本文へ移動

小倉大臣記者会見(令和5年4月4日)

小倉大臣記者会見要旨

(令和5年4月4日(火)10時41分から10時56分まで 於:中央合同庁舎第8号館1階S103会見室)

1.発言要旨

私からは冒頭2点あります。
まず交通安全対策担当の大臣として申し上げます。
明日4月5日午後2時から総理官邸におきまして、第4回交通安全対策に関する閣僚会議を開催いたします。この会議では、令和3年8月に決定した「通学路等における交通安全の確保及び飲酒運転の根絶に係る緊急対策」のうち、通学路合同点検の令和4年12月末段階の進捗状況等について議題にする予定であります。

今回の会議から、こども家庭庁も参画することとしており、同庁のこどもや子育て当事者の視点に立った施策を推進する役割や、こどもの安全安心に関する取組を進める役割を通学路の安全を確保していく上で活かしていくこととし、緊急対策のうち通学路の合同点検につきましては、こども家庭庁が取りまとめることといたします。なお、関係閣僚会議終了後に事務方から記者ブリーフィングを開催する予定でありますので、そちらも併せて御報告を申し上げます。

続きまして2点目です。本日4月4日火曜日に、こども記者による記者会見を開催いたします。こども記者会見は、こども新聞などの新聞社に所属する小学生、中学生のこども記者からの質問に対して、私がお答えをしていくものであります。

こども家庭庁のこれまでの行政にはない新たなチャレンジは、こどもや若者をこども政策の対象としてのみ捉えるのではなく、こども政策の当事者として共に政策を立案していくということであります。こども記者会見ではこどもをこども扱いせず、1人の人間として真摯に向き合い、こども政策担当大臣としての考えをお伝えしていきたい、このように思っております。

そして、そこでの議論をこどもや若者の目線で記事にしていただき、更に多くのこどもや若者から新たな意見を頂戴していくという好循環を生み出していきたいと考えております。詳細につきましてはこども家庭庁にお問い合わせください。以上です。

2.質疑応答

(問)次元の異なる少子化対策の実現に向けた「こども未来戦略会議」が立ち上がります。総理をトップとする会議で議論されることへの期待感と、また、御自身もメンバーとして加わられるということで、どのような議論にしていきたいか、お願いします。

(答)「こども未来戦略会議」では、今回の試案を踏まえて必要な政策強化の内容、予算、財源について更に具体的な議論を深めることといたしております。こども政策担当大臣としては、今回の試案を具体化する過程を通じて、国民の皆様の理解が得られるよう、様々な関係者に引き続き加わっていただきながら議論を進めてまいりたいと思っております。正に総理をヘッドとする会議の下でこのたたき台を踏まえて更に議論を強化するということは、何度も申し上げているように、総理の並々ならぬ意欲の表れだというふうに思っておりますので、更に国民の皆様方に多く納得いただけるような、そのような議論を続けていきたいというふうに思っております。

(問)こどもへの性犯罪を防ぐ仕組みの日本版DBSについてお伺いいたします。まず、現在の検討状況と、いつごろを目途に法案提出実現を目指していくのか教えてください。また、DBSは文科省、厚労省、警察庁など、関係する省庁が多岐にわたり、縦割りを排した仕組み作りを期待する声も上がっていますが、大臣はこのDBSの仕組み作りとしてどのように進めていかれる意向ですか。また、この検討していく上で特に課題と考えられることがあれば教えてください。

(答)まず今の検討状況でありますが、一部報道におきましては日本版DBSの内容、法案の策定やその時期、有識者会議等について報じられたところでありますが、具体的な仕組みの内容、法案提出やその時期、会議の開催等については、現時点で具体的に定まったものはございません。教育・保育施設等やこどもが活動する場等において、働く際に性犯罪歴等についての証明を求めるいわゆる日本版DBSの導入に向けましては、憲法上の問題を含む法的論点の整理や具体的な仕組みについて検討する必要があり、これは3点目の御質問につながりますが、そういった課題もございますので、現時点で具体的なスケジュール等をお示しすることは困難でございます。しかしながら、2点目の質問にもつながりますが、こども家庭庁の下で担当参事官を中心にDBSの検討チームを作り、これは準備室段階からでありますけれども、検討を続けております。そこの検討チームには様々な専門家も加わっておりますので、そのチームを中心に、できるだけ速やかに導入できるよう取り組んでいきたい、このように思っております。

(問)2点伺わせてください。金曜日に発表になったこども政策の強化の関連で、一つはひとり親世帯の支援が盛り込まれたと思います。これまでモデルケースと一線を画した表現となっておりますので、その点思いがあればお聞かせいただけますでしょうか。

(答)少子化対策は、子育て当事者や若者に対し、子育てに関する安心感を持ってもらうことが極めて重要だと思っております。今回の試案の加速化プランには、ひとり親家庭だけではなくて、障害児、医療的ケア児、社会的擁護、ヤングケアラーなどへの支援も盛り込んだのは様々な事情が生じたとしても安心感を持って子育てができる社会に前進をさせていくという思いを込めてのことであります。
ひとり親家庭について見ますと、ひとり親家庭はこどものいる世帯の約1割を占めておりますが、その約5割が相対的貧困の状況にあるなど、ひとり親家庭の自立と子育て支援は喫緊の課題だと認識しております。そのため、今回の加速化プランにおきましては、ひとり親世帯への支援について、経済的な支援に加え、就業支援や子育て生活支援などを含め、生活全体を総合的に支えていく視点が重要と考えまして、例えばひとり親を雇い入れ、人材育成・賃上げに向けた取組を行う企業に対する支援や、資格取得を目指すひとり親家庭に対する支援の充実、更に養育費に関する相談支援や取り決めの促進を盛り込んだところでありまして、こうした加速化プランの中身を実現して、ひとり親世帯等への支援をしっかりと進めてまいりたいと考えております。以上です。

(問)共育ても今回盛り込まれた表現かなと思いまして、これについてのお考えや、あと育休、政府としては一丁目一番地におかれていると思いますが、今後育休をどうやって広げていきたいか、もしお考えがあればお聞かせいただけますでしょうか。

(答)少子化には我が国のこれまでの社会構造や人々の意識に根差した要因が関わっているものと認識しております。とりわけ、家庭内において育児負担が女性に集中しております現状や、男性が育児休業を取りにくい等といった実態があると認識しておりまして、こうした実態を変え、夫婦が相互に協力しながら子育てをする社会をつくっていきたい。このような思いを持って、今回の試案では男性育休率の政府目標を大幅に引き上げる、育休給付の手取り100%への引き上げなどの男性育休の取得促進のための取組を盛り込みました。
また、男性育休の取得促進だけではなく、その後も含め、柔軟な働き方や多様な働き方を確保することも、今、そして今後の我が国を見据えた場合、非常に重要な方向性であると考えておりまして、こどもが2歳未満の期間に時短勤務を選択した場合の給付の創設、自営業、フリーランスの方々の育児期間の保険料免除制度の創設、あるいは、今育児目的休暇というものがありますが、そういったものの在り方の検討などの取組も盛り込んだところであります。今後は試案で示した加速化プランを実現できるよう、総理の下で更に議論を深めるとともに、こども家庭庁の下、国民運動を展開しながら企業や国民、地域社会の理解を得てまいりたいと考えております。

(問)こども基本法が施行されて、改めてこどもの権利を尊重することを示されたと思います。宗教に起因する虐待の問題をめぐって、これから実態把握など引き続き対応が必要だと考えるんですけれども、今までその辺を指導してきた厚労省からどのようにこうした問題に関して引き継ぎを受けて、この問題に対してどうやって向き合っていこうと考えておられるか、大臣のお考えをお聞かせください。

(答)宗教2世の問題につきましては、これまでも厚労省の下で分かりやすい指針づくり等々をお示ししながら、自治体や現場の担当者の理解を得てきたところであります。この問題に限らず、これまで厚労省が担ってきた様々な業務につきまして、しっかり引き継げるようにこども家庭庁としてもこれから取り組んでいきたいというふうに思っております。

(問)「こども未来戦略会議」の関係と重なるかもしれないんですけれども、今後たたき台を具体化していくに当たって、関係省庁との調整であるとか、更にこども家庭庁に求められることが多くなると思うんですけれども、大臣としては、中身を具体化されていくに当たってどのように役割を果たしていきたいか改めて教えてください。

(答)総理の御指示の下、こども家庭庁の発足を待たずに、私を議長とする関係府省会議を開催させていただきまして、先月の31日に公表させていただきました。その最後の関係府省会議の場でも申し上げたところでありますが、非常に関係府省会議の関係者、すなわち関係省庁の幹部級の皆様方に御出席をいただいてきましたが、非常に自らの立場を超えて闊達な意見交換をしてくださったと思いますし、たたき台を作成するに当たりましても、私ども綿密に関係省庁と協議を重ねた上で今回のたたき台を作成いたしております。中には非常に難しい課題、こちらからお願いしたと思いますが、所管する省庁の皆様におきましてはしっかり受け止めていただいて、懸命にお知恵を出していただいた結果、今回たたき台の中で様々な具体的なメニューを記載することができたと思っております。
そういう意味では、こども家庭庁発足前から非常にこども家庭庁に対して、政府部内で総理のリーダーシップの下で高い御期待をいただいていると思いますし、協力もしてくださったというふうに非常に感謝をしているところであります。これからも、従来から申し上げているように、こども政策についてはこども家庭庁が司令塔機能を担いますが、政府全体として、ワンチームとして、これからも議論を深めていけるよう、努力をしていきたいというのが私の思いです。

(問)勧告権について教えてください。担当相には他省庁に改善を求める勧告権を付与されているかと思うんですけれども、こども政策、例えば働き方改革であれば厚労省、幼稚園であれば文科省、他省庁がメインでやっている分野との連携なり、家庭庁側のリーダーシップが必要な局面というのがあると思うんですけれども、勧告権に関して、頻度であったり具体的に使われる想定があれば、大臣のお考えがあれば教えていただけたらと。

(答)こども家庭庁が発足する前から、例えばいじめの問題、あるいは不登校対策について、文部科学省と一緒になって会議体を作りまして、あるいは我々からオブザーバー参加をする形で一緒になって議論を進めてまいりました。そういう意味では、我々こども家庭庁の役割というのは、先ほど申し上げたようなこども政策の司令塔になるということと、政府の中ではざまに陥ってしまうような分野についてしっかりとフォローすることだと思います。そういったことをする上で、まず第一は、きちんと、今申し上げたいじめの問題や不登校対策などのように、しっかりと政府部内で調整をし尽くすということだと思います。幸いなことに、先ほど来申し上げているように、政府の各機関、非常にこども家庭庁、あるいは準備室に対して協力をしていただいておりますので、それがまず第一だろうというふうに考えております。
そういう意味では、勧告権の行使に関しましても、手段が目的化してしまってはいけないので、何を行使するか、あるいはどれぐらい行使をするかありきで議論をすることは私は控えなければいけないと思いますが、ただ、そういった調整をした上でなお必要があれば、必要に応じて躊躇なく勧告権をこどもの最善の利益を考えて行使すべきだというのが私の考え方であります。

(以上)