三原大臣記者会見(令和6年11月22日)
三原大臣記者会見要旨
(令和6年11月22日(金)11時15分から11時23分まで 於:こども家庭庁記者会見室)
1.発言要旨
本日、私からご報告がございます。
10月に総理からご指示がありました「総合経済対策」は、近々とりまとめるべく調整しておりますが、この「総合経済対策案」に盛り込む予定のこども家庭庁の重点事項についてご報告をいたしたいと思います。
まず、お配りしている資料をご覧ください。今回の経済対策では「すべてのこども・若者の幸せと未来を守る」との決意の下、こども・若者の支援、子育て支援等の取組を、思い切って、強化・加速いたします。
その内容は大きく4つの柱で、「こどもまんなか」のバージョンアップ、地域の若者の将来設計の可能性の最大化、未来を担うこどものための質の高い成育環境の提供、すべてのこどもの幸せを守り抜く、という4つでございます。それぞれのポイントを紹介します。
第一の柱「こどもまんなかのバージョンアップ」では、「こどもまんなか社会」の実現に向けて、こどもと子育てにやさしい社会へと、意識・行動改革を進める「こどもまんなかアクション」の推進。そして、こども・若者視点の現場主義の強化、こども家庭庁におけるEBPMの強化などにより、これまでの取組をさらに一段高いレベルへと引き上げたいと思います。
次に、第二の柱「地域の若者の将来設計の可能性の最大化」では、若い世代にもっと目を向けた取組とすべく、先日の会見で私から発表いたしました「結婚する前の若者のライフデザインの支援」に取り組むとともに、妊婦への支援や産後ケアなど、地域で安心して出産・妊娠できる環境の整備、放課後児童クラブの拡充・強化など、誰でも無理なく子育てできる社会への転換などの施策を拡充します。
続きまして、第三の柱「未来を担うこどもたちのための質の高い成育環境の提供」では、保育士等の処遇改善、保育所等の整備に係る交付金の拡充など、質の高い保育の持続的な確保とともに、性暴力や災害等からこどもたちを守る、こどもの安心・安全の確保に取り組みます。
最後は「すべてのこどもの幸せを守り抜く」です。こどもの様々な悩みに向き合い、寄り添い、困難を抱えるこどもの支援は、こども政策の最重要課題です。
このため、いじめや不登校対策等の強化、ひとり親家庭への支援の強化、貧困や虐待、医療的ケアが必要となるこどもなど、困難に直面するこどもたちの幸せを守り抜くための取組を行います。
以上、この「総合経済対策案」における、こども家庭庁の重点事項についてご説明いたしました。
このうち、予算の裏付けが必要な事業は、現在編成作業中の令和6年度補正予算案にしっかりと盛り込んでまいります。
個々の事業内容は、補正予算案決定時に、改めてご紹介しますが、そのうち本日は、総合経済対策案に盛り込んだ「保育士等の処遇の抜本的な改善」について発表させていただきたいと思います。また資料をご覧ください。
今回、保育士等の人件費を10.7%引き上げ、現状からの「大脱却」を図る抜本的な処遇改善を行います。
これは、現行の子ども子育て支援新制度において、過去最大の引き上げとなります。
保育士等の処遇は、これまでも累次の処遇改善に取り組んできましたけれど、他方、私自身、先日も視察に行かせていただいた保育現場などにおきましても、保育士はもとより、利用する保護者からも、保育士等の処遇改善が必要だとの強いご意見をいただいておりました。
保育士等は、こどもに一番身近な存在で、処遇改善は保育の質の向上につながるものであります。保育士の方々はもちろん、なによりも、未来を担うこどもたちのため、この国の未来のためにも、保育士等の処遇改善について、現状から大きく脱却して、飛躍的に前進させるべく、このような措置を講ずることといたしました。
今回の措置により、保育士等の処遇が抜本的に改善され、保育の質の向上等につながることを強く期待しております。
なお、今回の10.7%という改善の効果は、現場で働く保育士に確実に行き届き、その効果を実感していただかなければ意味がありません。これについては、各自治体を通じて、各園の運営に携わる方々にしっかりとお願いをしてまいりたいと思います。
2.質疑応答
(問)三原大臣は、就任の際に、ご自身の子宮頸がんのご経験を踏まえて、「こどもたちの命を大切にしたい」というふうにお答えいただきました。その点を踏まえて、今日の一連の経済対策に盛り込む施策の意気込みを改めてお伺いできますしょうか。
(答)「こどもまんなか社会」とは、すべてのこどもや若者が健やかに成長でき、将来にわたって幸せに生活できる社会です。
この社会の実現のために、大前提として、不安や悩みを抱え、つらい思いをしているこどもたちが、そういう思いを打ち明けやすい環境をこどもの目線にたってつくること、そして、不安や悩みに寄り添い、それを解消していくことが最も重要なことだと考えております。
このため、今般、こども家庭庁内の若手職員や自治体などの現場経験のある職員等を中心とした「こどもの悩みを受け止める場に関するプロジェクトチーム」を発足し、来週26日に発足式を開催することといたします。
発足式の詳細は、後ほど事務方から皆様へご案内させていただきますが、本プロジェクトチームは、こどもが利用できる官民の相談窓口の実態等を把握・整理するとともに、こどもの悩みを受け止める諸活動等に関する効果的な広報手段等を検討することを目的としていますが、現場やこども・若者との意見交換等を行いながら、こどもから信頼されるにはどうすればよいかなどを考え、できることから取組を進めていきたいと考えています。
詳しくは26日の発足式で私からしっかりお話したいと思いますが、私自身もこどもの声、現場のご意見を聞きながら、こどもの悩みを受け止められるような取組、これをしっかりと進めてまいりたいと思っております。
(以上)