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基本政策部会(第6回)

概要

日時:令和5年8月10日(木)14時00分から16時30分
場所:こども家庭庁長官官房第二会議室(霞が関ビルディング14階)
 
【オンライン配信URL】
https://youtube.com/live/WcqJNfbwZjg

議事

  1. こども大綱の各論について③
    (1)「こどもまんなか」の実現に向けたEBPM
    (2)こども・若者の意見反映
    (3)施策の推進体制等
  2. 中間整理についてこども・若者、子育て当事者等から意見を聴く取組について
  3. 今後の進め方等について

資料

議事録

秋田部会長: 皆様、こんにちは。お暑い中、お集まりいただきましてありがとうございます。

ただいまより、第6回「こども家庭審議会基本政策部会」を開始いたします。本日は、お忙しい中、お集まりいただきまして誠にありがとうございます。

本日の議事でございますが、お手元の議事次第に記載のとおり、本日はこども大綱の各論、中間整理について、こども・若者、子育て当事者等から意見を聴く取組、今後の進め方等について御議論をいただきます。16時30分までの会議を予定しております。

議事に入る前に、事務局に人事異動がございましたので御紹介をさせていただきます。

前任の浅野審議官に替わり、髙橋官房審議官が御着任されました。髙橋審議官、これからどうぞよろしくお願いいたします。

髙橋審議官: 髙橋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

秋田部会長: よろしくお願いいたします。

それでは、議事に入りたいと思います。

まず、こども大綱の各論として、「「こどもまんなか」の実現に向けたEBPM」「こども・若者の意見反映」「施策の推進体制等」について順に御議論をいただきます。

事務局より資料が用意されていますので、まず資料に基づいて事務局から御説明をお願いいたします。

佐藤参事官: 官房参事官の佐藤です。いつもお世話になっております。

資料1、2、3につきまして、順次御説明をしたいと思います。

まず、資料1を御覧ください。「「こどもまんなか」の実現に向けたEBPM」についてであります。

最初の括弧の(こども施策におけるEBPMの推進)はいわゆる総論的なことを書いていますけれども、こどもや若者の置かれている状況は多様である。また、困難を抱えているその課題は複雑化、重層化している。そのために意識に関するデータですとか、状況に関するデータ、またその支援する機関や団体のデータ、各種統計など、様々なデータや統計を活用する。また、こどもや若者からの意見といった定性的な事実も活用する。個人情報を扱う場合にあっては、こどもや若者等の権利利益の保護にも十分に配慮しながらEBPMを進めていくことが必要だというところを、まず書いています。

続きまして、EBPMに当たっては施策の評価みたいなものももちろん大事なわけでありますけれども、事前の施策の立案段階から、その途中の経過から、そして事後の施策の効果の点検・評価・公表まで、それぞれの段階でEBPMに取り組むとしています。

2番目に、そのための仕組みや体制の整備であります。

まず、こども施策の企画立案や実施を担う部署の職員、行政の職員がしっかりとEBPMについて理解し、そして取り組めるようになることが重要です。そのための周知啓発ですとか研修、情報提供、支援を進めるとともに、必要な体制の整備を図るとしています。

また、行政課題に関する研究テーマを広く研究者の方々に問題提起をする。そして、研究者の方々の創意工夫を生かすような、いわゆる公募型の委託調査のようなものを推進するということを記載しています。

また、外部の研究者の方々の登用ですとか連携、活用といったことを進めるということを記載しています。

続きまして、(データの整備、エビデンスの構築)についてであります。

こども施策の中の分野によっては、まだまだデータがなかったり、エビデンスがないといったような分野もあります。こども家庭庁設置法案とこども基本法案の法案審議のときにも一番上のポツでありますけれども、政府全体として収集すべきデータを精査して、関係省庁が国際比較の観点も含めてそういう収集分析をする体制を構築するといったことが附帯決議で政府側のほうに言われております。そうしたことを踏まえて、そうしたこども・若者や子育て家庭の視点に立った調査研究を充実させたり、必要なデータの整備等を進めるということにしています。

また、次のポツは今年の骨太の方針にも記載をされていますけれども、こどもに着目したWell-being指標の在り方について検討を進めるということを記載しております。

3点目がエビデンスの関係でありますけれども、こども施策の推進のために創出が必要なエビデンスというのを洗い出していく。そして、いろいろエビデンスは足りない部分もあると思いますけれども、優先順位などもつけながらそのエビデンスの構築に取り組んでいく。

また、その際には行政のお手盛りにならないように、外部の研究者の方々としっかり連携をしながら透明性や客観性を高めていくということを記載しています。

最後に、国が行った委託調査などでは様々なデータを得ることができます。そうした形で、委託調査等々で得たようなデータについては広く研究者の方々がほかにも使えるように二次利用を推進するといったことを記載しています。

以上が、資料1であります。

続きまして、資料2を御覧ください。「こども・若者の参画・意見反映について」であります。

こちらも最初は総論的なことを書いてありますけれども、(参画・意見反映の好循環の確立)ということで、こどもや若者が安心して意見を述べることができる様々な場ですとか機会をつくって、その意見を施策に反映をさせて、どのように施策に反映されたかをこどもや若者たちにしっかりフィードバックをして、また社会全体に広く発信をする。そうしたことで施策の質を向上させるとともに、こどもや若者のさらなる意見の表明・参画につながるような好循環を創出するとしています。

次の括弧が国でやることでありますけれども、(国の政策決定過程へのこども・若者の参画促進)です。

こども・若者の意見を政策に反映させるための取組を推進して、関係省庁が設定したテーマもそうですけれども、こども・若者自身が選んだテーマについても、こども・若者の意見を聴き、それを政策に反映する取組を進めていくというのが最初のポツであります。

2番目のポツですけれども、政策決定過程においてとりわけ若い世代ですとか世代間の合意が不可欠な分野の施策については、若者の方々の意見が積極的かつ適切に反映されるように各種審議会、関係省庁の審議会ですとか懇談会の場にこどもや若者の方々に委員としてお入りいただくとか、そういった形で取り組んでいくということです。また、そうした審議会や懇談会におけるこどもや若者の委員の割合というのを「見える化」してはどうかということを記載しています。

3点目でありますけれども、関係省庁の職員がそもそもこどもや若者の参画ですとか意見反映についてその重要性を理解し、かつ、どのように取り組めばいいかということをしっかりと理解した上で行動ができる、実施ができるということが大変重要であります。そのために、こども・若者から意見を聴く際の留意点等をまとめたガイドラインを作成して関係省庁の職員に周知を図るということを書いています。

続きまして、次の括弧が(地方公共団体における取組促進)であります。

こどもや若者にとって、より身近な施策を行う地方自治体はこども基本法でこどもの意見を聴く措置を講じることが義務づけられています。様々な機会を捉えて、自治体においてこども・若者の参画の促進、意見を聴く取組が着実に行われるように、先ほど申し上げたガイドラインは国の職員もそうですけれども、自治体の職員の方々にも参照できるようなものをつくってそれを周知したり、また、今年度まだ具体的な動きはこれからなのですが、こども家庭庁のほうでファシリテーターの派遣をする事業をやろうと思っています。

地方自治体においてこどもの意見を聴きたいと思っても、自分のその地域のところにはなかなかファシリテーターの方々、専門家の方々がいないというときに、国のほうでそうしたファシリテーターの方々を派遣するという事業をする。そうしたことで、自治体の方々の御支援をするですとか、またはよい例を国のほうでもしっかり集めて、それを多くの自治体の方々に知っていただくといった情報提供を行うということを記載しています。

一番下でありますけれども、(意見形成への支援)であります。

いきなり政策について意見を言ってよと言われても、なかなかこどもや若者は意見を言うことが難しいと思います。意見を持つことができる、意見形成をする、そうしたための支援というのは大変重要だと考えておりまして、日常生活における意見表明の機会の確保を含めて意見形成への支援を進めるということを記載しています。

次の2ページ目でありますけれども、(多様な声を聴く工夫)であります。

なかなか自分からどんどん意見を言えるような状況等に置かれているこどもばかりではありません。様々な困難な状況に置かれたこどもや若者、低年齢のこどもといった、そうした声を上げにくいこどもや若者がいるということを行政側はしっかりと認識をして、そしてそうした脆弱な立場にあるこどもや若者が安心して意見を形成し、表明できるように多様な手法を検討するとともに、十分な配慮や工夫をするということを記載しています。

その次に、(参画・意見反映を支える人材の育成)であります。

こどもや若者が意見を言いやすいように安心・安全な場をつくり意見を引き出す、そういったことができるファシリテーターの方々ですとか、また、特に年齢が近いようないわゆるお兄さん的、お姉さん的な役割を担うようなサポーターといった、こどもたちが意見を言いやすくなるような場や機会を支えてくれる人材の確保や養成等の取組を行うということを記載しています。

続きまして、(若者団体等との連携)であります。

これまで、こども家庭庁ができるまでは様々な若者団体ですとかユースの方々が活動されていますけれども、そうした方々とのカウンターパートになる組織というものがありませんでした。こども家庭庁は、まさにそうしたことも担うべき組織であります。そうした様々な社会課題の解決に自ら声を上げて取り組む若者団体の方々、こどもや若者が主体となって活動するユースカウンシルなどの活動をより充実できるように、国のほうでしっかりと連携強化をしていく。

また、こどもの意見表明の支援ですとかこどもの社会参画の機会の提供などを行うような民間団体、大人の方々の団体との連携も強化していくということを書いています。

最後に(調査研究)であります。

こどもや若者の意見表明や参画はもちろんその実施自体、国レベルでも自治体レベルでもこれからでありますけれども、調査研究といったこともまだまだ進められていないところもあります。そうした調査研究をしっかり進めていく。また、その意見を聴くということのプロセスやその結果に係る評価についても仕組みを構築していくということを記載しています。

なお、資料2については、こども家庭庁創設前に行っていた調査研究の中で有識者の方々から様々頂戴をした御提言を基に記載をしているところであります。

続きまして、最後に資料3で「施策の推進体制等について」です。

まず、(国における推進体制)です。

内閣総理大臣を長とし、全ての閣僚から成るこども政策推進会議がこども基本法で法定をされています。こども政策推進会議を中心に、内閣総理大臣のリーダーシップの下で政府一体となって大綱を推進するんだということ。

続いてのポツですけれども、こども政策推進会議がこども大綱に基づいて具体的に取り組んでいく施策を「こどもまんなか実行計画(仮称)」として取りまとめていく。それを、このこども家庭審議会において実施状況等を検証・評価をしていただきながら、その結果を踏まえて、毎年6月頃をめどにこども政策推進会議において「こどもまんなか実行計画(仮称)」を改定し、関係省庁の予算概算要求等に反映するということを記載しています。

なお、こども大綱と「こどもまんなか実行計画(仮称)」との関係については、後ほど議事3の今後の進め方等の中でまた御説明をしたいと思います。

続いて、3点目は内閣府特命担当大臣の勧告権の話です。

まず、参考資料1を御覧ください。今週の8日火曜日、一昨日にこども政策を担当する「内閣府特命担当大臣が掌理する企画立案・総合調整事務の遂行に関する実施要領」というものを定めました。それについて、簡単に御説明をさせてください。

通常、これまでは日常、内閣府特命担当大臣は関係省庁の職員ですとか大臣などとも話し合ったり、そうした中で政府全体のこども施策の推進に当たっていろいろな働きかけですとか協議というのをしてきました。それが、この参考資料1でいう黄緑色に当たるところです。

そして、今、内閣府特命担当大臣の総合調整の権限の中の一つとして青色の2の部分、内閣府設置法に基づいて関係行政機関の長に対する資料の提出や説明を要求する権限、それで右下の2-2、関係行政機関の長に対して勧告をする権限、これがいわゆる勧告権と呼ばれるものです。3が、その勧告をしたことに対して報告を求める権限です。最後に4が、その報告を求めた上で内閣総理大臣に対して意見具申をすることができる権限です。今、この青色の部分が内閣府設置法で規定をされている法定された権限になっています。この法定の権限は大変重たい権限であります。こども家庭庁設置法案の審議の際にも論点になりましたけれども、これまで発動されたことがありません。

一方で、一昨年、こども家庭庁構想をまとめた基本方針、閣議決定したものの中でも、こども施策を担当する大臣がしっかりと総合調整権限を発揮するんだということを明記していました。

また、繰り返しになりますけれども、こども家庭庁の設置法案の審議の中で、この勧告権の適切な行使というのが一つの論点になり、そして参議院において附帯決議として、その勧告権を適切に行使するための措置を講じなさいということが明記をされました。

そうしたことを踏まえて今般創設をしたのが、この資料で言うオレンジ色のところであります。

まず黄緑色のところで、先ほど申し上げたとおり日々いろいろなやり取りを関係省庁などはしています。例えば関係省庁の連絡会議をつくったりとか、関係省庁の局長が大臣のところに来て話合いをしたりとか、そういったことを日々やっています。

そうした中で、今までは、ではこういうふうにやっていきましょうということで大体認識の一致をした場合、ここで言う1-0の各省庁で実施というだけだったのですが、そこをしっかりと実施を担保するために、文書でもって関係行政機関の長に対して実施の確認をすることができるというのが1-1であります。

もう一つのオレンジ色、2-1の実施要請というのは、一度法令上の権限である説明要求等を挟んだ場合に、勧告まで至らずとも実施についてやることが互いに大体確認、認識合わせができたので、こうやってくださいねという要請をするというのが実施要請です。

この手続について整理をしまして、8日に大臣のほうから記者会見で発表をしてもらいました。そのときの大臣の会見としては、先ほど申し上げました参議院での附帯決議ですとか法案審議での議論、または本日この場でこの施策の推進体制とかPDCA、これまでの基本政策部会で勧告権についても話題に出たことから、その基本政策部会での御議論に資するためにそれに先立って公表したという形で会見のほうで御説明さしあげています。

また資料3に戻っていただいて、先ほどの(国における推進体制)の3つ目のポツですけれども、こうした実施要領に基づいて総合調整権限を機動的かつ柔軟に発揮をする。そして、必要に応じ勧告等を適切に行使する。法令上の権限を適切に行使するということであります。

続いて、4点目です。こども政策推進会議という閣僚会議の下には、関係省庁の局長級から成る幹事会があります。この幹事会をしっかりと活用するということと、その幹事になっている局長は省内の省内関係施策の取りまとめと推進を担うということを記載しています。

最後に、「こどもまんなか実行計画(仮称)」の実施状況等々を踏まえて、おおむね5年後をめどにこども大綱を見直すとしています。

続いて、(数値目標と指標の設定)であります。

まず、こちらも参考資料2-1、2-2、2-3を御覧ください。

参考資料2-1が「少子化社会対策大綱における数値目標」です。少子化の大綱は、目標が置かれています。

参考資料2-2が「子供・若者インデックスボード」、子供・若者育成支援推進大綱に基づいて置かれている指標、指標群です。

最後に、参考資料2-3が「子供の貧困対策大綱における指標」、これは子供の貧困大綱の中で定められている指標です。

従前、こうしたものがあります。かなり細かいこともありますし、数も多いので、この場で細かな説明は差し控えますけれども、例えば少子化社会対策大綱の数値目標をぱらぱらとめくっていただくと相当数の目標が置かれているのと、また、中をよく見るとアウトカムのような目標もあれば、いわゆる整備目標のようなアウトプットのような目標があります。そうしたものが混在しているということや、数がこれだけ多いということをどう考えるかというところがまず一つはあろうかと思います。

また、参考資料2-2の「子供・若者インデックスボード」、参考資料2-3の子供の貧困の指標、それぞれかなりの数があります。子供・若者インデックスボードは100を超える指標が置かれています。子供の貧困も39の指標が置かれています。こうした指標の中には、こども大綱の目で見たときに目標となるような数値もあるかもしれませんし、指標のまま置いたほうがいい数値もあるかもしれません。

こうしたものを眺めていただきながら、まずこの数値目標と指標がどういうものかという考え方でありますけれども、法律でそもそも目標を置くとされています。この5年の間に達成すべき具体的な数値目標を設定するんだと、その際に総花的に羅列するのではなくて戦略的に進んでいくように、これまで御議論をいただいてきました「第3基本的施策」の柱立てごとに設定をしてはどうかと考えています。

また、「こども・若者子育て家庭からみて何がどのように変わるのかがわかるようなものとなるよう留意する」というふうに記載を入れました。この点、アウトカムを重視してはどうかと考えています。

参考指標でありますが、大きく2つの性格に分かれるかと思っています。

「①数値目標に紐づく個別の施策の進捗状況を検証可能とする指標」です。こうしたところに、いわゆる整備数値というか、何か所整備しますとか、そうしたものはここの指標に当たるのではないかと思っています。個々の事務事業や施策においてはそれがその事業の目標になったりするんだと思いますけれども、こども大綱のレベルで考えたときには施策の進捗状況をしっかり把握することができるということで、事細かなものまで全て目標で羅列する必要はないのではないかという意味で、ここに指標として記載をしています。

もう一点は、②で「こども・若者、子育て家庭の置かれた状況等を把握するための指標」です。こうしたものを、これまで置かれている数値目標や指標、またはそのよしあしなども踏まえながら設定をしてはどうかというのがこの数値目標、指標の設定であります。

続きまして2ページ目です。自治体における推進体制の関係でありますけれども、こども基本法で自治体には国の大綱を勘案して自治体こども計画をつくるという努力義務が課せられています。地域の実情を踏まえた自治体こども計画が策定されるように、国において働きかけや支援を行うということです。

2点目が、国と地方が情報共有や意見交換する場というものをこども家庭庁の中でも様々持っています。そうした場を使いながら、国と地方公共団体が視点をしっかり共有してこども施策を推進していくということです。

3点目、地方自治体との人事交流を推進するということであります。

続いて、このページの下半分が(国際的な連携・協力)です。

まずSDGsに関しては、我が国においても総理を本部長とするSDGsの推進本部でSDGs実施指針を定めていまして、これに基づく取組を進めるということ、また「子どもに対する暴力撲滅グローバル・パートナーシップ」というパートナーシップがありまして、パスファインディング国、簡単に言うと主導する国の一つとして日本が手を挙げています。そうした主導する国の一つとして、こどもに対する暴力撲滅にしっかりと取り組むということであります。

3点目、児童の権利に関する条約に基づく児童の権利委員会からの総括所見等に関して、こども家庭審議会の下で必要な対応について検討し、国内施策への適切な反映を図るということであります。児童の権利委員会からは、総括所見、一般的意見など、様々な意見を頂戴します。法的拘束力はありませんが、その国、その国、我が国において、我が国の制度ですとか、そうしたことも踏まえつつ、それをより適切な形で国内施策にどう反映するかということをこのこども家庭審議会の場で御議論いただきながら、国内への適切な取組を図っていくということがここに記載されていることであります。

また、様々な国際会議や国際合意があります。そうした結果についても、国内施策に適切に反映をしていく。また、国際会議等々の場で我が国のこども施策を積極的に発信するということを書いています。

最後に、UNICEFですとかOECDをはじめとする国際機関との連携強化を掲げています。

めくっていただいて3ページ目、(安定的な財源の確保)であります。

こども基本法第16条では、こども大綱の定めるところにより施策の充実を図るとともに、財政的な措置を講ずるよう努めるという規定があります。この規定の趣旨を踏まえて、こども大綱を推進するための必要な安定的な財源について幅広く検討を進めて、その確保に努めていくということです。

また2点目、こども未来戦略方針で既にこれは閣議決定をして政府の方針になっていますけれども、今後3年間の集中取組期間において実施する「こども・子育て支援加速化プラン」を支える安定的な財源を確保する。こちらも「確保する」ということで、政府で決定をしています。

なお、細かな情報については参考資料3を後ほど御覧ください。

最後に、参考資料4で日中韓少子高齢化セミナーの資料をつけています。毎年、日中韓の3か国で少子高齢化セミナーという会議を開いています。審議官級がヘッド・オブ・デリゲーションになりましてそれぞれの国から集まって、今年は7月19、20日に韓国で行われまして、髙橋審議官の前任の浅野審議官と私、ほかの方々で参加をしてきました。ここも詳細な御説明は省きますけれども、中国や韓国も我が国と同じような課題感で考えていらっしゃるなということが改めて分かりました。

例えば、何か単一の理由があって少子化などが進んでいるということではなくて、構造的な問題がいろいろあるんだという話ですとか、または裏面の最後のほうに少し書いてありますけれども、少子化対策のようなものを評価するに当たっても、単一の施策で何か測るというのはなかなか難しいですし、うまくいろいろなものを組み合わせなければいけないといった話が出ました。

また、ここの資料には記載していませんけれども、こどもにとってのクオリティー・オブ・ライフみたいなものを図っていくということも大事ではないかという議論も出てきました。

長くなりましたが、私のほうからの説明は以上になります。

秋田部会長: 佐藤参事官、御説明をどうもありがとうございました。

ここから「「こどもまんなか」の実現に向けたEBPM」について30分程度、続いて「こども・若者の意見反映」について30分程度、最後に「施策の推進体制等」について20分程度、それぞれ順に時間で区切って御議論いただきたいと思います。全体の時間の関係に制約がございますので、時間を区切って進めてまいります。もし、それぞれの部分で言い足りなかったり、御発言ができなかった場合は、会議後に事務局のほうまで御意見をお寄せいただくという形で、今日はトピックの3つをバランスよく進めたいのでこのような形を取らせていただきます。

それでは、「「こどもまんなか」の実現に向けたEBPM」についてでございますが、まず最初にこども家庭庁に設置されているEBPM研究会の座長を務めておられる貞広委員に御発言をいただきたいと思います。貞広委員から資料も出ております。

貞広委員、どうぞお願いをいたします。

貞広委員: 御指名いただきましてありがとうございます。千葉大学の貞広と申します。オンラインから失礼いたします。

資料6-2として配付をしていただいていますので、適宜そちらを御覧いただきながら聞いていただければと思います。

EBPM研究会の座長という御紹介をいただきましたけれども、研究会は立ち上がってまだ日が浅いものですから、本日私から申し上げるのは研究会の総意というよりも私個人の意見として聞いていただければと思います。

まず1枚目のスライドですけれども、ここから申し上げることは全体的に佐藤参事官が先ほど資料1を用いて御説明してくださったこととも重なる部分もあるのですが、まず「エビデンス活用のタイミング」について申し上げたいと思います。

EBPMというと、とかく政策が行われた後の効果検証のところで行われるものだと考えておられる方も少なからずいらっしゃるようですけれども、課題を抽出する事前の段階からモニタリング、そして事後の検証というところまで、あらゆる場面で活用されるのがEBPMというフレームです。

また、最後のところに「試行錯誤プロセス」と書きましたけれども、EBPMを使うと一回導入した政策はずっと導入し続けるというのはEBPMの哲学と全く反してしまうわけですね。むしろ検証したときにうまくいかなかったら別の形でやり直していくという試行錯誤のプロセスがビルトインされていないと、毒にも薬にもなるというところの毒として機能してしまいかねない。ですから、その失敗をしっかりと認めていく。不都合なところを見つめて、トライ・アンド・エラーしていくということがまず大事だと思います。こちらの会議でもローリングであるとか、無謬性を排除するというような言葉でそれが称せられていますけれども、この試行錯誤プロセスがEBPMに入っているということが一つは重要かと思います。

2枚目のスライドにいきまして、この試行錯誤プロセスと並んで非常に重要なのが良質なデータがあるかどうかということです。残念ながら、我が国においてはデータ収集の条件整備とフレームワークが十分だとは言えません。私は教育政策の研究者ですので、教育のデータを一つ取っても、教育のもの、こどもに関連するもの、各省庁さんがそれぞれデータを取ってくださっているわけですけれども、そのデータの取り方のフレームがそれぞれ異なっていたりして、省庁間でせっかく取ってくださったデータのひもづけすらままならない。つまり、総合的な分析すらままならないという状態です。また、それぞれの官庁等で取っている統計のフレームが、国際機関が取っている統計の収集のフレームと異なっていて、そこも突合できなかったりするという問題もありますので、この辺りを修正していかないと、なかなか良質なデータに基づいたEBPMというものができません。

また、先ほど数値目標というお話が佐藤参事官からありましたけれども、あれはあくまでもデータであってエビデンスではありません。データから因果関係の解明までなされているものがエビデンスですので、単なる数値だけではなくて構造を解明したものをエビデンスとして用いて評価をしていくということが必要です。

このような良質なエビデンスがあってこそ、例えばウェルビーイングの実現であるとか、社会的公正の実現といった政策規範に照らして、現状がどの程度好ましい状況に到達しているのかということが評価できるのではないか。

3枚目のスライドをお願いいたします。

試行錯誤のプロセスも導入されました。良質なデータも得られましたとなったとき、もう一つ大事なのが、しっかりとそのエビデンスを政策立案者に翻訳してさしあげられる人材や組織の必要性です。何となくちょっと食べてみましたというようなエビデンスを使ったEBPMというのは誤読、つまみ食い、伝言ゲームの失敗ということを書きましたけれども、さらにアリバイづくりのようなものに使われて、実際に実効性を伴うということになりません。政策立案をしてくださる方は政策立案の専門家ではありますけれども、エビデンスを吟味したり翻訳したりする専門家ではありません。決して政策立案者がプレイヤーになるのではなく、適切な翻訳者、または翻訳者から構成をされている機関によって支援をしてもらうということが重要であると思います。

こうした支援機関も今、日本にはありませんので、しっかりとEBPMを定着させていくためにはこうした翻訳機関をどのように適用していくかということも考える必要があると思います。

最後に、4枚目のスライドをお願いいたします。さらにここで強調したいことを3つ挙げています。

1つ目は1枚目のスライドでも申し上げたとおり、とにかく失敗とか撤退とかやり直しという試行錯誤を許容していくということが大事で、機動的にやり直していくということですね。これが必要になると思います。

2つ目です。先ほど佐藤参事官の御説明の中にも、総花的にせず優先順位をつけて優劣をつけてというお話がありました。もちろんそういう優劣のつけ方も大事なのですが、こどもや子育てをめぐる状況の物事というのは決して定量的には切り取れないけれども、非常に大事だというものが必ず残ります。定量的に切り取れるものと、いかんともし難いというものがあるということを大前提にするべきだと思います。ですから、全部数値にするというコンプリートに決して固執することなく、むしろそうした定性的な状況把握というものの中に大切なものがあるという考え方を、EBPMを推進していく中でも残していくべきだと思います。

最後は2番目と関連することですが、最前線の専門家が必ずしも言語化をすぐにできないとか、定量化はすぐにできないけれども、大事だと思っている暗黙値や経験値のようなものを尊重するべきだと思います。これはあればいいということではなくて、可能であれば我々のような研究者が支援をして、それを何らかの形で概念化して、定量化して、可視化していくという努力はするべきだと思うのですけれども、最前線の方々の暗黙値や経験値というものはもろもろの政策を進めていくときの宝ですので、この辺りもあまり低く見積もらないということが重要であると思います。

こうしたことによってEBPMを定着させていくと、EBPMのいい面がこども政策の中で展開していけるのではないかと考えるところです。

以上、雑駁でございますが、私からの意見とさせていただきます。ありがとうございました。

秋田部会長: 貞広委員、どうもありがとうございました。

それでは、続いてEBPMに関して御意見、御質問のある方は挙手をいただきましたら、こちらから指名をさせていただきたいと思います。オンラインの皆様は「手を挙げる」機能を使ってお知らせください。お願いいたします。いかがでしょうか。

駒村委員、お願いいたします。

駒村委員: ありがとうございます。オンラインで失礼します。

今、貞広先生が丁寧に御説明いただいたので、非常にいいEBPMがつくられていくのでなはいかと思って期待をしております。

幾つか、学問によってエビデンスのつくり方は違うと思うのですけれども、そこは今日はあまり深く議論するつもりはないのですが、この資料の中に自治体の名前が全くないという感じがしました。自治体の中には自らの政策を検証したいといっても、技術的に検証する人材もネットワークもないケースは、こども家庭庁のほうで技術的、情報的、情報量の支援を行うというような想定をされているのかどうかが1つです。

それから、自治体が様々な政策のために情報を取ることもあるのですけれども、そういったものをこども家庭庁のほうで収集する。つまり、情報収集を求める、あるいは場合によっては地域別でやってみることがあるのだろうか。自治体に関する言及が全くなかったので、そこをちょっと確認したいと思います。よろしくお願いいたします。

秋田部会長: ありがとうございます。

今のことは佐藤参事官、すぐ何か御回答はございますか。

佐藤参事官: その点も含めて御議論をいただければ、また今の駒村委員の御指摘を踏まえて文案化のときに考えたいと思っております。

秋田部会長: ありがとうございます。

駒村委員、よろしいでしょうか。

(駒村委員 首肯)

秋田部会長: ありがとうございます。

それでは、続きまして有村委員、その後は木田委員にお願いしたいと思います。

有村委員: 発言の機会をいただきましてありがとうございます。また、貞広先生におかれましては丁寧な御説明ありがとうございます。

先ほどの駒村委員のお話にもあったのですけれども、私自身も自治体の調査等のお手伝いをすることがたまにあるのですが、EBPMもそうだと思うのですが、難し過ぎて使えないというようなコメントをたびたびいただいて、ここまで見えているのにというところが使っていただけないということもこれまで体験しております。そういった意味では、エビデンスであったり、データに関して自治体の職員さん等の学べる機会というのはとても大事なのかなということが1つです。

あとは、私がここで言うまでもないことでありますけれども、先ほど貞広委員がおっしゃったとおり、やはりきちんとデータを取っていく仕組みや積み上げていく仕組みが今はないというところなので、そこも計画の中に、いつまでにこんなデータを整えていくとか、そういうところも含めてまとめていただくといいかとは思いました。

あとは、当事者との対話とか、やはり当事者になっている方々の声を入れる仕組み等も検討していかないといけないと思いました。釈迦に説法なところもあるかとは思ったのですけれども、コメントさせていただきました。

以上です。ありがとうございます。

秋田部会長: ありがとうございます。

それでは、続きまして木田委員お願いいたします。

木田委員: 発言の機会をいただきましてありがとうございます。

私のほうからは、資料6-1としてあらかじめ出させていただいておりまして、「こどもまんなか」の実現に向けたEBPMについては1のところで書かせていただいているとおり、「こどもの権利影響評価」という指標を導入していただきたいと思っております。貞広先生から御説明があったように、事前の政策立案段階から事後の政策の効果の点検・評価・公表まで、全ての段階でEBPMに取り組むということには基本的に賛成ではありますが、やはり指標をどこに捉えるかというところが定まっていないのが現状かと思います。

今般、こども大綱を定めるに当たっては、やはりこどもの最善の利益が第一義的に考慮されているというのが「こどもまんなか」社会と考えていますので、その各段階でこどもの権利にどういうふうに影響を与えるか、こどもの権利にいかに影響を与えるかという指標を検証する「こどもの権利影響評価」を規定することを提言させていただきます。

具体的にいうと、いろいろなやり方はあると思うのですが、政策プログラム、目的において、まずストラテジーにおいてパーパスは何か、目的は何かというのを整理した上で、こどものうちの誰にターゲットが当てられるのか。そのターゲットに対してどういうふうな影響を与えているのか。それは子どもの権利条約の何条に関わることなのか。そして、それがポジティブなのか、ネガティブインパクトなのか。そういったインパクトを評価して、それについてアセスをしてレビューしていくというのが一般的な流れかと思いますが、いずれにしろ、そういった「こどもの権利影響評価」をするべきだと思います。

添付1、添付2のところに子どもの権利委員会による一般的意見も付させていただきました。この一般的意見というのは法的拘束力はないと先ほど御説明がありましたが、条約実施機関による有権的解釈ですので、やはりそれを考慮しないわけにはいかないと考えています。

最後に、駒村先生がおっしゃった自治体の観点は大変大事だと思いまして、1ページ目の最後の3行目からなお書きのところを書かせていただいているのですが、我が国においてこども施策の多くは地方自治体が実施しているものですから、やはり国・地方自治体が連携しながら、民間団体の知見も得ながら「こどもの権利影響評価」の具体的指標を策定していくということが必要だと思っています。

以上です。

秋田部会長: ありがとうございます。

続きまして、松本委員お願いします。

松本委員: 松本です。

資料6-6にメモを出させていただいていますので、そちらに沿う形で意見を申し上げます。

まず、貞広委員からEBPMの考え方について大変丁寧な御説明をいただいて、その趣旨ということについて了解をし、また賛同します。

また、今、駒村委員、木田委員から自治体のことについてコメントがありましたけれども、その点も大変重要なことだと考えておりますので、何かの形で盛り込めればと、これまでの御発言を聞いて思ったのが1点です。

その後、コメントで書いているのですけれども、やはりEBPMでは全体に施策を評価するというときの評価の軸というものをどこに置くのか。これは単一ではないかもしれませんけれども、幾つかの軸ははっきりさせなければいけないと思うわけです。

そこはここでの議論も大きいと思うんですけれども、そのときにやはり一番軸になるもの、一番根っこになるのはこどもの権利という観点かと思います。特に子どもの権利条約の精神にのっとりということで基本法、あるいはこの大綱も出てくるということですので、今、木田委員のほうから「こどもの権利影響評価」という手法も提案されましたけれども、私自身はそのことについてあまり明るくはないのですが、こどもの権利ということを中心にして政策の立案段階からその実施、影響ということを評価する。そういうやり方について、あるいはより検討の機会を持つということは大綱の中できちんと明記をしておくべきではないかとまず考えます。

それと関係して、前回のメモでも出しましたけれども、そうすると基本的な方針みたいなところにこれをもうちょっと前に出す、書き込むということが評価と関わって重要になるかと思います。これがまず1点です。

2点目は、いろいろなヒアリングというようなことをきちんとやるということで、これは書いてあるとおりですので御確認ください。

3点目なのですけれども、評価のところに関わってやはりこれは前回も発言しましたが、それを何という形で呼ぶかは別にして、こどもの権利を代弁するような第三者機関を設立して、そこに評価の機能を持たせる。それで、基本政策部会が一つの評価の場になるということはここで以前、考え方がたしか事務局から述べられたと思うのですけれども、それとは別の独立したところが評価をするというようなことがあり得るかと思います。

もう一つは、そういうときにこどもの権利代弁機関というのは、先ほど貞広委員のほうから定性的な資料なり評価ということも大変重要だということがありましたけれども、それを盛り込んでいく一つの開路になるのではないか。そうすると、これは後で意見表明のところで述べますけれども、意見表明の問題とも関わってきて、独立した機関というものがどうしても重要になってくるのではないかというのが私の意見です。

もう一つ、データの見直しというのは、それこそデータをどうつくるかというのはこれからだと思いますし、何人かの方も意見書を出されているので割愛いたします。例えば、こういうことも今ぱっと思いつくだけでも漏れていますよねということは例示しております。

以上です。

秋田部会長: どうもありがとうございます。

それ以外にはいかがでしょうか。

どうぞ、矢島委員。

矢島委員: ありがとうございます。

今まで皆さん御意見をいただいた中で、EBPMを推進していくことと、それからまだまだ不十分なデータの整備を進めていくということに対して、強く賛同いたします。

データの整備に当たりましては、ぜひ今後ジェンダーの視点ですね。貧困問題などについても、貧困が男女のこどもに与える影響の違いなども、今後教育の問題などで差が広がっていく懸念があります。ジェンダーギャップ指数を見ていても、22年のジェンダーギャップと23年を比べますと、教育の部門で日本は順位を落としております。それは高等教育において女子の進学が下がってきている。男女の差が開いてきている。今後、貧困が進んでいけば、かつてのように経済的に厳しければ進学は男子が優先というようなことがさらに進む懸念もあります。ですので、様々な統計データにおいてはぜひ男女別統計というものの整備をきちんと進めていただくようにお願いいたします。

それと、先ほど木田委員のお話にもありましたし、最初の事務局の方の御説明にもありましたけれども、やはりかなり幅広い施策、あるいは目標がこども大綱関連でありますので、その中でアウトカムを何に設定していって、EBPMできちんと評価していくのかということは、場当たり的ではなくて構造的に進めていくことが非常に重要だと思います。

以上です。

秋田部会長: どうもありがとうございます。

続きまして、岸田委員お願いいたします。

岸田委員: ありがとうございます。

指標について推進体制のところにもあるので、どちらがいいのか分かりませんけれども、やはりこどものウェルビーイング指標というものの検討、検証というものは記載が必要なのかなと考えます。その際に、やはり軸となるのは子どもの権利擁護の影響の評価ということは賛同いたします。

特に施策の中でも命や権利に関わる部分というのは非常に優先度が高いわけで、いじめであるとか虐待に関しての様々な予防策の影響評価というところはサイクルを回す形で検証に役立てていただければというところが1点です。

もう一つはデータの収集の種類ですけれども、いわゆる追跡調査ですね。個々人であるとか、一定の集団に焦点を当てた追跡データを獲得していくことで、例えば幼児期の教育の在り方ですとか、あるいはその後の育ちに対しての逆境の乗り越え方ですとか、そういった長期的な追跡データの収集ということもぜひ国として取り組んでいただきたいということを申し上げたいと思います。

以上です。

秋田部会長: どうもありがとうございます。

続きまして、新保委員お願いいたします。

新保委員: 発言の機会を与えていただき、ありがとうございます。

今、EBPMということでポリシーメーキングのことをすごく意識した議論だと思うのですが、自治体レベルのことを考えるとプラクティス、EBPと言われることもありますが、エビデンス・ベースド・プラクティスを少し意識しておく必要があると思います。

例えば、児童虐待を早く発見する機会とか、ヤングケアラーを早く発見するようなデータということを意識した上で、それをポリシーメーキング、政策立案につなげていくという視点が必要だろうと思います。

その際に、例えば年に1回のデータではなくて、月に1回とか、毎日得られるデータとか、しかもそれが自動的に更新されるようなデータ、自動的に集まってくるようなデータというものを意識しておく必要があると思います。例えば月1回のデータですと、水道料金が未納の状態ということは毎月、毎月発生しますので、それが継続しているかどうかというデータであったり、毎日のデータでしたら保育所に通所しているか、学校に通学しているかというデータというのは毎日、日々積み重なっているデータですから、それと何かを組み合わせて発見していくというような姿勢というのは必要ではないかと考えました。

以上でございます。

秋田部会長: どうもありがとうございます。

ほかにはいかがでしょうか。

私のほうでも、木田委員をはじめ先ほどから御意見がございました、こどもの権利というところであったり、ウェルビーイングであったりというところで、今回EBPMの浸透に向けた仕組みというところで公募型という案が出ているのですけれども、それだけではなく、とても重要なものは先ほど矢島委員が構造的にと言われましたけれども、やはりここの部会であったり、どこかが主導して長期的にサイクルが、トライ・アンド・エラーがあってもいいのですけれども、継続的に国で取っていけることが大事だと考えます。

それが今、新保委員が言ってくださったように日々の積み重ねデータもあるでしょうし、継続的にできるような長期的な展望もきちんと議論をした上でやっていくという側面と、公募型であったり、二次データ分析などでこれからこども政策の研究をしていく若手研究者等を育成していくというような面も重要だと思います。まずは国がこども家庭庁としてどういうデータを取るのか、社会一般の人に「こどもまんなか」社会というところで、こういうデータを取ることがどう社会を改善していくのかということが目に見えるような形で調査結果を戻していくことが極めて重要かと思っているところでございます。ありがとうございます。

ちょうど時間として30分というところでございますので、誠に申し訳ありませんが、この後につきましては事務局のほうからということで、「こどもまんなか」の実現のほうのテーマはここまでにさせていただきます。 次に、先日この部会に設置されたこども・若者参画及び意見反映専門委員会の委員長も務めておられます土肥委員に御発言をいただきたいと思います。土肥委員からも資料をいただいております。よろしくお願いいたします。

土肥委員: よろしくお願いします。土肥です。

専門委員会のほうもまだ1回しか開催をしておりませんで、専門委員会を代表してというよりは個人の意見としてお話ができればと思っています。

資料は6-3でお示しをしています。スライド数が非常に多い資料でお出しをしているのですけれども、かいつまんでお話しできればと思っています。

まずお伝えしたいことは端的に3つありまして、それを一つずつお伝えできればと思っております。

まず1点目なのですが、意見反映とともに「社会参画」施策も両輪にというふうにお伝えをしています。

4ページのところで「Voice&Action」と言っているのですけれども、こども・若者の意見反映については、意見反映となっているのですが、意見反映と社会参画の両輪を回すことが非常に重要ではないかと考えています。意見反映は直接声を聴く仕組みなのですけれども、それとともに社会をつくるパートナーとして社会づくりをこども・若者がしていけるような主体的な活動の促進というものも必要なのではないかと思っています。

5ページのところで、子供・若者大綱の整理を私なりに出させていただいているのですけれども、このところを見ていただきますと、もともとこども・若者の意見反映というのは子若大綱の施策の推進等の委員構成や意見聴取のところで書かれていたのですが、それとともに子若大綱の中でも社会形成の参画支援というものが盛り込まれていまして、この中で意見形成支援と社会参画の推進ということが明記されていたということになっています。

これがこども家庭庁の今の大綱の議論の中ですと、ここで言う左側の部分だけが盛り込まれているとなっていまして、専門委員会自体も意見反映と参画というふうに言っていますので、参画及び意見反映というふうに2つ併記をしていただくほうが適切なのではないかと考えています。それが1点目です。

2点目が、意見反映と社会参加の意義をこども大綱の中に盛り込んではどうかということです。

7ページにUNICEFのほうで出されているmeaningful participation、「意義ある子ども参加に向けた要素と要件」というものをお示ししているのですけれども、今、国のほうでもガイドライン作成をされているとは思うのですが、やはり参画とか意見反映が何のための参画で、何のための意見反映なのかということを大綱の中で盛り込むということが非常に重要ではないかと考えています。UNICEFもここまでの議論をかなり細かくやってきているので、すぐに大綱に盛り込むというのは難しいかもしれませんが、昨年度も調査研究をしておりますし、今年度も専門委員会ですとか有識者会議も行っておりますので、十分にここまでの議論の蓄積というのはあるのではないかと考えています。

その意味で8ページのほうで書いていますが、EBPMにおいてもこどもの権利ということについていろいろ意見が出ていましたが、権利が前提に立つということを大綱の中で明記しなければいけないのではないかと思っています。

というのも、こどもの参画や意見反映というのは、どちらかというと自治体レベルであったり、あるいは実践される現場によっては学びとか教育のための意見反映や参画というふうになっていることもなくはないと思っています。そうすると、意見は聴くんだけれども、それがある意味、体験的な活動になってしまっていて、権利のための参画とか意見反映にならない可能性があるのではないかと思います。

9ページのところに「子どもの権利条約」の一般原則を4つ挙げさせていただいていまして、12条が子ども参加を支える理念となっているのですけれども、意見反映の12条のことに関して結びつく権利というのがUNICEFのほうからも、例えば13条、14条、15条ですとか、こういったことがいろいろ書かれていまして、意見表明や意見の尊重にとどまらない参加の権利の保障というのも重要ではないかと考えています。

そして、最後の3つ目に意見反映と社会参画の具体的な取組への提案ということで11ページのところに幾つか書かせていただいています。社会参画を促進していくときのポイントは、こども・若者の影響力を高めていくことではないかと思っていまして、ともに社会をつくるパートナーとして社会づくりに参画できる機会保障が重要だと考えています。これまでの子若大綱における社会形成の参画支援の部分は、「ボランティア活動」にとどまっていました。ここを、より踏み込んで社会に参画をしていく、一緒に社会づくりをしていくパートナーと位置づけていくことが重要だと思います。その意味で、大人主体からこども主体になることが重要であって、具体的にはこども・若者支援団体だけではなくて、こども・若者当事者が行う主体的な活動に助成をしたり、実際にお金を渡すことによって影響力を高めていくということも重要なのではないかと考えています。

また、こうした活動を支えるためのコーディネーターの配置であったり、相談窓口の設置なども提案をしたいと思います。

そして、意見反映、社会参画をした後、制度・政策への影響力も重要だと思います。

次に、声を聴く意見反映ということに関してなのですけれども、12ページで、意見を聴くといってもいろんな聴き方があるということを考えたいと思っています。今、自分も今回のために整理をした図なので、これが確実に正しいというか、完全に整理できているか分からないのですが、声の出しやすさというのがこども・若者によっていろいろあるのだろうと思っています。意見を聴いても、声を出しても無駄だよとか、そもそも意見はないというような社会や大人に対して無力感を持っているこども・若者もいますし、そのままでは聴かれないという声もあれば、聞かれれば意見はあるんだけれども、積極的に意見は言わないけれども意見を言うという子もいれば、社会に積極的に参加したいというような子もいるということなのだろうと思います。

どちらかというと、その次のページのところで今の取組に赤ペンを入れるとどうなるかということで13ページに赤ペンを入れてみたんですけれども、まず今この資料の中でも盛り込んでいただいていますが、意見形成の支援というのはほとんど現状やっていないというのは言うまでもないかと思っています。

そして、今、出向く型ということでいろいろヒアリングをしていただいていたりもしますけれども、ここもより精査が必要だろうと思いますし、こども若者★いけんぷらすも今、取り組んでいただいていますが、これも一応29歳まで使えるということで私も登録をしているのですけれども、なかなか使いづらいというか、もう少し使いやすくしていく。これから精査していくところだと思うんですけれども、ここの運営にも意見反映をさせていくことが必要なのだろうと思っています。

審議会へのこども・若者の参加というのは今、直接参加の意見表明の機会としてやっているのですけれども、こども・若者団体へのヒアリング等も検討いただければと思います。

最後に14ページ、15ページで具体的な提案をさせていただいているのですけれども、今こども家庭庁におけるこどもの意見反映というのは、こども若者★いけんぷらすでの個人の意見の集約というのがメインになっています。これだけではなくて、こども・若者当事者団体の意見の集約ということも併せて考えていかなければいけないのではないかと考えています。

特に、これに関しては若者団体をどう選ぶのかという基準も非常に重要なのかなと思っていまして、例えば会員数であったり、どれくらいの年齢のこども・若者が参加をしているのか。これは、これから議論しなければいけないと思いますけれども、明確な基準を国のほうではつくっていく必要があるかと思います。

というのは、どうしてもいろんな審議会の委員の知り合いの団体とか、目立っている団体ばかりに焦点が当たってしまうと、それで本当に代表性があるのかとなってしまいますので、明確な基準がその中でつくっていけるといいのではないかと思います。

そして、審議会、懇談会へのこども・若者参加というのを最後に15ページのところでお示しをさせていただいているのですけれども、男女共同参画においては審議会、懇談会の女性の割合というのを数値目標で出されています。これはぜひ、こども・若者委員比率に関しても女性比率のように具体的な成果目標を明記してはどうかと考えました。

そして、参加のさせ方というか、仕方というのも、ただこども・若者が委員として参加するということだけ以外の参加の方法というのも研究が必要なのではないかと思っていまして、必ずしも審議会にこども・若者がいるということが、こども・若者の声を聴いているかというとそうではないと思って、もちろんいないよりはいたほうがいいとは思うんですけれども、例えばこの会を親会にして下にこどもの会をつくってそこから意見を反映させるというやり方もあるかもしれませんし、提案とか提言をしたりヒアリングをしていくというような意見表明の機会もあるのかなと思っています。

省庁とか自治体によっては、やはりいきなりこども・若者委員を入れるということにハードルを感じる省庁もあるのではないかと思っていまして、まずは無理なくマイナーチェンジできるような提案というものを各省庁であったり自治体にしていただきたいと思いますし、このやり方自体も研究をしていく必要があると思っていまして、審議会とか懇談会というのは政策決定に非常に結びつくところですので、ここにどうやってこども・若者の声を入れていくのか、そのやり方の研究というものが必要なのではないかと考えました。

長くなりましたが、以上です。

秋田部会長: 土肥委員、どうもありがとうございました。

続きまして、皆様のほうから御意見や御質問のある方は挙手をいただきましたら、こちらから指名をさせていただきたいと思います。オンラインの皆様も「手を挙げる」機能を使ってお知らせください。時間としては3時20分くらいまで、これから20分ほどで延べ30分になりますのでどうぞよろしくお願いいたします。いかがでございますか。

原田委員、お願いします。

原田委員: よろしくお願いします。

僕も資料6-4に資料を提出させていただきましたので、それをできるだけ短く見ていきたいと思います。

6-4の1番、まず「こども若者は社会を一緒につくる対等なパートナー」であるということで、1が結構思いというか、意見の部分で、そのほかは提案みたいな部分になっています。

1の1つ目のポツで、こども若者が今、意見反映だったり意見聴取は進んでいると思いますが、割とこども若者側に意見を翻訳したりとか、まとめてきたりというような流れがあるのかなと思っていますが、そうすると意見を言える人はまとめる力がある一部の人に限定される懸念がありますので、聴く側がこども若者のいろいろな意見をまとめたり、この意見だったらこういう政策に生かせるということで、聴く側が姿勢を変えてみるということが重要ではないかと思っています。

そのためには、こども家庭庁で聞いた意見が例えば別の省庁で反映される場合もあるかと思いますので、省庁横断、政策横断的にこども若者の意見を反映していく必要があるかと思います。

もう一つは、その意見というものが純粋に感じたことをそのまま言っているものも意見だと思いますし、まとめて要約したものも意見だと思いますし、どういうものが意見なのかというところをこども・若者に発信する場合には、ある会においてはまとめたほうがいいとか、ある会においては純粋な意見を言っていいとか、そういったところの具体例があるといいかと思いました。

2つ目が、先ほども委員登用については話があったと思いますが、僕自身も実際に参画していて、より実効力あるものにするためにできることがあるのではないかと思っています。

1つは、今こうやって若者委員が参画していますが、それがただのアリバイづくり的になってしまっては意味がないかなと思っています。そのためには、参加している若者がその会議の中で影響力を持てるように情報支援であったり、数値目標であったり、そういったところのサポートが必要かと思っています。

代表性についても実際に今、若者として参加しているところもあると思うんですけれども、私個人の意見イコール若者の意見と思われる可能性があったりして、そこら辺にはすごく責任を重たく感じてしまう現状があります。ですので、こども若者委員の選抜をしっかり仕組みで担保しておくことで、参加するこども若者にとっても合理的で必要なことなのではないかと思っています。

3つ目、「こども若者への適切な情報保障」というところで、今回のこども若者の参加と意見反映についてのところには情報保障であったり情報提供について記載が少なかったのかなと思っています。こども若者参画と銘打って社会の一員としてこども若者を社会に混ぜていくときに、やはり適切な情報の保障であったり学習のプロセスがなかったら、ただ責任や権利を与えても、それには実行力が伴わないと思うので、そういったところの情報保障、情報提供というところが必要だと思います。

実際に「意義あるこども参加のサイクル構築」のところでは「情報提供」から始まって意見形成、意見表明とつながっていくところがありますので、情報提供や情報保障というところをぜひ盛り込んでほしいと思っています。

4つ目は、こども若者がどれだけ参画や意見反映できる機会があっても、その周りにいる大人がそういったことに意味を感じていなかったりとか、意見を言っても変わらないというような意識があると、それはこどもにも伝播していくと思うので、まずは身近にいる大人の価値観を変えることであったり、大人が大人の声を聞くみたいなところ、大人社会側へのアプローチというところも検討してみてはどうかと思っています。

こども若者のそばにいる大人がふだんから生き生きと生きられるように、最後の4番の3つ目のポツのようなところは、こども若者、周りにいる大人を支える支援、これは経済的なところなのか、働き方のところなのか分かりませんが、そういったところが必要だと思っています。

最後は、僕自身ユースカウンシルの活動をしてきて、「連携強化」はすごく大きな前進だと思う一方で、もうちょっと踏み込んでそういう活動が増えるように助成制度の確立であったり、または環境整備、金銭的な支援というところの方針も立ててもらえるといいなと思っています。

最後の部分は、環境整備のところを書いています。ただ、このときに留意することとしては、ユースカウンシルとか若者団体の参画活動は若者が主体性を持って若者自身が目的とか在り方を決めて活動することに意義があると思っているので、金銭的な支援だったり、間接的な支援の際には、目的や在り方というものを外部が決めるというところは留意する必要があるなと思っています。

以上で終わります。

秋田部会長: どうもありがとうございます。

それでは、続きまして木田委員、続いて岸田委員といきたいと思いますので、お願いいたします。

木田委員: 意見の機会を頂戴しましてありがとうございます。

まず冒頭、先ほど土肥委員がおっしゃった権利を前提として意見反映、社会参画を考えることが重要という視点に強く賛同いたします。

さらに、声を出しにくいこどもたちに対する意見形成支援が足りないという現状についても共有した上で、私は先ほど紹介させていただいた資料6-1の2のところに、この分野について意見を出させていただいています。その困難な状況にあり、意見を出しにくいこどもたちについてですが、そういった虐待やいじめなど、困難な状況は様々ではありますが、一人一人がそれぞれかけがえのない固有の権利が侵害された状況にあるんだという社会認識がまず必要だと思います。

ただ、こども自身は自分が権利侵害されていると認識していることはまれでして、親子関係とか学校での関係、教師との関係、社会的養護下での生活、いろいろなことにつらいとか、悲しいとか、だるいとか、苦しいとか、生きたくないとか、そういったような悩みを抱えていることが多いのですので、そういった悩みに寄り添ってこどもの声に耳を傾けて、こどもの視点に立って伴走する支援、伴走型支援が必要だと思います。

2022年の児童福祉法改正で、社会的養護下にあるこどもに対する意見表明支援事業というものが立法化されましたが、さらに広げてあらゆるこどもの意見表明支援の仕組みが構築されるべきだと考えています。例えば、こどもの居場所、児童館ですとか、アフターケアの場所でもこどもの意見表明形成を支援するような仕組みが必要だと思います。

さらに、やはりどうしても私が強調したいのは、意見表明を支援するだけでなく権利侵害が認められた場合、救済される道が確保されている必要はどうしてもあると思っています。現状でも、地方自治体の中にはこども条例に基づいてこどもの相談救済機関を設置してこどもの悩みを聴いて調査をして勧告、意見などを出しているところが現状においては40超の自治体があります。このような地方自治体のグッドプラクティスを収集して、全国にこういったこどもの相談、救済機関の拡充を国として後押しすることも提言します。

また、最後に国レベルでのモニタリングの仕組み、いわゆるこどもコミッショナーの問題ですけれども、今回のこども基本法の制定で見送られた経緯というのは重々承知しているのですが、他方で附則、附帯決議においても公正かつ適正に評価する仕組みの整備については引き続き検討することは書かれていますので、そういったような継続した検討というものは必要だと考えています。

以上です。

秋田部会長: どうもありがとうございます。

それでは、続きまして岸田委員お願いいたします。

岸田委員: ありがとうございます。

この意見反映について記す際に、例えば冒頭などで子どもの権利条約やこども基本法に掲げる原則について明示してもいいのではないか、より幅広にこどもの視点に立ってというところなのですが、全てのこどもは自身に直接関係する全ての事柄に対して意見を表すことができるし、多様な社会的参画ができるのだ。こどもはそうした意見表明や参画の権利の主体なんだということを、こどもたちにとって最も身近な家庭や学校を含めて社会全体で共有することを目指すのだといったことを明記する必要があるのではないかと思いました。

同時に、こどもが意見を言ってもいいんだということをまず知ることができる、そのこどもの権利についての学びと、そういった意見を言う際の適切なサポートを得られるとか、意見を言っても不利益にならないといった仕組みづくりや支援、情報発信を国が主導するのだといった全体像を明記する必要もあるのではないかと考えております。

2点目が多様な声を聴く工夫の重要性、これは全く賛同するところです。脆弱な立場にいるこどもや若者が安心して意見を形成することができる、表明できる支援というものに賛同いたします。

その際に、やはりこどもたちの声をいかに代弁するかという意味で、アドボケイトの必要性についても触れる必要があるのではないか。各自治体の試みは行われていますが、これらを国としても検証し、推進するということをこのブロックで明記する必要があるのではと考えております。

以上です。

秋田部会長: ありがとございます。

続きまして松本委員、続いて松浦委員とお願いしたいと思います。

松本委員: ありがとうございます。

資料6-6にメモを出しております。

まず、これまで出された各委員の意見の内容には基本的にそれぞれ賛同するという思いがあります。これがまず1点です。

それから、木田委員もおっしゃいましたし、今、岸田委員がアドボケイトということに触れられましたけれども、やはり意見の表明をするというようなことと、意見を言う権利を擁護するような第三者機関の確立というのはどこかセットになっているのだろうと思います。そういう第三者機関があって、ある種、権利が救済される、あるいは代弁されるという第三者性を持ったところがあって初めて個々のいろいろな場面でいろいろ物が言いやすくなる。そこで物を言ったことで傷つけられるというようなことについても何とか救済できる仕組みもあるということがまず必要かと思います。

それで、裏にいっていただいて、結局こどもが意見表明に参画をする、あるいは意見表明をするという仕組みをつくるときに一番避けなければいけないし、一番危惧されるのはお飾りになってしまうということだと思います。皆さんあまりはっきりおっしゃらないけれども、特に自治体レベルでいろいろなところに行ったら、こどもを委員に入れておけばいいのかというくらいのことで形式的には広がっていくように見えるけれども、そこに参加したこども・若者はある意味、使われて疲れ果てていくというようなことはやはり起こるわけですね。

ですので、それはそうならないようにこども家庭庁が率先して見本を示すと思うのですけれども、やはりそういうガイドライン、あるいは大綱のところでもそういう危惧をはっきり書いて、それが起こらないようにいろいろな工夫をこれから積み重ねていくんだ。まだ始まったばかりで、我々はちゃんとした経験の蓄積がないわけですね。ですから、そうならないようにいろいろな経験を積んで、大人の側も経験を積んでいくんだということを明示してスタートするということがないと、これはきれいごとを並べたことになってしまう。

これはかえってやらないほうがまし、そこに参画した人たちが逆に傷つけられるということが起こり得る問題だと思います。こども大綱にもそこは危惧をはっきり書いて、かつつくられるガイドライン等にもそういう危惧をはっきり書いて、その危惧を避けるためにどうすればいいのか、どういう姿勢で大人、社会が臨むべきかということを明示するというのが強い希望というか、提案であります。

それと関わって、これはメモにはありませんけれども、大綱のところでは国レベルの政策過程とか自治体レベルの政策決定過程のことがまず念頭にあると思いますが、やはり日常的なこどもに関わる組織、団体、あるいは日常生活できちんと話が聞かれる、あるいはきちんと話を聞く姿勢、聞く大人がいる。そういう日常的な意見の表明、あるいはそれに基づいた対等的な対話、応答ということがない中でそういうものというのはやはり難しい。そうすると、これはこどもの権利そのものを守る、あるいはそこできちんと応答するような聞く文化というようなこととセットなので、そこも書いておかないと、形式的には委員の参加の問題ではない、我々の社会の文化が問われている問題だということも明確に示すということが重要かと思います。

最後は、若者の複数の委員の方から代表性の問題がありましたけれども、ここも当事者の方はすごく悩むと思うんです。ここは議論をちゃんとしなければいけないけれども、これは私の個人的な意見ですが、当面はあまり代表性にこだわることはない、気楽に考えられたらどうか。

私は大学の教員を代表しているわけではありませんし、大学の教員のコミッションから何か選挙されてここに出てきているわけでもなくて、これまで関連のことを勉強してきた一人の人間としてここで責任を持って発言をするという立場でございますので、それぞれ皆さんここにいらっしゃる人はそうで、どこそこの分野を代表して、もちろん自分の専門性ということを背景にすると、そのことを意識してバランスを取った見解を述べるということはあるでしょうけれども、そのことを代表してそれに責任を負うという立場ではありません。これは私個人の意見ですけれども、ほかの委員の方から考えがあれば、こういうことで述べていくということが大人の責任かと思います。

以上です。

秋田部会長: ありがとうございます。

それでは、続きまして松浦委員お願いいたします。

松浦委員: 発言の機会をいただきましてありがとうございます。2つ申し上げたいと思います。

1つ目は先ほど来、原田委員、松本委員の議論の中にも出てきましたけれども、審議会に若者を入れるということについては総論賛成なんです。

ただ、私も女性なので、時々お飾りで入ってくださいと、お飾りでと率直には言われないんですけれども、そんな感じで言われることがあって戸惑うこともありますし、やはりそういうふうに言われると入りたくないですよね。ですので、そこはこども枠じゃない、女性枠じゃない、対等な委員として入れていただくということがまず大前提で、政策提言の御経験などはもちろん若いので少ないかもしれないけれども、少なくとも政策提言に向けて必要な準備をしていただけて、その上で対等に議論するということが大前提だと思うんです。

ただ、女性だからとか、こどもだからということで一つ付加価値があるとすると、バックグラウンドとして一般的な男性に比べると少し違った経験をしているかもしれませんとか、周辺に女性の方が多いので、女性の見方みたいなものを多少知っているかもしれませんというのと同じで、若者についても例えば若者団体の代表であれば若者の声をほかの委員に比べれば多少知っているかもしれませんということで、そういう観点から御発言いただけるというメリットはあるのではないかと思います。

それが1つ目で、もう一つは意見を言えるということをどう担保していくのか。それはさっきの議論の中で出てきた政策提言に対して意見を言えるということから、それこそ自分が困っている、何とかしてくださいというところで声を挙げられても、様々な段階、バリエーションがあると思うんです。

でも、私も労使コミュニケーションとかの研究の中で発言の重要性というものを物すごく実感することが多くて、自分が発言することによって困難な状況が何らかの形で変わり得ると思えることは社会のセーフティーネットで、一種のその人にとってのセーフティーネットだと思うんです。

ですから、それを言ったら変わり得るんだという成功体験をどれだけ蓄積していくかということと、それを言える多様な受け皿を用意するということがすごく重要で、やはり言っても変わらないと思っている困難な状況になればなるほど受け皿のハードルというのは下げていかなくちゃいけないので、いろいろな受け皿をつくっていくということが大事で、その一つが審議会だし、その一つがまさにこどもの声を聴く相談窓口とかで、そういうところではチャット機能だとか、高校生とかに説明会をして、質問はありますかと言ったら全然出ないんですけれども、チャットでもいいですよと言ったらばらばら入るというのもありますし、いろんなやり方を模索していくことが重要ではないかと思います。

以上です。

秋田部会長: ありがとうございます。

それでは、続きまして青木委員、新保委員まででここのセッションは閉じたいと思いますのでお願いいたします。

青木委員: 発言の機会をいただきましてありがとうございます。

先ほどまで委員の先生方、原田委員、松本委員、松浦委員もおっしゃられていましたが、やはり気になるところとしては、意見表明ということが先行してしまって、その場を設けるということだけが起こってしまうことにならないかということです。結局、そこで発言されたことが反映されていなかったりすると、若者が意見を言ってもやはり聞いてもらえないということをさらに刷り込んでしまうことになります。若者の意見を取り入れるということがなぜ必要なのかということを分かるように示していくということが大事だろうと思っています。

必ずしも若者の意見を直接聞く必要がある場合と、そうでない場合があると思いますし、先ほど原田委員もおっしゃっていましたが、必要な場面では若者に適切な情報を分かりやすく伝えていかないと、ここと同じような場で議論をしたときについていけないとか、意見が言えないとなってしまうと、せっかく若者に入ってもらってもその意見が伝わってこないので、若者が意見を言いやすい状況をつくっていくということ、そういった配慮をしていくということを適切に伝えていくことが必要なのかなと思っています。

私もある自治体に頼まれて、こどもの意見を集めるということでファシリテーターをやったことがあるのですが、とても難しいです。単純にこどもの意見を聴きましょう、引き出してくださいといっても、これは簡単な話ではないです。ですから、実際にどのような方法でそれをやっていくのか。こどもが適切に意見を言ったことをどのように反映させていくのかということの方法論もどこかに示していく必要があるのではないかと思っています。ここなのかどうか分からないですが、そういった事例集的なものも今後は必要になってくるかもしれませんし、例えば八王子市は子ども議会を持っていたはずですが、そういったところのいい事例やノウハウみたいなものも共有できるような機会があればいいのかなと思っております。

以上です。

秋田部会長: ありがとうございます。

新保委員、お願いいたします。

新保委員: ありがとうございます。

今、ちょうど社会的養護下にあるこどもの意見をどう聴くのかということをめぐって、自分が実践者として社会的養護下にあるこどもの意見を聴くということに取り組んでいます。先ほどとお話がありましたように、本当に難しいなと思います。私の表情を見て、私の顔色を見て答えているのではないかなと思ったり、周りの人たちのことを見て答えているのではないかなということを感じることが多くて、物すごく難しいと思います。

この後、もう少し年齢が上になった自立に向けた人たちの意見を聴いたり、一時保護を開始する前の人たちの意見を聴くということもやっていくことになる。それは物すごく難易度の高い面接というか、意見を聴く機会かと思います。

実際に対応していただいたこどもたちに話を聴かせていただくと、例えばということですが、仮想空間のアバターの形にして自分たちが意見を言うようなことはできないだろうか。そうすると、お互いの顔色をうかがわないで自分の意見を言えるというようなことがあると言っていました。これは僕には発想がなかったので、若者から教えていただいたことです。

それから、今まで意見を聴くということはたくさんこの話題に出ているのですが、聴いた意見をどう解説するのかという話があまり出ていないように思います。私は、意見はしっかりデータベース化していく必要があると思います。音声データを文字データにした上で解析する。それで、これは大きな自然言語による私的データの解析という作業が伴いますので、並行して私的データの解析技術を磨いていくということが必要になると思います。

そして、匿名化した上で、これはできるだけ開放していくということで、いろいろな人がそのデータを活用することができるようにしていくことが必要で、そこくらいまでのことをやることによって少しこども・若者たちが自分の意見を言ってもいいかな、活用してもらえるかなと思ってもらえるのではないかという気がいたします。

以上でございます。

秋田部会長: どうもありがとうございます。

ここまで貴重な意見を、こども・若者の意見反映についていただきました。多様な形でのこどもの意見を形成し、そしてそれを聴き取るというところと、やはりこどもの権利をどうやって擁護していくのかというようなところのありようということも重要なところだと思います。この会議自体も決してそれぞれが何らかの代表性をもって出ているということはなく、一人一人審議会に出る責任は負っていますけれども、それぞれが専門の分野から出ていて、多分、私は高齢ということで出ているのではないか、逆に女性で、それぞれの年代で、でもそれを代表しているわけではありませんが、審議会として重要なことは英知を結集してよりよいものをいかにしてつくり出していくかというところでございますので、その辺りはお互いに聞き取りながら、本当に出てよかった審議会というか、意見が生かされるような形の応答責任というものをそれぞれ担っていきたいと思うところです。ありがとうございます。

それでは、最後の「施策の推進体制」ということについてテーマを移して議論をしてまいりたいと思います。こちらにつきましては時間が15分強でございますけれども、いろいろ御意見をいただけたらと思います。どなたからでも結構でございますので、よろしくお願いいたします。オンラインの方も挙手機能を使ってお願いをいたします。

では、矢島委員お願いします。

矢島委員: ありがとうございます。

施策の推進体制について、先ほど内閣府の特命大臣としての各省庁の調整と勧告ということの仕組みについてお話がありました。確かに慎重に活用すべきものとは思いますけれども、こどもをめぐる問題については様々な省庁にまたがる問題が多くありますので、各省庁に対して取組を連携して進めてもらうべきテーマについては特命大臣による調整機能というのはぜひ積極的に活用していただきたいと思います。

そして、先ほど国際的な連携協力というテーマも示されておりまして、こどもに対する暴力の撲滅の問題についても国際機関と協調し、そして日本がリーダーシップを発揮しながら取り組んでいくというお話がありました。

これに関しては、先に国連の人権理事会、ビジネスと人権作業部会が来日して、その際、日本における児童に対する史上最悪の加害状況について声明がありました。この問題について、私も以前にこの会議で、芸能事務所の創業者による児童の性加害の問題というのは一個人による児童に対する性加害の問題で済む話ではないということを申し上げましたし、今回国連のビジネスと人権作業部会も同じ見解を示しています。

事務所が組織ぐるみでこの問題について加担し、隠蔽している可能性、そして今その周辺で発言した被害者に対する二次加害が継続している状況がある。それに対して、事務所もマスメディアもこれをストップさせる動きを全くしておらず、政府もこの状況に責任があるのではないかと言われている。この状況について、ぜひこども家庭庁を基点として総合的に各省庁連携の下に取り組んでいただきたいと思います。

国際社会でこの問題は非常に関心を集めていて、この問題をスルーしたまま日本が国際機関と連携してこどもに対する暴力撲滅の取組をしていますということは決して言えないということをはっきり申し上げておきたいと思います。ですので、こうしたことについても今後取り組んでいただければと思います。

以上です。

秋田部会長: どうもありがとうございます。

それでは、続きまして松本委員お願いいたします。

松本委員: 1点、メモを出しております。メモの「施策の推進体制について」というところで、先ほど数値目標と指標の考え方について事務局のほうから御説明がありました。そのことは大変重要な提起だと思って、かなり詰めて議論しなければ、あるいはここで共有しなければいけないことだと思うのですけれども、そこも含めて特にそういう考え方、あるいはそこでどういうものをアウトカムの指標として見るかということはかなり重要というか、施策の在り方そのものを逆に決めていくようなところもあるように思いますので、前回少しここで質問してやり取りしたところでありますけれども、この審議会の各部会との関係で、ここのところをどんなふうに部会の議論に下ろしていって、あるいはそこで専門の方々の知見も集め、集約していくのかということは、ぜひ全体の進め方として何か示していただければということが、ここに書いたメモの趣旨でございます。

それと、今、国際的な文脈でということがありましたけれども、施策の進め方の2ページ目の下段のほうに国際的な連携協力とあって、子どもの権利条約に基づく子どもの権利委員会の総括所見について触れられています。これが出てくると、どういうふうにしてこれに対応して我々は考えるかということはこの部会で議論することだというふうに最初にこの部会の所管としても聞きました。これも大変重たい課題で、こども大綱はどんなものができるか。それに基づいた形で例えば総括所見にどういうふうに責任を持った形で応答していくのかということはやはりかなり見られている。我々の責任としてかなり大きいことだと考えています。

そのことを我々は共有するということがとても大事かなと、国際的協力というときにお題目というよりも外からかなりきちんと見られているような、それとの関係でこども大綱もそういう目で見られるということだと思います。

そのときに、これは何回かここで繰り返しになっているのですけれども、こどもの権利ということがどう位置づくのかということと、もう一つ、この基本部会の場で総括所見についてちゃんと勉強する場と言うと変ですが、今日、木田委員が資料として出していただいて、私も改めて見てこれは大事なことだと思ったのですけれども、ちゃんとこういうところに書いてあることを共有していくという試みは部会としてすべきではないかと思いました。これは提案であります。

以上です。

秋田部会長: 貴重な御提案もありがとうございます。

それでは、続きまして木田委員、その後、オンラインで櫻井委員、駒村委員とお願いをしたいと思います。

木田委員: 発言の機会をいただき、ありがとうございます。

私も先ほど挙げているように資料6-1のうちの3でこの部分を書かせていただいていて、まず国際的な連携協力の部分にある子どもの権利委員会からの総括所見について松本先生の御意見に強く賛成します。

そもそもここに子どもの権利委員会の総括所見に言及することは極めて大事ですし、ただ、ここでは「必要な対応」というところで逃げの、守りの書きぶりになっていますので、やはりきちんと尊重した上で誠実に対応して国内施策へ適切な反映をするという尊重という言葉、誠実な対応、そして適切な反映というふうにつなげていただきたいと思います。

と申しますのも、言うまでもなく、我が国は憲法98条2項で条約の誠実遵守義務がございますし、この総括所見というのは先ほど松本先生が挙げていただいたように、私は今回添付で出しましたが、政府との建設的対話である審査を経て締約国一般が取るべき行動の指針的文書として出されているもので、それをこの条約実施の中で正当に尊重されて誠実に履行されていることが求められているものです。

私自身も報告書の作成に関わっていた立場からすると、その後、総括所見が出た後にどうフォローアップされているかというのは今まであまり見えてこなかったなと、各省にこういうものが出されましたと言っただけで、次の報告書審査のときに、また次に出してくださいというような形で、どう検証されてきたというのは見える化はされていなかったと思いますので、今回こういったような統括調整機関であるこども家庭庁が創設されたことに伴ってきちんとフォローアップされるシステムができることを期待します。

もちろん一般的意見についても総括所見と同じく、子どもの権利委員会による正式文書ですので、それについて解釈指針として尊重するのは当然のことです。

それで、蛇足ながらですが、ここの場でも皆さん子どもの権利条約と呼んでいて、「Convention on the Rights of the Child」、児童の権利条約と呼んでいるのは政府だけという状況です。それで、平仮名のこども家庭庁という画期的なことを導入したときも、当事者であるこどもが分かりやすくという視点でこのように表記したわけですし、もうそろそろ子どもの権利条約でもいいのではないかなと思っていますので、少なくともこども大綱においてはそのように表記するというような説明などを入れて、そういったように書いていただくことを強くお願いしたいと思います。

以上です。

秋田部会長: ありがとうございます。

それでは、続きましてオンラインの櫻井委員お願いいたします。

櫻井委員: 発言の機会をいただき、ありがとうございます。

私からは、資料2の先ほどの部分と3にまたがるような形で意見をさせていただけたらと思います。

資料2でいうと(地方公共団体における取組推進)、資料3でいうと(自治体こども計画の策定促進、地方公共団体との連携強化)の部分になります。

ここに関してなのですけれども、地方自治体側に国庫支出金ですとか補助金のない事業に取り組む余裕はないのではないかと思います。ガイドラインの周知、好事例の横展開程度では自治体は取り組まないのかなと思います。

こども基本法10条に基づく市町村こども計画策定は努力義務であり、策定しない場合、11条にある意見反映措置を講ずることも期待できません。ちょっと後ろ向きですけれども、これらはかつて2009年のこども・若者育成支援推進法の政策過程でも起きたことを繰り返しているのではないかと思います。

国庫支出金がついたり、補助が期待できなければ、市町村として取り組むインセンティブがない状況です。ですから、正直、今のままだと意欲のある首長ですとか、たまたま子ども・子育て支援法に基づく市町村、子ども・子育て支援事業計画などを一まとめにしたこども・若者系の計画更新時期に差しかかった際に考慮するかもしれないという程度の期待しか持てないのではないかと思います。

私は今、神奈川県の横須賀市に住んでいるんですけれども、若者政策について何度も議員さん等が質問しているにもかかわらず、市長は、若者が分厚い壁を乗り越えてくるのを期待しますといったトーンで、一向に前向きな返答は返ってきません。だからこそ、市町村にとってより強いインセンティブが期待できる表現、必要な支援がしっかりと受けられると自治体が認識できる表現、現場のニーズを踏まえた地方自治体の先進的な取組を必要に応じて制度強化などではなく横展開し、制度化すると言い切るくらいの意欲を法律の許す範囲内で必要な限り強く意識して変えていただけたらと思います。

もう一点ですけれども、こども政策に関する国と地方の連携の場などを通じて地方6団体のうち3団体、知事会、市長会、町村会と国のコミュニケーションを図られているのだと思いますが、その場に出ている知事、市長、町村長が果たして地方の若者の実態ですとか、若者のニーズをどれほど捉えているのか、非常に不安だなと思います。

地方側からの子ども・子育て政策強化に向けた緊急提言等を見てみると、こどもをもっと産んでくださいという願いは感じられるものの、なぜ若者がこどもを産み育てたいと思えないのかという背景にあるような性別役割分担意識ですとか、女性への家事分担がのしかかっているなど、様々な現実にあまり向き合えていないのではないかと思います。

だからこそ、地方の意見を国が聴く場において、やはり地方の意見、本当に地方の、特に若者の意見が入っているのかをその場で点検し、こうした機会に積極的に若者の場を用意することは重要だと思いますし、こういった地方の団体も積極的に若者が話す場に入ってきていただくということが非常に重要ですし、都道府県議長会、市議会議長会、町村議会議長会の方々にもこれから若者のヒアリングですとか、様々行う際にぜひ来ていただけるといいのかなと思います。

すみません。ちょっと通信がブレたりしたのですけれども、私からは以上です。

秋田部会長: ありがとうございます。

それでは、続きましてオンラインの駒村委員お願いいたします。

駒村委員: ありがとうございます。

今の櫻井さんの意見にかなり賛成で、それをさらに推進するような意見になるわけですけれども、資料3に出ている進捗状況インデックスづくりというところですが、これはできましたら自治体単位で発表していただきたい。どういう状況なのかがちゃんと比較できるように、なかなか都道府県別にしなければいけないのはデータ数の関係で有効なデータが取れない場合は難しいかもしれませんけれども、各地の状況を比較できるようなインデックスをつくる必要があるのではないかと思います。インデックスをなるべく自治体単位でアップできるように工夫してもらいたい。

これは、さらにもっとつながる。日本自身がどうなのかということも我々は知らなければいけなくて、「OECDをはじめとする各国際機関等の取組に積極的に貢献していく」と書いてあるのですけれども、ここにいらっしゃる方は多く御存じだと思いますが、かなりOECDのデータを見たときに日本のデータは欠落しているケースがあります。こどものテーマでもここはなぜ日本が発表されていないのだろうか、データが落ちているのだろうかということがあります。これはデータがないのか、データを出していないのか分かりませんけれども、基本的には日本が国際的にどの程度の状況になっているかを把握するためにも、持っているデータはなるべく出すという方向で、持っていないデータはなるべくつくっていくというような取組も必要ではないかと思います。

以上です。

秋田部会長: どうもありがとうございます。

それでは、続きまして有村委員お願いします。このセッションはここまでにしたいと思いますので、有村委員お願いします。

有村委員: 発言の機会をいただき、ありがとうございます。手短に申し上げたいと思います。

1つは、この実施体制のところですね。先ほど性加害のところで芸能事務所の問題が出ていましたけれども、やはりこどもが対象ということであるのですが、こどもだった時期に被害を受けた方、あるいは社会的養護の方々もそうですけれども、こどもだった時代に不利益を被った方々に対してのアプローチというのも必要なのではないかと思いまして、推進体制の中にそこはもし可能であれば組み込んでいただきたいと思います。こどもの時期を過ぎてしまったからといって、こども時代の傷をそのままにしておくとか、あるいは過去に受けたものを教訓としながらこれからどうやって日本自体が変わっていけばいいのかを検討するためにもそれは必要なのかなと思いました。

もう一つ思うのが、自治体の話が出てくるんですけれども、コミュニティーというところではアイヌであったり、国連の子どもの権利委員会の勧告の中からは周縁化というところでは出てきているところであります。この会議の中、あるいは私自身も見えていないものもあるのかなと思うのですけれども、そういったところも国際的に見るとかなり話題になっているところ、各国の過去の政策の見直し等もしながら行っているところでもありますので、そういったところも意識しながら進めていく必要があるのかなと思いました。

以上でございます。ありがとうございます。

秋田部会長: どうもありがとうございます。

それでは、この議題につきましての御発言はここまでとさせていただきます。

続きまして、「中間整理についてこども・若者、子育て当事者等から意見を聴く取組について」ということで御議論をいただきたいと思います。こちらも事務局より資料の御用意がございますので、まず御説明をお願いいたします。

佐藤参事官: 資料4について御説明します。

その前に、1点だけ申し上げさせてください。櫻井委員から御指摘のあった自治体こども計画について支援をしっかりしないと、という点なのですが、2009年こども・若者育成支援推進法ができて、自治体にこども・若者計画をつくる努力義務が課されたにもかかわらず、当時の国の役所のほうで適切な支援ができていなかったせいで全く策定が進まなかったという反省を強烈に私は持っています。

そのために、今回自治体こども計画の策定支援に関する補助金をつくりました。今年度はまだ額が足りないところもありますし、まだこれから改善すべき点もあると思いますけれども、そうしたことをしっかり使いながら策定支援をしていきたいと思っていますので、中間整理の案のときには、部会長に御相談をしながら、そうしたことが分かるようなかたちに起草したいと思っています。

その上で、資料4の御説明です。こども・若者、子育て当事者等から意見を聴く取組であります。中間整理の案について今後9月に御議論いただいた上で、それについてこどもや若者、また子育て当事者の方々に広く御意見を頂戴するというプロセスを入れたいと思っています。

それは後ほどの今後の進め方等にも関わりますけれども、こども基本法においてこども大綱の案を作成するときには、こどもやこどもを養育する者、学識経験者、広くいろいろな方々の意見を聴くということが法定されています。それで、そのことも含めてこども家庭審議会に内閣総理大臣から諮問がなされていますので、このこども家庭審議会が主体となって意見を聴く取組としてどういったものを行えばいいかということで御提案をさしあげているものでございます。

1枚目、①から⑧までそれぞれ書かれています。まず1枚目のほうで御説明をしますと、1点目と2点目がいわゆる公聴会に当たるものでございます。1点目がこどもや若者に対する公聴会、2点目が一般向けの公聴会です。それぞれこの部会の委員の方々に御参画をいただいて、こどもや若者、子育て当事者をはじめとする一般の方々からの御意見を直接聴くという場がこの①、②です。

③、④がいわゆるパブリックコメントでありまして、③がこども・若者向けのパブリックコメント、④が一般向けのパブリックコメントです。

⑤は、「こども若者★いけんぷらす」というこども家庭庁の事業の枠組みを使って、そこに参画していただいているこどもや若者たちに対するウェブのアンケートですとか、対面等々での意見交換、チャット形式での意見交換、また出向く型という形で施設に出向いて意見を聴くといった取組であります。

⑥番目がインターネットモニターを使ったアンケートです。

⑦番目と⑧番目が団体の関係なのですけれども、こども・若者に関わる、または子育ての支援に関わる団体というのは幅広くございます。そうした方々の御意見をなるべく多く聴いていきたいというところもありますけれども、時間的な制約もありますし、物理的な制約もあったりします。そうした中で、パブリックコメントですとか公聴会という形で広く御意見を聴くというところをまず御用意した上で、先ほど若者団体との連携ですとか支援という話も出てきたことと関係しますけれども、若者が主体となって活動している団体は若者の意見を国ですとか自治体に届けるために活動されています。やはりそうした若者団体の方々の御意見は頂戴をしたほうがいいのではないかというところで、⑦の御提案をしています。

あわせて、こども基本法では国とともに地方公共団体と、あとは事業主に責務が課されています。そうした立場から、まず事業主の関係ということで⑧ですけれども、経済界と労働界に対しては意見を聴くことをやったほうがいいのではないかという御提案です。

その下の※の最初に書いていますけれども、地方に関して言うと地方三団体については別途こども政策に関する協議の場というものがございまして、そちらのほうを活用しながらそこで聴いた意見をこの部会の場にお持ちをするということでどうかという御提案になります。

2枚目が、それをこども・若者から見た場合にはどういう機会があるのか、子育て家庭をはじめ一般の国民の方々、団体の方々も含めてどういう機会があるのかということで記したものであります。

まず「こどもわかものいけんの会(仮称)」という公聴会は、広く部会の委員の方々に対して直接意見をお伝えすることができる場であります。ただ、日にちですとか時間は決まったものになります。

「こどもわかものパブリックコメント」は、これも広くどなたでも参加ができますけれども、直接意見を述べたりするよりは時間をかけて考えをまとめたいといった場合とか、なかなかその日時には参加が難しいというこども・若者からも意見を聴くことができると考えています。

また、基本的にインターネット上でのパブリックコメントを考えていますが、一方でインターネット上の情報にアクセスしづらいような、例えば施設で暮らしているようなこどももいらっしゃいます。そうしたこどもや若者の皆さんにもこのパブリックコメントの情報が届くように、紙媒体での配布なども考えていきたいと思っています。

また、こども若者★いけんぷらすの関係で言いますと、①と③、公聴会とかパブリックコメントは基本的にはこの中間整理の案について御意見をどうぞという形で、かなり大きなというか、総論的な聴き方になろうかと思います。

一方で、いけんぷらすのほうでは、例えばウェブアンケートであれば細かく説明項目を設定できるので社会像についてどう思うかとか、基本的な方針のそれぞれについてどう思うのかといったような形で、よりきめ細かく意見を聴くことができるかと思っています。

また、直接の意見聴取に関して言うと、いけんぷらすの場合はファシリテーターを必ず入れることにしています。そのファシリテーターが安全に安心して意見を言える環境をつくりながら、よりきめ細かく意見が聴けるかと思っています。

また、LINEのオープンチャットに関して言うと、なかなか決まった時間に対面で意見交換するということが難しいこどもや若者であっても、空いた時間に意見を言うことができるかと思います。

また、出向く型という形で、その施設に直接出向いていくということもやりたいと思います。

「子育て家庭その他の一般国民向け」は「公聴会」「パブリックコメント」はそのままでありますけれども、「インターネットモニターへのアンケート」を行うことで、こちらは設問項目を設定ができるので、よりきめ細かく意見を聴くことができ、またその分析に当たっても既婚や未婚の別、こどもの有無などといった属性別に分析を行うことができるかと思っています。

その他、後ろのほうはそれぞれについて詳細を記載しています。全て細かく御説明するのは時間の関係で省きますけれども、3ページ目のこども・若者向けの公聴会に関して言えばオンライン形式でやりますが、音声で発言するような形式等、先ほどもちょっと関連の話が出ましたが、チャットで意見を言っていいよという部分も併用して、どちらの形でも意見を言いやすくするとか、また各回100名までで事前登録制にしますけれども、事前の情報提供ですとか、または少しアイスブレイクをして安心して意見を言えるといったことが大事でありますから、事前に事務局のほうで参加するそれぞれの100名の方々皆さんに対して、オンラインにはなりますけれども、顔も出しながら安心して意見を言っていいんだよということでほぐしながら、資料も説明をしながらやっていくということをやりたいと思っています。それで、ここは有志で参加される委員の方の御希望を募って、なるべく御専門の偏りがないような形でグループ分けができたらいいなと思っています。

一般向けのほうも同じようにオンラインでやりますけれども、フォームで意見を言えるというような形にもしたいと思って、こちらは250名マックスで考えたいと思っています。

5ページ目のパブリックコメントのほうは先ほど申し上げた点でありますけれども、なるべく広く様々な関係団体の方々もこども家庭庁を挙げて周知をしていきたいと思っています。

6ページ目のいけんぷらすの関係ですけれども、今ちなみにいけんぷらすのメンバーとして4,000人を超えるこどもや若者に全国から登録をしてもらっています。このこどもや若者の全員が回答したいと思うわけではないのですけれども、回答したいと思ってくれるこどもや若者の方々にウェブアンケートを行ったりとか、または意見聴取として(2)でありますけれども、対面ですとかオンラインを交えながらその柱立てごとにテーマを設定してやっていきたい。また、ここも委員の方々で御希望の方は御参加をいただければと思っています。

ただ、意見聴取そのものはファシリテーターとこどもや若者でやりますので、委員の方々は中に入るのではなくてそばで聞いていただくということになります。LINEのオープンチャットについてもここに記載のような形で、なるべくコアタイムというのをつくったり、それ以外でも意見を言えたりという形で、なるべく意見が言いやすいような感じにしたいと思っています。

8ページ目は出向く型ということで、現地のヒアリングに関しても具体的な施設の選定はこれからですが、児童養護施設、障害児の支援の施設、また児童館といったところを少し想定しながら3回程度やっていけたらと思っています。これは直接伺って対面で意見を聴くということですけれども、こちらも委員の方々に御希望に応じて御参加をいただければと思っています。

「インターネットモニターへのアンケート」は1万サンプルを考えています。

9ページ目ですけれども、「若者団体ヒアリング」に関しては具体的には5団体くらいを想定しています。そこもこれから選定を考えなければいけません。委員の皆様方の御知見もいただきながら、どういった若者団体の方々にお声がけをするかというのは考えたいと思いますけれども、先ほどの話もありましたが、なかなか代表性というのは難しいので、それはそれで課題として専門委員会の場でも今後御議論をいただきつつ、若者団体のヒアリングに関しては委員の皆様方の御知見をいただきながら団体を選んでいければと思っています。

また、経済界・労働界はここに記載をしている日本経団連、日本商工会議所、経済同友会、または連合に対するヒアリングを考えています。この団体のヒアリングに関しても、御希望される委員の方々に御参画をいただければと考えています。

私のほうからは以上になります。

秋田部会長: 御説明をどうもありがとうございました。

それでは、「中間整理についてこども・若者、子育て当事者等から意見を聴く取組について」、20分程度御議論をいただきたいと思います。御意見のある方は挙手をお願いいたしますし、オンラインの方は挙手機能でよろしくお願いいたします。

では、木田委員お願いいたします。

木田委員: 御指名いただき、ありがとうございます。

今お話のあった、今後中間整理に対して意見を聴く取組の中で含まれていなかったものであると思うのですが、私としては先ほど来、挙がっている国連の子どもの権利委員会の現職の委員である弁護士の大谷美紀子先生から御意見を頂戴することが極めて大事だと思っています。御承知の方もいらっしゃると思うですが、大谷先生は日本で初めて国連子どもの権利委員会の委員になられて、2021年から2023年にかけては委員長も務められていた方です。今回の大綱というのは、子どもの権利条約にのっとって総合的、包括的な施策を盛り込むということですので、この貴重な御知見を伺うことは必須だと思っています。

委員は自国の審査には関与できないということですが、自国が条約を誠実に実施することができるよう、助言や協力することはむしろ期待されているというふうにも承っていますので、今回この当事者の意見を聴く取組という中に入れ込むのか、先ほど総括所見についての勉強も必要ですねと松本先生からの御提言もありましたので、その際に伺うということもあり得ると思いますが、いずれにしろ今後大綱を策定するまでの間に大谷先生からの御知見を頂戴することを提言したいと思います。

以上です。

秋田部会長: ありがとうございます。

それでは、続きまして岸田委員、続きまして松本委員にお願いしたいと思います。

岸田委員: ありがとうございます。

意見の聴取に関してなのですけれども、基本的に一部の意見を聴いたのだなと思われないようにするということは非常に重要なので、大前提として全てのこどもたちから意見を聴きたいのだということを明確に示す必要があるだろうということです。

特に、やはり出向く形で今回情報にアクセスしにくいこどもたちの声をどう聴き取るのかということに取組されることは非常に重要だと思っております。施設といいましても、やはり全てというのはなかなか制約があるかと思いますけれども、少なくとも全ての施設にアンケートを配って回収は全て行うですとか、何らかのアプローチを必ず全てのこどもたちに広く行うのだということを大前提として持つということは重要なのかなということが1点です。

2点目に、親御さん、保護者の意見を聴く機会についてなのですけれども、現状では公聴会のほうに含まれるという形かとは思うのですが、この大綱は子ども・子育て支援ということに大きなボリュームを割くということを踏まえましても、やはり保護者の声は特別に聴く必要があるのではないかと思うところです。

あわせて、こどもの年齢も小学校に入る前の年齢のこどもたちの声というのは集めにくいというところがあると思いますが、その年代のこどもたちの声は親御さんに代弁いただくということもできるかと思いますので、可能であれば親子の会のようなもので低年齢のお子さんを含めた、例えばですけれども、高校生までのお子さんをお持ちの親御さんを対象にした会のようなものがもしできるのであれば当事者の声として聴くことを検討できればと思っております。

3点目は、集めた意見をどう生かすのかというところが何よりも重要で、聴くという行為には責任を伴うものだということでございます。意見を聴いただけで反応が見えにくいということになると、やはりこどもたちの側も有用感が失われてしまうことにもつながりかねませんので、きちんと聴きました、受け止めましたということが分かるように、松本委員も資料で提出されていますけれども、応答のシステムということをつくって意見を聴く前にそれを示す、説明する必要があるのかなと思います。

いろいろな意見はあると思いますけれども、例えば寄せられた意見をホームページ上で明示するとか、SNSでも見える化をするとか、あるいはこの審議会の部会の場の中で、寄せられた意見に対して議論する時間を設けるですとか、何らかそうした意見をこんなふうに生かしていきますよということをきちんと説明した上で聴取するということが重要かと思います。

少なくとも、準備室の段階からこれまでこどもたちからも意見徴収をこども家庭庁でなされていた資料というのは52ページぐらい参考資料として作ってくださっていますけれども、それらは皆さんも読まれていると思いますし、もちろん事務方の皆さんもそれらを受けた上でこうした大綱をつくられるわけですので、皆さんが例えば読んでいますよとか、それを踏まえてつくっていますよと、私自身も例えば先日出した提出資料も読ませていただいた上でさせていただいていますけれども、そういったことを発言したり発信していくということも重要なのかなと思っております。

以上です。

秋田部会長: ありがとうございます。

続きまして、松本委員お願いします。

松本委員: たびたびの発言で恐縮ですが、機会を与えていただいてありがとうございます。

メモには、1点書いております。ヒアリング先で経済界、労働界からというのは大変大事だと思うんですけれども、こどもや子育てに関する専門職団体、あるいは関係するNGO、NPO等、いろいろ関係する団体があると思うのですが、そこからいろいろな御意見を聴くような機会は持つべきではないだろうか。これは選定がなかなか難しいかもしれませんけれども、パブコメで出してねという以外にも幾つか集中的にお話を聴かせてねというほうがよろしいのではないか。パブコメでいろいろな形でいただいた意見の理解を豊富化するという観点でもよろしいのではないか。また、積極的に意見書等も受け付けるというようなことと、こちらからもそういう姿勢をきちんと発信するということが重要ではないかということです。 続いて、これは進め方のところの議論になるのかもしれませんけれども、中間整理をまとめて10月中にいろいろな意見を聴きます。そうすると、11月の答申案のところにこれがまた跳ね返るということになるわけですね。それはそういうことですよねという話と、10月中旬に予備日とありますけれども、予備日は使うんだろうなというつもりで皆さん覚悟しておいたほうがよろしいのではないか。

結局、10月でいろいろ聴いて、それをまとめて、それも各委員が全部共有して、かつ、それが答申案のところにどういうふうに流れ込むか、その理由は何か、そういうことも議論して確認した上での答申案だと思いますので、ヒアリングのことに関わってこれは進め方のところでまた必要があれば申し上げたいと思います。

最後に1点、先ほど木田委員のほうから国連の子どもの権利委員会の委員でいらっしゃる大谷弁護士のお話を聞くということはどうかと、ヒアリングの対象なのか、ここで勉強会をするようなときに参考人として来ていただくのかということがありましたけれども、それについて強く賛同いたします。

国連の子どもの権利委員会の総括所見はこの大綱だけではなくて、この後それについてまた出たときにどういうふうにそれに対して責任ある応答をしていくのかという責任を我々は負うので、そういうことをきちんと勉強する。実際にその場にいらっしゃる方から、その意味なりについてきちんとお伺いするということは不可欠だと思うんですね。

これは御本人がどういう御意向かは分かりませんけれども、御本人がもしそういうことで関わってもいいということであれば、我々はちゅうちょする理由は何もないと思います。これはかなり具体的な御提案ですので、私は強く進めなければいけないのではないかと思って、ほかの委員の方もこれについて賛成、反対の御意見があったらここでお述べになるのがよろしいのではないかと思います。

ついでに、なるべく早くということであれば8月に予備日はありますよね。

佐藤参事官: あります。もともと設定しております。

松本委員: 今日の議論で大体、中間報告に向けて事務局は走りますということであれば予備日は使わないでということで、私は予備日があるバージョンと、ないバージョンと2つ航空券を取っていますのでどちらかにキャンセル料がかかるんですけれども、使うというふうにして、総括所見のお勉強と、大谷弁護士がもし御都合が合えば来ていただいてお話をする。それだったら、事務局のほうはその会議に向けた準備はあまり要りませんので、事務局のほうの御負担もないんじゃないかというふうに今お聞きしながら考えていました。

以上です。

秋田部会長: ありがとうございます。

座長としても大変強く賛同いたします。私も個人的に大谷先生には前にお話を聞いたことがあるんですけれども、ぜひここの場でそういう機会が、ちょうど時期が合うかどうかというようなことを考えながら進めさせていただきたいと思います。勝手な個人的な意見でございますが。

続きまして土肥委員、それから櫻井委員、有村委員、青木委員とお願いしたいと思います。

土肥委員、お願いします。

土肥委員: 土肥です。

短くですが、若者団体のヒアリングを入れていただいていて、これはこども・若者の意見反映のところとも関わるかもしれませんが、こどもの参加と若者の参加、こどもの意見反映と若者の意見反映とちょっと分けて考えなければいけないかなと思っていまして、例えば審議会の中でも若者委員は参加しているんですけれども、こどもの委員はいないわけですよね。どこまでをこどもとするのかというのはさておき、少なくとも小中高生は参加をしていない。

そういう意味でも、こども団体へのヒアリングというのを検討されてもいいのではないかなと思いまして、こども団体というのは具体的に自治体レベルでこども会議を設置している自治体もありますし、若者団体も何をもって若者団体とするのか、まだここに書かれていないので明確ではないんですけれども、両方あるほうが誠実かなというふうに個人的には思いました。

以上です。

秋田部会長: ありがとうございます。確かにそうだと思います。

続きまして、櫻井委員お願いいたします。

櫻井委員: ありがとうございます。

3年前に内閣府男女局で行った第5次の計画で、パブリックコメントを若者に呼びかけた経験からちょっとお話をさせていただけたらと思います。

若者に向けてパブリックコメントを行うのはよいことだと思うんですけれども、多分パブリックコメントというのは聞いたことがない人がほとんどなのではないかと思います。3年前に行った際も、パブコメって何なのかとか、自分たちの意見が国に送れるってどういうことかとか、逆に言うと、国に送るならば悪いことを何か書いたら目をつけられるんですかとか、そういった意見があったりして、自分の意見を言葉にするというのもそうですし、それをまた国に送るというところで非常にハードルが高いので、そもそもパブコメとは何なのかということですとか、送るというところの設計ですとかはちょっと考えられるといいかと思いました。

それから、私たちもみんなに、これを読んでね、意見してねと言うと非常に難しいかなと思ったので、分かりやすくSNS等で短くポイントだけお伝えするということですとか、定期的なイベントなどを行ったので、もちろん10月15日に公聴会が行われると思うんですけれども、それだけではなくて、パブコメ期間にどんな内容が書かれているのかを知れる機会ですとか、それが難しければ公聴会の一部をアーカイブして、どんなことがそもそもこの中間整理の内容で書かれているのかを文字を読まずに、若い人は文字離れと言われたり、映像のほうがいいとか、様々なタイプの方がいると思いますけれども、そこら辺でただ文字を読むというだけではないものを作っていただけると非常にいいかと思います。

あとは、ちょっとスケジュール的に難しいかもしれないんですけれども、若い人たちから様々な形で聴いた後に、若い人から聴いたことがこんな感じになりましたということを恐らくウェブサイトですとかSNSで発信されると思うのですが、こちらに関してもまたしっかりと知れる機会というのをオンラインか何かで実際にどなたかが説明して、また意見するというような機会を、こども若者★いけんぷらすに入っていない方も参加できるような場をつくっていただけるといいかと思いました。

以上です。

秋田部会長: ありがとうございます。

それでは、続きまして有村委員お願いいたします。

有村委員: たびたびの発言、失礼いたします。

私は、先ほど御説明いただいた資料の8ページ、⑤の「こども若者★いけんぷらす」の特に(4)の「現地ヒアリング(出向く型)」のところでちょっと意見を述べさせていただければと思います。

この中で児童養護施設、それから障害者支援施設ということで周縁化されがちな対象の方々への配慮をお願いしますということを申し上げていた立場から、これが入ってきたのは大きいかと思います。

ただ、これ以外にも様々な対象の方々がおられるかと思うんですけれども、時間のこともありますので、本当に可能な範囲で広げていただければありがたいかなというのが1つです。

あともう一つは、ここはこどもだけではなくて若者たちからということも入れていただいていますけれども、やはり利用者のOBの方々等のお話もぜひ聴いていただければと思うところです。特に、これは私のゼミの卒業した学生の修士論文で児童養護施設のこどもたちに聴いて見えてきたところですけれども、施設の職員さんたちは例えば生きることとか生活することに重点を置くのですが、こどもたちは自己実現のほうに重きを置くと、やはり差が出るというようなことも見えてきておりますので、聴き方だったり、一緒に聴くだけではなくてちょっと場面を分けて聴くとか、そういったところの工夫などもしていただければと思います。

私としては、今回は3つというか、3回程度ということではございますけれども、これから継続して聴いていただくという意味では、もっとどんどん対象を広げて、逆に全てのこどもたちの子育てだったり生きやすさに通じる部分は、ぜひ全体の施策に組み込む仕組みができていくスタートになればいいかなと思って拝見いたしました。

以上です。ありがとうございます。

秋田部会長: どうもありがとうございます。

それでは、続きまして青木委員お願いいたします。

青木委員: 発言の機会をいただきましてありがとうございます。

本当に今の意見を集めていくという方法が、対面もそうですけれどもオンラインを使ってと、非常に多様な形で声を聴こうとしている、このスタンスは非常にいいなと感じております。

その中で、私がイメージがつかなかったのが、7ページにある、いけんぷらすのオープンチャットを活用して若者から意見を集めるということです。オープンチャットは私も使ったことがあるんですが、「こどもまんなか社会」や基本施策のことについて意見を聴き意見がたくさん出てきたときにどうこれをまとめていってここの意見がこうでしたということをどうまとめ、部会のほうに戻していくのか。先ほど新保委員のほうからもありましたが、集めたデータや意見をどのように集約していくのか、結構すごく難しいところだと思います。

そういうことを事前に想定されているのであればいいのですが、そういったところも事前に想定しておかないと、聴いたはいいけれども、結局、意見としてこんなことがありましただけで終わってしまうとなると反映させづらくなってしまうと思います。やり方としていろいろなことにチャレンジしてみることはすごく大事だと思いますが、やったことがどうだったのかということも振り返られるように準備をしていくことが大事かなと思いました。

以上です。

秋田部会長: ありがとうございます。

この点、事務局のほうからオープンチャットのことで何か補足はございますでしょうか。

佐藤参事官: ありがとうございます。

こども若者★いけんぷらす事業の中でのチャット形式はword、チャットでやりますと、事業自体は民間会社に委託しているところもあるので、我々と民間会社と一緒になってそれをカテゴライズしたり、どういうふうな意見が何件あったかとか、まとめた形でこの部会の場でもお示しをするということを想定しました。

それは公聴会ですとかほかのパブコメも全部同じでして、一件一件の意見をばっと並べても皆さんも多分御議論しづらいと思うので、ある程度カテゴライズしたりしてまとめていくということになろうかと思います。

また、フィードバックという話もありましたけれども、恐らく一件一件全てについてその中身を書くというのはなかなか物理的にも難しいところは正直あろうかと思いますけれども、なるべく意見を言ってくれたこどもや若者、または一般の方々は、自分の意見についてはどういうふうに反映をされたか、されなかったということも分かるような資料をつくって、10月の取組の後の部会の場で御議論いただければと思っています。

あとは、併せて事務局からよろしいですか。皆様方にお願いのようなことがあるんですけれども、まず、冒頭事務局から申し上げたとおりで、この意見を聴く取組は部会の皆さんが意見を聴くということですね。事務局側ではないです。

ですから、今日いただいた御意見を踏まえてなるべく最大限できるように、また事務局のほうで御提案の中身を考えたいと思うのですが、ぜひ積極的に御参画をいただければ、事務局が意見を聴くのではなくて、こども家庭審議会が一般の方々とかこども・若者の意見を聴くということになりますので、部会の委員の皆様方にその点はお願いしたいというのが1つです。

あとは、松本委員から御提案のあった関係団体の方々の御意見というのも大変重要な点だと思っています。まさに委員もおっしゃっていましたけれども、なかなか選定が難しいかもしれないとか、あとはじかに聴くのがいいのかとか、意見書も受け付けるのかとか、それは組み合わせるのかとかもあると思うんです。

その点、例えばこども会議とかこども団体というのは土肥委員からもありました。これは多分、今日この場でこれ以上御議論いただくお時間はないと思うのですが、では具体の団体の名前がいいのか、選定の規準なのかは分かりませんけれども、こういうような団体には声をかけるべきではないかとか、直接意見を聴くべきではないかとか、この部会が終わった後にお考えがあればぜひいただければと思います。

例えば、支援団体についても個々のNPOとかNGOまで呼ぶのかとか、それはいっぱいありますので、例えば中間支援団体みたいなものに限ってというか、絞って直接聴くことにして、個々の団体の方々は意見書を受け付けるとか、幾つかやり方はあると思うんです。そこは、事務局の私としてはぜひ皆様方の御意見を最大限受け止めるような形の方法、もちろん物理的な制約とかマンパワーの制約もあるのですが、そこも含めて考えたいと思うので、ぜひ御意見を皆様方から頂戴できたらありがたいと思います。

以上です。

秋田部会長: ありがとうございます。

今のことも含めて、あと5、6分ございます。

では、矢島委員お願いします。

矢島委員: ありがとうございます。

この取組もこども家庭庁の一つの施策であり、我々が参加して施策自体の質を高める責任もあると思いますし、先ほど来EBPMの話も出ておりましたけれども、終わった後でこの施策が有効なものであったかを評価する責任もあると思うので、参考までに伺いたいのですけれども、この施策全体で予算としては幾らくらいかけていらっしゃるのですか。

佐藤参事官: この意見を聴く取組ということですか。

矢島委員: そうですね。この全体で、先ほど民間にも委託されているということでしたけれども。

佐藤参事官: まず、いけんぷらすは別の事業で、この大綱のためだけではなくて、いけんぷらすの事業として予算事業で取っていまして、それは1.8億円だったかと。ただ、それは年間30件くらいこれからいろいろな意見を聴いていく中の一つにこのこども大綱が入ります。

それ以外のところについては、幾らという額よりも全体の中の内数になっているので御説明しづらいのですが、全体で数千万円くらいです。こども大綱の策定とか、その後の周知のための経費を取っていて、その中で幾ら振り向けるかということになるので、意見を聴く取組が増えれば増えるほど、そこは当然ながら費用もかかるということになります。

矢島委員: 恐らく、私たちがこういう場に出ていったときに、そういった御質問ですとか御意見も来る可能性があると思うんです。今、やはりこどもや子育て家庭をめぐる状況で経済的に非常に厳しかったり、あるいは今、子育て家庭に対する施策について予算が十分でないという批判がある中で、この聴く会そのものに幾らお金をかけているんだというような批判は当然あり得るので、その辺りも分かればある程度情報をいただきながら、私たちもその予算に見合った価値を出せるようにしっかりと取り組んでいかなければいけないと思いますので、情報共有していただければと思います。よろしくお願いします。

秋田部会長: どうもありがとうございます。

青木委員、お願いいたします。

青木委員: たびたび失礼します。

先ほど佐藤参事官のほうから御説明いただいたことで、1点、私のお話ししたかったを補足させていただきます。ここのところについてはファシリテーターを置くというのが一つの特徴だと思っていて、要は単純にチャットでばっと意見が流れてくるものではなく、若者の意見を引き出すとか、そういったことの配慮がなされているということだと思っています。そうすると、ファシリテーターの考えとか、そこに沿ったまとめ方もあると思ったので、ほかの意見を集める方法とは違うだろうなと思いました。

それで、この方法のノウハウができると、例えば、ほかの自治体でも活用できたりすると思ったので、ファシリテーターはどのような進め方やまとめ方だったのかということをまとめてお示しいただけるとありがたいと思った次第です。

以上です。

佐藤参事官: 簡潔にお答えします。

いけんぷらすの中での直接対面、オンラインで意見を聴くときと、あとはチャットのときにはファシリテーターの方を呼びます。ただ、そのときにはこども家庭庁創設前に試行的な事業でファシリテーターの方に入っていただきながら意見をまとめてきたという積み重ねもあるのですけれども、当然ですが、なるべく誘導したりしないであくまでも意見を引き出す、意見を聴く。

聴く立場の中でうまく振ってあげながら、チャットの場合も同じようにタイミングはなかなか難しい面とかもあるのですが、様子を見ながら少し質問を投げかけるとか、やはり誘導にならないような形で、ほかのいけんぷらすの意見を聴く案件もそうですけれども、事前にファシリテーターの方々ともいろいろ打合せをしながらしっかりやっていきたいと思っています。

秋田部会長: ありがとうございます。

松本委員、お願いします。

松本委員: 関係団体のところで、私も個別の団体でどこというのはなかなかここで申し上げるのは難しいですし、それこそ個人的な好みみたいなものが入ってしまうので事務局も御苦労されることだと思いますけれども、意見書のようなものを積極的に出していただいて、その意見書に基づいて、そのポイントだけ5分とか10分とか時間を区切って、ざっと言ってもらうというやり方もあるのかなと思ったことが1つです。

もう一つは、幾つかの意見書が出ているということはネットワークの中で聞こえてくるんですけれども、そうしたものはやはり委員の中でこの場で資料なり全体が出たところで、どこかのタイミングで逐次共有いただくというようなことはお願いしたいと思います。

どんなところでどんなものが出ているのか。特に中間報告が出てきたら、これから多分いろいろ動きが活発になってくると思うんです。それはいろんな市民団体や専門職団体からもそういうことが聞こえてくるので、その状況についてはこの場で共有いただくというようなことが重要かと思います。

あとは、委員は意見を聴く会にはあまり逃げるなよ、あなたたちが聴くんですからねというふうな話で、うわっと思ったんですけれども、これを見たら進め方で、事務局の方が意見を集約して委員に伝えて、委員が回答ということですが、これは別にこ家庁を背負わなくてもいいんですよね。こ家庁を代表して何か回答しなくても、一委員として述べていいわけですね。

佐藤参事官: もちろんです。委員の皆様方お一人お一人が独立して職権を持ってここで行使をされているので、部会の御意見をまとめていく中で委員のお立場としての御回答で全く構いません。

松本委員: まだまとめている途中ということだと思うので、そういう形でその後の議論にどう反映させるかという観点で答えるということだと思います。そうすると、どんな意見が出たかということを全体で共有して、どういうふうに流し込むか、あるいはできないのかというようなことが随分重要になってくると思いますので、そこはどなたが当たるか知らないけれども、当たった人間に過度のことを負わせないように、その後につないでいく役だということとして理解しました。

秋田部会長: よろしゅうございますでしょうか。

それでは、最後に今後の進め方について御議論いただきたいと思います。事務局より資料の用意がありますので、まず資料5をお願いいたします。

佐藤参事官: お手元の資料5を御覧ください。今後のスケジュールと、あとは答申とこども大綱の関係で、前回少し口頭で私がお答えしたことも含めて、いま一度御説明をさしあげたいと思って資料を作りました。

まず今後のスケジュールでありますけれども、この説明に入る前に、先ほど御提案で総括所見の勉強の場とか、大谷弁護士からのヒアリングという話もありましたので、これはまた変わるのではないかと思いますけれども、その変わるのではないかという前提でお聞きください。

9月に入りまして、中間整理の案について2回ほど御議論いただく部会をお願いしたいと思っています。そして、基本政策部会としての中間整理の案を取りまとめていただいた上で、9月の下旬にこども家庭審議会総会でまたこの中間整理を御議論いただいて、それでお取りまとめいただきたいと思っています。

10月中に今、御議論いただきました意見を聴く取組はここに載っていること以外のことも今後本日の御議論を踏まえて追加をすると思いますけれども、様々な意見を聴く取組をした上で、11月に入ります。先ほど松本委員からもおっしゃられたとおり、恐らく2回やることを事務局としても覚悟しつつですね。

というのは、聴いた意見についてこれまでも委員の方々から御意見が出ていますけれども、しっかり反映すべきは反映する。そして、その答申案をちゃんとお示しをすることもそうですし、反映したこと、できなかったことについてはなぜなのかについてもなるべくこどもや若者たち、参加をしてくださった方々に分かるような資料を作成して、それをこの部会の場でお示しをして、その上で御議論いただくことが大変重要ではないかと事務局としても考えています。そうしたことも考えますと、なかなか1回で終わるということにはならないのではないかと思っていますので、予備日と書いていますけれども、恐らく2回お願いすることになるのではないかと思っています。

そうした形で、基本政策部会としての答申案の御議論をお取りまとめいただいた上で、11月の下旬に審議会の総会で答申をいただく。そのいただいた答申を踏まえて政府部内で作業をした上で、12月中にこども政策推進会議でこども大綱の案を作成、了承し、こども大綱を閣議決定するというスケジュールを想定しています。

2枚目を御覧ください。「答申とこども大綱の関係について」であります。

こども大綱の案自体は、こども政策推進会議が作成することになっています。逆の言い方をすると、こども家庭審議会はこども大綱の案をつくる主体ではありません。ただ、4月の閣僚会議の場で、「今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針及び重要事項等」について調査審議をお願いしますという内閣総理大臣からの諮問を受けて、現在皆様方に御議論をいただいているところであります。

すなわち、左下になりますけれども、こども家庭審議会の答申は「今後5年程度を見据えたこども施策の基本的な方針及び重要事項等」という答申になります。その答申は、事務局として想定をしているのは、こども大綱で言う第1、第2、第3、第4、第5、これまで御議論いただいてきたことで該当する部分が対象になるということを想定しています。

その上で、答申を踏まえて、こども政策推進会議がこども大綱の案をつくることになりますけれども、その際、本日の御議論、またこれからの御議論も踏まえて、目標や指標も含めた形でこども大綱の案をこども政策推進会議がつくる。そして、それを閣議決定するということを考えています。

「目標・指標」につきましては繰り返しますが、答申を踏まえてこども政策推進会議の下で検討・調整をしていきたいと思っています。

また、「こどもまんなか実行計画(仮称)」という話を施策の推進体制のところで申し上げました。こども大綱は今後5年程度を対象にした大きな基本的な方針ですとか、基本的な施策が盛り込まれるものです。その下で具体的に進めていく取組についてはこども政策推進会議が大綱の案の作成、了承と併せて「こどもまんなか実行計画」として推進会議決定をする。そして、それを毎年改定していくということを考えています。

そのこども大綱の案の了承と併せてつくる最初の「こどもまんなか実行計画」についても、もちろんこれまでの審議会、部会での御議論を踏まえた形で、また前回の部会でもちょっとお話をしましたけれども、個別の施策の中で予算編成過程で検討するというものもあります。そうしたものも踏まえた形で、こども政策推進会議の下で策定をしたい。

その上で、毎年改定していくに当たっては先ほどの施策の推進体制でも御説明しましたけれども、この部会の場、こども家庭審議会の場で実施状況についてチェックをいただきながら、それを反映した形で毎年こども政策推進会議で改定をするということを考えています。

御説明につきましては以上です。

秋田部会長: 御説明どうもありがとうございました。

進め方に関連しまして、こども家庭審議会総会の会長である私から一言、お願いを申し上げたいと思います。

中間整理の案につきましては、9月にこの基本政策部会で御議論いただくという御説明が今ありましたが、こども大綱は基本政策部会だけではなくて様々な部会にも関係することがございます。ですので、基本政策部会での議論と同時並行で関連部会というのが幾つかございますので、そちらでもそれぞれの部会の所掌の観点から、こちらの中間整理の案について必要な議論を行っていただくというような形にしまして、その上で9月下旬の審議会総会においてそこの関係部会・部会長代理から部会での御議論等を御報告いただきまして、それらを踏まえて審議会総会として中間整理を取りまとめるというような形にさせていただきたいと考えております。それで、本日のこの部会の後、私のほうから今度は関係部会の部会長の皆様にその旨をお伝えする、連絡する予定になっております。

それでは、今後の進め方について何か御議論があればいただければと思います。そういう形で、ここだけではなくて関係部会全体で中間取りまとめ案をそれぞれの部会で御議論いただき、それをそれぞれまとめていただいたものをこちらにというような形にしたいと思っておりますが、いかがでございましょうか。何か御意見のある方は挙手をお願いします。

松本委員、お願いいたします。

松本委員: 前回、それぞれの部会と大綱の関係はどうなるのかというふうに質問させていただきました。それで、そういうふうな形で明示をしていただいたことについて、まず感謝を申し上げます。もう少し各部会での議論も複数回取れるような並行の議論の機会があれば、なおよかったと思いますけれども、それでも一旦回路がきちんとできたということについて了解をいたしました。

そうすると、こども家庭審議会総会で各部会からの議論も流れ込んでくるというふうになると、この基本政策部会の中間整理案というのはかなりその後変わるかもしれないということを含んだ形で、その後、11月の上旬にまたありますので、そういうことになるというふうな理解でよろしいかということです。

それから、その際、ここで議論がまとまらなかったところが仮に出てきたとしたら、中間整理案が出てきて、すぱっとまとまれば私はいいなと思っているのですけれども、そうならなかった場合には、ここのところについては両論併記、あるいはもう少し一般のパブコメを含めた意見も聴く必要があるというような形のまとめ方もあり得るという理解でよろしいでしょうか。

秋田部会長: そのような形になろうかと思いますし、時間的にはかなり厳しいので、既に9月のこの時期までに設定されている関係の部会や分科会と、そうでない場合はメール審議等でも全員、皆さん御関係のところにはとにかくこの中間整理案を見ていただいて御意見をいただけるように尽くしたいというところです。どうまとまったり、どういう御意見がくるか、まだちょっと分かっておりませんので、集まった意見を見て考えていきたいと思います。ありがとうございます。

続きまして、木田委員お願いします。

木田委員: 時間が迫っている中、申し訳ないです。

中間報告についての中間整理に向けた取りまとめ、各部会との関係については何ら異論はありません。

1点、各論のまとめ方で今、御説明のあったこども政策推進会議との関係なのですが、従前、各論は毎年ローリング改定で、ここのこども家庭審議会でチェックをというお話だったのが、今回こういう計画という御説明を頂戴しました。それで、各省で各論は詰めるということはそのとおりなのでしょうが、やはり重要なのは口頭で御説明があったこども家庭審議会できっちりとその実施状況を検証、評価するというところであるべきで、いただいたパワポの説明書きにその部分がちょっと抜けているかなと思います。

それで、国会審議でもやはりこども家庭審議会がコミッショナーに代えてモニタリングしていくという御説明もあったかと理解していますので、そのところでいわゆる検証評価というところはやはり明確に示していただければと思います。

以上です。

秋田部会長: どうもありがとうございます。

若干時間を過ぎてしまいまして、申し訳ありません。時間になりましたので、本日の会議はこれにて終了といたします。

議論の初めに今日申し上げましたとおり、本日の御発言に足りないところがあった方など申し訳なかったのですけれども、時間で区切っておりましたので、本日終わってからでも事務局のほうまでお寄せいただければと思います。

次回は今回までの御議論を踏まえ、私と松田部会長代理も資料を本日出してくださっておりましたけれども、松田部会長代理の下で事務局に中間整理の案を作成していただいてお示しいたしたいと思います。

9月上旬の開催を予定しておりますが、日時の詳細は事務局より追って御連絡をさせていただくというような形になります。これからなかなかハードスケジュールになりそうという予想はございますけれども、皆様本日はどうもありがとうございました。