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みんなで見守り「こどもの熱中症」を防ぎましょう!

本サイトでは、関係機関等と連携し、「こどもの熱中症」に関する予防法・対策法・留意点等について、情報をとりまとめています。
「熱中症」は予防法を知り、対策をとることによって、症状の発症を抑えること、あるいは重症化を防ぐことができます。
本サイトをご活用いただき、熱中症からこどもの身を守る一助となれば幸いです。

「熱中症」とは

熱中症とは、高温多湿な環境に長時間いることで、体温調節機能がうまく働かなくなり、体内に熱がこもった状態を指します。
屋外だけでなく室内でも発症し、救急搬送される場合や重度になると生命に関わることもあります。
軽症の段階で早めに異常に気づき、応急処置をすることが重要です。もしも、熱中症が疑われる症状の人を見かけたら、落ち着いて、状況を確かめて対処しましょう。

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救急搬送

熱中症による救急搬送は、近年5月ごろから発生しています。
こどもの熱中症による救急搬送人員は、令和5年(5月~9月の合計)が10,384人で、前年度に比べ2,180人多く、直近5年で最も多くなっています。
【表1 熱中症による救急搬送人員数】
救急搬送は気温が高い日や湿度が高く蒸し暑い日に多く発生する傾向があり、梅雨明け直後の暑さが継続する期間は熱中症発症リスクが高く、とりわけ注意が必要です。
熱中症は命にかかわる病態で、死亡を含む中等症(生命の危険はないが入院を要するもの)以上になるケースも見受けられます。
【表2 熱中症による死亡者数】
【表3 東京消防庁における熱中症による救急搬送人員数(初診時程度別)】

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【表1 熱中症による救急搬送人員数】

表1 熱中症による救急搬送人員数のスクリーンショット
総務省消防庁「熱中症による救急搬送状況」の「日別の年齢区分別救急搬送人員」を基に、こども家庭庁で作成。

【表2 熱中症による死亡者数】

表2 熱中症による死亡者数のスクリーンショット
人口動態調査(厚生労働省)「上巻 死亡 第5.31表 不慮の事故による死因(三桁基本分類)別にみた年齢(特定階級)別死亡数」(【X30】自然の過度の高温への曝露)を基に、こども家庭庁で作成。

【表3 東京消防庁における熱中症による救急搬送人員数(初診時程度別)】

表3 東京消防庁における熱中症による救急搬送人員数(初診時程度別)のスクリーンショット
東京消防庁「東京都 市区町村別熱中症件数」より、令和4年確定値及び令和5年速報値「全庁」の5~9月分を基に、こども家庭庁で作成。

熱中症の症状

こども自身が体調の変化に気付かないことや、伝えられないこともあるため、 周囲の大人が顔色や汗の量などに気を配る必要があります。次のような症状に気をつけましょう。

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症状①:めまいや顔のほてり

めまいや立ちくらみ、顔がほてるなどの症状が出たら、熱中症のサインです。 一時的に意識が遠のく、あるいは腹痛といった症状が出る場合もあります。

症状②:筋肉痛や筋肉のけいれん

「こむら返り」と呼ばれる、手足の筋肉がつるなどの症状が出る場合があります。筋肉がけいれんすることもあります。

症状③:体のだるさや吐き気

体のだるさ、吐き気やおう吐、頭痛などを伴う場合もあります。

「医療機関等から寄せられた事故情報」(事例)はこちら

症状④:汗のかきかたがおかしい

ふいてもふいても汗がでる、もしくはまったく汗をかいていないなど、汗のかきかたに異常がある場合には、熱中症にかかっている危険性があります。

症状⑤:体温が高い、皮ふの異常

体温が高く皮ふを触るととても熱い、皮ふが赤く乾いているなどの症状も熱中症のサインです。

症状⑥:呼びかけに反応しない、まっすぐ歩けない

声をかけても反応がない、おかしな返答をする、体がひきつけを起こす、まっすぐ歩けないなどの異常があるときは、重度の熱中症にかかっています。すぐ医療機関を受診しましょう。

症状⑦:水分補給ができない

呼びかけに反応しないなど、自分で上手に水分補給ができない場合は大変危険な状態です。この場合には、無理やり水分を口から飲ませることはせず、すぐ医療機関を受診しましょう。

熱中症に関する、こどもの特徴・行動等について

こどもは知らず知らずのうちに熱中症になっていることがあります。                                                                              大人との違い、こどもが抱える熱中症のリスク、こどもの特徴や行動を把握して、予防・対策をとりましょう。

『こどもは大人より暑さに弱い』

こども(乳幼児・幼児)は体温調節機能が未発達です。
特に汗をかく機能が未熟で、大人と比べると暑さを感じてから汗をかくまでに時間がかかり、体温を下げるのにも時間がかかってしまうため、体に熱がこもりやすく体温が上昇しやすくなります。

【熱中症予防のポイント】

  • 日頃から、栄養バランスの良い食事や適度な運動を通して、暑さに負けない体作りをしましょう。
  • 普段から徐々に暑さに身体を慣れさせましょう(暑熱順化)。

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『こどもは周囲の環境の影響を受けやすく、熱しやすく冷めやすい』

こどもは体重に比べて体表面積が広い分、外気温の影響などを受けやすいと言えます。また、幼少期の子どもは大人よりも身長が低い為、地面からの照り返しの影響を強く受けます。

【熱中症予防のポイント】

  • こどもは大人よりも高温の環境にさらされていると考え、体調の変化に注意しましょう。
  • 通気性の良い服を選ぶなど外出時の服装に注意し、帽子も忘れずに被らせましょう。
  • 暑い環境で長い時間過ごす場合には、適宜、涼しい場所での休憩と、十分な水分・適度な塩分の補給を行ってください。

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『こども自身では予防できない』

こどもは屋外でずっと遊んでいると、その楽しさに夢中になってしまい、身体に異変が起きていても気づかないことがあります。
また、こどもは自分で自らの体調の変化を訴えられず、服装などでの暑さ調節がうまくできないこともあるため、周囲の大人が顔色や汗の量などに気を配る必要があります。

【熱中症予防のポイント】

  • こどもの様子を十分に観察しましょう。
    顔が赤い、ひどく汗をかいているなどこどもに異変がある場合には、涼しい環境で十分に休息させましょう。
  • こまめに水分や塩分を補給し、特に遊びの最中には、定期的な休憩を取らせましょう。

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体温調節

こどもは汗をかく能力が未発達のため、皮膚の血流量を増加させ、体の表面から周囲に熱を逃がすことで体温を調節しています。
屋外・屋内にかかわらず、また、気温や湿度が高い日は、特に注意が必要です。
高温の炎天下にいると、大量の汗で体の水分や塩分が失われ、体温調節がうまくできなくなり熱中症になる危険性があります。

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外気温の影響

こどもは全身に占める水分の割合が大人より高いため、外気温の影響を受けやすくなっています。
気温が体表温度より高くなると熱を逃がすことができず、反対に周りの熱を吸収してしまう恐れもあります。
気温が皮膚温よりも低い場合には、体表面積の大きさを活かし、体の表面から熱を逃がすこと(熱放散)で大人と同じように深部体温を調整することができます。しかし、気温が皮膚温よりも高い場合や、地面からの照り返しなどの輻射熱が大きな場所(夏季の炎天下)では、周囲の環境の影響を受けて、熱しやすいこどもの深部体温は大人よりも大きく上昇し、熱中症のリスクが高くなります。

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地面からの照り返しの影響

身長が低いこどもは、地表面からの熱の影響を受けやすく、大人よりも高温の環境下にさらされています。
大人が暑いと感じているとき、こどもはさらに高温の環境下にいることになります。例えば大人の顔の高さで32℃の時、こどもの顔の高さでは35℃程度の感覚です。

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車内の置き去り

昨今、車内に置き去りにされたこどもが熱中症で亡くなるという痛ましい事件が発生しています。
これらの事件は、教育保育施設等の送迎バスに限らず、自家用車内でも発生しています。
特に夏場の車内は短時間で高温になるため、こどもが車内に残されていた場合は非常に危険です。
こどもを置き去りの被害から守るには、継続的にこどもを取り巻く関係者等の意識の向上等を図ることが重要になります。
自家用車においては車の中にこどもだけを残すことはやめること、送迎バスを運行する施設ではマニュアル等により乗降車の確実な確認・記録等を徹底することなどにより、こどもの車内への置き去りを防ぎましょう。
また、こどもが車内に残されていた場面に遭遇したら、すぐに警察と消防に通報しましょう。

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熱中症を防ぐには

熱中症は予防・対策を行い、適切な処置を行えば、防止あるいは軽症で済ませることができます。
令和6年(2024年)4月から、熱中症警戒アラートの一段上の熱中症特別警戒アラートが新たに創設されました。
熱中症特別警戒アラートが発表される場合は、過去に例のない危険な暑さが予測され、人の健康に係る重大な被害が生じる恐れがあります。
ニュースや天気予報、環境省及び気象庁の熱中症予防に関する情報(以下、関連ページ)も確認し、適切な熱中症予防行動をとりましょう。

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熱中症の予防と対策

熱中症は、いつでもどこでも誰でも条件次第でかかる危険性があります。予防・対策として次のような取組を行いましょう。

気温と湿度をこまめにチェック。暑さ指数熱中症警戒アラートも参考にしましょう。

今いる環境の熱中症危険度を常に気にする習慣をつけることも重要です。

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屋内で熱中症になることもあるため、エアコンや扇風機を適切に使いましょう。

室内あそびも油断しないようにしましょう。
日差しがない屋内では大丈夫だろうと油断しがちです。屋外と同じ対策を意識しましょう。
いつもクーラーの効いた部屋にいて汗をかかずにいると、暑さに弱くなり ます。適度に運動させ、暑さに強い身体をつくりましょう。

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のどの渇きを感じなくても、こまめに水分補給しましょう。

新陳代謝が活発なため、汗や尿として出ていく水分が多く、脱水を起こしやすい体です。水分を多く含む食事や、定期的な水分補給を心がけましょう。
暑い日には、じわじわと汗をかいていきますので、運動をしていなくても、こまめに水分を補給しましょう。
水分補給はのどが渇く前から行いましょう。本人が「喉が渇いた」と思ったときには、もうすでにかなり水分が失われています。喉が渇く前に少しずつ水分と塩分を補給させましょう。また、水筒・ペットボトルを持ち歩かせましょう。
汗をかくと塩分も失われるため、スポーツドリンクや塩あめなどで、水分と併せて塩分も補給しましょう。室内あそびも油断しないようにしましょう。

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通気性の良い服装で、帽子など日よけ対策もしましょう。

放熱や発汗による体温調節がうまくできません。
熱のこもらない素材や薄い色の衣服を選びましょう。
通気性の良い涼しい服を着せるようにしましょう。
暑さに応じて脱ぎ着するようにしましょう。
外出時には帽子をかぶりましょう。

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日差しや地面の熱から守りましょう。

背が低いことやベビーカーの利用などにより、大人よりも地面に近い環境で過ごすことが多く、地表からの熱を受けやすくなります。
こどもは、外気温の影響地面からの照り返しの影響を大人より受けることに留意し、気にかけましょう。

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こどもの異変に敏感になりましょう。

暑さや体の不調を、まだ自分の言葉で十分に訴えることができません。汗や体温、顔色や泣き方など、赤ちゃん・こどもの様子を、周りの大人が気にかけましょう。

「医療機関等から寄せられた事故情報」(事例)はこちら

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無理をせず、適度に休憩しましょう。

遊びに夢中になると、のどの渇きや気分の悪さなどの熱中症の症状(サイン)に気がつくのが遅くなります。
こどもや特に乳幼児が遊びに夢中な場合には、大人が見守り、休憩や水分補給を勧めましょう。

「医療機関等から寄せられた事故情報」(事例)はこちら

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短時間であっても絶対に車内をこどもだけにせず、降ろし忘れにも注意しましょう。

乳幼児は自分の力で移動することができず、「寝ているから」「ちょっとの時間だから」と放置することは危険です。
特に、車内に置き去りにすることは絶対にやめましょう。

「医療機関等から寄せられた事故情報」(事例)はこちら

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十分な睡眠と食事を摂りましょう。

熱中症を予防するためには、暑さに負けない体作りが大切です。
日ごろから適度な運動、適切な食事、十分な睡眠を心がけましょう。
睡眠環境を整えることで、寝ている間の熱中症を防ぐと同時に、翌日の熱中症予防につながります。

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暑さ指数

暑さ指数(WBGT:Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)は、人体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目し、気温、湿度、日射・輻射、風の要素をもとに算出する指標として、特に労働や運動時の熱中症予防に用いられています。
身の回りの暑さ指数も行動の目安にしましょう。
暑さ指数が28以上になると熱中症の救急搬送の発生率が増えるといった分析もあることから、厳重な警戒が必要です。

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熱中症警戒アラート

環境省と気象庁は、熱中症の危険性が極めて高くなると予測された際に、危険な暑さへの注意を呼びかけ、熱中症予防行動をとっていただくよう促すための情報「熱中症警戒アラート」を全国で発表します。

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熱中症警戒アラートが発表される危険な暑さのときには、屋外やエアコンなどが設置されていない屋内での運動は、中止や延期するなどしましょう。
スポーツ活動は大量の熱が発生するため、それだけ熱中症の危険性が高くなります。激しい運動では、短時間でも、またそれほど気温が高くない場合でも熱中症が発生しています。暑い中ではトレーニングの質が低下するため、無理にトレーニングしても効果は上がらないと言われています。
熱中症の予防を心がけてトレーニングを行うことは、事故予防という観点だけでなく、効果的なトレーニングという点からも重要といえます 。
また、気温が高くなくても湿度が高いと熱中症になることがあります。暑さ指数とあわせて参考にしましょう。

暑熱順化

暑熱順化とは、体が暑さに慣れることです。
暑い日が続くと、体は次第に暑さに慣れて(暑熱順化)、暑さに強くなります。
日常生活の中での運動や入浴により汗をかき、体を暑さに慣れさせましょう。
個人差もありますが、暑熱順化には数日から2週間程度かかります。
暑くなる前から暑熱順化のための動きや活動を始め、暑さに備えましょう。

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熱中症になった場合の対処法

熱中症は急速に進行して重症化しますので、早めに異常に気づき、応急処置を行うことが大切です。
めまいや頭痛、吐き気等、熱中症が疑われる症状がある場合には、まず涼しい環境で十分に休息させ、症状が改善しない場合には医療機関を受診しましょう。
また、「呼びかけや刺激に対する反応がおかしい」、「応答がない(意識障害がある)」ときには、誤って水分が気道に流れ込む可能性があるため、口から水分を摂らせるのは禁物です。すぐに医療機関を受診しましょう。

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応急処置

もし、熱中症かな?と思うようなサインがあったときは、すぐに応急処置を行い、病院などの医療機関へ連れていきましょう。

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エアコン・扇風機・うちわなどで風を送り、涼しい場所に寝かせましょう。

めまいや大量の発汗など、軽症の熱中症症状が見られる人がいたら、すぐに風通しの良い日陰やクーラーが効いている室内など涼しい場所へ移しましょう。
涼しい場所に避難した後も、しばらくは症状が急変する恐れがあります。熱中症の疑いがある人を一人にしないようにしましょう。

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飲めるようであれば水分をこまめに摂らせましょう。

冷たい飲み物は胃の表面から体の熱を奪うと同時に、水分補給にも繋がります。応答が明瞭で、意識がはっきりしているなら、冷たい飲み物を持たせて、自分で飲んでもらいましょう。
大量の発汗があった場合には、汗で失われた塩分も適切に補える経口補水液やスポーツドリンクなどが最適です。

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太い血管のあるところ(わきの下、首の周り、太ももの付け根)を冷やしましょう。

衣服を緩める、体に水をかける、ぬれタオルをあてて扇ぐなどにより、体から熱を放散させ冷やします。
自動販売機やコンビニで、冷えた飲料水のペットボトル、ビニール袋入りのかち割氷、氷のうなどを手に入れ、それを首の付け根の両側、脇の下、鼠径部(大腿の付け根の前面、股関節部)に広く当てて、皮膚直下を流れている血液を冷やすことも有効です。軽症の場合、この方法でよくなることがあります。

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意識状態が悪いときには、救急車を呼んでください。

自力での水分の摂取ができない場合や、意識障害が見られる場合は、症状が重くなっていると考えられます。救急車を呼ぶなど、すぐに病院に搬送する手段をとりましょう。
ペットボトル飲料のフタを自力で開けられるかどうかも、判断材料のひとつになります。自力でフタが開けられない場合は、すぐに病院に搬送しましょう。

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その他関連情報

関係府省庁による、こどもの熱中症に関する情報を紹介しています。

注意喚起、広報・報道発表等

(参考)「こどもを事故から守る!事故防止ハンドブック」
も是非ご覧ください。