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加藤大臣記者会見(令和5年10月10日)

加藤大臣記者会見要旨

(令和5年10月10日(火)11時33分から11時47分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

まず、本日の閣議後会見、冒頭では私から1点につき御報告を申し上げたいと思います。

こども・子育て支援等分科会第2回の開催についてでございます。こども・子育て支援等分科会について、第2回を10月12日木曜日に開催することといたしましたので御報告いたします。私も出席をさせていただく予定でおります。

この第2回におきましては、こども誰でも通園制度や、出産・子育て応援交付金などの加速化プラン等に基づき制度改正が必要となる事項について、今後の議論の進め方などをお示しする予定であります。

加速化プランに掲げる各種施策については、先日10月2日に開催されましたこども未来戦略会議においても、岸田総理から私を含めた関係大臣において関係する会議体での議論を含め検討を進めていただきたいとの御発言があったところであり、こども家庭庁としても具体化に向けてしっかりと議論を進めていく必要があると考えております。

今後、本分科会等におきまして、関係者の皆様から様々な御意見を頂きつつ検討を進めてまいります。

分科会の詳細につきましては、こども家庭庁成育局総務課までお問い合わせください。

冒頭は以上になります。

2.質疑応答

(問)埼玉県の条例案について質問をさせていただきます。小学校3年生以下のこどもを自宅などに残したまま外出することは虐待に当たるとして禁じるなどの項目が盛り込まれた埼玉県の虐待禁止条例案が波紋を呼んでいます。13日の本会議にも採決される見通しですが、こどもの最善の利益を反映したものとは考えられず、こどもを虐待から守ることができるとも思えないなどと、反対の署名活動が行われています。保護者からは、子育ての実態からかけ離れた条例案と批判の声が上がっています。大臣の受け止めを教えてください。

(答)埼玉県議会におきまして、小学3年生以下の児童を住居等に残したまま外出等の放置はしてはならないとする条例案が提出されていることは報道等で承知をいたしております。
県議会に提出されている条例案に対しては、こどもの虐待を厳に防ぐ上で大切だという御意見もある一方、禁止される放置の範囲が広範に捉えられた場合には、急用による短時間の留守番等もままならず、子育てへの支障を心配する声が上がっているということも承知をしております。
こちらは、今まさに県議会で議論をされている最中と受け止めておりますので、ここで判断をすることは、私からのコメントを差し控えさせていただきたいと思います。

(問)先ほどの質問に関連してお伺いします。埼玉県のその条例改正案の禁止事項、先ほども質問に上がっていましたけれども、そうした事項というのは仮に成立した場合、こども家庭庁が支援するひとり親家庭とかで現実に遵守が難しい方々も出てきそうだと思うんですけれども、全てのこども・子育て世帯を支援するという家庭庁の方針・政策と、県条例案が成立した場合の禁止事項、これは矛盾しないとお考えでしょうか。

(答)今まさに県議会のほうで議論をされている最中でありまして、委員会等で可決をしたとはいえ、本会議までにはまだ時間もある中、様々な御議論が出ているということも承知いたしておりますし、いろいろな方々のお声が上がっているということも承知いたしております。本会議に向けて様々な議論が今まさにされているところだと理解をいたしておりますので、仮定のことを想定しての回答は控えさせていただきたいと思います。

(問)今の質問に関連するんですが、仮定のことを想定してのお答えは難しいということなんですけれども、少なくとも現時点では委員会を通過していて、答弁の中でも、繰り返しになりますが、こどもの登下校とか、短時間の留守番なども禁止行為に当たるという答弁をされている、現状そのラインが確実にあるわけです。これについて、改めてお伺いしますが、やはり大臣としてこの法案というのは適切とお考えでしょうか。あるいは、御懸念があれば是非お聞かせください。

(答)県議会で議論をされている条例について、大臣の立場から一定の判断を加えるような発言をすることは、ほかのいろいろな条例を考えても、そこで私自身の見解を述べてしまうことは、ほかのことにもいろいろ支障を来してくると思いますので、まず控えさせていただきたいとは思いますが、私自身、子育てをしている経験の中から、例えば下の小さなこどものほうが発熱して、9歳にぎりぎり満たない兄のほうがまだ元気で家でちょっとの間留守番しても大丈夫かなというときに、感染リスクのある病院に下の3歳のこどもを連れていくという判断、そして9歳のこどものほうを感染リスクがあるから置いていくという判断、こういったケースには留守番をさせることの当否の判断が難しいケースもあるんだろうなというふうに考えております。そういったことも含めて、今、子育て中の立場の方からの御意見もたくさん出ている中で、まだ本会議に向けて議論がされている最中だというふうに受け止めておりますので、これ以上のお答えは控えさせていただきたいと思います。

(問)今の御解答の関連なんですけれども、そうしましたら、下のお子さんが発熱されたときに、上のお子さんにその間はお留守番をしてもらったという、実際の御経験があるというような理解でよろしいのでしょうか。あと、例えばその条例の中だと、ごみ捨てに行くときにもおうちに置いていってはいけないとか、登下校もこどもだけではいけないとか、そういったようなことが書いてありますけれども、実際に御自身の経験の中でそういったことをされたことはありますでしょうか。

(答)先ほどの熱が出たときとかいったシチュエーションについて、具体的には何とかしたかも分かりませんが、そういう何とかするということができる状況があるかないかとかもあると思うんです。ですので、先ほどの具体例についてのお返事は避けたいと思いますが、登下校に関して9歳以下の息子に1人で登下校をさせていたということはあります。

(問)先週末、総理も出向かれた連合という組織の大会があって、初めて役員で女性が4割を超えまして、トップが女性になったことで労働界にもやはり男性社会から少し変わってきたところがあるんですが、女性担当大臣としまして、4割というのはなかなかの数字だと思うんですが、その辺をどんなふうに、いわゆる役員が4割になるわけです、労働組合の連合の。そういうのをどういうふうに御覧になるか、その辺を伺いたいです。

(答)個別の組織のことについて私から直接評価をするということは差し控えたいと思いますけれども、役員に3割という目標を民間の企業の皆さんにお願いをさせていただいている立場からすると、目標達成をしていただいている組織や企業の皆さんの御努力には敬意を払いたいと思います。

(問)先ほどの埼玉の条例の関係なんですけれども、具体的に個別の県の条例に関してうんぬん言うのはNGというのは理解したんですけれども、一般論の話として、こどもだけで留守番とか登下校とか公園で遊ばせるというようなことを虐待と考えるかどうか。こども家庭庁として、こども政策担当大臣として、そういう行為は虐待であると捉えるか、感じるかについて教えてください。

(答)これも本当にひとくくりにお返事をしていくのがなかなか難しい部分もあろうかと思います。その時間の長さであったり、いざとなったら駆けつけられる養護者との物理的な距離であったり、またそのこどもさんの例えば健康状態や置かれている状況、精神状況ですとか、そういった様々な要素があって、適切・不適切等の判断ができるのかなというふうに思いますと、ひとくくりに私から今のお返事にお答えするのはちょっと難しいかなと思っております。

(答)まだ議論中ということで具体的な判断はされないということを承知しましたが、今回の埼玉県の条例に関して、女性が活躍できる社会をつくろうという動きから逆行してしまうという懸念もあります。それと同時に、通報を義務付けということで、監視社会に向かっていってしまうのではないかという懸念もありますが、その点についてどう受け止めていらっしゃるのか、教えてください。

(答)そういった御意見が多数出ているということも承知いたしております。そういった御意見が多数出ている中でどのように埼玉県の県議会で今後議論がなされていくかということは、しっかりと注視をしていきたいと思います。

(以上)