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第2回 子ども・子育て支援等分科会

概要

日時:令和5年10月12日(木)13時00分から15時00分
場所:霞が関ビルディング14階 共用大会議室(東京都千代田区霞が関3-2-5)

【オンライン配信URL】
URL:https://youtube.com/live/KdjpRfJjaPE

議事

  1. 子ども・子育て支援をめぐる課題について
  2. 本分科会における制度改正に係る議論の進め方について
  3. その他

資料

議事録

秋田分科会長: ただいまより、第2回「子ども・子育て支援等分科会」を開催いたします。

本日は、お忙しい中、お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

まず初めに、本日は加藤大臣にも御出席いただいておりますので、御挨拶を頂戴いたします。

加藤大臣、よろしくお願いいたします。

加藤大臣: 皆さん、こんにちは。改めまして、このたび、内閣府特命担当大臣を拝命いたしました、加藤鮎子でございます。私の担当は、こども政策、少子化対策、男女共同参画、女性活躍、共生社会政策及び孤独・孤立対策等となっております。

こども家庭庁は、こども政策に関する司令塔として、省庁間の縦割りを打破するとともに、こども・若者や子育て当事者の声を聴き、こども・若者の視点に立った政策づくりを通じて、こどもまんなか社会の実現に取り組んでおります。私も、担当大臣としてその使命を果たすべく、しっかりと取り組んでまいる所存であります。初めての方もおられましたので、丁寧に御挨拶させていただきました。

その上でですが、本日の分科会の開催に当たりまして、一言、御挨拶を申し上げたいと思います。

本分科会におきましては、学識経験者の先生方、日々子育て支援に取り組んでいただいている事業者の皆様をはじめとした各方面の有識者の皆様に御参画をいただく中で、子ども・子育て支援等に係る課題につきまして精力的に御議論いただいていること、改めて感謝を申し上げます。

さて、子ども・子育て政策につきましては、政府としても抜本的な強化に向けて取り組むこととしており、大きな流れの中にあると認識しております。こうした中で、先日、10月2日のこども未来戦略会議におきましても、岸田総理から、関係大臣においては関係する会議体での議論を含め検討を進めていただきたいとの御発言があったところであります。

これを踏まえまして、こども家庭庁としても、こども未来戦略方針等に掲げられた制度改正事項の具体化に向けて、しっかりと進めていく必要があると考えております。こども誰でも通園制度や出産・子育て応援給付金など、こども未来戦略方針等に掲げられた制度改正事項は多岐にわたるところですが、本日の分科会をキックオフとして、来年通常国会での法案提出に向け、引き続き皆様方からの御指導を賜ればと存じます。

最後になりますが、皆様方に精力的に御議論いただくことを改めてお願い申し上げ、挨拶に代えさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

秋田分科会長: 加藤大臣、どうもありがとうございました。

加藤大臣は、御公務のため、ここで退席をされます。

加藤大臣: ありがとうございます。お願いいたします。

(加藤大臣退室)

秋田分科会長: カメラも、ここで御退席をお願いいたします。

(報道関係者退室)

秋田分科会長: それでは、事務局から、本日の委員の出欠と議事の確認をお願いいたします。

髙田課長: まず、8月8日付で、事務局、成育局総務課長に着任いたしました、髙田でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

まず、委員の出欠状況についてでございます。

松村委員におかれては、所用により、御欠席でございます。

また、本日は、尾上委員の代理として、水谷様に御出席いただいております。

なお、松田委員、三日月委員は、会議途中からの御出席と伺っております。

事務局側の出席者でございますが、送付しております事務局出席者一覧で御確認いただければと存じます。

続きまして、本日の議事についてでございます。

議事次第の「2.議題」のとおり、まず、本日は「(1)子ども・子育て支援をめぐる課題について」、その後、「(2)本分科会における制度改正に係る議論の進め方について」を議論する予定でございます。(1)においては、配付資料1~6、(2)において配付資料7~9を御説明させていただくことにしております。

それでは、秋田会長、議事をよろしくお願いいたします。

秋田分科会長: それでは、議題1に入ります。「子ども・子育て支援をめぐる課題について」を議題としたいと思います。

事務局から、資料の御説明をお願いいたします。

髙田課長: 資料1について、御説明いたします。

まず、この資料につきましては、8月24日に公表いたしましたこども家庭庁全体の概算要求のうち、本分科会に係る事項を中心にまとめたものでございます。

1ページ、「(1)子ども・子育て支援新制度の推進」では、保育所、幼稚園等の運営費等のための給付である子どものための教育・保育給付などを計上しておりますが、全体が約400億円増加している一方で、児童手当等が約250億円減少していることから、合計で、全体で約150億円増加の要求、令和5年度予算額3兆3317億が令和6年度概算要求で3兆3479億円となっているものでございます。

この後、プラス、事項要求というものがございます。2ページを御覧ください。こども家庭庁の概算要求につきましては、いわゆる新しい経済政策パッケージ、いわゆる幼児教育や保育の無償化とか、先ほど申し上げましたこども未来戦略方針の中で掲げられたこども・子育て支援加速化プランにつきましては、事項要求で今後の予算編成過程で検討を進めていくこととしておりまして、具体的な額は計上しておりませんが、今後、その分が積み上がっていくことになっているものでございます。

3ページ以降でございますが、先ほど申し上げました児童手当の予算は、今後、最終的には予算編成過程で決まっていく所得制限の撤廃の部分とかを除いたものが3ページは計上されております。

また、4ページでは、保育の受け皿整備や人材確保の保育関係の予算でございます。

5ページに移りまして、「(3)こども誰でも通園制度(仮称)の試行的実施」、「(4)放課後児童クラブの受け皿整備の推進」、「(5)妊娠時から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援と経済的支援の着実な実施」、いわゆる出産・子育て応援交付金の部分について、概算要求をしているものでございます。

なお、6ページ以降につきましては、既に公表しているこども家庭庁全体の概算要求の資料でございます。

また、27ページ以降には、参考といたしまして、文部科学省の幼児教育関係の資料をつけているものでございます。

資料1については、以上でございます。

本後課長:続きまして、資料2について、御説明いたします。

成育環境課長の山口と申します。

資料2、1ページを御覧ください。子ども・子育て支援法に基づく基本指針の改正案についてでございます。「改正の趣旨」を御覧いただきまして、児童虐待の相談対応件数の増加など、子育てに困難を抱える世帯がこれまで以上に顕在化しているという状況を踏まえまして、さきの通常国会で児童福祉法の改正が行われております。この改正におきまして、2つ目の丸になりますけれども、市町村における児童福祉や母子保健に関し、包括的な支援を行うこども家庭センターの設置の努力義務化や支援を要するこどもや妊産婦等へのサポートプランの作成、市区町村における子育て家庭への支援の充実などが定められております。この児童福祉法の改正を踏まえまして、子ども・子育て支援法に基づく基本指針について所要の改正を行うものでございます。「改正の概要」、まず、1つ目ですが、家庭支援事業の新設や拡充、利用勧奨・措置に関する事項の追加であります。さきの児童福祉法の改正の中で、子育て世帯訪問支援事業等の家庭支援事業が新設されますとともに、既存のショートステイや一時預かりといった事業についても拡充が行われております。併せまして、法律上、家庭支援事業については利用勧奨・措置ができるという規定が設けられたことから、これを受けて基本指針を改正するものでございます。具体的な内容は、矢印のところにございますけれども、基本指針の中で今申し上げた新設した事業の位置づけを行うこと、市町村子ども・子育て支援事業計画において、家庭支援事業の量の見込みを設定する際には、利用勧奨・措置による提供も勘案の上、量の見込みを設定することといった内容を規定しております。2つ目が、こども家庭センターと地域子育て相談機関に関する事項の追加でございます。さきの児童福祉法改正で、こども家庭センターの設置、地域子育て相談機関の整備が市町村の努力義務として規定されたところでございます。これを踏まえまして、矢印のところですが、市町村子ども・子育て支援事業計画の任意記載事項として、こども家庭センターと地域子育て相談機関の設置に努めること、また、これら機関の連携を図ることなどを基本指針に規定するものでございます。3つ目が、こどもの権利擁護に関する事項の追加でございます。さきの児童福祉法の改正の中で、児童相談所が入所措置や一時保護を行う際に、こどもの意見、意向を勘案して措置を行うために、こどもの意見聴取等の措置を講ずること、また、都道府県が、こどもの意見や意向表明、権利擁護に向けた必要な環境整備を行うこと、こうした規定が追加されたところでございます。これを踏まえまして、矢印のところですけれども、都道府県子ども・子育て支援事業計画の基本的記載事項として、児童相談所等が適切に意見聴取等の措置を取ること、また、都道府県が意見表明等の支援やこどもの権利擁護に向けた必要な環境の整備を行うことについて、規定するものであります。4番、その他所要の改正を行っております。一番下、少し見にくい小さい字で恐縮ですけれども、この基本指針につきましては、本年11月頃を目途に公布し、令和6年4月1日に施行することを予定しております。

2ページ目以降に詳細がございますけれども、説明は割愛いたします。

資料2の説明は、以上です。

本後課長: 続きまして、保育政策課長でございます。

資料3、待機児童の関係でございます。

1枚めくっていただきまして、令和5年4月現在の待機児童につきましては、2,680人ということで、昨年に続きまして最少を更新いたしております。多くの自治体で待機児童なしという状況になっております。待機児童の受け皿の拡大、就学前人口の減少などにより、減少した地域がある。その一方で、保育需要に偏りがある、あるいは、保育所を確保できなかったことによる利用定員の減などにより、増加した地域もございます。引き続き取組を進めていかなければいけないと考えております。一方で、地方部を中心に、保育の多機能化についても進めてまいる予定でございます。

続きまして、資料4「保育現場でのDXの推進」でございます。

これにつきましては、次のページ、6月7日、こども家庭庁の中にこども政策DX推進チームというものがございますけれども、その中で前大臣からも問題意識の提示をいただきまして、それを踏まえまして、令和6年度概算要求で、キャッシュレス決済の導入あるいは自治体・ICT関連事業者・保育事業者等で構成される協議会を設置している場合には補助率のかさ上げを行うといった要求をいたしているところでございます。また、病児保育のICT化についても補助の要求をしております。

さらに次のページ、保育施設の中におけるDXの推進のみならず、言わばフェイズ2といたしまして、保育現場でのDXの推進ということで、自治体・ICT関係事業者・保育事業者等の関係者と、こういった給付の事務、指導監査の事務を含めた形でDXを進めていくという将来像を共有しながら、連携して検討を進めていきたいと考えております。保育DXによります保育現場の負担軽減は、昨日議論がスタートいたしましたデジタル行財政改革の中でも重点事項として掲げられております。今後、現場の皆様、自治体の皆様、ICT関係事業者、一緒になりまして検討を進めていきたいと考えております。

続きまして、資料5、地域づくりに関する取組の実施という通知を、先日、お出しいたしました。

次のページ、保育所等でこども食堂等の取組を行いたいという声がかなり多くなっております。こういったことを踏まえまして、3つ目の黒丸、保育所等でこども食堂を実施する場合は、一時使用に該当し、財産処分の手続は不要、あるいは、一番下の丸、調味料等の消耗品、水道光熱費については、こども食堂等の取組と保育所等の運営を区別して経理することを要しないといった方針をお出しいたしまして、現場で取り組まれる際に障壁がないようにしたいと考えております。

続きまして、資料6、「こども誰でも通園制度(仮称)の本格実施を見据えた試行的事業実施の在り方に関する検討会」についてでございます。これは、来年度、試行実施を進めるに当たって、その基本方針を整理していこうというものでございます。

次のページ、主な検討項目といたしましては、こども誰でも通園制度の意義、実施上の留意点、施設・事業類型ごとの事業実施のイメージを御議論いただく予定でございます。既に、9月21日に第1回の検討会、10月16日に第2回の検討会を開催することとなっております。12月には、中間取りまとめを行いまして、来年度の事業実施につなげていきたいと考えております。

その後も資料をおつけしておりますが、説明は省略をさせていただきます。

以上でございます。

秋田分科会長: 御説明をありがとうございました。

それでは、今の御説明に関しまして、御意見、御質問がございましたら、挙手ボタンをお願いいたしたいと思います。

三日月委員はまだ入られていないので、早く退室される予定という駒崎委員から優先的にまずは御発言いただきまして、その後、皆さんに挙手をいただいて、挙手の順で御発言いただければと思います。

駒崎委員、お願いいたします。

駒崎委員: 御指名いただきまして、ありがとうございます。事情から退出しなければならなくなりまして、最初に発表させていただくこと、お許しください。

それでは、「こども誰でも全制度に関する全国アンケート結果の共有」ということで意見を述べさせていただきたいと思います。

こども誰でも通園制度、非常に大きな制度がつくられようとしています。つくられる中で、データとエビデンスに基づくEBPMによって政策をつくっていこうということがこのこども家庭庁のモットーであろうかと思います。ただ、まだデータとエビデンスが提示され切っていないと思いましたので、僭越ながら、私どもで民間の保育園にアンケートを取りまして、データ、現場の声を集めてまいりました。

こども誰でも支援制度の課題・ニーズについて、全国の園長への調査をインターネット調査でしてまいりましたので、皆様に共有させていただきたいと思います。

まず、前回、事務局、こども家庭庁におかれまして、このこども誰でも通園制度は定期利用と自由利用という形で2種類があるとおっしゃっていましたけれども、これに関しては、定期利用の受入れを望む園が大変多かったです。約9割近くです。

また、その頻度なのですけれども、週3日以上、1日3時間以上の利用を望む声が多かったということになります。

さらには、こども誰でも通園制度に期待することで、これまで保育園に来なかった在宅子育て家庭との接点創出に期待をする声も多かったです。

しかし、一方で、業務負荷や事務負担の増加に加えて、要支援・要保護御家庭などの高リスクの家庭の受入れに不安を感じていらっしゃる園もかなり多かったという結果が出ました。

さらには、要支援・要保護家庭の受入れに際しては、保育料の追加補助あるいは継続的なフォローを望む声が多かったということとなります。

このような声が、フリーコメントでは聞かれました。企業主導型保育なので本来であれば仕事をしている必要がありますが、定員に空きが出てきているため、多くの園児を受け入れたいという声、また、就労の有無や複雑な条件によらずこどもを預けられることは期待できることだという声、誰でも安価で利用でき、預かる園のほうにも金銭メリットが生じるようにしてほしい、保育所の配置基準を見直しほしいという声です。まだ情報不足で言葉が独り歩きをしている、登園も定員割れを起こしており、本制度への期待も大きい、一時預かりとの違いがよく分からないという声もありました。

このデータのエビデンスを踏まえて、提言をさせていただきたいと思います。

1つ目、この利用方法、定期利用か自由利用かというところに関しては、こどもの育ちを考えて、定期利用を推奨すべきと考えております。定期利用の受入れを望む声が約9割ですので、①~⑥の6類型を分科会で御提示いただいていますけれども、あくまでも、定期利用が前提、デフォルトは定期利用だとしていただき、一時預かりや自由保育もできるという幅を持たせた形にしていただけたらと思います。

分科会では利用時間は月10時間を上限とするとおっしゃっていただいているのですが、現場のアンケートでも「月36時間ぐらいは預からないと」ということをおっしゃっていますので、少なくとも20時間以上としていただけないかと思います。それが難しかったら、少なくとも高リスク家庭や多胎児家庭など、本当にしんどい思いをされている御家庭に関しては、10時間ではなく、もっと増やしていくという形でやっていただけないかと思うのです。

さらに、高リスク家庭の預かりの促進に関してです。現場の保育園では、こうした高リスク家庭から預かることに不安を抱えていらっしゃるという実態が分かりました。一方で、この高リスク家庭こそ、保育を必要としている、保育園の通園を必要としているのならば、この高リスク層は無料もしくは安価で利用できるようにしていただきたい、高リスク層は手厚い支援が必要なので、それに応じた補助額にしていただきたいと思っています。虐待を防ぐ、高リスク層のしんどい部分を防ぐという意味で、すばらしい制度だと思うのですけれども、一時預かりのように時間幾らということで取っていると、なかなかそれが難しいということがございます。

さらに、要支援家庭への対応なのですけれども、保育園側に強い不安がありますので、要支援家庭への対応のサポート、保育園側のサポート、ノウハウがない保育園・保育士さんに対して支援職から研修やコンサルティングなどのサポートをきちんとすることによって、地域の保育園できちんと要支援家庭から預かれるようにしていただきたいと思います。

補助金に関しては、今の一時預かりの補助金が余りにも少なくて、全国で広がらない、また、やりたくないという状況になっています。給付になるのですから、公定価格と同水準の補助金額を設定していただきたい。一時預かりの延長のような形では広がらないし、保育園側も本当にやっていけないということになりますので、ぜひそこの辺りはきちんと御検討いただけたらと思います。

また、勉強会です。この制度への不安が広がっているということがありますので。オンラインでもいいので、この勉強会をしていただいて、「大丈夫ですよ、皆さん。実際に我々の園ではこうしたのだけれども、こうでしたよ」ということをきちんと言って安心していただけたらと思います。我々フローレンスでは、複数の園でモデル事業を受託させていただいている中で、モデル事業実施園の保育士が、モデル事業未実施園の保育士、不安を抱えている保育士に対して、質疑応答の場を設けました。そうしたら、すごく安心していただけました。やっている現場の声を聞くと、「ああ、そうなんだ」ということで、しっかりと御理解いただけて、この制度に対する見方が前向きになったという意見がすごくありましたので、皆さん、知っていただければ、前向きになっていただけるのではないかと思います。

以上、我々から、データとエビデンスに基づいた提言をさせていただきました。ぜひ御参考にしていただけたらと思います。

ありがとうございます。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、古口委員、お願いいたします。

古口委員: 全国町村会の栃木県茂木町長の古口でございます。

加速化プランに掲げられる施策を全ての子ども・子育て世代に届けるためには、それらを実施する基礎自治体への財政支援が不可欠です。しかし、財政力の違いによって施策に地域間格差が生じることのないように、国の責任と財源において予算の確保をよろしくお願いしたいと思います。

次に、こども誰でも通園制度について、ただいま駒崎委員からあったとおりだと思います。保育現場からは、負担の増加を心配する声も届けられています。今後、保育所の皆さんの処遇改善はもちろんですが、ここにもありましたように、ICTを活用した保育現場での業務負担の軽減等も必要不可欠であると思っております。その着実な実施が図れるように、お計らいをよろしくお願い申し上げます。

私からは、以上でございます。

秋田分科会長: どうもありがとうございました。

続きまして、日本医師会、渡辺委員、お願いいたします。

渡辺委員: 日本医師会の渡辺でございます。

資料1と資料4に関して、意見を述べます。

資料1の4ページに、「多様な保育の充実」という項目がございますけれども、そこに災害時の備品の設置に対する補助がございます。ただ、医療的ケア児を診ている主治医の意見としては、多くの場合は、主治医というのですか、かかりつけ医が診ている病院に収容されることが一般的だと。それまでの非常時であれば、恐らく地域の避難所に行くことが一般的で、保育所に備品を置いて保育所がその避難所になるかというと、なかなか難しいのではないかと思います。むしろ、避難所を決めていただいて、そこに備品を設置するほうが具体的です。もし多様な保育の充実ということをしていただけるのであれば、今、こども家庭庁の委託事業で保育所の医療的ケア児の管理に関しての事業が進んでいますけれども、看護師の確保が一番大変なので、むしろそちらに補助を回していただきたいと思います。

資料4の2ページですけれども、保育所におけるICT化、デジタルトランスフォーメーションは非常に重要なことでございますが、できるだけ利用しやすいようにしていただきたい。自治体が取りまとめて協議会を行って申請するとか、自治体ごとの申請というものは、自治体が協力してくれないとなかなか進まないので、保育所単体で、自治体自体の補助金がなくても、3分の1の補助が受けられるような形にしていただければと思います。これは本論から外れるのですけれども、もしこのデジタルトランスフォーメーションを推進していただけるのであれば、現在、こども家庭庁は、5歳児健診と1か月健診の推進を検討しておられるようですけれども、既存の健診、つまり、保育所で行われる健診が年2回ございます。もしデジタル化がされるのであれば、データとしてこれは使えると思いますので、既存の健診と、そうではない、例えば、5歳児健診との在り方をどうされるか。この先を言えば就学後もありますけれども、単にシステムを導入するのではなくて、その情報を総合的にどう活用するかということも併せて御検討いただきたいと思います。

私からは、以上です。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

続きまして、髙谷委員、お願いいたします。

髙谷委員: 全国私立保育連盟、髙谷です。

限られた時間ですので、こども誰でも通園制度についてのみ、現場の声をお伝えしたいと思います。

既に検討会でも指摘されておりますが、現場からの一番多い意見として、1人当たり月10時間を上限とする案について、こどもの育ちを支えるということが果たしてこの少ない時間でできるのかということでございます。試案の中では、月10時間は、一日中利用すれば月1回、午前に2時間を利用すれば毎週利用するイメージと記載されているのですが、現場感覚としては、この時間数や回数でこどもたちの育ちのために何ができるのか甚だ疑問でございます。月1回では、こどもにとっては、ほとんど毎回、新たな環境に慣れなければなりませんし、2時間利用では、来てからずっと帰るまで泣いていたということになりかねません。少なくとも1号認定こどもと同様の保育時間でないと、こどもの育ちの連続性を担保した良質な保育は困難なのではないかと思います。

続きまして、この制度案と現在の一時預かり事業との関係でございます。私たちは、現在の一時預かり事業は、主に保護者支援や子育て支援の色合いが濃いもの、一方、今回の制度は、こどもまんなか社会を実現するため、これまで支援の薄かった未就園児の0~2歳のこどもの育ちを支えようとするものと理解をしております。試案では、定期利用のほかに、利用する園や時間を固定せず自由に設定するという、一時預かり事業と極めて類似した方法も提示されています。この自由利用については、恐らく保護者や現場の保育士に一時預かり事業との趣旨の違いが浸透せず、手続面も含め、混乱を来すのではないかと危惧いたしています。例えば、同じ施設で両方の事業を実施した場合、こどもの保育の形態は全く同じなのに、保護者の手続や施設の補助金受入れ事務が両制度で異なることで混乱することなどは容易に想像できます。したがいまして、当面は定期利用のみで始めることなど、制度導入時に現場での混乱を来さないようにお願いしたいと思います。

その他の意見は、意見書を提出しておりますので、そちらでよろしくお願いいたします。

以上です。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

続きまして、三日月委員が1時半から1時45分までの御出席ということなので、すみません、順不同になりますが、三日月委員、先にお願いいたします。

三日月委員: 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。滋賀県知事の三日月大造です。発言時間を御調整いただいて、感謝を申し上げます。

参考資料5の25ページを御覧ください。こども・子育て政策の強化に向けましては、施策の具体化や財源確保の枠組みは年末に結論を出すこととされておりますが、財源の安定確保はもとより、施策の実効性を高めることが重要でありますことから、滋賀県の現状や課題を踏まえまして、3点、短く申し上げます。

1点目は、幼児教育・保育の質の向上とそれを支える職員体制の充実についてです。保育等の現場で事故や不適切事案が依然として発生している一因として、多くの方に頑張っていただいているのですけれども、現在の保育士等の配置が十分ではないことが挙げられると思います。こどもたちへの細やかな目配りができる余裕を持って、研修等を通じて自らの専門性や資質を高めることができるよう、加速化プランに掲げる職員配置基準の改善や保育士等のさらなる処遇改善など、職員体制の強化に向けた支援の早期実施をお願いしたいということが1点目です。

2点目は、放課後児童クラブにおける保育の質の向上についてです。滋賀県では、7月に発生いたしました、放課後児童クラブの活動中のプールでの死亡事故を重く受け止めて、再発防止に全力で取り組んでいるところです。こどもたちの安全を確保し保育の質の向上を図る観点から、放課後児童クラブの安定運営や支援員等の処遇の改善、人材確保につながる支援の充実をお願いしたいということが2点目です。

最後、3点目は、先ほど来、たくさん出ていますが、こども誰でも通園制度についてでございます。滋賀県でも、定員に空きのある施設が多い地域もあれば、待機児童を解消できていない地域もあります。どこも同じだと思います。また、今年度、滋賀県内の2つの市の3つの施設でモデル事業を実施しておりますが、受入枠が少なくて、途中入所希望者との兼ね合いをどのように調整するのかという課題があるということを伺っております。制度の導入に当たりましては、導入の時期、また、保育の時間など、地域の実情に応じて柔軟に対応できる制度の設計と財政の支援をお願いしたいと思います。

私からは、以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、佐保委員、お願いいたします。

佐保委員: ありがとうございます。連合の佐保です。

私からは、資料4及び6について、意見を申し上げます。

資料4、保育現場でのDXの推進について、ICT化による保育業務の負担軽減を進めることは前向きに受け止めております。しかし、事務を担当する職員が勤務していない保育施設も数多く存在することから、ICT化に伴う作業が保育現場にとって新たな業務負担とならないよう、保育施設の状況を把握しながら進めていただくようお願いいたします。また、資料には「施設と自治体との間での給付事務や指導監査を含めた各種業務がデジタルで完結する環境を構築することを目指す」と記載されておりますが、監査については、実際に保育施設に赴くことで分かる情報も多いことから、実地監査をなくしたり、回数を減らすといったことがないようにしていただくようお願いいたします。

次に、資料6のこども誰でも通園制度(仮称)については、全てのこどもの育ちを応援する意義は理解できるものの、現状で既に保育人材が不足している中でさらな担を保育現場に強いることにもなるため、賃金や労働条件を早急に改善し、人材の確保に向けて取組を強化するとともに、制度の創設に当たっては、保育現場の職員の声を聴きながら検討することが重要だと考えております。

私からは、以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、藤迫委員、お願いいたします。

藤迫委員: 大阪府箕面市、教育長の藤迫です。

私も、こども誰でも通園制度について、意見を述べたいと思います。

前提なのですが、私はこの制度はこれからの様々家庭のニーズに応えることのできる支援であるという認識を持っているということを、まず、申し上げておきます。また、全国の教育長の代表として私は参加していると思いますので、ここで本市の状況だけを述べるのは筋違いだと思いますが、少なくとも全国の市町村の中にはこの制度をこのように思っているところがあるのだということを本市の状況を通じて共有することには意味があると思っておりますので、少しお話しさせていただきたいと思います。

先ほども出ておりますが、本市では今なお待機児童が解消されておりません。その大きな要因は、受入れの十分なキャパがあるにもかかわらず、保育士不足で定員を下回っている施設が多いことです。一方、一時保育は、単体で実施するのは非効率なため、認可保育園で実施することとしておりますが、こちらもなかなか希望どおりの利用ができないのが現状です。この状況が今後さらに加速する可能性があると危惧しています。現在、本市では、「週4日かつ1日4時間以上」と保育要件を定めており、それに合わせまして一時保育は就労要件を「週3日以下の就労」としているのですが、就労時間に係る要件に関する特例の経過措置期間が満了になれば、一時保育からの利用変更も含めて、保育ニーズがさらに増大する可能性が高くなるからです。全国的に本市のように保育要件の見直しを迫られている市町村がどれだけ存在するか分かりませんが、就学前児童の数は減ってきても、即保育園に空きが生じてくるわけではないと思いますので、こども誰でも通園制度の実施にどれだけの市町村が踏み込めるのかということには、少し疑問を感じております。そもそも経過措置期間の満了とかぶってしまうこのタイミングがいけないのかなと思っています。誰でも通園制度を全国的に実施するならば、国として、さらなる処遇改善を含めた、より強力な保育士確保対策が必要になってくると考えます。また、10年間の経過措置期間について、地域の実情に応じて引き続き市町村が決定できることとしていただきたいと思っております。

以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

それでは、宮田委員、お願いいたします。

宮田委員: 全国認定こども園協会政策委員長の宮田でございます。

私からは、まず、保育施設等の職員配置基準の抜本的な見直しについてでございます。前回の会議で、事務局からは、次年度に向け、1歳児・5対1、4~5歳児・25対1の配置基準の変更を行わず、加算で対応する旨の発言がありました。当協会としては、経過措置を踏まえた上で、配置基準そのものを見直していただくことを改めて要望したいと思います。加えて、ユニセフのベンチマークである年長児15対1への職員配置基準の改善を強く要望します。

次に、さらなる処遇改善についてでございます。急激な生産年齢人口の減少により、労働力不足が叫ばれています。この先、他産業との働き手の奪い合いが加速していく中で、全産業平均より月額5万円も低い現在の保育士等の賃金水準では、保育業界の人材確保は絶望的であります。保育者は、こどもの健やかな成長と命を守り、その保護者の就労と日常を守ることで社会を支えるエッセンシャルワーカーであります。骨太2022に記載されている職種ごとに、仕事の内容に比して適正な水準まで賃金が引き上がり、必要な人材が確保されるよう、さらなる財政措置による処遇改善を早急に実施していただきますよう強く要望します。また、事務負担軽減、政策の実効性向上のため、処遇改善制度の一元化、法人裁量の拡大も併せて要望します。

最後に、こども誰でも通園制度(仮称)についてでございます。先ほど髙谷委員からも御指摘がありましたが、この制度の第一義的な目的と意義は、全てのこどもの育ちを応援し全ての子育て家庭に対する支援を強化することと、こどもの良質な育成環境を整備することであります。従前の法定13事業の一時預かり事業とは一線を画すものであることを改めて確認していただき、こどもをまんなかに据えた制度設計となることをお願いします。

私からは、以上でございます。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、奥山委員、お願いいたします。

奥山委員: 子育てひろば全国連絡協議会、奥山です。

意見書も出させていただいております。4点ほど、お話ししたいと思います。

1つ目は、中高生と赤ちゃんの触れ合い体験事業です。これも少子化の推進交付金の中に入っていると思います。今日の午前中も地元の中学生と私ども地域子育て支援拠点の利用親子との交流がありました。全国の中学校家庭科の授業等でもできるようなカリキュラムになっておりますので、全国で実施できたらいいなと思いますが、ここになかなか予算措置が行われておりません。交付金があることを御存じない自治体さんもあるかと思いますので、ぜひこの事業の普及啓発もお願いしたいと思います。

2つ目は、地域子育て相談機関です。来年4月から施行、中学校区に1か所程度の設置ということなのですけれども、そもそも、当事者、子育て家庭にとって身近であるというところは、相談を狙って来るというよりは、日頃から利用している中でそういった話が日常的な会話の中から出ていくとか、日常的に少し通える場で困り感をきちんとキャッチできるような体制があることが大切であり、地域子育て支援拠点等をぜひ御活用いただければと思っております。

3つ目ですけれども、こども誰でも通園制度は、今日、多くの委員の皆様から御発言がございました。私ども地域子育て支援拠点においても、これまで一時預かり事業を担わせていただいているところがございます。それは通い慣れた場所での一時預かりですので、非常に親子にとって負担が少ないこと、リフレッシュで申し込みやすいということがあると思います。したがいまして、実施する事業体によって少しすみ分けもしながら、誰でも通園制度の利用を広げていく必要があると思っております。実際には一時預かり事業を自主でやっていても、保育士等の配置基準を満たしていても指定されていない事業者もまだいらっしゃいますので、ぜひその辺りにも目配りをお願いできればと思っております。

最後に、これからこういった事業については予算が必要なわけですけれども、そういった予算の財源の捻出ということで言えば、世代を超えた理解促進が非常に大事になってくるということで、私たちこどもに関わる関係団体だけではなくて、全ての世代の理解の促進というところがこどもまんなか社会の実現に非常に重要なことでもあると思いますので、多くの世代に御理解いただけるような発信が非常に大事ではないかと思っております。

以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、佐藤委員、お願いいたします。

佐藤委員: 産経新聞、佐藤です。ありがとうございます。

3つ、申し上げようと思います。

1つ目は、資料2についてです。こども家庭センターの設置及び子育て相談機関の整備についてです。これらの機関が、こどものみならず、全ての妊婦と子育て世帯が対象であることの理解と周知が必要です。特に、0歳0か月の虐待をなくすためには、妊娠自体に悩む女性とのファーストタッチをいかにつくるかが重要と考えています。妊娠SOSなどの電話相談を行うNPO法人等との日頃からの意思疎通はもちろん、いずれ薬局等でも緊急避妊薬を扱うようになることが決まっておりますので、連携を通して、例えば、「妊娠や避妊に迷いのある女性はセンターでも相談を受けますよ」という形も考えていけるとよいと思います。

2つ目です。同じく資料2なのですけれども、ネーミングを御検討いただけないかと思いました。家庭支援事業には新規3事業を含めて6つのサービスがありますが、例えば、子育て短期支援事業と一時預かり事業は違いが分かりにくいです。一般の人には、こども誰でも通園制度との違いも分からないと思います。また、親子関係形成支援事業は、関係性の脆弱な親子を対象としている割には、響きが怖いです。もちろん、現場で自治体が自由に通称をつけても、名前なしで運用してもよいのでしょうが、例えば「こんにちは赤ちゃん事業」などは全国共通のとてもよい名称でした。サービスが愛されて普及し、利用のハードルが低くなるよう、何か優しい呼び名があったほうが良い気がしました。また、同じ趣旨なのですけれども、こども家庭センターと連携する地域子育て相談機関は、住民に身近な場所でこどもと妊娠や家庭をめぐる何でも相談を受ける場所だと理解しています。ただ、この名称からは妊娠相談ができる感じがしませんので、課題を抱えた妊婦に開かれていることが分かるような名称があるといいのではないかと思いました。

3つ目です。こども誰でも通園制度についてです。短く申し上げます。実施する保育所、こども園、幼稚園にきめ細かい支援をお願いしたいです。特に、スタッフの方が課題のあるこどもや保護者を見つけられるようにする支援、適切に声をかけたり、相談に応えられたりできるようにする支援を確実に行っていただきたいと思います。

以上です。ありがとうございました。

秋田分科会長: どうもありがとうございました。

続きまして、後藤委員、お願いいたします。

後藤委員: ありがとうございます。家庭的保育全国連絡協議会の後藤です。

保育士等の人材不足や確保に向けての課題について、発言いたします。

先日、近隣の公立園や民間園の園長らと保育士不足について話す機会がありましたが、どの園も保育士の人材確保に苦戦しており、新人保育士の多くは、地元の保育園で就職するより待遇がよいという理由で、市外や都内へと就職するという現状を聞きました。また、ある保育士は、自身が働く保育園が保護者支援にと開園時間を延ばすことになり、我が子の送迎に間に合わなくなると、頭を抱えたそうです。このようなお話を聞くと、私たち保育士にとってのウェルビーイングとは、働きやすい環境とはと、改めて考えてしまいます。保育士のライフステージに応じた働き方が選択できることも必要ではないかと考えていますが、保育士不足の状況がある一方、潜在保育士の数はかなり多いと言われています。一旦子育て等で保育から離れ、その後復職したいと思ったときに、早朝勤務や延長保育がある常勤での復帰はハードルが高いと思いますが、比較的開設時間が短い家庭的保育等では、午前から午睡前までの勤務などの選択肢もあります。保育士自身のこどもが小さいときはそういう職場でまずは働いて、こどもが大きくなるにつれ、常勤職として大きい保育所等で勤務する働き方もあると思いますし、また、子育ても一段落してからは、早朝や延長保育での勤務を週に1回あるいは2か所の園で週に4日など、多様な働き方があることの周知とともに、自治体単位というよりはもう少し小さい地域単位で具体的な求人情報が共有できる場があると、復職に結びつきやすいのではないかと思います。

以上です。ありがとうございました。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

続きまして、岡本委員、お願いいたします。

岡本委員: 日本助産師会の岡本です。

御説明をありがとうございました。

令和6年度のこども家庭庁予算概算要求のポイントとして、妊娠期から子育て期の包括的な切れ目のない支援の充実として、妊娠期から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援と経済的支援の着実な実施と産後ケア事業の実施体制の強化などが掲げられましたことは、それらの充実を要求しております本会としましては、非常に期待しているところであります。近年、医学的ハイリスクのみならず、社会的ハイリスク妊産婦が、少子化ですが、比率的には非常に増加しております。ハイリスク妊産婦への早期発見と早期対応を考えましたときには、これらの支援は非常に重要な窓口となっております。伴走型相談支援の2回目である妊娠後期の面談につきましては、いまだ実施率が高いとは言えない状況にあります。また、産後ケアに関する最近の全国調査の報告を見ますと、本来であれば産後ケアを必要とする女性全てが利用できる事業であるにもかかわらず、いまだ利用者の決定にはハードルがあります。また、利用する際には自己負担があり、費用につきましても市町村によって差が存在しております。これらの支援やケアは、母親のセルフケア能力を育み、母子の愛着形成を促すことにつながると考えられています。伴走型相談支援における妊娠後期の面談のさらなる充実と産後ケア事業のさらなる質の保障等拡充のための財政支援をお願いいたします。

以上です。ありがとうございました。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

続きまして、水野委員、お願いいたします。

水野委員: 児童健全育成推進財団の水野と申します。よろしくお願いいたします。

私から、資料1、予算について、2点、ございます。

まず、1点目ですが、資料1の20ページにございます。2の「(1)放課後児童クラブの受け皿整備の推進」についてでございます。放課後児童クラブにおいては、いまだ待機児童が約1万7000人おります。こども未来戦略方針に沿った受け皿整備を進めていただきたいと思っております。受け皿は、施設だけではなく、人材が必要です。先ほどたくさんの委員からもお話がありましたけれども、保育士の確保以上に放課後児童支援員の確保がとても厳しい状況にございます。この夏、私の知っている施設でも、シフトが綱渡りの状態で運営をするということがありました。施設の整備とともに、安定して働き続けられるためにも、常勤職員の配置の改善はもちろんのこと、処遇改善についても保育士同様に検討いただければと思います。

2点目です。21ページの「(3)こどもの居場所づくり支援の推進」についてです。私はこども居場所部会の委員も務めさせていただいておりますが、既存の施設の有効活用についても意見が出ております。特に、4つ目のポツ、地域におけるこどもの居場所としての児童館についての補助率のかさ上げを御検討いただき、ありがとうございます。全国に約4,700ある児童館を有効活用し、0歳から18歳までの継続した居場所づくりへの機能強化につながることを期待いたします。引き続き放課後をはじめとしたこどもたちの安全・安心な居場所づくりのための予算確保についてお願いしたいと思います。

私からは、以上です。ありがとうございます。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、徳倉委員、お願いいたします。

徳倉委員: NPO法人ファザーリング・ジャパンの徳倉でございます。

私は、資料1の出産・子育て応援交付金についてお話しさせていただきたいと思います。縁がありまして、ある自治体のこの応援交付金の事業選定の委員をさせていただいて、その経験を踏まえてのコメントになります。

スキームとしては、市町村が創意工夫を凝らして妊娠届を出したタイミングから伴走型支援につなげながら経済的支援を行うというようになっております。ただ、実態を広げて見ると、各種プロポーザルで様々な事業者が見ると、どうしても、経済的支援の実施の方法、各種ウェブを使って、要は、物品を安全・安心に配送でき、その運営がきちんとできているかというところが最重要項目になってしまっていて、なかなか伴走型の相談支援と上手に連携ができていない事業者さんを多く見受けました。ここの部分が少し弱く感じています。仕組み上の問題もあるのですけれども、妊娠届や出生届を出した妊婦に対し、支援をさせていただくということで、かなり数は少ないですけれども、死産をされた方や流産をされた方に対しても同じような通知が行ってしまいます。いろいろな事業者さんがあるのですが、そういうものに対応しているケースとしていないケースがあって、そこに気づいている自治体と気づいていない自治体が見受けられます。ここのところは、国からも、来年から進めていくというところでどのように伴走型の相談支援とうまく結びつけていくのか。いろいろなケースが発生することが想定されるということを後追いで連絡等をしていただいて、事業の中で支援から漏れる方々が出ないようにしていただきたいと思います。

せっかく経済的給付をするタイミングで伴走型の相談支援と結びつけるといういい事業になっておりますので、そこの連携をどのようにしていくのかということは、市町村の創意工夫だけでは、マンパワーが足りていないところがあるので、もう少し国から事例を出す等をしてもいいかなと思いました。

以上になります。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、戸巻委員、よろしくお願いいたします。

戸巻委員: よろしくお願いします。御説明いただいて、ありがとうございました。

意見書を出させていただいておりますが、そことは関係がないお話になってしまうかと思うのですけれども、意見書では、10月の最低賃金引上げに伴う現場の職員のマンパワー不足について書かせていただいてございます。物価上昇は、国からの支援もいただいておりますが、もう少しいただけたらいいかと思います。3つ目については、保育教諭とかの特例措置に関して終了期間が迫っていますが、延長していただくことで、様々な方がこどもたちに寄り添える場にしてほしいなと思います。

意見書から離れるのですけれども、こういった今回御説明いただいたこどもたちをめぐる様々な制度の推進や環境整備、支援体制の増強については、大歓迎ですし、手を緩めることなく進めていただきたいと、我々の会としても願っております。ただ、ここでの問題点は、皆さんもおっしゃっていますが、ピントがどうなっているのかなと思うことは、こどもたちに関わる様々な取組には、家庭、保護者、こどもたちを支える現場には、必ず専門家やこどもたちの育ちを支えたいという方々がその場にはいっぱいいらっしゃいます。ただ、そこのマンパワーが十分かと言われたら、十分ではないと僕は思っています。いろいろな部分があるのでしょうけれども、圧倒的に人材の不足が発生しています。皆様の言葉でもよく出てくるのは「確保」という言葉なのですけれども、「確保」には寄せ集めてでも何とかしなければならないというニュアンスがあるのではないかと僕は常に思っていますが、「確保」ではなくて、誰もがやりたい仕事として取り組みたい、携わりたい仕事になることが最優先なのではないかと、僕は考えております。今できることとは何なのだろうかと考えて、現配置基準とかを改善することで1人の先生にかかる負荷を低減したり、皆さんがおっしゃっているのであれなのですけれども、給与の面でも処遇改善をさらに進めることと、そこで働く方々が守られる制度についての御検討もいただきたいと僕は思っております。「不適切保育」という言葉が出てくるのですけれども、保護者の適切利用があっての部分もそこにはあるでしょうし、先生方が矢面に立つのは違うのかなと思うときもあります。先ほども出てきたライフ・ワーク・バランスを考えたときにも、先生方のお休みを確保できない、例えば、長時間働くことによって自分の子を長時間預けなければいけないとなると、本末転倒なのではないかと思うときはありますね。ここの部分で、こども家庭庁さんの立ち上がりのときに、こどもたちとか、そこの部分の声をいっぱい聴いていただいたので、すごくありがたいと思いましたが、我々からもう1つお願いすると、現場でこどもたちと向き合う方々の声も聴いていただきたい。聴いて、制度へ反映していただきたいと僕は思っております。特にこういった部分の取組を充実させるためには、人材確保をしっかりしていくこと、なおかつ、誰もがやってみたい、取り組みたいという仕事にしていくことが大切かと、その部分が急務ではないかと考えております。

御検討いただけたらうれしく思います。どうぞよろしくお願いいたします。

以上です。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

続きまして、則武委員、お願いいたします。

則武委員: 全国児童養護施設協議会の則武です。ありがとうございます。

私からは、資料1の中から、2点、質問させていただきたいと思います。

まず、資料1の23ページ、「(2)家庭的養育の推進や施設退所者等の自立支援の推進」です。1つ目のポツに「社会的養護の下で育ったこどもの自立支援に向けた学習環境整備等の支援強化について」とあるのですけれども、「育った」というところが分かりづらいと思っているのです。「社会的養護の下で育つこどもの」という意味なのでしょうか。そこをお聞きしたいと思います。もしそうであるならば、小学生にも塾の費用の支弁をお願いしたいです。

2点目は、24ページになりますが、「(3)児童相談所におけるICT化の推進等」です。

2つ目のポツに、児童相談所等におけるICT化について、業務負担軽減のため、ビデオ通話やテレビ会議、タブレット端末等の活用を支援するとあります。この「児童相談所等」の「等」の中には一時保護所も含まれますでしょうかという質問です。後段の部分に、業務負担軽減のためと説明があるのですけれども、これは、職員、大人のためと書いてあるのですけれども、私は、むしろ、それに追加して、こどものためにICT化を推進していただきたいと思います。ある児童相談所のケースワーカーが以前言っていたのですけれども、担当児童を一時保護所に預けたのだけれども、忙しくてなかなか会いに行くことができないという状況が発生していました。そういう場合に、ICTを使って、テレビ電話等で話ができるように、面談ができるようになればいいと思っていますので、大人のためだけではなくてこどものためにもぜひ進めていただきたいと思います。

以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、大方委員、お願いいたします。

大方委員: ありがとうございます。いろいろと御検討いただきました全ての資料に関しまして、感謝を申し上げたいと思います。

大きく3つ、申し上げたいと思います。

誰でも通園制度に関しまして、既に皆様方にいろいろな御意見をいただいておるところでございますけれども、もちろんアンケートを取ったわけではございませんが、一部の方々から「誰でも通園制度ができるのだけれども、家庭で育ててはいけないのか。預けたほうがいいのでしょうか」というお声も聞いております。在宅で育てたいという方々の支援も今回は全て入っているわけですけれども、その辺の周知ということと、保育の質、幼児教育の質が問われておりますので、どのような形であったとしても、預かったこどもさんの育ちの保障、教育的な配慮は鑑みていく必要があると思っているところです。

在宅での産前産後の支援という中で、ハイリスクの方々、高齢出産の方々、いろいろな方が今は非常に増えているのですけれども、その連携、妊娠・出産・子育てとつなげていくには、それぞれの部署がどう具体的に連携していったかということが非常に大事になってきており、産院の方々または窓口の方々に具体的なことをより強化して周知していただけたらと思います。特に、これも、何人かの方々に言われたのですけれども、窓口に行っても、多胎児であっても、いろいろな子育ての悩みを言いに行っても、自治体によっては、たらい回しにされてしまったり、「就労しなかったら、保育を必要とするこどもになりませんよ」と言われたり、窓口のところでもけんもほろろに帰されるという自治体もいまだにあると聞いております。そういうところは、自治体の長の方々が一生懸命指令を出されても、実際に窓口のところで一般の方々は対応されていくわけですので、窓口になる方々への研修が特に必要になってくるのではないかと思っています。

3つ目ですが、私どもは保育士養成校でもありますけれども、今、本当に保育離れが加速化しております。これだけ多様な保育・幼児教育・子育ての支援に対応していくには、保育者養成の中でもより専門的な学びの必要性と、高校から上がってくるわけですから、保育の魅力、幼児教育の魅力、子育て支援をしていく人材養成がいかに大事かということを、小中高の先生方にも知っていただかなければ、なかなか養成校への進学にはつながっていかないという実情もございますので、併せてお願いしたいところでございます。

以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、加藤委員、お願いいたします。

加藤委員: 全国幼児教育研究協会、加藤です。

私からは、2つ、申し上げます。

1つは、DXの推進のフェイズ2についてです。大変期待をしています。私からお願いをしたいのは、園と基礎自治体間の関係調整についてです。私立幼稚園やこども園は、自分の園のある基礎自治体のみならず、近隣の基礎自治体からもお子様を受け入れております。そうしますと、園にとって、基礎自治体、市区町村から様々なデータを別個に要求されますと、改善には至りません。ぜひ、基礎自治体、市区町村が把握するデータの共通化をしっかりと押さえて進めていただければありがたいと存じます。

2点目です。先ほどからも皆様からあったこども誰でも通園制度についてです。孤立した育児からの脱却のために、一定時間、就労要件を問わない通園がゴールイメージになっておりますけれども、こども自身が安定して幸せであることが大前提であって、そのためには、一定時間の通園というゴールに向かっていても、その入り口や園との出会い方あるいは園との関係づくりに関しては、幅広く柔軟なやり方が考えられます。親子教室も、ほどよく親の目が入っている中で伸びやかに遊ぶことやその中でお母さん同士の語り場になっていくこと、柔軟で幅広いメニューの中でずっとつながっていってこどもがこども集団の中に入っていくという柔軟な制度設計をぜひお願いしたいと思います。

以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、倉石委員、お願いいたします。

倉石委員: 発言の機会いただいて、ありがとうございます。これまでの事務局方の準備に敬意を表します。

私からは、資料2について、あまり意見が出ていなかったところを発言させていただこうと思っています。

家庭支援事業等で、これから事業量の勘案が自治体で求められるわけなのですけれども、その事業量の勘案をするときに、この資料でいうと3ページの辺り、利用希望把握調査が、自治体によってやり方が統一されないのではないかと思っています。例えば、1つは、無作為に就学前の子育て世帯を対象にしてニーズ調査をやると、ほとんどこのニーズは出てこないのですよね。そうすると、授業料が非常に低く設定されてしまって、結局、必要な方々にサービスが届かないということがどうしても出てきます。例えば、これは一つの案なのですけれども、自治体に要対協があるわけなので、要保護児童対策地域協議会で把握している要支援家庭などを数的に抽出して、その中でニーズがどれぐらいあるのかということを把握するという方法で目標事業量を設定するということが、一つの方法として考えられるのではないかと思っています。この利用希望把握調査の中身といいますか、やり方については、また検討いただければということが1点です。

2点目で終わりなのですけれども、同じ6ページの地域子育て相談機関のことです。ここに、こども家庭センターとの連携と出ていますが、その情報の管理と情報の共有については実践レベルでは非常に課題がありまして、例えて言いますと、自治体が一括管理している情報が、いわゆる相談機関や子育て支援拠点や保育所等に情報がしっかりと届かないということが、1点、危惧されます。もう1点は、その情報を集めなさいと、恐らく自治体からいわゆるエンドユーザーの拠点に依頼が来るわけなのですけれども、どの情報をどのように上げるかというところが機関によってまちまちになってくるということで、必要な情報を上げていただくことと必要な情報を共有していただくことのルールづくりをもう少し具体的にしていかないと、連携がうまくいかなくなるのではないかということで、お願いを含めて意見をさせていただきました。

以上です。ありがとうございます。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

続きまして、松田委員、お願いいたします。

松田委員: 中京大の松田です。発言の機会をありがとうございます。

手短に、3点、申し上げます。

1点目は、資料1、予算ですけれども、少子化対策の観点からいきますと、出生率の下落、ここまでのものは非常に危機的だと思いますので、出生率回復のために、現物給付、現金給付をしっかりと拡充されることが必要です。現在、政府のこれからの検討を踏まえて予算編成過程で予算化という記述もありますけれども、しっかりと予算がついて少子化対策が実施されることを期待したいと思います。

2点目です。資料3、待機児童対策です。政策効果もあり、待機児童が非常に減っていると思います。少子化の研究者から見ますと、ここまで大幅に待機児童が減りますと、その待機児童数によりまして出生率が下がる圧力がかかるということは、現在はなくなったのかなと思います。今後は、全国的に保育の供給量を増やすステージから、まだ不足している地域に地域を絞ってしっかりと対策していくというところに段階が移行したと思います。

最後、資料6です。こども誰でも通園制度でございますけれども、少子化対策の観点から、私は以前から同様のことを提案してきた者です。背景として、在宅で子育てされている家庭がある。その家庭は孤立しがちな方がいまして、それは育児不安や出生抑制の要因となってきました。今回の誰でも通園制度は、小さな一歩かもしれませんけれども、それまでほぼ保育という面で救われることがなかった御家庭にその支援を開始するものですから、それは大きく評価されるものであると思います。本日、お話を幾つか皆様からいただきました自治体様や園側の懸念点は非常に理解しました。理想的な体制をつくってからこの施策を実施するとなってしまいますと、在宅子育て家庭が困っているところに支援が届くスピードが遅くなるようなことが考えられます。そう考えますと、どなたかもおっしゃったかと思いますが、地域の実情に合わせて、余力のある施設などから、まずはできるやり方と時間を柔軟に実施していくという視点も大切ではないかと思いました。

私からは、以上です。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

高橋委員、お願いいたします。

高橋委員: 発言の機会をいただきまして、ありがとうございます。全国国公立幼稚園・こども園長会の高橋でございます。

私からは、2点ほど、全ての資料を拝見させていただきまして、全てについてその質が問われていると、拝読させていただきました。新制度による幼児期の学校教育や幼児教育について、本当にその本質を違えないで、誰もが、その必要性について、幼児期の重要性について、きちんと理解しているかというところが、非常に問われると思っております。このように育てたらいいのかな、どのように育っていったらいいのかしらと不安を抱えている御家庭も非常に多くありますので、幼児期の教育、幼児教育の重要性について、もっと発信していただきたいと思っております。良好な生育環境を確保してということがございますので、その良好な生育環境について、こどもの発達に応じた環境が必要かと思っております。そこも質が問われているところだと感じております。

2点目です。こども誰でも通園制度に関して、こちらも、こどもの育ち、環境が大事かと思います。一体誰のための制度なのかというところをはっきりとさせていただいて、道がそれないように、こどもたちの育ち、本質的なことが違わないように、この制度を確立していくことが大事だと思っております。こどもの育ちの質は、大変大事なところでございます。幼児期の教育の質が、今、求められていると思います。

よろしくお願いいたします。以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

五十嵐委員、お願いいたします。

五十嵐委員: ありがとうございます。

やや総論的な感想みたいになって申し訳ないですけれども、子ども・子育ての応援が極めて重要ということは申すまでもありません。事業者目線からしても、子ども・子育て世代は多くが企業の中で大事な戦力になる世代の人たちになりますので、そうした従業員の働き方や暮らしを支援するという意味で、事業者としても自分事として捉えているということになります。

支援の在り方としては、子育てには手間と時間がかかるという観点から、現物給付、特にサービスの提供が重要だと考えております。これをきめ細かく行うためには、施設を使うということであれば、そこへのアクセスを改善する支援が一層求められるでしょうし、例えば、利用のための受付あるいは申請などについては、施設側・使う側双方ともオンラインで対応できれば楽ということになりますので、その辺の体制の整備が必要です。また、人に着目すれば、当然ながら、今までもお話がありましたように、人材が非常に不足しているというか、逼迫している状況のようですので、その確保が重要だということになります。言葉としてはあまり出てきていないですけれども、外国では一般的で日本ではあまり普及が進んでいない、ベビーシッターのような文化をうまく根づかせられればいいのかな、という気はしております。その辺は皆様でどう考えておられるのか、どなたか教えていただければと思っているところであります。

以上です。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

続きまして、対面になりますが、村松委員、お願いいたします。

村松委員: 全国社会福祉協議会の全国保育協議会副会長、村松と申します。よろしくお願いいたします。

私からは、まずは、こども・子育て支援加速化プランにおいて、配置基準の改善が明記され、また、概算要求において予算編成の過程での検討をされるということに、感謝を申し上げます。これは子ども・子育て支援新制度が始まったときの積み残しの0.3兆円への対応であるとのことですけれども、10年前の現状と今の現状とでは大きく変化しております。例えば、当時の1歳児・5対1という基準は、令和の現在、こどもの育ち、保護者の子育てに寄り添った保育を展開しようとすると、難しさを感じます。発達に課題を抱えたこどもたちも含め、どの子も皆苦しさを感じないで生活できるように寄り添える人的環境・物的環境がほしい、保護者の思いを丁寧にすくい取りながら子育ての伴走者としての役割を果たしたいとすれば、5対1や25対1という数字が現状の保育に見合っているかという精査は必要かと思います。

また、配置基準の改善は加算で対応する方針が示されておりますけれども、加算ではなく、法的に最低基準を改善していただきたいと切望します。しかしながら、全国的に保育士確保が難しいということを踏まえますと、しばらくは経過措置を設けていただくとともに、配置基準が法的に施行されるまでについては、加算対応を取っていただきたいとお願いいたします。

こども誰でも通園制度についてです。皆さんからも、たくさんの御意見をお聞きいたしました。保育所、認定こども園は、現在、一時預かりや地域子育て支援事業を実施しております。孤立した育児の中で不安や悩みを抱える子育て家庭に寄り添う環境の工夫や技術、知識等の専門性、また、関係機関との連携が既に構築されております。その上で、さらに、改正児童福祉法に記載されているように、積極的にこの役割を果たしていくことが責務であるということも認識しています。この制度につきましては、実際の保育の場での展開が具体的にどうなされていくのか、まだ分かりにくいところがあります。何よりも、保育所保育指針第1章総則の1、保育所保育に関する基本原則に記載されている保育所の役割や保育の目標を大切にして保育実践をしている私たちにとって、保育を受けるべきこどもたちへの保育の質が低下しないような制度、そして、保育士が専門性を発揮できるような環境整備を併せて進めていくことが、この制度の実効性を高めていくものではないかと思います。つまり、この制度を利用するこどもたちにも同じような保育環境を提供することこそ、保育所、認定こども園がこの事業を実施する意義があるのではないかと思っております。

今後、こどもの権利を確実に保障していくために、必要な予算の確保と保育の質の向上、保育士・保育教諭等の処遇改善が図られるものであるとは承知しております。そのためにも、ぜひ保育現場の声を直接お聞きいただきたい。また、現場の実際をぜひ御覧いただけるよう、協議や意見交換の場を十分に設けていただきたいと重ねてお願いするところです。

私からは、以上です。ありがとうございました。

秋田分科会長: どうもありがとうございました。

続きまして、鈴木委員、お願いいたします。

鈴木委員: たくさんの資料をきちんとまとめていただき、ありがとうございました。

私からは、2点です。

たくさんの委員からも出されておりましたけれども、保育士不足、人材確保の困難は、そもそも、保育科に来る学生、受験生がいないという危機的な状況にあります。中学校のときに職場体験で幼稚園や保育所に行って、とても楽しかった、こどもはとてもかわいい、ぜひこういう仕事をしたいと思っても、待遇面、仕事がハード、責任が重い、何かすると不適切と言われるという、あれもこれもが知れ渡っていて、受験をしてこないという状況にあって、少保育者化が進んでいます。ここにもございますけれども、まずは処遇改善をぜひお願いしたいと思います。待遇面が一番大きいと考えておりますので、先ほど何人かの委員からもお声がありましたけれども、加算ではなく、公的に処遇をしっかりとして改善されているのだと、中高生が希望を持てるように、お願いしたいと思っております。

2つ目です。保育業務のDXは、本当にありがたいことだと思っています。ただ、保育者の負担が増えると大変かなとは思っておりますので、その辺の研修を含めて、またきちんと広げていけたらいいと思います。既に、育児の領域では、例えば、大阪大学の研究者が開発した「ねんねナビ」というアプリがございまして、保護者の方から、例えば、こどもの睡眠に関しての相談があると、応答性があって、きちんと答えが返ってくるのです。その答えも、1つではなく、5つぐらいから選べるという形をとっています。こういう応答性も実はすごく大事なことなので、こういうことも含めてIT化が進んでいくといいのかなとは思っております。

以上です。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

皆様、大変貴重な御意見をありがとうございます。

それでは、委員から御質問があった点につきまして、事務局から、回答をお願いいたします。

本後課長: 保育政策課長でございます。

皆様、ありがとうございました。様々な御指摘をいただきました。

まず、こども誰でも通園制度についてでございます。これは多く御指摘をいただきました。

まず、その意義についてという御指摘がありました。もし資料を御覧になれる方は検討会の資料の8ページ目を御覧になりながらお聞きいただければと思うのですけれども、何人かの方から御指摘がありましたけれども、この制度の意義は、まずはこどもにとってということでございます。在宅で子育てをする世帯のこどもでも、家庭と異なる経験、家族以外の人と関わる機会を得る、そして、専門的な理解を持つ人がいる場で、同年代の子と触れ合いながら、家庭にいるだけでは得られない様々な経験を通じて成長する。保護者自身やこどもへ、専門の職員からの温かい言葉かけ、応援の声をかけていただけることによって、家族以外の人が自分たちに気をかけてくれている、それがこどもの接し方が変わるきっかけになるのではないかといったこともあります。もちろん、保護者自身の孤立感や不安感の解消もございます。いずれにしましても、まずはこども自身に対する意義を中心にしっかりと検討していきたいと思っております。

10時間という上限のお話がございました。これは、来年度、試行事業を行うに当たりまして、補助基準上、月10時間としたいという方針を検討会で示させていただきました。これに関しましては、様々な御意見があることは承知しております。もっと多くという御意見もあります。ただ、来年度の試行事業は制度の本格実施を見据えた形で実施するというものでございます。この制度化は全国的な制度として実施するということも考えますと、東京等の都市部も含めまして、全国の自治体において提供体制を確保することが必要になってまいります。そういったことを踏まえまして、利用可能は月10時間という形で設定させていただいております。

一時預かりとの関係も、御指摘がありました。この辺りは、接続をどうやっていくのかということもあります。引き続き検討会で議論を進めていただきたいと思っております。

御指摘のありましたこども誰でも通園の中の要支援家庭についての支援も、課題として残っておりますので、検討会で御議論いただきたいと思っております。

最初のうちは親子で一緒に参加することも重要ではないかという御指摘がありました。これも、検討会で御指摘を様々にいただいておりまして、非常に有効だと思っております。そういった形で検討していければと思っております。

いずれにしましても、こども誰でも通園制度は、9月21日に検討会がスタートいたしました。多くの関係現場の方々、自治体の方々、もちろん有識者の方々にも入っていただきまして、これからまた議論を年末に向けて詰めていきたいと思っております。

大きな2点目でございます。配置基準、処遇改善、人材確保、ICTといった点について、様々な御指摘をいただきました。

配置基準の改善、処遇の改善については、加速化プランの中に入れておりますので、今後、検討を詰めてまいります。配置基準につきましては、加算だけではなくて、基準そのもの、あるいは、経過措置的なものであってもいいので、基準でという御意見もございますが、様々な御意見を頂戴いたしまして、そういったものも踏まえて検討を進めてまいりたいと思います。

人材確保につきまして、様々な御指摘をいただいております。これのつきましては、御指摘の中で、一つは、新しく保育士になる方に対しての支援、修学資金の貸付等々、あるいは、もちろん保育という仕事に対する魅力の向上も大きな点だと思っております。そういったところにさらに力を入れていきたいと思っています。

もう1つ、御指摘がございました、いわゆる潜在保育士の方にどう職場に戻っていただくかということも重要だと思っております。各都道府県、政令市ともに、保育士・保育所支援センターが設置されております。こういったところの機能強化をどう考えていくのか。あるいは、令和6年度の概算要求の中では、保育補助者として働いていただく方の中で、しばらく保育の現場を離れていた保育士さんも、保育補助者として、一定期間、働いていただけるといった形もやるべきではないか。そういったことも令和6年度の概算要求の中ではしております。潜在保育士の方の職場復帰も大きな課題と思っております。

人材不足という観点でいきますと、職場の環境は大きな要素だと思います。そういう意味でいきますと、ICT化、DX化は非常に大きいと思っております。御指摘のありましたICT化やDX推進そのものが現場の負担にならないでほしいとは、おっしゃるとおりだと思います。現場でそういったことを導入するときの導入の手間自体がすごく大変だから入れられないというお声はかなり聞いております。今回、概算要求の中で入れました自治体がICTの事業者や保育の事業者と一緒になって協議会をつくって、その中で導入する場合には、補助率をかさ上げするというものは、言わばそういった導入に際しての保育現場での負担を軽減するという意味も込めてございます。

フェイズ2ということでいきますと、給付の業務、指導監査の業務に、今までは様々な多くの書類の提出が求められます。これをできるだけ少なくするということが基本的な考え方になります。その際、御指摘がありましたけれども、資料の共通化を進めていくことが前提になりますので、そういったことも、自治体の皆さんも含めて、これから協議を進めながら、このDXのフェイズ2に向けて、検討を進めていきたいと考えております。

1点、渡辺委員から、保育所における医療的ケアについて、御質問がございました。これは令和6年度の予算の中で入れているものですけれども、昨今、保育所においても医療的ケアのお子さんに入っていただくことが多くなっております。保育所において被災されることもありますので、そういったことも鑑みまして、例えば、起動電源の設置とか、そういったものを保育所に配置していくということでございます。そのための予算でございます。もちろん医療的ケアのお子さんの支援に関しましては、保育所だけで行われているものではなくて、かかりつけの医療機関、そういった方々全体で支援をしていくことになるわけですけれども、それは前提といたしまして、今回の予算につきましては、保育所における措置ということで、進めたいと思っております。

保育所における看護師の確保についても、御指摘がありました。これについても、引き続き、取組を進めてまいりたいと思っております。

全体を通しまして、現場の声をしっかり反映させて考えてほしいという御指摘をいただきました。それは、非常におっしゃるとおりだと思います。検討会、様々な場面で、そういったお声をいただきながら、こども誰でも通園制度をはじめとする制度の検討を進めてまいりたいと思います。

少し長くなりましたが、私からは以上になります。

山口課長: 成育環境課長でございます。

佐藤委員から、こども家庭センターと地域の相談機関について、全世帯向けであることをしっかりと周知すべきであると、家庭支援事業について、名称等についてもう少し親しみやすい名称も検討すべきではないかというお話をいただきました。名称につきましては、法令上の名称は法令上であるわけでございますが、言わばニックネームといいますか、そういった形で周知を図っている自治体もあると承知をしております。まずは、来年度からの施行になっておりますので、現時点ではこの法令上の名称で進めているところでありますけれども、そうした地方自治体の取組なども参考にしながら、引き続き親しみやすい名称についても考えていきたいと思っております。この事業については、昨年度の補正予算から始まっております伴走支援といった中で、妊娠届を出したときから、どんなサービス
があるのか、どこに行けばどんな支援が受けられるのかといったことを寄り添いながらしっかりと支援をしていくことが必要であると思っておりますので、この伴走支援をしっかりとまずは進めていくという中で対応を図っていくことが大事だろうと思っております。

その関係で、岡本委員、徳倉委員から、伴走支援について、充実すべき、現状をしっかり把握してつなげていくべきというお話がございました。これは、今、申し上げたとおり、もともと予算事業で始まった事業でありますけれども、こども未来戦略方針の中で制度化を検討するということがうたわれておりますので、今、制度化に向けた検討をしているところです。そうした中で、今年度、調査研究事業を実施しておりまして、既に好事例を一旦出しておりますけれども、実際、今、現場がどのような形でこの事業を行っているのか、調査研究は今年度も行っておりますので、そうした中で、実態もしっかり踏まえながら、制度化に向けてしっかり検討していきたいと思っております。

奥山委員から、地域子育て相談機関について、地域子育て支援拠点の活用や伴走支援との連携について、指摘がございました。この地域子育て相談機関につきましては、中学校区に1個つくっていただきたいということで、先ほど少し資料を御説明いたしましたけれども、そうしていくに当たっては、既存の地域子育て支援拠点、保育所の皆様、認定こども園の皆様にも、この地域子育て相談機関としての役割を担っていただくことが不可欠だと考えております。現場の皆様の意見を踏まえながら、しっかりと進めていきたいと思っております。

水野委員から、放課後児童クラブの受け皿整備、指導員の確保について、居場所づくりの推進について、お話がございました。放課後児童クラブにつきましては、こども未来戦略方針で、この待機児童の解消に向けた取組をしっかりと進めていくこと、常勤配置基準について改善を図っていくということがうたわれておりますので、その方針にのっとってしっかりと進めていきたいと思っております。

最後、倉石委員から、ニーズ調査のやり方について、御指摘がございました。家庭支援事業の利用量の設定は非常に重要だと思っております。利用量の設定につきましては、国は、手引という形、技術的助言という形でお示ししておりまして、その利用量の把握の方法としては、御指摘のありました利用希望把握調査、いわゆるニーズ調査という形で取ることが一般的ではありますけれども、現行でも事業によってはこのニーズ調査によらない方法で把握すべきであるとされているものもございます。家庭支援事業のうち、例えば、訪問支援、あるいは、他の事業についてもそうなのですが、必ずしもニーズ調査をしてもきちんと出てこないものもあるのではないかという御指摘なのですけれども、そのとおりだと思っております。そうした場合に、要対協に登録されている人の中から適切と思われ
る人を抽出して調べていこうとか、そういったニーズ調査によらない利用量の把握の方法という方向で、今、示すことを考えております。いずれにしましても、目標量の設定は非常に重要ですので、しっかりと現場の本当のニーズを踏まえた利用量が設定されるように、工夫してまいりたいと思っております。

情報連携とルールづくりについても、併せて御指摘がございました。現場でそのような課題があるということはよく伺っております。基本的には、要対協を活用して、市町村と地域子育て相談機関あるいはこども家庭センターといったところがしっかりと連携を図っていくことになると思いますけれども、その際、例えば、地域子育て相談機関でもしっかり情報管理をするのだということを担保しなければ、安心して市町村も情報を渡せないということになりますので、そうしたお互いの信頼関係の中で円滑に情報連携が図られるように進めてまいりたいと考えております。

私からは、以上です。

本後課長: 改めまして、保育政策課長でございます。

1点。御質問に対する答えを飛ばしました。追加させていただきます。藤迫委員から、保育の必要性認定の際の就労時間の経過措置について、御指摘がございました。この経過措置は、保育の認定に対しては一定時間の就労が省令上で規定されております。ただ、現在では、施設の市町村の判断で設定できるという形の経過措置が設けられております。これは令和6年度末までの省令上の経過措置になっておりますので、今、その点を御指摘いただいたと認識しております。少し先の話になりますけれども。御指摘の点は認識した上で、今後、検討してまいりたいと考えております。

以上でございます。

髙田課長: 総務課長の髙田です。

予算の件で、概括的な説明をしたいと思います。概算要求や事項要求につきましては、まさに今、絶賛調整中でございまして、いただいた御指摘や御意見については、それを踏まえる形でしっかりと調整していきたいと思っております。

また、経済対策について、今月末、まとめるという話もございまして、少子化対策や子ども・子育て支援については、できるものはどんどん前倒しでやっていくという方針の下に、今、補正予算についてもいろいろと進めているところでございますので、またこういった場を活用いたしましてその状況について御説明できればと思っております。

一方で、個別に御質問いただいた件につきましては、今日この部屋に集まっている者以外にオンラインで参加している者もありますので、例えば、先ほど御質問いただいた社会的養護の話や児童相談所のことについては、恐らく支援局のどなたかがここに参加されているかと思いますので、もし答えられることがございましたら、今、この場で手を挙げて答えていただければと思います。よろしくお願いします。

よろしいでしょうか。

秋田分科会長: 支援局の方、いかがでしょうか。

丸茂課長補佐: 支援局虐待防止対策課の丸茂と申します。

先生方から御質問いただきましたICTの活用の関係ですけれども、児童相談所におきましては、御指摘いただきましたとおり、一時保護施設へのこどもたちへの訪問・面会というところに関してもオンラインによる面談等をできるような形で、こうした事業を活用していただくことは可能でございます。そうした面でも活用が図られるようにしてまいりたいと考えてございます。

私からは、以上でございます。

秋田分科会長: どうもありがとうございました。

ほかに、御意見ということで、水谷代理人からお手が挙がっておりますので、いただけましたらと思います。

よろしくお願いいたします。

水谷参考人: 冒頭、少し遅参いたしまして、失礼いたしました。全日本私立幼稚園連合会副会長の尾上委員の代理、水谷でございます。

意見書には、7つの意見をまとめて提出させていただきましたけれども、ここでは二、三、少し述べさせていただきます。

まず、冒頭に、処遇改善につきまして、宮田委員から御発言があったように、全産業平均に比べますと、月収で4.8万円の格差が出ているという現状がございますので、皆さんもおっしゃっているように、人材確保を安定的に進めるという意味で、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

次に、来年度からのこども誰でも通園制度の試行的実施の対象について、新しい試みでもある本制度の試行的実施につきましては、認定こども園、幼稚園、保育所という多様な施設種別が偏りなく施行できるような受入条件づけを国として誘導していただいて、その結果を検証するようにしていただきたいと思います。

また、保育者のニーズに合わせて、こどもだけの預かりのみならず、多様な預かり方については、複数の委員から御発言がありましたので、そういう対象となるような制度設計、立てつけをよろしくお願いいたします。

待機児童の調査について、資料3のことです。これも藤迫委員がおっしゃっていましたように、大部分の自治体において待機児童は解消されているのですが、待機児童が生じている自治体の中に人材不足に起因するものという結果が幾つか伺えます。そのような現状を踏まえて、自治体にとって効果的かつ具体的な提案を行っていただきたいと考えますので、少子化の中では、新たに保育施設を新設して税金を継続的に投入するというよりは、保育士確保に向けた措置や対応を行っていくことが、行政にとっても、利用者にとっても、有益であると考えます。

最後に、処遇改善でも出ていましたけれども、「保育士等」という言葉がございますが、この「保育士等」とは、出てくる場面によって対象が多様になるのでしょうか。一定の定義があるのでしょうか。もしよろしければ、これについて御説明いただければと思います。

以上です。

秋田分科会長: 本後課長、お願いします。

本後課長: ありがとうございます。保育政策課長でございます。

処遇改善の御指摘は、検討させていただければと思います。

誰でも通園制度についても、試行事業の事業者に偏りのないようにという御指摘だったかと思います。試行的事業の形を考えていく中で、御意見を受け止めさせていただいて、検討したいと思います。

待機児童についての御指摘は、おっしゃるとおりでございます。今は、むしろ個別の自治体ごとにどういう状況であるのか、例えば、減ってきているけれども、なかなか減り切らない、しばらく一定数の待機児童がいる、あるいは、突然待機児童が増える、様々な自治体がございます。そういった自治体の個々の状況に応じて対応を考えていくことにしております。

最後の「保育士等」でございます。これは特段の定義がある形で使っているわけではございません。資料の関係上、説明の関係上、できるだけ短い言葉で言うときに用いる言葉でございます。もしかしたら時によって入る範囲が異なるかもしれません。そういったことを総称する形で「保育士等」と使わせていただいているということでございます。

以上です。

秋田分科会長: ありがとうございました。

それでは、時間の関係で、議題の「(2)本分科会における制度改正に係る議論について」を議題といたしたいと思います。

制度改正につきましては、8月1日の本分科会において、本分科会で議論する事項や進め方については改めて皆様にお示しすることとしていたところでありますので、事務局においてそれを整理していただきました。

内容について、事務局から、御説明をお願いいたします。

髙田課長: それでは、資料7、「『こども・子育て支援加速化プラン』等に基づく制度改正事項について」を説明いたしたいと思います。

まず、先ほど秋田会長からも言われたとおり、前回の会で、次回、皆様に議論する進め方をお示しするとしたところでございますし、また、総理からも、10月2日のこども未来戦略会議において、関係する会議体での議論を進めるよう指示があったところでございます。こういったことを踏まえまして、秋田会長とも相談しながら、事務局において議論する事項をまとめたものが、この資料7でございます。この資料7の上半分を本分科会で主に議論をしていただき、下半分については、本分科会以外の会議体で主に議論をしていただくこととしておりますが、一定の方向性がまとまりましたら、本分科会においても報告するという形にしたいと考えております。

その考え方の整理といたしましては、今日も幾つかの御質問や御意見等をいただきましたこども誰でも通園制度や出産・子育て応援交付金などに関わる事項については、こちらの分科会で議論していく。一方、児童手当の見直し等については、一定の具体的な方向性は出ておりまして、実務者の会議体で議論することがよりふさわしいような内容については、この下半分のそれぞれの会議体で議論するという方向性で考えているところでございます。

いずれにせよ、より実質的な議論を本分科会で進めていただけるように、会長とも相談しながら、このような整理とさせていただいたところでございます。

私からは、以上でございます。

秋田分科会長: ありがとうございました。

資料7、今出ております上半分について、本分科会において議論を行うという説明でありました。これに当たりまして、今後の議論の進め方について、私から、1つ、御提案、御相談がございます。

資料8を御覧ください。制度改正事項は多岐にわたっておりまして、論点も多いこと、また、こども家庭審議会運営規則において、分科会長は委員会を設置することができるとされていることから、議論に先立ちまして、まずは。本分科会の下に委員会を立ち上げまして、それぞれの制度改正事項の論点整理を行った上で皆様に御議論いただくこととしてはどうかと考えております。より効果的に時間を使うというところでございます。

続いて、資料9を御覧ください。こうしたことから、分科会の運営に必要な事項として、こども家庭審議会子ども・子育て支援等分科会運営細則を制定しております。この第2条を御覧いただきますと、委員会は分科会長が指名する者において構成することとしております。そこで、私を含めた先生方の中で、具体的には、鈴木分科会会長代理、倉石委員、松田委員、当方の4名で、委員会を構成したいと考えております。これは、本分科会での議論をより深めるため、また、次回の分科会において限られた時間の中で速やかに中身の議論に入れるよう、このような進め方にしたいと考えておりますが、皆様、いかがでしょうか。これは、皆様の発言をより効率的・集約的・集中的に議論するため策として考えられたものでございますが、いかがでございますでしょうか。

(「異議なし」と声あり)

秋田分科会長: 今、「異議なし」のお声をいただきました。

ほかの先生方、いかがでございますでしょうか。よろしいでしょうか。

経団連から御質問があるということですので、お願いいたします。どうぞ。

手島委員: 経団連の手島です。

私からは、2点、意見を申し上げます。児童手当に関する議論についてです。

経団連としては、児童手当について、こども未来戦略方針を議論したこども未来戦略会議を含め、一貫して、優先順位づけ、めり張りづけの必要性を繰り返し指摘してきました。給付に必要な財源に限りがある中、今回、所得制限を撤廃し、高所得者についても給付対象とすることの必要性については、大きな疑問を感じます。本来は低所得の子育て世帯など支援を必要とする層への給付を拡充する重点化の取組が我が国においては必要であると考えております。

第2に、関連する会議体の関係性についてです。こども家庭審議会の下に本分科会は設置されておりますが、今回示された様々な検討会、専門委員会などの相互の関係性について、今後、分かりやすく示していただければと思います。

よろしくお願いいたします。

秋田分科会長: 手島委員、ありがとうございます。

こちらにつきましては、事務局から回答いただきます。

髙田課長: 総務課長、髙田でございます。

まず、児童手当につきましては、先ほどのこども未来戦略方針で一定の方針が出ており、その上で、こども家庭庁のこども政策に係る実務者検討会ということで、自治体と実務的な課題を議論するという形で、今、検討を進めているということでございます。先ほど申し上げましたとおり、様々な会議体での議論についてはまた改めてこの分科会に対して報告する機会を設けたいと思っておりますので、そういった中で改めてまた御意見をいただければと思っているところでございます。

それぞれの会議体がどういう整理になっているのかということにつきましては、また改めまして、どういった形で皆様に分かりやすい形でお示しできるのかということについて、次回の会議までに考えていきたいと思っております。

以上でございます。

秋田分科会長: ありがとうございます。

手島委員、次回には、準備ができるところ、会議体等の関係についてはということでございます。よろしいでしょうか。

手島委員: 分かりました。よろしくお願いいたします。

秋田分科会長: ありがとうございます。

まず、今提案させていただきましたこの審議会の下に委員会を設置するということについては、御異議はありませんでしたので、このように進めさせていただきます。

これで本日の議題は全てとなりますけれども、全体を通して、皆様から、何か御質問等はございますでしょうか。よろしゅうございますでしょうか。

ありがとうございます。

それでは、次回の予定につきまして、事務局から、お願いいたします。

髙田課長: 次回につきましては、本日御了承いただいたとおり、企画委員会において整理していただいた論点を基に、制度改正の方向性について御議論いただければと考えております。

開催日が正式に決まりましたら、事務的に御連絡させていただきますので、よろしくお願いいたします。

秋田分科会長: 長時間にわたりまして、ありがとうございました。

それでは、本日はこれで終了とさせていただきます。オンラインの皆様も、対面の方も、どうもありがとうございました。

これにて閉会といたします。