身の回りに潜む転落事故の危機
~こどもの転落事故は「環境づくり」で防ぐことができます~
本サイトでは、関係機関等と連携し、こどもの転落事故の発生状況や事故を防止するためのポイント等について、情報をとりまとめています。
こどもの転落事故は、発達段階によって事故が起こりやすい場所や状況が変わるという特徴があります。そして発達段階に応じた対策をあらかじめ講じることで、多くは未然に防ぐことができます。
本サイトをご活用いただき、こどもの転落事故を防ぐための安全対策を取っていただければ幸いです。
なお、本資料に記載している事故防止対策は代表的な事例を示したものであり、こどもの発達段階や個々の生活環境、状況に応じて適切に参考としてください。
1.こどもの転落事故の発生状況
2.こどもの転落事故を防止するためのポイント
(1)抱っこ・おんぶ等からの転落
(2)家具等からの転落
(3)階段からの転落
(4)遊具からの転落
(5)窓・ベランダ等からの転落
1.こどもの転落事故の発生状況
(1)死亡事故
こどもの転落による死亡事故は、人口動態統計によると長期的には減少傾向にあるものの、依然として不慮の事故の中で重要な死因の一つとなっています。特に、事故による死亡は0~4歳の乳幼児に多く、家庭内で発生するケースが中心です。
【表1】「不慮の転倒・転落」による死亡者数の推移
※ 人口動態統計(厚生労働省)を基にこども家庭庁で作成
【表2】「不慮の転倒・転落」による死亡事故の原因(2020年から2024年の累計)
※ 人口動態統計(厚生労働省)を基にこども家庭庁で作成
(2)救急搬送事故
東京消防庁の救急搬送データをみると、「落ちる」事故は各年齢層で一定数発生しており、特に0歳から5歳頃に多く見られます。発達に伴い行動範囲が広がることで、事故が発生する場所も変化し、乳幼児期はベッドや椅子など身近な場所からの転落、成長後は階段や窓、ベランダといった高所からの転落が増加します。
こうした転落事故は日常生活の中で発生する予測可能な事故であり、発達段階に応じた環境づくりや対策を講じることで、多くは未然に防ぐことが可能です。
【表3】「落ちる」事故による救急搬送人員数(東京消防庁管内)
※ 「救急搬送データから見る日常生活事故の実態(東京消防庁)」を基にこども家庭庁で作成
【表4】「落ちる」事故の発生の多かった要因上位5つ(2020年~2024年の累計)
※ 「救急搬送データから見る日常生活事故の実態(東京消防庁)」を基にこども家庭庁で作成
2.こどもの転落事故を防止するためのポイント
(1)抱っこ・おんぶ等からの転落
抱っこやおんぶ中の転落事故は、装着時の不備や前かがみの姿勢、こどもの予測できない動きなどにより発生します。特に、落下時は頭部から転落しやすく、重大なけがにつながるおそれがあります。確実な装着とこどもの動きを踏まえて常に体を支えられる状態を保つことが重要です。
<事故事例>
① 抱っこひも装着時の転落
抱っこひもを装着しようとしている際に肩ひもがずれて、こどもが頭から落下。約1.5mの高さから床に転落し、 頭蓋骨骨折や硬膜下血腫を負った。
② 抱っこ中にのけぞって落下
保護者が抱っこしたまま立っていたところ、こどもがのけぞり、約1mの高さから落下。大腿骨骨折を負った。
③ おんぶ中にすり抜け転落
おんぶしていた際、こどもが抱っこひもからすり抜けるように落下。アスファルトに頭部から落ち、側頭骨骨折となった。
<事故防止のためのポイント>
① バックルやベルトが確実に留まっているか、緩みがないか装着時・装着前後の確認を徹底する
② 前かがみの姿勢になる(物を拾う、手を洗う、荷物を取る)ときは必ず片手でこどもを支える
③ こどもの動き(のけぞり・活発な動き)を想定し、常に体を支えられる状態にしておく
<関連サイト>
- Vol.637 抱っこひも ― 横からのすり抜けに注意 |「みんなの消費安全ナビ」(消費者庁)
- 抱っこひもからの転落事故に気を付けて! |「東京くらしWEB」(東京都)
- 抱っこひもからの子どもの落下に注意!-生後数カ月の子どもが頭蓋内損傷などの重篤なけがを負っています-(発表情報)_国民生活センター(独立行政法人国民生活センター)
- 事故予防情報|事故事例と対策|抱っこや抱っこひもからの転落(NPO法人Safe Kids Japan)
(2)家具等からの転落
家具等からの転落事故は、ベッドや椅子など身近な場所で、低い高さからでも頭部に重いけがを負うおそれがあります。高い場所にこどもを置かない、ベルトや柵を正しく使用する、周囲の環境を整えるなど、日常生活の中での対策を徹底することが重要です。
<事故事例>
① ベッドからの転落
保護者が目を離した間に、こどもが高さ60cmの大人用ベッドから転落。数日後に頭部の腫れが見つかり、頭頂骨骨折と診断された。
② 椅子・ハイチェアからの転落
ハイチェアの上で立ち上がったこどもが後方に転落。頭部を打ち、嘔吐を伴い救急搬送された。ベルトは付いていたが使用していなかった。
③ おむつ交換台からの転落
おむつ交換台でベルトをしていたが、保護者が目を離した隙にこどもが抜け出し落下。頭頂骨骨折となり入院した。

<事故防止のためのポイント>
① ベルト・柵は必ず使用する
② 家具の使い方を守る・点検する
③ 高い台でのおむつ交換中は必ずこどもに手を添え、必要な準備を事前に整える
<関連サイト>
- 0~1歳児のベッドからの転落事故に御注意ください(消費者庁)
- 子どもの転落事故に注意! - 落ちるまではあっという間です。事前の対策で事故防止を - | 消費者への注意喚起(消費者庁)
- 科学で探る子どもの事故予防策-転落-(東京都)
(3)階段からの転落
階段からの転落事故は、こどもが自由に動けるようになる前から発生し、特に保護者が一瞬目を離した隙に起こります。ベビーゲートの確実な管理、抱っこ時の安全な行動、階段周辺の環境整備など、「近づけない・落ちない」環境づくりを徹底することが重要です。
<事故事例>
① 抱っこ中に階段で転倒し落下
保護者がこどもを抱っこして階段を下りている際に足を滑らせ、こどもから手を離してしまい転落。こどもは頭蓋骨骨折やくも膜下出血の重傷を負った。
② 歩行器に乗ったまま階段から転落
歩行器に乗った状態で、2階から1階の踊り場まで転落。保護者は近くにいなかった。発見時、こどもは歩行器から飛び出して倒れていた。
③ こどもが自分で登って転落
保護者が目を離している間に、こどもがロフトベッドの階段(はしご)を登り、高さ約1mから転落し腕を骨折した。
<事故防止のためのポイント>
① 抱っこして階段を移動する場合は、滑りにくい靴・スリッパ、手すりを使用する
② ベビーゲートを必ず設置・管理する
③ ロフト階段は使用時のみ設置する等、発達段階に応じて対策を見直す
<関連サイト>
- 子どもの転落事故に注意! - 落ちるまではあっという間です。事前の対策で事故防止を - | 消費者への注意喚起(消費者庁)
- ベビーゲートを安全に使いましょう!~注意喚起リーフレットを作成しました~ |「東京くらしWEB」(東京都)
- 事故予防情報|事故事例と対策|階段からの転落(NPO法人Safe Kids Japan)
(4)遊具からの転落
遊具からの転落事故は、高さのある場所での一瞬のバランスの崩れや不適切な遊び方により発生します。対象年齢に合った遊具を選び、危険な遊び方をしないようにするとともに、遊具の構造や周囲の環境、服装などにも注意し、安全に遊べる状態を整えましょう。
<事故事例>
① 滑り台からの転落
公園の高さ約2mの滑り台から転落し、腕を下にして落ちたことで上腕骨を開放骨折した。
② 遊具上部からの落下(ぶら下がり・鉄棒)
高めの鉄棒にぶら下がって遊んでいたところ、手が離れて顔から地面に転落した。
③ 遊具の構造による転落
遊具の隙間から転落し、そのまま地面まで直接落下。大腿骨骨折などの重傷を負った。
<事故防止のためのポイント>
① 年齢・発達に合った遊具を使う
② 後ろ向き・不安定な動きに注意
③ 周辺環境、遊具の状態等を確認する
<関連サイト>
(5)窓・ベランダ等からの転落
窓やベランダからの転落事故は、 保護者が在宅中でも、わずかな時間にこどもが家具や室外機等を足場にして登ることで発生します。窓まわりやベランダは、足場になるものを置かない、窓が大きく開かないようにストッパーや鍵を設置する、ベランダの室外機は手すりから60cm以上離して設置するなど、安全に配慮した環境を整えることが大切です。
<事故事例>
① 室内から窓に登って転落
室内で遊んでいたこどもが、ベッドの上で遊んでいたところ、ベッドサイドの窓からそのまま転落する事故が発生。保護者は別の場所にいて目撃していなかった。
② ベランダで足場に登り手すりを乗り越え転落
ベランダに置かれていた室外機や物を足場にして手すりを乗り越え、バランスを崩して転落した。
③ 網戸に寄りかかって落下
窓際で遊んでいたこどもが、網戸に寄りかかった際に網戸が外れ、そのまま外に落下。

<事故防止のためのポイント>
① 窓・ベランダの周りに足場を作らない
② 窓のこどもが手の届かない場所に補助錠やストッパーを付ける
③ ベランダの室外機は手すりから60cm以上離して設置する
<関連サイト>
- 子育てに配慮した住宅と居住環境に関するガイドライン(改訂版)(国土交通省)
- 住宅:子育て支援型共同住宅推進事業について - 国土交通省(国土交通省)
- 安全・安心なマンションのために(国土交通省)
- 「子どもの転落事故」防止のためのチェックリスト(消費者庁)
- 子どもの転落再現動画 子どもの転落編(窓・ベランダ) | 消費者庁(消費者庁)
- Vol.625窓やベランダからの転落に注意 - 子ども自身が危険性を認識していない例も | 「みんなの消費安全ナビ」消費者庁 (消費者庁)
- 消費者事故等調査報告書(住宅の窓及びベランダからの子どもの転落事故)(令和7年6月24日 消費者安全調査委員会 )(消費者庁)
- ご注意ください!窓やベランダからのこどもの転落事故 | 政府広報オンライン(政府広報オンライン)
- 守ろう命!こどもの転落事故を防ぐ3つのポイント | 政府広報オンライン(政府広報オンライン)
- こどもが住宅等の窓・ベランダから墜落する事故に注意! | 東京消防庁(東京消防庁)
《場面共通》
(注)参考:記事中の<事故事例>は、以下における情報をもとに、こども家庭庁において整理し、取りまとめたものです。
- 医療機関ネットワーク事業
- (独)国民生活センター こども・若者サポート情報
- 日本小児科学会Injury Alert
- 政府広報オンライン