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加藤大臣記者会見(令和6年5月17日)

加藤大臣記者会見要旨

(令和6年5月17日(金)14時15分から14時26分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

冒頭、私の方から2件報告がございます。
まず最初に、公益二法の成立についてでございます。公益法人認定法の一部を改正する法律及び公益信託法が14日の衆議院本会議で、全会一致で可決・成立いたしました。来週22日に公布される予定です。

本改正法は、公益法人制度及び公益信託制度をより使い勝手のよい制度に改めることで、民間公益の活性化を図ることを目指すものであり、与野党の賛同を得て成立したことに大きな意義があると考えております。

公益法人法は令和7年度、公益信託法は令和8年度の施行を予定しております。民間公益の活性化に向け、公益法人・公益信託の関係者を含め、広く国民の皆様からご意見をいただきながら準備に万全を期してまいります。

2件目ですが、こどもまんなか実行計画2024の策定に向けたこども家庭審議会からの意見についてでございます。

こども家庭審議会基本政策部会におきまして、こどもまんなか実行計画2024の策定に向けた審議会意見について議論がなされ、昨日、とりまとまったご意見をいただきました。この間、基本政策部会においては、昨年末のこども大綱の策定に向けた答申のとりまとめにあたり議論された具体的な施策について再確認するとともに、基本政策部会以外の各分科会・部会における議論、「こども若者★いけんぷらす」を通じた、こども・若者からの意見や地方三団体からのご意見などを踏まえまして、幅広い議論が進められ、今回の意見をまとめていただいたところでございます。

いただいたご意見をしっかりと踏まえて、総合的な見地から検討・調整を図った上で、骨太の方針に向けて、近いうちに、総理を長とするこども政策推進会議において、こどもまんなか実行計画2024を策定してまいります。詳細は、こども家庭庁にお尋ねください。

冒頭、私からは以上です。

2.質疑応答

(問)こどもの性暴力防止法案について、いくつかお伺いさせていただきます。
これまでの国会審議の中で、下着の盗撮やストーカー行為規制法違反などについても、犯歴照会の対象にするべきではないか、といった指摘がありました。
こうした国会での審議を踏まえて、こうした、現在、照会対象に含まれていないような犯罪についても、含めることができないか、ということで、署名活動も始まっています。
まず、こうした声が社会からあがっているということについて、大臣の受け止めをお聞かせいただきたいのと、対象範囲につきましては、これまでも様々な議論を経て決定したものであるということを承知しておりますけれども、今後こうしたものについても対象に含めていくような、検討するお考えはあるのか、またこれ以外にも、わいせつ目的と考えられるような犯罪行為というものは多岐にわたってあるもので、どういったものがその対象に含まれるのかというのは、ちょっと一般的にはなかなか分かりづらい部分ということもあると思うのですけれども、こちらも国会でご説明等ありましたけれども、改めてどういったものが対象に含まれるかという、どのような整理をされているのかというご説明をお願いいたします。

(答)まず、ご指摘の署名活動が行われていること等は承知をしてございます。
本法律案の対象犯罪は、それが事実上の就業制限の根拠となるものであるため、その範囲につきましては、児童等の権利を著しく侵害し、その心身に重大な影響を与える性犯罪として、人の性的自由を侵害する性犯罪や性暴力の罪等に限定をしてございます。
特定の犯罪の一部だけを抜き出して対象にしようとすると、対象となる行為がなされたか否かを誰がどのように判断するのか、またその判断についての不服申立ての手続をどのようにするのか、といった点が、別途問題となってくるため、特定の犯罪の一部だけを対象に含めることは難しく、対象の犯罪に含めるとすれば、当該犯罪類型の全体を対象にする必要があります。
この点、窃盗罪ですとか、ストーカー規制法違反の罪につきましては、犯罪の類型全体を見たときに、本法案が列挙している罪、例えば、不同意性交罪ですとか、不同意わいせつ罪、児童ポルノ禁止法違反や痴漢、盗撮といった、その類型全体自体が今回の対象として含まれ得るという、本法案が列挙しているものですね、こういった犯罪と同じ性質の犯罪であるとは言いがたいことから、本法案の対象とはしないこととしてございます。
本法律案において、確認の対象となる特定性犯罪には該当しない行為でありましても、そのことが発覚したことを端緒として、児童対象性暴力等が行われる恐れがあると認められる時は、これを防止するために必要な措置を講ずることが、本法律案によって対象事業者に求められることとなりますので、このような措置によって、適切な対応がなされるものと考えております。
対象犯罪の範囲を今後検討していくかどうかにつきましては、特定の犯罪の一部だけを抜き出して取り上げることの問題点等を踏まえつつ、適切に対応してまいりたいと考えております。
また、ここにつきましては、今後の国会審議の中でも、しっかりと伝わるように説明を重ねていきたいというふうに考えております。

(問)ありがとうございます。
追加で、今回のDBS制度の運用にあたって、初犯をしっかり防いでいくという観点からも事業所の協力というものが不可欠かと思います。
その上では、国が事業者に示すガイドラインの役割というものが非常に大きくなってくるかと思うのですけれども、そのガイドラインとして示す事項というものは、事業所内で取るべき措置であるとか、様々あると思うのですけれども、どのような内容がガイドラインとして盛り込まれるのかということを、改めて整理して教えていただきたいです。
また、いつ頃ガイドラインをどのような形で示していくお考えでしょうか。

(答)こども性暴力防止法案におきましては、児童対象性暴力等を防止するための措置を対象事業者に求めることとしておりまして、本法律案が成立した暁には、施行までに、例えば児童対象性暴力等が行われるおそれの具体的な考え方や、おそれを判断するにあたってのその判断プロセス等、また対象業務に従事させないこと、その他の児童対象性暴力等を防止するために必要な措置等について、ガイドラインを作成してまいります。
他にも取組の好事例を収集し、事業者の方々に参考にしていただけるよう展開していくことなども併せて行ってまいりたいと考えております。
ガイドラインの具体的な作成時期ですとか、お示しする方法につきましては、施行期日も未定でありまして、現時点において、具体的にタイミングをお示しすることは困難でありますが、対象事業所の準備期間にも十分配慮した上で、施行期日前のなるべく早い時期に整備をして、周知徹底をすることとしたいと考えております。

(問)ありがとうございます。
最後に一点、こどもの性被害の特徴としてもよく指摘されることではありますが、こどもがなかなか自身の被害について気付きづらいことであったりとか、気付いても声を上げづらいといったことが特徴してあるかと思います。
特に今後、こどもの声を現場で丁寧に聴いていくことにあたって、ガイドラインであるとか、その他の措置で、どのようなことを重視して行っていくようなお考えでしょうか。

(答)こどもに対する性犯罪、性暴力につきましては、「こども関連業務従事者の性犯罪歴等確認の仕組みに関する有識者会議」の報告書においても、「こどもの性的知識の未熟さや、その立場の弱さに乗じて行われ、第三者が被害に気付くきっかけをつかみにくい」などと指摘をされております。
こどもが早期に声を上げ、それを適切に聴くことができるようにするためには、このようなこどもの性被害の特性等を踏まえて、適切に対処していく必要があると考えております。
そのため、今後事業者に向けて、そのような視点やこどもの声を聴く際の留意点等を含め、参考になる情報を分かりやすくお伝えしていくように努めてまいりたいと考えております。

(以上)