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科学技術部会(第6回)

概要

日時:令和6年5月22日(水)16時00分から17時00分

場所:Web開催
URL https://youtube.com/live/2t3BebMcsEg?feature=share

議題

  • (1)審議事項
    令和7年度こども家庭科学研究事業実施方針(案)について

  • (2)報告事項
    「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」に基づく研究機関に対する機動調査の結果について

  • (3)その他
    令和7年度AEMD研究事業実施方針(案)の作成に向けた意見伺いについて

資料

議事録

吉川推進官:ただいまより、第6回「こども家庭審議会科学技術部会」を開催いたします。母子保健課推進官の吉川でございます。委員の皆様におかれましては、お忙しい中、御出席を賜りまして誠にありがとうございます。

本日は5名の委員から御欠席の連絡をいただいております。井伊委員、塩見委員、武見委員、西村委員、脇田委員、以上5名の委員より御欠席の連絡をいただいているところでございます。なお、渡辺委員からは、途中から御参加されるというふうに伺っております。
出席委員は、委員の17名のうち5名が御欠席ですので、3分の1以上であるということで会議は成立いたしますことを御報告いたします。

本日の会議はウェブ会議で開催いたしますので、円滑な御審議に向けて御協力のほどよろしくお願いいたします。また、ご発言いただく以外のときには、マイクをオフにしていただきますようよろしくお願いいたします。

会議を進行する前に、科学技術部会の委員の状況について追加でお知らせをさせていただければと思います。日本医用光学機器工業会内視鏡部会長の櫻井友尚委員でございますが、令和5年度末をもって退任をされました。これにより、科学技術部会の委員が今回より計17名となりましたことを御報告いたします。

それでは、五十嵐部会長、議事の進行をよろしくお願いいたします。

五十嵐部会長:皆さん、こんにちは。今日はどうぞよろしくお願いいたします。

早速ですが、審議事項「令和7年度こども家庭科学研究事業実施方針(案)」につきまして、皆さんと議論していただきたいと思います。では、事務局から御説明をお願いいたします。

吉川推進官:事務局でございます。

議題1でございますけれども、関係する資料としては資料1-1と資料1-2でございます。しかし、スケジュールに関して、少し前提としてお話をさせていただければと思います。少しイレギュラーでございますけれども、資料3の2ページ目のところに今回スケジュールがございますので、そちらのほうをまず全体の概要として御説明をさせていただければと思います。

本日5月22日の科学技術部会でございますけれども、年間のスケジュールとしては、本日、こども家庭科学研究に関しての事業実施方針に御審議をいただきまして、次回7月めどで行われます科学技術部会におきまして、前年度の成果の評価及び概算要求前評価を行っていただき、その後、パブリックコメントを経まして12月の科学技術部会にて公募課題の決定、そして、年内の公募開始を目指し、1月の評価、3月の採択、4月からの研究開始を目指していくという形でございます。

また、後ほどの議題でございますけれども、AMEDに関しては少しずれる形でございまして、本日、事業実施方針作成前の意見伺いをさせていただきまして、7月に事業実施方針の決定、10月、11月、12月で公募作成、公募開始、年明けで評価、採択、研究開始といった形で進めていくことになります。

では、資料1-1に戻らせていただきます。「令和7年度こども家庭科学研究の事業実施方針(案)」をお示ししているところでございます。

2ページ目を御覧ください。こちら、こども家庭庁の研究でございまして、皆様御案内のこととは存じますが、令和4年度まで厚労省にあった「成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業」が、こども家庭庁に移管した事業でございます。令和6年度の予算額としましては、こちらに示しているような額でございます。

「実施方針の骨子」でございます。

まず、「研究事業の目的・目標」としましては、令和5年4月に施行されましたこども基本法、その中で、こども施策について示しをしているところでございまして、こちらは「新生児期、乳幼児期、学童期及び思春期の各段階を経て、おとなになるまでの心身の発達の過程を通じて切れ目なく行われるこどもの健やかな成長に対する支援」、「子育てに伴う喜びを実感できる社会の実現に資するため、就労、結婚、妊娠、出産、育児等の各段階に応じて行われる支援」。3つ目、「家庭における養育環境その他のこどもの養育環境の整備」、そうしたものを推進することとなっております。

このこども基本法の基本理念にのっとりまして、国はこども施策を総合的に策定し、および実施する責務を有することから、本科学研究事業におきましては、こども施策を科学的な観点から検討し、推進していくといったことを目指しているものでございます。

「事業目標」でございます。生殖・妊娠期、胎児期、新生児期、乳幼児期、学童・思春期、若年成人期、そしてまた生殖・妊娠期へと循環する成育サイクルのステージごとの課題や、各ステージに共通する課題を明らかにする。そして、「こどもまんなか社会」の実現に向けて、健やかな成長を社会全体で後押しするための保健、医療、福祉等のより幅広い関係分野での科学的な研究を推進することとしております。

「研究のスコープ」に関してでございますが、3ページ目、大きく3つの枠組みで研究を進めているところでございます。

1つは「こどもの健やかな成長や発達につなげる科学的研究」ということで、健診や栄養、多様性に関する事項などなど研究を行っているところでございまして、2つ目、「妊娠・出産・育児等の各段階に応じた支援等につなげる科学的研究」ということで、不妊症・不育症やプレコンセプションケア、妊娠、出生前検査などなどについて研究を実施するものでございます。また、横串としまして、「こども施策の総合的な推進につなげる科学的研究」も併せて実施をしているところでございます。

「期待するアウトプット」として具体例を幾つかお示しをしておりますが、ここに示しをしております新生児マススクリーニング検査の体制整備に係る評価・提言の作成であったり、妊産婦の栄養摂取状況の評価に資するツール案の作成、デジタル化した母子保健情報を利活用する際のマニュアルおよび支援ツールの作成など、アウトプットを期待しているところでございます。

さらに、「期待するアウトカム」としましては、こども家庭庁の基本理念及び成育基本法で示された理念のもと、妊娠、出産、子育てのサイクルを通じた切れ目ない支援体制の構築、そして、成育環境に関わらず全てのこどもが心身ともに健やかに育まれる社会環境の整備を図り、成育医療等基本方針に基づく施策の実施状況に関する評価指標の改善等につなげていくことを、アウトカムとして期待をしているところでございます。

4ページ目、「これまでの研究成果の概要」ということで、令和5年度までの研究概要について幾つかピックアップしてお示しをしているところでございます。

成育基本法、あるいは成育医療等基本方針に関しての指標などについて検討いただいた研究班の概要であったり、また、身体的・精神的・社会的(biopsychosocial)に乳幼児・学童・思春期の健やかな成長・発達をポピレーションアプローチで切れ目なく支援するための研究。また、乳幼児の発育・発達、栄養状態の簡易な評価手法の検討に関する研究など、これまで実施してきたところでございます。

さて、肝心の「令和7年度に推進する研究課題」でございますが、(1)が継続研究、(2)が新規研究課題といったところになります。

(1)の1つ目でございますけれども、今年度も実施をしております研究のうち、「biopsychosocialに乳幼児・学童・思春期の健やかな成長・発達をポピレーションアプローチで切れ目なく支援するための研究」というものを引き続き実施をすることによって、乳幼児期、学童期、思春期における保健施策に向けた健康課題の抽出及び課題に対する検討などを進めていくといったことをお示ししております。

2つ目、「先天性代謝異常等検査の体制整備のための研究」ということで、現在、SMA、SCIDといった新たな疾患に対してのマススクリーニングに関しての実証事業が行われておりますが、そうしたものともリンクをしながら、追加の必要性が指摘されている対象疾患群に対する検査体制、診療体制などなどに関して研究を進めていただくこととしております。

3つ目、「科学的根拠に基づく身体的・心理的な産後ケアの効果的な実施を推進するための研究」や、4つ目、「母子保健情報のデジタル化、データの利活用を推進するための研究」を、引き続き実施をしていきたいというふうに考えております。

そして、5ページ目の(2)新規課題としましては、1つ目、「保育所等における感染症対策の推進のための研究」ということで、乳幼児期の感染症、保育所等の集団保育を行う施設における感染拡大防止対策に関する近年の科学的知見のレビュー等を行い、「保育所における感染症対策ガイドライン」の見直しに向けた研究、議論を行っていただくというものが1つ目。

2つ目、「知的障害・発達障害児の強度行動障害の予防や出現時の早期対応の支援の促進に関する研究」を行い、今後、令和9年度障害福祉サービス等報酬改定における強度行動障害を有する児への支援の評価の見直しに活用していくこととしております。

また、3つ目、「母子を取り巻く環境の変化等を踏まえた授乳・離乳の支援に関する研究」ということで、栄養調査の実施に向けた基礎資料及び乳幼児栄養調査計画の基礎資料とすることとしております。

最後、こども家庭センターが令和6年4月から努力義務として始まった形でございますが、そちらにおける「母子保健事業を行う際に活用できる資材等を充実するための研究」も併せて検討を行っているところでございます。

最後に「参考」としまして、関係する文書として、「骨太2022」の記載であったり、「成育医療等基本方針」における記載、また、昨年12月に定まりました「こども大綱」の記載などをお示しをしているところでございます。

資料1-2に関しては、資料1-1の概要をお示ししたものでございますので説明は割愛させていただきます。

事務局からは以上でございます。

五十嵐部会長:御説明ありがとうございました。

それでは、ただいまの御説明に関しまして御意見・御質問がありましたら、挙手ボタンを押して御意見をいただきたいと思います。いかがでしょうか。

それでは、磯部委員、お願いします。

磯部委員:榊原記念病院の磯部でございます。

個別の課題にということではないですけれども、私共の病院は小児の心臓病医療を担当しておりまして年間に300~件の手術をしています。御承知と思いますが、NIPTが普及して21トリソミーの患者さんは実は大きく減っています。人口の約1%が先天性心疾患ですから約1万人弱の患児が生まれてくるはずです。その中で21トリソミーの方は約50%が心臓の疾患をお持ちです。これまでは、それに伴った心疾患の手術も含めて非常に多くの診療をしていたんですが、数字は出してないんですけども、減少の一途です。学会の方も役所の方も認識されていると思ういますが、聞くところによりますと診断された段階でabortionになることが多いと伺っています。

これは是非の問題ではなくて個人の問題ですからなかなか立ち入ることは難しいと思いますが、個人の問題であるとともに、社会の問題、倫理の問題でもある。ですから実際NIPT等の出生前検査をするにあたってカウンセリングが適切に行われているか、あるいは妊婦のケアが適切に行われているかということは、研究のスコープの観点からしても重要な課題だと思っています。にもかかわらずそれにアプローチされるような話題を聞くことがございませんで、臨床の現場では、そういったことに対する意見がいろいろございます。

まず、役所として問題意識をお持ちかということと、それに関連した研究をお考えになっているか、その辺のお考えを伺いたいと思います。

以上でございます。よろしくお願いします。

五十嵐部会長:どうもありがとうございます。

吉川先生、何かありますか。

吉川推進官:事務局でございます。大変貴重なご指摘、ありがとうございます。

NIPTに関して御説明をさせていただければと思いますが、今年の3月の科学技術部会でも御議論をいただきましたNIPTの臨床研究に関しての課題と対応を、NIPTの専門委員会の中で多くの回に渡って御議論をいただいております。その中でも、今、委員から御指摘をいただきましたような、科学技術的な観点だけにとどまらず、倫理的であったり、社会的な課題に関しても重要であるといったことが、議論されております。

そして、報告書に示された見解の中では、引用させていただきますけど、「NIPT等の出生前検査については、医学的課題のみならず、倫理的・社会的課題を内包することも踏まえると、倫理的・社会的課題を主眼に置いた検討についても研究が進むことが望まれる」とまとめられているところでございます。我々役所としても非常にこれは重要な課題だというふうに考えておりますので、委員の問題意識も踏まえまして、今後の研究課題のテーマの設定にぜひ生かさせていただければと思います。

御指摘、ありがとうございました。

磯部委員:よろしくお願いします。ありがとうございます。

五十嵐部会長:重要な御指摘だと思います。ありがとうございました。

佐藤委員、手を挙げていらっしゃいますね。お願いします。

佐藤委員:ありがとうございます。産経新聞、佐藤です。

別件ですけどよろしいでしょうか。ここには挙がってなかったテーマについて、1点申し上げます。

出産費用の保険適用に向けて、厚労科研の7年度研究には、「分娩取扱施設における出産に係る費用構造の把握のための調査研究」が挙がっています。ただ、この研究で把握されるのは、出産に係る費用のみと聞いています。通常、産科医療機関が請求する出産費用には、出産直後の新生児ケアですとか母乳指導であるとか沐浴指導といった、母子保健にかかる費用も含まれているものと思います。厚労科研の研究が分娩だけを対象にしていて、保険適用が仮に分娩周りのみとすれば、新生児周りにかかる既存のコストをどう賄うかを考える必要があります。

妊娠・出産・産後の妊産婦等の支援に関しては、検討会が発足するとのことで、こちらで話し合われるものと理解していますが、検討に際しては、現在どのようなサービスがあって、どのサービスを標準化して、何にどのぐらいかかっているのかということを把握しておく必要があるような気がしました。新たに研究費を立てるボリュームではないかもしれませんので、厚労科研と協力して新生児ケアの質が落ちないようにお願いしたいと思います。

以上です。ありがとうございます。

五十嵐部会長:どうもありがとうございます。

これは検討課題にいたします。よろしくお願いいたします。御指摘ありがとうございました。

では、続きまして水澤委員、お願いします。

水澤委員:ありがとうございます。

まず、これはこども家庭庁に来まして、これまで言われてた省庁の壁というか、省庁横断的なアプローチが可能になったと思われます。そういうことが期待されていると思うんですけども、それに対する何か仕組みというか、配慮というか、そういうことが特になされているかどうか、どういうことがあるのかということがもしあれば教えていただきたいと思います。

もう1件は、全体を見てみますと様々な課題が挙げられていると思うんですけども、メンタルな部分というのが、こども、特に学童期等については登校拒否の問題とか発達障害の問題、様々なものがあると思うんですけども、あまりメンタルの文字は見ないというか、少ないような感じがするんですが、その辺への配慮はいかがかということが2つ目です。

3つ目は個別の話題なんですけども、令和7年度の新しい課題の最後、母子保健情報のデジタル化云々というのがあると思うんですけども、すぐ思いだすのは、私なども知ってるものとして母子手帳というのがあると思うんですけども、外国でも発表してもらうようなプロジェクトもあると聞きましたが、例えばこれなどは非常に電子化しやすいかなと思うんですけども、これはどの辺まで進んでいるのかということ、あるいは新しい課題でどこまでそれを含めるのかといったことを教えていただければと思いました。

以上です。

五十嵐部会長:では、お願いします。

吉川推進官:ありがとうございます。事務局でございます。
3つ御質問いただきましたので、順に御説明をさせていただければと思います。

まず、こども家庭庁になってどういった変化があったのかというところに関してでございますけれども、研究に限らず、こども施策全般の観点から御説明さしあげるのがわかりやすいのかなというふうに思っておりますけれども、こども家庭庁ができて約1年強経ちましたけれども、我々、こどもまんなか社会、あるいはこども施策を推進する中心的役割、あるいは司令塔の役割といった形で、非常に多くの御期待をいただいているところでございます。

その結果、こどもに関する情報、これは妊婦さんや産婦さんに関する情報も含めという形になりますけれども、我々のところに非常に情報が集まるような形になっており、厚労省や文科省など関係省庁からの情報も、より私たちが受け取りやすくなってきている状況でございます。そうした中で、こどもの施策を推進していく観点からどういうことが重要なのかということに関しても、より幅広い視点で政策に対しての検討ができるような状況が進んできているのかなというふうに思っております。

残念ながら、現状ではまだ科学研究の個別のトピックの中で横断的なものが十二分に発揮できている状況ではないというのは、担当者個人としては感じているところでもございますので、こども家庭庁ができたということも踏まえまして、今後のより幅広い視点での研究課題のテーマの設定であったりだとか解決策の提示ということに関して、しっかり取り組んでいくことができればと思っております。

2つ目でございます。メンタルヘルスの観点でございますけれども、我々がよくメンタルヘルスとして対応しているもので、こどもの観点と、あと、妊産婦さんの観点に関して御説明をさせていただければと思っております。

こどもの観点で近年大きく進みましたのは、5歳児健診が昨年度末から新たに補助事業として開始をいたしました。5歳児健診は、メンタルヘルスの中で特に発達障害などの発達に関する課題を早期に発見して、必要な療育や心の医療につなげていくといったものでございます。こうしたことを行うことによって、その後の支援にしっかりつなげるという体制を、現在構築をしているところでございます。

今回お示しをした研究の中では、4ページ目の2の(1)の最初、「身体的・精神的・社会的に乳幼児・学童・思春期の健やかな成長・発達をポピュレーションアプローチで切れ目なく支援するための研究」というものがございますけれども、ここの部分に関しまして、5歳児健診をより充実していくための施策というものを御検討いただいているところでございます。

妊産婦さんに関してのメンタルヘルスに関しては、5ページ目でお示しをしております「科学的根拠に基づく身体的・心理的な産後のケアの効果的な実施を推進するための研究」の中で、産後ケアに関してのエビデンスなどを収集をしていただきまして、より効果的なメンタルヘルスへの対応を行っていくための施策の検討に生かさせていただきたいと考えております。こうした形で、こども施策の中でもメンタルヘルスに関する課題をしっかり対応できるように、研究を進めていければと考えております。

最後、デジタル化の文脈で、母子手帳に関しての御指摘をいただきました。こちら、今まさしく議論を始めようとしているところでございまして、今年度中に母子手帳、現在紙で運用している母子手帳を、電子化、デジタル化していくための課題の整理や対応案を検討していくことを考えております。この中では、どういった紙の手帳の機能をデジタルに移していくのかであったり、デジタルならではの機能をどういうふうに活用していくのか。そして、母親とこどもの情報というものをどういうふうに管理をしていくのがいいのか。そうした課題について議論を行うことを考えております。

今後この成果をまとめまして、母子健康手帳のデジタル化というものを推進していきたいと思っておりますし、そのために必要な情報基盤の整備などに関しても、デジタル庁などの関係省庁と連携しながら進めていきたいというふうに考えております。

少し長くなりましたけれど、以上でございます。

水澤委員:御説明ありがとうございました。

最初のところに関しましては、おっしゃっていたように具体的な研究、この部会の仕事としては研究のことが中心となると思うんですけども、参考資料にありますような具体的な研究課題を見ましても、似たものが別々で行われるといったこともあると思いますので、おっしゃったように、さらに横断的な、メリットを生かすような方向でやっていただきたいと思います。

メンタルについては、詳しく御説明ありがとうございました。妊産婦さんのところから、恐らく5歳児くらいまでが旧厚労省の管轄だったのかなとは思うんですけども、そこから先の学童期とかそういったところにぜひ伸ばしていっていただければと思います。

どうもありがとうございました。

五十嵐部会長:どうもありがとうございます。

少し補足させていただくと、5歳児健診というのは発達障害のお子さんの診断をかなり正しくできる健診です。実際の実施率は3割ぐらいです。一方、1歳半と3歳児健診は法定健診でほぼ100%に近い受診率です。今後、これが100%になることで早く診断ができ、そして、支援も早くから開始することが期待されると思います。

学校健診の受診率について正確な数字が公表されていません。乳幼児健診の受診率は、さっき申し上げたようにデータがあります。それから、学校健診はご存じのように疾病の発見を目指して充実した内容になっています。しかしながら、水澤先生がおっしゃったように、biopsychosocialな視点での健診にはなっていないことが今後の課題だと以前から申し上げております。その点については母子保健課として理解していただいておりますので、将来この分野に発展が期待できると思っているところです。

少し余計なことですが、補足させていただきました。どうぞよろしくお願いします。

水澤委員:了解いたしました。ありがとうございます。

五十嵐部会長:では、渡辺先生お願いします。

渡辺委員:日本医師会の渡辺でございます。

水澤先生がおっしゃったように、こども家庭庁の科学研究は思春期までで止まってしまう。「こども」という言い方をすると、5歳までがほとんどということになります。思春期までと言いながら、学童期が抜けてしまう形になっています。

厚労科研のほうの話をすると、事務局から説明をいただいたのですけど、障害者を対象とした研究はあるけど、「障害児」という記載はないです。つまり、移行期とか、人間というのはこどもと大人で分かれているわけではないのです。こども家庭庁になって、こども家庭庁は成育基本法で切れ目なく必要な成育医療等を提供するとしていますが、やはり思春期までの事業がどうしても多いし、AMEDの研究を見ても、一連の流れとして、Longitudinal的な研究というのがあまり見られなくて、こどもと大人で切れてるように見えてしまうのです。

障害者の研究でも厚労省の方に御質問したら、こども家庭庁と連携を取っているんですよと言うけど、目に見えなければ誰にも分からないし、成果が出なければ意味がないと思っています。例えば、今回の研究も思春期で止まるのですけど、じゃあ移行期はどうするのかといったときに、これはこども家庭庁がイニシアチブを取るのか、厚労省がやってくれるのかというのは、こども家庭庁としてはどのようにお考えになってるかをお聞きしたいのです。

五十嵐部会長:いかがでしょうか。

吉川推進官:ありがとうございます。研究の枠に限らずの御質問かと思いますので、私のほうで十分全体を見通して答えられるかどうか、おぼつかないところもございますけど御説明させていただきます。

移行期の医療に関しましては、基本的にはその疾病であったり施策ごとに移行期も含めて検討されているというふうに認識をしております。例えば生活習慣病であったりだとか、心臓病だったりとか、そうしたものの移行期などに関しては厚労省が、こどもの医療から大人の医療に関して移行期も含めて検討をなされているというふうに認識をしております。

一方で、障害児などに関しては、現在、厚労省とこども家庭庁でそれぞれの部署が担っている部分もありますので、そういった意味では両省がしっかり成果につながる形で連携をしていくことが重要というふうな御指摘かと思いますので、そこの部分に関してはしっかりと進めていけるよう、我々としても認識をしていければというふうに思っております。

五十嵐部会長:渡辺先生、いかがですか。よろしいですか。

渡辺委員:意識を持って取り組んでいただきたいということで申し上げました。

実は同じような話を厚労科研の科学技術部会でもお話をさせていただいたのですけども、そのときもだいたい吉川さんと同じような回答をおっしゃっておられたので、認識はされておられるのでしょう。でも、相手が何かやってくれるだろうというような雰囲気が見えたものですから、どちらかがイニシアチブを取らなければ動かない。

移行期というよりも、こどもから大人まで一貫した形での研究がどうしても必要だと思います。おのおのに考えますというだけで、現実的にはまだアイデアがないのではないかと思ったものですので、ぜひそのような視点を持っておいていただければありがたいと思いますので、希望というふうに思っていただければありがたいです。

以上です。

五十嵐部会長:どうもありがとうございます。

とても大事な視点だと思います。こども家庭庁の基本方針、研究にしても思春期、それから、若年成人を含めることは成育基本法の骨子とも言えます。ぜひ御検討いただきたいと思います。

米国では「21歳までのこども」と呼んでいます。現代の社会が複雑になったために、社会にアダプトするには15歳では無理と先進諸国は考え、21歳までをこどもとして扱ってるのが先進諸国での母子保健の最近の流れだと思います。そうした観点についても検討していただきたく思います。

水澤先生、手を挙げていらっしゃいますか。

水澤委員:ちょっと追加で。

今、渡辺先生がおっしゃったことに関連してというか、あえて言わなかったんですけども、生涯に渡るコホートをずっと追跡調査していくという大型のプロジェクトというのは、日本にほとんどないと思うんです。昔、文科省のプロジェクトで、生涯健康のライフロング、一生に渡る生涯健康論というのをやったことがあるんですけども、そのときに環境省のエコチルですかね、そういったのが動いてるということがあったんですけども、非常にきっちりとした、生まれたときから生涯に渡るような健康状態を観察するコホートはない、そういう予算は日本ではつかないんだというようなことをずっと言われてたと思います。こども家庭庁はそれをやるのにふさわしいのではないかなと思いましたので、ぜひそういう大型プロジェクトをやってほしいなと思いました。

以上です。

五十嵐部会長:ありがとうございます。

水澤先生、エコチルでは当初15歳までが対象でしたが、数年前に40歳までに延長になりました。

水澤委員:人生100年時代ですので、もうちょっと見ていただきたい。

五十嵐部会長:40歳まで追いかける予算が確保されたところです。

水澤委員:それは大変よかったと思います。

五十嵐部会長:先生がおっしゃるように生涯を通じて追いかけてゆくエコチル事業になることを願っています。

ほかはよろしいでしょうか。井上先生、お願いします。

井上委員:私、専門の問題ではないんですけれども、メンタルヘルスの関連で、発達障害児の課題についてお話しいたします。

発達障害児、発達障害の大人も含めて社会的に見ると相当な比率の方が問題を抱えているというようなことは聞いているところでございます。今回の研究課題案を拝見しますと、強度行動障害、発現の予防であるとか、あるいは早期の対応に資するような研究がされていると。これは非常に重要な課題なんだろうなと思って拝見しておりました。ただ、この課題はこの課題でよろしいと思うのですが、問題があるのは発達障害であって、世間に適応させるというのが是なんだという前提に立ってるように見えないわけでもないと。この課題だけ見たらということなんですけれども。

しかし、社会での包摂という観点で言いますと、社会の側の問題として捉え直して、社会の側が発達障害をどう認識してるのか。多くの人が発達障害をどう認識しているのか。発達障害児に対する理解を促進するには何が必要か。社会で包摂していって、発達障害児が、発達障害を抱えながら大人になって社会の中に包摂されていくには、社会の側がどこをどう変えていく必要があるのかといったような視点も必要なのかなという気がしておりまして、今後、そういう視点からの研究課題も設けていただくとありがたいなというふうに拝見しておりました。

以上です。

五十嵐部会長:どうもありがとうございます。重要な御指摘だと思いますので、ぜひ事務局は検討していただきたいと思います。

そのほか、よろしいでしょうか。

それでは、今回お示しいただいた「令和7年度こども家庭科学研究事業実施方針(案)」につきましては、本科学技術部会としては基本的には了承したということでよろしいでしょうか。よろしければ、挙手をお願いしたいと思います。

ありがとうございます。皆さんから御了解をいただきました。どうもありがとうございました。

続きまして、報告事項に移ります。

「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン(実施基準)」に基づく研究機関に対する機動調査の結果について、御報告をしていただきたいと思います。

吉川推進官:事務局でございます。資料2に沿って御説明をさせていただきます。

タイトルに、「研究機関における公的研究費の管理・監査のガイドライン」に基づく研究機関に対する機動調査の結果についてと書いてありますけれども、少し背景を復習をさせていただければと思います。

昨年12月の科技部会の中で説明をさせていただきましたけれども、厚労省の時代から科学研究に関しては体制整備と自己評価チェックリストが、研究者が所属する機関から提出されることとなっております。このチェックリストの中で、全ての機関が実施する必要がありますよという事項にもし未実施の項目があったら、そちらに対して選定をして履行状況調査、つまり、しっかりした調査を追加的に行ってきたところでございます。こども家庭科学研究でもこの枠組みを継続しまして、このチェックに基づき必要な機関に対しては履行状況調査を実施することとしております。

ただ、厚労省が既に調査を実施することになっている機関に関しては、履行状況調査からは外しておくということと、その上で何か追加的な必要が生じた機関に関しては、別途機動調査を実施する。臨時的な調査を実施するといった形のスキームを12月にお諮りをして御了承いただいたところでございます。今回は、この機動調査の実施及びその結果について御説明をさせていただければというふうに思っております。

「趣旨」に関しては、先ほど申し上げた部分と重複するところもございますけれども、こども家庭科学研究費補助金の管理・監査等については、ガイドラインにより研究機関及び配分機関が講じるべき事項を定め、遵守を求めているところでございます。

ガイドラインの第7節におきましては、研究機関の体制整備に関するガイドラインの実施状況を把握するため、こども家庭庁が履行状況調査を実施することが求められており、先ほど御説明したように12月に方針を定めたところでございます。

今般、実施方針を踏まえ機動調査を実施しましたので、調査結果について報告を行うとともに、体制整備等に不履行があると判断された研究機関に対して、所要の改善を促すために管理条件の付与等の措置を講じることといたしました。

「調査対象」としましては、昨年12月の実施方針を踏まえまして、厚生労働省における令和5年度履行状況調査において、体制整備・運用に不備があると判断された1機関としております。

「調査内容」としましては、ガイドラインに基づき、研究機関が遵守すべき項目について、調査対象期間に書面調査を実施しております。また、併せまして、調査対象機関以外の研究機関における体制整備に資するため、対象機関における「不正防止の実効性のある取組事例」の収集についても行っているところでございます。

「調査の経過」、2ページ目でございます。12月7日に実施方針の審議をいただきまして決定をしまして、今年の3月上旬に書面調査を実施。3月中旬に回答内容の確認をいたしまして、3月下旬に対応方針を決定。そして、本日報告をいたしているところでございます。
「5.調査結果」でございますけれども、書面調査の結果、ガイドライン要請事項のうち、未履行である事項が見られたということで、本調査により収集した取組事例も含めて、別紙2にまとめているところでございます。

別紙の2を御覧いただければと思います。

調査対象となった機関は、福岡大学でございます。

「総合所見」としましては、ガイドラインにおいて機関に実施を要請する事項のうち、「第2節適切な運営・管理の基盤となる環境の整備」、「第4節研究費の適切な運営・管理活動」に関する事項について、まだ実施に至っていないということ。このことから、当該事項を改善事項とし、その履行期限を令和7年2月28日とする管理条件を付与することとする。また、令和6年度におけるフォローアップ調査の対象機関として管理条件の履行状況について、モニタリングすることとしております。こちらは要しますに、1年後にフォローアップをする。それまでしっかり体制を整えていただけるように、管理条件を付すといったことになります。

右端のコラムを引き続き御覧いただければと思いますけれども、「機関に付与する管理条件」をお示ししているところでございます。この中では、不正に係る調査の体制・手続等を明確に示した規程等を定めることや、「告発等の取扱い」について規程等に定めること。「認定」、調査委員会に関して不正使用の相当額等についての認定をすることを規程等に定めることなどなど、改善事項として管理条件を示しているところでございます。

併せて、福岡大学が行っている「主な取組事例」として、ほかの機関にとっても参考になるものを幾つかお示しをしているところでございます。

例えば、「コンプライアンス教育の実施について」ということでウェブでの受講環境を充実させたことや、「コンプライアンス教育の見直しについて」前年度の問題点や新たな注意点を毎年度加えるなどの工夫を行っているということ。また、「予算執行状況の把握について」や、「研究者の出張計画の実行状況等について」も様々な取組を行っているということが今回判明をいたしました。関係機関におきましては、こうしたものもぜひ参考にしていただければというふうに考えております。

2ページ目に戻ります。「調査経過」および「調査結果」については、ただいま御説明したところでございます。

「今後の取組」としましては、未履行事項に関しまして、ガイドラインに基づき、これらの事項を改善事項として、その履行期限を1年とする管理条件を付与いたしました。こども家庭庁において当該計画の進捗状況を継続的に確認していくとともに、令和6年度の履行状況調査においては、当該機関をフォローアップ調査の対象とし、管理条件の履行状況について最終的な確認を行うこととしたいと考えております。

以上でございます。

五十嵐部会長:どうも御説明ありがとうございました。

では、この機動調査結果につきまして、御質問や御意見がありましたらお願いいたします。

よろしいですか。

それでは、御報告をいただいたということにしたいと思います。

続きまして、その他、「令和7年度AMED研究事業実施方針(案)の作成に向けた意見伺いについて」、御説明をお願いいたします。

吉川推進官:事務局でございます。

資料3を御覧ください。来年度の「AMED研究事業の実施方針(案)」を、次回の7月の科技分会にて御審議をいただくことを考えております。それに向けまして、本日、意見を頂戴するところでございます。

こども家庭科学研究とAMED研究、その双方に対するこども家庭庁としての次年度における研究推進の方針を示すものとして、「研究事業実施方針」を定めているところは御案内のとおりでございます。こども家庭科学研究実施方針については、当部会において審議をいただいているところでございますが、令和7年度の実施方針(案)を作成するに当たり、AMED研究事業に対し事前に御意見をいただくところでございます。

2ページ目に関しては、スケジュールをお示しをしておりまして、その後、参考ということで令和6年度の実施方針についてお示しをしているところでございます。

簡単に、この実施方針をお示しをいたしますけれども、2ページ目の「研究事業の目的・目標」というところでございますけれども、大きなスコープとして、こども家庭科学研究と重複する部分もございます。ただ、AMED科学研究に関しては、科学技術の開発に重きを置いたものでございまして、一方、こども家庭科学研究に関しては、政策の推進、評価に関する研究ということでAMEDで開発した技術というものを、実際にこども家庭科学研究などで実装に向けて政策化していく、そうしたことを進めていくものでございます。

2ページ目の一番下、「研究のスコープ」というところで、①先制医療実現に向けた周産期・小児期臨床研究開発等の推進、3ページ目の上にところにございます、②乳幼児・学童・思春期の身体的・心理的・社会的な健康課題に対する効果的な予防・早期介入に向けた評価・診断法の開発、③不妊症の解明と質の高い生殖補助医療の開発。先ほど委員からも御指摘がございますけれども、④ライフコースデータに基づくエビデンス創出。こうしたものをAMEDの科学研究の中では推進しているところでございまして、これまでの成果などに関して、3ページ目の下から4ページ目にかけてお示ししているところでございます。

「令和6年度に推進する研究課題」が4ページ目の下に書いておりますけれども、例えば「新生児低酸素性虚血性脳症の早期重症度診断法の開発」であったり、また、新規課題としましては、「周産期・小児期の多施設共同臨床試験推進のための支援・連携機能の開発」。また、「医師主導治験、特定臨床研究等の研究」などなどを進めていくことで、令和6年度の事業方針としていたところでございます。

これを受けまして、令和7年度の事業実施方針(案)に向けて、本日、また部会が終わりましてメール等で御意見を頂戴できればというふうに考えております。

以上でございます。

五十嵐部会長:どうもありがとうございました。

では、ただいまの御説明に関しまして、御意見・御質問がありましたらお願いいたします。

よろしいですか。磯部先生、どうぞ。

磯部委員:心臓に関連したことで意見を述べさせていただきます。先ほどもお話ししましたように、出生の約1%の方が先天性心疾患をもって生まれてきて、現在はそのうち多くの方が手術をされ、成長されて学童期に至り、成人されます。小児期に亡くなる方が激減していて、成人先天性心疾患と言われる方が年間に1万人新たに発生しています。この方たちは、心機能に関して非常に大きな問題を抱えて成長されて社会生活を送ることになり、多くの方は繰り返しの手術が必要になります。

AMED研究では多くは遺伝子であったり、あるいはお薬であったり、病態の解明とか、そういうところに向かうのは当然だとは思います。一方一旦心臓の手術をして、フォンタン循環とか様々な工夫を凝らした手術をして成長されていく方の新たな治療法があるんですね。それに加えて特にカテーテルで、本来であれば手術するところを、2回目、3回目の手術を回避してカテーテル治療を行うとか、斬新な生体材料などを使った手術方法が諸外国でも開発されています。

我が国でも、斬新な手術、材料、方法などが研究されています。内科医のカテーテル治療については器具も非常に進歩するんですが、それをお子さんのほうに応用するのがハードルが高いんですね。小児医療における治験の問題があります。五十嵐先生はじめ皆さん承知だと思うんですけども、その辺の開発研究はAMEDの大きな課題だと思います、繰り返しになりますけども、成長されて出産をされる女性とか、あるいは30、40、50歳になって、3回目、4回目、5回目の手術をされる方がとても増えているんです。患者さんは大変な負担を強いられますし、リスクも高い手術になります。医学の進歩で解決できる部分があるということは内科の領域でも行われてわかっていることもあります。ぜひそういったことに焦点を当てたAMED研究を組んでいただきたいなと希望いたします。

以上です。

五十嵐部会長:どうもありがとうございます。

昔は左心低形成症候群の患者さんは全員亡くなっていましたが、現在ではフォンタン手術などの手術を2回、3回することで、半数以上の方が成人になれる時代になっています。ただ、その方たちが長期生存をすることで様々な合併症が生じるため、フォローや治療が必要です。しかしながら、そのような問題についての詳細な研究は今まで日本ではありませんでした。ぜひ検討していただきたいと思います。

磯部委員:よろしくお願いします。

五十嵐部会長:水澤委員、お願いします。

水澤委員:ありがとうございます。

先ほど、ライフコースデータという言葉が出てきましたので、先ほどのことに関連してちょっと質問をさせていただきます。

3ページと6ページ両方に出てくるんですけども、最初のほうでは特に、1つの研究として小児期から成人期、あるいは老年期に至るまでのライフコース、あるいはライフロング。生涯に渡るデータが蓄積できるような研究かと思ったんですけれども、6ページのほうを見てみますと、様々な方法、データベースというかデータが出てきますけども、多分ステージごとのですね。それをリンクするようなデータベースを構築するといった言葉が書いてありまして、それはそれで大事かもしれないんですけれども、具体的にはこういうのってものすごく難しいんですね。あとで統合するのは大変難しいってこともありますので、最初に申し上げたような、小児期から一貫して老年期に至るまでのライフロングな調査を行う研究はあるんでしょうか。それをちょっと教えていただければと思います。

五十嵐部会長:どうぞ、お願いします。

吉川推進官:ありがとうございます。

今、委員が御指摘いただきましたように、現在走っている研究としましては、既存のデータベースをどのようにリンケージ、リンクができるのか。そのためにどういうふうな技術的な課題があるのか。そうしたことを、この研究班で研究をいただいているところでございます。逆に言いますと、どういうふうなデータをあらかじめ取っておくことによって、より効果的なデータのリンケージ、あるいは活用ができるのか。そういった観点の御提言もこの研究などからいただけるものというふうに承知をしております。

データベースに関しましては、先ほど五十嵐部会長からも情報提供いただきましたけれども、既に様々なデータベースなどの研究が走っていまして、特に我々の領域で非常に近い、関係性が深いものとしては、環境省のエコチルのデータベースなどもありますので、そうしたものとどういうふうに棲み分けを行っていくのか、あるいは、既存のものをどういうふうに活用していくのか。そういった観点も含めて今後の検討課題なのかなというふうに思いながら先生のお話を伺いましたので、今後のぜひ参考にさせていただければと思います。

どうもありがとうございます。

水澤委員:了解しました。

いろいろなデータベースを結合するのは、ものすごく大変なんですね。ですので、ぜひ最初から一貫してできるものを継続して行うようにしていただければと思います。よろしくお願いします。

五十嵐部会長:どうもありがとうございます。

ほかはいかがでしょうか。よろしいですか。

福島先生、どうぞ。

福島委員:データベース研究に関連して1つお聞かせ願えればと思うんですけども、多分いろんな研究事業でいろんなデータベース・リンケージが試みられているんですけれども、それぞれの研究課題でリンケージが完結しても、結局、横串にしたときにまたリンケージしにくいとかいったような問題って起こるんでしょうか。それはもっと中央のほうでの課題かと思うんですけれども、ほかの皆様も言われましたように、最終的には総合的に活用したいところ、個々で考えているとどこかで行き詰まるんじゃないかというようなちょっと素人的な心配もあるんですけど、いかがでしょうか。

五十嵐部会長:お願いします。

吉川推進官:事務局でございます。ありがとうございます。

先生の御質問に対して真正面からお答えするのはなかなか難しい部分もございますけれども、今、厚労省のほうで議論を行っているものについて情報共有をさせていただければと思っております。

医療、保健、医療健康情報に関して、先生が今御指摘いただいたような様々なデータベースがあって、それをどういうふうに活用していくのか。そして、リンケージしていくのか。そうしたことが非常に重要な課題として議論をされています。

具体的には、医療等の情報の2次利用に関する検討というものが厚労省の中で議論が行われていまして、その中で、様々なデータベースをどういうふうにリンケージをしていくのか。そして、それをどういうふうに活用して社会に還元していくのか。こうした議論を行っているところでございます。

その中で、公的なデータベースが今議論の主題ではございますけれども、そういったものについて、例えばこういうふうな情報をキーにすることによって連結が可能になるのではないか。逆に言うと、そういうふうな情報を公的なデータベースとしてはしっかり持っていくことが必要なのではないか。そうした観点での議論も行われているというふうに承知をしておりますので、厚労省の議論も我々しっかり把握をしながら、こども家庭庁が関わる領域に関して、ほかの施策との整合性が保てるように進めていければというふうに思っております。

以上でございます。

五十嵐部会長:ありがとうございます。

水澤委員、どうぞ。

水澤委員:今のことに関して私が申し上げたようなところは、主にテクニカルなもので難しいと、統合というか、後で結合するといったときに、結局、人力でやらなければいけないといったことが生じてると思います。もう1つ大きな問題は倫理的な問題で、多くの研究は、その研究独自で同意書を取っています。研究計画書を立てて、患者さんたちから、あるいは参加者から同意書を取ってまして、それをもう1回もし違った形で活用する場合に、今の2次利用なんかの場合に、もう1回同意書を取らなければいけないとかそういうことが発生してきますので、ものすごく難しい形になると思います。ちょっと追加です。

以上です。

磯部委員:どうもありがとうございます。

よろしいでしょうか。ほかはいかがでしょうか。

それでは、いろいろ御意見をいただきましたので、それを踏まえた上で、令和7年度、来年度のAMEDの事業の実施方針を作っていただきたいと思います。ぜひ反映をしていただきたいと思います。

全体を通しまして、委員の先生方、何か御意見・御質問等ございますか。

よろしいですか。

それでは、本日予定しておりました議事はこれで全て終了したいと思います。大変活発に御意見をいただきまして、誠にありがとうございました。

最後に事務局から連絡事項をお願いいたします。

吉川推進官:事務局でございます。

本日は皆様、御審議のほどありがとうございました。次回につきましては、令和6年7月24日(水)16:00~17:00を予定しております。開催日が近づき次第、委員の皆様には改めて日程、開催方法等についてご連絡をさせていただければと思います。

以上でございます。

五十嵐部会長:ありがとうございます。

それでは、これをもちまして科学技術部会を終了したいと思います。御協力、どうもありがとうございました。