加藤大臣記者会見(令和6年7月5日)
加藤大臣記者会見要旨
(令和6年7月5日(金)16時40分から16時55分まで 於:こども家庭庁会見室)
1.発言要旨
冒頭、私から4件御報告がございます。
まず1件目でございます。先日、7月3日に第2回こども政策DX推進チームを開催し、「こども政策DXの推進に向けた取組方針2024」を策定しました。
「こども政策DXの推進に向けた取組方針2024」は、先月決定されたデジタル行財政改革取りまとめ2024の内容を踏まえ、より具体的な工程を示し、こども政策DXに係るこども家庭庁としての取組方針を明らかにするとともに、自治体や事業者などの関係者に広く周知をするものでございます。
こども政策DXは、電子版母子健康手帳の普及を含む母子保健DXや、保活ワンストップの実現をはじめとした保育DXなど、取組は多岐にわたり、スピード感が求められるとともに、その実現プロセスにおいては、多様なステークホルダーとの調整が求められる、非常にチャレンジングな取組でございます。
これらの施策を実現させることで、保育所などの子育て関連事業者の方々や自治体など、こども政策の現場に携わる方々の事務負担を軽減し、こどもや子育て家庭への支援にかける時間や労力をこども政策の質の向上に振り向けていけるよう、関係者と連携して着実に進めてまいります。
2件目でございます。来週8日の夕刻、「広げよう!子どもの権利条約キャンペーン」の「子どもメガホンプロジェクト」に関わるこどもたちとお会いいたします。
子どもメガホンプロジェクトでは、多くのこどもたちから意見を集め、提言をまとめられたと聞いており、当日はこどもたちから直接提言書を手交いただく予定です。
こども家庭庁が「こどもや若者たちとともに進めていく」ために、何よりも大切にしているのは、こどもや若者の皆さんの意見でございます。
当日は、子どもメガホンプロジェクトのこどもたちからお話を聞くのをとても楽しみにしております。
3つ目でございます。夏休み期間中、こどもたちにこども家庭庁のことをより身近に感じていただく機会を提供するため、こども家庭庁の大臣室開放イベント、こども記者会見及び「こども霞が関見学デー」などのこども家庭庁の体験イベント等を実施いたします。
まず、7月30日の火曜から8月2日の金曜までの4日間、霞が関ビル内のこども家庭庁の大臣室を開放し、応募いただいたこどもたちに大臣室を訪問いただき、こども家庭庁の業務を学ぶ機会や、大臣体験をしていただく機会を設けることとしております。
8日の月曜日夕方5時から、こども家庭庁のホームページにおいて、先着順で募集を開始しますので、ぜひ応募いただければと思います。
次に8月2日には、こども記者による記者会見を開催いたします。
こども記者会見は、こども新聞などの新聞社に所属する小・中学生のこども記者の皆さんからの質問に対して、私がお答えしていくものでございます。
当日は、こども・若者をこども扱いせず、1人の人間として真摯に向き合い、こども政策担当大臣としての考えをお伝えしていきたいと考えております。
そして、そこでのやり取りをこども・若者の目線で記事にしていただき、さらに多くのこども・若者の皆さんから新たな御意見をいただくという好循環を生み出していきたいと考えております。
最後に、8月7日及び8日の「こども霞が関見学デー」、こちらの方では、QuizKnockの伊沢拓司さん他、くまモンにも御参加をいただくほか、最新AI技術を用いた、「未来のキミと未来のおしごと展」などを開催する予定でございます。
こどもたちに、こども家庭庁やこども政策のことを知っていただく企画を数多く御用意しておりますので、ぜひ1人でも多くのこどもたちにご参加いただきたいと考えております。詳細につきましては、こども家庭庁ホームページに特設ページを設けておりますので、そちらの方を御覧いただければと思います。
冒頭の最後4つ目になります。本日、こども政策に関する視察の一環として、総理とともに千葉県松戸市を訪問いたしました。
今回の視察では、こども誰でも通園制度の試行的事業について、その実施状況を視察するとともに、保育士の方々や保護者の皆様と意見交換を行いました。
意見交換において、保護者の皆様からは「通園するようになって、お兄ちゃん、お姉ちゃんの姿を見て、トイレに上手に行けるようになった」ですとか、「ハイハイが速くなった」ですとか、「小さい子にも優しくできるようになった」など、こどもたちの成長が見られたというお声が聞かれました。「とても良い制度なので、全国に広めてほしい」という御期待の声もございました。
保育士の皆様からは、これは、保育士さん皆さんが聞いた保護者の方の発言ですが、「利用の面談の中で預けてもいいのかなという気持ちはあったけれども、夫から利用してみたら?と言われて利用してみました」ということを言ってくれる保護者の方がいたということですとか、また「最初慣れない子どももいるので、一対一で丁寧に対応するといった工夫をしてきた。そして、その結果、2回目、3回目の利用では、子どもさんたちが落ち着いて慣れてきている様子が確認できた」というお話もありました。
今回の視察を通じまして、制度の意義の浸透や更なる取組の必要性を改めて認識し、この制度をしっかりと進めていかなければならないと感じました。
総理からも、こども誰でも通園制度の試行的事業において、要支援家庭のお子さんを受け入れる場合について、補助単価の加算措置を創設すること、また、医療的ケアが必要なお子さんのように、外出が困難なお子さんを受け入れる場合について、居宅への訪問も想定して、補助単価を大幅に引き上げる加算措置を創設することについて御発言があり、新たに加算を設けることといたしました。
この点につきましては、近日中に実施要綱を改正して、各自治体に通知してまいりたいと考えております。
引き続き、こども誰でも通園制度の本格実施に向けて、本日の視察先の利用者や保育士の方々からいただいたお声をしっかりと受け止めて、よりよい制度となるよう、具体的な検討を進めてまいります。詳細につきましては、こども家庭庁保育政策課の方までお尋ねください。
冒頭、私の方からは以上になります。
2.質疑応答
(問)旧優生保護法の最高裁判決に関連してお尋ねします。
昨日、加藤大臣は原告の方々とお会いになりました。原告の方々とお会いするのは、これが初めてだったかと思いますが、実際にお会いしてどう感じられたでしょうか。
また、その際に総理との面会について、原告の方々からは今月中では遅すぎるという要望が出たと聞いています。
判決当日に行われた大臣のぶら下がり会見以降で、面会日程などについて何か決まったことがあれば教えてください。
(答)昨日7月4日に、7月3日の最高裁判決に係る原告の方々などの関係者の皆様が上京されていたこともありまして、私とお会いしたいという強い御要望が急遽ございました。
7月3日の判決を受け、またそういった強い御要望も受けまして、急なことではありましたが、昨日は、まずは皆様にお目にかからせていただきたいと駆けつけさせていただきまして、そして、御挨拶をさせていただき、その場で皆様から要求書を受け取らせていただいた次第でございます。
その場において、私から原告の方々に対しまして、優生手術等はあってはならない人権侵害であり、優生手術等を受けた皆様が、長年にわたって心身に多大な苦痛を受けてこられたこと、これに関しまして真摯に反省し、心から深くお詫びをさせていただきました。
今後、総理の指示に沿いまして、昨日お会いしてお伺いした要望を踏まえつつ、改めて総理と共にお会いする機会を今月中にセットするように調整を進め、面会の場で反省とお詫びの言葉を改めてお伝えさせていただくとともに、じっくりとお話を伺わせていただきたいと、このように考えております。
(問)旧優生保護法の最高裁判決に関連して、私からも2点お伺いいたします。
今の質問と少し被るのですけれども、昨日、原告の方々とお会いになったということで、判決から間を置かず、直後の面会の時間を設けたということについて、大臣にどのような思いがあったのか、どのような御判断があったのか、お聞かせいただければ幸いです。
関連して、原告団、弁護団は、訴訟の全面解決に向けて、政府と基本合意の締結を求めています。
最高裁判決でも、仙台訴訟については高裁へ差し戻しとなっていますけれども、こうした継続中の訴訟について、今後どのような対応を取っていくのか、法務省と協議もされると思うのですけれども、早期の終結を目指すお考えはあるのか、御見解をお聞かせください。
(答)まず1点目でございます。
少し繰り返しになるところもございますが、最高裁判決7月3日の判決に係る原告の方々などや関係者の皆様から、ちょうどその皆様が揃って上京されているという状況もありましたし、また私と直接お会いしたいという強い御要望が急遽ございました。
その御要望も受けまして、また判決も受けまして、急ではございましたが、まずは皆様にお目にかからせていただきたいということで駆けつけさせていただいて、御挨拶をさせていただいたものでございます。
また、その場では要求書の方も受け取らせていただきました。
また、繰り返しになりますけども、私から、長年にわたって心身に多大な苦痛を受けてこられた原告の方々に対しまして、真摯に反省し、心から深くお詫びを申し上げた次第でございます。
2点目につきましてですが、継続中の訴訟についての御質問がありました。
最高裁判決の内容を踏まえまして、関係省庁としっかり連携をし、対応を検討してまいりたいと考えております。
その上で、昨日私から御挨拶をさせていただいた後に、いただいた要求書の中では、訴訟の全面解決に向けた政府との基本合意の締結という事項も盛り込まれていたところでございます。
いただいた要求書の全ての項目につきましては、今後しっかりと検討する必要があろうかと考えておりますが、その中には7月3日に総理より御指示いただいた、「新たな補償のあり方」も含まれているところでございます。
本件の解決は先送りできない課題でございますので、総理からの御指示に沿って、国会の方とも御相談させていただきながら、新たな補償のあり方について、可能な限り早急に結論を得られるよう、速やかに対応を進めてまいります。
(問)冒頭御発言のあったこども誰でも通園に関連してですが、総理のぶら下がりで、補助単価の創設とか、医療的ケア児のお子さんの補助単価の大幅引き上げ、加算措置を設けるという表現がありましたけれども、具体的に金額であるとか、実施時期であるとかありましたら、教えていただければと思います。
(答)詳細を今後詰めていきますので、詳しいことは部局の方にお問い合わせいただければと思います。
(以上)