三原大臣記者会見(令和7年1月21日)
三原大臣記者会見要旨
(令和7年1月21日(火)11時00分から11時17分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)
1.発言要旨
冒頭、私から6件報告がございます。
まずはじめに、食べ物によるこどもの窒息・誤嚥には、保育の現場やご家庭でも十分注意していただいていると存じますが、毎年残念ながら事故が発生しております。
こうした現状を踏まえまして、事故防止のため、本日、子育てや保育に携わる皆様へ、メッセージ動画を公開いたしました。
内容といたしましては、りんご、ぶどう、パンといった身近な食べ物や、普段食べている物でも事故につながることがあり、令和5年までの5年間で、14歳以下のお子さんが55名も亡くなり、そのうち4歳以下のお子様が約8割を占めているという状況を踏まえて、改めて注意を呼びかける内容となってございます。
モニターを御覧いただきたいと思います。
<動画開始>
こどもは普段食べているものでも、事故につながることがあります。こどもの食事には…
<動画終了>
「その子に合った量や大きさ、固さに注意する」「飲み込んだことを確認する」「無理には食べさせない」などの注意が必要であります。
また、「事故防止ハンドブック」を作成しておりまして、こちらになりますが、これをご家庭で注意するポイントなども確認できるようになっておりますので、ぜひご活用をいただければというふうに思っております。
こどもの安心・安全は何よりも大切でございます。このような事故が起きないように、報道関係者の皆様にも、ぜひこうした注意喚起の周知にご協力をいただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。
詳細は、こども家庭庁成育局安全対策課にお尋ねをいただきたいと思います。
続きまして、2つ目です。本日午後、「こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム」の取組の一環として視察に行く予定でございます。
昨年11月に発足した、悩みを抱えるこどもたちが躊躇なく悩みを打ち明けられる環境などを検討するためのプロジェクトチームについては、12月に、相談窓口を運営する民間事業者等の方との意見交換を行うなど、活動を続けてまいりました。
本日は、15歳から25歳くらいまでのこども・若者に寄り添い、居場所づくりに加え、住まいや仕事のサポートなど、様々な支援を行っている「特定非営利活動法人サンカクシャ」を見学させていただくとともに、実際に居場所を利用しているこども・若者との意見交換もさせていただく予定です。
本日の視察や意見交換を通じまして、こども・若者はどのようなことに悩み、どのような思いで相談窓口や支援団体につながるのか、また相談しやすいと感じる環境や、相手との関係性はどのようなものなのか、そして、そこにいる大人がこどもの悩みをどのように受け止めようとしているのか、などにつきましてお聞きし、考えを深められればというふうに考えております。
視察・意見交換の詳細は、支援局総務課にお尋ねをいただきたいと思います。
続きまして、3件目、共生社会担当大臣としてご報告をいたします。
昨年3月26日に犯罪被害者給付金不支給裁定取消請求事件に係る最高裁判決が出され、「犯罪被害者等給付金の支給等による犯罪被害者等の支援に関する法律」において、給付金の支給対象の遺族として定められている、「婚姻の届出をしていないが、事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」に同性パートナーも含まれ得るとの解釈が示されました。
この判決を受け、「事実上婚姻関係と同様の事情にあった者」という文言と同一、または類似の文言を含む各法令の対象に同性パートナーを含むと解釈するか、先の国会でもご議論がありました。
各法令における同性パートナーの取扱いについては、各法令の所管府省庁が各制度の趣旨目的等を踏まえた上で検討を行う必要があり、内閣官房では、その方向性について、昨年の年末までに報告するよう要請しておりました。
本日配布しているリストは、各府省庁からの回答を取りまとめたものであります。
「更なる検討を要する」とされた法令の中には、個別の制度における解釈・運用における課題もある一方、法令が適用されるか否かの予測可能性を確保する観点からは、各法令での同性パートナーの取扱いについて早期に結論を得ることが望ましいと考えています。
このため、本件について更なる検討の迅速化が必要と考え、今般、各府省庁に対して、内閣官房副長官補より検討の迅速化を指示いたしました。
その際、各府省庁において十分な検討が行われるよう、3つの方針を示したところでございます。
まず1に、最高裁判決を重く受け止め、その内容を改めてよく吟味するとともに、同性パートナーも「含まれ得る」とされた法令も参考にしながら検討を加速化すること。
2つ目に、国会審議で、偏見等に基づく解釈はしてはならないなどの指摘があった点に十分留意すること。
3点目に、関連する法令がある場合は、各制度のバランスが保たれるよう、関係府省庁間でよく調整すること。以上3点です。
今後、各府省庁における検討が加速され、各法令での同性パートナーの取扱いについて、早期の結論が得られるよう、促してまいりたいと思います。
詳細につきましては、内閣官房副長官補室、または各法令の所管府省庁にお尋ねいただければと思います。
続きまして、4点目です。本日午後に「孤独・孤立対策の在り方に関する有識者会議」の第1回会議を開催いたします。
我が国において、孤独・孤立は依然として深刻な社会問題であり、単身世帯の増加等を背景として、孤独・孤立の問題が一層深刻化することが懸念されております。
こうした中、有識者の皆様から、今後の孤独・孤立対策の在り方や、新たな課題についてご意見をお伺いし、孤独・孤立対策に関する重要事項についての検討に資することを目的に本会議を開催することといたしました。
有識者会議では、昨年6月に策定した重点計画において、特に重点を置いて取り組むべき事項とされた、1、地方公共団体やNPO等への支援や、2、孤独・孤立状態の予防を目指した取組強化といった観点を踏まえつつ、対策の更なる充実に向け、専門的見地から活発にご議論いただくことを期待しております。
会議の構成員につきましては、孤独・孤立の問題に関わる各分野の有識者13名の方にご参画いただくこととしております。構成員については、お配りしている資料をご覧いただければと思います。詳細につきましては事務局にお尋ねをいただきたいと思います。
続きまして、5件目、明日22日、孤独・孤立対策担当大臣として、神奈川県藤沢市に出張し、「あおいけあ」の介護福祉施設及び「ノビシロハウス亀井野」の視察を行うことといたしました。
「あおいけあ」の施設は、介護福祉施設の役割を果たしつつも、子どもたちをはじめ、地域の方々と施設を利用する高齢者が活発に交流できる、幅広い世代の方の居場所となっていると聞いております。
「ノビシロハウス亀井野」は、多世代帯交流型のアパートであり、IoTも活用して、高齢入居者に安全・安心な住まいを提供しながら、若者の入居者から高齢の入居者への毎日の声かけや、月1回のお茶会などにより、多世代の交流の機会をつくり、高齢者と若者が支え合って生活していると聞いております。
本視察におきましては、「あおいけあ」及び「ノビシロハウス亀井野」にお住まいの方々や運営者の方々などの意見交換も予定しております。
今後、我が国では、単身世帯・単身高齢世帯の増加が見込まれ、孤独・孤立の問題の深刻化が懸念されております。
こうしたことに備えた、孤独・孤立対策の在り方が重要課題となっていると認識しております。
こうした中で、この度、先駆的な取組の現場を視察させていただき、利用者と、そしてまた運営者の双方から直接お話を伺えるということは大変有意義であると考えております。
この貴重な機会をきっかけに、考えをより一層深めて、そして今後の施策に活かしてまいりたいと思っております。
最後に、6件目、1月23日、大臣室におきまして、第2回「地域で輝く女性起業家サロン」を開催いたします。
先週1月18日には滋賀県を訪問し、第1回を開催いたしました。実際に起業して頑張っている女性、そして、これから起業しようと頑張っている女性がたくさんいることを実感するとともに、起業に伴う御苦労のほか、御自身の事業と、起業という人生の選択について、いきいきとお話をされる様子を拝見し、彼女たちを全力で応援したいという思いを新たにしたところでございます。
今回は、東京、埼玉、長野で活躍されている女性起業家に集まっていただきまして、「日本各地で女性の起業が促進されるためにはどのようなサポートが必要なのか」であるとか、「どうすれば女性が働きたいと思える地域へと変えられるのか」という点について意見交換を行ってまいりたいと思っております。
引き続き、この「サロン」の開催を重ねて、女性の起業の環境づくりに向けた知恵を結集し、必要な施策を「女性版骨太の方針2025」等に盛り込むことを目指していきたいと考えております。
詳細は、内閣府男女共同参画局にお問い合わせをいただきたいと思います。
2.質疑応答
(問)こどもの窒息・誤嚥事故の件でお伺いします。
これはローカルなニュースだったので、ちょっと一般的に広く認識されているかどうか分からないのですけども、昨年2月に福岡県みやま市で、学校給食で小学校1年生の子がうずらの卵を飲み込んで、結局窒息死するという事故が起きまして、これは12月に第三者委員会から方針が出されて、レアなケースも認識しなければいけないとか、緊急時の場合に素早く対応しなければいけないとか、という提言がなされているようです。
こうした具体事例を踏まえて、現場の方、学校・保育に限らず、現場の方にはこういう点を視点として大事に持ってほしいとか、こういう点に気をつけてほしいという、何かお考えがありましたら、お聞かせ願いたいと思います。
(答)事故につきましては承知しております。
改めて、お亡くなりになられたお子様に哀悼の意を表するとともに、ご遺族の皆様方に心からお悔やみを申し上げたいと思います。
ご指摘のように、レアケースの認識不足や緊急対応への指摘というものがなされているかは不明でありますけれども、こどもの安全・安心ということは何より大切でございます。
保育所等におきましても、このような事故は、あってはならないというふうに考えております。
保育所等におけるこどもの事故防止につきましては、以前より重大事故が発生しやすい場面ごとの注意事項等についてまとめたガイドラインというものを策定して、現場にも周知徹底を図っているところであります。
ガイドライン等で記載している注意事項につきましては、本日先ほど公開しました動画でも呼びかけを行っています。
改めて申し上げますと、こどもは普段食べているものでも事故につながる可能性があることを踏まえて、こどもの口に合った量や大きさ、硬さに注意すること、食べ物を飲み込んだことを確認すること、無理には食べさせないこと、などにつきまして、気をつけていただきたいというふうに考えております。こうしたハンドブックもしっかりとご活用いただければというふうに思います。
こども家庭庁としても、引き続き、事故防止のために、しっかりと取り組んでまいりたいと思っております。ありがとうございます。
(問)トランプ大統領の再選、まさにご年齢ではありますが、まさにスーパースターというのでしょうか、その発言や、またそれで女優出身の女性閣僚である三原先生は、トランプさんのこれをどうご覧になったのか。
それから、この方はやはりどちらかというと女性の問題とか、DEIについては後ろ向きと言われているのですが、そういうことを含めまして、期待とちょっとそういうことを含めまして、女優の目でどういうふうに見たのか伺いたいです。
(答)トランプ合衆国大統領のご就任につきましては、心からお祝いを申し上げたいと思います。
一応、大臣として発言をさせていただきますが、その上で、他国の内政につきましてはコメントすることは差し控えますけれども、内閣府としましては、例えば、理解増進法に基づく施策を着実に進めるということ。
このことにより多様性が尊重されて、性的マイノリティの方も、マジョリティの方も含めて、全ての人々がお互いの人権であるとか、尊厳を大切にして、生き生きとした人生を享受できる社会の実現に向けて、しっかりと取り組んでまいりたいというふうに思っております。以上です。
(以上)