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小倉大臣記者会見(令和5年6月20日)

小倉大臣記者会見要旨

(令和5年6月20日(火)11時32分から11時49分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1. 発言要旨

本日は、冒頭5点あります。
まず、白書について、高齢社会対策、障害者施策、交通安全対策を担当する大臣として申し上げます。本日の閣議におきまして、3つの白書を閣議決定いたしました。

まず「高齢社会白書」については、特集としまして、高齢者の健康に着目して分析を行っており、高齢者の社会参加活動により健康や体力に自信がつき、それが生きがいにつながること、また、コロナ禍の影響による高齢者のコミュニケーションの変化などを紹介しております。

次に「障害者白書」については、「改正障害者差別解消法」が令和6年4月に施行されることを踏まえまして、法の趣旨や内容、施行に向けた取組などを紹介いたしております。

最後に「交通安全白書」でございますが、特集として「自転車の安全利用の促進について」を取り上げ、昨年11月に改定されました「自転車安全利用五則」について、関連する交通事故統計を示しながら、自転車ルールの遵守の必要性を広く国民に訴えることといたしております。

これらの白書が国民の皆様に広く活用され、各施策について御理解や御関心を深めていただく一助になれば幸いに思っております。

2点目です。男女共同参画・女性活躍担当大臣として報告いたします。本日の閣僚懇において、今週6月23日から29日まで実施いたします「男女共同参画週間」について、各閣僚に御協力をお願いいたしました。

本年度の男女共同参画週間では「無くそう思い込み、守ろう個性 みんなでつくる、みんなの未来。」をキャッチフレーズとして、全国で様々なイベントが集中的に展開されます。

週間中の24日土曜日に、栃木県宇都宮市で「男女共同参画社会づくりに向けての全国会議」を開催いたします。また、6月24日、25日には、G7栃木県日光・男女共同参画・女性活躍担当大臣会合を開催いたします。この「全国会議」及びG7担当大臣会合に出席するため、6月24日から26日まで栃木県に出張させていただきます。

G7担当大臣会合では、コロナ禍が女性・女児に与えた影響や、そこから得られた教訓を総括しながら、特に女性の経済的自立について我が国の取組も紹介しつつ、議長として議論をリードしていきたいと考えております。そして、男女共同参画社会の実現及び女性・女児のエンパワーメントに向け、国内そして世界に向けた力強いメッセージを発出したいとも考えております。

加えて、この週間中には、「男女共同参画社会づくりの功労者に対する総理表彰」の実施も予定いたしております。この週間を通じまして、男女共同参画・女性活躍に向けた機運を一層高めてまいりたいと考えております。詳細につきましては、事務局にお問い合わせください。

3点目でございます。先週6月16日に、「性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する法律案」が国会で可決・成立いたしました。そして、本日公布のための閣議決定もなされ、6月23日に公布される予定であります。併せて、同日付で内閣府において担当部署を設け、検討体制を構築し、実務レベルで検討を開始してまいります。

性的指向・ジェンダーアイデンティティの多様性については、国民の理解が必ずしも十分に進んでいない現状がございます。こうした中で、性的指向・ジェンダーアイデンティティの多様性に寛容な社会の実現を目指し、国民の理解の増進を図るため、この法律では性的指向・ジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する基本理念、国や地方公共団体の役割等や、基本的な計画の策定・推進等について定めております。

この法律は、6月23日から施行される予定でありますが、性的指向・ジェンダーアイデンティティの多様性に関する国民の理解の増進に関する施策の推進に当たりましては、国会における御審議も踏まえながら、まずは関係省庁で実施しております既存の取組を全体的に整理しつつ、検討することになろうかと考えております。いずれにいたしましても、今後、関係省庁の協力も得ながら着実に取り組んでいきたいと考えております。

4点目です。先週16日に、教育振興基本計画が閣議決定されました。今回の教育振興基本計画では、本年4月のこども基本法の施行を踏まえ、これまでにはなかった新たな取組として、まず今後の教育施策に関する基本的な方針の中で、教育振興基本計画の推進に当たっては、こども基本法に基づくこども大綱と相互に連携を図りながら取り組む必要があるとされました。

その上で、基本施策として、例えば、幼児教育の内容の改善・充実、幼保小の接続の改善、いじめ対策や不登校児童生徒への支援におけるこども家庭庁との連携、こどもの自殺対策緊急強化プランの推進、こどもたちに関わるルール等の制定や見直しの過程にこども自身が関与することについての先導的な取組事例の周知、教育に関する国や地方公共団体における計画等の策定やフォローアップにおけるこどもや若者の意見聴取と施策への反映などが盛り込まれたところであります。

この計画の閣議決定を受けまして、文科省から教育委員会等宛てに発出された通知におきまして、自治体において、地方計画等の策定に当たり、こども基本法第11条に基づきこどもやこどもを養育する者等への意見を聴取し反映させるために必要な措置を講じることや、自治体において教育部局やこども政策部局とも連携することが重要であることが示されました。

こうした文部科学省の動きとも連携しまして、こども家庭庁からも、自治体のこども政策担当部局宛てに、教育委員会や関係部局と連携の上、こども基本法に基づき、こどもや若者からの意見の反映等を推進していただきたいことを内容とする事務連絡を発出したところであります。

本件を契機として、自治体において、こども政策担当部局と教育委員会との連携を更に推進いただくとともに、こどもの意見反映の取組をより一層前に進めていただきたいとも考えておりますし、これからも機を捉えまして、私どもこども家庭庁は文部科学省としっかり連携を図りながら、こどもの最善の利益を第一にした政策の実現を目指していきたいと考えております。

最後、5点目です。明日6月21日水曜日に、第1回EBPM研究会を開催します。令和3年に閣議決定しました「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」では、今後のこども政策の基本理念として、「データ・統計を活用したエビデンスに基づく政策立案、PDCAサイクル」を掲げております。

こども政策の分野は、ともすれば「勘」と「経験」と「思い込み」に基づく議論がなされてしまう恐れがございますが、しっかりとエビデンスに基づいた議論を積み重ねていくことが重要と考えております。

このため、こども家庭庁ではEBPM推進室を設置したところであり、本研究会において有識者の知見を取り込みながら、こども家庭庁の業務にEBPMを実装していきたいと考えております。

研究会には、第一線の学識経験者、地方自治体での実践経験者の皆様にお集まりいただきます。研究会では、重点プロジェクトとしまして、「保育の質の評価」、「こども誰でも通園制度の導入に向けたモデル事業の評価」、「こどもの自殺に関するデータ分析」の効果検証に取り組むとともに、こども政策においてEBPMを進める仕組み・体制や必要なデータ等を議論してまいります。

今年度末までに研究会の成果を報告書としてまとめる予定であります。詳細は、こども家庭庁のEBPM推進室までお尋ねください。

冒頭は以上になります。

2. 質疑応答

(問)旧優生保護法の国会調査報告書について伺います。昨日公表された調査報告書では、過去の旧厚生省通知で、強制不妊に関して欺罔(ぎもう)の手段が許される場合があることや、件数の増加を促す文言が記載されていました。この件に対する受け止めと、政府としての今後の対応についてお考えをお聞かせください。

(答)お尋ねの調査報告書につきましては、一時金支給法第21条に基づき、衆・参両厚生労働委員長からの指示を受けた国会の事務局において令和2年から調査を実施したものであり、昨日、衆・参両議長に提出の上、公表されたものと承知しております。
この報告書では、第1編「旧優生保護法の立法過程」、第2編「優生手術の実施状況」、第3編「諸外国の状況」が取りまとめられており、特に実施状況では、個々の手術関係の資料の分析も行われており、一部御指摘いただきましたが、当時の厚生省の通知におきまして、強制手術の方法は真にやむを得ない限度で身体の拘束、麻酔薬の使用、欺罔等の手段も許される場合があるとされていたことや優生手術の件数の増加が促されていたこと、都道府県の優生保護審査会において、定足数を欠いた状態での開催、書類の持ち回りによる審査の事例が見られたこと、放射線照射、子宮摘出等、違法な術式が行われた事例が見られたこと、当事者40名へのアンケート調査においてこどもができなくなる手術であることの説明を受けていないとの回答が半数を超えていたことなどの実態が改めて示されたものと受け止めております。
報告書において指摘されている運用実態も含め、優生保護法に基づき、あるいはこの法律の存在を背景として、多くの方が特定の疾病や障害を理由に生殖を不能にする手術等を受けられることを強いられ、心身に多大な苦痛を受けてこられたことについて、改めて政府として真摯に反省し、心から深くおわびを申し上げる次第でございます。
こうした方々に対しましては、平成31年に超党派の議連におきまして法律案が取りまとめられ、国会において全会一致により一時金を支給するための法律が定められたところであります。
こども家庭庁といたしましては、一時金の支給対象者に確実に請求いただけるよう、障害者関係団体にも協力いただきながら、引き続き積極的な周知広報など、着実な支給に向けた取組を進めてまいりたいと思っております。
また、昨年2月の大阪高裁判決、3月の東京高裁判決以降の判決におきまして、一時金の金額を超える認容額が示されたことを重く受け止め、一時金支給法が全会一致で制定された経緯も踏まえ、今後の対応の在り方については、国会に御相談しているところでもあります。
政府といたしましては、引き続き本調査報告書の内容も踏まえた国会での議論の進展に向けて、最大限協力をさせていただきたい、このように考えております。

(問)LGBT理解増進法について、2点お伺いいたします。今回成立した法律の第6条の学校での教育啓発に修正が入り、「家庭及び地域住民その他の関係者の協力を得つつ」という文言が加わりました。当事者の方々などから、家庭や地域がLGBTの教育や啓発に懸念の声があったり、否定的な声があるとのことです。学校現場もジレンマを抱えてしまったり、かえって委縮してしまうといった声があります。特に家庭の理解は非常に重要と思いますが、どのような対策を今後考えられているのか、まずお伺いしてもよろしいでしょうか。

(答)6条につきましては、国会において、修正案の提案者から、教育基本法の文言と同様、学校、家庭、地域社会が相互に緊密に連携協力して取り組むことが重要であるとの趣旨で用いることとしたものであり、保護者の協力を得なければ取組を進められないという意味ではない旨答弁されていると承知いたしております。
いずれにいたしましても、今後、この法律の趣旨や国会における御議論を十分に踏まえるとともに、多様性が尊重され、性的マイノリティの方もマジョリティの方も含めた全ての人々が、お互いの人権や尊厳を大切にし、生き生きとした人生を享受できる社会の実現に向けて、引き続き様々な国民の声を受け止めて、関係府省と連携してしっかりと取り組んでいきたいと思っております。

(問)関連して、もう一点お聞きします。性的マイノリティのこどもたち、こどもだけに限りませんが、自分のこうした感覚を親に打ち明けた時にどのように受け止められるのか、あるいは勇気を出してカミングアウトしたけれども親が自分の存在を否定するようなことをしたことによって、孤独感や孤立感、あるいは生きづらさを強めてしまうと言われています。これは、恐らくLGBTの人たちの希死念慮が高い傾向にあることが関連しているのではないかと思います。そのような意味で、孤独・孤立対策や、こどもの自殺対策という観点から重要な課題ではないかと思いますが、これについても大臣の見解を伺ってもよろしいでしょうか。

(答)まず、御指摘のとおり、私も当事者の方々の御意見をお伺いいたしますと、家族に理解されず、誰にも相談ができない、また、心が許せる人間関係が作れず孤独といった事例や、性的マイノリティの方は自殺における実際にハイリスク層であるといった切実な声を頂戴したところであります。
まず、孤独・孤立対策担当大臣、こども政策担当大臣としては、性的指向及びジェンダーアイデンティティの多様性に関する理解増進の施策については、今後、基本計画を検討する中で全体の枠組みが決まってくると思いますが、こどもの政策・自殺対策や、孤独・孤立対策の観点も、担当大臣としては立場が変わりますけれども、その担当大臣としてしっかりこの観点も取り入れられるように努力してまいりたいと思います。
実際に、6月2日にこども家庭庁が取りまとめました「こどもの自殺対策緊急強化プラン」にも盛り込んでおるところでありますが、私が担当する孤独・孤立対策においては、1つの番号からNPOなど関係団体が連携して相談を受け付ける窓口体制「♯9999」の試行を行っているところです。これまでの試行においては、利用者が選択できる分野の一つに「性別の違和や同性愛に関して相談したい方」を設けて試行を行い、孤独・孤立に悩む方が声を上げやすい環境整備にも取り組んでおります。こうした取組をどうやれば更に前に進めることができるのか、政府全体の取組とともに、担当大臣としてもしっかり考えていきたいと思っております。

(問)LGBT理解増進法について、基本計画の作成を進めるとのことですが、時期的なめどなどがありましたら教えていただけますでしょうか。

(答)基本計画の時期についてでありますが、策定の時期については現段階で確たることは申し上げることはできませんが、策定に当たっては検討する場がまず必要であると考えております。そのため、こうした策定に向けた検討を速やかに開始できますように、先ほども御報告申し上げたように、施行日である23日にも体制を構築させていただきたいと考えております。

(以上)