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基本政策部会(第4回)

概要

日時:令和5年7月13日(木)9時30分から12時00分
場所:こども家庭庁長官官房第二会議室(霞が関ビルディング14階)
 
【オンライン配信URL】
URL:https://youtube.com/live/9Mh-mC3EAYE

議事

  1. こども大綱の各論について①
    ((1)幼児期まで~(3)思春期について)

資料

議事録

秋田部会長:皆様、おはようございます。

ただいまより、第4回「こども家庭審議会基本政策部会」を開始いたします。

本日は、お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

本日より、お手元の議事次第に記載のとおり、こども大綱の各論について御議論をいただきます。

その中でも本日は、乳幼児期から思春期までの部分について、皆様から御意見をいただければと考えております。

12時までの会議を予定しております。

それでは、議事に入りたいと思います。

前回までは、こども大綱の枠組み、目指すべき社会像及び基本的な方針の案について御議論をいただき、皆様から様々な御意見を頂戴いたしました。

本日より、こども大綱の各論のお話をすることになりますが、事務局より資料が用意されてございますので、まず資料に基づいて、事務局から御説明をお願いいたします。

佐藤参事官:おはようございます。

官房参事官の佐藤です。

今日もよろしくお願いします。

事務局から御用意さしあげている資料は、資料1から4です。

資料1を中心に御説明しようと思っています。

ちなみに、資料2は、これまで第1回から第3回までのこの部会の場で皆様方からいただいた御意見もしくは部会の前にいただいた御意見の中で、今回、また次回御議論いただくような個別の政策分野に関する御意見も頂戴していたので、それについては資料2のほうにライフステージごとにある程度カテゴライズしておまとめしています。

御説明は省きますけれども、これまでの皆様方の御意見をまとめたものだということであります。

また、資料3と資料4は、前回の部会でも説明の時間は持てませんでしたがお配りしたデータですとか、こどもや若者の生の声です。

データのほうは少し充実をさせていますので、いま一度お配りしています。

それでは、資料1を御覧ください。

こども大綱の基本的な施策に係るこれまでの議論とあります。

ここは、この基本政策部会で御審議が行われる前までの、こども家庭庁創設前からこの部会が立ち上がるまでの議論の積み重ねを事務的に整理さしあげたものです。

これらをベースにしながら、今回と次回と御議論を賜れればと思っております。

おめくりいただきまして2ページ目です。

この部会で特に御議論いただきたいポイントでありますけれども、こどもが成長し、若者として社会生活を営むまでの成長の段階の中で、それぞれのライフステージがどのような意味を持つ時期であって、また、それを充実したものとするためにはどういった点が重要か。

また、どのような点に留意をするべきか。

その上で、基本的な施策とは何かということです。

後ほどまた枠組みのところで少し述べますけれども、ここで言う基本的な施策というのは、それぞれの施策分野、各政策の分野での基本的な方向のことを指しています。

この後、ライフステージごとの話が出ますが、現行の子供・若者育成支援推進大綱では、乳幼児期は義務教育年齢に達するまで、学童期は小学生、思春期は中学生からおおむね18歳まで、青年期はおおむね18歳からおおむね30歳未満までとされていますので、それを踏襲した形で整理をしています。

3ページ目、幾つか参考情報ですけれども、まずは今年のいわゆる骨太の方針であります。

6月に閣議決定をしていますので、今既に政府の方針になっているものです。

こども大綱のくだりがありまして、字が小さくて恐縮ですが、かいつまんで御紹介をします。

常にこどもや若者の視点でこどもや若者の最善の利益を第一に考える「こどもまんなか社会」を実現するため、今後5年程度を見据えた中長期の基本的な方針等を一元的に定めるこども大綱を年内を目途に策定する。

2つ目のパラグラフは、全てのこども・若者の健やかな成長の関係です。

1行目から順に行きますけれども、こどもや若者の権利を保障し、国や地方公共団体の政策決定プロセスへのこどもや若者の参画、意見の反映促進。

「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的な指針」を策定し、全てのこどもの育ちに係る質を保障すること。

「新子育て安心プラン」の着実な実施。

その下の行です。

多様なこどもの居場所づくりやこどもと居場所をつなぐ仕組みの構築。

その下の行、母子保健対策。

また1つ下、いわゆる日本版DBSの導入ですとか、こどもが安全・安心に成長できる環境の構築。

希望する人の結婚支援及び妊娠・出産支援をはじめ、自治体等が行う取組を強力に推進すること。

次のパラグラフは、困難を抱えるこどもや若者の家庭の支援です。

こどもや家庭への包括的な支援体制づくりを推進する。

こども家庭センターの設置促進、訪問家事支援、里親支援、社会的養護経験者等に対する自立支援、一時保護所の環境改善、こども家庭ソーシャルワーカーの取得促進など、改正児福法の円滑な施行、児童相談所の質・量の体制強化、児童養護施設等の環境改善、こどもの自殺対策、いじめ防止対策、若年妊婦の支援、ひとり親支援の推進、こどもの貧困解消や見守り強化、少し飛ばしまして、全ての障害のあるこどもへの支援体制の整備等、多様なニーズを有するこどもの地域の支援基盤の強化、こども政策DXの推進。

次のパラグラフですけれども、質の高い公教育の再生、「こどもまんなかまちづくり」、この辺りが骨太の方針に記載をされていることでありまして、これがこども大綱の全てを別に語っているわけではありませんが、こども大綱の中に盛り込まれるべき施策として、今、政府の方針として閣議決定をされているものであります。

続きまして、4ページ目がこれまでも内閣官房時代に有識者会議の話が出てきていますけれども、第1次報告書、第2次報告書を踏まえてこども大綱をつくるのだということを小倉大臣のほうからも述べています。

なので、これまでの議論の積み重ねの中でベースとしていただければということであります。

5ページ目です。

前回の部会までにこども大綱の枠組みについて御議論いただいていまして、大方こういう枠組みかなという御議論になっているかと思いますが、今日以降御議論いただくのは、ここで言うと第3の基本的な施策と次の6ページの第4の部分になります。

これまで第1と第2の部分を議論してきました。

第2の基本的な方針というのはこども施策全体に係る基本的な方針です。

今日と次回御議論いただく第3の基本的な施策は、各施策分野の基本的な方向性であります。

その大きな方向性の下で、より具体的に取り組むという個別の施策や事業については、6ページ目の別添1、施策の具体的内容で記載することです。

なので、例えばですけれども、居場所づくりの話が後ほど説明の中で出ますが、安全で安心できる居場所を多くつくっていこうみたいなことは第3に書かれることで、その居場所の中として、例えば放課後児童クラブはこうする、児童館はこうする、こども食堂はこうするという個別の話は別添1に書かれることです。

そうしたことを念頭に置いていただきながら、いろいろな御議論が出ると思うので、その御議論を踏まえて、文章化のときにはまず事務局のほうでその辺りは少し整理をさせていただければと思いますが、それぞれ位置づけられるような物事の性格としては、そういうことであるというふうに御理解をいただければと思います。

第3の幼児期まで、学童期、思春期、青年期、各ライフステージに共通する事項等については、前回までの御議論を踏まえて、子育て期と立てていたものを青年期の中に入れています。

続きまして、7ページ目を御覧ください。

ここから各ライフステージごとのこれまでの議論の積み重ねのことを事務的に整理したことを御紹介します。

まず、幼児期までであります。

幼児期までのこどもの成長の保障、幼児教育・保育の確保と質の向上でありますけれども、2つ目のポツです。

「幼児期までのこどもの育ちに係る基本的な指針」を策定し、こどもの誕生前から乳幼児期の育ちをひとしく保障する。

次のポツです。

幼稚園、保育所、認定こども園の施設類型を問わず、幼児教育・保育の確保と質の向上を図る。

1行、次の行の最後のほうですけれども、幼児教育と小学校教育の接続の改善を図る。

次のポツ、親の就業の状況にかかわらず、特に3歳未満児の子育て家庭が地域の中で孤立しないよう、地域の身近な場を通じた支援を充実していく。

おめくりいただいて8ページ目、学童期です。

まず、全てのこどもたちの可能性を引き出す学校教育の充実であります。

こどもにとって、学校は単に学ぶだけの場ではなく、安心して安全に過ごしながら、他者と関わりながら育つ、こどもにとって大切な居場所の一つ。

こどもの最善の利益の実現を図る観点から、学校生活をさらに充実したものとすることが重要だと。

2つ目のポツの4行目ぐらいですけれども、学習機会と学力の保障、全人的な発達・成長の保障上、安全安心な居場所・セーフティネットとしての身体的、精神的な健康の保障を、学校教育の本質的な役割として継承していくとともに取組を着実に進めていくことを記載しています。

9ページ目、居場所づくりです。

2番目のポツの後半のほうですけれども、こどもが、アクセスがしやすく、様々な人とつながり、触れ合い、社会性や豊かな人間性を育めるとともに、学習支援や体験の機会等を得ることができ、また、困難に直面したときには支援を求めることができるような様々な居場所を増やしていくこと。

居場所は、児童館、子ども会、こども食堂や学習支援の場など、様々に考えられるが、こどもや若者をあるがままに受け入れられる心の拠り所としての役割を担っており、様々な形態の多くの居場所が提供されることが重要だということ。

おめくりいただいて10ページ目、こどもの安全を確保するための環境整備です。

3行目ぐらいですけれども、こどもの命を守り、犯罪被害や事故からの安全を確保することは、全てのこどもが健やかに育つための大前提であると。

関係行政機関の取組を連携させて強力に推進する。

次が、こどもが安全に安心してインターネットを利用できる環境整備です。

インターネットは、デジタル社会において有用で欠くことができないツールであると。

一方で、望ましくない情報も氾濫し、犯罪被害につながるといった重大な問題も起きている。

こどもが主体的にインターネットを利用できる能力習得の支援や、有害な情報を閲覧する機会を減少させるための環境整備に取り組むと記載をしています。

11ページ目、いじめ・不登校対策です。

最初のポツの4行目の後半ぐらいからですけれども、全てのこどもが教育を受ける機会を確保できるように、こどもの視点も含めて要因や状況を捉え直して、家庭も含めて支援をする。

その次の行の後半ぐらいですけれども、いじめ・不登校など学校に関してこどもが抱える課題は、様々な要因が密接に関連しています。

被害児が加害児でもあったり、加害の背景に虐待体験があったり、その保護者にも虐待体験があったり経済的困難の問題があったりするなど、実態や背景の把握、解決に向けた対応は困難であることも多いと。

少し飛ばしまして、全てのこどもが必要な心理的・社会的支援を受けることができるようにするために学校と、福祉や医療など様々な関係機関が連携して支援する体制を整備するということ。

また次のポツの4行目ぐらいですけれども、いじめ防止対策の強化に向けて必要な対策を講じるですとか、また、いわゆるネットいじめに関する対策の推進を図るということを記載しています。

最後のポツですけれども、令和5年4月からは、いじめの重大事態に対して、国に情報を収集し、文部科学省とこども家庭庁で情報を共有しつつ、重大事態調査の結果について分析等を行い、いじめ防止対策の強化を図るということにしています。

おめくりいただいて12ページ目、思春期です。

自らの心身の健康等についての情報提供や心のケアの充実です。

最初のポツの1行目の後半ぐらいからですけれども、こどもが、自らの発達段階に応じて、心身の健康、性やパートナーシップに関する正しい知識とそのこどもに合ったサポートを得られることが重要であること。

1行飛ばして、思春期におけるメンタルヘルスが最も重要な課題であるということ。

最後から2行目ぐらいですけれども、思春期頃からのプレコンセプションケアを推進するとともに、性の悩みを抱えるこども・若者への相談支援や情報提供、伴走型の支援を充実させると記載しています。

おめくりいただいて13ページ目、自殺対策です。

こどもが相談する力を身につけられるような支援を行うとともに、多様な相談体制の充実を通じてこどものSOSの早期発見に努めるということ。

続いて、次の項目は非行少年を生まない社会づくりや立ち直り支援です。

重層的なアプローチが必要との視点に立って、取組を進めるということです。

続いて、ヤングケアラーの対策です。

ここも世帯全体を支援するという視点を持って、様々なサービスの提供を行うということを記載しています。

ここまでが本日主として御議論いただく部分ではありますけれども、続いて、次回以降に御議論いただく14ページ以降のところも御説明をします。

14ページ目、青年期です。

まず、大人への移行期にある若者への支援です。

移行期にある若者が自立し、社会で活躍することができるようにするのだと。

経済的な基盤を築くことが重要。

その働く場を持っている。

収入を得るだけではなく、それは成長や自己実現の場でもあるということ。

ニートやひきこもりといった困難を抱える若者がいたり、非正規雇用の問題があったりもします。

若者の自立や社会参加に向けた取組を充実させるということを記載しています。

次の項目は、大学教育等の充実です。

組織的・体系的な質の高い教育を受けられるように取り組むということを記載しています。

おめくりいただいて15ページ目、就職・仕事です。

3つ目のポツぐらいですけれども、最重要課題である賃上げに取り組む。

新しい資本主義の下で、成長と分配の好循環ですとか、賃金と物価の好循環という2つの好循環の実現を目指すということ。

また、次のポツですけれども、構造的賃上げに資するものとなるように、リスキリングによる能力向上支援などの労働市場改革を加速するのだということ。

その次のポツです。

L字カーブの解消などを含めて、男女ともに働きやすい環境の整備、同一労働同一賃金の徹底と必要な制度見直しの検討、希望する非正規雇用の方々の正規化を進めるということを記載しています。

おめくりいただきまして16ページ目、若い世代の結婚の希望が、希望する年齢でかなうような環境の整備であります。

最初のポツの2行目ですけれども、18歳~34歳の未婚者の8割以上が「いずれ結婚するつもり」と考えている一方で、婚姻件数の減少や未婚率は上昇しています。

次のポツです。

結婚をするかしないかは個人が選ぶ権利があることが大前提であるという認識の下で、希望する若者がその希望をかなえることができるように、若い世代の経済的基盤の安定に向けた取組や、地方公共団体による結婚支援の取組に対する支援について、より効果的な形で充実させていくということを記載しています。

おめくりいただいて17ページ目、妊娠前から妊娠・出産に至る支援の充実です。

若者に対して、妊娠の希望の有無にかかわらず、早い段階から妊娠・出産のための健康管理などに必要な情報を提供する機会や相談体制を充実させるということ。

また、保険適用された不妊治療について、その相談支援などの体制整備を行うことですとか、妊娠・出産に要する費用についてのさらなる軽減を求める声も根強くあるのだということ。

最後の行ですけれども、若年妊婦のための制度や支援を整備することを記載しています。

次の項目は妊産婦やこどもの医療についてでありまして、成育医療等基本法に基づく基本的な方針等に基づいて、関係分野との相互連携をしっかりと図っていくということを記載しています。

おめくりいただいて18ページ目、妊娠期から子育て期を通じた切れ目のない支援です。

最初のポツの2行目ぐらいですけれども、令和6年度からは、児童福祉と母子保健の一体的な相談支援等を行うこども家庭センターで支援の切れ目やはざまが生じない、継続的な支援を提供できる体制を構築するということ。

最後のポツですけれども、出産・子育て応援交付金について、制度化に向けて検討することを含めて、妊娠期からの伴走型相談支援とともに着実に実施をするのだということを記載しています。

おめくりいただいて19ページ目、子育ての関係ですけれども、子育てや教育に関する経済的負担の軽減です。

最初のポツの下から3行目ぐらい、これまでも、幼児教育・保育の無償化ですとか大学生等への修学支援などが実施されてきていますけれども、今年6月に閣議決定されたこども未来戦略方針に沿って、ライフステージを通じた経済的支援のさらなる強化、若い世代の所得向上に向けた取組を着実に進めていくことを記載しています。

次の項目は地域子育て支援です。

3行目ぐらいですけれども、在宅で子育てをしている家庭を含めて、全てのこどもと家庭を対象として、虐待予防の観点からも、地域のニーズに応じた様々な子育て支援の量的拡充と質的改善を図るということを記載しています。

次の項目は家庭教育支援です。

保護者が家庭において基本的な生活習慣や自立心等を育む教育を行うため、保護者自身が学んでいけるよう支援することを記載しています。

おめくりいただいて20ページ目、子育てと仕事の関係です。

まず、女性と男性が共にキャリアアップと子育てを両立できる環境の整備です。

共働き世帯は増加を続けていて、今や全世帯の約3分の2が共働き世帯になっています。

下から2行目、女性に一方的に負担が偏るワンオペ育児の状況を解消して、性別に関わらずキャリアアップと子育てを両立できる環境整備を進めることを記載しています。

その次の項目が、共働き・共育ての推進、男性の家事・子育てへの参画促進・拡大です。

2つ目のポツですけれども、夫婦が相互に協力しながら子育てし、それを職場が応援し、地域社会全体で支援する社会をつくっていかなければならない。

1つポツを飛ばして下から2つ目のポツです。

企業においても、出産・育児の支援を投資として捉えて、職場の文化・雰囲気を抜本的に変えて、男性、女性ともに、希望どおり、気兼ねなく育児休業制度を使えるようにしていく必要があるのだと。

最後のポツです。

男性の家事・子育てへの参画の意識改革に加えて、就労環境や企業風土の根本的な見直しをするということで、男性が家事・子育てに主体的に参画することを社会全体で後押ししていくということを記載しています。

おめくりいただいて21ページ目、創造的な未来を切り拓くこども・若者の応援です。

こども・若者が、一人一人異なる長所を伸ばして特技を磨き、才能を開花させて、世界や日本、地域社会の未来を切り拓いていけるように応援をしていくのだということです。

次の下半分の項目は、多様な体験活動の機会づくりです。

こどもが自発的に様々な体験や学びを得られる遊びの機会や場を保障していくのだということ。

次の2つ目のポツの3行目ぐらいですけれども、体験活動がこどもの健やかな成長の原点であると改めて認識した上で、国や自治体、地域、園・学校、家庭、民間団体、民間企業等が連携・協働し、こどもが発達段階に応じて多様な体験・外遊びができるような機会を意図的・計画的に創出することを記載しています。

22ページ目、こどもの人権・権利です。

こどもや若者はもちろん、大人に対しても、こども基本法や児童の権利に関する条約の趣旨、内容について情報提供、啓発を行うことを記載しています。

次の項目は、主権者教育の推進です。

主権者として社会の中で自立し、他者と連携・協働しながら、社会を生き抜く力や地域の課題解決を主体的に担うことができる力を発達段階に応じて身につけることができるようにするのだということです。

もう一つの項目が、固定的性別役割分担意識の解消ですとか固定観念の打破です。

2行目です。

こどもが、性別にかかわらず、進路選択をはじめ様々な可能性を広げていくことができるように、幼少期から大人になるまでの間に、保護者や周囲の人、学校、メディアなどが、固定的な性別役割分担意識等を植え付けず、また、押しつけないための取組を進めるということを記載しています。

23ページ目、困難な状況にあるこども若者、家庭への支援です。

まず、障害児支援の充実です。

障害児の地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進することが重要だと。

障害や発達に課題のあるこどもへの支援は、一般の子育て支援との連続の中で行うということ。

特に医療的ケアが必要なこどもや様々な発達に課題のあるこども等について、医療、福祉、教育が連携して対応するということ。

この最初のポツの最後のほうですけれども、特別支援教育については、インクルーシブ教育システムの実現に向けた取組を一層進めるということを記載しています。

おめくりいただきまして24ページ目です。

児童虐待防止対策のさらなる強化です。

2行目、「虐待は誰にでも起こり得ること」との認識の下、3行目の後半ですが、児童相談所や市町村のさらなる体制強化、要保護児童対策地域協議会の運用改善はもちろんのこと、こどもの権利が擁護され、こどもの最善の利益を保障するために、こどもの意見を聞く仕組みづくりを行うということを記載しています。

続いて、こどもの貧困対策です。

貧困の状況にある家庭では、様々な要因によりこどもの希望や意欲がそがれやすい。

いろいろな背景があります。

そうした認識の下で教育の支援、生活の安定に資するための支援、保護者の就労の支援、経済的支援を進めるということを記載しています。

25ページ目、社会的養護を必要とするこどもに対する支援の充実です。

家庭養育優先原則に基づいて、社会的養護の受け皿の確保・充実、こどもの権利保障や支援の質の向上を図る。

こどもの意見を尊重した改善に取り組むということを記載しています。

また、社会的養護経験者や同様に困難な状況に置かれた若者についての自立支援として、寄り添い、伴走型の支援、複合的な課題にも対応できる多職種・関係機関の連携などで自立支援を進めるということを記載しています。

次の項目はひとり親家庭への支援です。

それぞれの家庭の状況に応じた適切な支援を実施する。

プッシュ型による積極的な相談支援を行うですとか、ワンストップの相談支援体制を強化することを記載しています。

次の項目は、在留外国人のこども・若者への支援でして、就学支援、適応支援、日本語指導等の個々の状況に応じた支援を推進することを記載しています。

26ページ目が包括的な支援体制づくりです。

改正児童福祉法の円滑な施行、児童相談所の質・量の体制強化、児童養護施設等の環境改善に取り組むとともに、こどもの自殺対策の強化、いじめ防止対策の推進、若年妊婦の支援に取り組むことを記載しています。

その次の項目が、こどもや家庭の支援に関わる人材の確保・育成・ケアの話です。

2つ目のポツの2行目ぐらいからですけれども、専門分野の人材の確保、専門性の向上を図る。

地域における身近な大人や若者などボランティアやピアサポートができる人材など、こどもの健やかな成長を支える多様な人材を確保・育成する。

その次の行、支援者に対するメンタルケアに取り組むということを記載しています。

27ページ目、子育てに係る手続・事務負担の軽減の関係で、こども政策DXを推進し、プッシュ型の通知ですとかデジタル技術を活用した手続等の簡素化などを図るということを記載しています。

続いて、必要な支援を必要な人に届けるための情報発信やアウトリーチ型・伴走型の支援について。

2行目ぐらいですけれども、必要な人に情報や支援が届くよう、正確で分かりやすい情報に簡単にアクセスできるようにしたり、次の行、SNS等を活用したプッシュ型の広報ですとか、オンラインでの利用者支援など、情報発信や広報の改善・強化を行うということを記載しています。

その次の下の項目は、こども・若者、家庭支援のためのデータ連携でありまして、個々のこども・若者や家庭の状況や支援内容等に関する教育・保育・福祉などの情報・データを分野を超えて連携させることを通じて、潜在的に支援が必要なこども・若者や家庭を早期に把握して、プッシュ型・アウトリーチ型支援を届けるということを記載しております。

最後のページ、28ページ目であります。

関係機関・団体間の連携ネットワーク、地域における支援ネットワークの強化であります。

最初のポツの2行目、要保護児童対策地域協議会や子ども・若者支援地域協議会などの法的枠組を活用して、学校、福祉関係機関、自治体の教育委員会や福祉部局、児童相談所等の関係者間の連携を強化するとともに、関係者のネットワーク化を進めるということ。

また、その次のポツです。

子ども・若者支援地域協議会と子ども・若者総合相談センターの設置促進と機能強化のための取組を抜本的に強化する。

また、これらの枠組みを、要保護児童対策地域協議会や生活困窮者自立支援法の枠組みなどと連携させるということを記載しています。

次に、意識改革の関係です。

まず、「こどもまんなかまちづくり」、住宅支援の強化として、こどもや子育て世帯の目線に立った「こどもまんなかまちづくり」を加速化させるということを記載しています。

最後の項目、社会全体の意識改革として、地域社会、企業など様々な場で、年齢、性別を問わず、全ての人がこどもや子育て中の方々を応援するといった社会全体の意識改革を進めるということを記載しています。

私のほうからの説明は以上になります。

秋田部会長:御説明どうもありがとうございました。

それでは、これから約2時間程度、御議論をいただきたいと思います。

まず最初は幼児期までについて30分程度御議論いただきまして、順次、学童期、思春期とテーマを移してまいりたいと思います。

なお、会議の最後30分程度は、3つのテーマ全体について改めて御意見をいただく時間も設けようと思っておりますので、30分で発言ができなかった場合には、そちらもあるということで御承知おきください。

なお、今回の議論に当たりましては、事務局からも御説明がありましたが、基本的な施策だけではなく、例えば、こども・若者が社会生活を営むに当たって、学童期はどのような意味を持ち、充実した学童期を過ごすことはどのような点で重要なのか、それを踏まえて学童期のこども・若者への支援に取り組むに当たってはどのような点に留意をすべきかといったことについて御意見をいただきたいと思います。

各時期の意義と施策というところになります。

大変申し訳ございませんが、できるだけ多くの委員から御意見をいただきたいと思っておりますので、各委員、1回の御発言は極力2分程度に収めていただけると幸いです。

では、幼児期までの部分で御意見・御発言のある方は、挙手をいただきましたら、こちらから指名をさせていただきます。

オンラインの皆様は手を挙げる機能を使ってお知らせいただけましたらと思います。

それでは、よろしくお願いいたします。

松本委員、お願いいたします。

松本委員:発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。

また、事務局の方、委員みんなそうだと思うのですけれども、ほとんどこの間寝ておられないのではないかと思いますので、本当に御尽力ありがとうございます。

それで、各ステージの前に全体の枠組みについて意見を1点述べます。

各ライフステージごとに話をして、最後に共通というふうになっていますけれども、これを見ると、やはり共通のほうを先に出して、その後にステージごとに個別にといったほうが話の組み立てがしやすいのではないかと思います。

各ステージごとに見ても、どこに入れるか困って、とにかくここに入れましたと。

でも、ほかにも関わるみたいなことが結構多いような気がするのです。

ですので、最後の整理のときに、むしろ共通のところを前に出して、その上で個別のステージごとというほうが書きやすいし、分かりやすいということが1点。

もう1つは共通のところですけれども、例えば社会的養護とか、ひとり親とか、ある種の問題別に書いているところと、例えばDXとか、そういう行政の在り方ということが混在しているのですね。

これはやはり分けて、例えば、行政なり施策の全体のDXとか連携というのは、最後にまとめて書くと。

問題に関するようなところはむしろ先に出して、社会的養護のところでも、そのときの乳幼児のところにそこも入るとか、自立支援のところもまた入るとか、そのような構成にすると議論がしやすいし、分かりやすいのではないかという意見です。

すみません。

2分をちょっと超えちゃいました。

今度からストップウオッチを持ってきます。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

幼児期までということでございますが、これから各時期を議論していくのに、むしろ全体のライフステージの部分で前にこれを持ってきた方がいいのではないかというような、全体の貴重な御意見をいただきました。

全体に持ってくる部分と、DXのようにむしろ行政的な体制の部分は後でいいのではないかというような御意見がございました。

ありがとうございます。

それでは、続きまして、太田委員、お願いいたします。

太田委員:ありがとうございます。

幼児期からスタートということなので、それに関して少しお話しさせていただきたいと思います。

幼児期の特性として、やはり全面的に他者に依存しないと生存が難しいという条件と、もう一つは、幼児期の場合には、そこでの養育の動向が将来的に非常に大きなインパクトを与えるという、そういった点が重要かなと思います。

全面的に他者に依存しなければいけないというような部分に関しては、やはり大人のケアが非常に重要であって、そういったことを実現しなければ、命すら長らえることができないという点に関して、やはり明確に書いておくべきかなと思いました。

実際に、非常に大きな問題として、命を長らえることが難しいという状況は、やはり虐待で生じているということが非常に多くて、これは各ライフステージ共通のところに書かれてはいるものの、ゼロ歳児での死亡が非常に多いということを考慮いたしますと、こちらのほうにもより明確に書いておく必要があるのではなかろうかと考えます。

そういった悲劇から幼児を守るということがあってこそ、幼児教育の質の問題というのがまた続いていくのではないかと思いますので、その辺りの書きぶりを、まずは命を守るようなことを前面に出すのはいかがかと思いました。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございました。

命の問題、虐待から守るというところで、特に乳幼児期のところに入れてはどうかという御意見をいただきました。

ゼロ歳児、ゼロ日に一番死亡が多いわけですけれども、この辺りも重要な点かと思います。

続きまして、矢島委員、お願いいたします。

矢島委員:ありがとうございます。

私も先ほどの委員の意見にありました、最後の共通部分を前に持ってくるということに賛成です。

そして、前に持ってきたところで、全ライフステージに共通するこども・子育ての支援の部分と、社会の変化を促すという必要性の部分は分けて記載いただいた方がいいのかなと思います。

全体の共通部分の中で、やはり子育てとか虐待という問題については、従来からもこどもの年齢別に課題が異なっていましたので、今の委員の御指摘にあったように、共通の問題を示しつつ、こどもの年齢層別に違う視点というのは個別に指摘したほうがいいのかなと思います。

それと、幼児期までについて申し上げますと、やはり幼児期までというのは取り巻く家庭環境の問題が大きくて、親の子育ての問題が大きいのですが、それが最後の2行でお示しいただいているところかと思います。

共通部分が前半に出てくればある程度すっきりするかとは思うのですが、(この2行で子育ての課題が集約されている一方で)下から2段目の項目の親の就業の状況の有無にかかわらずという部分で、ここにも親側の問題が少し混在してきています。

その辺りを、冒頭の部分で子育ての問題を整理した上で、いま一度(年齢層別での表記としても)見直す必要があるかと思っています。

あと、匿名出産の問題などが、匿名出産の親側の問題と、そうした状況で生まれたこどもの権利の問題、あるいは保護の問題などをどこに入れていくのかというのが今少し抜けてるのではないかなと感じました。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

それでは、続きまして、木田委員、お願いいたします。

木田委員:発言の機会をいただきましてありがとうございます。

弁護士の木田でございます。

冒頭、前回ここの部屋にかわいらしいこどもの絵があると指摘させていただいて、恐らく前回より位置が低くなっているなと思って、これはこどもの視点に立ってということで、本当にこども家庭庁の事務局の皆様が細やかな配慮をされていることに感銘を受けております。

ありがとうございます。

まず、冒頭に指摘させていただきたいのは、このようにライフステージで整理していただいた資料を見ると、(4)の青年期、要するに少子化対策子育て支援のウェイトが多いように、私から見ると見えてしまいまして、困難を抱えるこどもにもひとしくウェイトを置いていただくというのは、念頭に置いていただきたいと思います。

前回確認させていただいたとおり、主語をこども・若者として捉えるこどもまんなか社会、そして、こども中心、こどもの権利保障という基本的方針は、全ての各論にも反映されるべきだと考えます。

その意味でも、全てにわたるところを前面にまず出して、その後に各論、各ステージという松本委員の意見には賛成です。

幼児期について1点指摘いたします。

既に出ているところですが、私もやはり幼児期の虐待死ということに強い問題意識を持っています。

令和2年度に発生したこどもの虐待死亡事例は66例で77人、心中以外の虐待死が49人ということで、実に1週間に1人のこどもが命を落としているわけでございます。

そのうち65%がゼロ歳の赤ちゃんで、救える命はなかったのか、真剣に向き合わなければいけないと思っているところです。

具体的に言いますと、チャイルド・デス・レビュー、予防のためのこどもの死亡検証ということも既に始まっていると思いますが、やはり複数の機関が連携して、なぜそのように命を落とすようなことが起きてしまったのか、既往歴とか家族背景、死に至る直接の経緯、いろいろな観点から予防の検証ということも行っていくべきですので、このチャイルド・デス・レビューについても記載いただければと思います。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、オンラインの有村委員、お願いいたします。

有村委員:お時間いただきありがとうございます。

また、様々な議論を細かくまとめて御説明いただき、ありがとうございました。

私からは、冒頭に松本委員からもありましたけれども、全体のことに関して2点、それから、幼児期までのところに関して3点あります。

1つは、以前から申し上げておりますが、周縁化されている人たち、当事者の方々であったりとか、子育ての不安があったりとか、グレーゾーンになっていたこども、そして親になった方がそこから学ぶというのは、どこか全体のところには、もし入れるなら入れたほうがいいかなと思っています。

前後が入れ替わるのであれば、そういう構図も入れていただきたいなと思いました。

それから、今の議論をお伺いして、幼児期までというよりも、その前のところをもう一つ分けてもいいぐらいの議論なのかなと。

0歳0か月の死亡のこととかが出てきますと、そういうところも考えました。

あと、幼児期までのところですが、やはり誰しもが子育てに関しては不安なところがあるかなと思いますので、そういった意味では、各論に入っているところでもできるだけここに入れるべきものはあるのかなと思いますのが一つです。

もう一つ、例えばきょうだいがいる場合など、多様な家庭があって、少子化対策に偏らないほうがいいという御意見もありますし、それは踏まえた上でと思いますけれども、やはり複数のこどもたちがいるときに、サービスとサービスを一人ずつのこどもに対してつくっていても、その間がなかなかない。

これは障害のあるきょうだい児のところなんかもそうですけれども、そういう部分も考慮される必要があるかなと思いました。

幼児期までのところ、特に親御さん、障害のところもそうですけれども、ここから先は障害で、ここから先は障害じゃないという線引きモデルは結構怖いのかなと思いますので、グラデーションで描いていくようなモデルであったり、社会の在り方を考えていかなければならないかなと思いました。

2分を過ぎてしました。

以上でございます。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

それでは、続きまして、岸田委員、お願いします。

岸田委員:発言の機会をいただきありがとうございます。

また、取りまとめ、こちらに至るまで御尽力に感謝いたします。

まず、ライフステージの立てつけについて1点です。

子育て支援の記載についてなのですが、前回の討議の中で、青年期の中に支援という形で立てつけとして入れてはどうかと私自身申し上げたところで恐縮なのですが、現在の整理のされ方を拝見していて、妊娠、出産、子育てが非常に大きなボリュームを占めているという点で、これはやはり、さらに改善が必要なのかなと感じました。

こどもまんなかの目的、ゴールが少子化対策なのかというふうに受け取られてしまうことは避ける必要がありますし、子育て支援は幼児期のみならず、学齢期ですとか思春期に関しても非常に必要だという側面も踏まえまして、こどもを育てる当事者の支援の在り方として、それぞれのこどもの発達年齢各ステージの中に親支援というものも入れていく必要があるのかなと思います。

その上で、幼児期までについて1点ですが、この時期の捉え方としまして、ゼロ歳の乳児も決して無力な存在ではないのだと、こどもの有能性ということを認めていくことがまず権利擁護の出発点なのかなと思います。

その意味で、大人がこどもとの関わり方を変えていくという視点が要るのかなと思っております。

また、先ほどお話があったように虐待の頻出期でもあり、保護者の負担感も多い時期ですので、こどもの発達ですとか子育て、関わり方に対する知識が必要なのだろう。

それはこどもが誕生する前から、父母共に継続的に行われる必要があると考えます。

虐待を禁止する法律はあっても、では、それに代わって、どう関わったらいいのかという知識が不足しているという部分は、保護者の皆さんと接していても強く感じるところです。

こどもDXで、様々なデジタル支援ということをされると思うのですけれども、その中でぜひこどもの意思を尊重する関わり方だったり、こどもに選択肢を与えたり、参画するという機会を日常の関わりの中でどのように織り込んでいけばいいのかということを、保護者支援の中でもぜひ知識の提供という形で取り入れていただきたいと思います。

例えば、ペアレントトレーニングを全ての保護者の皆さんが受けられるような、そういった知識を得るというような手法もあるかと思いますので、ぜひ検討いただければと思います。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

ほかにはいかがでございますでしょうか。

それでは、清永委員、お願いします。

清永委員:清永でございます。

送られてきた資料を拝見して、私は資料を提出しないといけないものだと思っていて、見た途端にファイルが1つつくられていて、ちょっと冷や汗が出たところでした。

すみません。

厚かましくたくさん送ってしまいまして申し訳ございません。

短く申し上げますが、今の幼児期に関してなのですけれど、私の資料、清永委員資料という中の6ページから9ページまで、特にゼロ歳児からの安全教育ということで資料を送らせていただきました。

こちらは既に私が関わらせていただいている世田谷区などで、サポーターズマニュアルという形でゼロ歳からの安全教育のプログラムが書かれています。

ほかにも私が関わらせていただいたゼロ歳からの安全教育のプログラムを基にまとめたものでございます。

こちらに、先ほどの虐待の話とも関わりがありますが、まず親にとっても初めての子育ての仕方を学ぶ、そして環境づくりを学ぶ大事な時期だということで、こどもの安全のためにも、こちらは親の安全教育のプログラムを併記しています。

既にいろいろなところであると思いますが、こども自身の力をつけていくことと、親自身の力の育成というものを併せて体験しながら学べるプログラムを改めてつくっていく必要があるのではないかなと思って、御提供させていただいた次第です。

ありがとうございます。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

ほかにはいかがでございますでしょうか。

それでは、私のほうでも個人的に、幼児期までの育ちの指針のほうの部会にも出させていただいておりますが、乳幼児期という時期は、やはり心身とか脳科学の発達から見ても最も重要な時期で、その時期において、食や睡眠や運動であったり、それから心理的な安定もそうですけれども、バイオ・サイコ・ソーシャルということを指針の中では議論しておりますが、そうしたものがきちんと保障されるということが極めて重要な時期であり、また、保育の質ということが書かれているのですけれども、例えば今、園庭のない保育所であったり施設に関しても、必ずしも十分なことが保障されていないところもあります。

また、地域によって、人口減少地域で保育所の廃園や閉園の問題、それから、産婦人科がなくなったり小児科のお医者さんがいない地域が出てきたりしています。

こうしたこどもの健やかな乳幼児期からの育ちを保障する様々な場所の質の確保や、医療の体制の確保というようなことが重要ではないかと思っておりますので、この点、個人的な意見として出させていただきます。

2分はかかっていないと思うので、一委員としてお話しさせていただきました。

ほかにはいかがでございますでしょうか。

松本委員、お願いいたします。

松本委員:2分以内に。

今、秋田部会長がお話しになったことに賛成という立場から、少し別の観点からですけれども、1つは、医療資源の配置ということもお話しになりましたが、やはり親の健康なのですね。

これは乳幼児期だけに限らないですけれども、全体を通してということになると思うのですが、例えば北海道で調査しましたところ、経済的な理由でこどもの受診抑制みたいなものはあるのですけれども、各段階で親のほうが受診抑制が高いのです。

こどもは何とか行かせて、親のほうに負担が行くと、親のほうが我慢しているという構図があるということです。

だから、こどものほうだけではなくて、こどもは何とかこどものウェルビーイングを守って、親のほうに負担が集中しているという構図をどうなくすかということが大きい。

そういう観点から、例えば健康の問題、あるいはメンタルヘルスの問題も、きちんと議論をするということが1点。

それと配置の問題はつながると思います。

もう一つ、園庭の話をされましたけれども、やはりこどもが遊ぶ権利といいますか、勉強の話はよく出てくるのですけれども、遊びの話はあまり出てこないのです。

居場所と活動は出てくるのですけれども、あまり遊びという観点で各段階、特に乳児期から学童期にかけて、遊びという活動を保障するという観点で居場所なりいろいろなことがあると話が通るのではないかと思います。

すみません、2分を超えたかもしれません。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、駒村委員、お願いいたします。

駒村委員:ありがとうございます。

私もシンプルに。

まず、保育園とか幼稚園、こども園の配置基準も含めて、質の向上を目指していただきたいなと思っております。

それから、やはり親の状況というのが、厳しい就業環境等によって、かなりささくれたというか、ストレスを感じて家に帰ってくると、どうしてもこどもに厳しく当たってしまう。

それがまたこどもの成長にも悪影響を与えると思いますので、社会全体で、本当に働き方みたいなものも見直していかないと、パーツパーツではなかなか解消できる問題ではないのかなと思います。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、堀江委員、お願いいたします。

堀江委員:ありがとうございます。

本日ちょっと娘の対応で、耳だけで最初のほうは聞かせていただいておりました。

私からは3点ございます。

まず、これだけ多くの量をまとめていただきましてありがとうございます。

気になった部分としての3点の1つ目は、ネットのところなのですけれども、ネットであったりとか性犯罪みたいなところに関して、こどもが受けないようにということは書いてあるのですけれども、これを一緒に書いていただくといいかなと思っています。

やはりネットでの変な漫画だったりですとか、性的な広告がかなり多くあるということを感じておりまして、これを一刻も早く規制していくということが、こどもの育ちに対してもすごく必要になると思いますので、そういったあらゆる性犯罪に近いようなものを規制していくというのは、かなり強くやっていかなければいけないのではないかなというところが1点目。

2つ目は自殺の防止のところです。

これはどちらのほうを先と後と言っていいのかあれなのですけれども、学校の中でかなり自殺というのが増えていっているということはよく言われているところで、しかも、同じような事故がすごく多いということもあるので、その調査委員みたいなものを全国でつくっていくことがすごく重要なのかなと感じております。

3点目は、今まで準備のときから書いていた、親になる前教育のところがあまり書かれていなかったなというような印象がありまして、先ほどのペアレンティングの授業みたいなところがお話としてもあったと思うのですけれども、親になる前にリアルにこどもと接していく、子育て体験をしていくですとか、多様な親の在り方だったり家族の在り方、そして、何かがあったときにこういった場所に相談に行ってもいいんだみたいなところを、例えば高校の家庭科で必修化するですとか、そういうふうにマストで必ず受ける。

そこから何かがあったときに行く先が分かるというようなところまでやっていかないと、なかなかアウトリーチというのはできないのではないかなと思いますので、幼児期までというところ、親になる前のところも含めて、ぜひ考えていただければと思っております。

以上になります。

秋田部会長:ありがとうございます。

幼児期までのところに入れるか、親の問題は青年期のほうに入れるかということで、今回は青年期に入れているわけなのですけれども、この辺りもまた必要なところで御議論をいただければと思います。

堀江委員:そうですね。

どちらのほうでお伝えすればいいのかがちょっと難しかったのですけれども、よろしくお願いいたします。

秋田部会長:ありがとうございます。

よろしいでしょうか。

あと、先ほどデジタルの話がございましたが、小学校以上は一応、デジタルリテラシーなどこどもが教育を受けるのですけれども、乳幼児期はデジタルネイティブのこどもたちの教育というのを親も分かっていないで危険にさらされているというような状況を、今後やはり、どのように保護者にも乳幼児期の正しいネットとのつながりのための教育をしていくのかというようなところも必要なところかと思われます。

続きまして、田中委員、お願いいたします。

田中委員:今日もよろしくお願いします。

いつもは原稿を用意してちゃんと読んでいるのですが、今は思ったことを伝えたいなと思って手を挙げさせていただきました。

まず、木田委員や堀江委員がおっしゃった保護者への知識の支援というのは、私自身もすごく大切だなと思って、賛同しております。

また、幼児期において、私自身がこれまでお話を聞いていて感じたのは、愛着の形成みたいな部分があってもいいのではないかなと感じました。

それは赤ちゃん、乳幼児の子たちと特定の人との関係性があって、それが担保されるみたいなことがあると、こどもの連続した育ちという点でいいのではないかなと聞いていて思いました。

やはり社会的養護を経験した子たちの中には、愛着の部分が形成されなくて今も悩んでいるという子が結構いるので、幼児期からその関係を築けるようなというのは、多分全てのライフステージに共通すると思うので、このパートなのか、後半のライフステージに共通する事項なのかで入れていただけるといいのかなと感じました。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

愛着の問題は、幼児期までの指針の中でも最も要の一つとして議論されているところです。

重要な御指摘をありがとうございます。

田中委員:ありがとうございました。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、幼児期についてはこの辺りで、まだ時間はございますが、先に学童期、思春期と進みまして、その後に全体を通してもう一回御意見をいただくようにいたしたいと存じますので、次に、学童期にテーマを移して議論をしてまいりたいと思います。

御意見のある方は挙手をお願いいたします。

松本委員、お願いします。

松本委員:いつも最初で恐縮です。

2分以内に。

1つ、学童期のところで、学校教育という表現なのですけれども、これは公教育の在り方という形で御指摘をする必要はないかということです。

公共政策の問題ですので、やはり公教育をどう考えるかということはとても大きな論点かと思います。

これが1点。

2点目は、学童期以降のことに関わるのでしょうけれども、過度な競争環境に置かれている学校、あるいは子育てということについて、どのように和らげるかという視点が必要かと思います。

特に過度な競争的な環境がこどもへの経済的投資と結びつくと、家族への所得保障を幾らしても、こどもを複数持つよりも1人のこどもに集中的に投資するということが合理的な行動になりますので、やはり過度な競争的環境をいかに和らげるかということが、こどもの福祉と、あるいは親の子育てを支えるということの割と大きな根っこにあることかと思いますので、そのことをどういうふうに書くかということが1点です。

ほかに、例えばいじめとか、性犯罪とか、不登校とか、これは学童期のみの話なのかなというのはちょっと意見を持っておりますけれども、それはまた時間がありましたら述べます。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

公教育であり、また義務教育というところをどう考えていくのか、一番重要なところの時期でございますので、その点を考えてまいりたいと思います。

続いて、貞廣委員、お願いいたします。

貞廣委員:ありがとうございます。

発言を1度にしますので、ちょっと2分を超えていたら申し訳ありません。

まずは冒頭で松本委員がおっしゃった構成の変更については私も賛同いたします。

冒頭に全体を貫くような物事が書いてあって、後で段階別にという点でも評価できますし、これから申し上げる意見にも連動しているのですけれども、なかなか特定の期に押し込めることが難しい問題が多々あるように見えますので、構成案については松本委員の御意見を参考に御検討いただければと思います。

以下3点申し上げたいと思います。

1つ目は、教育の役割として、社会的公正の実現というキーワードとともに、その社会的公正の実現が教育によって、もしくは教育の格差是正や縮小、包摂といったことによって実現するという点、これらをキーワードと共に入れていただきたいということです。

書きぶりとしては書いてあるのですけれども、明確にこういうキーワードを入れていただきたいという意見です。

公教育、義務教育、学校教育制度というのは、こどもたちの格差を拡大するためにつくり上げられているものではないのですけれども、実際には学校教育が格差を固定化してしまっているという側面があります。

これをぜひ、格差を縮小し、社会的な包摂を実現するものとして変換をしていくと、そういう学校のありよう、教育のありようをつくるということを入れていただきたいということが1点です。

関連しまして、お示しいただいている資料1で言うと8枚目のスライドになろうかと思いますけれども、終わりの部分のところに、学校における働き方改革を進めつつ、学校が本来求められる役割に対して、その力を十分に発揮できるようにしておくとあります。

実際には、もうこれ以上学校の善意に甘えられないぐらい、学校の先生方は十分に頑張っていらっしゃいますので、今後は、その力を更に十分に発揮できるように、条件整備の充実も進めていくという文言も入れていただきたいと思います。

これが2点目でございます。

3点目は、少しスライドを進んでということですけれども、今2つ申し上げた意見も、学童期、思春期、青年期に貫かれての物事かと思いますが、これから3点目は特にそうです。

資料で言いますと、11ページのいじめ・不登校対策に関連するものです。

全体的に現状を踏まえて書いていただいているのですけれども、若干事後的な対応に重心が置かれている印象があります。

いじめの問題、不登校の問題、または世界的には中等教育を途中でやめてしまう早期離学の問題と認識をされているものですけれども、こうした物事への対応というのは、予防、介入、補償の3つがセットで行われるものなのですね。

そう考えたときに、少し予防的な側面や、特定のハイリスクの集団にあらかじめ介入をするというような側面が十分に書き込まれていない印象がありますので、その辺りも十分に書いていただきたいと思います。

以上3点です。

よろしくお願いいたします。

秋田部会長:ありがとうございます。

重要な点、社会的公正や格差の縮小、社会的包摂というような概念をきちんと入れていきたいと思います。

他の点もありがとうございます。

それでは、続きまして、青木委員、お願いいたします。

青木委員:ありがとうございます。

先ほどの皆様の御意見にもあったとおり、私も個々の内容をそれぞれのライフステージごとに当てはめていくのは難しいところがあるかと思っております。

やるべきことの中でライフステージごとに見ていくことはあったとしても、それぞれやるべきことにまとめて示していくほうが分かりやすいのではないかなと思っております。

その上で、今回の学童期のところで申し上げますと、居場所づくりのところになりますが、ここでの書きぶりを見ますと、身近な環境というと、どうしても平日のところに目が行きがちなると思うのですが、週末の活動とか休日の活動というところにもこどもたちの居場所になるところはありますので、そういうところにも少し視野に置いていただければと思っています。

例えば、ボーイスカウトとかガールスカウトの活動がありますが、不登校のお子さんが、学校には行けないけどそういったところで自分たちの居場所を見いだし、ボーイスカウト、ガールスカウトの活動は頑張れるというようなこともあります。

なので、「身近な」といったところは、距離的な問題ではなく、こどもたちが心理的に身近と感じられるようなところがあるかどうかといったところにも視点に置いていただければと思っております。

次のページにあるこどもの安全といったところですが、安全といった場合に、この時期は体罰とか虐待、また交通安全といったところもこどもたちの命に関わるところとしてはよく挙げられることになります。

こういったところも、安全の視点としては大事になってくるのかなと思っております。

先ほど、貞廣委員がおっしゃられたように、学校は今もうやるべきことはかなりやっていて、一杯一杯な状態でやっていると思います。

こどもたちの時間を考えてみた場合、学校の時間よりも放課後や休日の時間のほうが全体的に見たら長いので、学校教育だけではなく、地域や家庭といった放課後や休日の時間をもっと大切に考えながら施策を考えられたらいいかなと思いました。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

地域、放課後、こども自身もワーク・ライフ・バランスではないですが、学習と遊びや休養のバランスも重要かなと今伺っていて思いました。

それでは、続きまして、矢島委員、お願いいたします。

矢島委員:ありがとうございます。

最初に、やはり先ほど松本委員がおっしゃられた公教育という視点が非常に重要だと思っていまして、今の学童期のところで見ますと、1ページ目からこどもの学びのことが書いてあるのですけれども、内容を読むと、居場所の問題と、それから新しい時代に対応した教育みたいな視点になっているのですが、本日の資料の参考資料の最初に示された経済財政運営と改革の基本方針では、「公教育の再生の強力な推進」という言葉が使われていて、今現在やはり公教育が非常に危機的な状況にあるという認識、そこに立つことが、現在まとめている大綱の案の中には欠けているのではないかなと思います。

(学童期の教育において)こどもが、年齢別のこども像、成長とか発達とか学力の平均像に合わせることを求められているということと、1人の担任教師が多くのこどもたちを見るという運営側の事情、それらによって、適応が困難なこどもたちがかなり多数派になっているという現状。

このままではこどもが学ぶ機会は保障されない状況になっています。

一方で貞廣委員がおっしゃられたように、先生方に、今の在り方を前提にさらに何か求めるということはもう無理な状況に来ているわけですね。

ですので、やはり公教育の在り方、再生という視点で見直すことが大事だと思いますし、こどもがストレスなく学校に通えて、前向きな気持ちで学ぶことができるという最低限の条件を満たせていない状況から、それを満たすために、先生たちがそこに注力できるようにしていくということで、公教育の再生という視点をぜひ入れていただければと思います。

よろしくお願いいたします。

秋田部会長:公教育の再生という重要な視点をいただきまして、ありがとうございます。

それでは、続きまして、有村委員、お願いいたします。

有村委員:お時間いただきありがとうございます。

それでは、手短に2点あるいは3点申し上げたいのですが、1つ目は、この文章を読んでいて、こどもが主体というような部分がどれだけ入っているのかなというのが気になっていて、こどもが自らに関わることに関してきちんと意見が言えるというところをまずは一番最初に持ってくるべきかと思いました。

そのためには、こどもの持つ権利であったりとか、固有の価値に基づく尊厳であったりとか、そういったものをきちんとこどもに伝えていくことが大事だと思います。

もしかしたら、これは幼児期からやっておかないといけないことなのかもしれませんけれども、特に発言ができる年齢になってくるということでは、それをきちんと保障していくということはとても大事かなと思いました。

あわせて、やはり居場所というところで、つながりの保障みたいなことは書いてもいいのではないかと思いました。

学校に行きたいけど行けない、あるいは誰かとつながりたいけどつながれない、何か障壁があってつながれないというお子さん方、不登校など、いろいろな課題に直面してくるわけです。

つながりの保障みたいなところはきちんと言葉として入れてはどうかと思います。

今でもあるのかもしれませんけれども、もっと強調してもいいのかなと思いました。

あと、学校に対して、私も3人のこどもを育てていて本当に思うのですけれども、保護者会だったりとか、教育にできれば参画したいと思っても、お仕事の関係とかもあるとなかなか参加できないというのは悩ましいところがあります。

そういった意味で、働き方の中に、親がきちんとこどもの教育であったりとか、あるいは地域に貢献できるような働き方みたいなところも視野に入れながら考えていかないと、こどもまんなか社会ところではいけないのかなと思います。

ちょっと感想も含んでしまったかもしれませんけれども、以上でございます。

ありがとうございます。

秋田部会長:ありがとうございます。

ぜひ、つながりの保障や、そのための親が関われる働き方ということも入れていきたいと思います。

それでは、続きまして、木田委員、お願いいたします。

木田委員:発言の機会をいただきありがとうございます。

学童期に関連しまして3点指摘させていただきたいと思います。

まず、10ページに「こどもの安全を確保するための環境整備」に関連して性犯罪についての記載がございますが、被害はここに書かれているような「保育・教育の現場」のみならず、家庭内でも性虐待として発生しているものですので、性虐待についても明記いただきたいと思います。

性犯罪、性虐待が発生したとき、従前はこどもが学校でも、警察でも、児童相談所でも度重なって聴取を受けて、それによって二次的被害を受けるということが指摘されてきました。

平成27年に政府から通知が出されまして、現在では、関係機関が連携してこどもの負担を軽減して供述を得る司法面接という制度が協同面接、代表者聴取として浸透しつつありますが、残念ながら現状においては、まだ刑事立件のための被害聴取に偏っていると言わざるを得ません。

ぜひ、縦割り行政を打破する意図で設置されたこども家庭庁に旗振り役となっていただいて、機関連携をさらに進めていただいて、こどもを中心に置いて、こどもの福祉や心的支援にもこどもの供述を生かせるような取組を進めていただきたい。

すなわち「性犯罪、性被害の被害聴取における多機関連携の推進及びこどもの負担軽減」ということは、強く主張したいと思います。

2点目ですが、11ページに「いじめ・不登校対策」の項目があります。

前回の部会の基本的方針に明記されていたとおり、虐待、いじめ、暴力、経済的搾取というのは権利侵害です。

そうするとやはり権利侵害されたこどもたちが気軽に相談して、権利救済される機関はどうしても必要だと思っています。

自治体には既に条例に基づいてこどもの権利擁護機関がございまして、幾つかの自治体では、こどもから相談を受けて調査、調整する取組をしているグッドプラクティスがあります。

こどものSOSに答えるこどもの相談救済機関としてのこどもの権利擁護機関などの自治体のグッドプラクティスを政府として収集して、国としても後押しする、そういったようなことを明記いただきたいと思います。

長くなりましたが、最後に1点だけ。

こどもの権利教育について明記がないということに懸念を覚えています。

こどもの人権・権利の周知ということが22ページにありますが、これでは余りに抽象的に過ぎます。

私自身、こどもの権利条約について小学校のときに習っていませんし、娘が中1ですが、聞いたら小学校で習ったことはないと今日申していました。

やはり権利教育というのは、2011年に「人権教育及び研修に関する国連宣言」が出されていますし、ユニセフもチャイルド・ライツ・エデュケーション(ChildRightsEducation)を推進しております。

学童期における権利教育をきっちり進めて、こどもが自分の権利の主体であることを学んで、認識して、行使する、そういうことを後押しする施策をお願いしたいと思います。

長くなりまして申し訳ないです。

秋田部会長:ありがとうございます。

こどもの権利を擁護する機関や、そして、こどもの権利教育のことが書き込まれるといいなと思っております。

それでは、続きまして、土肥委員、お願いいたします。

土肥委員:土肥です。

よろしくお願いします。

3点申し上げます。

まず1点目なのですけれども、ほかの委員から公教育に関しての御指摘がありました。

公教育を見直していくという視点は、引き続き重要だなと考えているのですけれども、学校教育に対して期待をし過ぎてしまっているという側面も、これまでの日本の中であったのではないかなと思っていまして、むしろ地域側とか、社会教育をどういうふうに強化していくかという視点も重要なのではないかなと思っています。

そういう意味では、社会教育士や社会教育主事というのが各自治体にはいたりするわけなのですけれども、そこがある意味、こども・若者と地域をつなぐような役割を果たすこともできるのではないかなと考えています。

例えば、公民館であったりだとか、既存の公共施設を居場所という視点もありましたが、社会教育をどういうふうに強化していくかということも視点として、もう少し盛り込めないかなと思いました。

具体的なところで2点目、9ページですが、先ほど、こども主体で見たらどうかというような御指摘もあったように、居場所について非常に、どういうふうに表現すればいいか分からないですけれども、こどもが客体的な印象を受けました。

もう少し社会参画拠点としての居場所という考え方があってもいいのではないかなと捉えておりまして、どちらかというと対象としてのこどもというような印象がこの居場所論の中で強いかなと思っていまして、もちろん、こども・若者を受け入れていくという必要もあると思うのですが、地域や社会にアクセスしていく参画の拠点としての居場所という側面もあるのだろうと考えておりまして、その点を付け加えていただきたいなと思います。

そして、具体的なところで9ページ目の3ポツですけれども、居場所は、保護者以外の信頼できる大人と接する身近な地域の拠点でありと書かれているのですが、もちろん大人と出会う拠点であるということはあると思いますけれども、それと同時に、こどもだけの安全圏であるという視点も重要なのかなと思っています。

見方によると、大人の押し付け感みたいなのもこの居場所の書きっぷりから見えて、実はそんなに大人と関わりたくないこどもというのもたくさんいて、こども同士がこどもの中で安全に位置づけられるというか、いられる場所というのがちゃんと提供できないと、学校も先生から見張られるし、居場所の中でも大人から見張られるしみたいな感じで、どこにもこどもだけの場所がないというふうになってしまうかなと思っていまして、そこは盛り込んでいただけるとありがたいなと思いました。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

もっとこどもが社会参画の主体として様々な場所や地域が位置づけられるようなところを、御意見を踏まえて、書きぶりも考えたいと思います。

続きまして、原田委員、お願いします。

原田委員:ありがとうございます。

今日もよろしくお願いします。

今の土肥委員の意見の中で、僕もその居場所が社会参画の起点だったり、居場所の枠組み自体をこどもが考えたり、つくっていくことも重要だなと思って聞いていました。

僕のほうからは3点あります。

1つ目は、今、学校に行けなくなったら人生終わりみたいな社会の在り方そのものを、この学童期を考える上で変えていく必要があるのではないかなと思います。

とりわけ不登校のところでは、いじめのことを重点的に表記されていましたが、いじめ以外の理由もあると思います。

僕の場合は先生と相性が合わなかったりとか、あとは学校以外の居場所が楽しくなって、そっちで活動するようになったりとか、そうした選択をしたときに不登校という扱いになって、途端に社会のレールから外れてしまうといった現状を学童期の中で変えていけたらいいなと思っています。

2つ目は、どれだけ外の環境が充実していても、やはり家庭での環境が充実していないと、もう一回外で頑張るとか、外で活動する基盤が失われているこどもたちも多くいると思います。

アウトリーチとともに、家庭の基盤強化というところも重要かなと思っています。

3つ目は、最後のほうに行政機関の対応についてはいろいろ書かれていたと思いますが、学童期の間というのは、とりわけ早期対応というところに重点を置いてほしいなと思います。

行政職員の方が二、三か月と思っている範囲も、学生にとっては1学期間の期間で、1学期間何も対応がないと、もう行政の人は何も動いてくれないんだというすごく大きな喪失感につながるので、行政とか地域の人への期待もなくすと思います。

なので、こどもの意見保障みたいなところで、行政機関、あとは先生、地域の人、関わる大人の在り方についても、学童期に重点を当ててまた考えていけたらいいなと思います。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

家庭がやはり基盤になることや早期のこと、書き込んでいきたいと思います。

続きまして、岸田委員、お願いします。

岸田委員:ありがとうございます。

この時期につきまして、こどもの権利擁護の観点を落とし込んだ場合に、こどもの意見表明や参画の機会があり、こどもたちの日常の中で育つ場が守られるということが重要であると考えます。

逆に、一方的な、例えば校則であるとか体罰などが存在したままでは、こども基本法の理念というのは、こどもたちの日常の中には落とし込まれないままとなってしまいます。

そういった意味で、例えば、こどもが選択する権利であるとか、聞いてもらうことができる、周囲に影響を与えることができるといった機会をどうつくったらいいのかということを教員自身が身につけるような教員養成の在り方、あるいは研修の在り方ということも記載が必要なのではないかと思っております。

もう一点がいじめについてなのですけれども、先ほどもお話がありましたとおり、いじめはこどもの権利を侵害する行為であり、それに対しては予防と介入、救済が必要だという点は私も全く同意です。

この予防については、教育課程の中でこども自身がこどもの権利を学ぶ中で、それそのものがいじめの予防教育にもつながると考えております。

自分の権利について知るということと同時に、他者の権利の尊重と、そこに衝突が生じたときの対話の在り方を学ぶということは、いじめの防止教育にもつながり、これがこどもの権利を学ぶということにもつながるものであると思います。

現状、こどもの権利を学ぶ場というと、例えば道徳だったりとか、社会科の授業の中で学習する場面もあると思うのですけれども、例えばそれが自分の中に落とし込まれるかというと、そこが何か知識としてとどまるというところがあるというふうに現場を取材していて感じます。

例えば、生きる科というようなものを創設するですとか、それの中で性教育も含めて、命の誕生というのはどんなもので、自分の存在とは何かということを学童期から学んでいくといったことも、ぜひ検討いただければと思っております。

介入と救済につきましては、私の取材経験の中では、学校にとっては被害者も加害者も大切な児童生徒であるという観点がありますので、なかなか事実認定すら難しいという場面も散見されます。

被害者の側が学校を休んで、転校するというようなことが解決には至らないわけで、加害行為を止める関わりということが重要です。

その意味で、いじめの認定、それから救済をぜひ学校以外の場につくる、そうした機関の創設ということを、全てのこどもと保護者がアクセスしやすくするということをぜひ取り込んでいただけたらと思います。

お願いいたします。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、続きまして、堀江委員、お願いします。

堀江委員:ありがとうございます。

すみません。

先ほど発言した自殺のところは幼児期以降だったなというところで、大変失礼いたしました。

私から、幼児期以降のところに関しては大きく4点ほどあります。

1つ目は、皆さんお話しいただいていた人権についてなのですけれども、共通の項目として書いているかと思うのですけれども、共通の項目の一番最初に書かれるべきところかなと感じております。

これはこどもの人権というよりも、人権そのものと、こどもにも人権があるんだよ、権利主体だよ、守られる存在だけではなくて主体であるというところを伝えていくこと。

そして、自分の権利だけではなくて他人の権利というところと対話の場をつくるというところ、先ほどお話がありましたけれども、これを一番最初に携えていくと、それが全てのものにつながってくるかなと思うので、ぜひ最初に書いていただきたいなと思いました。

18ページの青年期のところになります。

主にここから青年期が多いのですけれども、今回、産後からの切れ目のないサポートというところを書いていただいたかと思うのですけれども、そこに書いていただきたいのは、こどもを預ける罪悪感がないようにしていくというところをぜひ追加で記載していただきたいなと思っています。

こどもを預ける罪悪感というのを持っている人は75%以上いて、そのことによってサービスを使わない、それで孤立化してしまうということがあったりします。

ただ、サービスを受けると20%以下まで下がるということが分かっています。

なので、今回書いていただいたように、産後ケアから必ずこどもを預ける経験をしていくというようなところを、例えば産後ケアプランをつくっていくなどして、体制をつくっていくというところが一つ。

もう一つとしては、やはりこどもが多くの人に見守られるということが、こどもにとってもいい影響があるというところの意識を醸成していくというところも必要な部分かと思います。

もう一つ、18ページで同じところなのですけれども、就労状況にかかわらず、子育て当事者の心身の負担を軽減するとありますが、そこの就労状況というところが、例えば日曜終日とか、オフィスワークではない人もみたいなところも、できれば具体的に書いていったほうが、今の保育サポートだったり子育てサポートの在り方はオフィスワークのみで考えられているところが多いのかなと思いますので、その辺りは具体的に記載してもいいのかなと思いました。

次に、20ページですけれども、女性と男性が共にキャリアアップと子育てを両立できる環境整備というところ、キャリアアップと入れていただいて大変ありがたいなと思っています。

ここのところにぜひちょっと具体的に書いていただきたいなと思うのが、性別に関係なく、育児をすることでキャリアアップが阻まれるような制度を是正していく。

主に評価制度ですけれども、そういったところも観点として入れていただきたいなと思っています。

今、現状だと両立支援施策が受けられるようにというようなところが多いのですが、評価制度に影響があると、皆さん参画しなくなっていくみたいなところがありますので、そこも踏まえていただければと思います。

最後、16ページ目です。

先ほどの幼児期までのところでもお話をさせていただきましたが、学童のとき、青年期のところから、多様な家族の在り方、生き方、働き方、こどもの関わり方というのをリアルに体験していく。

それを学校現場で必修化していく。

そういった観点を入れていただくことによって、親になる前教育ができるかなと思っております。

以上になります。

秋田部会長:ありがとうございます。

本日は幼児期まで、学童期、思春期と各時期を今議論させていただいておりまして、今は学童期の部分の御意見をいただいております。

続きまして、櫻井委員、お願いいたします。

櫻井委員:ありがとうございます。

私は、10ページのこどもが安全に安心してインターネットを利用できる環境のところについてお話しさせていただきたいなと思っております。

これは学童期以外にも関係しますが、このインターネットの部分の中にSNSが入っているか分かりませんが、SNSも含めていただけたらなと思っております。

インターネットで検索して何かするというよりかは、SNS等で検索していったり、見るというのが、結構若い人の中では主流になっていたりしますし、ここで受ける影響というのは非常に大きいなと感じております。

友人で学校の先生をやっている子なんかに聞いても、SNSで書かれていること、バズるとか言いますけれども、そういったことをまねしている生徒さんがすごく多かったり、そこでバズっているものがかっこいいというふうに思っているみたいなので、ぜひそういったところ、既存の取組もあるかと思いますが、SNSの部分も含めていただけたらなと思いますし、メディアリテラシーとかネットリテラシーで、一度投稿した発言や写真などは消せないよということは、恐らく学校でもやっているはずだと思うのですけれども、若い人に聞いてみると、そういったところを学校でやった覚えはないみたいなことも言っているので、より若いときからしっかりと、こどものときからそういったところは必要かなと思っております。

あと、先ほど親への教育というところもありましたが、親がSNSの使い方を知らなくて、こどもを危険にさらしているということが非常に多くあると思っておりますので、こういったところも、ぜひ親への取組というのをしっかりしていただけたらなと思います。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

お手は挙がっていないのですが、谷口委員、いかがでございますでしょうか。

学童期、ぜひ御意見をいただけたらと思います。

谷口委員:ありがとうございます。

谷口です。

当てられると思っていなかったので今ちょっとびっくりしているのですけれども、私からは、学童期は多分小学校中心の話だということがあったので、私は今、実際に大学に行きながら、昼間、週に1回ほど小学校に行く機会があるので、そこでのお話をできればなと思います。

そこで出会うこどもたちの中には、髪の毛をきれいにするお金がなかったりだとか、自分がこどもの洗濯をする時間をうまく取れていない家庭だったりとか、こどもにうまく時間が割けていない家庭を多々目にすることがあります。

そのこどもたちは、多分それが当たり前だと思っていると思います。

小さいうちに親とうまく時間が取れていない家庭のこどもたちは、さっき愛着の話があったと思うのですけれども、発達の遅れが見られることが多いのではないかなと思っています。

こどもといたいけれども働かなければいけない。

だからこどもとの時間が取れない。

こどもにとって、小さいときに親と一緒にいられないというのはつらいことなのではないだろうかと思っています。

きっと小学生になったらまだ学校の先生が近くにいてくれるけれども、今の学校は、多分そういったこどもたちに気づけるくらいの余裕はないというのもすごく感じています。

学校の先生も、多分そういったこどもたちへの配慮とか、支援をしたいと思っている先生はたくさんいると思うのですが、業務量が膨大なあまり、見落としがちになっている、そこに時間をうまく割けていないみたいな先生たちもよく目にしています。

だから、小学校のこどもたちに何か支援をするとか、何か気づく支援を届けるというためには、多分、小学生に一番身近なのは学校の先生だと思うので、学校の先生が何かできるといいなというのは私も思っているのですが、それを実現するためには、学校の先生の業務量を、どうにか地域の人と連携して、うまく学校の先生が動けるようになれたらもっといいのかなと思っています。

すみません。

ちょっとまとまりがなかったのですが、私からは以上です。

ありがとうございます。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

突然に振ってしまいまして、すみません。

続きまして、お手が挙がっております。

田中委員、お願いいたします。

田中委員:学童期は1点だけになります。

9ページ目の2つ目のポツの5行目に、こどもがアクセスしやすくと書いてありますが、ちょうどこれから夏休みに入ると思います。

私自身もいつも長期休みはどきどきするのですが、この「アクセスしやすく」の中に、こどもにとっては夏休み、冬休み、春休み、お正月、クリスマス、長い休みになるので、そういったときでもアクセスしやすくだとか、大人が決めた開放時間を前提として、こどもの声を聞いた上で居場所が開催されるとかという視点があるといいなと思いました。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

それでは、新保委員、お願いします。

新保委員:ありがとうございます。

学童期というのは、こどもにとって、まだ社会は小さいかもしれないけど、社会と触れ合い始めて、社会の中で自分の特徴を意識し始める時期なのだろうと思います。

社会と触れ合うときには、小さな失敗をいろいろやりながら学んでいく、そういう時期であると思います。

何かに取り組み、そして失敗する経験を多くのこどもたちが持てるといいのですが、例えば、貧困家庭のこどもたちは、その失敗する経験ということを持ちにくい状況にあると思います。

何かに取り組み、失敗する経験をこれらのこどもたちが持てるようにする。

チャレンジを諦めないような機会を確保する。

チャレンジしてもいいんだよという、そういう経験を持つことができるということを、この学童期の時期にまずやるべきではないかなと感じました。

それから、ヤングケアラー、まだ少し早いと感じられるかもしれませんが、小学生ぐらいでそのことをしているこどもたちが現にいます。

親や祖父母などの病気や介護に関してのことですが、もう既に始まっています。

そういうこどもたちが助けを求める、助けの求め方について学んだり、小学校などで気づいたり、また、それこそデジタルの力を使ってまだ見つけられていないヤングケアラーを見つけることをする必要があると考えます。

以上でございます。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

それでは、青木委員、再度お手が挙がっているように見えるのですが、お願いいたします。

青木委員:ありがとうございます。

先ほどまでの先生方の御意見をお伺いする中で、1つだけをお話しさせていただきたいと思います。

学校に対する期待の高さから、学校教育に対するウェイトが大きくなっている中で、先ほど社会教育士の話もありましたが、そういった地域の教育力を高めていくということはすごく大事な視点だなと思っています。

その中で、先ほどほかの委員の方からも御指摘があったのですが、学校の先生がなかなか地域とつながれなかったり、一緒になって何かすることがなかなか難しい状況にあったりするわけですが、そもそも教員養成課程の中に、社会教育や、地域とつながるという教育が行われていないのが現状です。

なので、これから地域とのつながりを強くしていくためには、学校の教員養成課程、もしくは学校の先生の研修の中で、社会教育なり地域連携ということを学ぶ機会を設けていくことが大切だと思っております。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

教員養成の中で、新たな地域との科目をということで、ありがとうございます。

それでは、約30分が経過いたしましたので、学童期についてはここで一旦区切りをさせていただきまして。

ごめんなさい。

最後に学童期のところ、矢島先生、お願いします。

矢島委員:すみません。

1点だけ追加させていただきたいと思いまして、最近、地方公務員の職員数の推移を見ている中で、わずかながらですけれども、教育部門は人数が減少してきていて、これは児童数や学校数の減少によるものと説明されているのですが、今後こどもは当然減っていくのですが、それに関わる教員なり、職員といった教育部門の大人たちの人数を減らさないということを、ここにしっかり方針として出すべきだと思うのです。

教育の現場で、今、私たちもいろいろな期待をどうしてもかけてしまうのですけれども、先生方にゆとりが必要ですし、こどもたちによい環境を提供するために従来の在り方が最善だったわけでは決していないと思いますので、こどもの数が減っていく中で、今までよりもさらに膨大に増やすというよりも、まず減らさないことでできることがあると思いますので、このまま、児童の数に合わせて減っていくことを食い止めるという視点も非常に重要かと思います。

以上です。

秋田部会長:大変重要な指摘をありがとうございます。

それでは、ここから思春期にテーマを移していきたいと思います。

御意見のある方は手を挙げてください。

お願いいたします。

松本委員、お願いいたします。

松本委員:年甲斐もなく鉄砲玉みたいな役割になっているようですが、思春期の時期ということなのですけれども、幾つか思春期の特徴があると思うのですけれども、一番重要なことの一つは、他者との関わりや社会との関わりの中で、アイデンティティー形成というか、そういう時期だと思うのです。

その中で、やはり自尊心が傷つけられる体験をどう防ぐかということがとても大きなことだと思います。

そのときに、例えば進路選択とか、活動とか、これが経済的理由、あるいは自分とは関係ないほかの環境的な理由で制約されるということ自体、ある種の自尊心が削られていくような経験だと思うのです。

それをどう防ぐかということが一番大きな課題。

もう一つは、性的な成長がある中で、やはり異性との関係、あるいは性の問題をどういうふうに扱うかということ。

もうちょっと言うと、特に女性が被害に遭いやすいということでありますが、男性も含めて性被害をどう防ぐか、あるいは性被害・加害の関係をどう防ぐかという観点。

この両方、性被害・加害というのは、いずれも自尊心の問題と関わると思いますけれども、これをどう防ぐかということをまず柱に置いて、それを中心にいろいろな施策を組み立ているということが重要ではないかと思います。

細かいことは幾つかありますけど、その問題についてです。

秋田部会長:ありがとうございます。

思春期がどのような意義を持つか、大事かということをまず最初に述べてというところで、自尊心やアイデンティティーの形成のお話をいただきました。

続きまして、駒村委員、お願いいたします。

駒村委員:ありがとうございます。

ヤングケアラーのところで一言、これは言及していただくほうがいいのではないかと思います。

先ほども新保先生から、親とか祖父母というお話がありましたが、それに加えて、障害を持っている兄弟姉妹の問題もあると思います。

これはまた一種異なるメンタルというのを持っているのではないかと思いますので、障害を持った兄弟姉妹を持っているこどもたちへの対応という点も一言加えたほうがいいのではないかと思います。

以上です。

秋田部会長:加えさせていただきます。

ありがとうございます。

それでは、続きまして、矢島委員、お願いいたします。

矢島委員:ありがとうございます。

思春期と、その次の段階が青年期となっているのですけれども、この青年期というのは、18歳で日本は成人するという法律に変わっているので、思春期が成人になる手前の時期ということになっているわけです。

その視点からの思春期の在り方ということの議論が十分なされているのかというと、そうではないのではないかなという問題意識を持っています。

18から成人になるということで、この思春期、多くは高校生なわけですけれども、その子たちが、大学に行く人も多いでしょうけれども、社会人になる人もいて、成人になるに当たって、様々な契約に伴う責任やリスクの問題ですとか、あるいは社会生活を営む上で、例えば働く上での法律的な権利と、それに伴うリスクといった問題。

そうしたことを十分身につける機会が与えられているかという視点がとても大事だと思います。

もう一つは、大人になる前に少し羽目を外すではないですけれども、積極的に失敗を恐れずチャレンジする機会というのが、この時期にきちんと保障されているだろうかというのもとても大事な視点だと思います。

例えば、自分の髪型とかファッションだとか、自分に似合うものを見つけるためにちょっとチャレンジ、いろいろなことを試してみるみたいなことが大人になる前にできなくていいんだろうかということがすごく気になります。

そうなると、やはり今問題になっている高校の校則というものの在り方ですね。

これもやはり見直さなければいけなくて、服装の乱れは心の乱れとか言いますけれども、服装の乱れというよりは、型にはまらず、いろいろ大人になる前に自分なりの、自分の似合うファッションなり、髪形なりをチャレンジしてみて失敗するみたいなことが高校時代にできるんだと、そういうことが今、18歳から大人というルールを決めた日本社会では、改めてその視点で見直されるということが大事なのではないかなと思っています。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

それでは、続きまして、谷口委員、お願いいたします。

谷口委員:ありがとうございます。

私からは、思春期での自分の経験だったりとか、中高生の現状みたいなところを少しお話しできればなと思います。

私は、ちょうど思春期のときに自分の人生の中でいろいろな経験をしたので、その私の経験を基に少しお話しできればなと思います。

私自身、中学3年生のときに母親を自殺で亡くしました。

多分、自分の周りの誰かが自殺で亡くなったという人は、何で自分がその人を助けられなかったんだろうとか、何で自分がもっと頼られる存在になれなかったんだろうと気を病む人が多くいるんじゃないかなと思っています。

私もそういった意見をたくさん聞いたことがあるし、自分も同じように考えていた時期がありました。

多分、それは結構大人の人とかは考えるのかもしれないけれども、大人ではなくてこどもでも同じように考えている人が多くいると思います。

自分の周りで自殺した人がいたりとか、ましてや自分の家族の中でいたときに、何も考えていないこどもはそういないと思っていて、そのことで自分を責めていた時期が私にも実際にありました。

当時の話を少ししたいなと思っていて、私が母親を亡くしたのは中学生のときで、私はいつも笑顔だよねとよく言われる、そんなこどもでした。

中学生のとき、すごく仲のいいお友達が2人いて、その2人は相談したら絶対に相談に乗ってくれる、いつも楽しくおしゃべりしている、そんなお友達でした。

でも、私は本当に相談することが苦手という人だから、お母さんが亡くなったときに大丈夫って聞かれても、大丈夫と笑って返しちゃう、そんなこどもでした。

でも、多分、笑って返していたけれども、本当は全然大丈夫じゃなくて、誰かに助けてほしいと思っていたし、誰かに話したいとも思っていました。

どうすればいいか分からないと思っていたのがそのときの現状でした。

でも、どれだけ仲のいい友達がいても、どれだけ大丈夫って聞かれても、本当に困っていることは、相手も困らせてしまうのではないかなと思って言えない。

そんなことがありました。

そのとき私は中学生でしたが、中学生、ましてや高校生は、それくらい考えられるようになっているということ。

それぐらい気遣いができるこどもたちがたくさんいる。

自分が別に気遣いができているとかではないですけれども、でも、それぐらい考えられるようになっているということ。

もうこどもじゃないということ。

それが中高生の現状なのかなと思っています。

この話は、自殺で母親が亡くなった家庭のこども、自殺で親が亡くなって困っているこどもの本当の本当の一例にすぎません。

多分、まだまだいろいろな理由で困っているこどもたちはたくさんいるし、まだまだ見ることができていない、こういった情報にアクセスすることができていない、声を上げられていないこどもたちがたくさんいるんだなと思っています。

私は、そのことに対して、ほかにもいるはずだけれども、でも、それがまだ聞けていない、分かっていない、知ることができていない、それがすごく怖いなと思っているし、多分それを知らないと、ちゃんとした制度とか支援の枠組みをつくることも難しいのかなと思っています。

もっと見ないといけない人がいるから、その人たちに目を向けられる制度、もっと詳しい制度とかが必要なのかなと。

じゃないと、生まれた環境に左右されず、誰もが平等を実現するのは難しいのかなと思っています。

最後に、資料1の12ページの思春期のところで、同じようにメンタルヘルスのことについて言及がありました。

メンタルヘルスの診断、治療をあまりこどもが受けられていないという話がありました。

私の経験が基にはなってしまうのですが、こどもたちにとっては、メンタルヘルスとかスクールカウンセラーみたいな人がいることは知っていても、そこへ最後の一歩が勇気を出せないだったりとか、こどもたちにとってはまだちょっと受けづらいのかもしれないと思いました。

制度の整備は必須だと思うのですが、もっとこどもたちにとって身近に、受けやすいものという認識の周知だったり、受けやすくなるような伝え方とか周知みたいなものが必要になってくるのかなと思いました。

すみません。

ちょっと長々と話してしまったのですが、私からは以上です。

ありがとうございました。

秋田部会長:ありがとうございます。

御自身の体験からお話をいただきました。

続きまして、有村委員、お願いいたします。

有村委員:お時間をいただきありがとうございます。

手短に大きく1点なのですけれども、1つは、今のお話もそうだと思うのですが、この時期だからこそ、こどもたちのウェルビーイングを考えた社会からの配慮でつながりを保障していくということは入れていただきたいなと思います。

いろいろなお話があるかと思うのですけれども、特に気になっているのは、12ページの最初のところにも、自らに関してとか、メンタルヘルスでいろいろなこと書いていただいているのですが、例えば、警察庁の行方不明者の状況などを見てみますと、やはり家庭環境が整わなかったということで家出している人たちがたくさんいます。

都市部のこども家庭支援センターとかを見ると、そういった方々が都市部に流入して、また、パートナーを見つけてとかで若年妊娠したり、様々な課題に直面したりしています。

なかなか自分を大切にできない状況に置かれてしまう方々がたくさんいるかなと思います。

ですので、社会的養護の部分とかは配慮というか、後ろのほうにも書かれているところでもあるのですが、グレーゾーンになってしまって、社会の中で適切な配慮をされなかったこどもたちが気になります。

家出の子たちもそこで見えると思うのですけれども、その子たちが声を出せる環境だったりとか、つながりを保障していける環境というのは、これから日本がかなり頑張っていかないといけないところかなと思っております。

やはり妊娠・出産から大人になっていくという循環を考えていったときに、この時期だからこそ、グレーゾーンを生まないということは結構大事なのかなと思っています。

以上でございます。

秋田部会長:思春期ならではのグレーゾーンを生まないということの御意見、ありがとうございます。

岸田委員、お願いいたします。

岸田委員:ありがとうございます。

まず、13ページにあります自殺対策の項目なのですけれども、このこども大綱がこどもの権利擁護を第一に訴えるということを考えたときに、命を絶つまでにこどもの権利が侵害され、また、これが救済されないという観点から、自殺の予防というのは、こども大綱の中でも非常に重大な事態として捉える必要があるのではないかということをまず申し上げたいと思います。

一方で、やはり思春期という時代にも、これは再掲でも構わないので、この具体策というのは必要かと思っております。

思春期の捉え方として、自己の存在に対しての葛藤を抱えたり、あるいは進路というものに特に直面する中で、学業であったり、異性との関係とか、非常に心細さを感じる、非常に繊細な時代を生きているのだというところは、彼らへのまなざしとして大人が持つべきなのかなと思っております。

15歳以上の若者の死因の第1位が自殺であり、その半数を占めているということで、また、こどもの自殺のうち最も多いのがこの思春期の主に高校生であるという観点から、この項目は重視すべきだろうと思います。

その中で、今、13ページには、こどもが相談する力を身につけられるようにというふうにあるのですけれども、私自身、未遂であるとかを経験したお子さんや親御さんと関わる中で、むしろ大人の気づく力をつけるということに力点を置く必要があるのではないかと思っております。

相談をするという行為自体、非常にパワーが必要で、本人は、自分自身に価値がないと感じたり、視野が非常に狭くなったりしている状況の中で相談をというのは、当人にとっては酷である場合もあると思いますし、同時に、もう既にサインを発信しているという場合も多くあります。

例えば、未遂の行為もそうですし、生きているのがつらいということのつぶやきが日常にあったりする。

でも、それを捉えたり、あるいはどう関わるかが分からなかったり、それが適切でなかったケースなども見られています。

では、どうしたらいいのかということについては、例えば文科省も自殺の危険因子は何かですとか、そのサインは何かとか、対応の原則としてTALKがあるというようなことはまとめていますけれども、それが実態、学校現場であったりとか、あるいは養育者、保護者に対して、その知識が共有、徹底し切れていないというところに課題があるのではないかなと思います。

その意味で、ぜひ知識の共有をということを幼児期の部分から申し上げておりますが、思春期に至るまで、周りの大人がこうした知識を共有し、こどもに接する中で、そこを実践していくということの後押しを、ぜひこども家庭庁のリーダーシップの下で実現してほしいと思います。

また、学校の中で、先ほど生きる科ということの提案をさせていただきましたが、命を守るということであったり、あるいは話を日頃聞いてもらえるんだということを、こどもたちが幼い頃から感じられていることが、いざこの思春期の繊細な時期を迎えたときに、話してみようかなとか、吐き出してみようかなということにも、聞いてもらえるんだという経験にもつながっていく生命線にもなるのではないかと考えております。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

命を守るためにも、大人の側の「聞く」というようなことについての記載をということでございます。

それでは、続きまして、青木委員、お願いいたします。

青木委員:ありがとうございます。

思春期のところで入れていただきたいと思うところは、やはり心が不安定であったり、いろいろ考えることが多くなるこの時期は、自己肯定感がすごく下がりやすい時期だと言われています。

この時期に自己肯定感が下がってしまうことによって、社会とうまくつながれなくなってしまったり、頑張れなくなってしまったりすることがあるので、この時期の課題としては、自己肯定感が下がらないように、何とかこどもたちが頑張れるような環境をつくっていくことになろうかと思います。

例えば、いろいろな人と関わる中で自分のよさを知っていくとか、自分のやりたいことに没頭できるとか、そういったような環境づくりということもとても大切になってくると思っています。

以前、フリースペースの方とお話をした際、社会に出られなくなってしまった若者をどうサポートしていくのかといったときに、体験のし直しをしているとおっしゃっていました。

本来、体験してきたようなことがなかなかできていなくて、自分のよさを見つけられなかったり、頑張ることがなかなかできなかったりというところから、少しずついろいろな人と関わったり、いろいろな経験を重ねたりしながら、自分の力を改めて蓄えていくような経験が必要になってくると聞いたこともあります。

そういった意味で、思春期のところでいかに自分のよさというものを見つけ、自分の力を発揮できるようなサポートも必要になってくるかと思っております。

あともう一点。

先ほどの話にもありましたが、自殺のところで、こどもが「相談する力を身につける」というのがありましたが、それをこどもに求めるのは大変なことだと私も感じました。

実は、前回の会議から少し感じていたことですが、例えば、意見表明ということもこどもたちに強く求めているようにみえるところがあるなと感じています。

その一方で、これまでの議論の中で足りていないと思ったことは、対話やコミュニケーションという言葉で、ほぼ出てこないのです。

こどもたちが意見を表明できる場をつくることも、そういったことをすることもとても大切なことなのですが、それよりも、大人がこどもと向き合って話をしていく、その上でこどもの考えを聞いたり、こどもたちも自分の言ったことを大人がどう考えているのかというのを聞くことも大切になると思います。

そのような対話をしたり、コミュニケーションをすることがとても大切なのではないかと思っています。

自殺のSOSのサインも、対話をしていれば、気づくこともたくさんあると思います。

こどもと向き合うという大人のスタンスをいろいろなところに散りばめることで、いろいろな問題が解決に結びつくようなことも多いのではないかなと思っております。

ですので、ぜひこういった向き合うとか、対話といったところの視点も持てればいいのかなと思っております。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

これまでの審議の中で不足していた部分としての対話やコミュニケーションの御指摘、ありがとうございます。

続きまして、堀江委員、お願いします。

堀江委員:すみません。

最初からちょっと対話の仕方が間違っていまして、大変失礼いたしました。

今回は思春期のみのところで1点のみお話しできたらと思っています。

ぜひ入れていただきたいなと思っているのが、先ほど谷口委員からもあったかなと思うのですが、家族の問題というところとか、課題感というところを相談する場とか、解決策というところが増えていけばいいなと感じます。

高校生、大学生になってくると、家族との問題、課題感をすごく感じる子が増えてきているなと思っていまして、いじめに関してはLINEでの相談とか、そういったものも少し増えてきたのですけれども、家族との問題、きょうだいとうまくいかない、親からの監視みたいなことも含めた虐待を受けているみたいなところに関して、そういったところをどうすればいいか分からなくて、そこから逃げてデートDVが起こっていったり、非行になっていったりというような学生さんを結構見てきています。

そのときに、今結構ミークスなどという10代のお悩みサイトとかがあるのですけれども、そういうふうにネット上で話ができる。

LINEで話ができたり、そこから、そういうふうな親元から離れたいというときに行ける逃げ場のところにつなげていってあげるみたいなところの解決する場もちょっと少ないなと思っていて、そういうところを行政がやっていくということはすごく重要かなと思っています。

ただ、やはりそういった信頼関係ができないと、結局相談もできないし、行けないということもあったりするので、私たちも自分たちでつなげていくみたいなことをしていたのですが、例えば学校の保健室とかでそういったことがあったときに、先生にいろいろ入れていくのはあれかもしれないですけれども、そういった場で、ここに行けばサイトがあるよとか、ここに行けば解決策があるよみたいなところにつなげていってあげるのはすごく重要だなと思うので、いじめとかだけではなくて、家族の問題を話せる場、解決策というのはもう少しアクセスがよく、さらに増えていけばいいなというのはとても感じております。

以上になります。

秋田部会長:ありがとうございます。

家族のことについても話せる場というようなものをどう保障していくのかという御指摘、ありがとうございます。

続きまして、原田委員、お願いいたします。

原田委員:ありがとうございます。

先ほどほかの委員のお話の中で思ったことと、自分が思うことをお話ししたいと思います。

ほかの委員の方の中で、対話、コミュニケーションが非常に重要だと思ったのと、そのときの大人の姿勢というのも、こども・若者はすごく見ているというところも押さえておきたいと思います。

そのときに、大人がこどもに対して対等な姿勢が大事だと、この前の専門委員会でもお話ししたのですけれども、改めてお話ししたいと思います。

対等な姿勢というのは、大人とこどもがガチンコで勝負するみたいな感じもあるなと思いつつ、一方で、こどもの大人より知識がないところとか、そういったところに配慮しながら、お互いに尊重し合いながら本気を出せる状態みたいなところもあるのかなと思います。

また、自己重要感みたいなところは、僕はすごく低かった中学時代と、高校時代に獲得していったなみたいなところもあるので、この自己重要感を思春期になってからも獲得できるような方向性が必要かなと思います。

僕の意見としては、ヤングケアラー対策について、僕自身の経験も踏まえて、本当に小学生のときからいろいろな時期があると思うのですけれども、とりわけこの思春期に記載する場合というのは、既に大きな影響が出ていることを基に方針を立てる必要があるかなと思います。

それは長い間ケアをしてきて、既にケアが日常化していて、個人の権利にすごく重大な侵害が出ている。

そこでアイデンティティーの話もあって、そうした生活の中で形成されたアイデンティティーだったり自分の意見というのは、本当に自分のものなのか。

家族をケアした日常の中で、お母さんと同一化しているようなこともありますので、そういった問題が重大化しているというところも大事な視点かなと思います。

また、現在、ヤングケアラーは非常に広い範囲で定義づけがされるようになってきていて、在留外国人のこども・若者も範囲に含まれるというところもあります。

後半にそういった記載もありましたが、在留外国人のこども・若者への支援というのは、親世代に対しての支援があって初めて、こどもが通訳に同行しなくてよくなるとかそういったところが出てくるので、世帯への支援という方向性も必要かなと思います。

最後に、僕はもともと生活保護世帯とか、母子家庭で4人きょうだいとか、そういったいろいろな問題があったのですけれども、この思春期、中学生、高校生になってから一気に複雑化したなというようなところがあります。

それは社会的な責任が増えたということもありつつ、一方で、自分で気づき始めたみたいなところもあったので、今は窓口がいっぱいある中で、どこに相談したらいいか分からない。

貧困の自分と、ヤングケアラーの自分と、どこに相談したらいいか分からないので、そういったところをまとめて、問題が複雑化しているというところも視点として必要かなと思っています。

以上です。

秋田部会長:御自身の経験を踏まえて御発言いただきました。

ありがとうございます。

特にお手が挙がっているわけではないのですが、恐らく思春期に一番近い世代の委員ということで、土肥委員、田中委員、櫻井委員、御意見をいただいてもよろしければ、ぜひお願いをいたします。

土肥委員:思春期に近いかと言われるとちょっと、もう大分過ぎたなという感じがするのですけれども。

秋田部会長:私なんかと比べてという、その世代で、年齢の差はないのですが、ここで御発言がなかった20代の方にちょっと伺っております。

すみません。

土肥委員、お願いします。

土肥委員:ありがとうございます。

青年期のところでも指摘をしようかなと思っていたのですけれども、やはり今出ている思春期の施策は、どちらかというと、先ほどのところでも述べたのですが、支援施策にとどまっているというのが全体的な印象としてあって、もちろん支援をしていくということは非常に重要なのですけれども、結局それだと傷口を塞いでいるだけになってしまって、根本的に解決していないのではないかなというふうに感じています。

むしろ社会を共につくっていくパートナーであったりとか、主体として捉えていくという意味では、全てのフェーズにおいて社会に参画をしたりですとか、そういう考え方が盛り込まれるべきではないかなと感じています。

特に思春期という時期は、自分自身が揺れる時期だとも思いますので、その時期にちょっとでも社会に関わって、例えば自分自身が今、これは名古屋市で高校生の社会参画事業を3年前からうちのNPOで担わせていただいていまして、参加した高校生の子が最後の感想で言ってくれたことなのですけれども、高校生でも社会に対して物を言っていいということに気づいたというふうに感想として言ってくれて、ほとんどの高校生たちが社会に対して自分で意見を言っていいと思っていないということなんだなということにそこで気がつきました。

そういう意味では、どうしても政策全体で、今後の議論の中で意見反映のところも集中的に議論する場がありますので、もしかしたらそこでの議論になるのかなと思っていますけれども、そういった視点は非常に重要なのかなと感じております。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

それでは、続きまして、櫻井委員、お願いいたします。

櫻井委員:ありがとうございます。

私は12ページのところでお話しさせていただけたらなと思います。

1行目の後半ぐらいから、自らの発達段階に応じて心身の健康、性やパートナーシップに関する正しい知識とそのこどもに合ったサポートが得られることが重要と書かれている点、非常によいと思っております。

一方で、下から4行目、こども・若者にとっては、自らの身体や性の悩みに関して相談しづらいというところもしっかり書いていただけている一方で、思春期からのプレコンセプションケアを推進するとともにというところが少し気になっております。

プレコンセプションケアという使われ方が、将来の妊娠のための健康管理を促す取組という意味合いで使っているところが非常に多いので、この書きぶりがもしかしたら限界なのかもしれないのですけれども、若者の性やパートナーシップに関する悩みが、今のプレコンセプションケアで考えている範囲内だとカバーできないのではないかなと思うので、もう少し包括的なものを実施するというところで御検討いただけたらなと思います。

現状の日本では、包括的性教育というふうに書くことは難しいと思うのですけれども、プレコンセプションケアだけだと誤解を与えたりですとか、そういう可能性があるので、もう一度検討いただきたいなというのと、あと、ぜひユースクリニック等についても検討いただけるとよいのかなと思います。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

この辺りの書きぶり、表現等も検討していきたいと思います。

続きまして、松浦委員、お願いいたします。

松浦委員:ありがとうございます。

充実した資料をおまとめいただいて、貴重な御議論を拝聴し大変勉強になりました。

その上で3点申し上げたいと思います。

1点目は、今までの御議論を聞いていて、より深刻な状況にあるこどもの方の支援が、より難しいと改めて思いました。

相談体制があったとしても、より深刻になればなるほど心を開いてもらうことが難しい。

それを大人が例えば支援しようとしたとしても、どこまで関わってくれるんだというところが中途半端、あるいは分かってくれなさそうだと見透かされれば心を開いてくれない。

心を開いてもらうためには、公的機関の相談窓口だけではなく、破天荒な経験や、類似した経験を有するような多様な大人とのつながりをどう設定できるかというのも、重要な論点になるかもしれないと思いました。

2点目としては、ヤングケアラーの現状に深刻な問題があると改めて認識し、ヤングケアラーが幅広い定義で捉えられるべきだとご議論も一理あるとは思ったのですけれども、「本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを日常的に行っているこども」となると、例えば私の娘が高校時代に日常的に自分の弁当を作っていたのはヤングケアラーなのかといった疑問も持ちました。

家族の中での助け合いみたいなところを、どこまで許容し、どこからを問題として捉えてるのかという点や、ヤングケアラーの定義についてはもう少し議論が必要かもしれないと思いました。

最後、大きな話ですが、やはり今までの御議論を伺っていると、最初に松本委員がおっしゃったように、最初から幼児期、学童期というライフステージから入るのはなかなか難しいという印象を持ちました。

幼児期と学童期にまたがるなど、複数の期が対象となる施策が相当出てきていますので、幼児期、学童期といったライフステージ別に整理できなかったものを最後に共通する事項としてまとめるという今の立てつけではなくて、冒頭に施策の全体像と適用されるライフステージを示した上で、幼児期、学童期といった各論に入っていったほうが分かりやすいのではないかと私も思いました。

以上です。

長くなってすみません。

秋田部会長:貴重な御意見をありがとうございます。

全体の置き方と、それから、全体にまず何を出していくのかというようなところでも御指摘をありがとうございます。

先ほど私のほうでお声をかけさせていただいた田中委員はいかがでしょうか。

田中委員:ありがとうございます。

土肥さんと一緒で考えてはいなかったのですが、これまでのお話を聞いていて、最初、松本委員がおっしゃっていたアイデンティティーの確保という部分は私自身も賛同しています。

というのも、義務教育を終えると生き方も多様化していきますよね。

私がこの間関わった子だと、自立援助ホームで暮らしている子は、中卒で働きながら生活をしていて、でも、17歳、18歳とかなのですよ。

私が何気なく、ちょっと失敗したなと思ったのですが、今何年生って聞いちゃったのです。

そうしたら、いや、働いてますみたいな感じで、一般的な当たり前じゃない部分で生きている子たちもいるので、そういう部分も含められる生き方の多様性もこの時期から生まれるのではないかなと思いますし、17、18、19で高校に行っているのが当たり前というのも、もしかしたら和らげて表現する必要があるかなと思っていました。

また、進路を決めていく時期になると思うのですが、この後の青年期にも続くと思いますが、ライフプランの支援だとか、そういうのもあったらいいのではないかなと聞いていて思いました。

施設で暮らしていたときは、れいかがやりたいことをやっていいんだよみたいな感じで学校見学とか資料請求を手伝ってくれましたけれども、社会一般的な知識も、たとえで言うと分かりやすいのが、高卒と大卒の年収の違いとかがあると思うのですけれども、そういうのを教えてもらわずに進路を選んだ部分もあるので、そういったところを教えてくれる、親とか身近な施設職員は言いにくいかもしれないので、第三者の大人がいてもいいのかなと思いました。

3点目は、非行少年という表記が私の中ではちょっともやもやしています。

非行少年と呼ばれる子たちと関わることもあるのですが、非行少年を生まない社会づくりとなったときに、そうなった自分は排除されていると感じちゃうのではないかなとか、立ち直りというのも、その子の過去がいけないみたいなニュアンスを感じるので、何かもうちょっと和らげていただけるといいのかなと感じました。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

極めて重要な視点をいただいたと思います。

木田委員、お願いします。

木田委員:発言の機会をいただきありがとうございます。

どこでお話ししようかと思っていたのですが、思春期のこどもで悩んでいる方が多いということで、宗教2世の問題について指摘したいと思います。

昨今大変問題になっていますが、親の信仰や教義を基に、自己の意思決定権ですとか、自身の信仰の自由を制限されているこどもたち。

さらに、思春期というのは自我が芽生える時期で、そういった親の教義に対して違和感を覚えることが多いということが言われています。

この宗教2世の方々の実態調査ですとか、それをどうやって救済していくかということは、やはり国全体で取り組むべき問題だと考えていますので、ここで指摘させていただきたいと思います。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

この論点の中では挙がってきていなかった重要な視点を挙げていただきました。

それでは、30分ではなくてもうちょっとたちましたが、経過しましたので、期別の思春期につきましては、ここで一旦区切りとさせていただきます。

最後に、今日は幼児期、学童期、そして思春期というような、次回以降で青年期以降というふうになっているわけなのですけれども、議論を言い漏らしたことや、もう少し発言なさりたいことがある委員がいらっしゃいましたら、どのテーマについてでも構いませんので、最後に20分ほど自由トークというような形にさせていただきたいと思います。

引き続き、発言は簡潔にいただきたいと思います。

また、全体の構成につきましても、松本委員から冒頭お話がありましたけれども、その辺りの在り方などもまだ御意見があれば、いただければと思います。

それでは、よろしくお願いをいたします。

松本委員、ありがとうございます。

松本委員:重ねての発言の機会をありがとうございます。

先ほど貞廣委員が学童期のところで、教育の問題を社会的公正の観点からきちんと捉え直すと。

格差を拡大させない、縮小させるという観点で教育を捉え直すというようなことを明記すべきであるという御発言がありました。

心から賛同いたします。

それが1点。

そのことと関わって、思春期あたりに書くのかどうかですけれども、やはり経済的理由で、あるいは家族環境上の理由で進路選択が制約されないと、これが施策の基本だと。

そういうことで進路選択が制約されていくことが諦めの感覚、自尊心の感覚というものを損ねると。

この2つの問題は強く連動していると思いますので、公正の観点からも、あるいは自尊心の観点からも、経済的あるいは家庭的な環境で進路選択が左右されないということを、まず大きな方向として出して、その中でいろいろ考えるということが2点。

3点目、居場所の問題は学童のところによく出てきますけど、いろいろな大人と出会うとか、相談の難しさというときに、やはり居場所なりドロップインなところというのは、思春期から青年期にかけて、自分の居心地がよくて守られる感覚のある場所というものが決定的に大事だと思っていますので、その点も全体を貫く問題として議論する。

それはこどもの安全の問題からもそうですし、あと自尊心というものは相談をしていくときの大事なリソースでありますので、そういう観点からも重要かと思います。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

全体を貫くポイントというのをお出しいただきました。

続きまして、有村委員、お願いいたします。

有村委員:私もたびたびの発言の機会をいただきありがとうございます。

1点だけお話ししたいと思うのですが、これはどこで言うか、幼児期かなとかいろいろ考えながら、そのままになってしまいました。

あるいは障害のところで次回以降にお話ししてもいいかなと思ったのですけれども、親の責任の分かち合いみたいなものがとても大事かなと思っています。

特に、例えば障害があるとかグレーゾーンであるということで、小学校のときに特別支援教育にするのか、どの教育にするのかということを選択したり、あるいは様々なサービスを受けていくというときに、家庭でどういうサービスを受けていくか考えて、あるいはこどもと一緒に話し合ってやっていくのはとても大事です。

しかし、それはある意味権利を行使するということでもあると思うのです。

当然の権利を使っていくということでもあると思うのですけれども、一方で、それを選択したということで、責任も伴ってくると思うのです。

あるいは責任に伴う義務みたいなものも出てくるかなと思います。

皆さんイメージしやすいものとしては、例えば一般の小学校に進んだのだけれども、学校で対応できなくて、親御さんがずっとそのお子さんについてらっしゃるというようなことが今までもありました。

いろいろ工夫もされているところではあると思うのですけれども、そういったところで権利を行使したということがあっても、社会で責任を分かち合っていくということなどは、もう少し書いていかないと、安心して子育てしていくというようなこととか、各時期での配慮というところになかなかつながりにくいのかなと思います。

その点、どこで言うべきか迷っていたので、最後にこのお時間でお話しできればと思いました。

以上でございます。

ありがとうございます。

秋田部会長:ありがとうございました。

社会で責任をどう分かち合っていくのかということにつきまして、多分、ステージではなくて、全体を通して書き込んでいくべきところということで御意見をいただいていると思います。

それでは、続きまして、青木委員、お願いします。

青木委員:たびたびの発言の機会をいただきましてありがとうございます。

私のほうからは2点お話をしたいと思います。

これは幼児期から思春期以降も含めての話になろうかと思うのですが、それぞれの時期のところでは、こどもまんなか社会において、幼児期はこうあったらいいねとか、児童期はこうあったらいいねというようなこどもの姿が見え、それがあって、そのために何をしていったらいいのかという施策の話がないと、社会課題などやらないといけないことが先に出てしまっているので、何を目指してここに示されていることをやろうとしているのかがすごく見えづらいような状況になっていると思っています。

発達段階やライフステージという視点で見るのであれば、それぞれの時期に、例えば幼児期のこどもはこういう環境が必要だよね、こういう姿が必要だよね、だからこうしていきましょうというような書きぶりになると、分かりやすいのかなと思いました。

2点目は、今回この資料をまとめていただく中で、第二次報告書のこどもまんなかフォーラムの意見をうまく入れていただきながらまとめていただいたと思うのですが、そもそもこどもの声がどこまでここの中に入っているのかというのがすごく気になっていて、これをこのまま進めていったときに、本当にこどもの声に応えている施策になるのかというのがすごく気になっているところです。

今後、どういった形でこの施策の内容を詰めていくのかにもよるのですが、きちんとこどもの声をしっかりと反映させられるような取組ができればいいなと思っております。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

書き方として、やはり何を目指すのかということや、その時期の意義ということがあって、こういう施策があるというようなところの書きぶりについての御意見や、こどもの声が今後ここにどのように反映していくのかというところ、ありがとうございます。

それでは、続きまして、清永委員、お願いいたします。

清永委員:ありがとうございます。

私からは大きく2点発言させていただきます。

まず、先ほど田中委員からも御発言がありましたが、非行少年に関してなのですが、私が提供させていただきました資料の10ページ、最後のページですね。

私は、非行少年というのも被害者であるという視点が必要であると考えていまして、これは愛知県で行われた少年警察ボランティア研修会で私が使用した資料になります。

大変古いデータではあるのですが、非行行為を頻回に行った少年たちのうち、20歳以降に犯罪者化した少年たちが、どこでその発露が最初にあったのかということを調査した結果を示したものになります。

これは科警研報告であるとか統計研究会の資料を基に作成したものなのですけれども、過去をたどっていくと、5歳児のときに両親との愛着関係の希薄さであるとか、あと家庭の社会的経済的貧困というようなものがかなり影響していると。

特に両親との愛着関係の希薄さというものがあって、そこから小学校2年生頃でもう一回変化があり、さらに小学校5年生になって学業成績の不振ですとか、そういったことからの自己肯定感情の希薄化の芽生え。

そして、そこから不登校だったりということがあって、規範意識と行動の乖離があったり、そして、交友関係の悪化が芽生えたりして不良行為につながっているというようなことが当時のデータでは見えておりました。

ですので、いきなり思春期になって非行を働くというのではなくて、実はそうなる前に5歳児のときに何らかの支援であったりとか、周りの目の温かいケアであったりとかということが必要だったのではないかということがここからうかがえます。

ということは、これからこどもたちが非行に走らないためにも、なぜそこで彼らがつまずいているのか、それから、もっと前にどういう支援が必要だったのか、誰が何をすればいいのかというところをもっと的確に行っていくためには、私が前から申し上げている追跡調査みたいなものが、これから丁寧なものが必要になってくるのではないかなというのが1点です。

それからもう一つは、先ほどから性教育とかいろいろなお話が出ていますが、やはり安全教育の充実というか、また、体験的に行う安全教育というのが、ゼロ歳から一気通貫して思春期まで行われるべきであると。

なので、安全教育の部分に、ぜひとも体験型の安全教育ですとか、もしくは危機体験型安全教育といったような、体験ということを入れていただけるといいなと思います。

実際に安全教育の目的というのは、大人へと育てていく教育であるべきだと思うのです。

危機というのは、起きた状況によって刻々と変化していきます。

その変化する問題に応じて、それを実際に乗り越える複数の知恵というのが必要になってくる。

その危機を克服する知恵を備えて、複数の知恵の中から今一番必要とされる知恵を選び取るという決心であるとか、勇気であるとか、そういう自分が選んだ知恵を実際に行ったとき、その結果に責任を持つといったような、そういう力が必要になってくるのですね。

それはすごく難しい大変な教育ですので、でも、ゼロ歳から、例えばこの資料の6ページにも示しておりますように、ゆっくり柔らかい、温かい手を感じるですとか、こどもであっても一人の人権を持った人間としておなかにいるときから育てられるといったような小さな積み重ね。

親への教育と併せて、小さな積み重ねを行っていくことによって、安全基礎体力というものが育っていく。

それは決して机上の教育だけではなくて、実際に、先ほど新保先生からも失敗をしながら、経験をしながら学んでいくという御発言ありましたが、疑似的でいいので、体験的にちょっと危険なことを学びながら乗り越えるという経験をしながら安全を学ぶことが必要であると思います。

ちなみに、この安全基礎体力の中に、先ほどから助けてというようなことがなかなか難しいということがありましたが、コミュニケーション力であるとか、危機への知恵、知識であるとか、大人力みたいなものが、私の資料の3ページぐらいのところに載っておりますので、御参考までにお読みください。

既にイギリスでは、安全教育がシチズンシップエデュケーションの中で行われておりまして、危機を通して大人にしていく教育をイギリスではシチズンシップの中で捉えて行われていまして、参考までに、イギリスで行われている体験施設の資料などもこちらに添付しております。

施設を使って、そして、地域の方々と一緒に協力をして危機を乗り越える力をつけるというようなことが盛んに行われておりますので、ぜひとも御参考にしていただければと思います。

ちなみに、イギリスでは、ゼロ歳からリレーションシップエデュケーション、そしてセックスリレーションシップエデュケーション、さらにシチズンシップエデュケーションへと継続して人間づくりが行われています。

日本においてもそういった大人へと育てていく安全教育であるという視点を持って、改めて総合的なカリキュラムをつくるべきではないかなと思います。

以上です。

秋田部会長:大変ありがとうございます。

ゼロ歳から幅広く体験型の安全教育の重要性、これを全体に入れていきながら考えていきたいと思います。

それでは、続きまして、土肥委員、お願いいたします。

土肥委員:何度もすみません。

青木委員から御指摘がありましたけれども、どうしても今、個別の施策になっているので仕方がない部分はあるかもしれませんが、非常にぶつ切れに見えてしまう部分があるなと感じておりまして、全体として、例えばこどもまんなか社会と言っているのですが、こどもまんなか社会というのが何なのかということだったりとか、こども大綱で目指すべきこども像というのは何なのかということを、言葉にしなくてもいいかもしれませんが、例えばキーワードで3つぐらいにするとか、そういう大綱としてのメッセージみたいなものが、全体として共通のものをつくっていくことが必要なのではないかなと感じています。

その意味で、私の専門であるこどもの参画とか意見反映で言えば、ライフステージごとで取り組んでいくということもあるのですけれども、ステップ・バイ・ステップで考えていかなければいけないとも感じておりまして、要するに、段階的に取り組んでいくということだったりもするので、なかなか記載しづらいなと。

全てのフェーズで参画が必要だというふうに今後も言い続けなければいけないので、これが果たしていいのだろうかと言いながら思っているところもありまして、事務局の皆さんにはちょっと、具体的な案がないので、書き方であったりとか表現の仕方は悩むところになるかもしれませんけれども、雑感としてお伝えさせていただいたところです。

以上です。

秋田部会長:どうもありがとうございます。

最終的にこれは全部文章につなげていく形になる、その前の部分になりますが、今いただいた御意見を基にさらに考えて、ぶつ切れにならない、もっと明確なメッセージをどのように出すかというところも重要な点になろうかと思います。

それでは、続きまして、木田委員、お願いいたします。

木田委員:発言の機会をいただきありがとうございます。

手短に2点申し上げます。

1点目は先ほど松本先生がおっしゃったところで、家庭経済の格差が学力格差につながることのない社会を目指すべきだという観点から、具体的な施策になりますが、高等教育の無償化をさらに進めて、また貸与型ではなく給付型の奨学金を目指す社会としていただきたいと思います。

2点目は、全体にわたってこどもの最善の利益という言葉が多々見られまして、それ自体は大変評価すべきところなのですが、このベスト・インタレスト(BestInterests)というのは、とても都合のよい言葉でして、誰にとっての最善の利益か。

ややもすると大人の都合によって、大人にとって都合のよい最善ということにも使われてしまいますので、やはりそういった場合にこどもの権利の視点に立ち返るということが極めて大事です。

こどもの権利条約3条、また、2回目のこの部会で私が出させていただきました一般的意見の14号にも書かれていますが、こどもの権利に立ち返って最善の利益が実施されているかということを繰り返し検証していくことが必要だと思います。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

それでは、新保委員、松浦委員で終わりにさせていただきたいと思います。

新保委員、お願いいたします。

新保委員:ありがとうございます。

今日のところ全体を見せていただいて、こどもまんなかということをより意識して記述するということを心してやる必要があるかなと改めて感じました。

その上で、松本委員から最初に出されましたが、共通部分を先に書くというのは私も賛成です。

実際に先にしてみると、とても長いというふうに感じるかもしれないので、もしかしたら、全体を書くのではなくて、少なくとも要点を先に書くというやり方もあるかなと思いました。

それから、青年期に妊娠や子育てのことが書かれています。

青年期と新生児期もしくは胎児期とのつながりというのは意識しておく必要があるだろうと思います。

ですから、青年期に書かれていることの一部分は幼児期のところ、もしくはそれを分けて、もう少し前のところの時期に変えていくということも必要なのではないかなと思いました。

次に、保育所や認定こども園、幼稚園についての記述が相対的に少ないかなと思いました。

もう少し保育所や認定こども園、幼稚園について書いていいのではないかと思います。

それから、重度重複障害児などで児童虐待を受けてるこどもたちがいます。

このこどもたちについて、現在、ケアが特に必要だということで一時保護所などが受入に慎重になることもあって、一時保護や一時保護委託などが遅延しがちです。

遅延するが故に、児童虐待の状態が重くなっていく。

このため、重度重複障害などのこどもを受け入れることを想定して一時保護所・一時保護委託先などの機能を充実していく必要があると思いますので、その旨の記述が必要であろうと思います。

それから、14歳未満もしくは18歳未満の母が全国にはおられます。

青年期のところで結婚や出産のことなどが書かれていますが、青年期より前である思春期の段階で母になるということについて、私たちはやはり意識しておく必要があるのではないかと思います。

最後に、こども施策を推進するためにデジタルの力をもっと使うということをより意識する必要があると思います。

今もこども家庭庁として大分工夫してやっていらっしゃると思いますが、意見を集め、それを集約するときにおいても、デジタルの力を使うということが有効になってくる。

さらに、権利を知ることとか、支援メニューを知るとか、助けを求めるとか、学び方を知るとか、働き方改革につながるとか、若い世代の所得を上げていくというときにもそれらを活用していくことが必要なのではないかなと考えますので、それらについての記述が必要であろうと考えます。

以上でございます。

秋田部会長:重要な御指摘をありがとうございます。

それでは、松浦委員、お願いいたします。

松浦委員:すみません。

お時間がない中で1つだけ、今の御議論の中で土肥委員がおっしゃった、「ステップ・バイ・ステップ」というキーワードは非常に重要な御指摘だと思いました。

一方、幼児期や学童期といったように分けて書くと、例えば幼児期の施策が学童期でも再掲されるような書きぶりになってしまい、「ステップ・バイ・ステップ」を表現するのがどうしても難しくなってしまう気がいたします。

1つのアイデアとして、例えば安全対策だとか、自殺対策だとか、心のケア対策だとかという施策ごとに、この施策は幼児期においてはこういう観点の取り組みが重要で、さらに学童期になるとこういう取り組みも重要になってくるというように、その施策の領域ごとに、幼児期、学童期というライフステージ別の取り組みを「ステップ・バイ・ステップ」として書いていくというのが、一つの整理の在り方としてあり得るのではないかと思ったので、それだけ補足させていただきます。

以上です。

秋田部会長:ありがとうございます。

構成の仕方として、政策領域の中で、いわゆる幼児期までとか学童期とか期で切るのではなくて、対策としてつながって、そのプロセスが積み上がっていくことが意味を持つというようなところもあると思いますので、この辺りについてどのような書き方をしていくのかということについても、また次回も続けて御議論いただきたいと思いますが、本日の議論の中で1点確認をしておきたいのは、最初に松本委員が御提案くださいまして、多くの皆様が賛同いただいたと思いますが、少なくとも今回の書いているものの全体のライフステージの共通部分を後ろに持ってくるのではなく、一番最初のところに、全部を持ってくるのか、要点なり、もうちょっと目指すべき姿とポイントを書くのか、この辺りはさらに議論が必要かと思いますが、期別の後に書くのではなく、その構成を変える。

そのときに期別で書くところと、領域別の政策で書くのか、この辺りについては、またさらに議論もしていただきたいと考えるところでございます。

どうもありがとうございます。

時間になりましたので、本日の会議はこれで終了といたします。

なお、切らせていただいておりますので、本日も御発言に足りないところがあった方や、その後いろいろ御意見を聞かれて意見が出てきました場合には、事務局のほうまでお寄せいただければと思います。

資料につきましても、追加があれば次回に提示させていただきたいと思いますので、事務局まで御提出をお願いいたします。

今日も清永委員が出してくださって、大変貴重なことで、皆で学ぶことができました。

次回は本日と同じく、こども大綱の各論と全体の関係もありますが、各論について、引き続き御議論いただく予定でございます。

次回は7月25日の午後を予定しております。

詳細は事務局のほうから追って御連絡をいたします。

皆様、ありがとうございました。

オンラインの皆様もありがとうございます。

また、突然振ってしまった場合もあり、御協力ありがとうございます。

以上で閉会とさせていただきます。