三原大臣記者会見(令和7年3月28日)
三原大臣記者会見要旨
(令和7年3月28日(金)11時30分から11時41分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)
1.発言要旨
冒頭、私から3件ご報告がございます。
本日、厚生労働省より令和6年の自殺者数の年間確定値が公表され、小中高生の年間自殺者数は529人と過去最多となりました。こども政策担当大臣として、改めて痛恨の極み、自責の念に堪えません。
1月末、暫定値の公表後に、直ちにこども・若者の皆さんに向けた緊急動画メッセージの配信ですとか、関係省庁連絡会議を開催して、緊急強化プランの総点検と更なる対策の検討を指示し、加えて、今月初めに関東学院の中高生を対象に「深い悩みを持った友人への寄り添い方を学ぶワークショップ」の開催をするなど取り組んでいるところでございます。
今週、3月24日には、長野日本大学高等学校の生徒と関係者の皆様にお越しいただきまして、1月に実施したワークショップ後の日常生活での気づきですとか、抱える悩み・不安、また学校側の取組などのお話も伺いました。これらを次年度以降の自殺対策に活かしてまいりたいというふうに考えております。
さらに、自殺対策白書によれば、未遂者への支援強化が大変重要であります。自殺未遂者と家庭を保健・医療・福祉・教育の各機関が連携して、地域で包括的に支援する体制の構築に向けて、次年度新たに調査研究を行う予定としております。
なお、本日の自殺者数の年間確定値の公表を受けまして、これまで発信した「緊急メッセージ動画」を再度公開いたしたいと思っております。報道関係者の皆様におかれましては、改めて周知にご協力を何卒よろしくお願いしたいと存じます。
こどもが自ら命を絶つことのない社会の実現に向けて、こども政策担当大臣として先頭に立って、政府一丸となって取り組んでまいりたいと思っております。
続きまして、30日、「こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム」の取組の一環として、「『安心して相談できる』って何だろう?」というテーマで、小・中学生との意見交換会を実施したいと思います。
昨年11月に発足しました本プロジェクトチームでは、こどもが安心して悩みを打ち明けられる環境づくりとして、大人に求められる対応などを明らかにするため、相談窓口を運営する事業者の皆様との意見交換ですとか、若者の居場所づくりを行う団体の視察、あるいは利用者の皆さんとの意見交換を行っております。
今回は、小学校の5年、6年生、そして中学生、合わせて10名のこどもたちと意見交換をさせていただく予定としております。
今回の意見交換を通じて、自分の悩みを相談することについてどう考えるのか、ですとか、大人にどのような声かけや対応してほしいと思っているのか、また相談しやすいと感じる環境や相手との関係性はどのようなものなのか、などについて、こどもたちから率直な思いや考えをお聞きして、理解を深められればなというふうに考えております。
併せて、プロジェクトチームにおきまして、これまで行ってきた意見交換等で相談事業者などからお聞きしたことにも触れつつ、こどもたちの視点から様々なご意見を伺いたいと考えております。意見交換会の詳細は、支援局総務課にお尋ねいただきたいと思います。
そして、最後3つ目です。令和7年度「若年層の性暴力被害予防月間」の実施についてお知らせしたいと思います。
本月間のポスターはこちらでございます。「イヤだった でも何も言えなかった その時こころは、NOだと言った。」というキャッチコピーで作成いたしました。
同意のない性的な行為は性暴力であることをイメージしやすく分かりやすい言葉で届け、被害に遭った方が相談しやすい環境を作るとともに、性暴力に対する理解を社会全体に広げ、誰もが加害者にも傍観者にもならないようにしていきましょう、というメッセージを込めたものであります。
4月というのは、入学、就職等に伴い、若年層の生活環境が大きく変わる時期であります。被害に遭うリスクも高まると考えられます。
このため、政府では毎年4月を「若年層の性暴力被害予防月間」と位置づけ、性暴力防止の啓発や相談先の周知などに取り組むこととしております。
内閣府では、このポスターに加え、啓発動画も作成しており、本月間において、ポスターや動画を活用し、関係省庁や都道府県とも連携して、広報啓発活動を集中的に実施していきたいと思っております。
週明け31日には、性暴力の防止について一緒に考えていただく動画の公開も予定しております。
実際に若者の声をインタビューで集め、それらの声をもとに、タレントのバービーさん、カップルYouTuberの「チャップルわたくん」、インティマシー・コーディネーターの西山ももこさんが、どういうものが性暴力なのか、性暴力を防ぐために、どのような社会になっていけば良いのかを話し合う番組形式の動画となっておりますので、ぜひ多くの方に見ていただきたいと思います。
また、被害に遭ったときの相談先を知っていただくことも重要であります。
私も1月に、ワンストップ支援センターで相談対応にあたっている方々と直接お話をさせていただき、10代などのこども・若者からの被害相談が多くなっていることなどを伺いました。
改めて、被害に遭われた方が、ためらうことなく相談できる環境づくりと、相手の同意のない性的な行為は性暴力であり、許されないということのさらなる啓発の重要性を実感いたしました。
性犯罪・性暴力の相談は、電話なら、性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター、♯8891「はやくワンストップ」、そしてチャットで相談するときには、「Cure Time(キュアタイム)」まで、安心して相談していただきたいと思います。
本月間を通じて、性暴力の根絶を目指し、若い方々を中心に性暴力被害のない社会をつくっていくことについて、みんなで考えるきっかけとしていただきたいと思います。
ぜひ皆様の御協力をお願いしたいと思います。
2.質疑応答
(問)自殺者数の関係で、改めて、この人数について、もう少し受け止めを伺えますでしょうか。
(答)小中高生が、こうした形で過去最多となりました。
細かく見ますと、19歳以下の女性が前年から約13%増加したということであります。
動機別原因ということで見れば、学校問題ということも増加しているというところであります。
私達も特に自殺未遂の方が、その後に自殺をするということが、1年以内というものが大変多い。そしてまた1か月以内というものも多いのですね。
そうしたことを見ましても、やはり自殺未遂の方への支援というものが本当に重要なんだというふうに考えております。
先ほどもお話しましたように、福祉ですとか、教育ですとか、そうした様々な機関とともに、自殺未遂をされた方ももちろん、その御家庭をしっかり包括的に支援していくということが、まず優先的に行っていかなければならないことかもしれません。
しかしながら、学校問題で19歳以下のお子さんたちが自ら命を絶つという、本当に悲しい、苦しいことでありますけれども、やはり命の大切さというものを改めて皆さんに訴えていきたいと、そして、何か困り事、悩み事があるならば、躊躇なく相談をしてもらいたい。そしてそれは、できれば信頼できる大人に相談していただけるような、そういう社会を私達がつくっていかなければならないというふうに考えております。
(以上)