加藤大臣記者会見(令和6年5月31日)
加藤大臣記者会見要旨
(令和6年5月31日(金)10時11分から10時21分まで 於:中央合同庁舎8号館1階S103会見室)
1.発言要旨
冒頭、私から3つ報告がございます。
まず1つ目が「こどもまんなか実行計画2024」の策定についてでございます。
先ほど、閣議の前に行われました「こども政策推進会議(第3回)」におきまして、「こどもまんなか実行計画2024」が決定されました。
「こどもまんなか実行計画2024」は、こども基本法に基づき、昨年12月に閣議決定された我が国初の「こども大綱」で示された、6つの基本的な方針と重要事項の下で進めていく、幅広いこども政策の具体的な取組を一元的に示した、初めてのアクションプランでございます。
こどもや若者の権利の保障に関する取組や、「加速化プラン」等の少子化対策、こどもの貧困対策をはじめとする困難な状況にあるこどもや若者・家族への支援に係る施策など、387の項目を提示しておりまして、「これをみれば政府が行うこども政策の全貌がわかる」というものになっております。
この実行計画は、今後、こども家庭審議会における検証・評価を踏まえ、毎年骨太の方針までに改定し、関係府省庁の予算概算要求等に反映させることで、継続的に施策の点検と見直しを図ることとしております。
PDCAをしっかりと進めていくため、新規・拡充施策を中心に具体的な工程表を示すとともに、すでに「こども大綱」で設定した数値目標を含めた指標に加え、施策の進捗状況を把握するための288の指標を設定しているところでございます。こども施策につきまして、これだけの数の指標を一元的かつ網羅的に設定したことも初めてとなります。
これまで、こども政策につきましては、このように毎年改定するアクションプランはございませんでしたが、この実行計画により、PDCAのための仕組みの土台が整うこととなります。
また、こども政策推進会議では、閣僚の皆様に、実行計画の実施に当たっては、「こども・若者の意見の政策反映に向けたガイドライン」ですとか、「こども若者★いけんぷらす」の活用などによって、こども・若者の意見を反映していただくようお願いをさせていただきました。
会議の最後には、岸田総理から、この実行計画はいわば「こども版骨太方針」となるものであり、「こども・若者は権利の主体であり、今とこれからの最善の利益を図ること」「こども・若者や子育て当事者と共に進めていくこと」といった基本方針の下、全ての閣僚が、こどもや若者の意見に真摯に耳を傾け、政策に反映させながら、PDCAを推進し、この実行計画を着実に実施するよう御発言がありました。
政府として、岸田総理のリーダーシップの下で、この実行計画を着実に推進するとともに、こども家庭庁では、地方自治体がこども大綱を勘案して定める「自治体こども計画」の策定を促進してまいります。詳細は、こども家庭庁にお尋ねください。
冒頭、2件目になります。
こども若者★いけんぷらす令和6年度「みんなのパートナーぽんぱー」初会合についてでございます。
こどもや若者から意見を聴き、政策に反映する「こども若者★いけんぷらす」の運営に参画をいただく、「みんなのパートナーぽんぱー」の令和6年度のメンバーが決まり、その初会合を6月2日の日曜日に開催します。当日は私も参加し、ぽんぱーのみなさんと意見を交わす予定でございます。
令和6年度の今年度は、中学生から20代の若者までの20名の方に、ぽんぱーとして参画していただきます。
今回の初会合では、ぽんぱーのみなさんから、活動への意気込みや思いなどをお聴きし、昨年度以上に「いけんぷらす」を充実させられるよう、一緒に考えていきたいと思っております。詳細は、こども家庭庁までお問い合わせください。
3つ目になります。男女共同参画会議の開催についてでございます。
本日、男女共同参画会議を開催し、「女性版骨太の方針2024」の原案を御議論いただきます。
我が国の女性活躍・男女共同参画の現状につきましては、企業間においても、地域間においても、取組の進捗に差が見られるところでありまして、更なる後押しが必要であることや、今年発生した能登半島地震の経験も踏まえ、男女共同参画の視点に立った防災・復興を一層推進する必要があることなどの課題認識に立ち、取組を一層強化させていく必要があると考えているところでございます。
私としましては、こうした取組を加速化させていく上で「鍵」となるのは、「人材の育成」であると考えており、今年の「女性版骨太の方針」では、「人材の育成」を横串のテーマとして掲げているところでございます。
女性活躍・男女共同参画は、社会を構成する私たち一人一人が、その意識と行動を変えていくことによって進んでいくものでありまして、活躍する「人」、活躍する人を支える周りの「人」、活躍に向けた環境整備を進めてくださる経営層や管理職の立場にある「人」、そして地域における取組を担ってくださる「人」など、「人」に着目した取組を進めることが欠かせないことだと考えております。
今回、こうした「人」を育てていくという横串の視点を打ち出すことによって、改めて私たち一人一人が変わっていくことが重要であるというメッセージを発信し、国民全体で持続的で広がりのある取組を進めてまいりたいという思いを込めております。
「女性版骨太の方針」は、「企業」「地域」「防災」「政治・行政」など、極めて広範な分野にわたる取組を、総合的に進めていくことによって、我が国の女性活躍・男女共同参画を着実に前進させていくための「羅針盤」となるものであります。
女性活躍・男女共同参画担当大臣として、「女性版骨太の方針」の取りまとめに向けて全力を尽くしてまいります。
冒頭、私からは以上になります。
2.質疑応答
(問)男女共同参画会議について、先ほど大臣の方から取組を進めるにあたって、鍵となるのは人材育成だというふうに考えておられるとおっしゃっていたのですが、そういうふうに考えられた背景というものがあれば、教えていただけたらと思います。
(答)先ほど申し上げたとおり、意識や行動を一人一人が変えていくということが大変重要だというふうに考えております。
これは計画を打ち出すだけでなく、また施策を充実させるだけでなく、それをしっかりと運用していったり、また根づかせていくにあたっては、一人一人の人の意識、行動を変えていくということが大事で、そのことにしっかり着目して、まさに計画をしっかり進めていくという意気込みも込めまして、また育てていくということも大変重要でありまして、育成といっていくと、やっぱり一人一人の人に着目して行っていくものでございますので、そのことを横串として、しっかりと全ての施策、また計画に横串として、その点着目して進めていただくようなメッセージを打ち出したということでございます。
(問)「いけんぷらす」の取組で、日曜日に初めて、ぽんぱーのミーティングがあるということですけれども、こどもに限らず、当事者の声を聞きながら政策に反映するという取組は、なかなか各省庁で進んでいない部分があると思うのですけれども、大臣のお考えとして、改めて当事者であるこどもたちの声を聴くことの意義と、どのように政策に反映していきたいとお考えかという考えをお聞かせいただいてもよろしいでしょうか。
(答)昨年初めて策定した「こども大綱」、これも多くの当事者やこどもたちの意見も聞きながら策定を進めてきたところでございますし、その「こども大綱」の中にも、しっかりと当事者の意見を聞いていくのだということは組み込んであります。
各自治体の方々にも、私から情報発信をさせていただいて、施策に反映するというところ、ぜひやっていただきたいということの通知も出させていただきました。
やはり、こども政策、これは当事者のお声をしっかり反映していかないと、我々大人だけの視点で考えていたものでは、次世代を担う方々にとって、肌感覚の違うものが出来上がっても、本当にこどもまんなかの政策にはなり得ないというふうに思いますので、しっかりとこどもたちの視点、また当事者の視点を入れ込んだ施策にしていきたいというふうに考えております。
(以上)