加藤大臣記者会見(令和6年8月8日)
加藤大臣記者会見要旨
(令和6年8月8日(木)17時23分から17時35分まで 於:こども家庭庁記者会見室)
1.発言要旨
冒頭、私から3件ご報告がございます。
まず1件目でございます。本日第7回となる「こどもの自殺対策に関する関係省庁連絡会議」を開催いたしました。
この会議は、こども家庭庁がこどもの自殺対策の司令塔となり、関係省庁とワンチームとなって自殺対策を推進するために設置したものでございます。
本日の会議におきましては、昨年6月に取りまとめた、「こどもの自殺対策緊急強化プラン」に基づく各施策の進捗状況について、それぞれの施策の目標や進捗を「見える化」するために策定いただいたロードマップと併せて、関係各省庁よりご報告をいただき、私も冒頭出席させていただきました。
こどもが自ら命を絶つようなことのない社会の実現に向け、本日の会議においては、関係省庁の皆様と改めて認識を共有したところでありまして、会議を踏まえて、引き続き政府一丸となって、こどもの自殺対策の推進を行っていきたいと考えております。会議の詳細につきましてはこども家庭庁支援局総務課にお尋ねください。
2件目です。昨日、港区の児童発達支援センター「ぱお」を視察し、保護者の方々との意見交換を行ってまいりました。
「ぱお」では、地域における障害児支援体制の中核を担う児童発達支援センターとして、お子さんへの発達支援だけでなく、地域の保育園・幼稚園・他の事業所との連携や、研修会への職員派遣などの地域支援、またお子さんの発達に不安を抱えておられる保護者の方々へのきめ細かな家族支援、こういったことにも力を入れて取り組まれており、こども家庭庁としても、大変参考になる取組でございました。
また、保護者の方々からは、子育てのご苦労のほか、「ぱお」の支援を受けて良かった点や、保護者同士のつながりが支えになっているということなど、それぞれのご経験を踏まえて、大変実感のこもったお話を聞かせていただきました。
こども家庭庁では、これまでも令和6年度障害福祉サービス等報酬改定において、地域の障害児通所支援事業所や保育所等との連携体制の確保を促すとともに、児童発達支援を含む障害児通所支援について、支援内容に関するガイドラインを示すなど、質の向上を図る取組を進めてきたところでございます。
その上で、昨日の視察内容を踏まえ、今年度は、発達支援が必要なこどもの家族の多様なニーズに応じた支援の一層の充実を図ること、また、支援人材に対する研修の体系や実施体制の構築に向けた具体的な検討を進めること、これについて事務方に対して指示をいたしました。
引き続き、現場の声や当事者の方々の声を大切にしながら、障害児支援の充実を図ってまいりたいと考えております。
冒頭、3つ目でございます。教育・保育施設等で発生した重大事故で、令和5年中に国に報告があったものの件数が取りまとまり、先週金曜日に、こども家庭庁から公表しておりますのでご報告をいたします。
重大事故の報告件数は2,772件で、前年から311件増加しました。そのうち、不幸にしてお亡くなりになった事故は9件で、前年から4件増加しました。
教育・保育施設等において、こどもが安心・安全で健やかに育つことは重要であり、このような事故はあってはならないと考えております。改めて、事故でお亡くなりになられたお子さまに哀悼の意を表するとともに、ご遺族の皆様に心からお悔やみを申し上げます。
昨年お亡くなりになった事故の中には、認可外保育施設で、睡眠中にうつ伏せ寝で発見された事故や、放課後児童クラブでのプール活動中の事故などもありました。
このような痛ましい事故を発生させないため、国のガイドラインで示している、「重大事故が発生しやすい場面ごとの注意事項」等につきまして、こども家庭庁から通知やSNS等により、繰り返し周知を図ってきてございますが、先週金曜日に改めて、ガイドラインを周知徹底いただくことなどにより、重大事故防止の取組を強化していただけるよう、自治体に通知をいたしました。
それぞれの施設・事業所の関係者の皆様方には、こどもの大切な命と安全を守るため、責任感と使命感を持って日々の業務に取り組んでいただいていると思っております。
特に、乳幼児突然死症候群や睡眠時の事故については、これらを防ぐため、睡眠中の乳幼児の顔色や呼吸の状態について、5分に1回の間隔でチェックをするなど、きめ細かく観察し、丁寧に対応していただいてるものと承知をしております。
しかしながら、もし仰向けに寝かせることを徹底されていない、あるいは、きめ細かく観察するといった対応を行っていない施設がもしあれば、直ちに改善をしていただけたらと思います。
さらに、プール活動や水遊びを行う場合は、監視を行う方と指導等を行う方は分けて配置し、役割分担を明確にすること、また監視者は監視することにぜひ専念をいただき、こどもから目を離さないということ、こういったことも徹底していただくよう、くれぐれもお願いを申し上げます。
こども家庭庁として、今後も引き続き関係省庁や自治体と連携して、こどもの重大事故を防ぐためにしっかりと取り組んでまいります。
冒頭、私からは以上になります。
2.質疑応答
(問)放課後児童クラブ、学童保育の待機児童解消について伺います。
こども家庭庁が来年度にも「週3日以上利用」など、利用登録の条件を厳格化するとの報道がありました。これについて、事実関係を教えてください。また、学童保育の待機児童解消に向けて、今後どのようなことに力点を置いていかれるのかお考えをお聞かせください。
(答)放課後児童クラブに関し、国が「週3日以上利用する方しか利用できなくなる」といった方針を検討しているという記事が掲載されましたが、国として、そのような利用の制限をすることについては考えておりません。国民の皆様から不安の声が寄せられており、このような報道がなされたことは残念に思っております。
放課後児童クラブにつきましては、就労家庭のこどもの健全育成を図るという趣旨に基づき、共働きの増加など、社会の変化等にも対応し、必要とするこどもたちにしっかりとサービスを行き渡らせることが重要であると考えております。
放課後児童クラブの待機児童解消に向けましては、余裕教室の活用や特別教室の一時的な利用等、また学校施設の徹底活用を促す等の「場の確保」これと、常勤職員配置の改善とともに、職員の処遇改善に資する複数の補助事業を継続することによる「人材の確保」、この「場の確保」と「人材の確保」の両面からの対策が重要であると考えております。
放課後児童クラブを必要とするこどもたちにしっかりとサービスが行き渡るよう、自治体とも連携をしながら引き続き取組を進めてまいります。
(問)今日、第3回目が開かれた若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループについてお伺いします。
以前の記者会見で、大臣は「今後結婚を考える若い世代から直接ご意見を聞くことを重視する」とおっしゃっていましたが、改めて若い世代から結婚や出会いの政策について意見を聴く重要性を教えてください。また、先の国会で成立した少子化対策関連法では、国会の議論の中で未婚化の対策について指摘もあったと思いますが、そういったことも今回のワーキンググループ開催のきっかけか、教えてください。
(答)お答え申し上げます。
「こども基本法」におきましては、基本理念として、全てのこどもについて、その年齢及び発達の程度に応じて、その意見が尊重されることとされております。
こども・若者政策を考えるにあたりまして、当事者であるこどもや若者の皆さんの意見をよく伺い、それを反映させることは、いつも申し上げておりますが、非常に重要であると考えております。
また、少子化の大きな要因の一つに、未婚化・晩婚化がありますが、令和5年の婚姻件数は47万4,717組で、戦後最小となるなど、婚姻数が大幅に減少している状況にあります。
こうした状況を踏まえ、結婚は個人の自由な意思決定に基づくものであって、個人の多様な価値観・考え方を尊重すること、これを大前提としながら、若い世代の意見をしっかりと伺いながら、若い世代の描くライフデザインや出会いについて検討し、今後の政策に活かしていきたいという考えから、本ワーキンググループの開催に至ったものでございます。
(問)8月15日の終戦の日の関連でお尋ねさせてください。
この日、大臣は参拝のご予定があるかと、参拝しない場合は真榊の奉納はあるか、不躾ですが、教えていただければと思います。
(答)8月15日に靖国神社へ参拝をしたり、あるいは真榊を奉納するということを予定はしてございません。
(以上)