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小倉大臣記者会見(令和5年9月5日)

小倉大臣記者会見要旨

(令和5年9月5日(火)10時25分から10時36分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1. 発言要旨

今日は、冒頭1点です。

本日「こども関連業務従事者の性犯罪歴等確認の仕組みに関する有識者会議」の第5回を開催しまして、私も出席をさせていただきます。

本会議は、いわゆる「日本版DBS」の制度設計の在り方について、有識者などによる議論を進めてきました。

今回は、これまでの議論を集約した上で、本会議の報告書案について議論を行う予定であります。

詳細につきましては、こども家庭庁成育局安全対策課までお問い合わせを下さい。

以上です。

2. 質疑応答

(問)DBSに関してお伺いしたいと思います。大臣は、塾やスポーツクラブに関して、先日、新聞の単独インタビューで実質的に義務化に近い規制をしたいとお答えになったということです。そして、先日、フローレンスさんとの会談の後に、フローレンス側が、実質義務化をしたいと大臣が言っていたとおっしゃっています。この発言の意図するところ、どのようにしたいとお考えなのか教えてください。

(答)基本的には、今日、正に会議が開かれて、そこで有識者会議の報告書が出されますので、その報告書で書かれていることをしっかり踏まえた上で、更に議論を深めていきたいと思っております。
その上で私の考えを申し上げれば、こどもの性被害は長期にわたって心身に有害な影響を及ぼすため、対象事業者についてはできる限り幅広く対象とすべきだと考えております。
一方で、有識者からは、学習塾等については、認可等の手続がなく、事業者の特定や監督等、適切に行うための仕組みがない、また、犯罪歴という極めて機微な個人情報を取り扱うことになるため、制度の適切な運用が確実に行えるようにしていくことが重要といった、制度上の課題の大きさも指摘されております。
その上で、有識者会議におきましては、まずは制度の適切な運用が確実に行える事業者を対象に義務化をし、学習塾等については認定制度を設けて、可能な限り認定を受けてもらえるよう働き掛けていくことで、制度の円滑かつ効果的な導入を図ることなどが議論をされております。
このような認定制度を設ける場合、例えば事業者に対しては、可能な限り認定を受けてもらえるよう働き掛けていくことや、認定を付与した塾などの事業者を国が公表して見える化をして保護者の選択に資するような仕組みにすること、さらに塾関連業界からは制度への参加を強く希望する声が表明されており、これを受けて、学習塾等に対して制度への参加を強く働き掛けていくことで、実質的に義務化と同程度の状況とすることが考えられると考えております。

(問)関連して、日本版DBSについてお尋ねします。DBSについては、初犯はもちろん照会が難しく、更に刑法犯中心になれば対象外の犯罪もあるということで、初犯者や対象外の犯罪の方への対応が鍵になるかと思います。その辺りを大臣はどのように制度上担保していくのがよいとお考えでしょうか。

(答)日本版DBSの仕組みにつきましては、正に有識者会議において、先ほども申し上げたように議論をしていただいているところであり、今日、報告書をいただく予定になっております。
その上でお答えいたしますと、日本版DBSの照会対象にならない者への対応も重要な論点だと認識しております。この点につきましては、有識者会議におきましても、「こどもの性被害を防ぐためには、犯罪歴の確認により網を掛ければ安心だというものではなく」、「日本版DBS以外の措置についても、併せて取り組む必要がある」と指摘もされております。
こども家庭庁としては、先般、「こども・若者の性被害防止のための緊急対策パッケージ」を取りまとめておりますので、引き続きこうしたパッケージの着実な実施をするために、関係省庁と連携をして総合的な対策を講じてまいりたいと考えております。

(問)去年9月に静岡県牧之原市の認定こども園のバスの中に女児が置き去りにされて死亡した事故に関して、5点質問をさせていただきたいと思います。まず、こども家庭庁が6月末に公表した調査の結果で、バスの安全装置の設置が55.1%にとどまっていたと思いますが、この事故から1年たって、こういった安全装置の設置の進捗状況についてどう評価されますか。あと、その進捗について今後の見通しを教えていただきたいと思います。3点目ですが、夏休み期間を経まして、バスの安全装置の設置が進んだ可能性もあると思いますが、今後の設置状況について再度調査を行う予定があるか教えてください。また、この設置を促すためのこども家庭庁としての方策をお聞きしたいと思います。最後に、まだ暑い日もこれから続くと思いますが、まだ設置を終えていない園に対して、メッセージや呼びかけがあれば教えていただければ思います。

(答)まず、静岡県牧之原市の認定こども園におきまして、送迎用バスに置き去りにされた園児が亡くなるという大変痛ましい事案から今日でちょうど1年となります。
改めて、亡くなられた園児の御冥福を心からお祈りを申し上げたいと思います。また、大切な御家族を亡くされてから1年たってもなお悲しみに暮れておられる御家族の皆様方に、心よりお悔やみを申し上げたいと考えております。
1番目と2番目の質問でございますが、6月に安全装置の装備の義務付け対象となっております施設の送迎用バスの約55.1%が6月末までに装備を完了する予定であるとの結果を公表しました。
6月以降、装備の進捗状況の調査は行っておりませんが、自治体や施設によっては独自に装備状況の調査や公表を行っているところもあり、8月末時点で約95%完了予定と公表している県、山口県でありますが、そういった県もございます。
年度内には、義務付け対象なっている全ての施設・事業で安全装置を装備する必要がありますので、各施設におきましては可能な限り早期に装備していただきたいと考えております。
3点目であります。今後の調査につきまして、遅くとも年末までには、自治体や施設の負担も考慮しながら、全国的な整備状況を調査することを検討していきたいと思っております。
4点目であります。安全装置の導入を促進するための方策でありますが、各自治体は、前回の調査を踏まえまして、かなり精力的にこの安全装置の導入について取り組んでいただいていると思います。
昨年度から、安全装置の導入については実質無償化の措置を講じておりまして、本年6月には、自治体や施設等における装備予定・状況等の積極的な公表等を促す通知を発出するとともに、関係業界にも協力を依頼するなどの取組を行ってまいりました。
また、本日、こども家庭庁から自治体に対しまして、安全装置の装備状況をホームページで公表している県の事例を周知したところであり、引き続き自治体や関係業界との連携を強化してまいりたいと思っております。
最後に、メッセージでありますけれども、それぞれの施設の関係者の皆様方は、こどもの大切な命を預かっているという責任感と使命感を持って日々業務に取り組んでいらっしゃると思います。是非この使命感をもう一度振り返っていただいて、しっかりとこどもの安全を守っていただきたいと思っております。
安全装置の装備が完了していない施設・事業者に対するメッセージでありますけれども、置き去り事案の危険性を今一度認識していただいて、まずは早期に装備が完了するよう改めてお願いをしたいと思います。
また、安全装置はあくまでもヒューマンエラーを補完するためのものですから、乗降者の際に点呼や目視などにより、こどもの所在確認を徹底すること、装備が完了するまでの間は、運転席に確認を促すチェックシートを備え付けるとともに、車体後方にこどもの所在確認を行ったことを記録する書面を備えるなどの代替措置を徹底すること、最後に、安全管理マニュアルを活用して職員の意識啓発を図るなど、事故防止対策を徹底するようお願いしたいと思います。
加えて、こども家庭庁としても、今、申し上げたような様々な施策に加えまして、本年度から見落としなどによる園児の事故を防止するための支援員の配置を支援しておりますので、このような事業も積極的に御活用いただいて、対策をそれぞれの施設において進めていただきたいと考えております。
以上です。

(以上)