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小倉大臣記者会見(令和5年6月16日)

小倉大臣記者会見要旨

(令和5年6月16日(金)11時02分から11時17分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1. 発言要旨

おはようございます。冒頭に4点ございます。
まず、令和3年12月に閣議決定された「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」におきまして、「教育・保育施設等やこどもが活動する場等において働く際に性犯罪歴等についての証明を求める仕組み」、いわゆる日本版DBS「の導入に向けた検討を進める」としております。

こども家庭庁においては、これまで検討チームを設置した上で、職業選択の自由やプライバシー権との関係を含む法的論点の整理や、証明のための具体的な手続やシステムの在り方等について検討を進めてきたところであります。

このたび、検討を更に加速化させるため、学識経験者及び実務者等の参集を求め、「こども関連業務従事者の性犯罪歴等確認の仕組みに関する有識者会議」を開催することといたしました。

第1回目は、6月中を目途に開催する予定であります。構成員につきましては、こども家庭福祉や児童心理関連・法学の有識者、保護者代表、地方団体等を念頭に、現在調整を進めているところであります。

会議におきましては、日本版DBS制度の必要性、制度設計における留意点、論点整理について議論していただくことを予定しております。

今後、関係者や有識者の意見を伺いながら丁寧に議論を進めていく必要はありますが、可能であれば、次の国会での法案提出を目指して検討を進めてまいりたいと考えております。

詳細につきましては、こども家庭庁成育局安全対策課までお問い合わせください。

続きまして2点目です。こどもや若者から意見を聴き、政策に反映する「こども若者★いけんぷらす」事業の運営に参加いただくべく、こども・若者の運営チームがこの度発足し、18日、今度の日曜日に初会合を開催することになりました。私自身も参加いたしまして、メンバーの皆さんと意見を交わす予定であります。

中学生から20代の若者までの21名に、運営チームのメンバーとして参加いただきます。チームの名称ですが、「みんなのパートナー ぽんぱー」となりました。これは運営チームのメンバーのこどもや若者が自ら議論したもので、「みんなのパートナー」は事業に参加するこどもたちの代表ではなく対等な関係であること、参加するこどもたちに寄り添う存在であることを示す言葉、また「ぽんぱー」ですけれども、ポンプのように意見をくみ上げていく役割をイメージさせる言葉を組み合わせて、こどもや若者たちにより命名されたものであります。

現在、こども・若者の意見を聴きたいテーマといたしまして、こども家庭庁自身の政策テーマに加えまして、各府省庁からも、いじめ・不登校対策などの悩みを抱えるこどもへのアプローチの方法、女子中高生の理工系進学を阻害する要因、日本の食の今後の在り方、環境問題に関する課題意識など、合わせて20件以上のテーマが寄せられております。

今後、「みんなのパートナー ぽんぱー」の皆さんが、各府省から集まったテーマやこども・若者が設定するテーマの実施に向けた検討・企画、こども・若者向けの情報発信などについて、こども家庭庁とともに取り組んでまいります。

7月下旬には、第1弾のテーマについて意見交換会を開催する予定です。テーマに応じて、アンケートや対面、オンライン、SNS等の手法を組み合わせてまいりたいと考えております。

年齢や地域も様々な「みんなのパートナー ぽんぱー」の皆さんとともに、多様なこども・若者に参画いただける「こども若者★いけんぷらす」にしていきたいと考えております。

詳細につきましてはこども家庭庁にお問い合わせください。

3点目、男女共同参画・女性活躍担当大臣として御報告いたします。
本日の閣議において、「令和5年版男女共同参画白書」を決定いたしました。本年度は「新たな生活様式・働き方を全ての人の活躍につなげるために~職業観・家庭観が大きく変化する中、『令和モデル』の実現に向けて~」を特集テーマとしております。

今回の特集では、様々なデータを用いて、家事・育児等の無償労働時間が女性に、仕事等の有償労働時間が男性に偏っている現状を示しつつ、一方で、若い世代を中心に、理想とする生き方が変化をしており、女性は職業面での活躍に、男性は家事・育児等への参画に高い意欲があることを明らかにいたしました。

その上で、若い世代が、理想とする生き方・働き方を実現できる社会を作ることこそが、今後の男女共同参画社会の実現に向けて重要であること、家族の姿が変化し、人生が多様化する中、生活様式や働き方に対する人々の意識が変わっている今こそ、男性は仕事、女性は家庭の「昭和モデル」から、全ての人が希望に応じて家庭でも仕事でも活躍できる社会、まさに「令和モデル」に変革する時であることを指摘しております。

この白書が国民の皆様に広く参照され、我が国の男女共同参画の現状や取組への理解・関心を深めていただく一助となれば幸いに感じております。
詳細につきましては、内閣府男女共同参画局までお問い合わせください。

最後、4点目です。来週6月20日火曜日に、第7回「孤独・孤立対策推進会議」を開催する予定でありますので、お知らせいたします。

この推進会議は、孤独・孤立の問題について、政府全体として対策を検討し、推進するために開催するものです。今回の会議では、孤独・孤立対策推進法などの孤独・孤立対策の取組や来年度予算概算要求について議題とする予定であります。

孤独・孤立の問題への対応に当たりましては、各府省庁のあらゆる政策に孤独・孤立の視点を入れていただきながら政府一体となって取り組んでいく必要があると考えております。政府の孤独・孤立対策をより一層推進するため、会議の議長として私自身も有意義な議論の場となるよう努めてまいりたいと思います。

詳細につきましては孤独・孤立対策担当室までお問い合わせください。

以上です。

2. 質疑応答

(問)第1点目のDBSの関係で伺います。まず、こちらの会議の名称が決まっていれば教えていただけますでしょうか。また、来年の通常国会に提出を目指すとのことですが、成果物はどのようになるのか、最終的に報告書、提言書をまとめるのでしょうか。合わせて、会議は合計何回開催する予定なのか教えてください。

(答)会議の名称は、今申し上げた「こども関連業務従事者の性犯罪歴等確認の仕組みに関する有識者会議」であります。今後の進め方につきましては、先ほど申し上げたように、丁寧に議論を進めていく必要がありますので、可能であれば、次の国会での法案提出を目指して検討を進めてまいりたいと考えておりますが、いつ、どのような形でアウトプットを出すのか、それまで何回ほど会議を開催していくのかについては、現在調整中であります。追って、皆様方にもお知らせしたいと思っております。

(問)もう1点、「こども未来戦略方針」が13日に発表されましたが、こちらに副議長として議論に携わられて、大臣としての御所感を伺えますでしょうか。

(答)「こども未来戦略方針」の所感ということであります。
今回の「こども未来戦略方針」のポイントは、第一に、経済成長実現と少子化対策を「車の両輪」とした大きなパッケージを実行すること、第二に2030年までがラストチャンスであることを踏まえて、3兆円半ばの規模を確保すること、第三に、同じく2030年代がラストチャンスであることを踏まえて、3月末の私の試案から高等教育の更なる支援拡充等を更に前倒しするなどスピード感を重視したものであること、であると考えております。
第一のポイントにつきましては、私が3月末に取りまとめた試案の施策はいずれも抜け落ちることなく具体化され、更に充実したものであると思っておりますし、第二のポイントにつきましては、これにより、既に御案内のとおり、こども一人当たりの家族関係支出で見て、OECDトップ水準のスウェーデンに達する水準となり、大きな前進をもたらすものと考えております。第三のポイントであります、私の所管をするものでありますけれども、「こども大綱」の中で具体化する貧困、児童虐待防止、障害児・医療的ケア児に関する支援策について、今後の予算編成過程で施策の拡充を検討することといたしております。
「こども未来戦略方針」の中での柱の一つであります、児童手当のかつてない大幅な拡充、あるいはこども誰でも通園制度の創設、さらには保育士の配置改善、こういった私の所管する様々な政策につきましても、合わせて、こども政策担当大臣として、この方針に盛り込んだものができる限り早く実現できるように、引き続きしっかりと取り組んでまいりたいと考えております。

(問)冒頭のDBS法案に関してお伺いします。次の国会というのは、仮に秋に臨時国会があれば、そちらも目指していくという意味でよろしいのでしょうか。また、法学というのは、例えば刑法などの分野を想定しているのかということと、こどもに従事する仕事の範囲は、例えば塾やボランティア等の民間の人も想定されると思いますが、こういった範囲についても検討されていくか教えてください。

(答)まず1点目ですけれども、臨時国会が開かれるかどうか分かりません。開催されるかどうか、我々政府の立場からコメントすることはできませんけれども、御指摘のとおり仮に臨時国会が開催されるとすれば、臨時国会を目途として、できる限り、可能であれば法案提出を目指していきたいと考えております。
メンバーでありますけれども、今打診をし、調整をしているところですので、具体名は申し上げることはできませんが、御指摘の刑法だけではなく、民法、憲法、労働法、こういった方々にも御参加をいただきたいと思っておりますし、子育て関連あるいは児童心理、児童虐待防止の専門家や、地方団体あるいはPTAの方々、そういった保護者の方々もこの検討会に入っていただいて議論していただきたいと思っております。
議題につきましては、当然、どういった職種をターゲットにするかというのは大きな論点の一つになるのは間違いないとは思いますが、先ほど申し上げたように丁寧に議論を進めていきたいと思っておりますので、この会議の進め方自体につきましては、余談を持ってお答えするのは控えさせていただきたいと思います。

(問)今のDBSの話ですけれども、法案提出とおっしゃいましたが、これは新法ということでよいかということと、昨日総理が今国会で解散をしませんと発言したことに関して、もし受け止めがあればお願いします。

(答)まず1点目ですけれども、正に有識者、先ほど申し上げたように、刑法から労働法、民法、憲法に至るまで様々な法学者の方にも入っていただいて議論する予定であります。どういった法律の形になるかにつきましては、そういった有識者の皆様方の御意見も踏まえながら、今後考えていきたいと思っております。
2点目につきましては、解散は総理の専権事項でございますので、私の立場から申し上げるのは控えさせていただきたいと思っております。

(問)日本版DBSについてお尋ねします。法案提出ということであれば、今想定されている制度の大枠がもしあればお尋ねします。これから議論なので難しいということであれば、今大臣が考えておられる課題感はどういうものにあると思われるか、お聞かせください。

(答)これは冒頭で申し上げたことでありますし、委員会の答弁の場でも繰り返し申し上げたところであります。
正に職業選択の自由や、プライバシー権との関係を含む法的論点の整理をどうしていくか、あるいは証明のための具体的な手続やシステムの在り方等についてどうすべきか、これが非常に大きな論点になるのではないかと考えておりますし、これまでも、私どもの令和5年度予算におきまして調査研究事業を進めてまいりました。
そこでは、海外で同様の取組をしているところの制度調査や、先ほど申し上げた論点との関係で、情報システム関係の調査といったものを続けてまいりました。今、申し上げたことが土台になって、今後有識者の先生方との間で議論を更に重ねていくことになるのではないかと考えております。

(以上)