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小倉大臣記者会見(令和5年9月1日)

小倉大臣記者会見要旨

(令和5年9月1日(金)10時53分から11時05分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)

1. 発言要旨

今日は冒頭に4点ございます。

昨日、財務省に対して、私が所管するこども家庭庁及び内閣府・内閣官房部局の令和6年度概算要求を提出いたしました。

一般会計の要求・要望額は、こども家庭庁については前年度比792億円増の4兆483億円、年金特別会計子ども子育て支援勘定を純計した額は4兆8,885億円となっております。

「こども・子育て支援加速化プラン」に基づく事業については事項要求としておりますため、この事項要求分を加えると実質的には4.9兆円を大きく上回る要求を行っているものと考えております。

令和6年度予算の主な事業としましては、こども家庭庁については、児童手当について所得制限の撤廃、高校生年代まで延長、第3子以降を月額3万円に倍増すること、10万円の経済的支援を含む出産・子育て応援交付金の着実な実施、保育所等の職員配置基準の改善等の体制強化、こども誰でも通園制度の本格実施を見据えた形での試行的事業の実施、放課後児童クラブの常勤職員の配置改善を含めた体制強化、社会的養護・ヤングケアラー、障害児・医療的ケア児、ひとり親家庭等の多様なニーズへの対応など、内閣府・内閣官房につきましては、「地域女性活躍推進交付金」の充実強化、性犯罪・性暴力や配偶者等による暴力など、あらゆる暴力の根絶に向けた取組及び被害者支援の強化、「孤独・孤立対策推進交付金(仮称)」などを盛り込んでございます。

また、組織・定員要求につきましても、こども家庭庁については、こどもの自殺対策に必要な体制の強化など20名の増員要求を盛り込んでおります。

今後の予算編成過程において、事項要求分も含めまして財政当局としっかりと議論し、私が所管する政策を更に大きく前進させられるように取り組んでまいります。

2点目になります。本日、令和5年4月時点の「待機児童の解消に向けた取組の状況」を公表させていただきます。

今回、待機児童数は2,680名となり、前年よりも264人減少し、昨年に引き続き最少となりました。各自治体におきまして、令和3年度からスタートした「新子育て安心プラン」に基づく保育の受皿整備が適切に進められた結果であると考えております。

また、待機児童がいる自治体につきましては、第一に、待機児童を大きく減らしているがいまだ多くの待機児童がいる自治体、第二に、数年にわたって待機児童が一定数でとどまっている自治体などの特徴も見えてきたところであり、今後更に待機児童を減らすためには、特にこういった自治体へのアプローチが必要であると考えております。

そのほか、詳細につきましては事務方にお問い合わせください。

3点目になります。第5回こども政策DX推進チームを、お手元に配付の資料のとおり、今日の11時半から開催させていただきます。

今回は保育DXの推進について、こども家庭庁の取組方針について説明した上で、前回からオブザーバーとして御参加していただいているこどもDX推進協会からも御提言をいただき、行政、民間それぞれの立場から意見交換を行う予定です。

詳細は事務方にお問い合わせください。

4点目、最後になります。このたび、こども家庭庁において、いじめの重大事態の調査委員会を立ち上げる地方自治体等に対して助言を行うため、法律、医療、教育、心理、福祉の各分野から専門家の方々を「いじめ調査アドバイザー」として委嘱することといたしました。

来週9月5日に委嘱を行い、これと併せて私と「いじめ調査アドバイザー」の方々で意見交換も行わせていただきます。

いじめの重大事態の調査につきましては、自治体によっては調査経験がなく何をやればいいのかよく分からない、委員決定までに時間がかかってしまう、職能団体から委員の推薦をもらっても被害保護者等の納得が得られないなどの課題が指摘されているところであります。

このため「いじめ調査アドバイザー」を導入しまして、いじめ防止対策推進法に基づく重大事態調査や再調査について、地方自治体等からの要請に応じて「第三者性の確保」の観点から、第一に中立・公平性のある調査方法の実施に関する助言や、第二に調査委員の人選に関する助言などを行うことといたしました。

「いじめ調査アドバイザー」となる専門家との連携も深めながら、いじめ対策の更なる強化にこども家庭庁としても取り組んでまいりたいと考えております。

詳細につきましては、こども家庭庁支援局総務課までお問い合わせください。

冒頭発言は以上になります。

2. 質疑応答

(問)2問お伺いいたします。まず1つ目は概算要求に関して、今の冒頭発言にありましたが、大臣として今回の概算要求の評価や、こういうところに力を入れたという部分があれば教えてください。

(答)今年度の予算の際にも申し上げましたが、お尋ねの「評価」については、私は国民の皆様に評価をしていただくべきものであって、私自らが評価をすることは適当ではないのではないかと考えております。
その上で力を入れた点についてでありますけれども、まずは令和6年度予算において「こども・子育て支援加速化プラン」の具体化が重要と考えております。
先ほど申し上げたように、こども家庭庁については、児童手当の拡充や保育所等の体制強化、こども誰でも通園制度の本格実施を見据えた形での事業の実施などについて、着実に具体化を進めてまいりたいと考えております。
また、こども家庭庁の使命として、誰一人取り残すことなく健やかな成長を保障すべく、社会的養護・ヤングケアラー、障害児・医療的ケア児、ひとり親家庭等の多様なニーズへの対応もしっかり充実させてまいりたいと考えております。
さらに内閣府・内閣官房の諸事業につきましては、例えば男女共同参画・女性活躍関係といたしまして、働き方が多様化する中での女性活躍の推進、女性デジタル人材の育成、女性の参画拡大に向けた取組、地域における女性の活躍推進、また、性犯罪・性暴力におけるこども・若者や男性等の多様な被害者への支援・相談体制への強化や、DV被害者支援として民間シェルター等の取組や加害者プログラムの普及に向けた取組の推進への支援といったものが考えられると思いますし、孤独・孤立対策関係といたしましては、孤独・孤立対策推進法の成立を受けまして、内閣府としてより安定的・継続的に政策を実施できることとなったことも踏まえまして、「孤独・孤立対策推進交付金(仮称)」の創設などについて要求を行わせていただきました。
以上の点を鑑みまして、来年度予算において概算要求の内容をしっかりと実現できるよう、職員一丸となって全力で取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。

(問)もう一つ、待機児童に関して、今回の数字に関する受け止めをお願いします。

(答)今回の待機児童数の減少につきましては、保育の受皿の拡大や就学前人口の減少などによる影響があった一方で、特定の地域で申込みが集中するなど保育需要の偏りや、保育士を確保できなかったことによる利用定員の減などにより待機児童数が増加した自治体や数年にわたって一定数の待機児童が生じている自治体もあり、結果として全国の待機児童数が2,680人となりました。
全国の待機児童数自体が3,000人を下回っている中、様々な増減要因によりこれまでの各年度と比べると減少幅は小さくなっておりますものの、待機児童数は着実に減少しているものと考えております。
今後更なる待機児童の解消のためには、とりわけ「待機児童が多く、且つ一定数で留まっている自治体」への支援がポイントになると思っております。自治体ごとの事情に合わせて丁寧にヒアリング等を行い、これを分析・検証するなど、引き続き自治体と連携を取りながら待機児童の解消に取り組んでまいりたいと考えております。
以上です。

(問)ジャニーズ事務所の元所属タレントなどから前社長による性被害の訴えが相次いでいる問題をめぐり、外部の専門家による特別チームが、多くの未成年者に対し長期間にわたって広範に性加害を繰り返していた事実が認められたとする調査結果を公表しました。被害者は少なく見積もって数百人とする証言もあったとされていますが、この歴史的に見ても重大な事案に関して、調査結果への受け止めをお聞かせください。また、一昨日開かれた立憲民主党の会合で、元所属タレントの方から被害者の救済に国が関与するよう求める意見が出されました。その中でこども家庭庁の役割についても言及がありましたが、ジャニーズ前社長による性被害について、こども家庭庁が被害者から意見を聞く場を設けるなど何か対応されるお考えがないか、今後の対応や取組についてもお聞かせください。

(答)御指摘の事業者が設置した外部専門家によるチームから当該事業者に対して調査報告書が提出されたことや、その報告書において、長期間にわたり性加害が繰り返されていたことなどとする記載があることは承知しております。
そもそも、こども・若者への性被害は決してあってはならないことであります。個別の事業者の対応についてここでコメントすることは控えさせていただきたいと思いますが、一般論ということで申し上げれば、事業者においても事業を行う上でこども・若者が性被害に遭うことのないよう安全・安心を確保すべきことは当然であると考えております。
加えて政府としても、年齢・性別に関わらず、どのような状況に置かれたこども・若者であっても性被害を受けることのない社会を実現するため、関係省庁と一体となって「課題」を洗い出し、先般、緊急対策パッケージを取りまとめました。
この緊急対策パッケージなどに基づいて、全てのこども・若者が安心して過ごせる社会の実現に向け、着実に施策を実施していくことが政府の重要な役割だと認識いたしております。
そして、今後の被害者との面会についての問いでございますけれども、これも前回の記者会見で申し上げたとおりでございますが、今回のパッケージの取りまとめに当たりましては、私自身当事者の方々との面会を重ねてまいりました。御自身で経験をしたこどもの頃の性被害を振り返ってお話をいただくことは、長い年月を経ても大変つらく難しいことであるということを実感いたしております。
このため緊急対策パッケージにおいて、こども・若者の性被害を防止していく上で、継続的に当事者や支援者の方々のお話を伺うことも重要であるという考え方をお示ししております。
今後、こども政策担当大臣として、どのような方と、どのような形でお会いするかについては、適切に判断してまいりたいと考えております。

(以上)