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小倉大臣記者会見(令和5年8月25日)

小倉大臣記者会見要旨

(令和5年8月25日(金)11時10分から11時22分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1. 発言要旨

今日は冒頭2点ございます。

まず、こども誰でも通園制度(仮称)の検討会立ち上げについてです。こども誰でも通園制度は就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付であり、保護者の方をはじめ多くの方々の御期待を頂戴しているところでもあります。

他方で、こども誰でも通園制度をどのように実施していくかについては、特に現場の皆様方とも、本制度のこどもや保護者それぞれにとっての意義についての共通認識を持ち、利用方法(定期利用、自由利用)や実施方法(余裕活用型、一般型)ごとの特徴を踏まえた対応等の事業実施上の留意点、施設や事業類型ごとの事業実施のイメージといった論点について、丁寧に御意見を伺いながら検討していく必要があると考えております。

こうしたことから、学識経験者や保育所・幼稚園などの関係事業者、自治体からなる検討会を立ち上げることといたしました。

今後のスケジュールにつきましては、9月中に第1回の検討会を開催し、12月に中間取りまとめ、そして来年の3月頃に取りまとめを予定しております。

検討会の詳細については、こども家庭庁保育政策課までお問い合わせください。

冒頭2点目であります。

男女共同参画・女性活躍担当大臣といたしまして、先週8月18日(金)から今週の22日(火)にかけて、アメリカのシアトルを訪問いたしました。

シアトルではAPEC女性と経済フォーラムに出席し、女性のリーダーシップ拡大について発言しましたほか、女性と経済フォーラムと中小企業担当大臣会合との共同会合で、デジタル分野における女性の起業への支援についての発言も行いました。

また、今回、閣僚級として初めて開催されました日米韓3カ国の代表によります女性の経済的自立に関する会合において、我が国の男女共同参画・女性活躍の現状や取組について発言させていただきました。

このほか、シアトルにおきまして、関係国要人との会談等も実施いたしました。

我が国の取組を発信するとともに、関係国の取組等について知見を深めることができたことは大変に有意義だったと私自身は考えておりまして、今回の出張で得ました知見を今後の施策の推進にも活かしてまいりたいと考えております。

冒頭は以上になります。

2. 質疑応答

(問)2問質問させていただきます。まず1問目ですが、来年度の概算要求について、昨日自民党が公表されましたが、大臣としての自己評価や、力を入れた点がありましたら教えてください。

(答)こども家庭庁における令和6年度の概算要求の内容につきましては、今月末の要求期限に向け、与党とも御相談しながら現在最終調整を行っているところであり、現段階で私からコメントすることは差し控えさせていただきたいと思います。
その上で、お尋ねの評価につきましては、概算要求の提出後に改めて答えさせていただければと考えております。

(問)もう1問、家族の日という写真コンクールについてお伺いします。こども庁が先日公募を始めましたが、実名公表が前提なのはおかしいという批判、それから家族に頼れないこどもを支援するのもこども庁の仕事であるのに、家族の在り方をコンクールにするのはどうかとの批判もあって、結果的に応募要領を一部修正することになりました。まず、修正の経緯を教えていただけますでしょうか。また、家族に頼れない子云々という部分の批判に関して、こども庁としてどのように考えているか、教えてください。

(答)まず、実名による応募・公表につきましては、一般の方からの問い合わせなども踏まえまして、事務的に再検討し、御指摘のように匿名での応募や公表を可能とするよう変更させていただきました。
続きまして、家族の在り方をコンクールにするのはどうかとの御指摘についてでありますが、このコンクールは平成22年から内閣府において実施されてきたものを、こども家庭庁が引き継いだものでございます。
しかしながら、SNSにおいて特定の家族像を押しつけているかのような印象を与えているなどの御指摘をいただいていることについては、私としても真摯に受け止めて対応する必要があると考えておりまして、私から事務方に対して、決して特定の家族像を押しつけるものではなく、こども家庭庁としては、いかなる家庭環境のこどもであっても健やかな育ちが保障できるよう支援をしていくことを改めて丁寧に説明・情報発信するよう指示をしたところであります。
こども家庭庁といたしましては、引き続き多様な家族がある中で、全てのこどもたちがいかなる環境であっても健やかに育つことができる社会を作っていきたいと考えておりますので、今後とも丁寧に御意見を伺いながら、こうした観点に立ってこども政策を推進していきたいと考えています。

(問)CDR(Child Death Review)について、お伺いいたします。まず、CDR制度導入の検討状況について伺います。モデル事業は4年目に入っていますが、モデル事業を通じて自治体がこれまで検証してきた結果を、こども家庭庁ではどのように整理し、こどもの死亡事案の再発防止にどのように活用してきているでしょうか。全国でのCDRの導入に向けて今後どのように検討を進めていく考えか、スケジュール感等の見通しを含めて教えてください。関連して、モデル事業から見えてきている課題をどのように認識しているか伺います。モデル事業に参加している自治体からは、手引きの2版で警察や解剖情報が使えないことや、親の同意が必要などと記載されたことが実施の上でネックになっているとの声が出ています。警察や解剖情報は、まず死因を特定し、的確な分析や検証につなげる上でとても大事な情報であると思いますが、なぜ現状CDRのモデル事業の中でそうした情報は使えないとしているのでしょうか。今後、法務省など関係省庁と協議するなど、見直す考えがあるか教えてください。また、CDRに関する根拠法が明確に日本にはない状況ですが、立法の必要について認識をお聞かせください。

(答)複数の関係者で死因等の検証を行い、効果的な予防策を導き出すCDRは重要な取組であり、その体制整備に向けた検討を進めるため、御指摘のように令和2年度から複数の都道府県におきましてモデル事業を実施しているところであります。
こうしたCDRの活用状況につきましては、モデル事業で得られた水難事故、乳幼児突然死症候群等の予防策について自治体情報共有会議で共有するとともに、令和4年度からこどもの事故等の予防策を取りまとめました特設サイトも開設したところであります。
また、CDRの制度化につきましては、自治体や関係者間において、CDRの意義・目的に関する認識が異なること、すなわちCDRの必要性についての認識の差や死因究明と予防策の検討のどちらを重視するかについての認識の差、CDRを実施するために必要な情報と個人情報保護法や刑事訴訟法との関係等を整理していく必要があると認識いたしております。
現時点で制度化の時期は申し上げられませんが、こども家庭庁としては今年度、モデル事業によってCDRの必要性への認識の向上、同意取得や予防策の好事例の横展開を図るとともに、こども家庭科学研究の研究班に新たに法学者を加えまして、個人情報保護法や刑事訴訟法に関する整理等を実施することといたしております。
CDRの取組が加速するよう、関係団体とも連携を図りながら取り組んでいきたいと思っております。
後半の捜査情報等の扱いについてお答えしたいと思います。
まず『都道府県Child Death Reviewモデル事業の手引き(第2版)』におきましては、捜査に関する情報は本事業で取り扱うことは難しく、捜査に関しない情報であっても、警察等による調査等の結果の提供を行うには、必ず事前に事務局又はWG等において、遺族から当該情報提供に関する同意書を取得しておく必要がある旨を記載させていただいております。
捜査に関する情報の提供については、第1版の手引きには記載しておりませんでしたが、刑事訴訟法第47条及び第196条の趣旨に鑑み、関係者の名誉・プライバシー等を保護し、捜査・裁判に対する不当な影響を防止する観点から、本事業で取り扱うことは難しい旨を示したところであります。同時に遺族の同意につきましても、遺族の権利利益への配慮等の観点から同意書を取得しておく必要がある旨を示させていただきました。
先ほど申し上げたように、今年度、関係省庁等と連携をしながら、こども家庭科学研究の研究班に新たに法学者を加えまして、個人情報保護法や刑事訴訟法に関する整理を実施することといたしております。
個人情報の取扱いにつきましては、この研究を通じて、先ほど立法の有無についての御指摘もございましたが、立法の必要性の有無も含めて検討させていただきたいと思っております。

(問)こども誰でも通園制度の検討会について伺います。こちらは12月に中間取りまとめで、3月に取りまとめということですが、最終的に取りまとめる形としては報告書なのか、どういう形態なのかということを、第1点目して伺います。2点目として、年末にはこども未来戦略を政府が少子化対策で取りまとめると思いますが、未来戦略と検討会は何らか関わってくるのか、どのようにリンクしてくるのかについて伺えますでしょうか。

(答)まず、後半につきましては、正にこども未来戦略方針におきまして、こども誰でも通園制度の実施が記載されておりますので、こども未来戦略方針を着実に実施するに当たって制度の運用を検討するための検討会を今回立ち上げさせていただいたという経緯であります。
この検討会のアウトプットでありますけれども、まずは試行的事業実施の在り方について検討した上で、来年度の試行的事業の実施方針を取りまとめることを考えております。

(以上)