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もしもの時の「応急手当方法」

救命講習は、お近くの消防署などで受講できます。

心肺蘇生法

病気やけがにより突然心臓が止まったり、溺れたりした場合、一刻も早い手当てが必要です。人間の脳細胞は数分間血液が流れず酸素が届かなくなると、二度と機能が回復しないからです。119番通報をしてから救急車が来るまでには最低でも数分かかるので、その間の応急措置が命を救います。まずは人を呼び、周りに人がいない場合は119番しましょう。119番したら電話をハンズフリー設定にして、救急隊の指示に従って以下の処置を行います。胸骨圧迫と人工呼吸の回数は30:2とし、この組み合わせを救急隊員と交代するまで繰り返します。

<胸骨圧迫(心臓マッサージ)>
意識がなく呼吸が停止している場合は、直ちに胸骨圧迫による心肺蘇生を開始します。幼児でも乳児でも、胸の厚さが3分の1くらい沈む強さで、1分間に100~120回のスピードで圧迫します。

  • 幼児の場合:胸骨の下半分を、手のひらの根元で押します。
  • 乳児の場合:左右の乳頭を結んだ線の中央で少し足側を、指2本で押します。

<人工呼吸>
あお向けにして、頭を後ろに反らし、同時に顎の先を上に持ち上げ、気道を確保します。

  • 幼児の場合:鼻をつまみ、口と口をくっつけて息を吹き込みます。
  • 乳児の場合:口と鼻を一緒に覆い、胸が軽く上がる程度まで息を吹き込みます。

AED(自動体外式除細動器)

AEDは、心臓に電気的な刺激を与えて正常のリズムを取り戻す機械です。近くにAEDがあれば取り寄せを依頼し、届いたら電源を入れて、音声に従いつつ表示されているように電極パッドを貼り、その音声に従って操作します。効果がない場合は胸骨圧迫30回、人工呼吸2回を繰り返し、以後2分おきにAEDを操作します。

やけどをしてしまった時

やけどをしてしまったら、すぐに10分以上冷やしましょう。刺激を避けるため、容器に溜めた水で冷やすか水道水・シャワーを直接当てないようにしましょう。服の上から熱湯などがかかった場合は、脱がさずに服の上から冷やしてください。

  • 全身の広い範囲・顔面などのやけどの場合: すぐに救急車を呼びましょう。
  • やけどの範囲が片足、片腕以上の広範囲にわたる場合:救急車を呼ぶか、至急病院を受診しましょう。
  • やけどの範囲が手のひら以上の場合や水膨れの場合:潰さないようにして、病院を受診しましょう。

    なお、市販の冷却シートは、やけどの手当てには使えません。電気カーペットなどによる低温やけどは、見た目より重症の場合がありますので、症状が悪化したり、こどもが痛がることが続いたりなどした場合には病院を受診しましょう。

異物を飲み込み喉に詰まってしまった時

119 番通報を誰かに頼み、直ちに以下の方法で詰まった物の除去を試みます。
1歳以上の幼児には、まず「背部叩打法」を行い、異物が除去できなかった場合は「腹部突き上げ法」を行います。
1歳未満の乳児には、「背部叩打法」と「胸部突き上げ法」を数回ずつ交互に行いましょう。
意識がない場合は、心肺蘇生を行います。

<背部叩打法(はいぶこうだほう)>
幼児はこどもの後ろから片手を脇の下に入れて、胸と下あご部分を支えて突き出し、あごをそらせます。片手の付け根で両側の肩甲骨の間を強く迅速に叩きます。

乳児は片腕にうつぶせに乗せ顔を支えて、頭を低くして、背中の真ん中を平手で何度も連続して叩きます。

<胸部突き上げ法(きょうぶつきあげほう)>
片手で体を支え、手の平で後頭部をしっかり支えます。心肺蘇生法の胸部圧迫と同じやり方で圧迫しましょう。

<腹部突き上げ法(ふくぶつきあげほう)>
幼児は、後ろから両腕を回し、みぞおちの下で片方の手を握り拳にして、腹部を上方へ圧迫します。

打撲をしてしまった時

  • 頭の打撲の場合:
    • 傷口から出血している時は、傷口を閉じるようにガーゼで圧迫し、安静にして様子をみましょう。
    • 意識がない、出血がひどい、繰り返し嘔吐があるときには、救急車を呼ぶか、至急病院を受診しましょう。
    • 顔色が悪く元気がないときは、小児科や脳外科を受診しましょう。意識があって元気なときでも、1日~2日は安静にして様子をみます。
    • こぶができた程度なら、安静にして冷たいタオル等で冷やします。
  • 身体の打撲の場合:
    • 腕や足などを打った時は、冷たいタオルなどで冷やします。
    • おなかを強く打った時は、衣類を緩めて、安静にして、病院を受診しましょう。
  • 腕や足の骨折や脱臼の可能性がある場合
    • 添え木などで固定し、その部分を動かさないようにして、病院を受診しましょう。

出血した時

傷の処置で大事なのは止血です。まずは水で傷を洗います。これは感染防止にもなります。傷口の深さと大きさを確認してガーゼを当てて止血します。それでも血が止まらず、出血がひどい時は、止血しながら病院を受診しましょう。

熱中症の応急手当

  • 涼しい場所や日陰のある場所へ移動し、衣服を緩め、安静に寝かせる。
  • エアコンをつける、扇風機・うちわ等で風をあて、体を冷やす。
  • 首の周り、脇の下、太ももの付け根など太い血管の部分を冷やす。
  • 飲めるようであれば水分と塩分をこまめに取らせる。

<予防のポイント>

  • 部屋の温度と湿度をこまめにチェック!
  • 室温28°Cを目安に、エアコンや扇風機を上手に使いましょう。
  • 暑さに慣れていないうちは無理して運動をしないようにしましょう。
  • のどが渇かなくてもこまめに水分と塩分補給(経口補水液やイオン飲料など)をさせましょう。
  • 外出の際は体を締め付けない涼しい服装で、日よけ対策も。
  • 無理をせず、適度に休憩をしましょう。
  • 短時間であっても絶対に車内にこどもを放置しないでください。

誤飲対処早見表

飲んだものによって、緊急性の高いものや吐かせてはいけないものがあります。
基本的には、吐かせずに、同じものを病院に持参して受診しましょう。
応急手当がわからないときや受診の必要性は、医療機関や子ども医療電話#8000に相談しましょう。

症状

救急車を呼ぶ場合

  • 苦しそうな呼吸
  • 窒息・顔色が青白い
  • けいれん
  • ぐったりして呼び掛けてもぼんやりしている

急いで受診【このような場合は救急車でも】

  • 突然せき込み始めた
  • 声がかすれている
  • ゼーゼー、ヒューヒューした呼吸
  • 吐く、下痢、腹痛など

飲んだもの

救急車を呼ぶ場合

灯油、ベンジン、除光液、農薬、殺虫剤、ネズミ駆除剤

急いで受診(症状がなくても)

  • ボタン電池
  • 鋭利な異物(ヘアピン、針など)
  • 磁石
  • 洗剤(トイレ用スタンプ、液体洗剤)・吸水性樹脂・水で膨らむビーズ・芳香剤・消臭剤・防虫剤・漂白剤
  • たばこ(吐かせる)
  • 薬(お薬手帳があれば持参)
  • コインやおもちゃ等

家で様子を見る診療時間内に受診

  • 少量のインク、クレヨン、絵の具、粘土、化粧品(口紅・ファンデーション)、石けん(心配な場合は電話などで相談)