。

もちろん私が聞いた相手というのは、その自治体の中で、自治体のこども計画を策定する部署の主管部署ではない方も含まれているのですけれども、自治体がこども計画を策定する上で、本指針が埋もれてしまうのではないかなということを非常に危惧しているところでございます。サードプレイスという言葉は、この業界では古くから使われていると思うのですけれども、最近ではだんだんと言葉として一般化しつつあるのもありますし、新しい概念の居場所というのも続々と生まれている、つくられているのかなと感じています。これは間違いなく社会的なニーズが高まっている背景がありますし、加速化させていくためにも自治体をうまく巻き込んでいただきたいと考えています。

資料2の概要版の中でこども計画の作成が努力義務であることに触れた上で、こどもの居場所づくりについて自治体のこども計画に位置づけて、計画的に推進していくことが求められるということが太字で強調されていたりということで、今後、国からの発信の部分でこの点についてさらに自治体に伝わるような形で表現していっていただきたいなと考えております。

何回か伝えている要望ですので、特に事務局からの回答というのを求める部分ではないのですけれども、手引きなんかも含めて、引き続きよい方策の検討をお願いしたいと考えております。

以上です。

前田部会長:ありがとうございました。

それでは、ほかに御意見ございませんでしょうか。お気づきの点はいかがでしょうか。

大東市の水野委員、お願い申し上げます。

水野(達)委員:お願いします。

私は、第4章の13行目「学校には」というところで、ここはさらっと書いているのですが、なかなか影響力の強い文章だなと感じております。私としてはいい意味で。というのも、コロナ禍で学校の福祉的機能の重要性が再確認されたというお話は私もいたしましたし、今村委員からも御指摘があったところかなと思っております。しかし、学校現場の認識としては、目的としてこのような役割だったのか、結果として見えた役割だったのかという整理は結構グレーなのですね。

ということは、ここの今の文言で見ると、役割のみならず、セーフティネットになるなど居場所としての役割も担っておりというのは、つまり、目的としてこういうセーフティネットをやるんだという一つのこども家庭庁のこの指針の意思表示になってくるかなと思います。当然そういう社会になってほしいなと私は願ってはいるのですが、現実問題に、もともとそうだと思ってやっている学校においては、例えばですが、スクールソーシャルワーカーの拡充であるとか、はたまたビッグデータを活用したスクリーニングの予防的な抽出であるとか、そのようなものは実際にしているのですけれども、こう書くのであれば、それができるような学校へのサポート体制の構築というのが私はセットかなというふうに感じております。その意味合いがこれだけで伝わっていくのかなというところがちょっと不安だったので意見をさせていただきました。

以上です。

前田部会長:ほかにいかがでしょうか。お気づきの点はございませんでしょうか。

今村委員、お願いします。

今村委員:ありがとうございます。

今の水野さんの御発言に重ねるのですけれども、すごく大切な点だなというふうに感じました。令和の日本型答申という中教審が出した答申には、学校はセーフティネットなんだということが書いてありましたけれども、確かにそれは、結果としてそうなっているということが判明したみたいな論調だったような感覚もありまして、セーフティネットとしての役割を担うための機能の充実をリソースとして下ろされたわけではないというのが現在地かなというのは確かにそのとおりだと思います。

なので、セーフティネットの役割も機能も結果的に果たしているということも見えてきているみたいな、だけれども、よりそれを今後充実するためにも様々な支援体制が必要ということが一言書いてあれば、今の学校のリソースの中で丸投げするという意思をこども家庭庁のここの会議から発言されているとは受け取られない可能性もあるなというふうに思いましたので、そういった頃合いで書いていただくといいのかなと思いました。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

ちょっと今の表現については、閣議決定の文章になりますので、当然文部科学省ともよく協議をした上で今のような記載になっておりますので、そういった意味では文部科学省も了承していただいて、今のような表現になっているということでございます。なお追記ができるかどうかについては、また相談をいたしますけれども、今の段階でさらに追記をするというのは、もしかしたらちょっと難しいかもしれませんが、いずれにしてもよく調整させていただきたいと思います。

前田部会長:ほかにいかがでしょうか。

大竹委員、お願いします。

大竹委員:大竹でございます。本当にありがとうございました。今回もいろいろブラッシュアップされて大変内容が十分に反映されたものになっていると思っています。

先ほど事務局のほうから家庭とか保護者、前回のところで私のほうからも発言させていただいた部分でもあるのですけれども、本当に事務局のほうで各方面への配慮を踏まえた中でのこの表現というところでは、私は、こちらが意図するところはこの文言で表現に反映されているのではないかなと思っていますので、大変ありがとうございました。

以上です。

前田部会長:それでは、安部委員、お願い申し上げます。

安部委員:安部です。ありがとうございます。

1点だけ確認があります。21ページ、第4章、6行目の「本指針で掲げるこどもをまんなかにしたこどもの居場所づくりに関する理念等を共有する」とあるのは、6ページの4行目「『こどもまんなか』の居場所づくりを実現する」を受けた文章だと思うのですけれども、これはもう少し遡ると、5ページの「国としてもこどもの権利を基盤とした居場所づくりについて一定の考え方を示すことが求められている」と同じ意味だと捉えてよいですか。つまり、こどもまんなかの居場所づくりというのは、こどもの権利を基盤とした居場所づくりと同じだというふうに理解してもいいかどうかという質問です。

山口成育環境課長:事務局です。

そのように理解していただいてよろしいかと思います。

1点だけ、大分前にあった大人の表記のところですみません。ちょっと恐縮なのですけれども、こども大綱の中間整理案を見ると、今、おとなというのは平仮名で記載されていて、さっき私は漢字の大人で合わせる方向でと申し上げたのですが、その辺はこども大綱の担当部署ともよく相談をしながら、いずれにしてもあまりぶれるのはよくないと思いますので、どちらかのほうで、つまり平仮名にするか漢字にするか、混ざらないような形で統一の方向で検討したいと思います。申し訳ございません。

前田部会長:ほかにいかがでしょうか。

本日、御発言のない委員の方もおられますが、大丈夫でおられますか。よろしいですか。

それでは、一旦これにて第1の議事は締めさせていただきたいと思います。

次に、事務局から資料2と3についての御説明をお願いします。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

資料2と資料3を御覧いただきたいと思います。資料2は概要版という形で作成しています。それから、資料3はやさしい版ということで、概要版のやさしい版という形でお示しをしております。これはこれまでの部会でもお示しをしてきておりまして、今、実施をしておりますこどもパブリックコメントの資料として、このやさしい版については使っておりますし、概要版のほうは大人のパブリックコメントのほうに使っているもので、これを資料1の修正内容を踏まえて一部修正したものを本日お配りしているというものでございます。

こどもの居場所づくり指針につきましては、今後、政府としてまず閣議決定を行いました後に、周知のための分かりやすい資料を別途作成する予定でありますけれども、本日お示ししております概要版につきましては、そうした周知資料ができるまでの間、関係者への説明などで用いることを想定しているものでございます。なので、ある意味、暫定的なものではございますけれども、世の中に出ていく資料ではございますので、改めてこちらについて御質問や御意見等があればいただきたいということでございます。

内容につきましては、内容をこちらのほうで要約したものですので繰り返しはいたしませんけれども、見ていただければその内容が集約されたものになっているかというふうに思います。

前田部会長:ありがとうございます。

それでは、資料2と3について、何か御質問、御意見がある方はお願いいたします。いかがでしょうか。

皆さん、よろしいですか。何かお気づきの点はございませんでしょうか。

青山委員:青山です。

この指針案を議論する中で、序盤で割とよく議論した中に、居場所づくりが求められる背景のところが割に指針の文言でもいろいろな議論があったと思います。そこがちょうど3段落になっているので、今この資料2の概要版の3ページの上に地域コミュニティの変化、複雑かつ複合化した喫緊の課題、価値観の多様化というふうに3つに背景をまとめていただいているのですが、人に説明するときにちょっとイメージしづらいなというふうにも思っていて、やはりかなり概要版のほうが読まれることが多いでしょうから、これを見た方が、そうだそうだ、居場所づくりって必要だよねと思ってもらうには、この背景の部分がすごく重要だと思っていて、内容を変える必要はないというか、指針の内容と揃えることは当然だと思うのですけれども、もうちょっと分かりやすい書き方ができるといいなと思っていました。変化とか課題というのは、頭書きのところに中身が書けるといいのですかね。文字数も限られると思いますが、ちょっと僕も考えてみたいと思いますけれども、ここが気になったところです。

以上です。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

ほかにいかがでしょうか。

湯浅委員、お願いします。

湯浅委員:すごく些末なことかもしれず、質問するのがややはばかられるんですけれども、聞いていいですか。

前田部会長:もちろん。

湯浅委員:資料3のこども向けの版で、例の4つの基本的な視点のところですけれども、「ふやす」、「つなぐ」、「みがく」、「ふりかえる」ですね。これは円グラフっぽくなっているのですけれども、「ふやす」が左上に来ている。「ふやす」、「つなぐ」、「みがく」、「ふりかえる」の順番だと右上に来るのが自然な気がしたのですけれども、概要版とかを見ているときはあまり気にならなかったのですが、ちょっと円がずれているというか、だけれども、これはきれいな円グラフになっていて、1番が左上から始まっているというのが、別にそれで何かがいけない、困ったことになるかといったら何も困ったことにならないので、これでもいいのですけれども、右上から始まるものだみたいな印象があったものですから、ちょっと口に出しておきました。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

本文ですと、この4つには順序はなくということで書いてあるので、「ふやす」が一番最初ということでは必ずしもないのだとは思うのですけれども、矢印の位置が多分、「つなぐ」の上に矢印があるものですから、ここから読めみたいな感じがするのかもしれませんが、例えば漫画とかだと左上から読んでいくので、それはそれでそういう読み方もあるのかなと思いながら、矢印の位置をもしかしたら変えたらいいのかもしれないかなと思いました。

湯浅委員:強いこだわりはありません。すみません。

前田部会長:ほかにいかがでしょうか。

関戸委員、お願いします。

関戸委員:ありがとうございます。

私の意見は、改めて指針そのものの検討をしてきた中で、概要版とやさしい版に目を通したときに、やはりやさしい版ってこどもが見るものということで、こういう整理の仕方をされていると思うのですけれども、私は、居場所で過ごすこどもの全てではないですけれども、多くは多分その場で遊ぶということをしながら過ごしているのではないかなと思っています。なので、やさしい版には過ごすということが書いてあるのですけれども、ここにどうにか、何らか遊ぶということができる場所なんだというのがこどもたちに分かったほうが、こどもにとってとても身近な遊ぶという行為がやさしい版には言葉として入っていないので、どこかに遊ぶという言葉を一言入れられるといいんじゃないかないというのを私は感じて、今、発言をしました。

以上です。

山口成育環境課長:本文の中で遊ぶというところがたくさん出てきますので、やさしい版のほうにも何らか反映できないか、少し検討して反映したいと思います。

関戸委員:ありがとうございます。

前田部会長:ほかにいかがでしょうか。

小川委員、お願い申し上げます。

小川委員:私から1点質問なのですけれども、このやさしい版とか概要版というのもパブリックコメントを踏まえて修正が反映されるものなのでしょうかというところで、特にこのやさしい版をどういう視点で修正していくかというところは、実際に読んだこどもたちの意見も踏まえて反映ができるといいのかなと思ったので、ちょっと質問をさせていただきました。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

パブリックコメントの結果で本文が仮に修正されましたら、それは当然修正で必要なものがあれば、こちらの概要版ややさしい版にも反映されます。

それで、こども向けの資料については、まさにこどもの意見を聞かないといけないと思っているのですが、さっき申し上げたように、正式な周知資料としては、きちんとこの指針が閣議決定された後にこども版も含めて周知資料をつくっていきますので、そうしたプロセスの中では当然こどもの意見も聞いてつくっていくわけなのですが、これはある意味それまでのつなぎの資料として、だからあまり出番がそんなに頻繁にあるかということはあるのですけれども、それはそれとして、そうはいってもつなぎの資料としても世の中には出ていくものですので、そういった位置づけのものとして御理解いただいたらと思っております。

小川委員:ありがとうございます。

前田部会長:ほかに何か気づかれた点はございませんでしょうか。いかがですか。

では、皆さん、御意見ございませんでしょうか。

それでは、資料2と3についての議事はこれにて終わりたいと思います。

それでは、本日これで終わりということになってしまうのですが、皆さん、まだ本体の指針のほうで気づかれたことはございませんか。大丈夫でございますか。

また、本当に今、用語の統一とか皆さんテクニカルな点でまだ間違いもあるかもしれませんので、見直していきたいと思います。お気づきの点がありましたらどうぞ御連絡をください。ありがとうございました。

それでは、事務局より事務連絡をお願いします。

山口成育環境課長:ありがとうございます。

パブリックコメントが今週末22日までとなっておりますので、その結果を踏まえまして、今月の31日に次回の部会を予定しております。よろしくお願いいたします。

前田部会長:それでは、本日の会議はこれにて終了といたします。皆様、どうもありがとうございました。