本文へ移動

加藤大臣記者会見(令和6年6月14日)

加藤大臣記者会見要旨

(令和6年6月14日(金)10時16分から10時30分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

冒頭、私からは1件ご報告がございます。

「女性版骨太の方針2024」及び「令和6年版男女共同参画白書」についてでございます。

まず、「女性版骨太の方針について」ですが、6月11日、総理官邸で全閣僚を構成員とする、「すべての女性が輝く社会づくり本部・男女共同参画推進本部」を開催し、「女性版骨太の方針2024」を決定しました。

今年の「女性版骨太の方針」は、女性活躍・男女共同参画を推進するための「人材の育成」これを横串に据え、企業等における女性活躍の一層の推進、女性の所得向上・経済的自立に向けた取組の一層の推進、個人の尊厳と安心・安全が守られる社会の実現、女性活躍・男女共同参画の取組の一層の加速化という4つの柱に沿って、持続的で広がりのある取組の推進を目指すものとしております。

今回策定した「女性版骨太の方針」に基づき、政府を挙げて取組をしっかりと進めてまいります。

令和6年版男女共同参画白書につきまして申し上げますと、本日の閣議において、「令和6年版男女共同参画白書」を決定いたしました。

本年は、「仕事と健康の両立~全ての人が希望に応じて活躍できる社会の実現に向けて~」を特集テーマとしております。

今回の特集では、各種データを用いて、男性と女性では健康課題の内容も課題を抱えやすい時期も異なること、女性のキャリア継続・キャリアアップのためには、仕事と家事・育児の両立支援に加えて、女性特有の症状を踏まえた健康への理解・支援等が必要であることを明らかにしました。

その上で、職業生活における「健康」の維持・増進は、男女ともに「ウェルビーイング」を高め、企業における生産性を向上させることが期待できること、社会全体で健康課題に取り組むことで、日本経済の成長や地域を含めた社会全体の活力向上につながることを指摘してございます。

この「健康」に関しましては、「女性版骨太の方針2024」におきましても、「仕事と健康課題の両立の支援」という項目を新たに掲げるなど、女性のライフステージごとの健康課題への対応について、例年になく幅広い施策を盛り込んだところでありまして、政府としましてもしっかりと取組を進めてまいりたいと考えております。詳細につきましては、内閣府男女共同参画局までお問い合わせください。

冒頭、私からは以上になります。

2.質疑応答

(問)全国の学校給食費について、調査結果が昨日発表されました。これについて、大臣の受け止めをお聞かせください。

(答)お答え申し上げます。
文部科学省が12日に公表した調査結果におきまして、3割の自治体で小中学生の全員を対象に、自治体独自の給食無償化を行っていること、一方で、給食未実施の学校や、学校給食を実施していてもアレルギーや不登校等の理由で学校給食を喫食していないこどもが相当数存在すること、また、食材費相当額である学校給食費についても、都道府県間で約1.4倍の開きがあること、さらには、成果目標の設定や成果検証を実施した自治体はいずれも2割弱にとどまること等が明らかになったものと承知してございます。
「こども未来戦略」に基づきまして、今後、文部科学省において、調査で得られた結果を踏まえ、こども間の公平性や国と地方の役割分担などの観点を含めて、学校給食費の無償化についての課題の整理を行っていくものと承知しております。
こども家庭庁としましては、まずその検討状況をしっかりと注視してまいります。

(問)スイスのシンクタンク、世界経済フォーラムは12日、2024年版のジェンダーギャップ報告を発表し、日本は146か国中118位でした。過去最低だった23年版からは改善しましたが、先進7か国の中では依然として最下位です。政府をあげて女性活躍を推進していますが、ジェンダー平等の実現には遠いのが現状です。結果に対する大臣の所感をお願いします。

(答)世界経済フォーラムが先日公表した、2024年の「ジェンダーギャップ指数」におきまして、日本は146か国中118位であり、昨年と比べてスコア・順位ともに改善が見られたものの、依然として我が国の取組が諸外国と比べて遅れていることが示されており、このような評価を謙虚に受け止めるとともに、より一層の努力が必要だと考えております。
特に課題と考えられる政治分野及び経済分野につきましては、先日決定をしました、「女性版骨太の方針2024」に基づき、政治分野では、女性の政治参画への障壁について、より実態に即した把握に資するよう、政治に参画する上での課題等について、より詳細な調査を行い、その結果に基づき周知・啓発を行っていくこと、また経済分野では、女性役員や管理職登用目標の達成に向けた、各企業における行動計画策定や女性人材のパイプライン構築等の促進等の取組、これらを進めてまいりたいと考えております。

(問)今の話題に関連しまして、ジェンダーギャップ指数の改善に向けて、先ほども少し言及がありましたが、今後の取組の方向性や具体策について、もう少しお考えがあれば教えてください。

(答)特にスコアが低調だった政治分野につきましては、各政党に対しまして、女性候補者に係る数値目標の設定等につきましての自主的な取組の要請を行っているほか、女性の政治参画への障壁について、これは繰り返しになりますけれども、より実態に即した把握に資するよう、政治に参画する上での課題等ですね、これらについて、より詳細な調査を行って、その成果、その結果に基づいて、必要な周知・啓発を行っていくこととしたいと考えておりますし、また、地方議会における女性の政治参画、これも大事な課題でありまして、それに資する先進的な取組事例ですね、こういったものを横展開することを行ってまいります。
経済分野について、もう少し詳しく申し上げますと、女性役員や管理職登用目標の達成に向けた、各企業における行動計画策定や女性人材のパイプライン構築等の促進、先ほど申し上げたことに加えまして、男女間賃金格差の是正に向けた取組の強化、リスキリングの支援、また仕事と育児、介護、女性特有の健康課題などの両立支援、こういったことの取組を進めてまいります。

(問)大臣の冒頭の発言にありました、男女共同参画白書についてです。特集テーマについて先ほど発言ありましたが、今回の白書の中で、大臣が考えるポイントについて、教えてください。

(答)ご指摘ありましたように、また申し上げたとおり、今回の特集では、「仕事と健康の両立」をテーマとして取り上げております。
今回の白書におきましては、男性特有の病気は50代以降で多くなる傾向にありますが、女性特有の病気は、働く世代である20代から50代に多いこと、また、企業規模に関わらず、勤務先が健康経営に取り組んでいる方が、体調が悪い日の頻度が低いこと、こういったことを明らかにしているところでございます。
その上で、「男女ともに希望する誰もが生き生きと活躍できる社会」の実現、これに向けて、主に男女の特性を踏まえた互いの健康課題の理解、それから適切な通院や検診の受診、また相談しやすい環境の整備、そして、柔軟な働き方の整備、こういったことを重要な取組として指摘しているところでございます。
また、その白書とも連動する形で、「女性版骨太の方針2024」こちらにおきましても、「仕事と健康課題の両立の支援」という項目を新たに掲げるなどして、女性のライフステージごとの健康課題への対応について、例年になく幅広い施策を盛り込んだところでございまして、政府としてしっかりと取組を進めてまいりたいと考えております。

(問)昨日ですが、参議院議員会館で複数の市民団体が、こども基本法に則り朝鮮学校と外国人学校の子どもの学ぶ権利の保障を求める院内集会を開催し、文科省やこども家庭庁の担当者に約6万2000筆の署名を提出し、国会議員も入って要請内容についての質疑を行いました。大臣への詳細の報告はこれからだと思うのですけれども、朝鮮学校への高校無償化適用や、朝鮮学校をはじめとする外国人学校への幼保無償化の適用をはじめ、これらの学校への制度保障をするために、新たな法整備を求める内容になっています。
大臣ご存じの通り、2010年に高校無償化制度が制定されましたけれども、日本の朝鮮半島の植民地支配を経て、戦後すぐに日本各地に作られ、以来80年近く世代を重ねてきた朝鮮学校への制度適用は除外され続けています。近年増加してきた外国人学校に対しても、幼保無償化制度をはじめ、様々な学校支援制度が適用されない状況が今生じています。
それで、このような状況に対して、国連からは「子どもの権利条約」ですとか、それから、「社会権規約委員会」「人種差別撤廃条約委員会」などから、日本政府に対して繰り返し是正勧告が出ています。ただ、日本は国連の人権理事会の理事国の一つで、条約の遵守義務があるのですけれども、朝鮮学校をはじめ、外国人学校に対する制度的差別の存在自体を未だに認めておりません。
それで、こども家庭庁は国連の子ども権利条約とか、日本国憲法の精神に則り、こども基本法に即した行政施策を行う新しい官庁と認識しております。
多文化共生社会実現のための施策を推進する、重要な役割も担っていらっしゃると思うのですが、昨日の要請行動とか、今まで日本政府に対して出されてきた国連の勧告などを踏まえて、こども基本法の一条にあるこども政策の推進会議などで、当事者の意見表明も尊重し、朝鮮学校や外国人学校に対する制度的差別の是正を早期に検討するお考えはございますでしょうか。現時点での大臣のご見解をお願いいたします。よろしくお願いします。

(答)昨日の集会において署名が提出されたことは、事務方から報告を受けておりますので承知してございますが、外国人学校への公的支援のあり方につきましては、まずは所管の文部科学省にお尋ねをいただければと思います。

(以上)