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こどもの居場所部会(第6回)

概要

日時:令和5年8月9日(水)16時00分から18時00分
場所:こども家庭庁 22階 庁議室

【オンライン配信URL】
URL:https://youtube.com/live/1_-Yem2eEWw

議事

  1. 開会
  2. 議題
    (1)「こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)」の各論点について
  3. 閉会

資料

議事録

前田部会長: 定刻となりましたので、ただいまから「こどもの居場所部会」第6回を開催いたします。
委員の皆様にはお忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

本部会長の前田です。よろしくお願いいたします。

本日は、対面とオンラインのハイブリッドにて開催させていただきます。

なお、山本委員は御欠席との御連絡を承っております。

それでは、まず事務局より資料の確認をよろしくお願い申し上げます。

山口成育環境課長: 事務局です。

それでは、資料の確認をいたします。配付資料は、資料1が論点(案)資料です。次第、参考資料に加えまして、非公開資料であります前回のこどもヒアリングの議事概要を合わせまして、計7点となっております。

資料の欠落などがございましたら、事務局までお申しつけください。

また、今回の部会は、傍聴希望者向けにユーチューブでライブ配信をしております。

頭撮りはここまでとさせていただきます。

それでは、前田部会長、よろしくお願いします。

前田部会長: それでは、次第(1)「『こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)』の各論点について」に入ります。

まず、事務局から御説明いただき、その後、議論に入りたいと思います。

それでは、事務局より御説明をお願い申し上げます。

山口成育環境課長: それでは、資料1を御覧ください。

「こどもの居場所づくりに関する指針(仮称)」の章立てのイメージという資料でございます。章立てのイメージとして事務局として作成したものであります。第1章「はじめに」、第2章「こどもの居場所づくりに関する基本的事項」、第3章「こどもの居場所づくりを進めるにあたっての基本的視点」、第4章「推進体制等」といった形でまとめております。

2ページは、今申し上げた章立てをさらにブレークダウンしたような形で、各章ごとの論点の案としてお示ししているものでございます。

3ページを見ていただきますと、このうち第3章の基本的視点に関して、官民の役割の整理のイメージとして、それぞれの役割をこういった形で整理してはどうかというイメージをお示ししております。

4ページ目以降は、それぞれの論点について、これまで委員の皆様からお伺いした意見、ヒアリングで得られた意見、そして昨年度実施いたしました調査研究事業において報告書に記載されている内容、これを論点ごとに整理をしたものでございます。論点について御議論いただく際に参考にしていいただければと思います。一つ一つについて御説明することは控えますけれども、こういった形で論点ごとの過去あるいは報告書の発言が記載をされております。

最後、26ページです。報告書の章立てで言うところの第4章に当たります「推進体制等」のほかの資料のイメージとして、「こどもの貧困対策大綱」で同様の記載の箇所を参考までにつけておりますので、御参照いただければと思います。

私からの説明は以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、ここから各論点につきまして意見交換の時間とさせていただきます。

本日は、論点(案)の中の「総論」と「ふやす」の2つの項目について、それぞれ45分程度で御意見をいただければと存じます。

まず、初めに「総論」のパートにつきまして、1-1から1-4まで問いが分かれておりますが、問いごとに分けて進めるのではなく、「総論」全体のパートとして皆さんの御意見を伺いたいと考えております。そのため、御意見をいただく前に、「1-1について」など、どの問いに対しての御意見かを明らかにしながら御発言いただければと思います。

よろしくお願いします。

それでは、御意見のある方は挙手で、オンラインの方は挙手ボタンを押していただき、お願い申し上げます。いかがでしょうか。

植木委員、お願いします。

植木委員: 新潟県立大学の植木でございます。

1の「総論」、全体に係ることかと思いますけれども、この指針がつくられた後、どのように生かされるかというところが少し気になっております。

例えば、「こども大綱」等に関しましては、その後の基礎自治体の子ども・子育て会議等に反映されるということがある程度想定されるわけでございますけれども、本指針に関しても、12月をめどにつくられて、その後、施策を具体的に進めるのが基礎自治体だと考えられますので、その基礎自治体で現在立ち上がっております各子ども・子育て会議等にこの指針が何かしら生かされる、反映されるような仕組みを明確にされたらどうかと思いますけれども、その辺りはいかがでしょうか。

前田部会長: 事務局への御質問なので、答えていただけますでしょうか。

山口成育環境課長: 事務局です。

「こどもの居場所づくりに関する指針」をこれからどう活かされていくのかというお尋ねでした。

「こどもの居場所づくりに関する指針」については、国としての政策の指針という形で、閣議決定という形で示すものになりますので、指針の中に書く内容に、例えば地方公共団体の役割について記載をするとか、そういった形で地方公共団体に対して国の指針としてお示しすることも考えられますし、あるいは、例えば「こども大綱」であれば、「こども大綱」の中にも、これは別の部会で検討中ですけれども、こどもの居場所づくりに関する記載も何らか盛り込まれることになると思います。そういった中で、「こどもの居場所づくりに関する指針」について言及をするとか、そういった形で政府の指針として盛り込んでいくことが考えられると思います。

植木委員: 分かりました。ありがとうございました。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、オンラインのほうで安部先生と大東市の水野委員からお手が挙がっておりますので、まず、安部委員、お願いできますでしょうか。

安部委員: 安部です。ありがとうございます。

指針の議論を始める前に、植木委員がおっしゃったことと関連して確認したいことが3点ございます。「こども大綱」について2点、居場所部会の検討に関することが1点です。

「こども大綱」に関することですけれども、第1回の居場所部会の資料2で、内閣総理大臣からのこども家庭審議会に対する諮問の中で、「こどもの居場所づくりに関する指針」の具体的な事項の検討は、「こども大綱」の検討と十分に連携を図ることが明記されていました。

「こども大綱」については基本政策部会で主に議論をしていると思うのですけれども、こどもの居場所部会の検討事項、内容は、どのように「こども大綱」に反映されるのかというのが質問の1つ目です。

「幼児期までのこどもの育ち部会」や「こどもの貧困対策・ひとり親家庭支援部会」の構成員は、基本政策部会の構成員と何名か重複をしていますので、基本政策部会にも意見が反映しやすいのかなと考えています。ところが、本部会からは基本政策部会には誰も参加していませんので、ここで検討した結果は反映されるのかなというのが懸念事項としてあります。

また、前回、せっかくこどもたちにヒアリングをしたのですけれども、そのこどもの意見が大綱に反映しないのはもったいないので、ぜひこの辺りは反映してほしいと考えているところです。それが1点目です。

2点目は、同じく諮問の中では、「こども大綱」の検討に当たっては、「少子化社会対策大綱」、「子供・若者育成支援推進大綱」、「子供の貧困対策に関する大綱」の事項を含むものというふうに明記をされているかと思います。特に子若大綱に関しては本部会の検討と重なる部分もかなりあるかなと思うのですけれども、基本政策部会の話合いではこの3つの大綱はあまり触れられていないように思われます。

そこで、この3大綱がどういう形で基本政策部会の中で今後話し合われるのか、事務局が分かる範囲で教えていただければと思います。これが2点目。3点目、部会に関してです。第1回のこどもの居場所部会の参考資料3では、本部会の所掌事務として、1.こどもの居場所に関する指針、2.放課後児童施策に関わる調査審議、3.遊びのプログラム等に関する調査審議というのが挙げられています。

現在、締め切りがあるということで指針の策定を中心に話し合っているわけですけれども、2と3については全く検討されていないように見受けられます。放課後児童施策に関しては、例えば放課後児童クラブ一つ取っても、待機学童であるとか、あるいは事故、性加害、現在、日本版DBSの話合いが行われていると思いますけれども、放課後児童クラブや児童館で働く方たちはこの議論に含まれていないようにも思われます。なので、これらの件は早急な議論が必要ではないかと思うので、別途、専門委員会やワーキングを立ち上げる必要があるのではないかと考えるのですが、事務局のお考え、あるいは見通しがあれば教えていただければと思います。

以上です。

前田部会長: 事務局への御質問です。

山口成育環境課長: ありがとうございます。事務局です。

まず、「こども大綱」の関係について2点御質問がございました。「こども大綱」については、基本政策部会のほうで議論をしていますので、まずはそちらのほうで一義的に議論をしていただくことになりますけれども、「こども大綱」と今我々が議論している居場所部会の居場所指針との関係で言いますと、居場所指針というのはこどもの居場所についてまとめるもので、「こども大綱」はそれよりもう少し広い、ある意味、こどもの居場所づくりを含むこども政策全体についてまとめた大綱であるという形ですので、我々の議論している「こどもの居場所づくりに関する指針」がもうちょっと各論的な、具体的な居場所づくりに関する議論であり、「こども大綱」はそれを含むもっと大きな、全体を横で貫くような、そういった大綱の議論をしているという関係性になっていると考えています。

具体的な「こども大綱」の案文がどうなっていくのかというのは、これはまさに基本政策部会で御議論いただいているところですけれども、内容的には、先ほども少し申しましたが、「こども大綱」の中にこどもの居場所づくりについては、「こどもの居場所づくり指針」を踏まえるとか、のっとって進めるということが記載されていれば、「こどもの居場所づくり指針」の内容は全てそこに反映をされることになりますので、まさにこの部会で今これから皆さんに御議論いただくところが漏れなく盛り込まれることになると考えております。

それから、放課後児童クラブ、その他遊びのプログラムに関する議事についてですけれども、今、委員のほうからもありましたように、まずは「こどもの居場所づくり指針」を先に御議論いただきたいと思っております。その上で、「こどもの居場所づくり指針」に今後盛り込まれるである内容について、例えば放課後児童クラブにも当然反映する必要があるといったようなこと、あるいはその際に、今、放課後児童クラブの運営指針というものがありますけれども、例えばこれを改正する必要があるかもしれないという議論になった場合には、どういった形でやるのか、専門委員会でやるのか、ワーキングでやるのか、そこはまだ決まっておりませんけれども、審議事項に含まれているものについては、当然、この部会に御相談することになると思っております。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

安部委員: 3つの大綱に関してはいかがですか。

山口成育環境課長: 3つの大綱については、その3つの大綱を踏まえて、今、基本政策部会で御議論されていると思っております。

そういった意味では、うちの部会との関係でいいますと、うちの部会ではまさにこどもの居場所づくりについて今議論していますので、そういった形で「こどもの居場所づくり指針」という形でまとめたものを、先ほど申し上げたように「こども大綱」の中にしっかり盛り込んでいただくという形で反映ができればと思っております。

安部委員: 分かりました。連携をしていただければと思います。ありがとうございます。

前田部会長: ありがとうございます。

次に、大東市の水野委員、お願い申し上げます。

水野(達)委員: お疲れさまです。

では、私のほうから意見として、まず1章の部分においては、これは意見ですけれども、章立てが、背景があって、経緯があって、そして理念という順番になっているかなと思うのですが、私の感覚としては、最初にまず理念があって、要は描きたい未来というものが最初にばんとあった上で、それがつくられていった背景や経緯の説明のほうが分かりやすいのかなと感じました。ただ、これが理念ではなくて目的という形であったら、今の順番のほうがしっくりくるのかなとも思います。ですので、目指したいこどもの居場所というものが、我々は今こんな理想を描いているのですよというのが理念のところに大いに反映されていってほしいなという思いもありますので、理念が最初に来たほうが分かりやすいかなという意見です。

2点目です。先ほど委員もおっしゃっていたと思うのですが、この指針ができて、各自治体にそれが情報として下りてきて、さあ、どうしていくかという実動に移すときに、恐らく今のままでは、これは福祉がやるのか、これは教育がやるのかというような綱引きや押しつけ合いが残念ながら現実問題として起こる可能性があると思います。

ですので、教育委員会の視点で言えば、今までの議論はどちらかというと福祉的に捉える内容が多かったと思うのですね。居場所がない、マイナスの状態のケースを何とかすくい上げていこう、居場所につなげいこうという論点が比較的多かったかと思うのですが、そこももちろんありつつも、教育行政もそこにかんでいって、学校も家庭も居場所としてはあるよという子に対しても、より伸ばしていく、よりウェルビーイングに近づくためのプラスアルファの居場所の整備が必要だというような論調が、1章か「ふやす」の項目にあったらいいかなと思いました。

これも2章の「ふやす」の項目になるかなと思うのですが、以前、どなたか委員がおっしゃっていたと思うのですが、居場所というのを全て大人が、こどもはこういうのを求めているであろうというもので進めていくと、どうしても不具合が出てしまうのではないかという御懸念が過去の議論でもあったかと思うのです。

それであるならば、「ふやす」の項目に、こども自身がクリエイトしたい場合、こういうようなやり方があるよ、こういう伴走者がついて、こんなケースがありますよみたいな、こっちが居場所をこしらえた事例ではなくて、こども自身が居場所をつくることができるプラモデルの設計図のようなものが指針のさらにその下のプランでつくりやすいように一文入れておいたほうがいいのかなと感じました。

意見として3点です。以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

「ふやす」の部分も御意見をいただいたようでありがとうございます。まずは第1章の「はじめに」の総論のところをやりたいと思いますので、また御意見をよろしくお願いします。

成田委員のお手が挙がっておりますので、お願いします。

成田委員: お世話になります。

ほかの委員の方とも意見がかぶるかもしれないのですけれども、これまでの部会で、お子さんからのヒアリングも含めて、居場所づくりということについて自分自身もいろいろ学ばせてもらったなと感じているのですけれども、総論の部分は、居場所とか居場所づくりということについての考え方というベースになるところだと思うのです。

これが、子供の居場所をつくろうと思っている、そういうモチベーションを持っている大人だけが関係する内容ではなくて、特にこどもの居場所に自分が関わっているとはそれほど自覚していない大人も、こどもの居場所を保障するか、もしくはこどもの居場所を知らず知らずのうちに悪気なく失わせてしまっている場合もあるというような意味合いで、僕自身もこの部会に参加して、かなり広い範囲の大人が居場所とか居場所づくりということに、直接的にしろ間接的にしろ関わっているのだなということを教えてもらった、そのことを無駄にしたくないなというのがありまして、それが、僕はさっきの「こども大綱」とか専門委員会の仕組みのことは詳しく分かっていないのですけれども、とにかく何かしらそのことが具体的に、例えば学校も居場所として大事ということもありますし、居場所という考え方自体がいろいろな分野、ほかの省庁が管轄するところとか、そういうところにも今後継続的に考えてもらうきっかけになるような、そんな形でこの指針の総論の部分を活用してもらいたいなと思っています。

まとまらないのですが、以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

大空委員、お願いします。

大空委員: 大空です。ありがとうございます。

基本的な進め方については特に異論はないのですけれども、気になっているのは、もちろん指針の本体の章立ては重要だと思いますが、正直申し上げて、本体を全部読む人はほぼいないと思うのですね。概要版が出されると思いますので、概要版がどういう構成になるのか、10~20ページぐらいになるのかもしれませんけれども、これが非常に気になっているところです。

その上で、これはこれから先の話になるかもしれませんけれども、4つの視点みたいなものが第3章以降で書いてくると思うのですね。ただ、その4つの視点の前に、検討委員会で3つの視点というのがあって、「居たい・行きたい・やってみたい」。この3つの視点と4つの視点が2つ出てきたときに、それぞれどういうふうな整理をするのかというのを総論の中でしっかり示したほうがいいのではないかと。

「居たい・行きたい・やってみたい」は、この4つの視点の上位概念のような捉え方もできるような気もする。4つの視点はつくるというところに重きを置いている。一方で、3つの視点、「居たい・行きたい・やってみたい」は、どちらかというと居場所という概念そのものに対して大切にしたいと。

ですから、「居たい・行きたい、やってみたい」、今回のこの中では3回ぐらい言及をされていると思いますけれども、これを理念のところで具体的にもう少し示していく。結局、3つ、4つ、どっちなのだという話になりかねないと。これはいろいろな混乱もしくは誤解を生じる可能性もありますから、個人的には、これはある種の上位理念として3つというものは堅持をしていただいて、あくまでこの4つの視点はつくっていくときにおいて非常に大切にしていきたい視点なのだというような整理の仕方をしていただくのがいかがかなというのが一つ提案でした。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

事務局への御質問ではないですね。

大空委員: もし御見解があれば。

山口成育環境課長: 皆さんで議論していただく内容かと思います。

前田部会長: では、調布市の菊地委員のほうがお手が早かったと思うのです。

菊地委員: 1点質問で、1点意見になります。

1点目が、これから総論的な議論を進めていくことになると思うのですけれども、先ほど「こども大綱」にひもづくような形で居場所づくりの指針が決まっていくのだという説明があったかと思います。これから我々が議論していく内容とか理念、特に理念というのは普遍的なものなのかなと思うところがあるのですけれども、今、議論する内容というのはどれぐらいの期間でなすべきか、期間的なものを少し定めた上でやっていくものなのか、あるいは、理念に関しては普遍的なものであって、実施事項については何年以内にやっていくのだとか、少しブレークダウンした考え方があるものなのか、特にこれから議論するものの期間をどういうふうに考えたらいいのかというのを教えていただけないかというのが1点目です。

2点目が植木委員の御意見に関係することで、指針ができた後に、基礎自治体のほうで子ども・子育て会議にかけて各基礎自治体の計画に反映させていく形になろうかと思います。その際に、基礎自治体という立場で言うと、大綱というのがすごく大事なものなのだろうなと。そこに目線がどうしても行きがちになってしまうところがありますので、ぜひ大綱の中に、一文添えるという形ではなくて、もう少し引用できるとか、あるいは各自治体であるとか、それを見る人にちゃんとこれが指針として出ているのだよという見せ方の工夫があると、我々が今議論する内容がより反映されるのかなと思っております。

以上です。

前田部会長: 御質問が1つ出ました。

山口成育環境課長: 事務局です。ありがとうございます。

期間的なものは、どのぐらいのイメージなのかというお話がございました。それ自体が議論の対象になっているわけではありますけれども、こうした指針については見直しを定期的に行っていくことが一般的でありまして、その際に、当然、理念についてももし変更があれば見直しをしていくわけですけれども、おっしゃるように理念的なところがそんなに数年ですぐころころ変わるとも普通は思いませんので、そういった意味で、指針全体の見直しの中で必要なところをその都度議論して、必要があれば変えていくというような形になろうかと思っております。

菊地委員: ありがとうございます。

前田部会長: では、水野委員、お願いします。

水野(か)委員: 育成財団の水野と申します。よろしくお願いいたします。

植木委員、安部委員のお話にもありましたように、大綱との関係性はとてもよく分かりました。また、今、菊地委員がお話しされたように、基礎自治体が分かりやすい、具体的なという部分が書かれておりますので、この指針の中にも分かりやすい具体的な事例等の内容が盛り込まれることがよろしいのではないかと感じております。

また、安部委員からお話がありましたが、この後の「ふやす」とか「つなぐ」というところに「放課後児童対策に関する専門委員会」とか、遊びのプログラムに書かれている内容が少しずつ盛り込まれていくという解釈でよろしいのか、その辺りについてはこの後また議論が深まるのかというところを一つ質問とさせていただきます。

以上です。

前田部会長: 御意見と御質問でございました。

山口成育環境課長: 「ふやす」のところについては、まさに今日これから議論していただくところですので、そこで「ふやす」の論点について御議論いただければと思います。

この居場所づくりの指針については、様々な居場所がある中で、そういった居場所に共通するような理念とか考え方、大切にしたいものをある程度ある意味抽象化して記載することになりますので、それこそ放課後児童クラブであれば放課後児童クラブの運営指針といった個別の居場所ごとの指針なりガイドラインもございますので、より具体的なものはそこに記載していく。そういった中で、各居場所に共通するような理念について、この居場所づくり指針に記載をしていく。そういった役割分担になろうかと思っております。

前田部会長: それでは、次に宇地原委員、お願いします。

宇地原委員: ありがとうございます。宇地原です。

まず、居場所づくり自体が一つ手段だと思っていまして、例えば貧困とか虐待みたいな問題とは違って、打ち手になっているので、何をやるかというのは聞く人たちからするとすごくイメージしやすいのかなと思っていまして、自治体とか事業者からしても、何をするのかというのはすごく分かりやすい部分かなと思っています。

だからこそ、居場所をつくるということ自体が目的化しないかということを少し懸念していまして、総論の中でも、居場所がなぜ必要かであったり、居場所づくりの理念とはと、1-2-1 だとそれによってつくりたい未来があるのですけれども、居場所があるということ自体が今ゴールになっているような気がしていて、その先に何があるのかというのを明確にしておく必要があるかなと思いました。

こどもの権利を守っていくというのがベースにあると思うのですけれども、具体的にこどもや保護者あるいは地域、若者がどういうふうになっているのがいいのか、何を目指すのかというところはクリアにしていきたいと思っています。

居場所づくりが目的化することのもう一個懸念としては、居場所万能論みたいな話になってしまうと、一社会資源だと思うので、できることには限りがありますし、ほかのこどもに関する施策との掛け合わせの中で機能していくものだと思うのですけれども、やはりつくることが先鋭化していく中で過剰に負荷を強いられたり、それがあれば全て解決するよねというふうになっていかないといいなと思っています。ここは、先ほどから挙がっている「こども大綱」という全体の議論の中で、この居場所づくりというものはどこの部分に寄与する話なのかということが位置づけられていくといいのかなと感じています。ここは後段の「ふやす」の議論とも一緒なのですけれども、増やすことだけが目的化しないとか、そういったところは気をつけていきたいと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

それでは、今、オンラインのほうで6名の方から手が挙がっておりまして、画面に出ている順番で御発言をお願いしたいと思います。

まず、荒木委員、お願い申し上げます。

荒木委員: ありがとうございます。荒木です。

私は、先ほどの大空委員の意見に賛同したくて手を挙げました。検討委員会での内容をもっと全体的に反映していただきたいと考えているからです。検討委員会最終に向けて、みんなでどういう言葉を使うべきか、どんな理念でやるべきかということをすごく突き詰めたものになっていますし、最後、こども基本法、子どもの権利を基盤にしていく、その中で指針をつくるということの重要性で、皆さんと気持ちが統一された部分がありました。

私たち委員がさらに学ばなければならないということも示唆いただいた部分もありました。

ですので、その議論を生かしたものにしていきたいと思っておりますので、手を挙げさせていただきました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

次に、青山委員、お願い申し上げます。

青山委員: 青山です。

私からは2点あります。1点は、これまでも出てきたことですけれども、この指針が誰宛てのものなのかということをきちんと意識しておく必要があるだろうと思うのですね。

今回、3ページ目に表があって、現場から国まで5つのカテゴリーに分けられていて、基本的にはこれが主な宛先となるのかなと理解しているのですけれども、とはいえ、この5個だけではなくて、居場所づくりを目的としていない場合であっても結果として居場所になるような取り組みもたくさんある。さらに、学校も含めて、家庭も含めて居場所というものを世の中にどう増やしていくかということが課題なのだということで考えると、最初にこの指針というのが関係する人は誰なのかということを少し広めに、皆さんに関係のあるものですよ、居場所という言葉を使っていなくても、居場所に関わる大人たちはたくさんいるのですよというのをきちんと明示できるといいかなと思いました。これが1点です。

もう一点は、先ほど大東市の水野委員もおっしゃっておりましたけれども、教育分野をきちんと巻き込んでいくことは今後必要になるかなと思っています。それも宛名の中に書き込んだらいいと思うのですけれども、一つは居場所というものが全てのこどもたちにとって、結果として様々な体験とか成長につながるものなのだということを明示する。もう一方で、居場所はあくまでも手段で、目的は何だという話のときに、もう一個注意しなければいけないのは、成長のために居場所をつくるとなると、これは本末転倒でもあります。

居場所で成長しなさいと言われるしんどさというところはすごく重要なので、結果としてたくさんの成長につながる余地がある場でもありつつ、それが目的化するとしんどくなってしまう部分がある。その両方をまずきちんと書き込んだ上で、教育的な要素をきちんと盛り込んでいくことが戦略的にも大事かなと思いました。

以上です。

前田部会長:ありがとうございます。

次に、小川委員、お願い申し上げます。

小川委員: ありがとうございます。

先ほどの宇地原委員のお話と少し重なるところもあるのですけれども、理念の部分でもう少しどのような社会を目指すのかみたいなところをぜひ入れていきたいと感じています。

「こども基本法」というものとどのようにリンクして、どういうこどもの権利を守るためにこのような居場所というものが求められているのかというところとか、あとは事前に資料でいただいた子育てと家庭を取り巻く状況にもあったように、いろいろな社会体験がこどもたちの今後の可能性を広げていくというところは、私も日々現場にいる中ですごく実感しているところなので、そういう辺りもうまく理念の中に入れていけたらなと思います。

1-2の理念の中に指標という話があって、どのようにモニタリングするかみたいな話が1-2-2のところであったかと思うのですけれども、具体的に指標の測り方の手法みたいな名前も挙がっていますが、ここは今後どのようにこの居場所を考えていくかというところとすごく重なる部分なので、この指標に関してはもう少し丁寧にいろいろな事例のお話を伺ったりしながら検討に時間を割きたいところだなと感じております。

最後に1点、半分質問ですけれども、1-4の範囲のところで、これまでの様々な議論の中で、特に私も現場にいる中で、ハイティーンの居場所のなさみたいなところをすごく実感している中で言うと、この範囲は、私の理解では「こども基本法」に書かれているような18から20といった年齢で途切れない形での対象の範囲なのかなと考えているのですけれども、その辺りは具体的にもし事務局で既に考えている対象の範囲があったら、ぜひ教えていただきたいと思っております。

以上です。

前田部会長: 御質問がございましたので、お願いします。

山口成育環境課長: ありがとうございます。事務局です。

居場所の対象の年齢ということかと思いますけれども、今ございましたように、「こども基本法」ではこどもについて年齢で一律に区切ることはしないことになっている中で、18歳以上の者もこどもには含まれ得ると思っております。

ただ、実態として、年齢によって恐らく居場所づくりが担う役割とか機能も幅があると思いますし、その重要性も年齢によって違いもあるかも分かりませんので、そういった中でどこを念頭にというか、中心にしたものにするのかいう議論がある一方で、一律に年齢で区切らないというのは「こども基本法」に示されているとおりであると思っています。

そこ自体がまさに御議論いただくべき内容であると思っております。

○前田部会長 ありがとうございます。

次に、関戸委員、お願いします。

関戸委員: ありがとうございます。

私も皆さんから出ている意見と少しかぶるのですけれども、今回の指針がどのように現実のこどもたちの生活に反映されるのかという辺りを、やはり理念だけでは語れないと思うので、例えば「子どもの権利条約」の31条に遊ぶ権利というのがあるのですけれども、遊ぶ権利というのは、日本も子どもの権利条約に批准していますけれども、批准している各国は実効的な法改正などをしないままに忘れられた条文みたいに言われていたので、国連・子どもの権利委員会のほうで、取扱説明書みたいな、ジェネラルコメントNo.17というのがあるのですけれども、そういったものを出す中で、実際にこどもたちの生活に及ぼす影響がこの指針はどんなところにあるのかとか、さっきガイドラインという話もありましたけれども、実現するためにはどうしたらいいのかみたいな、そういった具体に入っていくための道筋みたいなものが示されたのですね。それは条約ができてからかなり後のことだったのですけれども、今回の指針に関しても、それぞれ実際にこどもたちの生活にこの指針がどう影響しながら居場所づくりや居場所というのがこどもたちにとってよい場になって社会に広がっていくのかを示す中では必要になってくるのではないかと思って、一つ意見としてお伝えしたいと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

次に、湯浅委員、お願い申し上げます。

湯浅委員: ありがとうございます。

まず、全体の構成ですけれども、よく考えてつくっていただいたと思います。ありがとうございました。事務局の皆さんには感謝申し上げます。

特に、「ふやす」「つなぐ」「みがく」「ふりかえる」という易しい言葉で4つにまとめてもらったのは、前回の調査研究事業でもさっきも言及がありました「居たい・行きたい・やってみたい」と同じように、なかなかこういう平易な言葉でまとめるというのは私なんかは苦手なので、うまいなと思って拝見していました。

その上で、今は基本的事項の総論に関してということなので、幾つか盛り込んでほしいところを指摘したいと思います。

実は、ちょっと分量が多かったものですから文章にしております。事務局のほうにはお渡ししたので、後日共有いただければと思いますけれども、今のところでは少し内容をピックアップしてお話しさせてもらいます。

まず、1-1の背景です。居場所そのものについて、少し理念的なことを書いておいたほうがいいかなと思いました。人間は社会的な動物で、承認欲求を持っています。否定的、抑圧的な関係から逃れて自分の居場所を持つこととか、肯定的、開放的な関係の中に自分の居場所を持つことは、全ての人が生きる上で必要不可欠なことなのだということ。その中に、当然こどもが生きていく上でも不可欠だよねというようなことを指摘しておきたい。

それから、たった一つの居場所もなければ、人は最悪死んでしまう。そういう意味で、生き死にに関わる問題なのだということも、切実さという点では明らかにしておきたいと思っています。

あとは、歴史的な時代背景といいますか、私たちは孤独や孤立が国民的課題になるような時代を生きています。望まない孤独とか社会的孤立から脱却して、つながりの中で生きることを多くの人が望むに至っていて、それはコロナ禍という試練の中でさらに強まったと感じています。

そして、居場所というのは人とつながれる場所ですから、人と人のつながりを実感しにくくなった、そういう地域と社会において、その課題を解決するソリューションになり得る、そういうことも触れておきたいと思いました。

そして、それはこどもにもコロナ禍を含め大きな影響をもたらしましたから、こどもが人とのつながりを実感できるような地域社会における環境整備は、社会全体の責務として取り組んでいきたいと思います。

その上で、こどもの居場所づくりの背景としては、これは調査研究事業のときにも大分議論したのですけれども、結果としての居場所と目的としての居場所というのがあるねという話があって、例えば住宅街の空き地とかはもうなくなってしまいましたが、あれは別に誰かがこどもの居場所をつくろうと思ってつくっていたわけではないですけれども、こどもにとって大事な居場所になっていました。駄菓子屋も、こどもの居場所をつくろうと思って駄菓子屋を開いた人はそう多くはないでしょうが、結果的にこどもの居場所になっていた。

そういう意味で、いわゆるNPOがつくる居場所だけが居場所ではないというか、そういうのは世の中のごくごく少数であって、多くは結果としての居場所だと思います。その結果としての居場所が減少している。こどもの外遊び空間がなくなるとか、友達んちで遊んだついでに食事をするみたいな習慣がなくなるとか、そういうふうにして減っていって、だから私たちは今、誰かの居場所となることを目的として場をつくる。そういう意味で居場所づくり、目的としての居場所づくりをやる。そういう時代に入っているのだということを押さえておけたらと思いました。

次に、1-2-1、先ほどちょっと言及もありました指標とモニタリングの話です。指標とモニタリングについては、まず一つは、居場所というのは学校や保育園などの施設と違って、こども本人が主観的に決定するものだということを押さえておきたいと思います。

なので、どんなに学校が嫌いな子がいても、そこは学校ではないとは言えませんけれども、居場所はその人が居場所ではないと言ったら、もう居場所ではないです。そういう意味では主観的評価を捉えるものですから、まず指標というのは主観的評価を捉える必要があるということが1点です。

客観的には、例えば数をどう把握するのか。これは大問題だと思っています。結果としての居場所であれば、家の中のトイレとか、オンラインゲーム空間とか、とにかく宇宙にあるありとあらゆるものが対象になりますので、これはもうカウントできません。だとすると、基本的には目的としてつくられた、目的としての居場所をカウントすることになると思うのです。

では、何をもってこどもの居場所となることを目指してつくられた場なのかというのは、現実には評価が非常に難しいと思っていまして、ここを自治体が何か取りまとめねとやってしまうと、客観的な基準をつくって、そこに当てはまらないものは居場所と認めませんみたいな、行政のお墨付きを得たものしか居場所として認められない。こういうのは、私はディストピアだと思いますけれども、そういうことになってしまいかねない。

そうすると、では自称でいいのかとなると、今度は、布教目的の場所が入ってきたらどうするのだ、営利目的だったらどうするのだ、反社だったらどうするのだという議論が入ってくる。その隘路みたいなものを抜けないと、数を調べること自体ができないことになりますので、ここを考える必要があるなと思っています。

一つの解決策としては、民間事業者への補助事業として位置づけることも可能にするとか、あるいは行政が登録するときも、オープンデータ登録にして、データ利用に関する無保証、免責も既に手引で唱えられていますが、こういうことをデジタル庁と共に進めていくとか、そこら辺を周到にやっていかないといけないのではないかと思っています。

ただ、いずれにしろ、定性・定量の両面で積極的に進めていく必要があると思うのですけれども、これは先ほどどなたかもおっしゃいましたが、やはりここについては、私たちの団体も定性・定量の両面でいろいろやっていますし、ほかの団体の方たちもいろいろやられていると思いますし、研究の蓄積もあるだろうと思いますので、各団体の取組事例を収集した上で、評価の専門家のアドバイスも入れて、別途検討会を発足させて、多角的・総合的に検討を推進していくみたいなことを指針に入れられたらなと思いましたので、言及しておきます。

最後になります。1-4、こどもの居場所づくり指針が対象とする範囲です。ここに関しては、まず目的としての居場所、こどもの居場所となることを目指してつくられた居場所がこの指針の対象になることはもちろんですが、結果として居場所になっているところも、居場所である以上はここの指針の対象になると考えるべきだと思っていますが、そうすると家庭も学校も全部入るわけです。駄菓子屋も入ります。そういう意味では、非常に範囲が広くなる。他方で、指針には強制力はありませんということもはっきりさせておく必要があると思っています。

なので、例えば、指針に基づいて保育士さんに何らかの義務を課すということであれば、それは保育園行政の中で独自に決めていくべきものであって、そういう意味では民間の事業者や、家庭なんかは典型的ですけれども、家庭はこの指針に従いなさい、強制力がありますと言った途端に日本は何か違う国になってしまいますので、そういうことではなく、指針というのは、それをどこまで尊重、遵守するかは個々の家庭や個々の民間事業者の自主的判断に委ねられるべきものではあるのですけれども、こういう方向に進んでいこうという方向性を指し示すものなので、ただの場所が居場所になるためには、あるいは居場所になろうとするときには、このような方向に進むことが望ましいと考えていますよというふうに、その方向性を指し示しているものだと。

もちろんこれをつくるのは政府ですから、政府の部内においてはより強く遵守してもらわなければいけないですが、民間も対象になるけれども、民間の方たちには尊重してもらえたらうれしいというふうに私たちは期待しますみたいな感じのことになるであろうと思います。

そのようにして、多くの人たちに関連するものでありながら、強さはそれぞれ違うものになる。そういうものとしての指針が及ぶ範囲をイメージできればと思っているところで、私の意見ということで終わります。長くなりました。

前田部会長: ありがとうございました。

続きまして、今村委員、お願いできますでしょうか。

今村委員: 今村です。

今日は会場に行けなくて、大変残念に思いながら参加しております。

では、意見をお伝えさせていただきます。今、湯浅先生がおっしゃったことに近いかもしれないのですけれども、居場所と居場所づくりの定義については、きっとどこかに明記されるのだと思うのですけれども、先ほどお二人の委員からあったみたいに、ここに参加されている方でも、「居たい・行きたい・やってみたい」という居場所の指針と、今回定める居場所づくりの指針について混同して議論を進めてしまう印象があるのであれば、ここを読む方々にとってはもっと分かりづらいと思うので、章立ての言葉として、これは居場所の指針ではなくて居場所づくりの指針なのだ、居場所と「居たい・行きたい・やってみたい」なのだみたいなことが目次の段階で入ったほうがいいのかなと思ったというのが1つ目です。

2つ目ですけれども、この後の議論のところで申し上げるべきなのかもしれないのですが、「ふやす」「つなぐ」という言葉が、この居場所づくりにおいての議論の言葉として、言葉としては平易で、すごく品がいいというか、「ふやす」「つなぐ」「みがく」「ふりかえる」というのはとても覚えやすくて愛嬌があっていいのですけれども、居場所づくりというのが、それこそ憲法26条が根拠になっている学校教育法で学校が設置される、これは国が設置しにいくものを法律で定めるものなので、設置の方針みたいな考え方、要は増やす方針という考え方、言葉遣いが、責任を持って増やすという言葉で表現しているイメージと合うのですけれども、今回で言うと、行政が主体となってつくる居場所と、民間事業者によってつくる居場所、これはビジネスベースのもの、でも、シビルソサエティーがベースになって、増やすというよりは増えていくみたいな居場所の増え方と、3つを全部含めての方針だとしたときに、この「ふやす」という言葉がそれらを含んでいるのだろうか。

特にシビルソサエティーの勢いみたいなものをベースに、もっと自己増殖していくような、たくさんの種類の居場所が安全に増えていくという言葉であれば、「ふやす」「ふえる」「つなぐ」「つながる」みたいな感じかもしれないのですが、行政の政策で「ふやす」という言葉を意図しないような、みんなでやっていくような言葉がこの段階で入ったほうがいいのかなと思ったので、「ふやす」「つなぐ」「みがく」「ふりかえる」はとてもすてきなのですけれども、増えるみたいな感じがどこかに入ったほうがシビルソサエティーの意欲をベースにできるなと思いました。

私からは以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

次に、大竹委員、お願いします。

大竹委員: 皆さん、ありがとうございました。

私からは1点ですが、今後、これが各自治体に下りていくことを考えたときに、新しい居場所づくりという視点と、もう一点は、過去にも言ったのですが、各自治体で社会資源もまちまちなので、まず既存の社会資源の棚卸しをしていただいて、そして、それらのものを有効活用という視点ももう一方で必要ではないかなと思っています。

特に児童福祉法等においては、我々は第三の居場所、児童館ということをよく言っていますけれども、そういった法に基づいた施設が全国に4,400という数でありますし、まずはそういった既存の社会資源の棚卸しを各自治体で行っていく中で、何が必要かということを考える視点も必要ではないかなと。新しくつくるということと、一方で既存の施設の有効活用、それらが必要ではないかなという視点をお願いしたいと思います。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

友川委員、お願いできますでしょうか。

友川委員: 友川です。ありがとうございます。

ほかの委員が既に出してくださったことと少し関連するのですけれども、まず最初に、今回の指針の中で、1章、2章部分が大臣から要請を受けていたところのメインではないかなと私は理解しておりました。3章のところは、むしろ行動指針というか、ガイドラインに近いような内容もかなり入っているというところをまず確認させていただければと思います。今回の指針の中に、こういった踏み込んだ行動指針、ガイドラインに近いようなものまで入れたものをゴールにするのか。

恐らく、先ほどから御意見にあるように、居場所とは一体どういうところなのか、名前は居場所ではないけれども、居場所の要素、特性、条件を満たしているものが居場所だというような、その辺りの主には2章部分をしっかり議論したものがメインの指針を出すのか、アクションプランを含んだところまで行くのかによって、議論のボリュームが変わるのかなというのが1点目でございます。

そのときに、大空委員からも出たのですけれども、サマリーを総論の前につけるというところで落としてはいけないポイントとしましては、何のためにこの指針をつくったのか、こどもの居場所づくりを通して何をつくり出したいのかというところでございます。

こどもの権利を保障するという視点と、ヒアリングの中には地域づくりにもこどもの居場所というのはつながっているのだということもあったりして、人づくり、地域づくり、未来づくりというような、非常に壮大な、何のためという目的はもう少し議論が要るかなと思っております。

先ほど青山委員のほうからありましたけれども、誰宛てのところなのかについては、何を実行してほしいのかまで、先ほど申し上げました3章部分まで議論したものをこの指針で論じていくのかどうかという辺りです。

次に、3章部分のアクションプランに近いものまでこの委員会のほうで何らかの明示をするとした場合を想定しているのですけれども、今4つの「ふやす」「つなぐ」「みがく」「ふりかえる」というのが並列に表記されているのですが、基礎自治体がこれを受け取ったときに、例えば時系列的な縦軸を立てるとしたら、私はもう2つの項目があっていいかなと思っております。

それは、先ほど大竹委員がお示しいただいたような、既存のリソースをしっかり地域の状況に応じて把握するという意味では、知る、見つけるというのが実は本文の中にはあるのですけれども、まずは見つけるという作業も、つないだり、増やしたりの前に一つ要るのではないかと考えています。

もう一つは、知るというキーワードの中に、今回、こどもの意見を聴く、こどもが何を居場所に望んでいるかというのは指針では重要なポイントを示すのですが、それぞれのつくっていらっしゃる基礎自治体のお子さんが自分たちの住む地域で何を望んでいるのかというのをこどもが知ることも大事なことですし、ステークホルダーがそれを知った上でこれからの行動プランを立てるという大前提をこの指針の中で示しておく必要があるのではないかと思います。

時系列的に申し上げますと、まずはこどもの声を聴く、そしてステークホルダーの意見を聴くということで知る。次の段階で、大竹先生が示してくださった見つけるというのが、先ほど湯浅委員からもあったのですが、名前は居場所とはついていないけれども、本当に天文学的な数字のこどもの居場所になり得るものがあるので、それぞれの自治体で見つけるという段階があって、その先にこどもが望むところにつなぐために何が必要か、あるいは、増やすという議論が次の段階で必要なのかどうかというような、いきなり「ふやす」からスタートするとか、「つなぐ」からスタートするのではない、もう一個前のプロセスを、今回の指針でアクションプランを入れるのであれば入れたらどうかということです。

最後に、検証が非常に重要だということについては同感でございます。そのときに、知る、見つけるというところも指標の評価に入れていくことで、増やしたところがよい取組をしている自治体という評価にならないように、その辺りの指標を段階的に、1期、2期、3期のような形で積み上げていかれると、基礎自治体が取り組みやすいのではないのかなということを御提案とともに確認させていただければと思います。

「ふやす」の議論ではないのですが、この4つでスタートしていいのかというところを、議論を始める前にお伝えしたくてお話しさせていただきました。

以上です。ありがとうございました。

前田部会長: 事務局のほうからお願いします。

山口成育環境課長: 事務局です。ありがとうございます。

今回の居場所づくり指針に、アクションプランとおっしゃっていましたけれども、そういったところまで含めるのかという点についてお答えしたいと思います。

事務局といたしましては、この指針に含まれる内容として、基本的な事項だけでなく、基本的な視点で書かれているような内容についても盛り込んでいただければと思っております。それをアクションプランと呼ぶかどうは別ですけれども、そういった内容で、居場所づくりを進めていく上で、どのような視点に立って進めていけばいいのか、その際、どういった点に留意すべきなのか、そういったところについても併せて盛り込んでいけたらと思っております。

前田部会長: ありがとうございます。

今、安部委員と成田委員のお手が挙がっておりますので、お二人に御意見をいただいた後、「ふやす」のパートに移りたいと思いますので、よろしくお願いします。

まず、安部委員、お願い申し上げます。

安部委員: 安部です。ありがとうございます。

3点ございます。まず1点目ですけれども、皆さんがおっしゃっているように理念の部分です。何を目指すのかというところで、こどもの権利、こどもの最善の利益をどう保障するのかというのは最初に持っていくべきと思います。この案を見ていますと、「みがく」のところではたくさん出てきていますけれども、そこでは遅過ぎる。最初に出していく必要があると考えます。

これと関連するのが2点目です。先ほど山口課長が、居場所指針ができた後に、例えば放課後児童クラブの運営指針であるとか、児童館ガイドラインとか、既存のものについて居場所指針に合わせて改正をする可能性があるとおっしゃっていました。改正をする可能性があるのであれば、なおさら居場所指針はこどもの権利保障の精度を高めていただきたいと思います。既存の児童館ガイドラインは非常に精緻にこどもの権利を保障する方向で書かれていますので、それを少なくとも下げるようなことは絶対にあってはならないと考えます。

3点目、大空委員、荒木委員が御指摘いただいた、昨年度の調査研究の内容をもっと反映してほしいなと思います。大空委員がおっしゃっていた、「居たい・行きたい・やってみたい」というのはこどもが主語ですよね。今回は、今村委員がおっしゃっていたように居場所づくりなので、大人が主語なのかなと思うのですが、水野委員もおっしゃっていたこども自身がつくる居場所も当然あるわけなので、その辺りのことを考えてやっていただきたいと思います。

昨年度の調査研究は非常によく検討されていると思います。こどもの意見も聴いているので、こちらをもう少し反映したたたき台が出てもいいのかなと思いました。

そのたたき台を出すときに、昨年7月に「遊びのプログラム等に関する専門委員会」の提言、今年の3月の「放課後児童対策に関する専門委員会」の取りまとめの中で、こどもの居場所指針に対する申し送り事項があったかと思います。そのことが全然出てきていないので、それも本来であれば調査研究と並んで私たちは確認していかなければいけないのではないかなと思います。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

成田委員: 今回いろいろヒアリングを聞いていく中で、例えばスペシャルニーズのあるお子さんたちにとっての居場所が本当にないというか、居場所を増やすとか、複数持つとか、そういうレベルではないぐらいの危機的な状況にあるお子さんたちもいらっしゃるのだなということを実感したり、あるいはそういうお子さんを支える居場所を担っている方たちの大変さというのもリアルにお話を聞いたことがとても印象に残っているのですけれども、ほかの委員の方に御意見をいただきたいと思うのですが、そういった居場所づくりという言葉でもって、すごく危機的状況にある立場のお子さんの権利という部分と、必ずしもそうではない状況にあるお子さんたち、分けるのはいいことではないのですが、実態としてそういう状況があることを考えたときに、スペシャルニーズのあるお子さんの居場所づくりについてどういうふうに考えたらいいのかが分からなくなってしまっていて、もし以前の検討委員会のところでその辺を議論されていたということであれば、少し教えていただきたいと思って御質問させていただきました。

前田部会長: 今の成田委員の御質問に答えていただける委員の方はおられますでしょうか。

では、事務局のほうから。

山口成育環境課長: 事務局です。

昨年度実施されました調査研究の報告書におきましては、どこに書いてあるかは今すぐはあれですけれども、記載があると思いますが、それぞれのこどもがそれぞれのニーズに合った居場所を持つことが大事なのだという形で記載しております。したがって、スペシャルニーズを持つこどもであれば、そのスペシャルニーズに応じた居場所を持つことができる、それが重要であるという形で記載していただいていると承知をしております。

前田部会長: よろしいでしょうか。

それでは、進行の都合もございまして、「ふやす」のパートも既に御意見をいただいておりますけれども、次に第3章に入ります。「ふやす」の部分について、皆さん、御意見がおありになれば、ぜひ挙手をお願い申し上げます。

植木委員、お願いします。

植木委員: 植木でございます。

「ふやす」の項目のところに、2-3、既存リソースを活用するということと、新たなリソースによる促進という2つの項目、これはいずれも大事なところですよね。

先ほど友川先生が言われたように、増やすという言葉が先行してしまうと、新たなリソースを増やすことに重点が置かれてしまう可能性があるのではないかということを危惧いたします。

例えば、既存のリソースで、建物が老朽化して耐震補強等が必要だと。しかし、それはお金がかかるので、それはやめて、お金がかからない新たなリソースを探すというふうな、大人の都合でこどもの居場所が左右されないように、しっかりと位置づけていく必要があるのではないか。

そういった意味では、第3章の各視点に共通する事項、1ページのところに「こどもの声を聴いて、こどもの視点に立つこと」と鍵括弧付で書いてございます。ここのところを「ふやす」のところでしっかりと位置づけて、既存のリソースと新たなリソースと両方同じ重さで取り扱っていただく。これらは当然基礎自治体の施策等にも反映されるという形で進めていただけるといいのではないかと考えますけれども、いかがでしょうか。

以上です。

前田部会長: 先生の御意見は承ります。

ほかにいかがでしょうか。光真坊委員、お願い申し上げます。

光真坊委員: 光真坊でございます。

今の意見に対してではないのですが、2点あります。

1つは、既存のリソースが居場所になっていくという視点については、私は障害児支援に関わっておりますが、放課後デイサービスなどが居場所になっていくというのは大事だと思っております。

ただ、障害児支援の議論では、「放課後デイサービスが単に居場所になっている事例がある」というように、あしき例として「居場所」が使われたりすることがあります。単に居場所になっていることも発達の上では十分大事なことだと思っておりますが、放デイが発達支援や訓練的なものが入らないといけないみたいな感じになってくると、これはなかなか居場所になりづらいところがあるのかなと思いますので、居場所的要素をしっかりと位置づけていくということも大事かなと思っています。

「居場所づくり」というよりも、どちらかというと「居場所になっていく」というのが既存のリソースの在り方かなと思っております。

そのために大事なことは、こどもの意見をしっかりと聴いて取り入れていくというプロセスを既存のリソースの中でやっていただくこと、個別のニーズについてしっかりと対応していくことが居場所につながっていくのではないかと考えております。

2点目は、先ほどお話がありましたが、居場所をつくっていくのは大人とか自治体だけでなく、こども自身がそれぞれの考え方に基づいて居場所をつくっていくこともすごく大事な視点だと感じております。そういう意味では、こどもが居場所をつくるのをどう支援していくのかという視点も入っているといいのではないかと思います。

2点です。ありがとうございました。

前田部会長: ありがとうございました。

会場からも手が挙がっているのですが、先に小川委員のお手が挙がっていましたので、小川委員、お願い申し上げます。

小川委員: 私も、先ほど成田委員がおっしゃっていたように、どちらかというと日々ハイリスクの御家庭とか若者と関わっている中で、ここの「ふやす」というワーディングが少し気になるところです。先ほどから話があったように、こどもとしての権利とか、いろいろな体験の機会の保障としての居場所を担保することが大切なのであれば、担保するとか、保障するといったようなワードを使いながら、様々な困難を抱えるこどもたちの権利や居場所を利用することや、居場所を持てることで生まれる子どもたちの様々な可能性の広がりを考えるといった視点を入れて少し検討していければいいのかなと感じています。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

会場からもお手が挙がっているのですが、まず青山委員、お願い申し上げます。

青山委員: 青山です。

昨年度の研究委員会の中でも、先ほど成田委員から質問がありましたけれども、ユニバーサル(ポピュレーション)アプローチ、ターゲット(ハイリスク)アプローチというような言い方が出てきて、それぞれの色合いの濃いのはどんな事例かというようなことも含めて、場所のマッピングしたものが報告書の中にありました。

これは、区別をすることが目的というよりは、それぞれの両方のニーズに合った居場所づくりが必要なのだということを示すというのが主な目的だと思いますけれども、ああいったマッピングは今回も入ってきてもいいのかなと思いますし、成田委員の先ほどの質問の答えにはなっていないかもしれませんが、ユニバーサルなアプローチとターゲット的なアプローチの両方があって、両方に意味があるのだということをまず明示をすることが一点あると思います。

ただ、これは独り歩きすると、ユニバーサルアプローチはスペシャルニーズは関係ないみたいな話になってしまうのもよくなくて、質の高いユニバーサルな実践は多様なターゲットニーズを包含できるのだということとか、あるいはある種の予防的な意味合いだったり、いろいろな意味で両者がつながる視点がたくさんあると思いますので、両者をちゃんと明示しつつ、それを切り分け過ぎないような、つながりをきちんと明示していく上で、居場所を増やすという言葉が適切かどうか議論されていましたけれども、この議論に移っていく必要があるのかなと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

会場からお手が挙がっていまして、私も順番がよく分かっていなくて、端からでよろしいですか。

水野委員、お願いします。

水野(か)委員: 水野です。

先ほどから、「ふやす」「つなぐ」「みがく」「ふりかえる」のお話が出ているかと思いますが、数字が書かれている円で、どうしても増やして、つないで、磨いてという順番にやらなければいけないと思いがちではないかなと、この数字の部分が気になっています。

つないで増やしていくということもありますし、既存のリソースの部分を磨くことで増えていくということもあるのかなと考えると、数字立てにすることの見た目といいますか、受け取り方について気になっているので、この数字がなく、フラットに書かれているほうが分かりやすいのではないかという印象を受けました。

以上です。

前田部会長: 菊地委員、お願いします。

菊地委員: 菊地でございます。

この「ふやす」というところの2-3-3に「様々なこどもの居場所づくりが継続して行われるためには?」ということが書かれているのですが、確かに居場所づくりが継続していくことも大事なのですけれども、今ある居場所があり続けることがすごく大事なことかなと。ある日突然こどもの居場所がなくなってしまうとか、そういうことはやはり避けるべきものと考えます。ただ、この居場所づくりであるとか自立支援というところに関しては、特に民間の団体さんですけれども、尊い心をもって発起したものの、なかなかそれが維持できない。ヒト、モノ、カネ、経営的な問題で維持できないということをよく聞きますので、居場所づくりがずっと続いていくことも大事なのですけれども、今ある居場所を大事にできるような仕組みであるとか、それは補助金といったものもあるかもしれませんし、人材育成、特にボランティアに頼っていくというやり方も非常にきれいですけれども、そうではないやり方とか、そういった仕組みも検討していく必要があるのかなと思っています。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

大空委員、お願いします。

大空委員: 「ふやす」といったときに、論点の中でニーズという言葉が非常に多く見られると思うのですね。これは重複する部分もあるかもしれませんけれども、一つ懸念しているのは、こどもが自分のニーズを把握しているという前提に立っていないか。例えば、こどもが自分のニーズに合った居場所が選べるよと。これは、こどもが自分のニーズを把握していないと選べるということに至らないわけですよね。

例えば、若年層の自殺は3人に1人は原因が不詳であるということは広く知られていると思いますけれども、なぜ不詳が多いのかというと、自分自身も自分が何に悩んでいるか、自分がどういうニーズを抱えているかの手前、その感情を自己で把握することすら難しいケースが多々ある。だから、遺書も残っていないし、周りにも言っていないのだと。これは相談窓口をやっていても多く見られることです。

こういういわゆるターゲット、特定のニーズ、支援が必要な人に限らず、例えば孤独・孤立の実態把握で見ていくと、孤独感があると答えているにもかかわらず支援を受けていない人に理由を聞いたときに、自分は必要ではないと答えている人が8割に上ってくるわけです。ですから、ポピュレーション的にも自らのニーズを把握するというのは非常に難しいことなのだと。

ですから、ニーズは2-2、こどもが抱える居場所に対するニーズをどのように把握するか、これは居場所をつくる側の視点ですけれども、その前に自分自身がニーズをどのように把握していくのかということを考えなければいけない。

もしくは、そもそも個人が自己のニーズを把握するということを求めずに、居場所に来てもらう。要は、先ほど青山先生からもあったような、ポピュレーションの中でも包括できるような、そういう支援の在り方、居場所のつくり方を求めていくのか。この辺りをもう一回整理が必要なのではないか。

こども自身がニーズを把握するということは、個人的には非常に厳しいと思っておりますので、ニーズを把握する必要がないようなやり方、もしくはこういう具体的なケースを幾つか用いて、そこに対してこういう支援がありますよ、こういう場所がありますよということ、そして、同時並行で必ずスティグマ対策をやらないと、なかなかニーズに応じて選ぶという、一番大きな「ふやす」の2のところを実行していくのは難しいのではないかという意見です。

前田部会長: 宇地原委員が手を挙げておられましたか。

宇地原委員: まず、さっきの水野委員の意見にかなり僕も賛成するところがありまして、増やすというところから始めると、新しく居場所をつくっていくという話になるかなと思うのですけれども、そもそも今、こどもたちが居場所だと感じているものを潰さないというか、守っていくことから始めるのが重要かなと思っています。

例えば、古い空き家とかゲームセンターみたいなところに入り浸っている子たちが実際にいたとして、そこに大人が来て、こどもの居場所にしようといって潰して、きれいな建物を建てたけれども、誰も来ないみたいこともきっと起き得るのではないかなと思っています。まず、こどもたちが今居場所だと思っているものがどこで何なのかということを大人が知っていく、そこの声を聞いていくというところからなのかなと思いました。

その上で、増やすということに関しては、さっきの議論とも近いのですけれども、やはり増やすということが目的化しないかというのがすごく心配しているところです。先ほどから出ているように、ポピュレーションからターゲットまで幅広い多様さやグラデーションがこどもたちのニーズの中にありますし、そこを包含するような形で居場所をつくっていくことになるのですけれども、特にふだんターゲットアプローチのような居場所をやっている身からすると、すごく運営も大変だったり、お金もかかったりする領域かなと思う中で、そういうところにちゃんと目が行き届いて、実際にそういったお子さんがちゃんとつながるような居場所ができていくのか、クリームスキミングみたいな状態にならないのかというところはすごく懸念があって、増やすという言葉だけが独り歩きせずに、昨年度の研究で出ているような多様なニーズをカバーしていくことがちゃんと伝わるような内容にしていきたいなと思いました。

あと、利用する側からすると、数が増えるというのはいいことだと思うのですけれども、細切れになっていくのはどうなのかなと思っています。小学生のときにここを使っていて、中学校3年間はここ、高校になってここという形でセグメント分けされ過ぎると、都度都度つながり直していかなければいけないと思うのですけれども、リスクの高い状況にあるお子さんほど、そこのエネルギーが取り戻せていない状況もある中で、支援者側からするとアウトリーチはすごく大変だったりするのですけれども、そういった状況にならないといいなと思っています。居場所同士の連続性みたいなこととか、ワンストップな設計みたいなところはやはり議論する必要があるのかなと思っています。

最後に、2-1の把握のところですけれども、すごく気になったのは、まず主語が誰なのだろうなと思ったときに、僕は読んだ感じでどうしても自治体をイメージしてしまうところがありました。そうなってくると、居場所の数とか性質を調査しましょうみたいな話になっていくような気がしていて、それ自体はやったらいいのではないかなとも思うのですけれども、こどもたちが生活の中で何に不満を感じていたり、どういう願いを持っているというところから始めないと、居場所はあまりないねとか、いっぱいありましたねみたいな形で終わりそうな気がしている。

先ほど湯浅委員からもあったとおり、実際に居場所になっているものではなくて、大人が居場所だと思っているものをつまんでいくような、そういう調査が出てきたとしても、実際のこどもたちが考えていることやそこのニーズは乖離が出てくるのだろうなという気がしていて、そうならないような記載を心がける必要があるなと思っています。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

次に、今村委員、お願いできますでしょうか。

今村委員: 今村です。

この「ふやす」のところで申し上げればいいのか、もしかしたらこの前の議論だったら戻ってしまって申し訳ないのですけれども、申し上げさせていただきます。

先ほどの私の発言の中で、居場所づくりにおいては、その担い手が行政になるケース、民間企業になるケース、コミュニティー、シビルソサエティーになるケースがあるのではないか。もっと言うと、もっと個人的なものもシビルソサエティーに含むということだと思うのですけれども、少なくとも既に行政が既にこどものために設置されているもの、例えば一番代表的なのは学校、そして、こどものためだけではないですけれども、図書館とか、その他いろいろなものが既に、児童館は大丈夫だと思いますけれども、新たに居場所をつくっていくということの方針のみならず、既にこどもたちが本来は居場所とできるはずの場所が居場所になり得ないような要素があるものに対して、阻害要因に対する指摘もどこかでしたほうがいいのかなと思っています。

やはり学校が教育行為の代償としてこどもを排除していないかというのは、こども家庭庁のこども居場所づくりの指針の視点からきちんと明記したほうがいいのではないか。これは越権行為ではなくて、学校が全国にあるのだけれども、それが居場所になり得ていないということ自体がとても大きな問題であるということについても、新たにつくるよりもそっちも重要なのではないかということを総論なのか、どこかに書いてほしいなということで、「ふやす」の項目のところで発言させていただきました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

次に、関戸委員、お願いします。

関戸委員: 皆さんの意見にもかぶるところがあるのですけれども、今、増やすという話の中で、増やすことを目的にしないという意味では、既存のというか、社会そのものを居場所を増やさなくても大丈夫なような社会にしていく。今、阻害要因という言葉が今村さんからもありましたけれども、居場所になり得ない社会をつくっている、阻害しているものを、きちっとそこを解決していくというのも大事なのではないかというのも一つ思いました。

あとは、「ふやす」と、この後の「みがく」の話にもつながってしまうかもしれないのですけれども、「ふやす」の中に、2-3でしたか、人材に関して書いてあるところがあるのですけれども、増えていく中で質の担保として、「みがく」のところにも人材みたいなことが書いてありましたけれども、増えていったときに、そこの増えていった場所の質がきちんと保証されるような人材育成に関する話はとても重要だと思ったので、ただただ数が増えればいいだけではなくて、増えたものの質もきちんと保証していく、そういう視点が重要だと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

次に、荒木委員、お願いします。

荒木委員: 私も議論を聞いていてなので行きつ戻りつしてしまう部分があって大変申し訳ないのですけれども、一つ画面共有をしたいのですが、これは私が運営している児童館、石巻市子どもセンター条例の前文になります。こういう場所が必要だということをこどもたちがワークショップでまとめ、市長に提出し、前文となったものです。自分たちにはそんな居場所が必要なのですというのをこどもたちの声でまとめているのです。

今、居場所づくりというものの話をしていて、居場所をつくる人のための指針になってしまうのではないかという怖さがあって、こどものための指針ですので、特に居場所というのはこどもたちとともにつくっていくものだというのが私の大事な持論ですけれども、こどもの声を聴きながら、こどもたちとともにつくる。この指針の中にもこどもたちの声が入ってきたらいいのではないか。一緒につくられた指針だということ。

ヒアリングも先日させていただいて、こどもたちも一生懸命この居場所に対しての思いもくださっていたので、どういうふうにまとめるか課題はあるかもしれないのですが、例えば指針前文みたいなところにこどもたちの気持ちや声が載って、そのためにこの指針をきちんと位置づけていきますといった総論の始まりになっていくといいのではないかなと思いましたので、御検討いただければと思います。

前田部会長: ありがとうございます。

次に、大東市の水野委員、お願い申し上げます。

水野(達)委員: よろしくお願いします。

実は、大東市ではどういう居場所があるのだろうかというのを、この会議体に参加するときに調査をかけたのですね。そのときに実際に起こった議論を共有しておきたいなと思ったのが、まず居場所の定義がそれぞれの部によってばらばらなのです。これは居場所と言っていいのかどうか、そういう議論からリアルな行政現場では始まっていったというのが一つです。

私はこの審議会に参加させていただいて大分整理ができてきて、先ほどの湯浅委員の御意見がとても私の中ではすぱっと分けやすい御意見だなと感じたのですが、まず前提に結果としての居場所と目的としての居場所という2つの視点があって、なおかつ、私が大東市内でどんな居場所があるのというのは、目的とした居場所として大東市が法令または条例等で定めたものはどんな形であるのか、それはハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチを両方含むものですという、こういう範囲を、ChatGPTではないですけれども、プロンプトを細かく設定していった上で出たのが29個の居場所であります。うち、教育委員会、教育行政の居場所としては9個ありました。こういうプロセスがあったのですね。

そこのプロセスの中で次の議論として実際に生まれたのが、そもそも学校とか家庭というのがこどもたちにとって居場所としてあってほしいという願いは捨てられないよねというのが前提にあって、ここは先ほど今村委員の御指摘でも、耳の痛い御意見だなというところで言っていただいたのですが、そもそも学校がそうあるためにどうすべきかという視点を我々は譲れないというか、必要な視点がある。家庭教育の部分でも同じだと。

そこは議論を一緒にしてしまうと広過ぎてしまうので、さらにサードプレイスという形で居場所を限定した場合、どういう議論になるのだろうかというようにして、最初、居場所というふわっとした定義の中から徐々に区切っていって、初めて共通言語化が市の行政ではやれたのだなというのがリアルとしてありました。

ですので、今回は「ふやす」のところの議論ではありますけれども、総論の部分がまだふわっとしている中でどういう意見をしていいのかというのは悩みどころではあるのですが、先ほどの友川委員がおっしゃっていた、「ふやす」の前に行政プロセスがあるのではないかという御意見がまさに私が感じているところです。これは一つリアルな事例として皆さんに共有しておきたいと思ってお話しさせていただきました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございました。

それでは、安部委員、お願いします。

安部委員: ありがとうございます。安部です。

2点ございます。

まず1点目ですけれども、皆さんがおっしゃっているように、「ふやす」に違和感があるというところです。

というのは、増やして、例えば結果とし、あるいは目的としての居場所にかかわらず、増やした居場所がこどもの権利を侵害するものであれば、それは避けねばなりません。

そうすると、先ほど小川委員がおっしゃっていたような、「こどもの権利を守る」であるとか、あるいは荒木委員がおっしゃっていた、「こどもとつくる」とか、「こどもの声を聴く」が最初に来るのではないかなと感じます。

どうしても「ふやす」というのを残してこのドーナツをつくりたいのであれば、ドーナツを貫く軸として「こどもの権利」や「こどもの声」を入れ込まないと、増やすことにばかり注力して子どもの権利がないがしろにされるのは非常に危険であろうと思って聞いていました。それが1点目。

もう一つが、これは一見矛盾するようですが、先ほど成田委員がおっしゃっていたハイリスクなこどもたち、医療的ケアのこどもであるとか、あるいは入院しているこども、障害のあるこども、そのきょうだいのこどもたちに関してはほぼ居場所がないので、逆に増やす必要があると思います。

それから、災害時のこどもの居場所もまだまだ見落とされがちです。これについても増やす必要があろうかと思っています。

どの言葉を使うかはなかなか難しいのですけれども、全くないものに関してはやはりつくっていく、社会のなかに位置づけていく方向で検討しなければいけないかなと考えました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

成田委員、お願い申し上げます。

成田委員: ネットの調子が悪くてたびたび落ちてしまっているので、議論を聞けていないところもあるのですけれども、この「ふやす」のところに関して今いろいろな方から意見があって本当に難しいなと思ったのですが、『こども側からして居場所が増えたなと感じられる変化』であれば好ましいのかなと思うのですね。

そう考えたときに、先ほど大空委員もおっしゃっていた、こども自身が自分の個人のニーズがどうなのかというところをなかなか具体化しづらいという部分があったり、安部委員がおっしゃったように、入院している子とか障害のあるお子さんとか、立場によって居場所の実情が違う、いろいろなことでばらつきはあるのだけれども、ある意味その辺一貫して普遍的なものかなと思ったのが、こどもさんたちからのヒアリングで、いろいろなグループやいろいろな年代から意見がある中で、居場所ということに関して、何をするかという以前に、大人に対して求めていることは、『もっと話を聞いてほしい』とか、『共感してほしい』とか、『寄り添ってほしい』とか、そういったことがどこもあったなと思ったのですね。

裏を返せば、まだ大人がそれをできていないということも言えるのかなと感じていて、でも、大人側からすると、寄り添おうとか話を聞こうとしているのだけれども、こどもからするとそうはなっていない。そこのギャップをどう埋めていくかということはすごく大事ではないか。そこを空洞にしたまま物理的に数を増やすことをしていくと、こどもには増えたという実感にはつながらないと思うので、そこはもしかしたら、「ふやす」の後の「みがく」というところとも関係してくるかもしれないですけれども、あるいは総論的なところかもしれないですが、そういった部分も盛り込むなり、検討していくのが大事かなと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

次に、湯浅委員、お願い申し上げます。

湯浅委員: ありがとうございます。

また、ちょっといろいろと文章でも出させていただければと思っていますが、口頭で言える範囲で言いたいと思います。

まず1点目が、2-2の「こどもが抱える居場所に対するニーズをどのように把握するか?」ですが、もし可能なら、どういう単位でやるのか難しいとは思いつつ、できたらいいなと思います。非常に多様なものが出てくるし、それを社会的に確認することが大事なのではないかと思っています。自分の部屋が欲しいとか、スマホがあればオンラインゲームができるのにとか、そういうものも含めて、非常に多様なものが出てくると思います。

その中で、行政的に解決できることとか、民間で誰が何をできるのかということを一回私たちの頭の中で回さないと、どうしても自分が見えている居場所の範囲で、民間のNPOがつくる居場所とか、児童館とか、学童とか、そういうところで考えて完結してしまわないかというのがやや心配ですので、まず、非常に多様なものが求められているのだということを私たちが確認するためにもここをやりたいなと思いました。

次に、知るというお話があって、私も賛成です。既存の社会資源の活用ということで言うと、やはり居場所になるということだと思うのですね。なので、居場所づくりは居場所になることを含むということになるのだと思うのです。

そうすると、家庭、学校、公民館、図書館も含めて、既にこのレジュメの中にいろいろなところが出ていますけれども、こういう場所が居場所になり得るポテンシャルを持っている。では、そこが居場所になるためにはどうしたらいいか。これも、多くの委員が御指摘のように、こどもの意見が反映されるとか、最善の利益が考えられるということを通じて居場所になる。家庭の中でもそういうことになるのだと思います。

その上で、そうした居場所になる場所を増やすことに関して、幾つか否定的な意見がありましたが、私は増やすことはこだわりたいと思っています。前回のヒアリングでも、複数性についてはこどもさん自身の意見が相当出ていたなと感じます。私自身も、日によって居場所と感じる場所が違ったりします。ここはいまいち居心地が悪くなったからあそこみたいな、そういうようなことも現実にはあります。

先ほど来話にある結果としての居場所というのは、住宅街の空き地を含めてどんどん減っていっています。そういう意味では、居場所は総量として足らないのだという、そこは押さえておきたいなと思っているので、居場所になるとか、こどもの権利、意見反映、そういうことを前提にしつつ、そういう場所が増えていく、増やしていく必要はあるのではないか。それは人によっては、まだこどもにおいて選択できる状態にないというような現実があるからではないかと感じます。

そういうことを踏まえて、2-3、整備です。ここに関しては、そうした多様な場所があって、それを行政的に対処できるものは何なのか、既存のリソースでそうやって居場所になれる場所はあるのか、現実にアクセスを考えたらどうなのだとか、いろいろな要素が現実には多様に出てきます。なので、ここは地域をコーディネートする、コミュニティーコーディネートの視点がどうしても必要になるだろうと思っていますので、そこの一点を強調しておきたいと思います。

あと、成田委員をはじめあった、どこにも居場所がない人をどう考えるのか、どうするのかということに関しては、これは前の総論のところでも書かれていますけれども、私自身はどこもとどこかという表現でもお伝えしましたが、こどもの居場所は多ければ多いほど自己肯定感が高くなる。なので、家庭も、学校も、こども食堂も、どこもかしこもという感じで、いろいろな人により多くの居場所ということと同時に、やはりどこにも居場所がないとか、そういう場所があっても行きたくないとか、そういう人はいるので、それはリアルが駄目ならオンライン、外に出られないなら家庭訪問、とにかくあらゆる手を尽くして、諦めずに、どんな人にでも少なくとも一つの居場所はあるという状態も同時に追求する。この2つが大事なのではないかと思います。

もう一点、最後になりますが、居場所ということを考えるときには、先ほど居場所がネガティブに使われているという御指摘がどなたかからありましたが、居場所というのはするよりもある、DoよりはBeに注目する場所なので、そういう場所なのだということは改めてどこかでちゃんと指摘しておく必要があるのではないかと思います。

行政的な施策としては、就労支援、自立支援、何らかのことをすることが前提に場をつくられているので、若者サポートステーションが居場所になるのはよくないよねという言い方はやはりずっとあるのですね。障害者の人たちが就労移行するはずの場所で障害者の人の居場所になっている、それはよくないよねという言い方は必ずついて回る。そういうときに、居場所というのはDoよりもBeに注目する、フォーカスする場所なのだと。そういうものを今増やしていく必要がある。これは居場所の時代ということなのだと思うのですけれども、そこを押さえておく必要は、居場所を増やしていこうというときに何を増やすのかということを考えるときには大事なことになるのかなと思って、それも入れておいたらと思いました。

以上です。

前田部会長: ありがとうございます。

ほかによろしいですか。

今、手が挙がっておりませんので、いろいろな方から御意見が出たのですけれども、事務局のほうで何かお答えすることはございますでしょうか。

山口成育環境課長: ありがとうございました。事務局です。

今回は1周目ということでまず皆さんに御意見をいただいていますので、いただいた御意見を踏まえて我々のほうでも構成等も含めて検討して、また次の回がございますので、その際に御議論いただけるようなたたき台を準備したいと思います。

前田部会長: 皆さん、よろしいですか。言い足りなかったこととか、何かございませんでしょうか。

いろいろな意見が出ましたけれども、事務局のほうで改めて盛り込んでたたき台をつくってくださるということです。

それでは、お手が挙がっておりませんので、これで一旦議論を締めさせていただきたいと思います。

事務局から、今後の予定についての御説明をお願いします。

山口成育環境課長: ありがとうございました。

今後の日程ですけれども、次回第7回は8月23日15時半から18時の2時間半、第8回は9月6日16時から18時の2時間を予定しております。いずれも対面、オンラインのハイブリッド形式での実施を予定しております。よろしくお願いいたします。

前田部会長: 今日は山本委員が御欠席で、山本委員からの御意見が紙面で出されておることは申し添えたいと思います。また、皆さん、この会が終わってからも気づかれて言いたいことやいろいろな御意見がございましたら、ぜひ事務局までメールなどで御連絡いただければと思います。

今日はどうもありがとうございました。次回は2時間半となりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。