三原大臣記者会見(令和6年11月1日)
三原大臣記者会見要旨
(令和6年11月1日(金)11時23分から11時39分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)
1.発言要旨
冒頭、私から3件ご報告がございます。
まず、こども家庭庁では、11月を「秋のこどもまんなか月間」とし、こども・子育てにやさしい社会づくりのための様々な取組を行うこととしています。取組の詳細については、こども家庭庁ホームページに掲載しておりますが、この月間では、取組の一つとして、児童虐待防止のため「オレンジリボン・児童虐待防止推進キャンペーン」を行います。
児童虐待の相談対応件数は、増加傾向にあり、こどもの命を守るためには、社会全体で児童虐待防止を推進していくことが必要であります。このため、この月間におきましては、集中的な広報・啓発活動を実施してまいります。
本日の閣議では、閣僚の皆様にも、キャンペーンへのご協力とオレンジバッジの着用をお願いしたところでございます。
本日閣議後、総理からも私にしっかり取り組むようにというお話がございました。
また、こちらのパネルに広報ポスターを掲示しておりますけれども、こども家庭庁では、児童相談所虐待対応ダイヤル「189(いちはやく)」として、どこからでも「189」をダイヤルすると、担当の児童相談所に速やかにつながる通告・相談ダイヤル、そしてまた、親も子もスマホで、子育てや親子関係の悩みを相談できる「親子のための相談LINE」、これを運用しております。
国民の皆様には、こどもを虐待から守るため、この「189(いちはやく)」、そして「親子のための相談LINE」に躊躇なく、ご相談いただきたいと思います。
本日は、報道関係者の皆様に、周知のご協力をいただきたいと思いまして、「親子のための相談LINE」の相談方法を資料を用いて御説明したいと思います。皆さん、資料は行き渡っておりますね。
まず、LINEで「親子のための相談LINE」を友だち追加していただいて、そして、LINEのトーク画面でお住まいの都道府県と市区町村を登録していただきますと、相談先のリンクが表示されます。ここに注意事項がいろいろ右側にございますね。これを確認していただいて、リンク先を開きます。
相談支援システムにつながりますので、相談される方の情報を入力します。こちらは名前となってますが、ニックネームで大丈夫です。年齢や性別とその他の項目も無理に入力する必要はございません。
相談チャット画面が開きまして、そして、相談員とのやり取りができるようになります。
これはご参考までに、この4ページ目は、保護者編です。そして、5ページ目にはこどもからの相談のこども編、こういう形でチャットでのやり取りのイメージを資料で紹介しておりますので、ぜひこれをご参照いただいて、皆さんに周知・広報にご協力をいただきたいということをお願いさせていただきたいと思います。
電話や対面では、なかなか話しにくいこともあるかと思います。「親子のための相談LINE」は、匿名で相談でき、相談内容の秘密も守られます。
親も子も気軽に相談できるツールですので、報道関係者の皆様方におかれましては、ぜひ周知にご協力をお願いしたいと思います。以上です。
そして、2点目。こちらも先ほど1点目でお伝えしました、今月から始まります「秋のこどもまんなか月間」に合わせて、「やさしい版こども白書」を今回初めて作成いたしました。
これは、こども・若者に関する今の社会の様子や、政府が取り組んでいることについて、多くのこどもや若者に知っていただくために、今年6月に閣議決定した「こども白書」、これをこども向けに分かりやすくしたものであります。
「やさしい版こども白書」、この作成にあたっては、「こども若者★いけんぷらす」を活用して、こども・若者の意見に耳を傾け、みなさんの意見をできる限り反映して作らせていただきました。
この「やさしい版こども白書」は、スマートフォンなどでも利用しやすいように工夫した上で、こども家庭庁ホームページに掲載するほか、今後は都道府県立図書館など、また20の政令都市にも置かせていただいて、ぜひ広くご活用いただければというふうに思います。
そして、3つ目は私の視察です。来週の火曜日5日に、こども政策に関する視察の一環として、東京都児童相談センターを訪問いたします。
東京都児童相談センターは、東京都の中央児童相談所として、児童虐待からこどもの命を守る最前線の現場であり、また、管内の各児童相談所への専門的な助言や職員研修を行っていることなどから、今回視察させていただくこととなりました。
当日は現場の視察とともに、東京都児童相談センターの職員の方と意見交換を行うことを予定しております。
そして、続きまして、翌日6日、川崎市の宮前区保育・子育て総合支援センターを訪問し、「こども誰でも通園制度」の試行的事業を視察したいと思います。
川崎市は、試行的事業の実施事業所数が全国で一番多く、大変熱心に取り組まれているということから、今回視察させていただくこととなりました。
当日は現場の視察とともに、保育現場で働かれている皆様、そして、保護者の皆様、自治体の皆様らと意見交換を行う予定としております。
詳細につきましてはこども家庭庁までお問い合わせいただければと思います。以上です。
2.質疑応答
(問)国連の女性差別撤廃委員会が先日、日本の女性政策について最終見解を公表し、夫婦同姓を義務付ける民法の規定を見直し、選択的夫婦別姓を導入するよう勧告しました。勧告は2016年に続き、4度目になります。
これに対する大臣の受け止めをお願いします。
また、大臣ご自身が姓を改正する際に、不便や不都合を感じたご経験はないか、お願いいたします。
(答)先日29日に、国連の女子差別撤廃委員会から、我が国の女子差別撤廃条約の実施状況に対する最終見解が公表されたと承知しています。
勧告の内容を十分に検討し、関係省庁において適切に対応してまいりたいと思います。
男女共同参画、そして、女性活躍担当大臣としては、これまでに各方面から指摘されている不便さや不都合への対応などを検討するとともに、夫婦の氏に関する具体的な制度のあり方について、国民の皆様の理解が深まるように、例えば、選択的夫婦別氏制度とは、結婚前の氏を称することを望む場合には、夫婦がそれぞれ結婚前の氏を称し、そしてまた夫婦が同一の氏を称することを望む場合には、現在と同様に夫婦が同氏を称することを認める制度でありまして、今の制度を何ら否定するものではないことなどを含めて、分かりやすい情報提供や関連データの提示などの取組を通じて、関係省庁と協力して、引き続き議論を後押ししてまいりたいと思います。
(問)大臣ご自身のご経験についてはいかがでしょうか。
(答)私自身は旧姓の三原を使わせていただいていますが、今日は閣僚としての会見なので、控えさせていただきたいということでございます。
(問)先日報道されました、自殺対策白書によりますと、昨年1年間のうち自殺したこどもの数は513人となり、過去最多となった前年と同水準でした。そのうち、自殺未遂歴ありの小中高生について、男女ともに自殺未遂のあった時期が自殺の1年以内である場合が過半数を占めていることから、自殺未遂者に適切なケアが必要になるかと思われます。自殺未遂者をどう行政につないで、自殺を防いでいくか、大臣の考えをお聞きします。
(答)ご指摘のとおり、2022年以降、小中高生の自殺者、男女ともに自殺未遂の時期が自殺の1年以内である場合が過半数を占め、自殺未遂者への支援強化が重要です。
昨年6月の「こどもの自殺対策緊急強化プラン」では、警察や消防、学校、自治体等の自殺統計等を集約し、多角的な分析を行うための調査研究とともに、自殺未遂等があったこども・若者を地域で支援する方々に対し、多職種専門家で構成するチームが支援するモデル事業等に取り組むこととしております。
自殺未遂者への支援では、自殺未遂の原因・動機を把握するため、どのようにアプローチするか。どの機関がどのように介入するのかとか、あるいは得られた情報について、関係機関の間でどのように共有するか。個人情報保護や本人の同意の課題等もあります。自殺未遂後の支援方法、これはどの機関がどれだけの期間、どのような関わり方で支援するのかなど、検討・研究すべき課題も多いと考えています。
そうした点も踏まえつつ、先ほど申し上げた調査研究や、多職種専門家で構成するチームによる支援の事例集約と分析を通じ、関係省庁とワンチームとなって、こどもの自殺未遂者への支援を強化し、こどもが自ら命を絶つようなことのない社会の実現に取り組んでまいりたいと思います。
(問)「親子相談LINE」ですけれども、これは去年から多分やっているかと思うのですが、どれぐらいのアクセスがあったか相談件数みたいなものや、具体的に示せる範囲でどのような相談が寄せられたか、というのが具体的に分かるものがあれば教えていただきたいです。
(答)年間で、令和5年度の相談件数総数は、3万8851件となっています。
(問)あと何か、具体的にこんな相談がありましたよ、というもので、抽象的にでもあれですけど、示せるものがあれば。
(答)先ほどの親の相談編、子の相談編というものがありました。こういうことが非常に多いので、これを例にさせていただきました。
「ついイラッとして、きつい口調で叱ってしまう」とか、「何度注意しても、ちょうど5歳というところで精神的に参っている」、というような、こういうこと。育児の疲れとか、育児しながらの孤立とか、そうしたことであります。
(問)あと困り事があっても、なかなか相談をためらったり、うまく相談できないな、というところで、なかなか相談しづらいというか、できない方がいらっしゃると思うのですけれども、改めてそういう方たち、こどもでも大人でも、大臣から相談へのメッセージというのをいただければと思います。
(答)躊躇なく、迷うことなく、匿名で秘密は守ります。
なので、悩んでいたら一人で抱え込まずに、すぐに相談してください。
これは189(いちはやく)でもいいですし、電話をするのは、ちょっとハードルが高いと思われる方もいらっしゃるかもしれませんので、このLINEを、そういう方には相談をしていただきたいと思います。
189ももちろん匿名でできますけれども、どちらでも相談してもらいたい。躊躇せずに。
あとこれは当事者ではなくても、地域の方からでもOKですので、何か虐待かも、と思ったら通報していただくとか、そういう形でも結構ですので、これも匿名でOKですので、誰が通報したということは、分かりませんので、ぜひ躊躇なくというところでお願いします。
(以上)