三原大臣記者会見(令和7年5月23日)
三原大臣記者会見要旨
(令和7年5月23日(金)8時38分から8時50分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)
1. 発言要旨
皆さんおはようございます。本日、私から報告2件ございます。本日、「こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム」の中間報告について公表いたしますので、プロジェクトチームのメンバーとともに、概要を報告させていただきたいと思います。
昨年の11月に発足いたしました本プロジェクトチームでは、こどもが安心して悩みを打ち明けられる環境づくりの課題ですとか、大人に求められる対応を明らかにするため、本年3月までに、当事者であるこどもや、こどもの相談・支援等に関わる団体、地方自治体など、のべ27の団体等と意見交換を行ってまいりました。
本中間報告では、プロジェクトチームが行った意見交換等の内容を整理するとともに、意見交換等によって得られた知見を基に「こどもの皆さん、大人の皆さん、社会に伝えたいこと」をまとめております。
それでは中間報告でまとめたことにつきまして、プロジェクトチームの代表者から説明をさせていただきたいと思います。それではメンバーよろしくお願いいたします。
(パネル発表1)私たちからご報告をさせていただきます。まず「こどもの皆さんにお伝えしたいこと」です。こどもたちとの意見交換会において、「こどもから相談することで迷惑をかけたり、困らせたりするのではないか」「自分のことは自分で解決したいというプライドのようなものがある」など、相談することを躊躇する思いを率直に話していただきました。「相談を聞いて、相手はどう思うかな」と、相談することは勇気がいることだと思うので、こうしたこどもたちの思いは受け止めつつも、大人であっても、困ったときや悩んだときは誰かに相談して考えを整理したり、気持ちを落ち着けたりするものなので、こどもたちにも「相談することは悪いことでも恥ずかしいことでもないよ、相談した言葉を大切に受け止めてくれる大人はいるよ」と伝えたいなと感じました。
(パネル発表2)続きまして「大人の皆さんへ」ということで発表させていただきます。こどもたちとの意見交換で出た大人に対しての意見としまして、「ただ話を聞いてほしいときもあれば、解決できる方法を示してほしい」、また、「こどもの悩みとひとくくりにされたくない」「秘密は守ってほしい」という意見など、悩みに対するこどもたちの希望というのは様々でございました。
こどもに対しては、つい自分の価値観で話してしまいがちですが、まずはこどもの話を最後まで聴き、本当はどうしたいと思っているのか、こどもの本当の思いを汲み取り、「秘密は守られる」という安心感を持ってもらうことが重要だと感じました。以上です。
(パネル発表3)最後に「社会に対して」です。こどもたちとの意見交換で「話を聴いてくれるなら誰でもいいという場合もあるけれど、相談内容や今の自分を理解し、解決策を一緒に考えてくれる人がいてほしい」という意見や、「学校外のコミュニティを持つことも大事、そうした情報を学校がこどもたちに向けて発信し、学校以外の居場所を知って、つながれると良い」という意見があり、こどもたちは「学校」や「家庭」だけでなく、地域の大人を含む「社会」の中にも安心してつながることができる存在を求めていることを知り、改めて地域の中にこどもたちが安心できる居場所を自分も含めて増やしていきたいなと思いました。中間報告は以上です。
はい、ありがとうございます。今後、中間報告の最終ページの「今後の取組」にあるように、引き続き、このプロジェクトチームとして更なる実態把握や広報活動というところを行ってまいりたいと思っています。
一方、いじめ・不登校・こどもの自殺の件数が過去最多、児童虐待相談対応件数も依然として多くなっており、こどもが安心して悩みを打ち明けられるような取組をするということは待ったなしの課題だと思っております。
そうした観点からも今回の中間報告でまとめた成果は、本年夏を目途に、夏休みの前に、こどもの周りにいる大人に伝えたいことなどを一定の成果としてしっかりと発出する予定でおりますので、皆さんどうぞよろしくお願いいたします。中間報告詳細は支援局総務課にお尋ねをいただきたいと思います。
続きまして2点目、先日5月21日に「プレコンセプションケアの提供のあり方に関する検討会」において、「プレコンセプションケア推進5か年計画」がとりまとめられました。この計画では思春期から成人期に至るまで、性別を問わず全ての方々が、発達段階や状況に応じて、プレコンセプションケアの概念を知り、知識を適切に身につけることが重要という基本的な考え方が示されております。
また、今後5年間の集中的な取組として、SNS等を活用した積極的な情報発信やプレコンサポーターの育成等による全ての世代への普及と情報提供、「性と健康の相談センター事業」等を活用いたしました、利便性に配慮した相談支援体制の整備、そしてまた基礎疾患を有する方への専門的な相談窓口の全国展開等に取り組むこととしております。
以前、都内の大学生に意識調査を行ったところ、不妊のリスクが上がると学生が考えている年齢にもばらつきがあったほか、大多数の学生がもっと学ぶ機会が多い方が良いという回答があったように、まずはプレコンセプションケアの重要性の周知が非常に重要とされるのではないかと考えております。
先日の若い世代のライフデザインワーキンググループ報告書でも、若者委員から「知っていて選ばないこと」と、「知らずに選べないこと」は異なるといった意見があったことも踏まえ、若い世代の男女の健康を増進し、より質の高い生活を送る上で、プレコンセプションケアを普及していくことが大変重要だと考えております。
計画に基づきまして順次、取組を進めてまいりますが、できることから速やかに対応すべく、昨年の補正予算で新設をいたしました「プレコンセプションケアに関する情報発信等事業」を活用して、例えばインフルエンサー等の活用や、積極的な情報提供等によりまして、広報啓発や企業の取組への支援を一層充実させることができないかなど、具体的な検討を事務方に指示したところであります。
今後も5か年計画に基づきまして、プレコンセプションケア推進の取組を着実に進めていきたいと考えております。詳細は、こども家庭庁母子保健課にお聞きをいただきたいと思います。私からは以上です。
2. 質疑応答
(問)先ほど発表があった、悩みを受け止める場に関するプロジェクトチームの中間報告で、夏休みが始まる前に何かしらの形でこどもたちに伝えたいというお話がありましたけれども、これから検討する部分もあると思うのですが、大臣としてはどのように伝えていきたいとお考えか、お聞かせいただけますでしょうか。
(答)今まさにプロジェクトチームのみんなが一生懸命説明をしてくださいました。こうしたこどもの意見をいくつも聴いてまいりました。こうしたことを基に、先ほどもお話しましたように、いろいろな情報発信の仕方というのは、これからも少し工夫をしていかなければならないと思っております。
皆さんが「しつこいよ」と思うぐらいの、それぐらいの思いで情報発信をしていくことが大切なのだと思います。命の大切さといったことももちろんでありますけれども、とにかく「信頼できる大人」が周りに必ずいるから、誰にも打ち明けられないような悩みがあったら、躊躇なく、迷うことなく相談してほしいということ。または、先日も行いましたけれども、友達同士で話せることに関しては、しっかりと胸襟を開いて話していただくことも、ときには大切なのかなというようなこと。お子さんによって、そして悩みによって、大変これは様々で、非常にデリケートで難しいことでありますけれども、そうしたいくつかの具体例みたいなことも例示をしながら、「こういうときにはこういう方に相談したらどうだろうか」とか、「私たち相談窓口みたいなところにも相談してみたらどうだろうか」とか、いろいろな選択肢があることを発信していけたらいいなと思っております。それはやはり夏休み前が望ましいと思っておりますので、そこに向けて今、全力でプロジェクトチームの仲間と、ワーキンググループの仲間と一緒にやっているところであります。
(以上)