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小倉大臣記者会見(令和5年7月4日)

小倉大臣記者会見要旨

(令和5年7月4日(火)11時20分から11時35分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1. 発言要旨

今日は冒頭3点ございます。

まず1点目。令和5年6月13日に閣議決定されました「こども未来戦略方針」におきましては、こども・子育て支援のための新たな特別会計、いわゆる「こども金庫」を創設し、また、企業を含め社会・経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で広く負担していく新たな枠組みであります「支援金制度(仮称)」を構築し、その詳細について年末に結論を出すこととされております。

これを踏まえまして、「支援金制度」の構築及び「こども金庫」の創設について検討するため、本日付でこども家庭庁長官官房に新たに支援金制度等準備室を設置することとしました。室長には熊木正人内閣官房内閣審議官を充てることとし、支援金制度等準備室の規模は、室長以下非常勤の室員も含め20名程度となります。

「こども未来戦略方針」においては、「加速化プランの具体化と併せて、予算編成過程における歳出改革等を進めるとともに、新たな特別会計の創設など、必要な制度改正のための所要の法案を2024年通常国会に提出する」とされておりまして、この方針に従いまして、こども家庭庁の下で、今後、年末までの間に具体的内容を検討していくことになります。

2点目です。夏休みにおいて、こどもたちにこども家庭庁のことをより身近に感じていただく機会を用意するため、こども家庭庁の大臣室開放イベントと、「こども霞が関見学デー」におけるこども家庭庁の体験イベントを実施いたします。

まず、7月31日から8月25日までの4週間、霞が関ビル内のこども家庭庁に設けております大臣室を開放しまして、応募いただいた御家庭の方々に大臣室を訪問いただき、こども家庭庁の業務を学ぶ機会や大臣体験をしていただく機会を設けさせていただきます。詳細につきましては、今日7月4日から、こども家庭庁のホームページでお知らせいたします。10日月曜日17時から先着順で募集を開始いたしますので、是非応募いただければありがたく思います。

また、8月2日及び3日の「こども霞が関見学デー」では、こども家庭庁として「こども基本法」をクイズ方式で一緒に学ぶ機会や、伊藤忠商事とのタイアップによる、大人がこどもになって世界を見る体験型展示「体験!「こどもの視点」」などを実施する予定です。こちらも詳細につきましては、今日7月4日から、こども家庭庁のホームページでお知らせいたします。

「こども霞が関見学デー」のイベントにつきましては、事前の応募は不要ですので、是非当日興味を持って御参加いただけるとありがたいと思います。詳細につきましては、こども家庭庁の担当課までお問い合わせください。

最後の3点目になります。こども・若者の性被害防止に関するヒアリングの実施についてです。今日の13時20分より、「性犯罪・性暴力対策強化のための関係府省会議」及び「こどもの性的搾取等に係る対策に関する関係府省連絡会議」の3回目の合同会議を開催しまして、前回に続いて有識者等からのヒアリングを行いたいと考えております。

こどもや若者の性被害防止のために、実効性のある強化策を検討していくためには、有識者や支援者などの御意見を伺うとともに、被害に遭われた当事者の方々の声も含め丁寧にお聞きしながら議論を進める必要があると考えております。

2回目のヒアリングとなります本日の合同会議では、こども・若者の性暴力被害に係る医療的な支援、心理的な支援、男性の性暴力被害といったテーマにつきまして、有識者の方々から御意見を伺う予定となっております。

今回も、ヒアリングを通じて、こどもや若者の性被害を巡る現状や課題をしっかりと把握し、実効性ある強化策をお示しできるよう、検討を進めてまいりたいと思っております。

本日の会議につきまして、詳細は男女共同参画局及びこども家庭庁にお問い合わせいただければと思っております。

冒頭発言は以上となります。

2. 質疑応答

(問)準備室について、年末までに議論を進めるとしていますが、もう少し具体的に、いつからその議論を始めるか、オープンな形で会議をされるかなど、決まっていることがありましたら教えてください。

(答)オープンな形で会議を立ち上げるかどうかにつきましては、現時点では考えておりません。むしろ、今、申し上げた準備室の下で、実務的に来年の法案提出に向けて作業を行うことを考えております。

(問)支援金制度の準備室について、幹部人事を見ますと、厚労省から3人が幹部として準備室に配置されていると思いますが、改めてこの狙いや、こども家庭庁に準備室を設置する意義をどのようにお考えになっているかお聞かせください。

(答)まず、特別会計を創設する意義について、「こども未来戦略方針」にも書かれておりますが、既存の特別会計等の事業を統合しつつ、こども・子育て政策の全体像と費用負担の見える化を進めるために、新たな特別会計を創設するものと承知しております。正にこども家庭庁がこども政策の司令塔機能を担うわけでありますから、今申し上げた全体像と費用負担の見える化を進める、これをこども家庭庁の下で行う意味は非常に大きいものがあるのではないかと考えております。
人事につきましては、当然、厚労省からも多くの優秀な人材をお迎えする予定でありますが、厚労省に限らず財務省あるいは総務省からも人を出していただく予定であります。特別会計の仕組みなどに詳しい人材を、それぞれの省庁からそれぞれの省の御理解をいただきながら集めることができたのではないかと考えております。

(問)G7の男女共同参画担当相の会合の件について、幾つか尋ねさせてください。まず、唯一の男性だったということで、改めてどう振り返られますか。それについて報道等で反響が幾つかありましたが、どう受け止めていらっしゃいますか。また、男性がジェンダーについての問題を担当する意義について、お聞かせいただけないでしょうか。

(答)6月25日の議長記者会見でも申し上げたとおり、我が国の政治分野における女性の進出は、国際的に見れば取組に遅れが見られることは事実でありまして、これについては謙虚に受け止める必要があると考えております。
他方で、例えば自民党から今後10年間で女性議員を3割まで引き上げるという方針が示されたことも含め、足元で我が国も動き出している状況にあると考えておりまして、G7男女共同参画・女性活躍担当大臣会合におきましても、こうした我が国の状況について説明させていただき、各国から御理解いただいたと考えております。
また、本件の記事の中には、御指摘にもありました男女共同参画・女性活躍担当大臣会合に男性大臣が参加することの是非について言及するものがあったと承知をしております。これも記者会見の中で申し上げたと思いますが、今回の会合の参加者の間では、男女共同参画は女性だけが主張しても実現せず、男女共同参画について非常に熱意を持つ男性のリーダーと一緒になって行動を起こさなければ実現しないものだという共通の認識があったと考えております。
UN Womenにおきましても、全てのジェンダーの人々がつながり、共に責任を持ってジェンダー平等を推進するムーブメントであります「HeForShe」という取組が長年実施されており、ジェンダー平等の実現に向けては男性による取組も重要であるということは、G7のみならず国際社会共通の認識だと考えております。
第2次安倍内閣以降、男女共同参画担当大臣の大半は女性が務めており、男性の担当大臣は私を含めて3人のみでありますが、この10か月ぐらい男女共同参画担当大臣として仕事をさせていただいて、今申し上げたことの意義は、個人的にも大きなものがあると考えております。
日光会合におきましては、男性だからこうとか、女性だからこうといった固定的な観点を持たずに、また、特にどの国が遅れているとか、どの国の取組が不足しているという観点ではなく、むしろどの国も真のジェンダー平等は実現し得ていないという共通認識の下で、どうすれば真のジェンダー平等にお互い近づくことができるかという観点から、また、それぞれの国の取組を紹介することでベストプラクティスは何かといったことを考える観点から、真摯に意見を述べ合い、建設的な議論ができたと感じております。
そうした建設的な議論の結果につきましては、日光声明として数多くの合意を取りまとめることもでき、参加者の皆様から高い評価をいただいたものと受け止めております。是非、この日光声明の中身そのものについても御覧いただけるとありがたいと思っております。

(問)昨日の「トー横」視察について伺います。昨日、大臣から、こども・若者を一時的に受け入れる支援団体の実態調査を今月から始めるとのお話がありました。調査の終わった後に取りまとめたものは、いつ頃に出すつもりでしょうか。また、改めて、昨日視察をした後に大臣自身はどのようなことを感じられたか、教えていただけますでしょうか。

(答)まず、昨日発表させていただきました実態調査、実態把握の結果の取りまとめにつきましては、今年度の事業で行いたいと思っておりますので、そう時間がかかるものではないと思っておりますが、現時点でいつまでに取りまとめるという決まった予定はございません。できる限り早く実態把握に努めたいと思っておりますし、昨日申し上げたように、実態把握に基づいて、こどもたちが一時的でも寝泊まりできるような場所の確保も含め、何か新たな政策を打ち出せないか、事務方に検討を指示したところであります。
私自身の感想でありますが、やはりこどもや若者たちの大人に対する不信感が非常に多かったように感じます。そういったこどもや若者たちに対して、上から目線で何か指導をしたりするのではなく、むしろ彼らの悩みや思いを大人の側がしっかり受け止めて、彼らの本当の気持ちを引き出して、解決できないような悩みもたくさんあるかもしれませんが、少しでも解決や改善につながるような方策を一緒に導き出していけるような大人の存在が必要なのではないかと思っております。
既にこども食堂等でこどもの居場所の確保をしてくださっているNPOの方はたくさん、歌舞伎町に限らず全国で活動をしていただいていると思いますが、そういった場所を単に確保するだけではなく、こどもたちがその場所に集うことによって彼らの悩みを打ち明けることができ、そしてその中で一人でも多くのこどもや若い人たちをつながりや支援につなげていけるような場をつくる必要があるのではないかと思っております。
当然、国の行政の中でも児童相談所等、そういったこどもたちの居場所として、様々な困難に直面するこどもや若い人たちに提供している場所はありますけれども、児童相談所と既存の仕組みをどのように組み合わせれば、よりこどもや若い人たちが安心して悩みを抱えた場合でも集まることができるのかといった視点から、政府としても東京都をはじめとする先行してやっていただいている自治体と協力しながら検討していく必要があるように感じました。

(問)準備室の関連で、先ほど所要法案を通常国会に提出するとおっしゃりましたが、どのような法案が想定されるでしょうか。新法なのか、既存の法律で絡むものがあるのか、具体的な法案の名前があれば教えてください。

(答)冒頭申し上げたとおりです。「こども未来戦略方針」において、所要の法案が2024年通常国会に提出されるとされております。この方針に沿って、正に年末までの間にこども家庭庁の下で具体的な内容を検討していくことになりますので、先ほど言った点も含めて、法案の具体的な中身については今後の議論の中で決まっていくものと考えております。

(以上)