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加藤大臣記者会見(令和5年9月29日)

加藤大臣記者会見要旨

(令和5年9月29日(金)11時36分から11時46分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

まず、冒頭に私のほうから、こども大綱の策定に向けた審議会答申の中間整理の公表等につきまして発言申し上げます。

こども大綱、そして幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なヴィジョン、こどもの居場所づくりに関する指針につきましては、4月に総理からの諮問を受けて、こども家庭審議会で議論を進めてきました。

今般、審議会におきまして、これらの答申の中間整理が取りまとめられ、また素案が提示されましたので御報告いたします。

こども大綱に向けた中間整理については、こども大綱が目指すこどもまんなか社会とは具体的にどのような社会なのか、こども・若者の目線で描いたり、また政策に関する重要事項をこども・若者に分かりやすいよう、こども・若者のライフステージごとに提示したりと、こどもまんなか社会の実現にはこども・若者の視点が最も重要であるという観点から取りまとめられています。

幼児期までのこどもの育ちに係る基本的なヴィジョンの中間整理は、こどもの初めの100か月の育ちの羅針盤となるよう、身近な大人がこどもに寄り添うアタッチメント、愛着を土台として豊かな遊びと体験を応援することや、様々な人がこどもの育ちを支える環境や社会の厚みを増すことなどの基本的な考え方が5つのヴィジョンとして示されてございます。

こどもの居場所づくりに関する指針については、誰一人取り残さず、こども・若者の視点に立った多様な居場所づくりが行われるよう、こどもの居場所づくりを進めるに当たっての基本的な考え方や視点等について記載した指針の素案が提示されてございます。

これらの中間整理、素案については本日よりパブコメを開始いたします。

また、こども大綱に向けた中間整理については、こども・若者や子育て当事者などから直接意見を聞く様々な取組を行います。当事者目線に立ったこども大綱を、こども・若者や子育て当事者の皆さんと一緒につくっていきたいと思っておりますので、是非御意見をお寄せいただければと思います。

詳細につきましてはこども家庭庁までお問い合わせください。

冒頭発言、もう一つテーマがございまして、つながりサポーターの養成につきましてです。

孤独・孤立対策の一環として今後「つながりサポーター」の養成に取り組んでまいります。

つながりサポーターは、孤独・孤立対策官民連携プラットフォームにおける検討成果であり、声を上げやすい、声をかけやすい社会に向けた取組の一つと位置づけられております。

つながりサポーターは、各地域において孤独・孤立を抱える人からの相談を受ける立場になり得る一般層を広く対象とすることを想定しております。一定の養成カリキュラムを受講いただき、孤独・孤立問題の現状や、どのような支援ができるかなどを理解いただくことで身近な人の悩みに気づき、支援までつなぐ役割を期待しております。

10月中旬頃より、サポーター養成のカリキュラム作成等に係る調査研究を実施します。同調査研究の中で、有識者・相談業務を行うNPO・自治体の方などにより構成する検討会を立ち上げ、養成カリキュラムの構成や、使用するテキストの内容などについて検討を行い、それに基づきまして数か所でカリキュラムを試行していく予定でございます。その試行の状況を踏まえまして、更なる本格実施に向けた取組を行う予定でございます。

詳しく担当部局までお尋ねをいただければと思います。

冒頭は以上になります。

2.質疑応答

(問)こども大綱の策定に向けた審議会答申の中間整理がまとまったとのことで、まず大臣の受け止めと、内容で特に特徴的なところがあればお聞かせください。

(答)こども大綱、審議会答申の中間整理についてですね。
まず私の受け止めとしてですが、今回の中間整理は、こども家庭審議会において、若者や子育て当事者の委員からも多くの御意見をいただきながら取りまとめられたものと承知しております。
特徴的な点として、まず、目指すこどもまんなか社会の姿がこども・若者の目線で描かれているということ。
それから基本的な方針としましては、こども・若者が権利の主体であることが明示されているとともに、こどもや若者、子育て当事者とともに考えていくとされていること。少子化対策について若い世代の意見に真摯に耳を傾け、その視点に立って進めることが明確に打ち出されていること。
それから、特徴的な点として3つ目ですけれども、政策に関する重要事項について、こども・若者の目線で分かりやすく示すため、こども・若者のライフステージごとにすごく分かりやすく提示されているということ。
特徴の4つ目としては、こども大綱の下で具体的に進める施策について、こどもまんなか実行計画を策定し、毎年改定を行い、骨太方針や各省庁の概算要求等に反映するという新たな枠組みが提案されているということが挙げられると考えております。
こういった様々なこども政策の進め方や方針について、新たに明確に打ち出されているものが多くございますので、今後これをしっかり受け止めながら、そういったものがしっかり示されているというか、整理されていると受け止めております。今後行われるこども・若者、子育て当事者から意見を聞く取組を通じて、こうした内容が更にブラッシュアップされることを期待しております。

(問)中間整理の案について、こども・若者の意見を聞くということなんですけれども、その取組をどのように進めるのかということを伺わせていただけますでしょうか。

(答)ありがとうございます。
こども・若者の意見を聞くという取組をどのように進めるのかという御質問でありました。
中間整理につきましては、先ほど申し上げたとおり、こども・若者・子育て当事者の皆様から意見を聞く取組をしっかりと行ってまいります。幅広い方々から御意見をいただけるよう、こども・若者・子育て当事者の一般の方に対するオンラインの公聴会ですとか、パブリックコメント、各団体へのヒアリング、また要望、児童養護施設等に出向いての意見聴取など様々な取組を行ってまいります。
皆様の御意見も率直にお伺いしながら、更に当事者目線に立ったこども大綱を皆様とともにつくり上げてまいりたいと思いますので、御意見をお寄せいただければと思います。

(問)いわゆる内密出産についてお伺いします。東京都墨田区で赤ちゃんポストが設置されるとの報道がされています。この点について、大臣としての所感を教えてください。また、一般論として、赤ちゃんポストであったり、内密出産についてどのように考えているかを教えてください。

(答)御指摘の報道があったことは承知してございます。
いわゆる赤ちゃんポストや内密出産については、こどもの出自を知る権利ですとか、母子の福祉に関して様々な課題があると承知しております。こども家庭庁としては、この点については引き続き状況を注視していきたいと考えております。
また、どのように考えるかという御質問でございますけれども、いわゆる赤ちゃんポストにつきましては、こどもにとって出自が分からない形で預けられることですとか、自宅等での母子ともに危険な出産が前提になることから、赤ちゃんポストのような方法を推奨していくということではなくて、そもそもこどもの遺棄、置き去りを未然に防止するため、子育てや予期せぬ妊娠に悩む方が早期に相談できる、その手前のところで早期に相談できる体制づくりが重要であると考えております。
予期せぬ妊娠をした方々も含め、様々な状態にある妊産婦の方々が安心して出産できるよう妊産婦の皆様等への支援の充実に取り組んでまいりたいと思います。

(以上)