子ども・子育て支援金制度のQ&A
子ども・子育て支援金制度に関する、ご質問と回答を掲載しています。
- Q1. 子ども・子育て支援金制度とは?
- Q2. 子ども・子育て支援金は何に使われるのですか?
- Q3. なぜ医療保険料とあわせて払うのですか?
- Q4. なぜこどもがいない人や子育てが終わっている人まで払わなければならないのですか?
- Q5. 子ども・子育て支援金の創設により負担が増えるのではないですか?
- Q6. 子ども・子育て支援金の額はいくらになりますか?
Q1. 子ども・子育て支援金制度とは?
- 少子化・人口減少が危機的な状況にある中、「こども未来戦略」(令和5年12月22日閣議決定)において、児童手当の抜本的拡充など、年3.6兆円規模のこども・子育て政策の給付拡充を図ることとしました。
こうした大きな給付拡充に当たっては、若い世代の方々が将来に見通しを持てるとともに、経済政策と調和した財政枠組みとするよう、安定財源を確保する必要があります。
子ども・子育て支援金制度(以下「支援金制度」という。)は、このような給付を賄うために、歳出改革や既定予算の活用を最大限図った上で、令和8年度から令和10年度にかけて段階的に構築する、少子化対策のための特定財源であり、令和8年度に6千億円程度、9年度に8千億円程度、10年度に1兆円程度を、ご高齢の方や事業主の皆様を含む全世代・全経済主体から、医療保険料とあわせて拠出いただきます。 - 子ども・子育て支援金(以下「支援金」という。)を医療保険料とあわせて、全世代・全経済主体から拠出をいただくことで、医療保険の加入者1人当たりの平均拠出額は月額450円程度になります。その一方で、妊婦のための支援給付や児童手当の高校生年代への延長、所得制限の撤廃などのライフステージを通じた子育てに係る経済的支援の強化により、支援金を充てる事業による0歳から18歳までの間の平均的な給付拡充(累計)はこども一人当たり約146万円となり、子育て中や、これから結婚・子育てを考えている若い世代への支援につながります。
Q2. 子ども・子育て支援金は何に使われるのですか?
- 支援金が充てられる事業は法律(子ども・子育て支援法)で以下のとおり定められており、これら以外の目的で使用されることはありません。どの事業にいくら使われるかは、令和7年度に創設する子ども・子育て支援特別会計で明らかにし、政策の全体像と費用負担の見える化を進めます。
① 児童手当(高校生年代まで延長、所得制限の撤廃、第3子以降の支給額増額を実施)※令和6年10月から
② 妊婦のための支援給付(妊娠・出産時の10万円の給付金)※令和7年4月から制度化
③ こども誰でも通園制度(乳児等のための支援給付)※令和8年4月から給付化
④ 出生後休業支援給付(育児休業給付とあわせて手取り10割相当(最大28日間))※令和7年4月から
⑤ 育児時短就業給付(時短勤務中の賃金の10%支給)※令和7年4月から
⑥ 国民年金第1号被保険者の育児期間に係る保険料免除措置 ※令和8年10月から
⑦ 子ども・子育て支援特例公債(支援金の拠出が満年度化する令和10年度までの間に限り、①~⑥の費用の財源として発行)の償還金
Q3. なぜ医療保険料とあわせて払うのですか?
- 社会保険制度は、社会連帯の理念を基盤としてともに支え合う仕組みです。支援金制度も、こうした社会連帯の理念を基盤に、こどもや子育て世帯を全世代・全経済主体で支える、新しい分かち合いの仕組みです。
- 社会保険制度の中でも、医療保険制度は、
- 他の社会保険制度と比較して賦課対象者が広いこと
- 現行制度においても、後期高齢者支援金や出産育児支援金など、世代を超えた支え合いの仕組みが組み込まれていること
- 急速な少子化・人口減少に歯止めをかけることが、医療保険制度の持続可能性を高めること
から、支援金を医療保険料とあわせて拠出いただくこととしました。
- なお、支援金は、医療保険料と区分して設計されるものであり、医療保険料として拠出いただいたお金を「流用」するものではありません。(この点は現役世代の医療保険の仕組みを使って拠出いただいている介護保険料と同じです。)
Q4. なぜこどもがいない人や子育てが終わっている人まで払わなければならないのですか?
- 少子化・人口減少の問題は、日本の経済全体、地域社会全体の問題であり、こどもがいない方や子育てが終わっている方などにとっても、極めて重要な課題です。
- したがって、支援金を充てる給付を直接受けない方にとっても、少子化対策によって我が国の経済・社会システムや地域社会を維持し、国民皆保険制度の持続可能性を高めることは、かけがえのない重要な意義を持つものです。
- また、事業主の皆様にとっても、実効性のある少子化対策の推進は、労働力の確保や国内市場の維持の観点から、極めて重要な受益になります。
Q5. 子ども・子育て支援金の創設により負担が増えるのではないですか?
- 今回、総額3.6兆円規模の給付拡充を図ることとしていますが、その財源確保に当たっては、現下の経済状況や財政状況を踏まえ、増税か国債発行かではなく、社会保障分野における歳出改革等に取り組むこととしています。具体的には、既定予算の最大限の活用等と歳出改革等による公費節減の効果で7割(2.6兆円)を確保することとしており、残る1兆円について、支援金制度を創設して確保することとしています。
- 支援金制度は、こどもや子育て世帯を全世代・全経済主体が支える仕組みとして皆様に拠出をお願いするものですが、支援金として拠出いただく1兆円分については、医療・介護の徹底した歳出改革と賃上げによって実質的な社会保険負担軽減の効果を生じさせ、その範囲内で支援金制度を構築することにより、実質的な負担が生じない(社会保障負担率(※)を上昇させない)こととしています。
※ 国全体でみた国民所得に対する社会保険料負担の割合 - なお、歳出改革については、「全世代型社会保障構築を目指す改革の道筋(改革工程)」(令和5年12月22日閣議決定)に沿って、令和10年度までの各年度の予算編成過程において具体的な内容を検討・決定していくこととしています。
実際に取組を検討・実施するに当たっては、必要な保障が欠けることのないよう、見直しによって生じる影響を考慮しながら、政府において丁寧に検討を進めます。
Q6. 子ども・子育て支援金の額はいくらになりますか?
- 支援金にかかる個々人の具体的な拠出額については、加入する医療保険制度、所得や世帯の状況等によって異なります。
なお参考として令和10年度において- 全ての医療保険制度加入者一人当たり平均で月額450円程度
- これを医療保険制度別にみると、健康保険組合や協会けんぽなどの被用者保険で月額500円程度、国民健康保険で月額400円程度、後期高齢者医療制度で月額350円程度
と想定しています。
※詳細は下図参照。
※被用者保険の金額は事業主負担分を除いた本人拠出分
- また、国民健康保険制度や後期高齢者医療制度においては医療保険制度と同様に低所得者等に対する保険料の軽減措置を実施します。さらに、国民健康保険においては、18歳年度末までのこどもに係る支援金の均等割額は10割軽減の措置を講じます。