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青少年インターネット環境の整備等に関する検討会 第58回会合

令和5年12月19日(火)
14:00~
Web会議による開催

議事次第

  1. 開会
  2. 議事
    議題1 高校生ICT Conference 2023 最終報告会
    議題2 検討会報告書骨子案について
    議題3 その他
  3. 事務連絡
  4. 閉会

資料

議事録

木村座長:では、定刻となりましたので、第58回「青少年インターネット環境の整備等に関する検討会」を開催させていただきます。

本日は、皆様、お忙しいところを御出席いただきまして、誠にありがとうございます。

今回もウェブ会議での開催となりますが、公開で行うことといたしますので、御了承ください。

最初に、事務局から会議の注意事項と資料の確認をお願いいたします。

事務局:こちらはこども家庭庁事務局でございます。

ウェブ会議の開催に当たり、注意事項を御説明いたします。

本日の会議はWebexで行います。

万が一通信が途切れてしまった場合は、一旦、議事の進行を事務局に委ねていただき、通信回線が回復するまで事務局のほうで進行するという形をとらせていただきます。

また、御発言を希望される場合には、会議システムの挙手機能を使って挙手をお願いいたします。

事務局で整理をして、順番に座長から御指名いただきます。

御発言の際には、画面上に表示されているミュートボタンをオフにしていただいて、最初にお名前をおっしゃっていただいた後に御発言をお願いいたします。

御発言が終了したら、まず、ミュートボタンをオンにしていただきまして、周囲の音声が入らないように御配慮をお願いします。

なお、前回同様、今回もお申込みがありました報道関係や業界団体の方々などがウェビナーで視聴されていますことを申し添えます。

次に、本日の資料の構成でございますが、議事次第に資料一覧がございます。

資料は1-1から2がございますので、お手元に準備をお願いいたします。

以上でございます。

木村座長:ありがとうございます。

では、次に、委員の出欠状況等について、事務局から御報告をお願いいたします。

事務局:それでは、報告いたします。

本日は全員御出席なのですけれども、都合により中川座長代理が少し遅れての参加、竹内委員が途中での退席と聞いております。

以上でございます。

木村座長:どうもありがとうございました。

それでは、議事に入らせていただきます。

本日は、2つの議題がございます。

議題1は「高校生ICTConference2023最終報告会」、議題2は「検討会報告書骨子案について」でございます。

本日は、この議題に沿って報告、発表いただいた上で、議論を進めていきたいと存じます。

では、早速ですが、議題1につきまして、高校生ICTConference実行委員会の米田委員長から、御挨拶を兼ねて、今年度の高校生ICTConferenceについて御報告をお願いできますでしょうか。

お願いいたします。

米田実行委員長:皆さん、改めまして、こんにちは。

まず、今日は、本当に貴重なお時間を頂戴しますことを感謝申し上げます。

それから、高校生ICTConferenceに関しては、各省庁さん、ここに載ってございます共催のこども家庭庁、警察庁、消費者庁、デジタル庁、総務省、文部科学省、経済産業省の皆さんにおかれましては、本当にいつも特にいろいろとサポートいただきまして、感謝申し上げます。

また、今日は、本当に多くの各委員の皆様にも支えていただき、いろいろな御助言をいただきながら成り立っています高校生ICTConferenceです。

今日、メインは2人の高校生が来てくれていますので、私からはざっと概略だけお話しさせてもらってバトンを渡したいと思います。

高校生ICTConferenceなのですが、これはいつもお見せしている資料なのですけれども、高校生が主体となって小中学生、大人、高齢者をどのようにつなげていくかということを考えているカンファレンスになってございます。

今年のテーマは後でお伝えするのですけれども、デジタルシティズンシップということで、流れ的には、今お見せしているように、生徒たちがまさに自分ごと化をしていくような気づき・発見が起こるような仕掛け・仕組みとなっていて、初めて参加し会った高校生たちがその場でグループを作って、このテーマに関して一緒に議論していって、最終的に提言・発表していくという形をとっているようなカンファレンスになります。

2011年度から始まりまして、今、2023年度まで来ました。

テーマは、昨年が「デジタル社会における学び方と学びの場」ということで、去年、皆さんにもこの会議で御助言いただき、今年は「デジタル社会における」という辺りからオンライン環境、そして、去年、今年度のテーマもいただいて、最終的に「今、高校生が考えるデジタルシティズンシップとは-デジタルウェルビーイングな社会を目指して-」ということで各地域で開催させていただいた次第でございます。

今年の開催状況は、コロナが終わりまして形的に3パターン開催することができました。

リアル、ハイブリッド、オンラインという中で、特にハイブリッドに関しましては、いろいろなところでのモデル的なものになるのかなという話もありまして、実際にオンラインの部分とリアルの部分をうまく重ね合わせて実施していったということと、それから、第1回、2回と全国オンラインも2回開催することができまして、開催されていない地域も巻き込んでいくことができました。

「4.まとめ」のところで、今年の特筆すべきところは、リアルの開催が多くなったということと、それから、デジタル庁さんが共催に加わっていただいたということです。

あと、今日、委員でもいらっしゃいます竹内先生のいろいろな御尽力とかサポートもいただきながら、兵庫でも実際に開催することができました。

この地域は今年初めてでしたけれども、すごく盛り上がりを見せることができました。

あと、愛知がまた復活しまして、来年度は今のところ、仙台でももう一度開催ということもほぼ確定しながら動いていっているという次第になっております。

これが各地域の状況になっております。

先日、11月3日にサミットが開催されまして、こども家庭庁さんからもいろいろ御出席、登壇、お話もいただきまして、高校生たちがすごく引き締まったといいますか、すごく盛り上がりました。

大学生のファシリテーターとかも中心に動かしてもらいながら、11月3日を終えたという流れになっております。

今日、その中から代表になった2人がうまくまとめてもらってということで、今日はぜひその辺りのところを聞いていただいて、後半部分でいろいろな意見交換という形で進めていただければ幸いです。

では、早速ですが、今日の2人にバトンを渡したいと思います。

お二人ですけれども、今日は長野県と長崎県壱岐から来てくれています。

ここまでのやり取りは、実は今日、先ほど午前中に文部科学省へ行かせてもらったのですけれども、技術が発展してきているということなので、今日の資料もいろいろなツールを使いながらオンラインの遠隔の会議をやったりとか、スライドも一緒にシェアしたりしながら完成していって、昨日久しぶりにもう一回出会ってというリハーサルをやって、今日ということになっておりますので、よろしくお願いします。

では、準備のほうもできましたので、2人にお任せします。

荒﨑氏:皆さん、こんにちは。

長野県松本県ケ丘高校、自然探求科2年の荒﨑優芽です。

日高氏:長崎県壱岐高等学校1年の日高成菜です。

本日は2人でプレゼンを進めさせていただきます。

よろしくお願いいたします。

まず初めに、私たちが考えるデジタルシティズンシップについての説明をさせていただきます。

「デジタルシティズンシップ」というワードを検索すると、総務省や文部科学省では「デジタル技術の利用を通じて社会に積極的に関与し参加する能力」と出てきます。

私たちはこれを「適応力」と考えました。

ここでの「適応力」とは、時代に合わせて多角的な視点で客観的に判断できる力です。

デジタル技術は年々進化しており、その技術に適応できる能力、また、客観的に考えられる多角的な視点がない限り、社会に積極的に関与し参加することは不可能なのではないかと考えました。

そういった適応力を身につけるにあたって、高校生として学校や行政が用意するルールに従っている、講演会をいつも聞く側であるといった課題に直面していると感じています。

また、これらの課題は、高校生が従う側であるから発生していると思います。

一方で、私たち高校生はどの世代よりもICTに慣れ親しんでいると思います。

これを利用して、高校生が基盤となり、様々な世代に情報発信をすることができると考えました。

そこで、本日は政府に対して3つの提言をさせていただきたいと思います。

1つ目に「1人1台端末の改善」、2つ目に「高校生では手の届かない場所でのサポート」、3つ目に「小中学生に対して実践的かつ効率的なICTの使い方をカリキュラムに導入」です。

それぞれ詳しく説明させていただきます。

まず、1つ目の提言についてです。

提言1の「1人1台端末の改善」については、スペックの面と管理システムの面で詳しく説明させていただきます。

スペックの面では、現在使用している端末が学校ごとに異なることにより生じる格差が課題となっていると考えます。

文部科学省が提示する資料によると、GIGAスクール端末の基準としては、MicrosoftWindows、GoogleChrome、iPadのいずれかとなっています。

しかし、使用する端末が異なると同時に、搭載されている機能も異なります。

例えば、iPadはiPhoneと連携し、AirDropなどの機能で素早く瞬時に情報を共有することができますが、そのほかの端末ではできません。

また、私は学校貸出しの端末を、優芽さんは購入した端末を利用していますが、学校ごとに購入か貸出しかの決まりが異なるので、制限も異なり、有効的な端末の使い方が違うということにも気づきました。

これらを踏まえて、スペックの面では、将来的に使用する端末を学校ごとの格差なく一律にすることを提案します。

次に、管理システムの面についてです。

管理システムの面では、制限が厳し過ぎることによって探求活動に限界があることに課題を感じています。

先日の東京でのサミットでは、学校貸出しの端末ではYahoo!知恵袋を開くことができないと言っている高校生もいました。

また、私の使用している端末では、Googleスライドにアクセスできません。

そのため、今日、皆さんに提示しているこのスライドを作るのにとても苦労しました。

こういった現状から提案したいのは、制限されるフェーズやサイトを年齢という観点から判断し直すということです。

受動的な状態ではなく、主体的に自己管理をすることが適応力を身につける第一歩になるのではないかと考えました。

GIGAスクール構想が終了を迎えた今だからこそ、変化を起こすチャンスだと思います。

順次、1人1台端末のスペックを見直し一律化すること、アクセス制限を年齢や利用者の能力に応じて見直すことを政府にはお願いしたいです。

荒﨑氏:続いて、提言の2つ目です。

「高校生では手の届かない場所のサポート」についてです。

ここで指している「場所」というのは、物理的な場所でもあるのですが、世代を超えたという意味も含んでいます。

まず、高齢者、親世代に対するICT教育です。

高齢者には身近で使う機会の多いLINEのような簡易メッセンジャーのサービスの利用方法を正しく知ってもらい、今よりも家族と密接に連絡が取り合える環境づくりをお願いしたいです。

これは地域ごとに実践機会を今よりも多く設けていただくことで、連絡がスムーズになる、かつ、地域ごとに高齢者が集まる機会が増えるので、孤独死問題というのも解決の方向に向かうのではないかと考えています。

高齢者がICTの使い方を学んで終わるのではなくて、ICTを使う機会の提供や、ICTを活かして地域で活躍できる場の確保がICTの利用促進に極めて重要だと考えます。

続いて、親世代に対しては、ICT機器を利用した取組を実際に見てもらい、受け入れてもらえる環境づくりをお願いしたいです。

これは、見てもらっただけでは受け入れてもらうのは難しい話ではあるので、私たち学生も保護者に対してプレゼンしたりして、より理解を深めてもらえたらいいと思っています。

家庭内の過度な利用問題に着目した場合は、ICT機器を利用している私たちこども世代の可能性をもっと知っていただきたいと考えています。

私たちはデジタルネイティブと呼ばれる世代であって、保護者とICT機器に対する考え方が異なっているので、家庭内でのICT教育に対するすれ違いというものが発生してしまうので、どんな教育が適しているのか、政府の側からある程度の方針を出していただけたらいいなと考えています。

私の学校では1人1台端末を入学時に購入しているので、そのことから情報リテラシーというものを養うことができているので、これは親世代の理解があるからこそ成り立っている活動なのではないかなと考えています。

続いては、全国にインフラの整備のお願いです。

高齢者の多い地域や離島では有効に使える環境が整い切っていないので、環境を整えることで、内閣官房の出している「誰一人取り残されない社会」というものから「誰一人取り残さない社会」の実現が可能だと考えます。

インフラ整備をすることで高齢者の多い地域、離島からの情報発信が今よりも活発になり、その地域の魅力を最大限発信することにつながると考えます。

その発信した魅力から人を呼び込むことにつながり、その地域が活発になります。

よって「誰一人取り残さない社会」の実現が可能になると考えます。

最後に、3つ目の「実践的かつ効率的なICTの使い方を小中学生のカリキュラムに導入」についてです。

なぜ小中学生に焦点を当てているかというと、日常生活の中でICT機器を使う年齢が年々下がってきているからです。

今、学校で教わるパワーポイントやエクセルの使い方は、もちろん必要な人は必要であると思うのですが、小中学生が日常の中でメインに使うことといったらSNSやゲームなのではないでしょうか。

そういったゲームやSNSの中には高校生でも引っかかってしまうような詐欺が多く潜んでいて、それを小中学生のうちから学ぶことによって、年齢を重ねても今よりも詐欺被害に遭う確率が減るのではないかなと考えています。

日常生活で最大限活かせる詐欺サイトにアクセスしない方法とか、法律的に利用する方法、SNSの危険性や利便性などについて、知識を身につけることが必要だと考えています。

カリキュラムに導入していただいた場合、授業を誰が行うのかというと、私たち高校生が主体となって行います。

導入していただいたカリキュラムの時間を使って、高校生自身がオンラインを利用して、ゲーム感覚で小中学生に授業を行いたいと考えています。

実際に、小学生向けなのですけれども、授業を作っているので、本日、ぜひ参加しながら聞いてください。

今、皆さんは100点を持っています。

今から2件の出来事が起こるのですけれども、それに対して正しい判断をして、自分が持っている100点を守り抜いてください。

では、まず、不在時の配達通知が届きました。

このメールは、URLを開くといつ荷物を受け取るのかを知らせることができるURLになっているのですけれども、このURLを開く人は手を挙げてください。

ありがとうございます。

では、開かない人は手を挙げてください。

ありがとうございます。

「開く」を選んだそこのあなたは、残念ですが、マイナス20点です。

「開かない」を選んだあなたは正解です。

このメールには「配達」の文字の間に不自然なピリオドがあり、明らかに不審なメールであることが分かるので、このようなURLは開かないようにしてください。

URLを開くと、メールアドレスとパスワードを入力する画面が出てきました。

こんなものは危険だと判断して入力しないよという人は手を挙げてください。

では、取りあえず入力してみるよという人は手を挙げてください。

ありがとうございます。

「入力しない」を選んだそこのあなたは正解です。

「入力する」を選んでしまったあなたは、残念ですが、マイナス10点です。

このURLをクリックした先のメールアドレスやパスワードを入力してしまうと、自分の大切な情報が抜き取られてしまうかもしれないので、気をつけてください。

では、次に、インターネットを使っていると画面のような写真が出てきました。

この画面には「電話をしないとインターネットが使えない」と書いてあります。

怖いから電話しないよという人は手を挙げてください。

ありがとうございます。

では、電話するよという人は手を挙げてください。

ありがとうございます。

電話をかけなかったあなたは正解です。

電話をかけてしまったあなたはマイナス20点です。

インターネットを使いたくても、画面に不自然な表示が出てきてしまったら、近くにいる大人に相談をしてください。

では、電話をかけた場合に、電話相手の人から、私が直すから今から言うソフトをダウンロードしてほしいとお願いをされました。

取りあえず指示に従ってダウンロードするよという人は手を挙げてください。

ありがとうございます。

ダウンロードはさすがにしないよという人は手を挙げてください。

ありがとうございます。

ダウンロードをしてしまったそこのあなたはマイナス10点です。

ダウンロードをしなかったあなたは正解です。

ここも先ほどと同様、ダウンロードをしてしまうと自分の大切な情報が抜き取られてしまうかもしれないので、気をつけてください。

では、どうでしたか。

URLを開きたくなったり、電話をかけたくなったりするかもしれないのですが、本当に正しい情報なのかを判断してから行動するようにしてください。

悪い大人に騙されないようになるためには、ここに書かれている3つ、先ほどのような変なメールはそもそも開かない。

正しいサイトかどうかを見極めてから行動すること。

見極めるのが難しいよという子は、危険なサイトから守ってくれるフィルタリングをおうちの人につけてもらうと安心だと思います。

以上で授業は終わりです。

日高氏:このような授業を高校生が行うことのメリットは、ICTに慣れ親しんでいる高校生だからこそ、小中学生に対して授業を行うことで、現実的かつ親しみやすい授業になると考えました。

また、小中学生だけでなく高校生にもメリットがあると思います。

高校生は、将来、人前に立って話す機会が少なからずあると思うので、小中学生の前に立って授業をすることで人前に立って話す力がつきます。

また、小中学校と高校のかけ橋に高校生がなれたらいいと考えています。

最後に、提言の再確認をします。

1つ目「1人1台端末の改善」、2つ目「高校生では手の届かない場所でのサポート」、3つ目「小中学生に対して実践的かつ効率的なICTの使い方をカリキュラムに導入」です。

以上で私たちの発表を終わります。

御清聴ありがとうございました。

(拍手)

木村座長:米田委員長、高校生のお二人、荒﨑さん、日高さん、本当にありがとうございました。

すばらしい御報告だったと思います。

それでは、ただいま御発表いただいた高校生の皆様と意見交換をさせていただければと存じます。

委員の先生方、御意見、御質問などがございましたら、挙手をお願いできますでしょうか。

まず、竹内委員、お願いできますでしょうか。

竹内委員:高校生諸君、緊張しましたね。

よく頑張りました。

とてもよかったと思います。

今までも5年ぐらい前から自分たちが授業をするということをよく言っていたのですけれども、今回は初めて具体的な授業を作ってみて、まず1つは、授業を作ってみての感想はどうでしたか。

荒﨑氏:ありがとうございます。

授業を作ってみて、これは小学生に対して作っているのですけれども、どう作ったほうが楽しいのかとか、難しい言葉を極力使わないようにするにはどうしたらいいのかというのを考えるのがすごく難しかったなと感じています。

竹内委員:そうですね。

実際にやると、小学生への授業は難しいとわかると思います。

小学生は夢中で意見を言うと止まらなくなってしまったりします。

難しかったと思いますが、高校生の君たちが小学生に授業をするのは非常にいいと思います。

今後、他のどこかでやる予定はありますか?荒﨑氏:長野県では実際に開催してみようという活動を検討してくださっているので、その話がうまく進めば実際にやることになると思います。

竹内委員:そうですね。

せっかくの提言なので、各地でやっていかないと意味がないと思うので、ぜひ来年はいろいろなところで授業をしてみて、検証してほしいと思うのが1つです。

それから、今日聞いていて、高齢者とか小中学生に目が行っていましたけれども、皆さんにとって、今、一番ネットで困っている世代はどの世代だと思っていますか。

荒﨑氏:私たちより上の親世代や高齢者世代に対しての教育が一番課題になるかなと考えています。

竹内委員:君たち、高校生自身はもうある程度分かっているものね。

だから、親世代とかに対する取組が必要であるという感じかな。

日高さんはどうですか。

日高氏:私も、親世代に対してICTについてもっと知ってもらうことを重点的にしたほうが、小中学生に対して授業を行うというのは、実際、今もちらほら出てきていると思うのですけれども、やはり親の理解というのは時間をかけないと不可能なのではないかなと思うので、親世代に対して、ICTについて高校生側から説明したりとか、そういうことをしたほうがいいのかなと思います。

竹内委員:ありがとう。

そうですね。

自分たちはネイティブだから、もうある程度分かっているから、今の課題は親世代とか、もっと下の世代だなという感じかな。

皆さんの気持ちはとてもよく分かりましたし、日本の政府としても重く受け止めなければいけないと思います。

今回、小学生に対する授業ができたので、さらに高齢者に向けての授業が必要だという提言です。

皆さんはもう、自分たちの問題を解決するというよりも、ほかの世代へアプローチが必要と思っていることがよくわかりました。

日本の未来は明るいと思いました。

ありがとうございました。

以上です。

木村座長:竹内委員、ありがとうございます。

上沼委員、お願いできますか。

上沼委員:どうもありがとうございました。

非常にすばらしいプレゼンをいただいたと思います。

弁護士なので、割と性格というか、ちょっと細かいことをねちねち聞いてしまうかもしれないのですが、他意はなくて、おっしゃっていることが非常に具体的に考えられていると思ったら細かい感じになってしまいました。

ごめんなさいねと先に謝っておきますね。

まず、幾つか質問があるのですが、一番最初の「1人1台端末の改善」について、格差があるということで、一律化することが重要だという御提言をいただいたと思います。

ここで、格差があるということは、実際に具体的な場面で問題があると感じたのかどうかというのを聞きたいなと思います。

というのは、立法事実という言葉がありまして、法律をつくるための根拠となる事実があるかどうかが結構重要視されます。

なので、一律化したいというのだったら、一律化ではないことで実際に不具合が生じていたかどうかというのが結構重要になります。

なので、そういうことが実際にあったのかどうなのかというのを聞きたいのです。

一律化されていないことは私たちもよく知っていますが、地方自治体ごとで検討をしているので、やりとりが学校の中だけなのであれば、実際の問題は生じないのではないかという可能性もあるので、具体的に教えてもらえればと思いました。

あと、2つ目の「高校生では手の届かない場所でのサポート」のところです。

親世代と高齢者についてリーチができないということは私たちも認識はしているのです。

ただ、問題は、この世代は、リーチの仕方が一番難しい。

例えば、皆さんみたいな学生であれば、学校で教えるのがいいかどうかはともかくとして、学校で教えるという方法がありますが、親世代の人たちや高齢者の方は集まるところがあまりないので、どうやって効果的にリーチしたらいいかというのが結構頭を悩ましているところなのです。

なので、もしそのお話をしたときに、こういう方法があったのかみたいなことがあったら、ちょっと教えてもらえるとありがたいかなと思いました。

あと、最後の小学生向けの授業は非常に具体的でよかったかなと思うのですが、本当に細かくて申し訳ないのですけれども、最初にSMSが来て、開くか、開かないかで、開くとマイナス20点で、その後、個人情報を入力するとマイナス10点だったではないですか。

そのリスクの判断をどのようにされたのかをうかがえればと思います。

私の感覚だと、開かないに越したことはないのだけれども、開いても個人情報を入れなければ、最悪、セーフかなと思うのです。

そうすると、そちらのほうが本当はリスクが高いのではないかという気がするので、そこをどのように判断してマイナスポイントを決めたのかを教えていただければと思います。

同じことがその後のサポート詐欺にも言えていて、電話はしないほうがいいですが、電話をするとマイナス20点で、ダウンロードをするとマイナス10点だったのですけれども、ダウンロードしたほうが危ないんじゃないかなと。

私の感覚では。

なので、その辺のリスク判断はどうされたのかなというのを知りたいなと思いました。

本当に細かくてごめんなさい。

その3つです。

お願いします。

日高氏:私からは、1人1台端末が異なることによって生じる格差について詳しく説明させていただきたいのですが、私の体験になってしまうのですが、私は実際に離島に住んでいて島外の様子をあまり知らないし、一概にこうというのも言えないのですけれども、私の学校は、長崎県自体がタブレット貸出しになっていて、貸出しか購入かでもかかる制限も結構異なるし、そこで、スペックとはちょっと離れてしまうのですが、導入システムとか、管理システムとかで使用できる範囲とかが異なるので、そこは最低でも一律化してほしいというか、年齢とかその人の能力によって変えていかないと、有効的な使い方ができない。

制限され過ぎていて使えないということが出てしまうのではないかと思っています。

スペックの面としては、優芽さんは実際にiPadを購入して使っていて、私は、MicrosoftのWindowsの端末を貸出しで使っているのですが、そこで瞬時にデータを送ろうとしても、私の場合は制限がかかり過ぎていて、送ろうとしても送れるのは、Teamsというアプリがあるのですけれども、Teamsの自分のファイルに1回上げてとか、いろいろしないといけなくて、それまでにいろいろ壁があって、そこがちょっと面倒くさいというか、難しいと感じているところもあるのです。

また、Googleスライドを開けないというのも、離島民なので地方の人と関わることが多くて、そういうときに制限がかけられ過ぎていてしまうと、こういった感じで交流がしにくくなってしまうので、そこはスペックの一律化と言えるのかは分かりませんけれども、一律化してもらったほうが学生間でのやり取りがしやすくて、相手のことも自分のことのように考えやすいかなと思うので、こういう提言をさせていただきました。

上沼委員:ありがとうございます。

でも、今のお話だと、多分、制限があるほうに一律化されては困るのですよね。

日高氏:はい。

上沼委員:そうですよね。

そういう意味では、一律化されていないことが困るというよりは、本当の機器として発揮できるだけの能力のものをみんなに与えられていないみたいなイメージですかね。

日高氏:そうです。

上沼委員:了解です。

日高氏:ありがとうございます。

荒﨑氏:では、私のほうからは、2つ目の提言の親世代と高齢者世代に対してなのですが、高齢者は自分たちから発信することが一番難しい世代なので、私たちでは手が届かないので、その交流の実践機会というのは政府の方々に用意していただきたいなと考えていて、親世代が集まりにくいというのは、先ほど文部科学省に伺った際にもちょっと話に出たのですが、まずは自分たちから親世代にICTを使う利点などを説明した上で、ICTへの理解を深める一歩として私たちがまず初動で動いて、そこからより詳しい説明などは、政府の方々が用意してくださっている、今もあるみたいなので、その機会を有効に利用できたらいいなと考えています。

上沼委員:ありがとうございます。

では、まず、御家庭の中でリーチするというイメージですかね。

荒﨑氏:そうです。

上沼委員:分かりました。

荒﨑氏:では、3点目の点数についてなのですが、点数は私が決めたのですけれども、最初は全部同じ点数にしていたのですが、小学生に向けて作ったというのを考えたときに、あまり低くなってしまうとかわいそうになってしまって、だから、点数はあまり減らし過ぎないようにしようとなったときに、まずURLをクリックしなければパスワードとかを入力する画面にそもそも飛ばないので、そもそも論なのですけれども、私の考えでいくと、まずは最初の電話をかけるのとURLを開くという作業がなければ次の段階には進まないので、最初が大事かなと考えて、最初をマイナス20点にして、その次の段階をマイナス10点にしました。

上沼委員:なるほど。

要するに、早め早めに止めようということですね。

荒﨑氏:そうです。

上沼委員:分かりました。

ありがとうございます。

木村座長:どうもありがとうございました。

曽我部委員がチャットで御質問いただいているみたいなので、事務局から読み上げていただいていいですか。

事務局:代読させていただきます。

曽我部委員より、「本日は説得力のあるプレゼンをありがとうございました。

その中で親世代の教育が重要とありました。

ただ、高校生の親世代は40代だったりして、それなりにICTを使いこなしている印象もあります。

具体的には親世代のどの辺りの理解が足りないと感じるでしょうか」という御質問をいただいております。

日高氏:私の親は40代ではなくて50代後半なのです。

そういったときにこちら側から親に教えることも多くて、例えば、離島だからPayPayとかが最近導入され始めていて、バーコード決済とスキャン決済の仕方が分からないとか、またはLINEの使い方で、昨年、私がスマホを購入したときにLINEを交換しようとなって、父親は追加の仕方が分からなかったので、それを教えたりとか、そういう経験があって、私たちのICTの使い方だけではなくて、親世代自身、ICTの使い方がまだ分からない人もいるのではないかなという私の体験もあって、そのように。

だから、40歳とかは分かっているかもしれないけれども、全体として見たときに、それより上の年代もいるから、そこに向けて発信するのと同時に、逆に知っている人には今よりもっと知ってもらいたいと思って、このような提言にしました。

荒﨑氏:私が理解が足りないと感じるのは、おうちでスマホを見ているときに、勉強のYouTubeを見ていたり、あと、英単語のアプリがあるのですけれども、そのアプリで単語を勉強しているときに、スマホを使い過ぎではないかみたいな声をかけられると、勉強に使っているのに、何でスマホを今使ってはいけないのかというので、スマホが全部ゲームだと考えている親世代が多いから、その面では、勉強でも使えるというICT機器のよさをもっと理解してもらえたらいいなと感じています。

木村座長:どうもありがとうございます。

恐らく委員の先生方は皆さん、40歳より上かなという気がしますけれども、勉強不足ということですかね。

曽我部委員、もし何かさらにありましたら、チャットでお願いします。

桝田委員、お願いします。

桝田委員:板橋区立舟渡小学校校長の桝田でございます。

本日は、ICTの分野で非常に高いスキルを持った高校生の皆さんのすばらしい発表を聞いて、とてもうれしく思いました。

まず、どういうことがきっかけでこのカンファレンスに参加しようと思ったのかというところが1つと、それから、2つ目は、小中学生のカリキュラム導入は大賛成で、それを教えるのが高校生ということで、非常にうれしく思っています。

今、本校は「1人1台端末の活用」をテーマとした研究奨励を受けておりますので、ぜひやってみませんかという提案です。

そして、面白いクイズだったのですけれども、小学校は6歳から12歳までいますので、発達段階に応じて、こどもたちが使う簡単なプログラミングソフトでもこのようなクイズをつくれそうなので、ぜひゲームっぽくしてやってみたらどうかなというアイデアがありました。

ぜひ一緒にやりませんか。

ありがとうございます。

そもそもの動機といいますか、もしあればお願いします。

日高氏:長崎県で実施されるのが初めてで、私の高校に声がかかって、私は生徒会に入っているので、生徒会の中から、1年生でまだ生徒会の仕事をあまりしたことがなくて、何かしてみないかみたいな声がかかって、私はあまりICTとかAIは詳しくないけれども、これをきっかけに詳しくなれたらいいなと思って参加しました。

桝田委員:ありがとうございます。

荒﨑氏:私は、去年、先輩たちも参加していて、先生から今年も参加してみないかと声がかかって、私も生徒会に入って役員をやっているのですが、ほかにもいたのですけれども、長野県だけがちょっとテーマが違ったので、そもそも生成AIについてのテーマで活動していたので、生成AIというのは面白そうだなと思ってこのICTConferenceに参加しました。

桝田委員:ぜひトライアルをやりましょう。

木村座長:どうもありがとうございます。

そろそろ時間になっているのですけれども、先生方、何かございますか。

竹内委員、お願いいたします。

竹内委員:最後に1個つ、長野県の方に聞きたいのですが、「統一する」というよりも、「私たちのところは貸与でAirDropができないから、私たちもAirDropをしたい」ということですね。

日高氏:私でしょうか。

竹内委員:私というか、ほかでは使えるのに、私たちだけ使えないのはずるいと。

私たちも便利な機能を使いたい。

AirDropを使いたいということですね。

日高氏:ほかの子がスムーズにできているのであれば、できれば私たちもしたいです。

竹内委員:だから、先ほど上沼先生が言われたことは非常に大きなことで、統一すると余計に使いにくくなるのです。

もっと言うと、私たちはAirDropができないから、全部でAirDropをさせてとか、パワーポイントができないから使いたいとか、ほかの学校が使えているように使いたいということですね。

そうすると、さらに非常にいい提言になるなというのが1つ。

もう一つは、クイズについて、です。

小学生は、クイズ形式でやると盛り上がります。

クイズでやること自体が正解で、難易度うんぬんではなく、こどもたちが楽しくなるように工夫してください。

先ほど校長先生が「うちでやって」と言われているので、ぜひ立候補して授業にトライしてください。

実際に行動することでしか新しいことは始まりません。

最後に、我々が10年ぐらい前、私たちがネット問題の対策を考えたときは、高校生が支援ターゲットでした。

「高校生が危ないから、まず高校生を守ろう」と、このICTカンファレンスも始まりましたが、今日、皆さんの話を聞いていて、皆さんはもうすでに支援される対象者ではなく、高齢者や小中学生を支援する側に回らなければいけない立場になった、と感じました。

「私たちはもう分かっているから、ほかの世代を支援したい」、そういうメッセージを今日の2人から受けました。

2人から意見を聞かせてください。

日高氏:私はまさにそんな感じで、ICTというのは年々進化しているから、私たちはそれにどんどん適応する能力がどの世代よりもあると思っていて、瞬時に対応できる私たちみたいな世代がいる中で、一方では対応できない世代がいるので、そういう方に私たちも協力をして、私たちから情報発信をしていきたいと思っています。

竹内委員:なるほど。

君たちはこちら側ですね。

分かりました。

もうお一方はどうですか。

荒﨑氏:私も同じで、やはり高校生というのはICT機器に対する意欲がすごくあると思うので、学ぶ意欲のある世代がいっぱい発信したら、それにつられてほかの世代もついてきてくれるのではないかなと考えているので、これからは発信する側になっていけたらいいなと考えています。

竹内委員:面白いです。

ぜひやりましょう。

何らかのお手伝いもしますので言ってください。

ありがとうございます。

皆さん、頑張ってください。

木村座長:ありがとうございます。

牧田委員、挙手されていますでしょうか。

お願いいたします。

牧田委員:すばらしいプレゼンをありがとうございました。

ちょっとお伺いしたいのですけれども、皆さんはまさにデジタルネイティブの世代でありまして、ただ、デジタルネイティブであるということと、リテラシーを身につけているということとは別のことなのではないかなと私は感じているので、例えば、先ほどの小学生への授業を、皆さんの同級生、つまり、高校生の皆さんにこのテストというか、授業をやってもらったら、どれぐらいの正解率になると思いますか。

肌感覚でいいので、その辺を教えていただきたいなと思います。

よろしくお願いします。

日高氏:私の壱岐高校の1年生では4分の3は正解してくれるだろうと見ていますが、私の学校はICT委員会みたいなものがなくて、どちらかというと、まだ受け身な感じなので、そういう部分も含めて考えると、4分の3ぐらいは正解するだろうと思います。

荒﨑氏:私の学校は100%だと思います。

理由なのですけれども、探求活動でずっとiPadやパソコンを使ってネット検索をしているので、そういう面からしたら、先ほどのURLとかの問題には強いのではないかなと考えています。

牧田委員:ありがとうございました。

学校の環境によって、それだけいろいろな差が出てくるということも事実なのですよね。

ぜひこれからも頑張ってください。

ありがとうございました。

木村座長:どうもありがとうございました。

それでは、次の話題に行きたいのですけれども、続きまして、高校生ICTConference実行委員会から、2024年度の議題の検討状況について御報告いただけますか。

米田委員長:まず、委員の先生方、本当に貴重な意見をありがとうございました。

2024年度の展開案のところを御覧いただいて、今、実行委員会のほうで出ているのは、一応、私も全国の高校生のカンファレンスとかに参加させてもらって、やはりメタバースとか、AIというのがかなり出てきているのかなと。

しかも、いわゆる生成系AIの活用という部分。

今日も提言であったのですけれども、割と探求的な活動ということが特に高校の現場でも普及し始めていて、その探求というところで、1つは深めるというところ。

その深めるというところで、もちろんそこに調べるという作業とかが出てくるところと、自分なりの意見を発表するとか、問いづくりとか、そういった過程の中でやはり生成系AIというのがキーになるのかなと。

文部科学省のほうでもまだここのガイドラインというのがグレーであり、それから、私も今、勉強させてもらっているのですが、ユネスコでもこういう提言をしているのですけれども、その辺りがまだまだ分かりづらかったりして、もちろんGIGAの関係で小学校、中学校とどんどん1人1台端末に慣れてきてというところもあり、その辺り、どのように高校生なりにとか、あるいは視点的なところをぜひインターネット環境整備に関する検討会の委員の先生方からも、いつもながら本当に貴重な御助言、御意見をいただけるので、来年度もぜひいただけたらと思っております。

今日は本当に急ぎませんので、またいろいろといただいて、それをまた反映できていければと考えております。

以上です。

木村座長:どうもありがとうございます。

今の点で、現時点で委員の先生方から何かございましたら、お願いできますか。

牧田委員、お手が挙がっていますでしょうか。

お願いいたします。

牧田委員:まさに生成AIというのはこれから大きく社会を揺るがすのだろうなと思っていますが、皆さんに申し上げるのは釈迦に説法ですけれども、AIというのはデータがないとできていかない仕組みだと思っていまして、要は、ここにもあるように、誤情報とか偽情報をどうやって見分けるかということがこれから大切になっていくのですけれども、それはいろいろなポイントというか、課題とか焦点があったときに、そこを掘り下げてというか、そこからスタートしないと、実は情報の真偽というのは分からないのですよね。

ですから、例えば、今の現役の高校生の皆さん方が、何か問題が起きたときに、イシューまでちゃんと戻ってそこから考えることができるかというのが恐らく大きなポイントになると思うので、生成AIに対してどう対応するかという表面的な議論をしていくと、空回りしてしまう可能性もあるのではないかなという危惧を覚えたので、アドバイスとして発言させていただきました。

木村座長:ありがとうございます。

では、まとめて御意見を御発言いただこうと思うのですけれども、竹内委員、お願いいたします。

竹内委員:簡潔に話します。

いいと思うのですけれども、今、牧田さんがおっしゃったように、これは大人もまだ答えが出ていないので、本当に議論が拡散する可能性があるので、大人がある程度問題点を見据えた上で、これについて話し合うようにしないと、議論が拡散してしまってかわいそうだなと思うというのが1つです。

もう一つは、せっかく彼らの時間を使うので、できるだけ具体的に、こうあるべきだ、政府が考えてくれではなくて、私たちはこう思う、私たちはこれが必要だと思うというように彼らの言葉でしゃべるようにしてあげると、彼らの独自性がより出てくるのではないかなと思いました。

以上です。

木村座長:ありがとうございます。

では、続けて、上沼委員、お願いできますか。

上沼委員:今、最初にお話が出たみたいに、AIの利用は確かに問題なのだけれども、結局、今の段階での問題というのはAIから出力される情報の正しさをきちんと評価できるか、という点が問題になっているように思います。

そういう意味で、情報の取捨選択の問題をどうやって考えていくのかということが1個大きな問題かなと思います。

牧田委員も言っていたことにつながると思います。

あと、もう一つは、最近、こどもからの相談を受けていて多いのは、例えば、児童ポルノをうっかり転送してしまって心配でたまりませんとか、あと、名誉毀損的な発言をしてしまい、損害賠償とか言われていて心配でたまりませんとか、そういう相談が多いのです。

つまり、今までは割と青少年が被害者になる立場という発想だったと思うのですけれども、そうではなくて、加害者にならないためにはどうしたらいいのかということを考えてもらえるといいかなと思ったので、ちょっとお願いです。

木村座長:どうもありがとうございます。

米田委員長からチャットでどんどんお答えいただいているのですけれども、委員長、何か御発言いただけることはありますか。

米田委員長:ぜひ参考にさせていただきます。

木村座長:そうですか。

御助言ありがとうございますと書き込んでいただいています。

ありがとうございます。

ほかの委員の先生から何かございますでしょうか。

よろしいでしょうか。

どなたも挙がっていないですか。

では、どうもありがとうございました。

では、ここで局長からお言葉をいただけるということで、よろしくお願いいたします。

藤原局長:こども家庭庁成育局長をしております藤原と申します。

本来、こういった会議の場では、事務局の立場なので、発言はそうそうないのですけれども、座長からお許しいただきましたので、一言お礼を申し上げたいと思います。

2人の学生さんたちが本当に堂々とプレゼンをされ、また、各専門分野の委員からの的確な質問や指摘に対しても堂々とひるむことなく回答されている姿に本当に私は感銘を受けております。

我々はこども家庭庁の成育局という局で働いているのですが、あまりイメージがないと思うのですけれども、どんな仕事をしているかというと、こういった青少年のインターネット環境の整備というのも所管しているのですが、それ以外に、例えば、妊娠・出産のときの支援、母子保健の世界とか、保育とか、学童とか、小中学・高校生の居場所の支援とか、そういったことを主に担当している局なのです。

なので、日頃の仕事は、小さいお子さんたちを私たち大人がどうやって守ろうかとか、幸せに生きていくためのお手伝いがどうやったらできるかとか、こどもを守ろうという使命感で仕事をしていることが多いのですが、今日は真逆だなと思いながら聞いておりました。

特にこのICTの分野というのは、まさに中高年とか、私の世代もそうですが、どんどん進化していく技術になかなかついていけないところがあったり、苦労しながら新しいことに何とか慣れながらやっているのですけれども、皆さんのようにICTを使い慣れている世代の皆さんが、守られる側ではなくて、むしろ社会を支える側として活躍いただく分野なのだなということを痛感いたしました。

特に小学生に対して教え自分たちがどうやって貢献できるかというプレゼン、それを桝田先生のところでトライアルでやっていただいた暁には、もしかしたら、今度は親世代とか高齢者について、地域でも御活躍いただく機会が出てくるのではないかと思いますけれども、やはり親子の交流とか、多世代交流にも皆さん方のお力が必要かなと思いながら、この取組の幅がすごく広がっていくのではないかなという期待を持たせていただきました。

そういった中で、こども家庭庁というのは、こども若者の皆さんとむしろパートナーとして政策を推進していくという観点がすごく大事になるなということで、新たな時代を感じた次第でございます。

本当に今日は遠くから、また、先生方も引率で来てくださったりして、この協議会の活動、本当に私はICTConferenceのお話を初めて聞かせていただきましたけれども、どうか今年度も、それから、来年度にも引き続き御活躍いただけるようにお願いしたいと思います。

本日は本当にありがとうございました。

木村座長:局長、どうもありがとうございました。

それでは、お二人の高校生、高校生ICTConference事務局の皆様、本当に今日はどうもありがとうございました。

では、以上とさせていただきますので、御退席をお願いできますでしょうか。

ありがとうございます。

(拍手)

(高校生ICTConference関係者等退席)木村座長:委員の先生方、お待たせして申し訳ございません。

では、続きまして、議題2「検討会報告書骨子案について」へ移りたいと存じます。

事務局から御説明ください。

事務局:事務局、安全対策課長の鈴木でございます。

それでは、資料2の「検討会報告書骨子(案)」に関連して御説明させていただきます。

次の第6次計画策定の前段階として、検討会としての報告書を作成することになりますが、このたび第5次計画策定以降の検討会において委員の皆様等からいただきました御意見を踏まえまして、資料2のとおり検討会報告書骨子(案)を作成いたしました。

事前に御確認いただいたりしたものでございますけれども、その前の部分の説明をさせていただきます。

令和3年に第5次基本計画が策定された後、第51回以降の検討会において御発言があった御意見については、かなり分厚くなっておりますけれども、参考資料として議事録からピックアップして委員の皆様の御意見をまとめさせていただいております。

これだけだとかなり量が多くなりますので、こちらで御指摘、御提案いただいた御意見や、あるいは検討会を通じて有識者の方から御発表で示された問題提起など、そういったものを踏まえまして、事務局のほうで6点にまとめてみましたので、それを御説明いたします。

まず1つは、実態調査の結果から、ネット利用自体も、例えば、2歳で6割を超えるなど低年齢化が進んでいるので、こうしたことを踏まえた対策が必要だといった御意見が何度か出ています。

2つ目、これも低年齢化の話でもありますけれども、低年齢層のスマートフォンの専用率は低く、保護者の端末を借りて利用することが多いので、フィルタリングがかかっていないままであることが多い。

また、ペアレンタルコントロール機能が十分に活用されていないため、利用が長時間化するという実態がありますといった御指摘があります。

3つ目ですが、従来の「制限」、危険だから使わせないということから、「利活用」、賢く正しく使うことを前提とした方向性が必要である。

成人年齢である18歳になったときに適切に利活用できるようにするため、年齢等に応じてペアレンタルコントロールからセルフコントロールへ移行していくことが必要と。

併せて、青少年に対して違法情報等のネット上の危険に対する認識を高めていく必要があるのではないかといった御意見もいただいております。

4つ目でありますが、これは青少年インターネット環境整備法の建付けの話になりますけれども、基本的に現行法はいわゆるガラケーの通信キャリア中心の構造になったままなので、スマートフォンが普及する中で不十分なところがあるのではないか。

他方で、携帯キャリアに過剰な負担がかかっているのではないか。

コンテンツプロバイダーの役割が本来はもっと大きいのではないか。

また、この環境整備法は特定サーバー管理者の努力義務を規定しているけれども、現在の5次計画ではあまり触れていない。

6次計画ではそういった特定サーバー管理者の努力義務も含め、事業者の努力義務について、もう少し入れていくべきではないのかといった御指摘もいただきました。

5番目でございます。

フィルタリング設定の容易化については、保護者側の取組だけでは限界があることに加え、携帯電話事業者に過剰な負担がかかっていると考えられるため、端末側、OS事業者での技術面を含めた更なる取組が必要ではないかといった御意見もいただきました。

6番目はGIGA端末についてでございます。

GIGA端末については、取組自体はよいものの、自治体によってフィルタリング導入の有無とか、チャット利用の可否とか、持ち帰りの有無といったところがまちまちである。

利活用を前提に考えるのであれば、小学校低学年のうちからネット利用に慣れさせることで、将来的に利活用できるようにする必要があるといった御意見をいただきました。

すみません。

事前にペーパーでお送りしたものもございますが、今日はペーパーがございませんので口頭で申し上げましたけれども、大体こういったことがこの3年間の検討の中で御指摘いただいた御意見の概要になります。

なお、今お配りしております意見をまとめた参考資料につきましては、事前照会の段階で山本委員からは、当初お配りしたものでは「第5次計画該当項目」という欄に、以前、各省庁が実施したフォローアップの内容を(a)、(b)、(c)といった形で書いていましたけれども、各委員の意見と各省庁の施策とは直接の関係はないので、これは削除したほうがよいのではないか。

あるいは当初、時系列順に並べていた意見は、5次計画の項目順に並べたほうがよいのではないかといった御意見をいただきましたので、本日お配りした資料ではそのように直させていただいております。

それから、骨子(案)につきましても、事前に御意見、コメントをいただきましたので、少し御紹介させていただきますが、上沼委員からは、第2章第2の3(4)(5)のところで、発信のためのペアレンタルコントロール機能、技術的保護措置のより効果的な普及啓発について言及したらどうか。

また、第2章第3の2のところは、「利用を前提とした青少年保護・バイ・デザインを念頭に置いたフィルタリングその他の技術的青少年保護手段に係る取組の推進」として、発信防止機能に関する部分を追加してはどうかという御意見をいただきました。

曽我部委員からは、ソーシャルメディアの利用状況の変化やそれに関する研究の進展によって、青少年にとっての新たなリスクが指摘されるようになっている。

その中でもプライバシー保護やメンタルヘルスへの影響が懸念される。

後者について、具体的には依存やいじめのほか、外見に関する劣等感を助長することによる摂食障害や鬱病などのリスク、あるいは差別的表現に接することによる問題が指摘されている。

これらのフィルタリングによる対応がまずは考えられるところ、フィルタリングの内容に国が関与することが困難だという問題がある。

まずはリスクの広がりを計画において明記することを通じて、事業者等に問題意識を伝えるとともに、教育・啓発にも反映していくことが考えられるのではないかという御意見をいただいております。

これらの御意見を踏まえまして、今後の取組の方向性に関する基本的な考え方として次の4点をまとめております。

1つは、総務省さんが「ICT活用のためのリテラシー向上に関するロードマップ」をまとめられて、利活用の方向性が示されたということも踏まえまして、ICTリテラシー向上とともに情報モラルの向上に向けた取組を推進していく。

また、GIGA端末持ち帰りに起因する問題については、フィルタリングや時間制限で対応していく。

続きまして、低年齢の子に端末を貸し与える場合というのが1つ問題になっておりますので、これについては新たに項目を立てる。

それから、青少年保護・バイ・デザインを念頭に置いた新たな機器等の周知・啓発ということについて、新規に項立てすることで、単に事業者に対応を求めるだけでなく、新規に開始したサービス等について周知を行う。

4つ目ですが、携帯電話事業者が提供する容易化されたフィルタリング設定のカスタマイズ機能について、年齢別モードが存在することを補足したり、また、保護者がこういう端末を貸す場合に、フィルタリングを手軽にオン・オフできるアプリやサービスを利用することを啓発する。

そうでない場合はペアレンタルコントロールにより対応することを追記する。

こうした考え方に基づきまして、骨子(案)については、第5次計画策定の3年前と比べまして、次のように改めたものでございます。

今、画面に出ています骨子(案)についてでございます。

まず、第1章の第2の1で従来は「法改正を踏まえた」とついておりましたが、これは平成30年の改正法施行から時間が経っておりますので「法改正を踏まえた」という文言は削除しております。

第2章の第3の1も同じように「法改正を踏まえた」は削っております。

それから、その他の第1章は項目自体は特に変更しておりませんけれども、今御説明しましたとおり、GIGA端末が普及していること、あるいは「ICT活用のためのリテラシー向上に関するロードマップ」の策定など、新しい情勢を踏まえて現状分析を最新の情勢に合わせた内容としてまいります。

それから、第2章でございます。

ページでいうと2ページ目に入っていきますが、第2章第2の「3家庭における教育・啓発の推進」のところでございますが、ここに(5)として「低年齢の子に端末を貸し与える場合の対策」という項目を新たに立てます。

実態調査の結果から、2歳で6割を超えるなど、ネット利用の低年齢化が非常に進んでいる。

その一方で、低年齢層については、スマートフォンの専用率が低くて、保護者の端末を借りているということで、先ほど申し上げたような問題がある。

これは3年前にも指摘されていた問題だと思いますけれども、ここを新たに項目として立てていく。

そのため従来の(5)が(6)に項ずれしますが、ここで上沼先生から何度か御指摘いただいていますように「利用を前提とした」という文言を追加しまして、今日もデジタルネイティブという話がありましたけれども、青少年がスマートフォン等を利用するのは当たり前だという時代になっていることに伴いまして、保護者側の取組だけでは限界があり、事業者側の自主的な取組をさらに促進すべきであるといった旨の御意見も踏まえたものでございます。

それから、第2章第3の2、3ページ目になります。

ここも「利用を前提とした」という文言を追加しまして、「フィルタリング等の」というところはちょっと長くなりますので「技術的な」と直しております。

「利用を前提とした青少年保護・バイ・デザインを念頭に置いた技術的な青少年保護に係る取組の推進」という形でまとめさせていただきました。

これは従来までの危ないから使わせないということから、正しく賢く使おうという利活用を前提とした方向性の反映でございます。

それから、第2章の第3の2に(4)を新たに加えていますけれども「青少年保護・バイ・デザインを念頭に置いた新たな機器等の周知啓発」を新たに追加しました。

従来から(3)で「青少年保護・バイ・デザインを念頭に置いた新たな機器等への対応」とございますが、こうして事業者等に対応を求めているわけですけれども、それだけでなくて、対応の結果として新たな機器やサービスが登場したら、それを有効に使えるように周知・啓発すべきではないかといった御意見を踏まえたものであります。

第2章の第5の1で「インターネットを通じた青少年の犯罪被害等の抑止対策の推進」と「等」を追記しております。

これは先ほども議論の中でありましたとおり、青少年が被害者になるだけではなくて加害者になる。

児童ポルノの関係とか、誹謗中傷とか、また、最近問題になっている闇バイトへの加担といった青少年が加害者になってしまう事案も存在するので、そういう抑止対策も含めるため「被害」の後に「等」をつけるといったことでございます。

このほか、これはオブザーバーからの意見なので、まだ修文はしておりませんけれども、警察庁さんから、第2章第5の1(3)の「SNS上の子供の性被害につながるおそれのある書き込みに対する広報啓発の推進」というところで「広報啓発」を「注意喚起・警告活動」としてはどうかといった御意見をいただいています。

危険性ということであれば、確かにそのほうがいいかなという気もいたしますので、これも併せて御審議いただければと思います。

すみません。

長くなりましたが、事務局からの御説明は以上でございます。

よろしくお願いいたします。

木村座長:どうもありがとうございました。

では、今の点について質疑に移りたいと存じます。

御意見、御質問等があればと思いますけれども、今お示しいただいた案は、先ほど御説明があったように、修文の御依頼があった先生方の意見はもう反映されているということでよろしいですね。

事務局:そうですね。

いただきました御意見につきまして、事務局のほうでその部分を修文させていただきましたので、この場でまた御審議いただきたいと思います。

木村座長:分かりました。

では、竹内委員、お願いいたします。

竹内委員:私はもうしばらくしたら出なければいけないので、総括的なお話だけしたいと思います。

今の鈴木課長の御発言は、非常に的を射ていると感じます。

先ほど上沼委員からもあったように、こどもたちは今、決して安全に使っているわけではありません。

昔、ガラケー時代、彼らは被害者でしたが、スマホ時代の今、彼らは加害者にもなっています。

さらに、被害も変化しています。

闇バイトしかり、性被害しかり、です。

先ほど上沼先生もおっしゃったように、被害届等が出ないだけで、「裸の写真を送ってしまった」等のトラブルは実はたくさんあります。

事件化すると余計ややこしいから黙っている。

先生に相談しても、どうしていいのかわからない学校は、結果的に闇に葬ってしまうというケースも私が聴く範囲だけでもたくさんあります。

「裸の写真」を送ることにこどもたちの抵抗が減ってしまっていることも要因だと思います。

ネットに裸の写真があふれていて、小さい頃から見慣れてしまっていて、抵抗が下がったのかもしれません。

このようにガラケー時代からスマホ時代になって、課題が変わってしまったのが大きいです。

「制限・禁止から利活用にかじを切る」というのは大賛成です。

デジタルシティズンシップ教育という掛け声にも賛成です。

「情報モラル教育で、こどもたちを怖がらせてはいけない」等の声をよく聞きますが、それ自体に異議はありませんが、そちらに行き過ぎるというのは私は反対で、こどもたちが安心してネットを使う環境をまだ私たち大人が作ることができていないのであれば、警鐘を鳴らす、危険を伝えることは非常に重要です。

特に低年齢層に対する警鐘、警告は急務です。

ICTConferenceの高校生も言っていましたけれども、高校生はある程度分かっています。

私たち大人が今、支援しなければいけないのはもう、高校生ではありません。

小中学生をメインターゲットにすべきです。

今後は、ICT小中学生カンファレンス、ですかね。

小学校1年生からGIGA端末を配っているので、小学校1年生が巻き込まれないような体制づくりが必要です。

制限するのは簡単ですけれども、もう制限、禁止は無理です。

使わせるなかで、安心して失敗させてあげるシステム構築が急務です。

私はもう出なければいけませんけれども、皆さん、あとはよろしくお願いいたします。

以上です。

木村座長:竹内委員、どうもありがとうございました。

先ほどお名前が挙がった、修文の御指摘があった山本委員、上沼委員、曽我部委員から何か追加であるとか、あるいは御意見等があれば伺いたいと思いますが、いかがでしょうか。

上沼委員、お願いいたします。

上沼委員:せっかく名前を言っていただいたので、ちょっと追加で。

低年齢の話を項目の中に入れていただいたのは非常によかったなと思っています。

今、竹内先生もおっしゃったみたいに、低年齢のところは普及・啓発ではどうにもならないところがあるので、利用を前提としたとしても、そこの部分についてどうするかというのは考えなくてはいけないということが今回の報告書で明確になったので、すごくよかったなと思っています。

その上で、低年齢からどうやって使っていくかというのを考えていくという、もともと青少年環境整備法は発達段階に応じたということを含意していると思うので、それがだんだん具体化してきてよかったのではないかなと思っています。

以上です。

木村座長:どうもありがとうございます。

山本委員は特にございませんでしょうか。

何かあれば、お願いいたします。

山本委員:山本でございます。

よろしいでしょうか。

木村座長:お願いいたします。

山本委員:私の意見というのは、どちらかというと、参考資料のほうでしたので、それに関しては、事務局のほうで私の意図を酌んで修正いただきましたので、それについては特に申し上げることはないのですが、せっかく機会をいただきましたので、報告書の骨子(案)について、今、1点だけ気になるところを申し上げさせていただきます。

例えば、骨子(案)の第1章第2の辺りなど、フィルタリングの関係のことはもちろん環境整備法に書いてありますので、それを受けて事業者としても引き続き取り組んでいくことは重々理解しているところなのですけれども、ただ、先だっても申し上げましたように、フィルタリングの利用率については、フィルタリングは事業者側で一方的に設定するわけにもいかないところもありまして、今の7割、8割ぐらいからなかなか向上しないというか、限界があるという状況もございます。

そういう意味で、例えば、第1章第2の1では、フィルタリング利用率向上のための取組の更なる推進となっており、これは取組を推進していくという意味であれば分かるのですけれども、もし利用率を向上させるというところに重きがあるのだとすると、そこはなかなか厳しいものがあるなという感じがしておりまして、もちろん、引き続き努力していくこと、フィルタリングの重要性についての利用者への周知啓発も含めて、いろいろな形で取り組んでいくことは十分理解しておりますけれども、率の向上というところにあまり重きが行かないような表現というか、そういう内容にしていただけると実際の取組とマッチするのかなと。

大きな話としては、これは先ほど事務局からも御説明がありましたし、竹内先生からもお話がありましたように、利活用のほうに重点を置いていく方向であるということとも関わるお話ではないかなと。

フィルタリングの率を上げることだけが唯一の方策ではないと思いますので、フィルタリングに関するいろいろな表現、特に率の向上というところ、あるいは率が上がった、下がったというところにあまりウエイトを置かないような内容にしていただけるとよろしいのかなと思っております。

以上です。

木村座長:どうもありがとうございました。

事務局から何かありますか。

事務局:事務局でございます。

山本委員、御意見をいろいろとありがとうございました。

御懸念される点は非常によく理解できまして、先ほど私が各委員さんからここ3年間でいろいろと出ていた意見をかいつまんでまとめさせていただいた中にも、そういった趣旨は、たしか山本委員と曽我部委員からお話があった、現行法は携帯キャリアの負担が重い仕組みになってしまっているのではないかといった御指摘があったことも踏まえさせていただいております。

あと、事務局がここまで言うと言い過ぎなのかもしれませんが、この3年間で結構よく出ている意見として、もちろん法律にもフィルタリングと書いてありますし、フィルタリングは非常に重要なのだけれども、しかし、フィルタリングというだけでは駄目なのではないか、フィルタリング一辺倒では足りないのではないかといった意見が、第5次計画をつくるときぐらいからもう既にかなり出ているということは我々も認識しております。

そうしますと、今回、どちらかというと、フィルタリングというのは、まさに利用の制限の一環という部分もありますし、それよりは正しい利活用のほうをやや前面に出して、そうはいっても法律に書いてある以上、フィルタリングも引き続き大切にしなければいけない。

ただ、フィルタリングの重要性の比率も前よりはやや下がるのかなと私も受け止めておりまして、それよりは正しい利活用ということと、あと、フィルタリングだけではなくて、もう少しペアレンタルコントロールという形で特に低年齢のこどもを守っていくことも必要なのではないか。

基本的な考えとしては、そのように思ってこの案をつくらせていただいております。

ただ、確かに文言としては、従来どおり「利用率向上のための」と残っていますので、もし御審議いただいて、ちょっと表現がよろしくないということであれば、ここはもう少し変える余地はあるのかなと思っております。

そこら辺も御議論いただければと思います。

よろしくお願いいたします。

木村座長:ありがとうございます。

今の点、ほかの先生方から何かございますでしょうか。

上沼委員、お願いいたします。

上沼委員:フィルタリングというか、法律の建付けが、携帯事業者さんに義務が偏っているというのはそのとおりだと思うのですが、低年齢化のことを考えたときには、やはりフィルタリングは絶対に必要なので、あまりフィルタリングが要らないのではないか的な議論になるのは私としては心配です。

利活用を前提としても発達段階に応じた利活用なので、こどものうち、低年齢のうちはフィルタリング、発達段階に応じてだんだん広げていくという発想が必要なので、その辺のニュアンスを、法律に書いてあるから無意味だけどやらないとしようがないのだみたいな議論にならないように御注意いただきたいなと思いました。

以上です。

木村座長:どうもありがとうございます。

今の点でほかにございますでしょうか。

現時点では骨子(案)ということですので、具体的な中身を書き込む中でもう少し丁寧に説明していくということはあるのかなと思うのですけれども、現時点ではこの文言自体はこのまま残すということでもよろしいでしょうか。

山本委員、いかがでしょうか。

山本委員、何かあればお願いします。

山本委員:そこは委員の皆様の議論次第ということでありますけれども、私が先ほど申し上げた趣旨をいろいろまた御検討いただければと思います。

この骨子のいわば項目的なところから、実際に書く内容によっては項目名も書きぶりも変わる可能性もあろうかと思いますので、仮にというか、現段階ではこのままでということであれば、それはやむを得ないのですけれども、今後の全体の文章化というか、内容がある程度具体的になるにつれて、例えば、項目名とか項目のウエイトづけとか、そういうことも含めて前広に見直すというか、御検討いただければありがたいと思っております。

よろしくお願いします。

木村座長:どうもありがとうございます。

それでは、今後、また議論になるかもしれませんけれども、現時点ではこの案とさせていただければと存じます。

ほかの点でいかがでしょうか。

私が1点気になったのは、先ほどの御説明の最後の部分なのですが、3ページにある第5の1の「(3)SNS上の子供の性被害につながるおそれのある」という点なのですけれども、今年、刑法改正がなされていて、面会要求等の罪とかができているのですよね。

なので、これは危険性が非常に大きい事柄ですので、言葉としては「広報啓発」だと確かにちょっと弱いかなと思うので、もう一歩踏み込んで「注意喚起」とか「警告」とか、そういう言葉が入ったほうが改正にも合っていていいのかなと思ったのですけれども、いかがでしょうか。

事務局:ちなみに、警察庁さんの御提案は「広報啓発」を「注意喚起・警告活動」としてはどうかといった提案でございます。

木村座長:ありがとうございます。

個人的には私は専門が刑法なものですから、改正などを踏まえれば、そうすべきかなと思ったのですけれども、何かこの点で御意見のある方がいらっしゃれば、お願いいたします。

もしよろしければ、そういう修文をさせていただいてもよろしいですか。

では、よろしければ、そのようにお願いいたします。

ほかの点でいかがでしょうか。

よろしいでしょうか。

それでは、もちろん先ほどの山本委員の御発言も含めて、今後検討したいと思いますけれども、修文としては、1点、今の最後の部分について文言を変更することとさせていただければと思います。

それでは、ほかの部分については御了承いただいたということで、引き続き内容を含めて検討し、協議をお願いしたいと存じます。

では、議題2については、以上でよろしいでしょうか。

どうもありがとうございました。

それでは、次回についてでしょうか。

事務局からお願いいたします。

事務局:事務局でございます。

骨子(案)につきまして御議論いただき、了承いただきまして、ありがとうございます。

次回の第59回検討会につきましては、来年2月頃を予定しております。

また、本日、骨子(案)ができましたので、これにまた肉づけをして、オブザーバーの各省庁さんとも相談しながら、前回の報告書からの改定案をつくらせていただきまして、また委員の皆様に御照会させていただきまして、議論を進めていただければと思います。

また、次回の日程につきましては、別途照会させていただきますので、よろしくお願いいたします。

本当にありがとうございました。

木村座長:どうもありがとうございます。

では、以上をもちまして本日の検討会を終了させていただきます。

長時間にわたり御審議いただきまして、誠にありがとうございました。

以上とさせていただきます。