加藤大臣記者会見(令和6年8月30日)
加藤大臣記者会見要旨
(令和6年8月30日(金)11時33分から11時46分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室 )
1.発言要旨
私からは、冒頭、2件のご報告がございます。
本日、財務省に対して、私が所管をする、こども家庭庁及び内閣府・内閣官房部局の令和7年度予算概算要求を提出することとしております。
まず、こども家庭庁の令和7年度予算概算要求では、昨年末に決定された「こども未来戦略」で示された「加速化プラン」に盛り込まれた事業を本格的に実行するために必要な予算を要求します。
また、加速化プラン以外でも、こどもの自殺対策やいじめ防止・不登校対策、こども性暴力防止法の施行準備を含むこどもの安全対策など、こども・若者を取り巻く重要な課題がございます。こうした課題に対応する予算についても、しっかりと要求をしてまいります。
こうした考えの下、こども家庭庁では、一般会計で対前年度比732億円増の4兆2,189億円、令和7年度に創設する子ども・子育て支援特別会計を合わせて、対前年度比2,394億円増の6兆4,600億円を要求します。
なお、物価高騰対策や保育所等における1歳児の職員配置の改善等は、事項要求としております。予算編成過程において、財政当局としっかり議論をし、必要な予算の確保に取り組んでまいります。
これらの予算の拡充と合わせ、令和7年度予算編成から、初めて、EBPMを導入してエビデンス・データに基づく政策の質・効果の向上を図るとともに、政策の検証・評価にこども・若者が参画するプロセスを創設し、若者世代の視点に立った実効的な政策を推進することとしております。
続いて、内閣府につきましては、男女共同参画政策予算に関し、女性デジタル人材や起業家、防災リーダーの育成や役員・管理職への女性登用支援等、地域の取組を支援する「地域女性活躍推進交付金」の充実強化、そして、性犯罪・性暴力におけるこどもや男性等の多様な被害者への支援・相談体制の強化や、DV被害者支援として、加害者プログラムの普及に向けた取組等の推進への支援、そして、孤独・孤立対策予算に関し、「孤独・孤立対策推進交付金」による地方自治体への支援の拡充、孤独・孤立を抱えた人が支援につながり続ける環境整備のための経費等を盛り込んでおります。
次に、機構・定員要求については、まずはこども家庭庁では、こども性暴力防止法の施行に必要な体制の強化をはじめ、30名の増員要求を盛り込んでいます。また、内閣府では、孤独・孤立対策の推進に係る司令塔機能の強化及び地方自治体への伴走支援、新しい公益法人・公益信託制度の施行に向けた体制整備に関する所要の機構・定員を要求しています。
今後の予算編成過程において、事項要求分も含め、財政当局と、しっかりと議論をし、私が所管する政策を更に強力に推進させられるよう取り組んでまいります。詳細につきましては、こども家庭庁及び内閣府にお問い合わせください。
冒頭2件目でございます。
本日、保育の現状として、令和6年4月時点における「待機児童の解消に向けた取組の状況」について、各自治体への調査結果を取りまとめましたので公表いたします。今回、待機児童数は2,567人となり、前年より113人減少し、昨年に引き続き調査開始以降、最少の人数となっています。待機児童の減少については、待機児童が発生している自治体において、保護者の利用ニーズに応じた保育の受け皿整備が適切に進められてきた結果、全体として着実に進んできたものと認識をしております。
そのような中で、待機児童が多い自治体もあることから、そのような自治体に対しては、今後も国の方から丁寧にヒアリング等を行い、それぞれの事情に応じた待機児童の解消の方策に、自治体と連携をして、取り組んでまいります。
一方で、過疎地域等では保育所における定員充足率が低下してきており、この点が地域の課題として捉えられているところでございます。このような地域においては、今後、地域インフラとして保育所・保育機能を確保するため、保育所の多機能化を進めていく取組を推進してまいりたいと考えております。
こういった各地域の実情に応じた取組を進めていくことで、地域で必要とされている保育サービス等の充足に、より一層努めてまいります。詳細は、こども家庭庁成育局保育政策課にお問い合わせください。
冒頭、私からは以上になります。
2.質疑応答
(問)待機児童に少し関連してなのですが、こども誰でも通園制度が2026年度から全国で実施される見通しですが、従来から保育の現場では、保育士さん等の人材不足というような課題が指摘されていまして、誰でも通園制度が始まるにあたって、保育士の方の確保であるとか、負担軽減であるとか、こども家庭庁としてどういうふうに取り組んでいこうというお考えかをお聞かせください。
(答)こども誰でも通園制度につきましては、令和8年度からの本格実施に向け現在実施している試行的事業の状況等も踏まえ、制度の検討を進めております。こども誰でも通園制度における保育の質を確保するためには、事業者が必要な保育人材を確保し、しっかりと運営できることが必要となります。
保育士等の人材確保につきましては、保育士を希望する方への資格取得支援、また、保育所等におけるICT化の推進等による就業継続のための職場環境づくり、そして潜在保育士のマッチング支援、こういったことに総合的に取り組むとともに、保育の現場や職業の魅力向上と、その発信にも取り組んでいるところでございます。
加えまして、保育士確保の観点から、保育士の処遇改善を進めることも重要であると認識をしております。このため、平成25年度以降、累次の処遇改善に取り組んでおり、直近では5%を上回る人件費の改定を行い、累計プラス23%の給与改善を進めているところでございます。
引き続き、「こども未来戦略」に基づき、民間給与動向等を踏まえた更なる処遇改善の対応を行ってまいります。こうした人材確保策に引き続きしっかりと取り組みながら、こども誰でも通園制度の円滑な本格実施に向け、制度の検討を進めてまいります。
(問)今日の予算の概算要求のことでお伺いしたいのですが、若い世代のライフデザインの可能性の最大化ということで、子育て家庭やこどもとのふれあい体験への取組とか、官民連携型結婚支援ということで、そういったことも新規に盛り込まれていると思うのですが、大臣のこうした政策に込めた狙いとか意義についてお聞かせください。
(答)若い世代の描くライフデザインや出会いを考えるワーキンググループにつきましては、今週月曜日に第4回を開催をし、中間報告に関しては座長一任となっているところでございます。
この中間報告の案の中には、ライフデザイン支援の機会の拡充、また、若い世代の意見を踏まえた情報発信、マッチングアプリの安全な利用に関する普及啓発、行政が提供する出会い・結婚支援の認知度向上や、サービス向上のための官民連携の推進等に関する意見が盛り込まれているところでございます。
これらを踏まえて、令和7年度概算要求においては、ライフデザインに係るコンテンツ開発・公開や、若い世代による情報発信等として5.2億円、そして民間企業等と連携したライフデザイン支援として2億円、若い世代の希望をかなえる官民連携型結婚支援等の推進として1億円を要求するほか、地域少子化対策重点推進交付金についても、ライフデザイン支援や官民連携型の結婚支援をこれまで以上に推進するため、重点メニューの対象事業の拡充等を図ることとしているところでございます。若い世代のライフデザインの可能性を最大化できるように、しっかりと必要な予算を確保してまいります。
(問)その回答についてなのですが、少子化の対策の文脈にあるかというふうに思うのですけれども、大臣としてはこういった戦略が少子化対策に期するというふうにお考えなのかどうかというのを教えていただきたいのですけれども。
(答)先ほど最後のところで申し上げたのですが、若い世代のライフデザインの可能性を最大化できるようにしっかりと必要な予算を確保していくということです。
(問)少子化という文脈だけではないということなのでしょうか。
(答)そうですね。
(問)分かりました。ありがとうございます。
(問)待機児童の発表に関してご質問させてください。ここ何年か待機児童は減ってはいっていますが、個々のニーズがつかめていないのではないかという指摘は広くありまして、特に充足率について、都市部でも年度の前半には0歳児クラスを中心に空きがあるというデータが出ていると思います。二つ、やはり年度途中に入園したい子が入れない、もう一つは1歳過ぎまで育休を取りたい人がいわゆる落選狙いと呼ばれるような入園申請をしなければならない状況がまだあると思います。そういうところの実態の把握のための調査でありますとか、そこをしっかり反映した数字を出していくということが必要だと、ここ5年言われていると思うのですけれども、それについてはどうお考えでしょうか。別途調査するお考えや、カウント方法を変えていくというようなものがありましたら教えてください。
(答)今回の調査結果のことも、しっかりと調査をしている担当部局とも相談しつつ、今のようなご指摘も踏まえて、今後の調査の在り方も検討していきたいと考えます。
(以上)