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第1回 子ども・子育て支援等分科会

概要

日時:令和5年8月1日(火)14時00分から16時00分
場所:霞が関ビルディング14階 こども家庭庁第二会議室(東京都千代田区霞が関3-2-5)

【オンライン配信URL】
URL:https://youtube.com/live/xPQdHX_jY7A

議事

  1. 子ども・子育て支援をめぐる課題について
  2. その他

資料

議事録

齋藤課長:それでは、ただいまより、第1回子ども・子育て支援等分科会を開始いたします。

委員の皆様方におかれましては、本日お忙しい中お集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

分科会長選出までの間、進行を務めさせていただきます、こども家庭庁成育局総務課長の齋藤でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

本日御参集いただきました委員の皆様の御紹介につきましては、誠に恐縮ですけれども、お手元にお配りしております委員名簿をもって代えさせていただきますので、御確認をお願いいたします。

委員の御出欠について御報告させていただきます。本日倉石委員及び徳倉委員におかれましては、所用により御欠席ということでございます。

また、本日は奥山委員の代理人として小川様、三日月委員の代理人として大杉様、村松委員の代理人として伊藤様に御出席いただいております。

なお、佐保委員、新居委員、松村委員、渡辺弘司委員は、会議途中からの御出席と伺っております。

次に、会議の成立についてでございますけれども、こども家庭審議会令第7条第1項及び第3項において、分科会は、委員及び議事に関係のある臨時委員の3分の1以上が出席しなければ、会議を開き、議決することができないとなっておりますけれども、本日は定足数を満たしておりますことを御報告させていただきます。

続きまして、事務局側の出席者でございますが、こちらも大変恐縮ですけれども、時間の関係もございますので、お手元の座席表などで御確認いただければと思います。

それでは、事務局を代表いたしまして、成育局長の藤原より一言御挨拶申し上げます。

藤原局長: こども家庭庁成育局長の藤原と申します。

本日はお忙しいところをお集まりいただきまして、ありがとうございます。

第1回の子ども・子育て支援等分科会開催を迎えました。一言御挨拶を申し上げます。

まず、本分科会の設置の経緯でございますが、先生方御承知のとおり、公定価格をはじめとする子ども・子育て支援制度全般の課題につきまして、これまで内閣府の子ども・子育て本部において運営をしておりました子ども・子育て会議におきまして、有識者の立場あるいは自治体の立場、経済界の立場、そして、保育など支援の事業者の立場、非常に幅広い観点から構成員の皆様方に御議論をいただいてまいりました。本年4月にこども家庭庁が発足をいたしまして、これに伴い関係会議の再編が行われ、子ども・子育て会議につきましても、こども家庭審議会の下の分科会として位置づけられたところでございます。子ども・子育て会議の役割や機能につきましては、本分科会においてしっかり引き継ぎ、引き続き委員の皆様方の御意見も伺いながら、こども・子育て施策の充実に向けて取り組んでまいりたいと考えておりますので、どうぞ御指導をよろしくお願いいたします。

こども家庭庁発足以降、政府においては、非常にいろいろな大きな動きがございます。次元の異なる少子化対策の実現ということで、総理を議長とするこども未来戦略会議で議論を重ねて「こども未来戦略方針」が取りまとめられた、それは御承知のとおりでございます。この中にも私どもこども・子育て施策、直接所管するものも多く含まれておりますし、こういった施策を強化するということが盛り込まれているわけでございます。

本日はこの6月に決定をいたしました「こども未来戦略方針」あるいは骨太方針、そして、各種規制改革でも取り上げられた事項、こういった政府としての決定事項ですとか、あるいは本日の資料にも載せておりますけれども、保育所等における不適切事案を踏まえた今後の対策ですとか、教育・保育施設の事故報告の集計、こういった取組などについても併せて事務局から御報告をさせていただければと考えております。本日は初回でもございますので、これに限らずぜひ自由に御意見をいただければ大変ありがたく存じます。

なお「こども未来戦略方針」に盛り込まれましたこども・子育て施策につきましては、今後はその具体化に向けて本分科会においても議論いただくことを想定しております。本分科会における議論の具体的な範囲や進め方につきましては、今後選定いただくと思いますけれども、新しい会長とも相談をさせていただきながら整理をしっかりして、改めて御報告、お伝えしていきたいと思っております。

簡単でございますけれども、委員の皆様方におかれましては、こども・子育て施策の充実に向けまして、ぜひ忌憚のない御意見をいただきますようにお願いを申し上げまして、冒頭の御挨拶とさせていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。

齋藤課長: ありがとうございました。

それでは、カメラにつきましては、ここで御退席をお願いできますでしょうか。

続きまして、分科会長の選任に進ませていただきます。こども家庭審議会令第5条第3項におきまして、構成員の互選により分科会長を選任するとされております。

こちらにつきましては、事務局といたしましては、分科会の前身に当たります子ども・子育て会議の頃から会長でございました秋田委員に分科会長をお願いできればと考えておりますが、皆様、いかがでございましょうか。

(「異議なし」と声あり)

(拍手起こる)

齋藤課長: ありがとうございます。

それでは、秋田委員におかれましては、この後の議事進行をお願いできればと思います。よろしくお願いいたします。

秋田分科会長: 皆様、ありがとうございます。

ただいま分科会長を仰せつかりました秋田でございます。

こどもや若者の最善の利益の実現のため、こどもや若者、子育て当事者の視点に立った審議、討議を進めていきたいと思います。こどもまんなか社会の実現のためには、その価値観を共有していったり、ビジョンを示していく、そして、それが制度につながっていくことが私はとても大事だと考えております。皆様方の活発な御審議を期待しております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

それでは、初めに、会長代理の指名を行わせていただきたいと思います。こども家庭審議会令第5条第5項において、会長に事故があるときは、当該分科会に属する委員または臨時委員のうちから分科会長があらかじめ指名する者が、その職務を代理することとされております。

鈴木委員を会長代理に指名をさせていただきたいと思います。鈴木委員は前の内閣府のときにもお支えをくださいまして、会長代理をしてくださっておりました。

鈴木委員、どうぞよろしくお願いいたします。

鈴木分科会長代理: どうぞよろしくお願いいたします。

(拍手起こる)

秋田分科会長: また、代理出席につきましては、子ども・子育て会議と同様に、構成員からあらかじめ申出があったときは、代理人が出席・発言をすることができることとしたいと思いますので、よろしくお願いをいたします。

それでは、続きまして「子ども・子育て支援をめぐる課題について」を議題としたいと思います。

事務局から資料の御説明をお願いいたします。

齋藤課長: それでは、事務局より資料1から順番に説明をさせていただきます。

資料1は私から説明させていただきまして、その参考としまして参考資料4を説明した後に、資料2、資料3につきましては、それぞれ保育政策課長、安全対策課長から順に説明をさせていただきます。

まず、私から資料1を説明させていただきます。お手元のタブレット端末等で御確認いただければと思います。資料1でございますけれども、政府の主立った、この間、閣議決定された方針等につきまして、簡単に御報告をさせていただくものでございます。

1ページ「こども未来戦略方針」でございます。6月13日に閣議決定されたものでございまして、先ほど局長からの御挨拶でもあったように、少子化対策のための加速化プランということで、今後3年間で集中的な取組をするものというものの中に、こども・子育て支援に関する施策が盛り込まれておりますので、そちらを御紹介させていただきます。

まず「(1)児童手当の拡充」でございますけれども、児童手当については、こどもの育ちを支える基礎的な経済支援としての位置づけを明確化し、所得制限を撤廃すること、高校生年代まで延長すること、第3子以降3万円とするといったこととした上で、実施主体である地方自治体の事務負担も踏まえつつ、2024年度中に実施できるよう検討するとされております。

(2)のところでございますが、「出産・子育て応援交付金」、令和4年度二次補正から実施しておりますけれども、これについて、制度化に向けて検討することを含め、着実に実施するとされております。

2ページの「全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充」の中におきましても、(1)の2つ目の○でございますが、先ほどの応援交付金と表裏の関係にございます「伴走型相談支援」につきましても、継続的な支援に向け制度の検討を進めるとされております。また、3つ目の○にございますように、産後ケア事業につきましても、費用負担の軽減措置等を現在も進めておりますけれども、産前・産後の心身の負担軽減を図る観点から実施体制の強化を行うとされております。

3ページを御覧ください。「(2)幼児教育・保育の質の向上」という中でございますけれども、2つ目の○に公的価格の改善というものが出てまいります。公的価格評価検討委員会中間整理を踏まえた費用の使途の見える化を進めるといったこと、その上で、3つ目の○でございますが、職員配置基準につきまして、1歳児について現行の6対1から5対1、4・5歳児については30対1から25対1へ改善するとともに、民間給与動向等を踏まえた保育士等のさらなる給与改善を検討するとなっております。

続きまして、(3)の「こども誰でも通園制度(仮称)」の創設でございます。こちらについても2行目の後半ぐらいからですけれども、全ての子育て家庭に対し、多様な働き方、ライフスタイルにかかわらない形での支援を強化するため、現行の幼児教育・保育給付に加えて、月一定時間まで利用可能枠の中で、就労要件を問わず時間単位で柔軟に利用できる新たな通園給付を創設するとされております。具体的には、現在モデル事業を行っておりますが、さらに拡充させ、2024年度からは制度の本格実施を見据えた形で実施するとなっております。

続きまして、4ページでございます。「新・放課後子ども総合プランの着実な実施」ということでございますが、2つ目の○にありますように、これまでもプランの下で取り組んでまいりました受皿の拡大、122万人から152万人への拡大を着実に進めるとともに、クラブの安定的な運営を図る観点から常勤職員配置の改善などを図ると掲げております。

4ページの後半からは財源の部分についての記述がございまして、一番下のところでこども・子育て支援のための新たな特別会計を創設するということですとか、5ページの(財源の基本骨格)という中に③がございますが、「企業を含め社会・経済の参加者全員が連帯し、公平な立場で、広く負担していく新たな枠組み(「支援金制度(仮称)」)を構築する」ということで、年末までに結論を出すということも触れられております。

以上が「こども未来戦略方針」の概要でございます。

続きまして、6ページにいわゆる骨太の方針2023が、これも6月16日に決定されているものがございます。こちらについては(加速化プランの推進)ということで、先ほど申し上げました未来戦略のうち加速化プランの部分について概要をまとめるような形で記述されているということでございまして、先ほどのこども・子育て支援の中身についても例示として幾つか挙がっておるところでございます。

7ページに(こども大綱の取りまとめ)ということでございます。こちらについては、こども審議会の基本政策部会でも議論が行われているところでございますけれども、こども大綱を年内をめどに策定するということが掲げられております。

続きまして、8ページ「規制改革実施計画」でございまして、これも6月16日に閣議決定されておりまして、この中にも<人への投資分野>という中に、こども・子育て支援に関連するものが幾つか掲げられております。かなり細かくいろいろな項目が立っておりますので、全て御紹介することは申し上げませんが、例えば18番、既に措置済みですが、「『常勤保育士』と『短時間保育士』の定義の明確化・見直し」、あるいは11ページを見ていただきますと、23番「『地域限定保育士』の創設及び多様な主体による地域限定保育士試験の実施」、24番「小規模認可保育所における対象年齢の拡大(3~5歳のみの保育)」等について、実施時期も含めて記載されているところでございます。

12ページ以降につきましては、今、申し上げたことの参考資料ということですので、説明は割愛させていただきます。

以上が資料1の説明でございまして、「こども未来戦略方針」に関連しまして、成育環境課長から参考資料を説明させていただきます。

山口課長: 成育環境課長です。

参考資料4「『こどもまんなかアクション』の展開について」というファイルをお開きいただきたいと思います。

今ほど御紹介のありました「こども未来戦略方針」の中で、サービスの充実と併せ、こどもまんなかに向けた社会の意識を変えていくということで、機運醸成を進めることになっております。こども家庭庁では「こどもまんなかアクション」という名前をつけまして、こうした意識改革の運動を展開していくということにしております。

資料の「2.これまでの取組と今後のスケジュール」のところですけれども、4月28日にゴールデンウイーク前後に「こどもファスト・トラック」と申しまして、子連れを優先して受け付けるような仕組み、こうした仕組みを実施予定の施設を公表しております。新宿御苑などで実施をいたしました。5月2日には「こどもまんなか応援プロジェクト」ということで、下のポツにございますけれども、こどもまんなかに向けたプラスアルファのアクションを起こしていただき、「#こどもまんなかやってみた」をつけてSNS等で発信していただくように、企業・個人・自治体などに広く呼びかけを行ったところです。6月6日には「こどもまんなかマーク」ということで、ウェブ投票、それから、郵送による投票を行いまして、さきに発表したところでございます。それから、子育て当事者に対するニーズ調査なども行いながら、7月22日にはこどもまんなかアクションの言わば正式スタートということで、このキックオフイベントを行ったところでございます。以降順次とありますけれども、今後先ほど申し上げた「こどもまんなか応援サポーター」「こどもファスト・トラック」の好事例の発信や、各地域でのリレーシンポジウム、11月を「秋のこどもまんなか月間」と定めて集中的に広報を行っていくこと、また「こどもまんなかアワード」といった表彰の仕組み、それから、SNSを活用したプッシュ型での情報発信、こうしたことを行っていくことにしております。

2ページ以降は今、申し上げたこどもまんなか応援サポーターの概要ですので、また御覧いただきたいと思いますけれども、既に多くの自治体や企業の方に「#こどもまんなかやってみた」という発信をいただいているところです。

私からの説明は以上です。

齋藤課長: 続きまして、保育政策課長から資料2の説明をさせていただきます。

本後課長: 保育政策課長でございます。

資料2、昨年来の保育所等における不適切事案、様々報道されてまいりました。その対応につきまして、5月になりますけれども、公表いたしておりますので、その御報告をさせていただきたいと思っております。

今後の対策について、2点基本的な考え方として進めていくこととしております。一つはこどもや保護者が不安を抱えることなく安心して通えるようにということ、もう一つが保育所等、保育士等の皆様が日々の保育実践において安心して保育を担っていただける、とりわけこの過程の中では過度に現場で不安になるといった声も聞かれましたので、この2点目、こういったことにも配慮しながら対応をまとめさせていただいております。

内容については3つございます。1つ目はガイドラインの策定ということであります。これまで必ずしも明確ではなかった「不適切な保育」という用語、この考え方を明確化するとともに、保育所、自治体等に求められることを整理しております。

1枚めくっていただきまして、次のページですけれども、この「不適切な保育」について「虐待等」と疑われる事案ということで概念上整理をいたしまして、その外側にさらに「『望ましくない』と考えられるかかわり」というものがある、そういった形で整理をしております。それに基づきまして、この「『望ましくない』と考えられるかかわり」、こういったものは日々の保育実践の振り返りの中でしっかりと園の中で対応していただく、そして「虐待等」と疑われる事案、いわゆる「不適切な保育」であることが確認できるかどうか、これもしっかり施設の中で判断をしていただいて、そういったことが確認できた場合には、しっかりと市町村と連携して対応していく、こういったフローチャートをお示しさせていただいております。

もう一度戻っていただきまして、対応の2つ目が「児童福祉法の改正による制度的対応の検討」というところでございます。これは保育所等における虐待等への対応として、他の高齢者、障害者等の法律を参考にしながら、児童福祉法の改正による制度的な対応を検h討していくというものでございます。

3つ目「虐待等の未然防止に向けた保育現場の負担軽減と巡回支援の強化」ということでございます。保育現場の負担軽減に資するように、運用上で見直し・工夫が考えられる事項について周知することとともに、巡回支援事業のさらなる活用について周知をするということで、これは既に通知をお出しいたしました。こういった対応を5月にまとめております。

このガイドラインの中で、特に具体的な現場での事例をもう少し整理すべきではないかというお声もたくさんいただいております。これはこのときにはそこまで整理することはできませんでしたけれども、様々な事例、研究を深めていきまして、できますればこのガイドラインの追補という形でまとめられればと、そういったことを目指して作業を進めたいと思っております。

以上でございます。

齋藤課長: それでは、資料3につきまして、安全対策課長から説明させていただきます。

鈴木課長: 安全対策課長でございます。

それでは、資料3「『令和4年教育・保育施設等における事故報告集計』の公表について」、こちらの御説明をさせていただきます。

資料3、これは広報の頭紙になっておりますけれども、教育・保育施設等で発生した事故につきましては、各施設・事業所から自治体に報告されたもののうち、死亡事故、それから、治療に要する期間が30日以上のいわゆる重傷(重症)事故、それから、意識不明の事故、これにつきまして、各制度の所管省庁に報告することとされております。これまでは内閣府の子ども・子育て本部が制度所管省庁に報告があった件数を取りまとめて公表しておりましたけれども、今年度からこども家庭庁の安全対策課が取りまとめの業務を引き継ぎまして、このたび令和4年分の集計を取りまとめて公表するものでございます。

それでは、ページ数でいうと3枚目、これが1ページとなっておりますので、見ていただきまして「令和4年教育・保育施設等における事故報告集計」となっております。下のほうに一覧表がございます。「計」の字が縦横並ぶところ、これが全体ですが、全体で2,461件で前年比114件のプラスとなっておりまして、事故報告の制度開始以来増加傾向が続いております。過去最多となっております。その中の右のほうに「死亡」という欄がございますが、死亡事故の報告件数は全体で5件でございます。これはその前年と同じということになります。全体の報告件数は増加傾向でありますけれども、死亡事故に関しては、制度開始以来微減ないし横ばいという傾向でございます。

続きまして、2ページから5ページですが、これはそれぞれの内訳となります。2ページ、資料全体でいうと4ページになってしまうのですけれども、ここは施設類型別の内訳となります。その次の次、全体の6ページ、こちらは年齢別、さらにその次、全体の7ページになりますと、これは事故の発生場所別の内訳となっております。

その次、全体でいうと8ページになりますが、ここが死亡事故における主な死因でございます。窒息が1件、溺死が1件、その他が3件となっております。死亡事故につきましては、原則として、自治体において検証が実施され、国にも報告することとされております。国としては、自治体による検証の報告を受けまして、教育・保育施設等における重大事故防止策を考える有識者会議でも御議論いただきながら、再発防止のために必要な対策を検討してまいります。

最後になりますが、全体の9ページですね。こちらは長期で見ての死亡事故の報告件数でございます。平成16年から令和4年までの数字が並んでおります。

その次の最後の2ページでございますが、これは国としての事故防止に関するこれまでの取組について、平成28年の有識者会議の設置から記載しておりまして、新しく追加になったものとしましては、最後のほうですね。令和4年の9月にバス送迎における事故がありました関係で、送迎用バスの置き去り防止対策について、新たに記載を追加しております。

資料3の説明は以上でございます。

齋藤課長: 事務局としては以上でございますけれども、補足としまして、先ほど御説明申し上げた資料1及び資料2の中におきまして「こども未来戦略方針」あるいは「規制改革実施計画」等、今後制度改正が必要になる可能性があるものが含まれております。冒頭で局長からも発言の中でも触れさせていただきましたように、今後本分科会でどのような形で議論していただくのか、その範囲やスケジュール等につきましては、分科会長と御相談しながら改めて提示させていただきたいと思っております。

以上でございます。

秋田分科会長: 御説明どうもありがとうございます。

それでは、今回は初回ということですので、委員の皆様からお一人ずつ順番に自由に御発言をいただきたいと思います。恐れ入りますが、時間の都合上、お一人当たり2分以内としていただきますよう御協力のほどお願いをいたします。

なお、事前に委員から資料を御提出いただいたものにつきましては、参考資料5としてまとめております。御発言の中で御紹介いただいても差し支えありませんが、その場合もお一人当たり2分以内にまとめていただきますようお願いをいたします。

私から名簿の順に本日は指名をさせていただきます。

それでは、まず、五十嵐委員からお願いします。オンラインの五十嵐委員、お願いいたします。

五十嵐委員: ありがとうございます。商工会議所です。

少子化対策としてこども・子育て支援の拡充を進めることは重要であることは論をまちませんけれども、さらに「こども未来戦略方針」が国民の理解の下に実行されて、それが成果に結びつくことを期待しております。

申すまでもありませんけれども、仕事と育児の両立が大きな課題となっています。特に、人材や人手不足が深刻な中小企業においては、これをどう実現していくかが問われておりまして、男性育休の浸透などについても同じであります。留意すべきことは、会社や社員がそうした働き方の実現を図れる環境にあるか、ということであります。規模の小さな事業所の場合には、1人の社員が抜ける穴というのは非常に大きいという実情があります。子育て世代をみんなで支援できるように、育休などにより労働力の不足が現実に生じるようなことが起きても会社、仕事がうまく回るようにしたいと考えております。実態を踏まえつつ、丁寧にそうした社内環境づくりに誘導していくこと、そのために必要な支援を行っていただくことが不可欠だと思っています。

また、少子化対策として給付金等現金支給の拡充が大きな柱となっておりますが、子育て支援を必要としている人に必要なサービスを提供することに重点を置くべきではないか、と考えています。財源の制約を踏まえれば、対策にめり張りが必要であります。その意味で、こども誰でも通園制度や放課後児童クラブのような、受皿拡大の施策は非常に期待されますし、有効だと思っております。安心して預けられるような環境整備が不可欠であり、資料2で提案された3点の取組は、着実に進めていただければと思います。

以上です。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

続きまして、大方委員、お願いいたします。

大方委員: 大阪総合保育大学の大方と申します。全国保育サービス協会理事の立場で今日は参画させていただいております。

御報告ありがとうございました。大きく2つ御発言をさせてもらいたいと思います。一つは、全国保育サービス協会の立場といたしましては、こども誰でも通園制度の創設ということが議論されておりまして、そのことはそれでとてもすてきなことだと思う一方で、在宅保育、居宅訪問型保育、つまり、ハイリスクのこどもさんであったり、配慮を要するこどもさんに対して、自宅に来ての保育の質の保障、また、そのような制度のより拡充を求めていらっしゃる方も非常に多うございますので、けれども、自宅に行くということは、より研修等の内容を考えていかなければ、逆にリスクや事故も起こってくるということですので、その辺もまた御検討いただけたらと思います。

もう一方では、妊娠期からの切れ目のない支援の拡充ということ、産後ケアということで、今、不妊治療に対しても非常に充実してきましたが、ハイリスクであることを本当に少ない産院の中で受け入れてくれるところがどれだけあるのか、私の身近なところでも受け入れてくれるところが非常にないというお困り感を聞いておりますし、多胎児が発生する率も非常に高く、その場合の産後ケアも、2人のこどもを仮に双子で持ったときにどのように母体の産後ケアとそのこどもを誰が面倒を見られるのかということ、その辺の御検討も切れ目のない支援ということで、また、産前・産後のケアの拡充の周知徹底を御依頼申し上げたいと思います。

以上でございます。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、岡本委員、お願いをいたします。

岡本委員: 日本助産師会の岡本でございます。

資料の御説明をありがとうございました。全てのこれからこどもを持つ家庭、また、子育て中の家庭を対象としたサービスの拡充につきましては、周産期のケアに携わる本会としては非常に期待するところであります。現在妊娠期からの切れ目のない支援の推進として、伴走型支援と産前・産後ケアの拡充が示されておりました。伴走型相談支援では3回の面談が予定されておりますが、2回目である妊娠後期の面談につきましては、いまだ実施状況としましては不明確な状況も見られております。日本における周産期鬱の発症率に関するシステマチックレビューによりますと、最も発症率が高くなるのは妊娠後期です。この時期こそ家族が将来子育てを行う地域と連携した細やかで丁寧な家族に対する支援が必要と考えております。地域連携の好事例を紹介するなどして、さらなる全国展開ができますよう取組を期待いたします。

また、利用者負担の減免支援と産後ケア事業が推進されております。その利用対象者は産後ケアを必要とする全ての母子となっておりますが、現状として、いまだハイリスク妊産婦や支援者が身近にいない者としている自治体も複数見られます。また、産後ケアを利用したくても、地方に行きますと近くに施設がなく、ハイリスクであっても利用できない現状があります。いま一度全国自治体への産後ケア事業の在り方について周知していただくことを希望いたします。

以上です。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

それでは、奥山委員の代理人である小川代理人、オンラインでよろしくお願いいたします。

小川代理人: 皆さん、こんにちは。NPO法人子育てひろば全国連絡協議会の理事をしております小川由美と申します。どうぞよろしくお願いいたします。

私どもといたしましては、2つの意見を提出しております。一つは、先ほど事務局の説明がありましたが、出産・子育て応援交付金です。こちらにつきましても、出産前の妊娠して5万円相当、それから、出産して5万円相当という経済的支援を、ぜひ切れ目なく伴走型相談支援に確実に結びつくように、強調して推進していただきたいと思っております。

そして、さらに3回目の面談のうち、先ほど委員がおっしゃいましたけれども、2回目の面談は地域子育て支援拠点等での委託が推奨されておりますが、現状は活用が十分ではありません。実は私、大分県豊後高田市というところで子育て支援をやっているのですけれども、私の団体は2回目のこの面談を実際に行っております。本当に効果的というところを現場の声としてお伝えしたいと思っております。とても不安な妊娠後期のときに拠点を知り、地域の子育てサービスを知り、そして、つながるということの安心感・安堵感を、その表情からとても感じます。ぜひ多くの拠点等を活用してこの2回目の面談が行われて、不安軽減に努めていただけるような、そういった推奨を期待したいと思います。

それから、産後ケア事業についても、こちらも量的というところでさらなる広がりを希望し、希望したい方が普遍的な支援が受けられるように、そういった広がりを願っております。

私からは以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。奥山委員からは資料も出ております。

続きまして、尾上委員、お願いいたします。

尾上委員: 全日本私立幼稚園連合会の尾上と申します。よろしくお願いします。

私も委員資料として提出しております。まずもって、配置基準の改善について御高配賜りまして、大変現場が助かるということをお礼申し上げたいと思います。しかし、ナショナルスタンダードから見ればまだまだでございますので、より一層ということでお願いしたいと思います。

今日は実はこども誰でも通園制度について申し上げたいと思っておりますが、私どもの資料の5ページをおめくりいただけたらと思っておりますが、私ども私立幼稚園、認定こども園では、去る6月にアンケート調査をいたしました結果、全体の89.7%、1施設平均4.4事業の子育て支援事業を既に長年行っております。年間の利用延べ人数は1施設550人から600人というデータが出ておりまして、幼稚園はこれまでも子育て支援やママ友づくり、園庭開放、乳幼児の遊び場の提供と、幅広いニーズに対応しながら、子育ての楽しさや安心を支える地域の幼児期の教育センターとして役割を果たしてまいっておりますので、そのような知見も幾らか私どもが具備しておることも御承知おきいただけたらと思っております。

なお、本年度よりモデル事業が行われるとお聞きしております。先ほど来年度から本格的実施云々という言葉がございましたが、どうぞぜひモデル園の実績報告や現場の声をしっかりと踏まえて、こどもの最善の利益を第一に考えた制度設計にしていただけたらと思っております。

よって、そのことから2点ほど要望させていただきます。給付制度として実施する場合、保育者の負担軽減の観点から実績報告等の事務手続の簡略化についてぜひ御検討いただきたい。2点目、保護者の負担軽減の観点からだけではなく、こどもの最善の利益を第一に考えて、慣らし時期に親子登園を原則とすることや、慣らし時期以外でも親子一緒での登園も可能とするなど柔軟な多様な制度に持っていっていただければ大変ありがたいと思っております。

以上でございます。よろしくお願いします。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

それでは、加藤委員、お願いいたします。

加藤委員: 全国幼児教育研究協会の加藤です。

私からもこども誰でも通園制度についてお伝えしたいと思います。この事業の趣旨は、孤立した育児の不安や悩みの解消の支援の強化、全てのこどもの育ちの応援、こどもの良質な成育環境の整備、それから、全ての子育て家庭に対しての多様な働き方やライフスタイルにかかわらない支援の強化がうたわれているところです。ただ、一方、その方策は、保護者から離れた一定時間の通園給付というところにゴールがあって、その立てつけにおいては、今朝のNHKニュースでもそれが実施可能な地域がまだ十分に実施できない課題が取り上げられているところです。それは地域の実態に依拠しているということです。

保護者の気持ちの安定の一助となったり、あるいはお子さんによっても不定期な保育に対して非常に敏感な、あるいはそのこと自体がプレッシャーになるお子さんもいらっしゃるところから、多様な事業が想定されて、この認識された課題への解、答えですね。解は、通園を一定の時間だけにとどめることなく多様なやり方を認めていただくことが大事だろうと考えています。例えば園庭開放にしても、親子のつながりを丁寧にするような時間、個室で密室での子育てではなくて、開かれた場所で似たような親子で出会える場所、そこでつながり合える場所、あるいは親同士で悩みが語り合えたり、そういう相談にのってくれる先生がいる場所など、いろいろな事業の展開は考えられるところです。今、尾上委員からもお話がありました私立幼稚園では、こういう実態を地域に即しながら、しかも、無償で実施してきているところです。これを事業としてきちんと打ち出して、費用面でも支えて組織化・体系化すれば、こども誰でも通園制度というものが実は日本でこれだけ豊かに行われているのだということがアピールもできるのではないかと思いますし、下支えしているところに光を当ててあげることもできるのだと思います。そのことが一つです。

もう一つは、処遇改善加算Ⅱの時間要件が具体的にスタートいたしました。このことによって研修を実施している団体と認定する行政との間に具体的な幾つもの行き違いが起きていることが顕在化してございます。FAQの整備を進めていただいていると伺っておりますけれども、できるだけ早い発出をお願いしたいと思います。

以上です。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

続きまして、古口委員、オンラインになります。どうぞよろしくお願いいたします。

古口委員: 全国町村会栃木県茂木町長の古口でございます。

「こども未来戦略方針」が示されて、地方としても大いに期待をするところであります。町村といたしましても、その役割をしっかりと果たし、政策を推進できるよう努めてまいります。

ただし、その制度の具体化に当たりましては、直接現場を預かる市町村や保育園等の意見を十分に尊重していただければと思います。

また、地方自治体間の財政力の差がこども・子育て政策の地域間格差につながることのなきよう、国におきましても丁寧な政策の進め方を御配慮いただければと思います。
以上です。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

続きまして、オンラインの後藤委員、お願いいたします。

後藤委員: ありがとうございます。家庭的保育全国連絡協議会の後藤と申します。よろしくお願いします。

家庭的保育は、家庭的保育者の居宅またはその他の場所で0歳児から2歳児までのこどもを家庭的保育者が補助者とともに保育する認可事業です。私自身も神奈川県秦野市で定員5名の家庭的保育室を開設し、13年目になります。家庭的保育では、家庭的な雰囲気の下、少人数のこどもを対象にきめ細やかな保育を行っております。こどもたちは地域の方々に見守られ、支えられて過ごしています。保育の様子を日々保護者と共有しながら、保護者同士の世間話や育児の悩み相談など、卒室したこどもやお迎えに来たきょうだいとの交流の場にもなっています。

さて、資料1の「こども未来戦略方針」に関連して意見を申し上げます。こども誰でも通園制度創設は、孤立した育児の中で不安や悩みを抱えている保護者の支援としても、また、こどもの育ちを支える上でも重要と思います。家庭的保育では、多くのこどもを受け入れることはできませんが、親子で数時間一緒に過ごすことも可能です。また、伴走型相談支援では、地域の助産師、保健師等の連携を図り、妊娠期に家庭的保育室に来てもらい、保育者とこどもとの関わりを見たり、実際に利用している保護者の話を聞いたりすることで、出産後、職場復帰後等の生活の見通しを持ち、子育てへの不安や孤独を解消し、さらに地域の中でつながる機会を得る、そんな支援の場所として、この家庭的保育を積極的に活用してもらえるよう取り組んでいきたいと思っております。

以上です。ありがとうございました。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、駒崎委員、お願いします。

駒崎委員: 全国小規模保育協議会理事の駒崎です。

こちらの意見書を出させていただいていますので、それに基づいてお話しさせていただきたいと思います。「こども誰でも通園制度に定期性を」というタイトルでお話しさせていただきたいと思います。

「こども未来戦略方針」の中にこども誰でも通園制度の創設が盛り込まれました。これは大変すばらしい制度だと思いまして、こうした制度をつくってくださったことを深く感謝したいと思っております。

一方で、この「こども未来戦略方針」では「月一定時間までの利用枠の中で、就労要件を問わず時間単位等で柔軟に利用できる新たな通園給付」とのみ記載されており、特に定期性については言及されていません。しかし、この定期性というのは、本制度の要ではないかと思っております。つまり、今の一時預かり、スポットの一時預かりを全国化しましょうということでは不十分ではないかと思っております。

どういうことかと申しますと、こどもにとって定期的にその園に通っていくというのが非常に重要だということは、ここにいらっしゃる保育の専門家の皆さんはよくお分かりなのではないかと思います。こどもの育ちに伴走していくというのは非常に重要です。

また、さらには親に伴走していくことで親とラポール、信頼関係を形成して、親の相談、悩みも聞いていけるということがあります。

さらには、先週来て、今週来て、ずっと定期的に来ているのだけれども、2週連続来ていない、どうしたのだろうということで、ある種の虐待や親の異変、家庭の異変にも気づいていける、そういった意味合いにおいて、定期性というのはこどもにとっても親にとってもとても重要だと思っております。

さらには、皆様方、保育園の実務の現場において、今日すぐ一時預かりを受け入れてくださいねというのが全国で起きることになると、保育園現場は今、負荷も非常に高まっていますので、受け入れづらいのではないでしょうか。定期的に週に1回でも2週間に1回でも知ったこどもが来てくれる形をデフォルトにしていくべきなのではないかと思っております。実際に我々が行った調査においても、一時預かりサービスを利用した無園児は1割強にすぎないところ、一方で、定期保育のサービスを利用したいという無園児家庭は約6割ということで、継続的にしっかり園に通いたいという方のニーズが多い状況があります。

よってもって、こども誰でも通園制度をせっかくこの岸田政権の少子化対策の目玉としてつくるのであれば、誰もの子育てに対して保育園が伴走していけるというような、そうした定期保育の形をデフォルトに取っていただき、そして、その空いた枠の中で一時預かりなどもできるという多様性が担保される形で制度設計していただければと思っております。

以上でございます。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、佐藤委員、お願いいたします。

佐藤委員: ありがとうございます。産経新聞の佐藤です。

4つ申し上げます。1つ目です。資料1、出産等の経済的負担の軽減、妊娠期からの切れ目のない支援についてです。この項目が児童手当と並んでいることには違和感を覚えます。主目的は妊娠や子育てが負担になっている親を見つけて支援する伴走型支援だと理解しています。現金給付はそのツールなのに、狙いが浸透していないように思います。制度化に当たっては、都道府県や自治体で正しく理解していただき、相談支援の質を上げていただくことが不可欠です。次のページにある相談支援と伴走型支援とをセットでやっていただくように、確実に制度化をお願いいたします。

2つ目です。こども誰でも通園制度についてです。制度化を2024年度から確実に行うことを期待しています。特に保育で待機が生じている都市部では、受皿の準備が不可欠です。
どこが受けていただけるのか、受皿の打診やニーズの調査などを早期に行うことが必要だと思います。

3つ目です。不適切事案を踏まえた今後の対応策についてです。3ページ目の一番下の欄「保育所等職員による虐待」について、通報義務を設けることが検討されています。この「等」について、幼稚園やこども園なども一緒に行っていただくようにお願いします。

4つ目です。事故報告の集計についてです。毎年件数で出されますけれども、利用者を分母にした発生率が必要だと思います。発生率を出していただいて、幼保無償化の議論のときに参考値として出していただくようにお願いします。

以上です。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

続きまして、佐保委員、お願いいたします。

佐保委員: 連合の佐保です。開会に遅れまして、申し訳ございません。

私から3点申し上げます。1点目「こども未来戦略方針」には、保育士の職員配置基準の見直しやこども誰でも通園制度(仮称)の創設、伴走型相談支援の充実などが盛り込まれましたが、いずれの施策も人材なくして実行は不可能です。賃金や労働条件を改善するとともに、安心して働き続けられる職場環境の整備を通じて、人材の確保を迅速かつ強力に進めていただくようお願いいたします。また、同戦略方針で打ち出されました配置基準の見直しについては、欧米の子育てに積極的な国の基準などと比較分析しながら、さらに適正な基準がどうあるべきか検討する必要があると考えます。

2点目、こども・子育て支援に係る財源について、財源確保のための社会保障制度や歳出の見直しによって、既存の社会保障の機能劣化を招いてはなりません。支援金制度(仮称)の構築については、法的性質や給付と負担の関係性、支援金の運営体制と責任、拠出する側からの意見反映など、多数の課題があります。税や財政全体の見直しを排除することなく、幅広い財源確保策の検討を求めます。

3点目、資料3の教育・保育施設等における事故報告集計の報告について、死亡事故だけではなく負傷についても調査開始以降の毎年の報告件数を追加し増減を見ていくことも、今後の事故予防に向けて有効だと考えます。よろしくお願いいたします。

以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、志賀口委員、お願いいたします。

志賀口委員: 日本保育協会の志賀口でございます。よろしくお願いいたします。

本日は保育に関する事項を2点ほど発言させていただきたいと思います。まずは職員の配置基準の改善についてということでございますけれども、保育現場としては改善いただけるということで大変ありがたいのですが、この改善が文字どおり基準の改善なのか、加算等で加配を促進していくのかというところで現場の対応が違うところはございますので、その辺りを整理していただきたいと思っております。

それから、この基準の改善に関しては、例えば質の向上とか、現場の負担感を軽減するという背景があるとは思いますけれども、ただ何となく保育現場は大変だという漠然とした風潮がございますけれども、どのような負担感というところも具体性が必要だと思ってございまして、負担感に対して基準を改善する中でどのような効果があったのか、成果があったのか、その辺りの検証も含めてやっていただけると質の向上につながっていくのではないかと思っております。

第2点目ですけれども、こども誰でも通園制度の創設について、今後検討会を設置し、実施の方針をまとめるということでございますけれども、この新しい仕組みが少子化対策や子育て家庭の支援として積極的な効果が期待できるとすれば、ぜひ保育現場としても協力をしていきたいと思ってございますけれども、その一方で、全国的に見ますと、都市部や地方、また、定員規模によってそれぞれ事情が異なることもございますので、その辺りの現場の実情も丁寧に拾っていただきながら制度設計をしていただければと願っております。よろしくお願いいたします。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、オンラインで杉野委員、お願いいたします。

杉野委員: 全国病児保育協議会の杉野でございます。

少子化対策というと、子育てをする側、つまり、親とか保護者の支援という視点になりがちですけれども、大事なことはこどもまんなか、つまり、こどもの視点で保育の在り方を考える必要があるということだと思います。報告にありましたように、最近、保育の現場でも事故や虐待の事例がたびたび報告されています。原因について考えてみますと、特に幼児期までのこどもでは発達段階や個性も様々で、様々な配慮が必要な場合も多いのではないでしょうか。そういったことで保育する側の負担が大きくなっていることも一因になっているのではないかと考えます。このように様々な意味で配慮が必要なこどもたちを、こどもまんなかの視点で社会が見守る仕組みができているのでしょうか。

私たち病児保育施設では、現在は主に発熱などの急性期疾患のこどもを預かることが多いのですけれども、慢性疾患、発達障害など、ある意味で病的状態にあったり、様々な配慮が必要なこどもたちが、一般の保育の現場にはいらっしゃるのではないでしょうか。このような一般の保育では配慮が必要なとき、こどもたちが安心して過ごせる、安心して預けることができる施設が必要ではないかと考えています。

全国病児保育協議会では、様々な研修を受けていただいて、専門的技能・知識を有する病児保育専門士を養成しています。地域の中で垣根のない育児支援を行っていくためには、保育園、医療機関とともに連携のできる病児保育室が、こども家庭センター等の中核として役割が果たせるのではないかと考えています。

以上です。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

続きまして、髙谷委員、お願いいたします。

髙谷委員: 全国私立保育連盟の髙谷です。

冒頭に、これまでなかなか我々保育関係者は現場の声をお届けする機会がなかったことについて、非常に残念に思っております。これからまさに少子化対策の加速化プランを現場で実行していく段階に入っております。今後政策をスムーズに運用していけるよう、ぜひ公式・非公式を問わず現場で働く保育士の声を行政の皆さんにお伝えできる機会を折に触れて持っていただきたいと思っております。これは要望です。

続きまして、保育士の処遇改善です。徐々に改善をしていただいておりますけれども、まだ全産業平均給与を5万円程度下回っております。現在子ども・子育て支援制度における見える化有識者会議が設置され検討がなされておりますけれども、その前提としての処遇改善を、保育人材確保のためぜひ早急に実施していただきたく思います。

次に、人口減少地域における保育制度の見直しの件です。令和3年12月にまとめられました地域における保育所・保育士等の在り方検討会のまとめの内容を、緊急にスピード感を持って具体化していく必要があると思います。既に離島・郡部の保育機能が徐々に失われつつあります。具体的には、その会議で提案されました公定価格の定員区分の細分化を含む見直し、主任保育士専任加算の要件の見直し・撤廃、人口減少地域への勤務に対する処遇上の評価をはじめそれ以外にも少子化に伴い公定価格を園児数で積算する場合とそうでない場合の割合の見直し、また、保育所における最低定員20人を実児童数が下回った場合の公定価格上の乗除調整の仕組みの導入等の緊急措置をお願いしたいと思います。

続きまして、保育士配置基準の改善です。配置基準の改善は、ぜひ本来の従うべき基準の改正をまず行い、人材確保困難が解消するまで当面の間の経過措置で従前の基準を認めることとするとともに、加配可能な施設への加配措置を行っていただきたいと思います。さらに、3歳以上児については、将来的にOECD諸国並みの配置基準を目標としていただきたいと思います。

次に、加速化プランで御提案いただいておりますこども誰でも通園制度に関して、この制度は就園していないこどもたちの虐待防止や乳幼児健診等の医療・保健機関との連携を図るためにも、一時預かり事業とは区別し、ぜひ市町村の認定行為を経た入所を前提としたシステムにしていただきたいと存じます。それによって市町村との連携が確保され、制度の創設趣旨にかなうものと考えます。また、この制度の開始に当たっては、保育士等の人材確保や運営方法等の課題を整理していく必要がありますので、特に現場の意見を聞きながら制度設計していただきたいと切に希望します。

最後に、令和元年度実施の保育所等の経営実態調査から、保育士の勤続年数は11.2年と以前より延びていることが報告されました。現在勤続5年程度で積算されている保育士の人件費を、それに見合った公定価格上の俸給設定に改善していただきたく思います。また、処遇改善Ⅰの基礎分についても現在勤続11年以上は頭打ちになっております。これについても現状の実態に応じて改善していただく必要があると考えています。

以上でございます。

秋田分科会長: ありがとうございます。ぜひ2分程度でお願いをいたします。

それでは、高橋委員、お願いします。

高橋委員: 全国国公立幼稚園・こども園長会の高橋でございます。どうぞよろしくお願いいたします。

私からは2点お話しさせていただきます。1点目は、質の高い幼児教育が全てのこどもに平等に提供されることを求めます。特に国公立の幼稚園やこども園は、その設置者が公的な存在であるために、公教育としての幼児教育の質を一貫して維持して、地域の核となって、その振興を担っております。国公立幼稚園・こども園の幼児教育は、幼稚園教育要領にのっとり、こどもの発達と学びの連続性を保障して、生涯にわたる人格形成の基盤を育んでおります。サービス保育に偏るのではなくて、こどもの成長と発達といった育ちの支援が重要であるという視点を明確に含めていただきたいと思っております。この視点の実現が社会全体のウエルビーイングにつながっていくのかと考えております。また、こども誰でも通園のことですけれども、先ほど私立様の御発言もありましたが、国公立園でも子育て支援・子育て相談、長年取り組んできております。すぐに始められるのかと思っておりますので、これも生かしていただけるとありがたいと思っております。

2点目は、それに伴う成長と発達に視点を当てた政策をお願いしたいと思っております。教育の質の一層の向上、そして、優れた人材の確保と養成、処遇の改善、教育環境整備が必要だと思っております。特に優秀な人材の確保と処遇改善はセットだと思っておりまして、なり手がいなくなるという現状が近い未来、起こるのではないかと危惧しております。さらに、関係省庁との連携強化、経済界を巻き込んだ子育ちの重要性の啓発なども大切だと思っております。全てのこどもたちに質の高い幼児教育をと思っております。

最後に、5人のお子さんを公立幼稚園で育てた保護者の方がおっしゃっておりました。幼稚園教育要領を僕は全て覚えた、公立幼稚園の先生とともにみんなで子育てを5人してきました、こどもが育つことは親が育つこと、公立幼稚園の幼児教育は重要であり、なくしてはならない国の財産であるとまで言っていただきました。こどもの成長と質の高い幼児教育は切っても切り離せないものでありますよ、先生と言っていただきました。

以上でございます。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、手島委員、お願いいたします。

手島委員: 経団連の手島です。

私からは「こども未来戦略方針」に関連して2点意見を申し上げます。第1に、加速化プランの財源についてです。基本骨格の②に経済活性化、経済成長への取組を先行させる、構造的賃上げと官民連携による投資活性化に向けた取組を先行させると明記されました。企業においては、デフレ克服に向けて賃金と物価の好循環を実現すべく、賃金引上げに懸命に取り組んでいるところであります。こうした取組は、結婚や出産を希望する若い世代の所得を底上げし、安心して子育てできる社会の実現につながるものです。財源確保に当たっては、ぜひ企業が取り組む賃金引上げの効果をそがない形での対応をお願いしたいと思います。

第2に、給付拡充策について、特に児童手当について申し上げます。経団連としては、これまで一貫して優先順位づけ、めり張りづけの必要性を繰り返し指摘してきました。給付に必要な財源に限りがある中、今回所得制限を撤廃し、高所得者についても給付対象とすることの必要性については、大きな疑問が残ります。本来は低所得の子育て世帯など支援を必要とする層への給付を拡充する重点化の取組が、我が国においては必要であると考えております。

私からは以上でございます。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、寺尾委員、お願いいたします。

寺尾委員: 全日本私立幼稚園PTA連合会の常任委員の寺尾と申します。

私は保護者の立場から2点意見させていただきます。1点目は「こども未来戦略方針」を御説明いただいた中で、少子化対策として加速化して出産率を上げるには、まず、こどもが欲しいという希望を増やす、それから、こどもを産み育てたいと考える方へのサポートをする、簡潔にこの2点が重要ではないかと考えます。資料1の加速化プランでも多様な支援策をお示しいただいている中で、不妊治療についての課題整理を進めることとされていますが、不妊治療の推進を積極的に進めていただきたいです。これまでこどもを1人つくるのに高度な治療費、例えば約100万円かかるとされていたものが、3割負担の保険適用となっても30万円ほどかかるので、それが20万でも10万でも減れば、もっと2人目、3人目を出産する意欲が高まるのではないかと思います。

2点目は、こども誰でも通園制度についてです。在宅で子育てする親はワンオペ育児で孤立を感じることもあれば、親子で通園してこどもの成長を近くで見守りたい、あるいは数時間外出したいからこどもを預かってほしい、また、ママ友をつくるコミュニティーの場として参加したい、3歳以上でも通わせたい、幼稚園の先生にこどもを見てもらって育児の相談に乗ってほしいなど、それぞれ異なる状況下で子育てする親と子の年齢や性格に応じたその時々の思いがあると思います。その様々な思いに応えていただけるような支援やサービスを提供する園を親が選べる制度になるとありがたいです。

最後に、親としては当然ながら、こどもにとって安全な場所で、ここでなら安心して預けられるという園や先生にこどもを託したいと考えます。こどもと子育て家庭の温かい支援に取り組んでいる園を積極的に後押しするような支援を充実してほしいと思います。

以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、オンラインの戸巻委員、お願いいたします。

戸巻委員: 全国認定こども園連絡協議会の戸巻です。よろしくお願いいたします。

私からは2点ほどお話しさせていただきたいのですけれども、まず1点、今回の加速化プラン、様々な取組について検討いただいていることに心から感謝を申し上げます。配置基準の見直しであったりとか、誰でも通園制度については、そこでこどもたちと向き合う現場の職員、働く方々の確保は第一義的な部分に僕はなると思っています。いろいろな取組があって、こどもたち、こどもまんなかで支えていくときに、それを取り囲む大人は必ず必要です。ただ、現状はそこに一定数の確保をしなければならないというところで不足している部分があります。その部分は処遇改善等で補っていっていただけるのではないかと思っておりますが、処遇改善等に関していうと、比較対照するときに一般職ではないというところですね。それを超えた社会的地位の向上を目指してやっていくことが職員を確保する場面では重要になってくるのではないかと思っております。現場の職員の方々は肉体労働があり、デスクワークがあり、様々な取組をしております。当初保育士さんとしてスタートした人たちも、高齢の先生たちも今日お伺いすると、私が若い頃はこんなことをしなくてよかったのよ、でも、今はしなくてはいけないから頑張るけれどもねというお話をされますが、仕事量も増えております。その辺を御配慮いただけたらうれしく思います。

2点目ですね。不適切保育を踏まえた保育士等の負担軽減の周知もありましたが、不適切保育については、その背景でどのようなことが起きていたのかも調べていただけたらうれしいと思います。

最後に、様々な取組は自治体間の財政状況に左右されることがなく実施いただけたらうれしいと思います。どうぞよろしくお願いします。

以上です。

秋田分科会長 ありがとうございます。

続きまして、オンラインの新居委員、お願いいたします。

新居委員: よろしくお願いいたします。NPO manmaの新居と申します。

「こども未来戦略方針」の中にも少し組み込まれていたところとも重なるのですけれども、私自身はmanmaという団体で、若い世代が結婚や子育てに対して不安を抱えている、これから結婚してこどもを持つ若い世代に対して結婚や子育てに関する情報提供をするNPOをやっています。具体的には、全国にホストファミリーとなる子育て家庭の方に登録いただいて、新婚のカップルだったりとか、これからこどもを考えているけれども仕事との両立が不安で一歩踏み出せないという方が、安心して結婚や子育てについて先輩方から学べるというようなマッチングの取組をやっています。

「こども未来戦略方針」の中でも、今回もちろん子育て支援のところがメインではあったかと思うのですが、その前段階の結婚を考えている方々への支援というところでも少し最後追加をされていたかと思います。若い世代、なかなか地域コミュニティーとの接点もない中で、こどもと触れ合う機会もすごく少ないまま社会人になり、結婚や子育てのタイミングを考え出すというところで、自分自身はこどもが欲しいのかとか、こどもを持つとどういうことになるのかの体験ベースの経験が非常に少ないと感じております。社会の在り方が変わっていったりとか、それ以外にもこのようなプログラムが広がっていく中で、結婚や子育てについて、特にこどもに何かしらの早いタイミングで触れて自分自身はこどもが欲しいのかそうでないのかを早い段階から考えたりとか、情報が得られるような機会も、少子化対策の文脈でも個人のライフデザインという文脈でも非常に重要かと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、則武委員、お願いいたします。

則武委員: 全国児童養護施設協議会の則武です。よろしくお願いします。

私からは2点お話しさせていただきます。1点目はお礼です。以前の子ども・子育て会議のときから児童手当の高校生年代までの延長ということを繰り返しお願いしてきておりました。私は社会的養護の立場から、せめて児童養護施設にいるこどもたちだけでも延長してほしいということをお願いしていたのですけれども、今回全ての方にということが決まって大変うれしく思っております。ありがとうございます。

2点目は質問です。この会議、ずっと小さなこども、小さな年齢のこどもたちのことを話し合っていて、かねがねハイティーンのこどもたちへの支援についてお願いしてきております。主に自立支援ということになると思うのですけれども、新しくこども家庭庁ができまして、この高校生以上の年代のこどもたち、例えば引きこもっているこどもたちなどについての支援はどこが担当していらっしゃるのかがあまり見えてきていないので、その辺り、担当の課を教えていただければありがたいです。

以上です。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

それでは、質問への回答は最後にまとめてということでお願いしたいと思います。

続きまして、オンラインの藤迫委員、お願いいたします。

藤迫委員: 大阪府箕面市の教育委員会教育長の藤迫です。よろしくお願いします。

まずは保育士の配置基準の見直し、非常にありがたいと思っております。ただ、一方で、私どもは待機児童を抱えているにもかかわらず、保育士不足によりまして、多くの施設で定員を割り込んでいる状況があります。キャパはあるのだけれども、保育士不足によって定員いっぱいに受け入れられていない状況があるということで、何が言いたいかというと、保育士の確保が大きな課題となっておりますので、資料にもありましたように、配置基準の見直しと保育士の処遇改善はセットで必ずやっていただきたいと思います。また、できるだけ配置基準を早く見直していただきたいのですけれども、時間がかかるようでありましたら、その間は各施設が主体的に対数を減じるためにフリーの保育士を配置する場合などについては、給付費の加算などを検討してほしいというのがまず1点意見です。

2点目は感想というか悩みの共有ですけれども、「不適切な保育」について、現場の特にベテランの保育士は非常に悩んでいるように聞いております。たたく、蹴るはもちろん駄目だというのは分かりますけれども、例えば給食の問題などにつきましては、ベテランの保育士などは、乳幼児は食べることが大事ですので少しでも食べさせたいという気持ちがあるのだけれども、無理に食べさせるのは駄目だという、自分の保育がどうなのかという悩みがあるということなので、その辺はまた現場に即した具体的事案について提示していただけたらありがたいと思います。

この会議には多くの委員の皆さんが参加されています。立場がいろいろ違います。私はどちらかというと行政の立場で意見を言いますので、「ちょっとあんた意見が違うよ」ということもあるかと思いますが、末永くよろしくお願いしたいと思います。

以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、オンラインの松田委員、お願いします。

松田委員: 中京大学の松田です。

3点申し上げます。1点目ですけれども、資料1「こども未来戦略方針」ですね。少子化対策の研究者からですけれども、我が国の出生率回復のためには2つの要素が必要だと思います。1つ目は全てのこども、全ての子育て家庭が支えられること、2つ目は現物給付と現金給付、この両方をしっかりやることだと思います。そのような制度設計がなされることを願います。そうした観点から見ますと、今回の児童手当の拡充や誰でも通園制度は必要だと思います。

2点目です。資料1の規制改革案、すごく納得はするのですけれども、1項目だけ引っかかるものがありまして、3歳から5歳児のみの小規模保育の特例を全国展開するということですけれども、3歳から5歳児ですと、ほかのお子様との交流ですとか、ある程度の集団的な活動も必要になる年齢ですので、大丈夫かと引っかかっているところがあります。

最後ですけれども、3点目です。資料3の保育所等における死亡事故についてです。非常に痛ましいものですけれども、7ページをもしあれば御覧いただければと思いますけれども、長期間で見たときには減っているのです。ですから、これは認可施設も認可外施設もともに減っています。ということは、これまで政府や自治体様、そして、現場が行ってきた対策は効果を上げてきたのだと思います。このことをしっかり情報発信することが大事ではないでしょうか。それは現場の保育士の方に対する自分がやったことに対する理解になりますし、また、保育所等を利用する方への安心にもつながると思います。

以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、オンラインの松村委員、お願いいたします。

松村委員: 宇治市長の松村です。会議に遅れて参加して申し訳ございません。

多くの方の御意見を聞く機会を逃してしまったので、重なるところもあるかもしれませんけれども、よろしくお願いいたします。

子ども・子育て会議でもいろいろ出ていた意見について、今回の戦略方針あるいは加速化プランに多く取り入れていただいたことに対して、改めて感謝したいと思っております。
特に、保育士の職員の配置基準、この改善については、明確に数字で出ています、また、文章的には処遇改善も併せてという形でなっていますが、できる限り早急に取り組んでい
ただきたいと思っております。現場では、障害児、発達障害のお子さんたちの対応も含めて大変苦慮しているところもありますので、できる限り早急な対応をお願いしたいと思っ
ております。

あわせて、処遇改善の中で求められております医療的ケア児の受入れでありますとか、障害児加算については、加算そのものを明確にもう少し上げていただきたいというのが、私からの大きな要望となります。対応が大変複雑化している状況の中で、しっかり保育所を運営していくという観点からも、様々な加算については必要と思っておりますので、よろしくお願いいたします。

2点目として、病児保育の安定的な運営の部分になります。新型コロナの関係も含めて、病児・病後児保育で医療機関から保育士あるいは看護師の確保ができず、なかなか運営ができなかったという声を聞きました。コロナが収まって様々な感染症が増えている中で、病児保育そのものをどうやって維持していくか、いろいろな保育制度の充実も大変重要かと思っておりますので、その部分についてもお願いしたいと思っております。

最後の3点目として、こども誰でも通園制度になります。多様な働き方やライフスタイルにかかわらない形の支援を強化するという意味では、一定程度私どもとしては評価しているところではありますが、最前線を担う市にとってこの制度の詳細が分からないというのが現状であります。モデル事業として、31行政区50施設で実施されるというのは今回の資料でも分かりますが、それ以外の市町村、施設ではどういう形になっているのか分からないというのが今の状況であります。本格稼働する場合には、早急に制度を組み立てていくことが必要になりますので、制度設計に関する情報提供はできる限り速やかにお願いしたいと思いますし、モデル事業として取り組まれている50施設の状況についても、できる限り早く情報提供をお願いします。

以上でございます。よろしくお願いいたします。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、三日月大造委員の代理で大杉住子代理人、お願いします。

大杉代理人: ありがとうございます。

こども家庭庁発足以来、精力的に事業の実施、取りまとめに当たっていただき、心より感謝申し上げます。

参考資料5の18ページに三日月知事の意見書をつけさせていただいておりますので、御覧いただければと思います。

2つ目の○にございますように、先月25日、全国知事会におきましては、全ての都道府県が参加する「子ども・子育て政策推進本部」を設置したところでございます。山梨で実施されました知事会におきましては、様々議題がございましたけれども、最も発言を集めたのはこのこども関係の事業という状況でございました。

こうした中で、地方において真に実効性ある取組が展開できますよう、今回3点意見を提出させていただきます。

1点目でございますけれども、「子ども・子育て政策の強化について」、1つ目の○にございますように、取組の展開におきましては地方の意見の反映ということ、それから、特に2つ目にございますように、国が全国一律で行う施策につきましては、地方の財政負担について、国の責任と財源において確実に措置をお願いしたいこと、また、地方自治体の創意工夫が生かせるように、地方財政措置も含め地方財源について確実に措置いただくことを強くお願いしたいと思います。

2点目「子どもの安全対策の強化について」でございます。先般、県内におきましても、放課後児童クラブの痛ましい事故がございました。現在国の調査と併せまして、少し上乗せして詳細が分かるように調査を行っておりますので、また状況等を共有させていただきたいと思いますけれども、放課後児童支援員の配置なども含めて配慮をお願いできればと思います。

3点目「幼児教育・保育の質の向上について」、特に各界連携した質の向上のためのシステム、研修なども可能となる職員体制の強化をお願いしたいと思います。

その他、こどもまんなかアクションなども含めて知事会として連携できることをしっかりさせていただき、国と地方自治体、連携を密にして取り組んでまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、水野委員、お願いいたします。

水野委員: 一般財団法人児童健全育成推進財団の水野と申します。よろしくお願いいたします。

私ども育成財団は、全国の児童館、そして放課後児童クラブを支援している団体でございます。昨年度までの子ども・子育て会議にも参加させていただきましたが、引き続きよろしくお願いいたします。

私から2点お伝えいたします。1点目でございます。資料1「こども未来戦略方針」の4ページの(4)についてです。放課後児童クラブの施設は年々増えておりますけれども、依然待機児童が多くおります。施設数の増加に併せて、従事する職員の確保がとても困難な状況に陥っております。非常勤職員やパートだけで運営している施設も多く、雇用の安定につなげるためにも常勤化、そして給与面での改善をぜひ進めていただければと思います。

2点目です。先日、放課後児童クラブを利用する児童のプールでの悲しい事故がございました。こども家庭庁からも各自治体への通達がございました。私自身、現場での勤務をとても長く行っておりましたけれども、全国の放課後児童クラブでのプールでの活動をしている施設はあまりないとは実感しております。しかしながら、水遊び、それから、屋外遊びにおいての熱中症など、より一層安全への意識が重要であることを感じております。また、資料3の事故報告にもございますように、放課後児童クラブについてはプラス90件と増加しております。施設数の増加に連動して事故の件数も増えているかと思います。また、小学生の遊びはダイナミックなものもとても多うございますので、どうしても大きな事故が発生してしまうということもございます。また、コロナ禍のこの3年間は、こどもたちの運動能力、体力を大きく低下をさせているように感じていますので、こちらも影響があるのかと感じております。こどもの安全に対しては、古い価値観、経験の長い職員の価値観や知識では現在対応が難しくなっていること、特にコロナ禍で採用された職員、支援員などは室内での育成支援がとても多かった、それしか経験をしていない職員も多く、より一層安全への意識を高めることが重要になっているかと思います。

とはいえ、小学生の発達段階には遊びがとても重要です。こどもたちが伸び伸びと遊んで過ごす、そして安心して生活ができるためにも、職員配置基準の検討の実現、そして国
からの安全確保に対する注意喚起、積極的な助言をしていただけたらと思います。ありがとうございます。

以上になります。

秋田分科会長: どうもありがとうございます。

続きまして、宮田委員、お願いいたします。

宮田委員 : 全国認定こども園協会政策委員長の宮田でございます。

私から3点、まず、配置基準の抜本的な見直しについてでございます。今回の「こども未来戦略方針」において、11年前の「社会保障と税の一体改革」以降積み残された1歳児及び4・5歳児の職員配置基準を改善することが明記されたことに対しては、感謝申し上げます。しかし、幼保連携型認定こども園教育・保育要領が掲げるこどもの最善の利益を守り、園児一人一人にとって心身ともに健やかに育つためにふさわしい生活の場であることを実現するためには、十分な配置であるとは言えません。UNICEFの配置基準のベンチマークは15対1となっていることを踏まえ、これに相当する配置を加算ではなく配置基準上で定めていただき、こども一人一人にきめ細やかな対応ができ、適切な保育が提供できることを強く望みます。

次に、処遇改善についてでございます。今回の「こども未来戦略方針」において「民間給与動向等を踏まえた保育士等の更なる処遇改善を検討する」と明記されたことに感謝申し上げます。令和4年より収入を3%、月額9,000円程度引き上げる措置が実施されておりますが、保育従事者の賃金は依然として全産業平均と月額5万円程度の格差があり、令和5年の春闘において民間給与が3.8%程度増加したことにより、さらに差が開いております。職種ごとに仕事の内容に比して適正な水準まで賃金が引き上がるよう、早急にさらなる財政措置による処遇改善を実施していただきますようお願いいたします。また、処遇改善等加算に係る事務負担軽減、仕組みの一元化、法人裁量の拡大も併せて実施していただきますようお願いいたします。

最後に、こども誰でも通園制度についてです。全てのこどもの育ちを応援するためこの制度が創設されようとしていることには、大いに賛同いたします。しかし、一方で、保護者のレスパイトケアのみを目的にした制度や、園児不足の事業者救済措置と受け取られかねない報道などが存在することを懸念しているところです。この制度が実施される際には、こどものための制度であることを広く周知していただき、社会全体で就学前のこどもの健全な育成環境を整備する制度となることを強く望みます。

以上でございます。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、村松委員代理の伊藤代理人、お願いをいたします。

伊藤代理人: 代理人の伊藤です。

全国保育協議会から4点ほど述べさせていただきます。1点目、配置基準の改善についてです。配置基準が改善されたこと、非常にありがたいのですけれども、今、加算での対応となるという話も聞いております。しかし、加算での対応であれば、できるところはできる、できないところはできないということで差が出ます。全てのこどもという観点からいえば、必ずどの園でもということで、配置基準の法的な改善を求めます。よろしくお願いいたします。

2点目です。不適切事案を踏まえた対策についてです。不適切保育に対しては、各園は振り返りによりいろいろなことに取り組んでいるのですけれども、不適切保育を防ぐ責任は一義的には施設長にあると考えています。全国保育協議会では、施設長がその責任を果たすためには、資格、必修研修等の要件等を的確に定め、義務化することが必要だと考えております。検討していただけたらと思います。

次に、こども誰でも通園制度についてです。先ほどからあるように、私たち保育園も今までの経験を基に誰でもが使えるような制度になっていくように応援していくつもりは十分にあります。しかしながら、保育というのはある程度長いスパンで行っていくものです。それが時間単位でということになったら、そこはいろいろな問題がありますので、十分検討していただきたいと思います。全ての保育士にとって施設にとっていい制度になるように検討をお願いいたします。

最後に、制度全体に関してなのですけれども、今、これだけすごくいろいろなことが変わろうとするチャンスです。私たちは今までいろいろやってきました。もっといろいろ言いたいこともありますし、聞いていただけたら答えることもあります。ぜひそういう協議の場、意見を表明できる場、もっとつくっていただきたいと思います。よろしくお願いします。

以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

続きまして、渡邊委員、お願いいたします。

渡邊(寛)委員: 皆様、はじめまして。保育園を考える親の会の代表を務めております渡邊寛子と申します。

当会は働きながら子育てをする保護者に寄り添い続け、今年で40周年を迎えるボランティアの団体です。私は3代目の代表ですが、前代表の普光院に関しましては、保育また幼児教育に詳しいということ、ここにいらっしゃる先生方はご周知のことと存じます。私は一保護者でございまして、本当にそのような状況の中、ここにいるのが大変おこがましいなと思いながら発言をさせていただいております。ですから、働きながら3人のこどもを育ててまいりました当事者から見た意見、課題などをお伝えさせていただきたいと考えております。

現在こどもが高1と小5と小3おりますが、本当に今まさに日々感じていることは、子育てはお金がかかり過ぎるということを痛感しております。働けど働けど、本当に羽が生えたようにお金が飛んでいってしまうというのを目の当たりにして、あれと思うことが多々です。そういった中、日本は過去からOECDの各諸国と比べましても、子育てにかける予算が少ないという御指摘を多々いただいていたかと思っております。

今回、異次元の少子化対策ということで、しっかりと財源を確保いただいて予算を割いていただく御決断をいただいたこと、大変うれしく感じております。ありがとうございます。

今後、この会議の場で、こどもたちにとってどのような育ちの場が一番よいのか、こどもたちはどういう場を求めているのか、その育ちの場の質について、皆様、専門家の先生方と議論を深めていきたいと考えております。

当会としては誰もが安心して通える保育園をというお話をさせていただいておりまして、それに加えて学童も大変大事だと考えております。また、大人の都合ではなくこどもの育ちを一番大切にする社会であってほしいというのは当会の願いでもございますので、引き続き皆様と御意見を交わせたら嬉しく存じます。よろしくお願いいたします。

以上です。

秋田分科会長:ありがとうございます。

続きまして、オンラインの渡辺委員、お願いいたします。

渡辺(弘)委員: もう一人の渡辺です。

資料おのおのに対して1つずつの意見と、最後に質問をさせていただきたいと思います。

まず、資料1の5ページでございますけれども、この「こども未来戦略方針」を見ましても、財源が必要だと思うのです。財源に関して岸田総理は増税しないとおっしゃっておられるので、全世代型の負担が必要になると思うのですね。どなたかが必ず負担しなければお金は湧いてきませんので、財源に関して財務省に任せるのではなく、誰かが説明をしてその負担を持っていただくということで、こども家庭庁もぜひそのような責任感を持っていただきたいと思います。

資料2に関しまして、ガイドラインを策定されることは非常に喜ばしいことだと思います。資料2の1ページでございますけれども、ただ、ガイドラインというのはつくってそのままのことが多いです。それは文科省もほかの省庁も同じことです。ですから、ぜひガイドラインをつくっていただいた後、それが実際に周知され、実施されていて、効果的な結果が出ているかをぜひ検証していただきたいと思います。

資料3に関しまして、報告数が増えているということは、報告する文化が醸成されたと考えると非常によいことだと思うのですけれども、死亡例に関しましては、文化とは全く無関係で実数が出ていると思います。それがさほど減少しないということは、これまでの対策に対して何が問題かという視点で検証される必要があると思います。数が減らないということに対して問題意識を持っていただきたいと思います。

最後に質問です。最初に事務局に関して座席表を見てくださいと言われたのですけれども、座席表がオンライン参加の僕らには資料として配付されていないので、どなたが参加されたかが分からない。前回の子ども・子育て会議のときは内閣府の方以外に文科省と厚労省の方がおいでになったと思うのですけれども、今回こども家庭審議会になった場合のこの分科会には、こども家庭庁だけの方がおいでになるのか、それとも文科省、厚労省の関係者の方も御参加されるのかということを教えていただきたいと思います。

以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

後ほど質問に答えていただくようにしたいと思います。

最後に、鈴木会長代理からお願いいたします。

鈴木分科会長代理: 國學院大學の鈴木みゆきと申します。秋田会長をお支えし、会長代理を務めさせていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。

「こども未来戦略方針」の策定に向けて、様々な視点からの御検討をありがとうございます。

私は規制改革の実施についてなのですけれども、こどもまんなかの理念を曲げることなく、こどもの発達に必要不可欠なことをないがしろにしてはいけないと思っております。今回は松田委員もおっしゃっておりましたが、3歳から5歳の小規模保育所での全国での受入れということなのですけれども、集団としての育ちがきちんと保障されないといけないのではないかと考えております。ですから、そのシステムをつくっていただきたい。例えば全国展開での小規模保育所は、近隣の幼稚園であったり、保育所であったりと常々交流をすることから、集団の中で協働性の学びを身につけていくことが大切なのではないかと考えております。そして、全国の中には確かに僻地、過疎地の中でやむなく小規模になった場合もあると思いますので、その場合はきちんと保育士資格を持った人が研修を積み重ねた上でどのようにカバーしていけるのかも検討していくことが大切なのではないかと思っています。それが本来のこどもまんなかということではないかと考えておりますので、どうか御検討をよろしくお願いいたします。

以上です。

秋田分科会長: ありがとうございます。

駒崎委員、どうぞ。

駒崎委員: 今の座長代理の意見に反論です。我々全国小規模保育協議会では、この3歳から5歳の小規模保育所での受入に関して非常に歓迎しております。集団性を強調されましたけれども、こどもたちの中では集団ではなかなか見切れないこどもがいるというのも実際問題あります。例えば医療的ケアのある子だったりだとか、障害のある子だったりとか、そうした子たちを丁寧に見るという意味においては、非常に小規模で3歳から5歳児を見られるというのは大変重要なことであります。ですから、集団でなければ質が低いかのような御発言というのは、大変私どもにとっては残念なものでございます。

松田委員も大丈夫かなとおっしゃったのですけれども、大丈夫です。例えば19人の集団が集団ではなく60人から100人いなければ集団性がないのかということをおっしゃるのであれば、ぜひそのエビデンスをお示しいただけたらと思います。

秋田分科会長: ありがとうございます。

いろいろなお立場から御意見をいただきました。こどもまんなか社会のこどもは一体誰を指すのか、本当に全てのこどもとして誰を含むのかを、基本政策部会では議論をしたりいたしております。こども誰でも通園をはじめ全てのこども、地域や家庭状況にとらわれない制度をどうやって考えていくのかは重要なところになるかと思いますと、皆様が2分を協力していただいたので一言私もしゃべってしまいました。皆様、ありがとうございました。

それでは、委員からの御質問があった点につきまして、事務局から回答をお願いいたします。

齋藤課長: ありがとうございます。

まず、全ての委員の皆様におかれまして、大変貴重な御意見をありがとうございました。こども未来戦略に書かれてございますこども誰でも通園制度、出産・子育て応援交付金、伴走型支援をはじめ産後ケア、処遇改善、配置基準、本当に様々な論点につきましてたくさんの御意見をいただきました。冒頭に申し上げましたとおり、今後制度化に関わるものについてはきちんとした形で御議論いただくよう整理させていただきますが、それに限らず今回いただきました御意見について、しっかりこども家庭庁としても踏まえながら対処していきたい、これに加えて、今後ともこの機会を通じまして、こういった形で引き続き御意見を拝聴していきたいと考えております。

それから、御質問のあった点につきまして、まず、最後の点につきましては、事務局の名簿がないという点につきまして、大変申し訳ございません。こちらの不手際でございまして、事務局のリストがございません。会場には名札が出ておりますけれども、オンラインの方につきましては名札が確認できないということですので、もしよろしければこの場で少し簡単に御紹介させていただきます。

こども家庭庁の成育局長の藤原、審議官の黒瀬が参っております。

それから、私が総務課長の齋藤でございます。

保育政策課の本後課長、成育環境課の山口課長、それから、安全対策課の鈴木課長が同席しております。

それから、事務局のオンラインとして、成育基盤企画課長の高木が参加しております。

御指摘のありました文科省についても、今回もしっかり参加していただいておりまして、文科省の初等中等教育局の安彦審議官、それから、幼児教育課の藤岡課長に御参加いただいております。

改めまして、事務局の不手際をおわび申し上げます。

もう一点御質問がございまして、則武委員からこども・子育て支援ということで、小さなこどもを対象にしているということですけれども、ハイティーンの方、それから、高校生以上の年代の子の支援についてもどこで対応しているのかという御質問でございました。御指摘のように、この部会ですけれども、子ども・子育て支援法、支援制度ということで、基本的には児童福祉法の児童の範囲内でこれまで議論してきたところでございます。これに対しまして、こども家庭庁発足、それから、こども基本法ができておりますけれども、この中ではこどもというのは基本的には年齢を区切らずに対応するということでございまして、現在こども基本法の下でこども大綱をつくるということで議論しておりますが、この中では、今、おっしゃったような小さなこどもだけではなくてティーンの方も含めた年代ごとに、例えば青年期といったところも含めて議論をしておりまして、御指摘のような自立支援といったことも含めて議論をしていくことになるかと思っています。それから、こどもの居場所についても指針をつくることになっておりますが、ここについてもこどもというのは広く範囲を取りまして、そういった方々、困難を抱える方も含めて、ハイティーンも含めた方の居場所という観点からも議論して、支援策等に具体的に結びつけたいと考えております。

その他の個別の点につきまして。

本後課長: 保育政策課長でございます。

私から7点お答えをしたいと思います。1点目、誰でも通園制度についてでございます。これは非常にたくさん、15名の方から御意見を頂戴いたしました。その意義、方法、具体的にどうやっていくか、そういった様々な観点から御意見を頂戴したと思っております。この制度、新しい給付ということで新しくつくる制度でございます。かつ全国的に提供体制を確保するという意味でいきますと、今日いらっしゃる保育所の皆さん、それから、認定こども園の皆さん、地域型保育事業所の皆さん、幼稚園、子育て拠点の皆さん、その他様々な皆さんのお力を結集してつくっていかなければいけないと思っております。モデル事業、今年度から実施をしておりますけれども、そういった自治体の取組も踏まえながら、関係する皆さんの様々な御意見を頂戴しながら制度の設計あるいは来年度からの本格実施を見据えた形での実施を進めていきたいと思っています。これから議論をしっかりと深めていければと思っております。

2点目、配置基準の関係でございます。これは様々御意見をいただきました。基準そのものでという御意見もたくさんいただいております。現在といたしましては、基準そのものでということにいたしますと、基準を下回らざるを得ない事業所も出てくるという中、大変混乱が生じると思っておりますので、今、私どもが考えておりますのは、基本的には加算でと考えております。いずれにいたしましても、具体的には今後整理をしていきたい、詰めていきたいと思っております。

3点目、処遇改善、人材の確保という点でございます。処遇改善につきましては、見える化ということを併せて実施しながら、今後もしっかりと取組を進めていきたいということ、それから、人材の確保、これも重要な課題でございます。骨太の方針の中にも配置基準の改善も見据えた上で、保育人材の確保の方策を強化する、それから、負担軽減についてしっかりと考えるということも書き込ませていただいております。この取組も進めていきたいと思っております。

公定価格に関する様々な御指摘をいただきました。これは当然財源をどうするかということも併せて運用を考えていくことになりますので、引き続き検討していきたいと思っております。

「不適切な保育」の関係、通報の対象のお話ですとか、実際に具体的な場面が分かるようにという御指摘、それから、ガイドラインについてそのフォローアップをしっかりすべき、様々御意見をいただきました。これらの御指摘、いずれもそのとおりと思っておりますので、今後いただいた御意見を踏まえまして、しっかりと検討していきたいと思います。

病児保育の在り方についても御指摘をいただいております。病児保育に関わる保育士の専門性あるいは安定的な運営の確保、そういった御指摘もいただきました。加速化プランの中でも病児保育の安定的な運営に資するよう事業の充実を図ると記載をいたしております。具体的には今後詰めていきたいと思っております。

最後、7点目でございます。今ほども御議論のありました小規模保育の3歳から5歳の件でございます。これは経緯を申し上げますと、今、国家戦略特区の中で実際に特区として行われている事項について全国展開をするかどうかという議論でございます。したがいまして、特区で行われている現在の状況も踏まえた上で、その必要性、具体的にどういう方法でやっていくのかも併せて、これは法改正が必要になってくる事項でありますので、制度改正の議論と併せて検討を深めていきたいと思っております。

私からは以上でございます。

山口課長: 成育環境課長でございます。

私から2点お答えしたいと思います。1点目ですけれども、出産・子育て応援交付金、伴走支援と経済的支援を一体的に実施する事業について、岡本委員、小川代理人、佐藤委員から御指摘がございました。この事業につきましては、昨年度の補正予算で始まった事業でありまして、どういったやり方で進めるのか、具体的に様々な現場で工夫をいただきまして、何とか実施に至っているということで、感謝申し上げます。その中で、我々としては事例集という形で3月3日に国としてもお示しをしておりまして、御指摘もありましたけれども、2回目の相談支援を拠点で実施をしている桑名市の例なども紹介をさせていただいたところです。これから制度化を検討することになっておりますので、現在の実施状況も踏まえながら、質の高い相談支援と経済的支援の一体的実施ができるように、現場の御意見もよく伺いながら進めてまいりたいと思っております。

2点目ですけれども、大杉代理人、水野委員から放課後児童クラブについて御指摘がありました。報道されておりますけれども、先週、プールでの事故がございまして、こどもが亡くなるという痛ましい事故がございました。まず、死亡事故については、これはあってはならないということで、安全管理を徹底するよう国としても通知をいたしまして、さらに、プール活動を実施しているかどうか、こうしたことについて先週金曜日に事務連絡を発出いたしまして、現在調査をしているというところでございます。安全確保については万全を期すということと併せて、また、配置基準の改善について水野委員からも御指摘がございました。冒頭、総務課長から御紹介のありました「こども未来戦略方針」におきまして、常勤職員配置の改善が盛り込まれております。その実現に向けて取り組んでまいりたいと思っております。

私からは以上です。

鈴木課長: 安全対策課長でございます。

何点か御指摘等いただいたかと思いますが、まず、今回事故件数は公表しておりますけれども、その分母ですね。いわゆる事故の割合が分かるようにしたほうがいいのではないかという御指摘で、確かにもう少し見やすいような工夫はしたほうがいいのかと思いましたので、来年以降、対応してまいりたいと思います。資料3のうち、全体の4ページになりますが、ここで参考として右側に「施設・事業数」という数字は出ておりまして、これを単純に割り算いたしますと、施設数に対する事故件数は割合としては2.21%となっておりまして、これに対して認可外の施設だと実はかなり数が多くて、参考までに、平成27年と比べますと施設数が26%ぐらい増えていると。その中で事故件数は平成27年が21件だったのが令和4年は53件となりますので、増えている分はかなり多いのですけれども、ただ、割合でいいますと認可外ですと0.26%ということですので、全体から見るとかなり少ないと、数字的にはそうなっております。この辺の分母を出してもう少し割合が分かるようにというところは、来年以降また工夫してまいりたいと考えております。

長期的に見た比較ということで、先ほど御指摘いただきましたが、資料全体だと9ページになりますか、平成16年から令和4年まで、これは死亡事故だけが載っていまして、負傷の件数も載せたほうが分かりやすいのではないかといった御指摘もありましたので、それもまた工夫してまいりたいと思います。

死亡に関していいますと、平成16年から見ていますと、平成28年までは死亡数が2桁でありますが、平成29年以降1桁に減り、ここ3年、5人という状態になっております。長期的に見れば減っているではないかといった御指摘もありましたが、因果関係がはっきりするわけではないのですけれども、平成28年にこの国においてガイドラインが整備されたことや、あるいは重大事故の事後的な検証、やり方について自治体に通知したといったことから、死亡事故の減少にもしつながっているのであれば、それは一定の効果があったということも言えるのかとは思っております。一方で、報告される事故件数自体は増えています。これは先ほども御指摘がありましたとおり、国への報告という仕組みが定着してきたということもあるのかとも受け止めているところでございます。今回御指摘いただきました点、また来年以降の公表する際により分かりやすい資料になるように工夫してまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

齋藤課長: 以上でございます。

秋田分科会長: 多くの観点から御意見をいただきまして、有意義な時間になったと思います。皆さん、2分間を協力いただきまして、誠にありがとうございます。

それでは、本日の会議はこれで終了といたします。

どうぞご意見をお願いいたします。。

松村委員: 先ほどの配置基準の関係ですが、職員の配置基準は、基準として改められるのでしょうか。加算でという説明があったように聞こえるのですが、加算と配置基準の見直しは全然違いますが、その辺、もう一度御説明いただいてもよろしいでしょうか。

秋田分科会長: お願いいたします。

本後課長: 改めて御説明をさせていただきます。

この配置基準につきましては、加速化プラン上は「具体的には、『社会保障と税の一体改革』以降積み残された1歳児及び4・5歳児の職員配置基準について1歳児は6対1から5対1へ、4・5歳児は30対1から25対1へと改善するとともに」という形で記載をさせていただいております。この方法としては、様々御指摘ございましたとおり、実際に職員の最低基準という形での基準を見直していく考え方、それから、これは3歳児の配置基準の改善のほうで既に実施している加算というやり方、やり方としては大きくこの2つのやり方がございます。

今、加速化プランで記載をした内容を実現していくときに、どの方法を取るかは論点になるわけではありますけれども、御意見の中では、まさに最低基準として、基準としてしっかり書き込むべきだという御意見は様々ありましたし、実際にそういった声もあります。一方で、ただ、最低基準という形でしてしまいますと、最低基準を満たすことができない園については最低基準違反ということになって、現場で運営をしていく上で非常に混乱が生じることも併せて考え合わせなければいけないと考えております。

したがって、これを実現していく方法ということで考えますと、私どもとしては加算と、3歳児で今、やっている方法と同じでありますけれども、加算という方法を基本的に考えているということを申し上げたということでございます。

松村委員: 加算ということを強調されることによって、配置基準の見直しとは取られにくくなってしまうと思うのですが、表現の仕方を変えていただくか何らかのことをしないと、せっかく職員の配置基準について一定程度評価している私ども行政にとってみれば、加算という表現がマイナスに聞こえてしまうので、いま一度、その辺の考え方を整理していただけたらと思っております。

申し訳ありませんが、私も、3歳児がどういう記載になっているのか詳細まで押さえていませんので、改めて確認させていただいた上で、メール等で御質問させていただきたいと思います。

秋田分科会長: よろしゅうございますでしょうか。

どうぞ。

佐藤委員: ありがとうございます。

事故件数について言及をありがとうございました。お話の中で施設数を母数にされていたかと思いますけれども、利用人数を母数にしたものも併せて参考値として出していただければと思います。よろしくお願いします。

秋田分科会長: よろしゅうございますでしょうか。

この件につきましては、先ほどの御質問についてはメール等で御意見もいただき、また、全員にも関わるかもしれませんので、次回以降のときに何らかの御説明もいただけるとよろしいかと思います。

それでは、これで閉会とさせていただきます。どうもありがとうございます。