三原大臣記者会見(令和7年2月28日)
三原大臣記者会見要旨
(令和7年2月28日(金)7時44分から7時55分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)
1.発言要旨
冒頭、私から報告が3件ございます。
昨日、厚生労働省から令和6年12月分の人口動態統計速報が公表されました。
速報によりますと、令和6年の出生数は72万988人で、前年比マイナス5.0%になったと承知しております。
統計開始以来、出生数は過去最少となり、急速な少子化に歯止めがかかっていない状況にございます。
この少子化の流れを反転させるのは時間との闘いであり、政府を挙げて、希望する若者がこどもを持ち、安心して子育てできる社会を実現してまいりたいと考えております。
少子化の要因には、大きく二つ、夫婦のこども数の減少、そして婚姻数の減少が挙げられております。
このうち、まず夫婦のこども数の減少に対しましては、3.6兆円という前例のない規模でこども・子育て支援策の充実を図る「加速化プラン」が本格実施の年をこれから迎えます。
配布資料をご覧いただければと思います。具体的には、4月から、「1」の部分の昨年10月より先行実施しています、児童手当の拡充の満年度化や、妊婦に対して伴走型の相談支援を行う事業や10万円を支給する事業の制度化、このほか、「2」の部分、こども誰でも通園制度の制度化に加え、「3」の部分、両親ともに育児休業を取得する場合に、最大28日間、既存の育児休業給付と合わせて手取り10割相当を給付する出生後休業支援給付制度、子が2歳未満の期間における時短勤務時に賃金の10%相当を給付する育児時短就業給付制度等々がスタートいたします。
支援策の充実を若い世代に実感していただけるよう、丁寧な周知と着実な実施に取り組むとともに、社会の意識改革も進めて、少子化の背景にある「子育ての経済的・身体的・精神的負担」や、「仕事と子育ての両立の難しさ」などの課題を解消してまいりたいと思っております。
2つ目の少子化の背景でもあります、「婚姻数の減少」に関しましては若者の賃上げや働き方改革に加えて、大幅に要件緩和を行った「地域少子化対策重点推進交付金」による、地域の結婚支援・将来設計支援の着実な実施、そしてまた若者の将来設計への支援や、プレコンセプションケアなどの取組と連携しつつ、一人ひとりが自分らしく、将来展望を描いて行動に移す、その後押しをする取組について具体化を検討してまいりたいと思っております。
他方、こども家庭庁に対し、厳しいご指摘があることも重々承知をしておりますが、少子化対策は、その効果が現れるまでに一定の時間を要するものであり、1、2年で効果が出るものでもございません。
本日改めてご説明した、来年度から本格実施いたします加速化プラン、これを着実に実施しつつ、政府全体で粘り強く取り組んでいくことが必要不可欠であり、その中で、こども家庭庁が今後とも司令塔となって、先頭に立って取り組んでまいりたいと思っております。
なお詳細につきましては、こども家庭庁長官官房少子化対策室におたずねをいただきたいと思います。
続きまして、3月は「自殺対策強化月間」であります。
先日公表しました、令和6年の小中高生の自殺者数の暫定値が527人と過去最多になったことは、改めて、こどもまんなか社会の実現を掲げる、こども政策担当大臣として、痛恨の極みで、自責の念に堪えません。
本日は、「自殺対策強化月間」の開始前に、関係大臣の連名で、こどもや国民の皆様に向けたメッセージを発出することといたしました。
何かに悩んだり、何となく不安を感じたりした時は、誰かに話すことで、少し気持ちが変化することもあると言われております。
人に話しづらい時には、SNSの相談窓口や心を落ち着けるためのWebサイトも今はございます。名前を言わなくても大丈夫ですので、スマホなどで悩みを伝えてみていただけたらということを、ぜひ考えていただきたいと思います。
また、もし、まわりで様子がいつもと違うなと感じるようなことがありましたら、その方に声をかけていただき、信頼できる大人につなげていただければと思います。
本日発出するメッセージとともに、これまで発信してきた動画につきましても、月間中に再度周知する予定でございます。
報道関係者の皆様におかれましても、メッセージ等をご覧いただくとともに、周知のご協力、再度何卒よろしくお願い申し上げたいと思います。
3点目です。続きまして、こども家庭庁として、初めて実施した、こどもの自殺に関するこどもと大人の意識調査についてでございます。
「こどもの自殺対策緊急強化プラン」を踏まえまして、今年度から、こどもの自殺対策の効果的な周知と実効性のある自殺予防に向け、対象者に応じた広報啓発などの取組を実施しています。
この取組の中で、こどもの自殺に関する認識や取組等の実態把握を目的としたこどもから大人までの幅広い世代を対象といたしました、全国的なインターネット調査を実施いたしました。
その結果、こどもの自殺を社会課題として認識しているか、また、自分の周囲に起こりうる社会課題として認識しているかについて、大人とこどもに大きな差があることが分かりました。
具体的には、大人よりもこどもが、こどもの自殺について社会課題として強く認識している割合が高く、さらに、自分の周囲で起こり得る課題として認識をしておりました。
こども家庭庁としては、子育てをしている家庭にとどまらず、一人でも多くの皆様に、こどもが持つ不安や悩みについてご理解をいただき、社会全体で、お一人おひとりが、こどもに向き合ってもらいたいと願っており、この調査結果を多くの方々に知っていただきたいと考えております。
また、今回の調査は、こどもの自殺という、大変センシティブな内容を取扱うことから、回答者の心情に配慮して実施いたしました。報道関係者の皆様におかれましては、この意識調査の公表資料をご覧いただいて、その内容を適切にご理解いただいた上で、周知へのご協力を何卒よろしくお願いしたいと思います。
内容の詳細は支援局総務課へお尋ねをいただきたいと思います。
2.質疑応答
(問)出生数に関してですけれども、加速化プランは初年度に状況を反転させることができませんでした。
来年度には、集中取組期間を終えますけれども、ポスト加速化プランの策定方針としては、どのような方向で進めたいと考えていらっしゃいますでしょうか。
(答)加速化プランが、これから本格実施ということでありますので、今新たに何かということは政府として考えているわけではございません。
しかしながら、この本格実施の年を迎える4月から、先ほど申し上げました、「1」、「2」、「3」、三つの部分でしっかりと取り組んでいくということ、まずこのことに全力を尽くし、そしてまた、この結果をしっかりと分析をするということが大変必要なのだというふうに思っております。
そしてまた、加速化プランだけではなく、やはり婚姻数の減少というところ、ここにどのように地域少子化対策重点推進交付金を使っていただけるか、地方自治体の皆様方にもいろいろなアイディアを出していただきながら、要件を大幅に緩和いたしましたので、様々な使い方をしていただくということが大変重要になってくるのではないか、というふうに考えております。
(以上)