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三原大臣記者会見(令和6年12月20日)

三原大臣記者会見要旨

(令和6年12月20日(金)11時51分から12時04分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

冒頭、私から5件御報告がございます。

午前中、閣議前に行われた、防災立国推進閣僚会議の報告が1件、そして、年末年始に向けた周知広報の関係で、報道関係者の皆様にも御周知いただきたい事項が2件、そして、本日取りまとめました保育政策の新たな方向性について1件、最後に、来週開催予定の会議の関係で1件、合計5件でございます。

では、まず本日総理をトップとした新たな閣僚級会議である「防災立国推進閣僚会議」の第一回が開催されました。

会議において、私からのこども政策、男女共同参画関連の発言として、能登半島地震の教訓も踏まえ、こどもの居場所づくりをはじめ、こどもの視点からの災害対策を進めることが必要であること、とりわけ、災害時のこどもの居場所確保は、こどもの心の回復の観点から大変重要であること、平時から備えておけるよう、今年度中に「災害時におけるこどもの居場所づくりの手引」を作成する予定であることを発言いたしました。

今後とも、関係省庁とも連携し、災害予防や災害時対応、復旧・復興に係る各種計画等におけるこどもの位置づけを明確化するとともに、保育所をはじめとする児童福祉施設等の防災・減災・国土強靱化を推進する、更に交付金により女性防災リーダーの育成を進める、等々、こども・女性に配慮した災害対策を進めてまいります。

次に、いわゆる「闇バイト」に関してであります。こどもや若者が「闇バイト」に応募し、強盗等に加担する事件が発生していることを踏まえまして、冬休みを迎えるこの時期に、私からこどもたちへのメッセージ動画を、本日、公開いたしました。

ショート動画が3本と、これらの内容をまとめましたロング動画が1本でございます。モニターをご覧いただきたいと思います。これは一例として、ショート動画でございます。

<動画>
「闇バイトは犯罪です。絶対に騙されないでください。絶対に応募しないでください。あなたの未来を大切にしてください。」

こういう形で、「闇バイト」は犯罪で、こどもたちの未来を奪うことから、絶対に応募してはいけないこと、個人情報を送らないこと、不安に感じたら、すぐに家族や警察に相談することなどを伝え、それぞれの未来を大切にするよう呼びかけをしています。

17日の犯罪対策閣僚会議では、緊急対策を決定し、こども家庭庁においても、これを踏まえ「闇バイト」の危険性等について、広報・啓発を行っていくこととしておりまして、この度、私自身が先頭に立って情報発信することといたしました。詳細は、こども家庭庁成育局安全対策課にお尋ねいただければと思います。周知のほど、どうぞよろしくお願いいたします。

次に、年末年始の12月25日午前10時から1月4日午前10時まで、孤独・孤立対策官民連携プラットフォームの関係団体と協力して試行的に実施しています「孤独・孤立相談ダイヤル#9999」の相談窓口を開設いたします。

これまでは電話相談を軸に取り組んできたところですが、今回は自分に合ったツールでご相談いただけるように、チャット、メールでもご相談いただけるようにいたしました。

年末年始は、各地域の既存の相談窓口も閉まってしまうところが多くなりますので、この孤独・孤立の中で、誰にも相談できずつらい、誰かに話をしたいとお悩みの方は、こどもから大人まで、ぜひ、この孤独・孤立相談ダイヤルを使って、悩みをお話しいただければと思います。このこともしっかり周知をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

次に、本日今後の保育政策のあり方をまとめた、「保育政策の新たな方向性」をとりまとめました。詳細はお手元の資料に皆さんあるかと思いますが、まずフリップをご覧いただきたいと思います。

これからの保育政策は、「量」から「質」へ、大きく転換していきたいと考えています。左側にあります、「これまで」の保育政策は、待機児童対策を中心とした「保育の量の拡大」を図ってまいりました。累次のプランによって、保育の受け皿整備は着実に進みまして、今待機児童数は、令和6年4月1日時点で2567人、調査開始以来、過去最少となりました。

そして、こうした状況を踏まえて、右側にあります、「これから」の保育政策に関しましては、「量の拡大」から「質の向上」にパラダイムシフトいたしたいと思います。

これからの、こちらですね、保育政策は3つの柱を軸に、保育の質の向上を図ってまいります。

1つ目が、地域の課題に応じた提供体制を確保するなど「地域のニーズに対応した質の高い保育の確保・充実」です。

2つ目が、こども誰でも通園制度などの「全てのこどもの育ちと子育て家庭を支援する取組の推進」です。

最後3つ目が、処遇改善などの「保育人材の確保とテクノロジーの活用等による業務改善」であります。

この3つの柱に基づく取組を今後進めることで、全国どこでも質の高い保育が受けられ、地域で一人ひとりのこどもの育ちと子育てが応援・支援されるような社会を実現していきたいと考えています。

国・自治体・現場の保育所等の皆さまと、今回とりまとめた、今後の保育政策の新たな方向性」について認識を共有し、緊密に連携・協働して取組を強力に進めてまいります。

また、今回お示しする方向性に基づきまして、各施策を進めてまいりますが、一方で、長期的な検討課題として、「はじめの100か月の育ちビジョン」を踏まえた保育内容の在り方ですとか、人口減少下における保育人材の在り方など、長期的な課題もあると認識しております。これらについても、今後しっかり検討を進めてまいりたいと思っております。詳細に関しましては、こども家庭庁の成育局保育政策課よりご説明をいたしますので、そちらでお尋ねをいただければと思います。

そして、最後5件目であります。先月の26日、悩みを抱えるこどもたちが躊躇なく悩みを打ち明けられる環境などを検討するため、こども家庭庁内の若手職員や現場経験のある職員等を中心に「こどもの悩みを受けとめる場に関するプロジェクトチーム」が発足いたしました。

このチームの取組の一環としまして、来週23日、対面や電話、オンラインチャットなどで、直接こどもの声を受け止めている相談事業者の方々と私との間で意見交換の場を設けることといたしました。

具体的には、地域の多様な支援者と連携して活動している名古屋市子ども・若者総合相談センターとそこで相談の実務を担っている「一般社団法人草の根ささえあいプロジェクト」、長年電話相談等によりこどもに寄り添ってきた「NPO法人チャイルドライン支援センター」をこども家庭庁にお招きしまして、意見交換を行いたいと思っております。

この意見交換会を通じて、現代を生きるこどもたちがどのようなことに悩んで、そしてどのような思いでその相談窓口や支援団体につながっていくのか、ということ。そして、そこにいる大人がこどもの悩みをどのように受け止めようとしているのか、そうしたこともしっかりとお聞きしたいなと思っております。

意見交換会の詳細につきましては、支援局総務課にお尋ねいただければと思います。私からは以上です。

2.質疑応答

(問)17日の参院予算委員会での石破首相の発言についてお伺いしたいのですけれども、石破首相が伊藤たかえ議員の質問に答える形で、内密出産の法制化について、「言葉として、『保護出産』という方がより実態に近いのだろうなという気がいたします。この世に生を受けてくる赤ちゃんの保護を、誰がどのように行うかという視点で物事を考えなければいけない。」「赤ちゃんの権利、人権を最大限に重んじる法体系ができないか、政府内で検討させたい」と発言されました。
検討される場合に、主体はこども家庭庁になるのではないかと思われるのですけれども、首相の発言を受けて、改めて三原大臣のお考えと、今後具体的にどういうことを進めていかれるお考えなのか、ということを教えてください。

(答)妊婦が身元情報を医療機関の一部の者のみに明らかにして出産するという、いわゆる「内密出産」は、母への母子保健、福祉による支援等が出産後途切れてしまうことや、また希望する妊婦に対し、身元情報を明かすことの説得や、それによる支援等の説明、相談の対応は、誰がどのような形で行うのか、また、この出自情報を誰がどのように管理し、そしてまた、どのような形で開示していくのかとか、もう本当に幅広い視点、観点において、様々なご意見があることは承知しております。そしてまた、慎重に議論していくべき課題であると考えております。
先日の総理のご答弁を受けまして、どのようなことを検討していくべきか、まずその辺もよく整理をしてから、しっかり検討をしていきたいと思っています。

(問)具体的に首相から検討するような指示というものはあったのでしょうか。

(答)いえ、今のところ、まだ具体的な指示というのはおりてきていません。

(以上)